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1. マージン・コール
《ネタバレ》 リーマンショックのような状況設定で、巨大組織の利権や人間操作を描いた作品。サブプライムローンやCDSを意味しているような会話もありますが、現実はどうだったかということより、雰囲気を楽しむ映画だと思います。特にCEOの存在感がうまく表現されており、権力と金を武器に部下に無理やりやらせてしまう「いやらしさ」を堪能できました。人をこれくらい使えなければトップには居座れないのだと・・・
数時間ごとに会議を繰り返しながら徹夜で策を練るあたりは、翌朝までに解決策を見つけなければならないSEの仕事と共通した部分があり、そのプレッシャーや空が白む頃の脱力感などには、とても共感しました。
キャスティングも豪華で、それぞれの役者が、他作品とは少し違った持ち味を十分に出しているあたりが良かったです。[DVD(字幕)] 7点(2012-02-28 09:13:19)(良:1票) 《改行有》
2. マンマ・ミーア!
《ネタバレ》 映画館で2回観て、最近DVDまで借りて観たのですが、回を重ねるごとに魅力が薄れていきます。ミュージカルの骨格となる、聴かせるシーン/見せるシーンが著しく欠如しているからでしょう。最初観た時の感動は、ひとえにABBAの曲の素晴らしさによるもの。
ミュージカルならば歌唱力は必須のはずですが、このキャスティングは疑問だらけです。メリルストリープはそれなりに健闘しているものの、途中でぶっ倒れるんではないかとハラハラさせられます。声が出ず苦しそうに歌うブロスナンは哀れで惨め、ジェームズボンド役で築き上げた精悍なイメージが台無しです。バランスキーのみが柔軟で躍動感のあるミュージカルらしい演技をしていました。
慣れない役者の動きをカメラと編集で補おうという作戦なのか、歌の随所に煩わしいカットが数多く挿入され、気が散ってしまいます。せっかくの Voulez-Vous のダンスシーンもぶつ切れで観賞どころではありません。ただひとり、アマンダだけが歌唱力とコケティッシュな魅力をアピールしていた気がします。
名曲をベースに全世界でロングラン公演されている名作が、小手先の技術で安易にリミックスされてしまった印象で、悔やまれます。[映画館(字幕)] 5点(2009-09-07 23:04:46)(良:2票) 《改行有》
3. マトリックス
公開当時の衝撃は今も忘れない。全く新しい映画が公開された感じ。ワイヤーを駆使した宙吊り映像は、人間不在のCGがSF映画を制覇するかと思われた動向に一石を投じた。オープニング間もなく、トリニティが宙に浮くところから不思議な世界が始まる。ウィリアム・ギブソンが「ニューロマンサー」で描くサイバーパンクの世界が、解り易く面白く描かれている。
マトリックスは、この初作に尽きる。10年に一度は、こういったショッキングな作品に登場して欲しい・・・ 2作目以降のリローデッドやレボリューションズなどはまるで茶番劇、アホらしくて観ていられません。[映画館(字幕)] 10点(2009-09-02 20:50:29)《改行有》
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