みんなのシネマレビュー |
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1. マイネーム・イズ・ハーン 政治的な色を抜きにしても秀作を超えて傑作に値します。その前に見た「ブラック・スワン」の余韻が一瞬にして消し飛びました。「フォレスト・ガンプ」が好きな方であれば絶対に気に入ると思います。また主役の男性がめちゃくちゃ上手くて余計に涙を誘います(障害のある役をやりすぎてない所がまた素晴らしい)。差別とは何か、戦争紛争とは何かなど、無視できない重いテーマでさえ、この映画を観終えた後は良い意味で忘れさせてくれます。感動を超越した人生の根源にある応援歌のような歓びを感じました。脚本の完成度と主演の男性の上手さ(本当にオスカー級です)、そして制作スタッフの映画への愛情がたっぷり詰まっているこの作品、観て損はありません。映画って本当に素晴らしい。インド映画も踊ってばかりじゃないです。すごい映画がありました。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-11-28 16:34:12) 2. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT 《ネタバレ》 この作品を映画として捉えるかどうかといった部分は抜きにして、マイケルの言うように愛に満ち溢れた作品だと思います。ステージスタッフからのマイケルへの愛、マイケルからの関わる万物全てのものへの愛(地球そのもの)。だから急逝しなければ伝説にならなかったとか、亡くならなければこういう作品は映画にはなりえなかったとか、単なるドキュメンタリー映像じゃないかとか、そんな批判はどうでもいい話に聞こえます。 とにかく2度と生まれないかも知れないほどのスーパースターの未完のラストステージが、この映像を観て体感する事によって(おそらくこういうステージになったんだろうな…)とファン1人1人が脳裏でパズルを繋げるかのようにライブを完成させていける、そういう意味でも非常に貴重で存在意義のある映画です。 マイケルのファンはこの作品を愛蔵版とするでしょうし、マイケルのファンではなかった人もこの作品を観れば彼の偉大さを再認識すると思います。50歳にしてあの完璧なパフォーマンスです。リハーサルですから何分かの力で演じているのに、それでも圧巻です。とにかくファン、スタッフの双方が、偉大なるスーパースターのラストステージにかける意気込みを心待ちにし、出るべくして出た作品ですから、リリースされたこと自体がとっても素晴らしいと思います。[DVD(字幕)] 8点(2010-01-31 14:17:49)《改行有》 3. マイ・ブルーベリー・ナイツ 《ネタバレ》 ウォン・カーウァイの作品はいつも観終わって暫くしてから思い返す時、ひとつひとつの場面というよりは、むしろ全体の雰囲気がボワッと浮かんでくる感じだが、この作品もまさにそんな感じだった。 90分の尺では、ヒロインが失恋してから旅に出て戻ってくるまでの300日を映し出す時にどうしても駆け足になるのは否めない。それぞれ愛に悩む人々とのご都合主義的な出会いが重なり、最後でヒロインが、イマイチ成長した感じにとれないのが残念な気がしたが、元々この監督の作品は展開に大きな起伏はそれほどないので、かえってこの長さのほうが間延びしなくて良かったのかもしれない。 ノラ・ジョーンズは作りすぎずに普通の女性を体現。ジュード・ロウは癖のある役もいいが、こういう普通の役もまた上手い(物足りない人も多いと思うけど)。デヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズと芸達者を次々と贅沢に使って作品に重厚さがあった。 映像の美しさ、とりわけネオンや夜の飲食店のライトに照らされる出演者が、物思いにふける表情は、言葉なくして心の葛藤を表現していて思わず唸らされた。最後のキスはまさに秀逸。美しくてため息が出ました。[DVD(吹替)] 6点(2009-02-01 00:26:59)(良:1票) 《改行有》 4. マスク2 凄く酷いです。やはり前作は芸達者ジム・キャリーの演技力と、成長著しいヒロイン、キャメロン・ディアスの存在の賜物だったと再認識した。 あと作る側が、前作が何故ヒットしたかを履き違えて製作してしまってる気がした。CGを使って赤ちゃんが超人的な動きをしたり、犬がありえない表情をしても、観る側は楽しむどころか「さすがにやりすぎだな・・・」って引いた目で見てしまう。面白いのはマスクっていうアイテムを使ってキャラに二面性が出たり、悪戦苦闘する部分なのに、CGに頼って無理矢理笑わそうとしちゃったから駄作になったのだと思います。設定ありきで安易に続編を作ってしまうと脚本はペラッペラなんですね。[地上波(吹替)] 2点(2008-03-02 16:06:52)《改行有》 5. マイアミ・バイス マイケル・マンらしい重厚な男のドラマであり、演出も見応えがあるが、イマイチ観た後に心に残らないというか、後半の盛り上がりに期待した割にはアッサリで残念な面がありました。それでも出演者は皆好演してるし、特にジェイミー・フォックスとコン・リーは非常に上手かった。ただ終盤の銃撃戦、画面が暗くて(夜の戦いだから仕方ないとしても)撃たれたのが敵か味方かよく分からない感じに少し戸惑いました。そしてベッドシーンはあそこまで何回もは要りません。[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-09-26 00:45:20)(良:1票) 6. マリー・アントワネット(2006) どういう切り口で描きたかったのかは分からないが、キルスティンは物凄く可愛かったし、セットも装飾品もオシャレで高貴だったので(音楽だけは現代的でしたが)思い切り違う次元の世界を覗けて、それだけでも価値がありました。子供を作る作らないで1時間も引っ張れたのは、映像とヒロインにそれだけ魅力があったからだと思います。ただし伝記モノという題材だけを借りた作品で創作的な脚本も展開も薄く、夜遊びしたり散財し出す頃には中だるみも感じました。彼女の生涯を知らずにこれだけを観ると、ただの世間知らずのセレブみたいな印象になりますが、それを狙った気もします。終わり方も中途半端で何とかならなかったのかなあ?そして王子様は本当に王との間の子だったのかな?とか妙な余韻が残りました。キルスティンと映画の雰囲気に5点。[DVD(字幕)] 5点(2007-08-19 17:20:46) 7. 真夜中のカーボーイ 《ネタバレ》 ムダに自信満々で都会に出てきた青年が現実の厳しさに触れる部分(世間の冷たさも同時に感じて)と、ダスティン・ホフマン演じる男が互いに都会から弾かれた同士で惹かれあう部分に妙に温かさを感じてしまい、最後のほうの友情部分は結構胸を打つものがありました。でも最後に男が死んでしまう感じは分かってしまうし、綺麗なまとめ方にしたくなかったにしろ、あまりに救いようが作品で結構寂しくなりました。所々に出てくる空想というか頭の中で展開される世界、あれって成功を信じる若者なら理解できるんじゃないですかね?理想と現実のギャップに落胆した事のある人なら「そうだよなー」と展開に納得できると思います。しかしこのカウボーイも志が低いですよね、このタイトルそのまんまだし(笑)特筆すべきはダスティン・ホフマンの死に顔、上手すぎです。[地上波(吹替)] 6点(2007-05-06 13:16:51) 8. マスターズ/超空の覇者 《ネタバレ》 日本製のシンセサイザーを取り戻しにきた、ハロウィンの変装をした方々の活劇です。それは嘘ですが、スターウォーズ大好きなスタッフが作ったB級SFアクションながら、世にはびこる金だけかかってて中身の無い映画より全然楽しめます!勿論B級らしく突っ込み所も満載です!たった3人の戦士で全滅をくらう敵軍、元の星まで戻るための音階を、何故か地球の学生が2、3回聴いただけで憶えてる事で助かったり、全宇宙征服を目指している帝王がやたらまばたきが多かったり、それまでレーザー銃で銃撃戦をやってたのに、ラングレンと帝王の最終決戦は、もっさりしてる剣での殺陣でしかもあっさり終わったり・・・。そんな部分まで許せてしまうテイストの作品です。「エロカワ」「チョイワル」なんて言葉がありますが、この映画はまさしく「ショボ楽しい」映画です!しかし肉体派俳優は主役なのにセリフが本当に少ない(^^;[地上波(吹替)] 6点(2006-09-21 11:01:26) 9. マルコヴィッチの穴 スパイク・ジョーンズらしいと言えばらしい発想の面白さですが、難解な展開も多く、2度は観られないかなと思いました。でも評価したい部分もあります。それはジョン・マルコビッチって所です。何故、これだけハリウッドスターがたくさんいるのに敢えてマルコビッチなのか?あの目のギョロっとしたハゲのおっさんなのか?言われてみれば響きもコメディっぽいマルコビッチという着目点が素晴らしいです。日本で言えば誰の位置になるんだろう?そこそこ知られていて、でもバンバン主役を張る感じでも無い個性派俳優・・・。というわけで私からの願望です。日本でリメイクする時には是非「岡本信人のケツの穴」でお願いします。[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-08-24 13:27:12) 10. マーダー・ライド・ショー 《ネタバレ》 う~ん…、亜流の「悪魔のいけにえ」という感じが否めないですね。序盤は出演者全員が妙にハイテンションで、ピエロの男との絡みや「殺人鬼の館」なんかもユーモラスで結構面白かったんですが、中盤以降の雰囲気の一変はどうでしょうか…。そもそも映画として、あまりにも空気が違う2場面からの構成によって、中途半端なイメージになってしまった気がします。むしろホラーにこだわるなら序盤の思わせぶりは不要。逆にコメディホラーを目指すなら、残酷な展開の果てに救いを見せてあげないと…。「悪魔のいけにえ」は、ギリギリ「こんな変態一家に捕まったら怖いな」と思わせるリアリズムがありましたが、この映画の変態一家は妙にクリーチャー化してしまって、残酷描写内でのコメディ的な台詞も全て観客からしてみれば面白さに繋がりません、言わばタダの不快映像。しかも残酷描写が別々の人物に交互に見せられ、そこにドキュメンタリー風の全く別の映像も混ざってくるので、観ていて理解に疲れる部分がありました。あまりにも過度な残酷描写の連続と笑いは繋がらないと痛感。その微妙な部分を保ってた「悪魔のいけにえ」の凄さを改めて感じる作品となりました。低予算で頑張ってますが、救いの無い作品は嫌いなので-2点です。[インターネット(字幕)] 3点(2006-08-18 03:42:43)(良:1票) 11. 街の灯(1931) チャップリンの映画は初期の短編こそドタバタ中心でメッセージ性は薄いですが、長編映画は、サイレントでありながら出演者の表情から声が聴こえてきそうなそんな感じがします。この作品は盲目で貧しい花売りの女性に対するチャップリンの無償の愛をひたすら応援したくなるような温かい作品です。勿論コメディな部分もあります。身投げしようと思ってた泥酔男を助けた部分(どんケツで落とされたりのお約束も満載)金を稼ぐ為にボクシングをする場面(レフェリーの後ろにリズム良く隠れてほとんど打ち合わない 笑)も本当に笑えます。それらの部分とヒューマンな部分が見事につながります。それらの展開全てが意味を持ち、そのまとまりこそが最後の部分の感動に繋がったのだと思います。(黄金狂時代鑑賞時に感じた2部構成のような違和感がこの作品にはありません)またチャップリンの作品は必ずしもハッピーエンドではないので初見時には本当にハラハラします、そしてハッピーエンドであってくれと心から願います。きっとどっちにも転ばせる事の出来るラストだったと思いますが、チャップリンが選んだこの映画の結末は私は大好きです、だからこそこれだけ皆さんからの評価も高かったんだと思います。ラストでチャップリンが女性を見つめる時のあの笑顔・・・、あれこそが究極の無償の愛の形ですね。これほどの名作に出会えて本当に良かったなと、幸福感を心から味わえた作品です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-08-10 10:58:28)(良:1票) 12. マトリックス レボリューションズ 体温を感じない映画じゃなく映像だったこの作品なのに、こんだけ引っ張って結局こんなオチかいって言う意味でほとほとガッカリしました。「1」の雰囲気がVFXの使い方もギリギリで、ネオの苦しみとかそこらへんの葛藤が凄く面白かったのに、2作目からはただの闇のスーパーマンになっちゃって「映画を観てる」んじゃなく「映像を見せられてる」だけって感じでした。ザイオンとか全然俺の頭の中では理解不能だし、見終わって残るのは「何かゴシャゴシャしてたなあ」ってだけ。せめて2作目をあと40分切って、その部分にこの映像を40分足せば良かったのではないかと思いました。2作買っちゃったら3作目も買わざるを得ない感じが余計に腹立ちますよね。[DVD(字幕)] 3点(2006-07-18 16:15:21)(良:1票) 13. マシニスト 《ネタバレ》 前日「リベリオン」を観てたので、一瞬クリスチャン・ベールの痩せ方に目を疑いました・・・。自分の見知らぬ所で事件が起きるというパターンで、1年もの不眠症、そしてその不眠症になるきっかけになった事件を背景に次々展開が起きるパターンでしたが、オチを聞いてもさほど驚かなかったのはきっと「スパイダー」のトラウマモノを始め、既にこのようなパターンのオチの作品が多く出回っていたからだと思います。それでもガリガリに痩せたクリスチャン・ベールが必死に何が起きてるか分からない様子を悩み、怒り、苦しむ様子は役者魂を感じました。でも多くの方が仰るように1発モノです。2度目からはそう楽しめる作品ではないかもしれません。[DVD(字幕)] 6点(2006-07-15 14:39:26) 14. マスク・オブ・ゾロ 怪傑ゾロは色々な方が演じていますが、とっても濃いバンデラスさんが思いの他当たり役で驚きました。そしてゼタが美しい・・・。先代ゾロのホプキンスも「え?こんなにまだ動けんの?」とそっちの意味で感心してしまいました。137分という尺のせいで、エンタテイメントとして起承転結タップリ盛り込んでお腹いっぱいなんですが、それでも確かな面白みがあるし、何度観ても楽しめますね。アクションも迫力満点です。まだ2作目は観ていませんが、その前にこちらを1度観直しておくのもいいかもしれませんね![ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-13 16:19:39) 15. マッケンナの黄金 《ネタバレ》 グレゴリー・ペックとオマー・シャリフが共演してるだけでも感動したのに、テリー・サバラスまで!と思ったら、なんだかもうシナリオはどうでもいいやとか思いました(笑)黄金探しの旅ですが、仲間とのいざこざや、アパッチとの格闘等の冒険モノとしてみても結構楽しめました。でも西部劇じゃなく宝探しモノなので、どうしても薄味な映画って感じは否めません。きっとキャストが第一級レベルなので比べてしまうのでしょうけどね。最後のオマー・シャリフとの崖上での格闘ではさすがに良心ペックだけあって、谷から突き落とさなかったし(今の映画なら間違いなく殺してますね)それでも主役二人だけちゃっかり金塊ゲットしたりで、起承転結あって中々楽しめる作品になっていました。[地上波(吹替)] 6点(2006-07-03 00:03:42) 16. マーキュリー・ライジング 国家機密が子供に解けちゃうって設定からして、シリアスな展開を無理から見せようと思ってもダメでしょって突っ込みたくなる映画。でもブルース・ウィリスが中々好演していたし、アレック・ボールドウィンも太り始めの頃で貫禄があって◎。役者は頑張ったんだけどシナリオに深みが感じられなかったので、観終わった後にあまり感想が出てこない作品でした。[ビデオ(字幕)] 5点(2006-06-22 14:44:43) 17. マトリックス リローデッド これは映画じゃなく映像。ストーリーも分かってるような気がして、途中から付いていけなくなり、憶えているのはエージェント・スミスの大量発生と、キーマスターがへっぴり腰でバイクの後部座席に座ってた事。ウォシャウスキー兄弟が凄い才能を持っているのは分かるんだけど、もう少し映像を咀嚼して伝えるって部分にも力を注いで欲しかった。[DVD(字幕)] 5点(2006-06-22 14:40:36) 18. マトリックス いい意味でも悪い意味でも、映画というより映像という感じですね。2・3作目は更にそれを強く感じました。それでもシナリオもこの1作目はまだ分かりやすいので結構楽しめました。終盤乗り込んでいく辺りのアクションシーンは、VFXてんこもりで体温を全く感じませんが、非現実的な話として割り切ってみると、これはこれでアリかな?と思えました。[DVD(字幕)] 7点(2006-06-19 18:06:57) 19. マイ・フェア・レディ イライザを演じるオードリーがもう数年若かったらもっと良かったとか、170分の尺は長いとか細かい不満をさておいても、後にも先にも唯一「銀幕の妖精」と呼ばれ、世界中で愛された彼女の偉大なるフィルムグラフィの1つに、このシンデレラストーリーが存在している事は本当にステキであり、「ローマ」「サブリナ」「ティファニー」と並んで彼女の魅力が存分に活かされている大作の1つだと思います。オードリーが好きだと、あのガラガラ声まで好きになってしまいます(笑)[DVD(字幕)] 7点(2006-02-03 16:16:13) 20. マネー・ピット これ本当に傑作ですね!トム・ハンクスの体を張った名演技もさる事ながら、一癖ある脇役勢も本当に楽しいです。家が崩れていく様子は本当に昔見たドリフのコントそのものという感じですし、床にはまって泣き笑いのトムや、バスタブが抜け落ちた後のやるせないバカ笑いのトム、庭で虫にたかられて追い払う滑稽なトムや、骨組みをまるでピンボールのように白ペンキをかぶりながら滑り落ちてゆくシーンで、最後は小便小僧にオシッコひっかけられていたり(笑)首を外に出した瞬間、上からもの落ちてきてぶつかったり。その全てがコメディアン、トム・ハンクスの見せ場です。最近はちょっとしか見せない彼のこういった笑える部分が顕著に表れた快作だと思います。「パンチライン」のような話術の妙も魅力ですが、こういうのが出来ちゃうのも彼の魅力だと思うのです。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-12 15:25:33)
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