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1. もののけ姫
《ネタバレ》 この作品は公開当時から『ナウシカ』との類似が指摘されていたし、製作者側がそれを意識しなかったとは考えにくい。むしろ、映画版『ナウシカ』で描ききれなかった部分(原作の後半部分)を、『もののけ姫』という形で作り直したというべきではないか?実際、映画版『ナウシカ』の強引とも言えるハッピーエンドは、現代の我々には少々嘘臭く感じられる(「幸福な80年代」には通用しただろうが…)。また、絶対的な悪役は存在せず、憎しみが憎しみを呼ぶ血まみれの抗争劇は、イーストウッドの『許されざる者』をも思わせ、ただの環境保全映画では終わらない奥深さがある。公開時にはこの映画の素晴らしさを理解できなかったが、久し振りに観てみると、涙が止まらなかった。ジブリは本職の声優をあまり使わないことで知られているが、美輪明宏や森繁久彌といった「名優」たちによる声の演技は、スクリーンの中の「彼ら」に確かに生命を吹き込んでいた。[映画館(邦画)] 9点(2010-07-20 08:07:26)
2. 目撃(1997)
《ネタバレ》 『許されざる者』や最近のイーストウッド作品を観てしまっては、「どうしちゃったの?」という出来だが、こんなB級サスペンスに実に豪華な役者を揃えている。イーストウッドにしてみたら、エド・ハリスでさえ「若い刑事」なんだな、と苦笑。出てくる人みんな老人ばかりなんだもの。自国の大統領をここまでバカにできるのもある意味すごい。イーストウッドが黒人護衛官を殺すのを揶揄する声があるが、彼は無関係の娘を殺そうとし(大統領に殺害を指示された時にニヤリと笑っている。根っからの殺し好きと思われる)、崖から突き落とすだけでは飽き足らず、病院に忍び込んで止めを刺そうとしている。こんな人間が国の中枢にいていいわけがない。もうひとりの護衛官(スコット・グレン)が「ごめんなさい」と遺書を残し自殺しているが、人としてそれが当たり前だろう(自殺が良いとは言わんが…)。[DVD(字幕)] 6点(2009-10-01 00:26:39)(良:1票)
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