みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 香港クレージー作戦 無責任男の異名を持つ植木等だが、この映画では結構真面目。小料理屋、とんかつ屋、ホルモン焼屋のクレージーのメンバーに一肌脱ぐ映画だ。香港の有力者を笑わせようとするコントはおもしろくないし品がないと思うが、中尾ミエの歌は良い。そういえば浜美枝も、漢字とカタカナの違いはあれど同じ名前か。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-18 23:43:14) 2. ぼんち しきたりに縛られる船場の老舗のぼんぼん喜久治、父親は仕事一筋の婿養子で影が薄い。それに引き替え母親と祖母の実権は強く、喜久治の嫁は男子を出産すると追い出される始末、というように実に鮮やかにスピーディに物語は展開する。さらに嫁がいなくなったぼんぼんに妾の世話まで焼く母と祖母、実におもしろい。 この映画の女性陣は超豪華、中村玉緒などすぐ引っ込んでしまうのがもったいないほどだが、主演の市川雷蔵も時代劇の格好良さと違ってなかなかの好演。原作のすばらしさも感じるが、脚本監督もまたそれ以上にすばらしい映画だ。[DVD(邦画)] 8点(2012-06-20 16:32:57)《改行有》 3. 冒険者たち(1967) 夢とロマンを追ってたどり着いたのが海に浮かぶ要塞、宝があっさり見つかってしまうがええーっという感じだが、流れる音楽が印象的で実に良い。終盤の銃撃戦は嫌だけど・・・。昔見た映画だったけど、DVDで再鑑賞して新たな発見。前半の日本料理屋が出てくるあたりで「戦場にながれる歌」のポスターを発見。[映画館(字幕)] 7点(2012-02-06 20:27:24) 4. 放浪記(1962) 林芙美子の「放浪記」と言えば、映画だけでなくお芝居にもドラマにもなった。その数は数え切れないくらいだろう。私も子どもの頃芝居を見、映画も見た。しかし数十年経った今では、主人公のふみ子が貧乏で苦労の連続だったことしか覚えていなかった。 それがようやくDVDで鑑賞して改めて凄い人生だったことを再認識した。そしてこのふみ子を演じた高峰秀子のうまさ、すばらしさ。本当に林芙美子になりきっていると思う。こういうのを白熱の演技と言うのだろう。 そしてふみ子を巡る人たち、その人たちの中にあって加藤大介が良い役を演じている。ふみ子は男を見る目がなかったのだろうかと・・・。[映画館(邦画)] 7点(2011-08-04 23:18:51)《改行有》 5. ボッカチオ'70 《ネタバレ》 ボッカチオが書いた「デカメロン」 デカというのは10であり、デカメロンは10日という意味だそうだ。日本では十日物語として訳されている。(アラビアンナイトには及ばないが) この映画はさまざまな「愛」をモラルと対比させ、4話のオムニバスとして作られている。4話はフェデリコ・フェリーニら4人の監督が担当したが、計200分を要する映画は上映時間の長さのためか名前の薄いモニチェリの第1話は省かれてしまった。 私がスクリーンで見た時も、3話しかなくしかも順番も違っていた。それがようやく10年ほど前に第1話も含めて完全版となり、DVDにも収められた。それで今回見たのはそのDVDである。 4話はそれぞれに監督の特徴が出てどれも素晴らしいと思われるが、私が好きなのは第1話と第2話。いったん省かれた第1話「レンツォとルチアーナ」は、他の作品と比べ変わっている。ヌーヴェルヴァーグというものらしい。結婚式を仕事の合間に行ったり、夫婦が昼と夜後退で寝るというような、切実な生活の中の愛を描いている。実に斬新であり、訴える力がある。 それと第2話「アントニオ博士の誘惑」フェデリコ・フェリーニの脚本監督であるが、巨大広告の中の女が飛び出してきて、博士を誘惑する。この博士と巨大女の対決がまた何とも言えない。 第3話と第4話は前の2話に比べるとやや平凡。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-02 06:15:49)《改行有》 6. ポケット一杯の幸福 《ネタバレ》 原題はMiracle、ポケット一杯の奇跡なのですね。ギャングの親分がアニーのために一肌脱ぐのも奇跡なら、アニーが貴婦人に変身するのも奇跡、ラストで市長夫妻ら大勢のお客が登場するのも奇跡です。しかし、その奇跡がアニーだけでなく、皆の幸福をもたらす・・・、すばらしい映画です。 登場人物も、見たことのある顔が並び、とても親しみやすい。フランク・キャプラの映画はとても甘いと言われるけど、皆が幸福になればそれでよいのでは・・・。 彼がずっと以前に作った映画を手直ししたのも、理解できるような気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2011-02-19 07:33:57)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS