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1. 夜のピクニック
《ネタバレ》 先にここでの悪評を先に読んでると、いつもそうなのだけど、結果的に、意外とよかった。レビューサイトってそういうものかも。原作読んでいたけど、違和感もなかった。最後の展開はやっぱりよかった。もちろん、本音を言えば、アニメは要らないと思うし、原作にないギャグもあまりセンスはない。でも、青春映画の傑作と呼ばれる作品の中のギャグって、実は、結構貧弱だったりする。そのレベル。プラトーン、この年頃の子供にやられても、どうかって思う。ディープ・パープルの話に乗ってくる女子高生って(特にああいう軽い子には)いないんじゃないかなあ。リアリティないかな。と、文句は言ったけど、素直に感動したんだよ、おっさんは。[DVD(邦画)] 8点(2007-09-18 22:14:54)
2. 夜の河
《ネタバレ》 山本富士子の魅力ぜんっかい。でもちょっと露出の多いショットで二の腕が意外と太かったのが気になってしまいました…(ごめんなさい!)
吉村監督も、女心を描写するのに長けた監督として知られてますが、私の知る限りでは、この作品のように、女心の「純」な部分を前面に押し出しているのがむしろ珍しいように思います。『夜の蝶』っていう、同じ山本富士子主演でよく似たタイトルの作品がありますが、山本vs京マチ子の火花のちらしあい、ってのも、それはそれで見事でした。って、ほかの映画の話をここで書いてどうする!(いや、まだ『夜の蝶』がこのサイトでアップされてないもので。
ほかの方も書いておられますが、色彩が見事です。山本富士子にはこういう純日本風の風景がよく似合う。三隅研次監督の『白子屋駒子』を見たときにもそう思いました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-09-10 21:41:11)《改行有》
3. 42丁目のワーニャ
《ネタバレ》 チェーホフっていうのは難しい劇作家だと思う。全世界的に見て、シェイクスピアについで上演回数が多いくせに、滅多に成功した舞台に出会えない。でも、みんなチェーホフを上演したがる。そういう作家だ。思いをうちに抱えていながら、その思いを人に伝えることも出来ず、また、それゆえに、他の人の思いを理解することも出来ない。そういうディスコミュニケーションの世界。そりゃ、表現するのは難しいよ。
で、この映画は、チェーホフに正当に挑んで、成功している。アメリカ人なのに、いや、アメリカ人だからこそ、成功したのか。とにかく俳優たちがうまい。ホント、感心するほど、うまい。でも、特筆すべきは、ジュリアン・ムーアだと思う。エレーナという役どころに必要なのは、こういう美しさだ。存在するだけで人をひきつける。その説得力が大切なんだ。(モスクワでの初演ではチェーホフ夫人が演じたというが、これはかなり違うと思う。)その美しい彼女がひたすらわが身の不幸をかこつ。だからこそ絵になるのだ。
原作で言う第二幕の終幕、エレーナとソーニャの和解の場面の美しさよ。
そしてこの一級品の「舞台」を、「映画」としての一級品に仕上げた、ルイ・マルの生涯最後の力業に心からの敬意を評したい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-06-02 22:24:29)《改行有》
4. 楊貴妃
《ネタバレ》 溝口監督でなければもう一点高かったと思います。溝口監督にしては、演技が大袈裟で、荒いなという印象。人物描写もやや深みを欠きます。肝心の話は、始めと終わりがあって、中間部が抜けている感じ。お忍びで祭りにもぐり込む場面は、やはりいい演出だな、と唸りました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-02-07 23:17:12)(良:1票)
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