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1.  マッドマックス 怒りのデス・ロード マッドマックスとタイトルのついた映画は数十年前にテレビ放送を観たきりでそれ以来観ていませんでしたが好きな女優さんにつられて鑑賞。創り上げられた狂気の世界っぷりがすごい。これは他の星の神話なのだと思って鑑賞するとしっくりきました(監督もそのつもりで描いているのではないだろうか?)マックスは彷徨えるヘラクレスでありユリシーズな訳です。そう考えると最後にマックスが去っていくのは必然なのだろうな~[地上波(吹替)] 7点(2020-09-13 13:09:41)

2.  マリーゴールド・ホテルで会いましょう 《ネタバレ》 「時間がないと価値観が変わる」とは某映画の台詞ですが、この映画にもそれが感じられました。英国からマリーゴールドホテルに来た人々は、みんなそれぞれこれまで自分が捧げてきた人生に「裏切られた」「偽り」と感じているように思いました。 自分も親を失ったり、長患いの友人が逝ったり、身体の無理が利かなくなってきたり、といろいろと「人生の終わり」が見えてくる歳になったので、身につまされる映画でした。 旦那がこっそり作っていた借金で何もかも失ってしまった妻と旦那に失望している妻の対比。娘が成功して失ったお金が戻ってくると分かったら、あっさり夫を置いていく姿には笑った。結局あんたが執着してたのは「伴侶」じゃなくて「金」かい~(笑) ホテルオーナーの若いカップルが初々しくて微笑ましい。女優さん超綺麗でびっくり!あんないい女逃がしたら一生後悔するぞ~ 映像は色彩に満ちているが決してケバケバしくはない。どこか上品でそこがファンタジックでもあります。 現実的には英国から発展途上国のインドで晩年を迎える彼らの姿を「惨め」とか「負け組」なんて言う声も大きそう。が、幸せとか充実感なんて本人しか分からないものだし、本人が感じて決めるものでしょ。 インドに死にに来た判事は誰からも尊敬される地位も人柄ももっていたけど「牢にいたのは私だった」と言っていた。最後に解き放たれたのは救いでした。 「本当に強いものは変化できるものだ」とはダーウィンの言葉だったかな。 人生にもそれが当てはまるかもね~ 自分の人生は他人の価値観ではなく自分の価値観で生きないとね。それには勇気がいるけれど、その勇気を少し分けてくれる映画でした。[DVD(字幕)] 7点(2015-05-05 16:29:20)《改行有》

3.  魔界転生(1981) 《ネタバレ》 初観賞は●十年前のテレビ放送。子供だったので、父親が魔性に堕ちて親子対決になるのにびっくりしたのを覚えている(単純に仇討ちかと思ってた)改めて観るとみんな若い!深作節も健在。やたら女性の腿や乳が出るとか(笑)もちろん、それだけじゃない(暴力による暴力の否定など)天草のラストの台詞 「人間ある限り私は戻ってくる」の通り、これは徳川への復讐ではなく「人間の闇」を描いたもの。十兵衛の死の間際にも天草は来るかも?その時、魔の誘惑に勝てるか?初めは霧丸の存在が疑問だったけど、十兵衛って徳川家を守るとか世界を救う、等考えて無いんだよね。父親との事も含め、無頼の彼が戦う理由が必要だった訳だ。SFXはお粗末だが、全く気にならない。俳優がその役として「立って生きている」から世界観が成立している。役者オーラがもたらす強力な説得力に屈服です。「エロイム~」の呪文がすんなり入ったり「是非もなし」の台詞が浮かないなんて…瞬き一つしない役者魂が熱い。監督も各役者の魅せ方を分かっている。殺陣の達人はその見せ場を。アクションスターはアクション性の高い勝負を。妖人にはエロシーンを(笑)それに応える役者達の力量が並でない。今「狂乱シーン」を演じられる女優が何人いるだろうか?砂浜を駆けるだけで緊迫感が出せる俳優は?現在、演出や設定に頼る役者がいかに多いか思いしらされる。最後の炎上シーンは本物しか出せない迫力に満ち溢れている。炎の迫力に俳優が負けてないのもすごい。多くの要素が渾然一体となって昇華しており、この時代にしか生まれなかっただろう怪作(カルト人気があるのも頷ける)レンタルしてから観まくっております。多分、明日も観るんでしょう。誰か私を止めてくれ~駄目よやっぱり止めないで~(チョイ役に福ちゃん見つけて嬉しかったv)[DVD(邦画)] 8点(2010-08-20 23:14:22)《改行有》

4.  マンマ・ミーア! 《ネタバレ》 映画化の意味あったのか?景観の美しさかな~?これが観賞後の第一感想。だってミュージカルじゃん;出演者は皆魅力的だけど伝わりにくい。メリルは好きな女優ですがこれはミスキャストだと思う。底力のある舞台女優を起用すべきだったのでは?似たような「歌って踊る」シーンが多すぎる。ここぞという時に絞ってくれ;物語は徹底的に「陽」しか扱っておらず、「負」の部分はほとんど描かれない。ドナが「妊娠した時、戻ってくるなと言われた」事など。若い未婚の母が女手一つで子供を育てるにあたって、相当な苦労や挫折感を味わったろう。いろんな歌にもそれが現れていた。サムも21年間愛のない結婚生活をして結局離婚。虚無感を覚える時もあったろう。余分な「歌って踊る」シーンより「負」を匂わせる場面をもっと入れて欲しかった;人物の心理描写とか。舞台じゃ良くても映画ですから~;教会のシーンも多分舞台だったら観客も式の出席者になって『「結婚は延期よ」え~!「じゃあ、僕達が結婚しよう!」ドッカーン!』という臨場感味わえたと思うんですが、スクリーンでは「どんでん返し大円団」感がやっぱ薄い;最後にダンシングクイーンが「もう一回いく~?」と聞いてきた時「いや、もういいです」と思わず呟いてしまった;舞台なら「イエ~イ!」って言えんだろうけど;基本的に「映画化にあたって脚本の変更」「映画ならではの演出」が足りないと思う。まあ、舞台は観たくなりました。は!(Σ ̄□ ̄;)それが狙いだったのか…[DVD(字幕)] 4点(2010-02-17 10:58:14)

5.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 リンチ作品なので鑑賞前に「前半は夢」「ブルーは死の意味」という予備知識を仕入れておきました(でないと無理;)初めは夢を話す男性の夢(小説?)かな?と思ってました(彼は作家志望でいっしょにいた男性は出版社の人間とか?)が、劇場から帰ってベティが消えた時「あ、リタの夢か」と思いました。彼女は事故で死んでいて、それからブルーキー(死)を持った。ブルーボックスを開けるのは「死を受け入れる」意味。ベティは守護天使か優しかった母親というリタのイメージではないか? 案の定、ボックスを開けるとリタは消えます。が、その後の展開はどう見てもダイアン(ベティ)が主観;車の中の「ここじゃないでしょ」でやっとダイアンの夢だったと気づき、ジルバ大会の話で確信しました(それで冒頭にしつこく出てた) 分って見るとダイアンが哀れでなりませんでした。リタに優しいベティ。カミーラに優しくしたかったダイアン。彼女に必要とされたかった。「泣き女」の歌は彼女の心そのもの。だから、あんなに泣いていた。オーディションシーンは、リタとベティが部屋で練習していたのが実際ダイアンがやった演技で、本番でやったのが合格した女優の演技かも?(ダイアンは二流女優だった)最初と最後に出て来た老夫婦は「大衆」という意味ではないでしょうか?女優を夢見ていた頃は優しく応援してくれるように感じたけど、犯罪者となったダイアンにとってはあざ笑う存在。「大衆」に追い詰められて自殺する。カウボーイは「殺意」ではないかと解釈してます。パーティーで横切った時、ダイアンはカミーラを殺す決意をしたのではないか。アダムに「二回会う」の意味は、ダイアンはカミーラ殺しが上手くいけば、アダムも殺す気だったのでは? でも、その前に罪悪感から自殺する。夢見て破れて、愛する人に捨てられて殺して、自分も死んでしまう…可哀想な女性の悲しみ、憎しみ、夢、孤独を言葉ではなく、映像でここまで伝えるリンチ監督。さすがですね。[DVD(吹替)] 7点(2009-12-12 20:00:41)《改行有》

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