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プロフィール
コメント数 1882
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  マー/サイコパスの狂気の地下室 《ネタバレ》 女手一つで自分を育ててくれた母親とともにとある地方都市へと越してきた女子高生、マギー。持ち前の明るい性格からすぐに友達もでき、転校から数日後にはクラスのイケてるグループからパーティへと誘われるまでになっていた。そんなある日、彼女は友達と飲む酒を手に入れるために町の酒屋の前で代わりに買ってくれる大人を探してたところ、とある年配の女性と知り合う。スー・アンと名乗るその黒人女性は、それどころか自宅の地下室を自由に使ってもいいと提案してくれるのだった。面倒臭い大人たちの目を避けるために、戸惑いながらもスー・アンの自宅へとやって来たマギーたち。広い地下室で自由に酒を飲み、今という時間を楽しむ彼女たちにスー・アンはこれからいつでもこの地下室を好きに使っていいとまで言ってくれるのだった。夢のようなそんな言葉を素直に受け入れ、友達も呼んで夜な夜なパーティーに浮かれるマギーたち。だが、マギーは知らなかった。彼女が、過去の辛い出来事を機に心を病んでしまったサイコパスであることを――。今どきのティーンエイジャーが、偶然知り合ったサイコパスな女によって恐怖のどん底へと叩き落とされる姿を描いたサイコ・サスペンス。実力派女優オクタヴィア・スペンサーが、そんな心を病んでしまった中年女性を演じているということで今回鑑賞してみました。率直に言って題材は良かったと思うんですよ、これ。何気に豪華な役者陣も、このありがちなストーリーに説得力を持たせることに貢献している。問題は、監督の演出力。雑と言うか稚拙と言うか、映画として面白くなりそうなポイントをことごとく外しているんです。頭空っぽな今どきティーンエイジャーの主人公たちが、最初は親切だと思っていた黒人のおばちゃんに地下室に閉じ込められて……なんて、エンタメホラーとして普通に面白くなりそうなのに、これがちっともそうならない。この監督って、これまでホラー映画というものを観たことがないんじゃないかって疑っちゃうくらいでした。物語の重要なポイントとなる、このサイコパス女性の過去を描く回想シーンの挿入の仕方も恐ろしく稚拙。彼女の足の悪い娘の存在なんて、居る意味あったのかってくらいでした。クライマックスでようやく、このサイコパスな女の暴走が始まるわけですが、これも見せ方があまりにテキトーでさっぱり怖くない。題材はシンプルで良かっただけに、もっとホラー映画を分かった監督に演出して欲しかったですね。[DVD(字幕)] 4点(2021-07-04 04:50:39)

22.  マーウェン 《ネタバレ》 彼の名は、マーク・ホーガンキャンプ。豊かな想像力と細部にまで拘った唯一無二の世界観によって人気を博す人形写真家だ。第二次大戦中のベルギーの小さな村マーウェンを舞台にした、魅力的な女性ヒーローたちがナチと戦う一連のシリーズは特に人気だった。近々ニューヨークで個展を開くことも決まり順風満帆に見える彼だったが、その私生活は決して順調とは言えなかった――。そう、彼は数年前にバーで男どもに因縁を付けられ、生死を彷徨うほどの酷い暴行を受けたのだ。以来、過去の記憶もなくなり、精神の安寧のためには薬も手放せなくなるほど心に深い傷を負ってしまったマーク。郊外の一軒家で誰にも心を閉ざし独りぼっちの生活を送る彼だったが、それでも想像の中にある自分だけの世界、マーウェンに居れば幸せだった。だが、残酷な世界はそんな彼の空想の中にまで侵食してきて……。実話を基に、孤独な写真家の想像上の世界と現実との葛藤を独創的な映像で描いたヒューマン・ドラマ。監督はエンタメ映画界の名匠、ロバート・ゼメキス。冒頭から緻密に再現された、主人公が創り出した人形写真の世界観にまず圧倒されます。明らかに人形の登場人物たちがいきいきと動き喋りまくるんですから、この最新技術の粋を極めたであろう映像はさすがロバート・ゼメキスといった感じですね。悪逆非道のナチスどもと戦う五人の女性たちもそれぞれ個性豊かで、彼女たちを率いるアメリカ軍大尉のいかにもプレイボーイ然としたところも大変グッド。そんな人形たちの世界をひたすら引きこもって創造し続ける主人公の偏執的な感じなど、この残酷な世界から必死に逃れようとしていることが痛いくらいに分かり、なんとも切ない。なんとなく僕は、アウトサイダー・アート界の伝説的人物、ヘンリー・ダーガーの創り出した「ヴィヴィアン・ガールズ」を思い出しちゃいました(知らない人はレッツ検索!)。ただ残念だったのは、後半の展開。物語の焦点は、酷い暴行を行った男どもの裁判に主人公が出廷し証言するのかどうかというところになるのですが、それが空想世界内におけるナチスとの闘いといまいちリンクしきれていない。それに向かいに住む女性とのラブストーリーも正直微妙だし、彼女に付き纏うDV彼氏の扱いもなんとも中途半端。このポップでありながらどこかフェティッシュな独創的な世界観は非常に魅力的だっただけに、惜しい![DVD(字幕)] 6点(2021-06-21 06:36:07)

23.  魔女がいっぱい 《ネタバレ》 魔女は本当に存在する!そう、いたるところに――。両親を事故で亡くし、以来お婆ちゃんの元へと引き取られた8歳の少年である〝僕〟。心に深い傷を負った僕は、ずっと心を閉ざし独りぼっちで生きていた。優しいお婆ちゃんのことは大好きだけど、でもやっぱり僕はお母さんが恋しい。そんなある日、僕は町で不思議な女の人を目撃する。そう、その人はなんと身体に蛇を纏わりつかせ、邪悪な目をしながら僕にお菓子をあげるって言ったんだ。怖くなった僕は、すぐさまお婆ちゃんにそのことを話した。するとお婆ちゃんは驚きの真実を教えてくれた。「そいつはきっと魔女だよ!魔女はね、子供が大嫌いでいつだって子供を醜い動物に変えてしまおうって考えてるんだよ」――。身の危険を感じた僕は、お婆ちゃんに言われるまま、アラバマの高級ホテルへとやってきたんだ。だけど、そこには恐ろしいことに魔女たちのボス、大魔女とその大勢の仲間たちが会議を開くためにやって来ていたんだ。魔女たちは世界中の子供をネズミに変えようとしている!そのことを知った僕はもちろんすぐさま魔女たちの計画を阻止するために動き出した。でも、瞬く間に返り討ちに遭った僕は、とある無力な動物へと変えられてしまう……。『チャーリーとチョコレート工場』で有名な児童文学作家ロアルド・ダールの原作を、最新のCG技術で映像化したエンタメ・ファンタジー。監督は、エンタメ映画界の巨匠、ロバート・ゼメキス。率直な感想を述べさせてもらうと、いやー、面白かったですね~、これ。チョコレート工場同様、ちょっぴり毒を含んだこの世界観は自分には完全にツボでした。純粋無垢な子供が見たらトラウマになるんじゃないかってくらい、魔女たちの造形がかなりグロテスクで気持ち悪いのが大変グッド。大魔女を演じたアン・ハサウェイなんて、その性格の悪さが滲み出ていて?なかなかの嵌まり役でした。ロアルド・ダール常連と言ってもいい食べるの大好きおデブボーイもナイスな仕事ぶり。ネズミに変えられた主人公たちも可愛かったですし、彼らと魔女たちの戦いはどれも撮り方が凝っていて胸がワクワクしちゃいましたわ。クライマックスの魔女たちがぽんぽんネズミに変わるシーンなんて最高でしたし。そして最後の意表を突く終わり方!まさかのそのままかーい(笑)。しかも余命3年って…。いかにもロアルド・ダールらしいその毒気のあるオチに僕のテンションは爆上がりでした。うん、なかなか面白かった!8点![DVD(字幕)] 8点(2021-05-14 04:13:44)(良:1票)

24.  マイ・ビューティフル・デイズ 《ネタバレ》 演劇大会へと出場するため、遠く離れた地までドライブする三人の高校生とその担当となった先生の何気ない日々を淡々と描いた青春ドラマ。まあやりたいことは分かるし、等身大の登場人物たちを優しく見つめるこのほのぼのとした世界観にも好感が持てるものの、どうしても付きまとうこの物足りない感。正直、なんてことないお話過ぎて心に残るものがいまいち感じられないんですよね、これ。もう少し、この作品ならではといった個性が欲しかったところ。ただ、高校生の一人を演じたのがまだ無名だったころのティモシー・シャラメで、彼の初々しい姿が見れたのは眼福でした。ま、そんな感じです、はい。[DVD(字幕)] 6点(2021-02-18 02:24:37)

25.  マ・レイニーのブラックボトム 《ネタバレ》 1927年、その日、シカゴの小さな録音スタジオは緊張に包まれていた。何故ならブルースの母と呼ばれる気難し屋で有名な人気歌手、マ・レイニーが自らのバンドを引き連れ収録へと臨んでいたからだ。レコードとして発売されたら大ヒット間違いなし、彼女を口説き落とした白人の音楽プロデューサーは、人生を懸けて入念なリハーサルを重ねていた。だが、長年白人から虐げられた生活を余儀なくされていた彼女は最初から無理難題を要求し、スタジオは瞬く間にひりひりするような空気に包まれる。そこに野心に燃える若手トランぺッターも加わったことで、緊張は一気に頂点へと昇り詰めるのだった。果たして、彼女の最大の名曲とされる「ブラックボトム」は無事に録音できるのか?何度もテイクを重ね何枚も原版を無駄にしながらも時間だけはどんどんと過ぎてゆく……。まだ黒人が著しく虐げられていたこの時代、自らの音楽だけを魂の拠り所に生きたブルース・バンドの意地とプライドのぶつかり合いを描いたヒューマン・ドラマ。長年人種差別問題に高い関心を寄せていた俳優チャドウィック・ボーズマンの遺作となった本作、制作に名を連ねているのが名優デンゼル・ワシントンということもあり今回鑑賞してみました。偏屈で気難し屋で白人たちを目の敵にする人気ブルース歌手マ・レイニーを演じるのは、実力派のヴィオラ・デイヴィス。そんな実在した歌手をモデルにしてはいるのですが、本作はまるっきり創作だそうで。と言うか、舞台はほぼこの狭い録音スタジオの一室のみ、そこで様々な事情と思惑を抱えた登場人物たちの激しい応酬がメインとなるその内容に、「なんだか舞台劇のようだなぁ」と思ったら、実際にそうらしいですね。実力派の役者陣が織りなす、まさに魂の咆哮とも呼ぶべき密度の濃い演技合戦は見応え充分でした。特に、普段は軽佻浮薄な言動を繰り返す若手トランぺッターを演じたチャドウィック・ボーズマンが、子供のころの壮絶な思い出を語るときの鬼気迫るような表情には圧倒されました。素晴らしいとしか言いようがなく、つくづくその急逝が惜しまれます。どうやらレズビアンでもあったらしいマ・レイニーを貫禄たっぷりに演じたヴィオラ・デイヴィスも負けず劣らずの存在感。そして、肝心の彼女の楽曲「ブラックボトム」も、気怠いようなジャジーな雰囲気がなんとも耳に心地良かったです。年老いた黒人バンドメンバーが語る、「白人からしたら、俺たち黒人は残飯なんだ」という言葉が重い。うん、充実した映画体験をさせていただきました。7点![インターネット(字幕)] 7点(2021-01-20 01:05:55)(良:1票)

26.  Mank マンク 《ネタバレ》 映画史に燦然と輝く名作『市民ケーン』。その脚本を書いたマンクこと、ハーマン・J・マンキーウィッツの半生を実話を基に描いたという本作、監督を務めるのが今やサスペンス映画界の巨匠となったデビッド・フィンチャーで、しかも主演には名優ゲーリー・オールドマンというのだから、これは観ないわけにはいきますまい。配信が開始されたばかりのネットフリックスにてさっそく鑑賞。先に結論を述べさせてもらうと、残念ながら僕は全く嵌まれませんでした。名作と名高いオーソン・ウェルズの『市民ケーン』を自分が未見だというのもあってか、最後までさっぱりピンとこなかったです。僕がフィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』や『ゴーン・ガール』は大好きなのですが、『ソーシャル・ネットワーク』や『ゾディアック』といった実話を基にした系列の作品が個人的に苦手だというのもあるのかも知れませんね。モノクロを基調とした映像は相変わらず美しく、オールドマンの熟練の演技も大変素晴らしかったので、作品としてのクオリティは充分高いことは僕も認めるところなのですが。要は好みの問題。僕は本作の良い観客とはなれなかったようです。[インターネット(字幕)] 5点(2020-12-10 04:56:10)

27.  マリッジ・ストーリー 《ネタバレ》 情熱的な恋の果てに結ばれたはずの夫婦が迎えた離婚の危機を、ほろ苦いユーモアを交えて描いたヒューマン・ドラマ。監督は僕とはどうにも相性のよくないノア・バームバックだったのだけど、アダム・ドライバー&スカーレット・ヨハンソンという今ノリにノッてる人気俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、やはり今回も僕の好みとはどうにも合わなかったですね。確かに、全編に散りばめられたユーモアはどれもセンスがあって大変良いし、ときおり見せる機智と警句に富んだセリフにもハッとさせられるし(特に、キリスト教圏の女性は常に聖母マリアと比べられるというセリフには唸らされました)、役者陣のナチュラルな演技も素晴らしいしで、完成度はむちゃくちゃ高いのは僕も認めるところなんですけども。離婚どころか一度も結婚すらしたことのない自分としては、この離婚あるあるにいまいち嵌まれなかったのも要因の一つかな。まあでも最終的には、好みの問題。僕は本作のいい観客にはなれなかったようです。[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-29 04:32:09)(良:1票)

28.  マレフィセント2 《ネタバレ》 もはや元ネタの「眠れる森の美女」とは何の関係もなくなってしまったディズニー名作アニメ実写化シリーズ最新作。その映像のクオリティは抜群の安定感で、妖精たちのカラフルな造形は見ているだけでワクワクしちゃいますね。まあ肝心の内容の方は恐ろしくつまんなかったですけど。だいたいオーロラ姫もマレフィセントも最後まで何がしたかったのかいまいちよく分からない。明確な目的をもって動いていたのは、新悪役のあのミシェル・ファイファー演じる女王様だけなんじゃないでしょうか。オーロラ姫をかばって死んだマレフィセントがそのすぐ後には復活し、その理由も実は不死鳥の末裔だからと言う超テキトーなものだったのには思わず失笑しちゃいましたわ。映像のクオリティとオーロラ姫を演じたエル・ファニングちゃんの可愛さに5点![DVD(字幕)] 5点(2020-09-02 00:16:18)(良:1票)

29.  マスターズ・オブ・ホラー(2018) 《ネタバレ》 街の片隅に佇むその古ぼけた映画館では、夜な夜な誰も知らないような無名の作品が上映される。観客は常にたった一人。しかもどうしてこの映画館にやってきたのかすらぼんやりとして思い出せない。やがて独りぼっちの観客は驚きの真実を知ることになる。なんと映画の主人公は、自分自身だったのだ。今夜も血と恐怖にまみれた「悪夢の映画」の幕が上がる――。第一話『森の中の物体X』。広い森の中を逃げ惑う血だらけの若い女性。追ってくるのは溶接用の仮面を被り、ガスバーナーを手にした謎の男。森の中でボーイフレンドと再会した彼女は一軒の小さな山小屋の中へと逃げ込むのだが、そこで驚愕の真実を知ることに。監督はキューバの新鋭、アレハンドロ・フルゲス。ベタベタなスプラッター・ホラーと見せかけて、後半に驚異のどんでん返しを見せるアイデアはなかなかグッド。演出もキレがいいし、特にモンスター視点で画面を見せるとこは面白かった。ただ良くも悪くもチープすぎるのが難点か。6点。第二話『ミラリ』。優しい彼氏との結婚を控えた若い女性。だが、彼女には唯一の悩みの種が。顔の目立つところに大きな傷跡があるのだ。彼の両親に会う前に、彼女は言われるまま整形手術を受けることに。だが、手術室から帰ってきた彼女は自らの身体に加えられた〝改造〟に気づいてしまう。監督はハリウッドのベテラン、ジョー・ダンテ。ワンアイデアながら長年の経験が活かされた、小気味のいいショートショートに仕上がっていたんじゃないでしょうか。主人公以外の人間が皆怪しさ爆発なのがナイスですね~。ただ、肝心の改造された主人公の造形がもひとつでした。6点。第三話『マシット』。森の中に佇む古い教会。そこでは悪魔に取り憑かれた少女によって惨劇が繰り返されていた。修道女とともにそんな悪魔を撃退しようとする神父だったが。監督は唯一の日本人、北村龍平。同じ日本人として擁護したくもなりますが、どうにもこうにも出来の悪い作品でした。狙ってやってる悪ふざけ感が、どれもかなり寒いのが痛々しさマックス。4点。第四話『出口はこちら』。幼い二人の息子とともにカウンセリングへとやって来た若い母親。彼女は時間とともに周りの景色が醜く歪んでゆくという謎の幻覚に悩まされていたのだ。だが、予約していた精神科医はなかなかやってこない。そうしてる間にも周りはどんどんと汚れてゆく。監督はB級ホラーの俊英、デビッド・スレイド。全編白黒で撮られた映像がかなりセンスがあって凄く良かった!周りの景色がどんどんぐちょぐちょになってゆくのだけど、白黒と言うのがいい緩和剤になっててむしろスタイリッシュでさえありました。不穏なストーリーもぐいぐい惹き込ませる魅力が感じられて、短いながらも面白かった。7点。第五話『死』。暴漢に襲われ両親を殺された少年。自らも瀕死の重傷を負い、生死の淵を彷徨った彼は、目覚めてみると死者が見えるようになっていた。そこに両親を殺した殺人鬼が再び現れて。監督はミック・ギャリス。怖がらせ演出やお話はセオリー通りで好感が持てるものの、映像面がけっこうダサい。特に死の世界から呼びかける両親の映像は失笑レベル。5点。と、全体の平均点は5.6点なので、四捨五入してぎり6点ってとこですね。暇潰しで観る分にはまあいいんじゃないでしょうか。ちなみに、ストーリーテラーにあたる映写技師をミッキー・ロークが演じております。[DVD(字幕)] 6点(2020-07-18 01:27:27)

30.  マッドタウン 《ネタバレ》 地球温暖化の影響で砂漠化が進み、極度なまでに荒廃した未来社会。政府の力は限りなく弱体化し、砂漠はもはや無法地帯と化していた。そこは人間を狩ってその肉を喰らう食人集団や、麻薬に溺れる無法者どもが住まう狂気の地。犯罪者や社会不適合者と政府から判断された者は、〝バッド・バッチ〟と呼ばれ、そんな砂漠地帯へと追放されるのだった――。罪を犯し、街から追放された若い女性アーレンもまた、そんな何処までも続く荒れ果てた世界を前に途方に暮れていた。そんな彼女を、待ってましたとばかりに襲ってくる食人族集団。すぐに彼らに捕まったアーレンは、そのまま右手と右足を切断され、その日のディナーにされてしまう。残りの肉は明日のお楽しみとして、鎖で繋がれ監禁されるアーレン。「このまま、こいつらに喰われてたまるものか!」。隙を突いて何とか逃げ出した彼女はスケートボードに乗って、行く当てもなく砂塵の中を彷徨うことに。そんな彼女を救ってくれたのは、同じく砂漠で暮らす麻薬中毒者たちのコミュニティだった……。荒廃した未来社会を舞台に、片手片足を失いながらもたくましく生きる女性を描いたバイオレンス・アクション。ジェイソン・モモア(アクアマン!笑)やキアヌ・リーブスと言った新旧ハリウッド・スター共演ということで今回鑑賞してみました。まあやってることは完全に『マッド・マックス』の二番煎じなんですけど、冒頭から主人公が右手右足を鉈でぶった切られて食べられるというぶっ飛び展開に一気に惹き込まれました。食人族集団のボスを演じたジェイソン・モモアも、そのイカつい見た目とは裏腹に溺愛する一人娘の絵を描くことを唯一の楽しみにしてるというのもギャップあり過ぎで大変グッド。さらわれた娘の情報を得るために、謎の浮浪者に言われるまま、彼がそいつの絵を描くところも乾いたユーモアがあってけっこうクスリとさせられました。ただ、本作が面白かったのはここまで。そこからものの見事に失速しちゃいます。いやー、完全に出オチ映画でしたね、これ。全く中身がないうえに、さして面白くもないお話が最後までダラダラダラダラ。とにかくこの主人公がいったい何がしたいのか最後まで全く意味不明なので、全然盛り上がらないんですよ。キアヌ・リーブス演じる麻薬王の存在なんて、何のために出てきたのかさっぱり分かりません。挙句、最後はこの主人公が食人野郎と何故か良い感じになってハッピー・エンド。え、何それ?てか、あんたの右手右足をぶった切って食べたのはこいつですからーー!4点!![インターネット(字幕)] 4点(2020-07-02 14:40:57)

31.  マクマホン・ファイル 《ネタバレ》 1980年代、政情不安に揺れる中南米を舞台に、巨大な陰謀に巻き込まれたアメリカ人女性ジャーナリストを巡る政治サスペンス。アン・ハサウェイやベン・アフレックと言った人気俳優が主演を務め、実力派のウィレム・デフォーやトビー・ジョーンズらが脇を固めております。監督は前作でアカデミー脚色賞にノミネートされた俊英、ディー・リース。率直な感想を述べさせてもらうと、とにかくストーリーが分かりづらい!僕の理解力の問題なのか、なんとなくは分かるもののストーリーの細かい部分がいまいちピンとこず、最後まで盛り上がりに欠けたまま、だらだらと終わってしまいました。前作で魅せた、この監督の極めて分かりやすいストーリーテリングはいったいどこへいっちゃったんでしょう?最後の衝撃のオチだけはばっちり決まってましたけど、いかんせんそこまでの流れが悪すぎます。この監督の前作がすこぶる良かっただけに残念![インターネット(字幕)] 5点(2020-06-14 02:14:00)

32.  マッドバウンド 哀しき友情 《ネタバレ》 アメリカ南部の広大な田舎町で綿花農場を営む白人の地主と、彼らに仕える貧しい黒人の使用人一家。第二次世界大戦と言う激動の時代に運命を翻弄された、彼らの三世代にわたって繰り広げられる壮大な愛と憎しみの物語。たくさん登場するキャラクターたちの相関関係はかなり複雑で、しかも何年にも時代を跨って紡がれる壮大なお話なのに、監督の類稀なるストーリーテリングの巧みさによって非常に完成度の高い作品に仕上がっておりました。それぞれの登場人物の極めて個人的なモノローグを全編に散りばめ、舞台もアメリカ南部の閉鎖的な田舎町からヨーロッパの激戦地にまで大きく拡げながらも最後まで物語を破綻させることなく魅せたこの監督の手腕は特筆に値すると思います。取り上げられるテーマも、人種差別、不倫の恋、親子の確執、戦場のトラウマ、そして人種の壁を乗り越えて育まれる友情と多岐にわたり、しかもそのどれもちゃんと過不足なく描くという離れ業を見事にやってのけている。アカデミー脚色賞ノミネートも納得です。役者たちのナチュラルな演技も見応え充分で、特にこの時代に多くいたであろう抑圧された人妻を可憐に演じたキャリー・マリガンはとても魅力的でした。ただ、さすがに後半、幾分か冗長に感じられるシーンがちらほらあったのが残念。余計なシーンを何か所か削れば、もう少しスリムに出来たのでは。とはいえ、全体的な満足度はかなり高い。最後、人種の壁を乗り越えて強い友情を育んでいた息子たちが辿る悲劇には、大きく心揺さぶられました。あの公然と黒人を奴隷扱いするクソ親父に裁きが下った時、思わずカタルシスを感じてしまった自分もまた、憎しみの連鎖の中に居るのでしょうか。現代にまで連なる人種差別という問題の根深さに、改めて戦慄せざるを得ません。監督は本作が実質的なデビュー作となる俊英、ディー・リース。なのに、この新人離れした堂々たる風格。今から将来が楽しみな、新たな才能との出会いに喜びを隠せません。[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-10 20:52:22)

33.  マーシャル 法廷を変えた男 《ネタバレ》 1941年、アメリカ南部の保守的な田舎町で起こった、貧しい黒人男性による裕福な白人女性レイプ事件。社会に衝撃を与えたこの事件に弁護士として関わることになるのは、「全米黒人地位向上委員会」で当時唯一の弁護士だったサーグッド・マーシャルだった。まだまだ根強く残る黒人への差別感情と戦うために、マーシャルは身重の妻を残して現地へと旅立つ。だが、事件を担当することになった判事は、彼が他州で弁護士登録をしていたため被告の主任弁護士となることを認めなかった。仕方なく彼が取った方法、それは現地で手伝いだけをする予定だった民事専門の弁護士フリードマンを担当弁護士として祭り上げること――。波風立てず順調に出世コースに乗ることだけを心掛けていたフリードマンは、降ってわいた事態に混乱するばかり。だが、裁判が始まり、黒人たちが置かれたこの国の現状を知ってゆくと、彼の心情にも変化が訪れ……。のちに黒人初の最高裁判事にまで昇りつめた弁護士サーグッド・マーシャルの文字通り法廷を変えた事件を描いた法廷サスペンス。実話を基にしたという本作、綿密な取材と時代考証、役者たちのナチュラルな演技、そして何より黒人たちが受けてきた不当な差別にスポットライトを当てる社会性等によって、なかなか見応えのあるドラマに仕上がっていたと思います。重いテーマを扱いながらも、一貫して変わらない軽妙洒脱な演出やお洒落でブルージーな音楽とによって非常に観やすく創っているのにも好感持てました。黒人と白人、方や正義感に燃える敏腕弁護士、方や平凡に生きていたいだけの小市民弁護士と、まったく正反対の二人にいつしか芽生える友情という弁護士版バディものとも言うべきストーリーも分かりやすくてグッド。ただ、良くも悪くも本作は実話を基にした作品。肝心の法廷劇の方は、正直微妙と言うほかありません。黒人が犯した白人女性レイプ殺人未遂と言う凶悪事件の真相がドラマの最大の焦点となるのですが、最終的に明かされることの真相が「え、結局それだけのことやったんかい!」と言わざるを得ない凡庸なものでした。まあそれが事実だと言われればそれまでかも知れませんが、もう少しドラマティックな見せ方をとっても良かったのでは。法廷劇としてはちょっぴり物足りなさの残る作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2020-01-10 00:23:55)

34.  マイル22 《ネタバレ》 アメリカで秘密裡に暗躍する特殊工作員たちの活躍を臨場感たっぷりに描いたハード・アクション。監督はこの手の分野を得意とするピーター・バーグ、主演を務めるのは彼の作品のもはや常連とも言えるマーク・ウォールバーグ。他にハリウッドの名バイプレーヤー、ジョン・マルコヴィッチが名を連ねております。まあこの監督らしいと言えばそれまでなんですけど、なんだか演出が全体的に大味な作品でありましたね、これ。冒頭の一軒家におけるテロリストたちとの銃撃戦こそかなりの迫力だったのですが、その後の主人公たちのドラマの描き方が正直かなり大雑把。彼らがそれぞれいったいどんな背景を抱えているかがいまいちよく分からないまま、強引にお話だけが進行していくので観客はだいぶ置いてけぼりを食らっちゃいます。そもそも主人公たちの属する組織がいったいどんなものなのかもよく分かりません。そこに東南アジア政府やロシアのKGBなどが絡んでくるうえに、主人公の現代の尋問シーンなども差し挟んでくるのでお話が無駄にややこしい。物語も中盤を過ぎたあたりで、ようやく「大量破壊兵器の秘密を知る亡命者を22マイル先の空港まで護送する」という本筋が見えてくるのですが、「え、そんな単純なお話やったんかい!!」と思わずずっこけそうになっちゃいました。ウォールバーグ演じる主人公がやたらイライラして悪態つきまくるうえに、腕のゴムをひたすらパッチンパッチンやるのも見ていて不愉快。瀕死の重傷を負った仲間のおばちゃんには手榴弾を渡し自爆を強要するという非情さを見せながら、違う仲間のええおねーちゃんが危機に陥ったら全てを危険にさらしてまで助けに駆けつけるという彼の一貫性の無さには、もはや呆れを通り越して失笑してしまいましたわ。あんた、えこ贔屓しすぎやろ(笑)。うーん、正直、観る価値はなかったかな。[DVD(字幕)] 4点(2019-11-04 21:17:03)

35.  マンディ 地獄のロード・ウォリアー 《ネタバレ》 イカれたヒッピーカルト教団に、目の前で妻を惨殺された男の血に塗れた復讐劇を独創的な映像で魅せるバイオレンス・リベンジ・スリラー。毎度おなじみニコラス・ケイジが、血走った目で次々と悪のヒッピー野郎どもを血祭りにあげる狂気の復讐者をのびのびと演じております(笑)。なんだか定期的にこの手の作品って制作されてますよね~。60年代、70年代のハード・ロックやヘヴィメタル、幾多のカルト映画などに多大な影響を受けたであろうサブカル系のB級作品。最近で言えば、賛否は別にしてロブ・ゾンビなどがその手の作品を幾つか作っておりますが、本作もその系譜に連なる作品であります。毒々しい原色を多用した映像にノイジーでエキセントリックな音楽、そして荒唐無稽なバカバカしい内容…。確かに唯一無二の独自の世界観を構築した中毒性の強いトリップ・ムービーであることは僕も認めるところなのですが、いかんせん前半の展開が死ぬほど退屈なのが本作の弱点。やたらとスローモーションを多用し、意味のよく分からないモノローグが延々と繰り返されるので、もう眠たくって仕方ありません。「とっとと本題に移行しろや!!」と何度もキレそうになっちゃいました。ただ、嫁が惨殺されてニコケイが復讐を開始する中盤あたりからようやく面白くなります。常人にはもはや考えつけないであろうぶっ飛び展開が次から次へと繰り出されてくるので、なんだか軽くラリっちゃったような気分に。白ブリーフ姿のニコラス・ケイジが雄叫びをあげながら、変な形の武器を一から創り始めるとこなんてもはや何が何だか分かりません(笑)。悪役たちも負けずと変な笛を吹いて、全身とげとげの謎のバイクライダーを助っ人として呼び出してくるという謎展開。こいつらがチェーンソーでひたすらチャンバラするシーンなんて何処まで真面目に創ってるんでしょうね。途中に流れるチェダー・ゴブリンのCMなんて頭おかしいとしか言いようがありませんわ。んで最後はラスボスのカルト教祖様の頭を素手でぶっ潰した血みどろニコケイが、土星をバックに車で立ち去って終わり……。なんやねん(笑)。と、この後半のぶっ飛びまくりのカルト・ムービーっぷりがすこぶる良かっただけに、前半のかったるい展開がなんとも惜しい。いらんシーンをバッサリ削って90分くらいの映画にしてくれたら、もしかしたら伝説のカルト映画になれたかも知れないのにね。[DVD(字幕)] 6点(2019-10-31 22:58:23)

36.  まともな男 《ネタバレ》 平凡な中年サラリーマン、トーマス。彼は15歳になる一人娘と最愛の妻とともにささやかながらも幸せな日々を過ごしている。ただ少し酒癖が悪く、過去に起こしたトラブルから現在は禁酒し、週に何度かカウンセリングに通っている。不安と言えばそれぐらいで、仕事もぼちぼち順調、思春期の娘と情緒不安定気味の妻とは多少ギクシャクしているもののそれなりにいい関係を築いているつもり。そう、彼は何処にでもいるような“まともな男”だ。あなたと同じように――。ことの発端は、家族水入らずで出かける予定だったスキー場へのバカンスだった。ところが直前で上司の娘である同じく15歳の女の子、ザラも連れていくことに。この何かと背伸びしたい年頃のザラが、キャンプ場へと着いた初日の夜に酒場のパーティーに出かけたいと無理を言い出す。上司との兼ね合いもあり、トーマスは渋々自分の娘と一緒に酒場へと送り届ける。だが、数時間後に迎えに行くとザラは泣きながら衝撃の告白をするのだった。自分は地元の若い男にレイプされた――。上司に何と説明すればいいのか。トーマスは事態を取り繕うため、咄嗟に小さな嘘をついてしまう。その些細な嘘が予想もしない事態を招き、やがて自らをますます窮地へと追い込んでゆくことも知らずに…。平凡なサラリーマンが落ちてしまった、そんな日常に潜む危険な落とし穴をシニカルに描いたクライム・ドラマ。特筆すべきなのは、このトーマスという男の絶妙なキャラクター設定でしょう。「こういう人、実際によくいるよね」と思わせるほどリアルで、ところどころ身につまされるほどでした。みんなの顔を立てるあまり、その場その場で適当な嘘を繰り返し、自分は優しいふりをしながら結局は自分のことしか考えていない、そして大きな事件があるとおどおどしてうろたえるだけ、どうしようもなくなると最後は酒に逃げる……。もう典型的な小心者のダメ男。彼が自業自得の窮地へと追い込まれる様はなかなかリアルで最後まで引き込まれました。ただ、正直それだけという印象もなきにしもあらず。この手の作品を得意とするコーエン兄弟ほど突き抜けたものもなく、かといってブラックな笑いに溢れているわけでもなく、最近流行りのイヤミスのように何日も引きづりそうな後味の悪さもない。そこそこよく出来た“まともなクライム・ドラマ”、ただそれだけですね。[DVD(字幕)] 6点(2019-10-11 19:10:51)

37.  マイ・サンシャイン 《ネタバレ》 1991年、ロサンゼルスで起きた黒人たちによる大規模な暴動事件。いわゆるロサンゼルス暴動。発端は、無抵抗の黒人が白人の警官たちによって執拗に暴行を受ける様子が公開されたこと。のちに起訴されたその白人警官たちは、裁判の結果、なんと無罪放免となり溜まり溜まった黒人たちの怒りが頂点に達したのだ。本作は、多くの死傷者を出したその実際の事件を背景に描いた群像劇だ。監督は、トルコの保守的なイスラム社会で精いっぱい自分らしく生きようとする姉妹たちの姿を描いた『裸足の季節』で鮮烈なデビューを飾ったデニズ・ガムゼ・エルギュベン。主演を務めるのは、名実ともにハリウッドのトップクラスの実力を誇る、ハル・ベリーとダニエル・クレイグというベテランコンビ。ということで、かなり期待して今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、正直かなり残念な出来の作品であったと言わざるを得ません。とにかく演出も脚本も編集ももう素人レベルの稚拙さ。ストーリーは最後まで何を描きたかったのか全く意味不明で、後半にいたってはもはや破綻していると言っても過言ではありません。沢山出てくるキャラクターの背景となる基本的な情報も一切スルーされているので、もう誰が誰でいったい何をしたいのかさっぱり分かりません。取り敢えず、ハル・ベリー演じる主人公が血の繋がらない子供たちを何人も引き受けているらしいのですが、この設定も意味不明。そしてこの子供たちが最後までワーキャーうるさいうえに、嬉々として万引きを働いたりするもんだから観ていてかなり不愉快にさせられます。編集も終始ぶつ切りで、素人がテキトーに繋ぎ合わせたかのような酷い代物。ときおりさっぱり意味が分からないシーンが挿入されるのも混乱に拍車を掛けています。あのハル・ベリーの夢の中でダニエル・クレイグが裸になって舞い降りてくるという変なシーンはいったい何の意味があったのでしょう。最後のオチも投げっ放しの酷いものでもう見られたもんじゃありません。街灯のポールに繋がれた、パンツいっちょのダニエル・クレイグが必死に木登りして終わりって何それ?って感じです。ここまで酷いとこの監督の前作ももしかしたら奇跡の一品だったのではないかと疑いたくもなります。監督、この次が正念場でしょうね。『裸足の季節』を超えるような傑作をものして、本作がそのための残念な習作だったと語られる日が来ることを期待して待っております。[DVD(字幕)] 3点(2019-10-02 22:57:57)

38.  マイノリティ・リポート 《ネタバレ》 スピルバーグ監督&トム・クルーズ主演、フィリップ・K・ディック原作による知的仕掛けに満ちたSFエンタメ作品。ずっと前に観た記憶のある本作なのですが、細部の記憶がすっかり抜け落ちてしまっていたので、今回改めて鑑賞してみました。確かに僕の大好物であるタイム・パラドックスネタで、しかも映像的にもかなり斬新な表現が多く(特にあの人間の網膜を調べて回る蜘蛛型ロボットはナイス造形!)、けっこう面白かった。なのですが、やはり惜しいのは脚本。途中まで、何故自分が殺人を犯してしまうと予知されたのかを巡るサスペンスがかなりよく出来ていたので、真相が明らかにされた後の蛇足感が凄い。あのままバッド・エンドでもいいので、主人公が結局殺人者になって終わる展開でも良かったのでは?でもまあそこまでの当時のCG技術の粋を極めたであろうアクションシーンはかなりの迫力だったし、トム・クルーズも若くて格好良いし、プルコギの神秘的な描写もエキゾチックで大変良いし、ピーター・ストーメアをはじめとする脇役陣もいい仕事をしていたし、単純にエンタメ映画として僕はなかなか楽しめました。[DVD(字幕)] 7点(2019-09-01 23:33:17)

39.  マッド・ダディ 《ネタバレ》 ある日突然、何の脈絡もなく親たちが狂い始めた!愛しているはずの息子、かけがえのない存在であるはずの娘たちに狂気の刃を向け始める!金属バットやナイフ、ハンマーや電気ノコギリを手にしたパパやママが、学校やマイホームで自分の子供たちを躊躇なく殺し始めたのだった!理由なんてどうでもいい!!追い詰められた子供たちは無事にこの地獄のような世界を生き延びることが出来るのか?というだけのお話(笑)。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演のもう明らかにB級感バリバリのそんな本作、さして期待せずに観始めたのですが、これが意外や意外、なかなか面白いじゃないですか!もう完全にアウトなお話なのですが、この最後までイッちゃってるところがもはや完全に振り切れてて逆に笑けてきちゃうところがナイス。学校に押し寄せた親たちが次々に自分の子供を襲撃する冒頭のシーンから摑みはばっちりで、妙に能天気な音楽やブレブレの軽妙なカメラワークもこの物語のとち狂った感じに拍車を掛けています。妊婦が赤ん坊を産み落とした瞬間、急に豹変するとこなんかめっちゃ怖かったですし。そして何と言ってもニコラス・ケイジ!!彼が演じる父親のもうお家芸とも言えるキレキレ演技が凄いです。彼が自分の家で妻とともに二人の子供を追いかけまわすとこなんてもはや完全にイカレてるとしか思えません。そしてやってくる爺ちゃん婆ちゃんとの三世代にわたる血みどろの家族殺し合い……。いやー、あまりにもぶっ飛びすぎててもう笑うしかなかったですわ。何気に一番いい人だった娘の彼氏が一番悲惨だったかも。なにせワイヤーを頬に貫通させられるんですから。最後の何もかも放り投げっぱなしの酷いオチなんて、あまりにもテキトー過ぎて逆に清々しくさえありました(笑)。いやー、かなりの怪作ですけどけっこう面白かったです!7点![DVD(字幕)] 7点(2019-05-04 21:52:01)(良:1票)

40.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 スーパーマン――。ポマードで塗り固められた髪型、世界最高峰クラスなまでにソリッドに割れたアゴケツ、戦いの邪魔としか思えない赤いマント、何よりアイアムスーパーマン!と恥ずかしげもなく徹底的に自己主張するかのごときあの胸の赤い〝S〟マーク…。僕のなかでは、アメリカ的マッチョイズムのダサさの象徴のようなキャラクターなのですが、あのクリストファー・ノーランが製作を務め、そしてギレルモ・デル・トロと並び現代ハリウッドを代表するオタク監督であるザック・スナイダーがメガホンを取り満を持して再映画化ということでかなり期待に胸を高鳴らせながら、同時期に公開されたデルトロの「パシフィック・リム」がアメリカの一般的観客などはなから度外視、ひたすらハードなロボットSFオタクと潔いまでに日本市場を狙ったその作風とは真逆をいく、アメコミヒーローの原点なのだけど日本ではいまいち人気の乏しいキャラクターのいかにもアメリカ人好みなスーパーヒーローモノという対照的な内容に、ちょっぴり比較しつつ鑑賞してみました。いやー、スーパーマンってこんな話やったっけ?と思わせる、前々作「ウォッチメン」の小難しい哲学的要素を良い意味で薄めた感じのスナイダーらしい怒涛のエンタメ作品でありました。確かに「パシフィック・リム」と比べても負けず劣らず圧倒的に拘り抜いたその映像美は出色の出来です。その時間軸を行ったり来たりするまだるっこしいストーリー展開に、正直中盤までは「う~ん、これはどうなんだろう?」と疑問を感じながら観ていたのだけど、後半30分の「これ、もう地球を守ってるというより壊してるよね(笑)」ってくらいの怒涛のアクションシーンは圧巻!はは、スナイダーに見事にやられちゃったよ~、これ。全体的な完成度&お馬鹿なユーモアさえ漂う唯一無二の世界観は「パシフィック・リム」、完成度より後半の沸点を越えちゃった感のある振り切れた展開&911のメタファーなのかとも思える深い内容は「マン・オブ・スティール」といった感じで甲乙付け難しでした!両者のひたすら我が道を行く孤高のオタク的スタンスに、今から2人の次回作が楽しみっす!![DVD(字幕)] 7点(2019-03-10 01:02:09)

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