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1. Ray/レイ
ストーリー的に面白い、というようなことはあんまりないです。変な回想シーンとかも、ごくふつうに順番どおり見せてもよかったんじゃないかと思うし。ただ話に特に盛り上がりもないのは、そういう人生だったんだろうなと思えば、逆にリアルとも言える。音楽映画としてはとてもよくできていた。見ている間、レイはレイとして、全く疑わずに見れちゃったのはすごい。僕もピアノを弾くんで、その手の映画ではどうしてもピアノのシーンで違和感を感じちゃうのに、これはそれが全くなかった。そういうのにうるさい人も、この映画はぜったい大丈夫。音楽のところだけとれば10あげてもいいくらいだ。[映画館(字幕)] 6点(2005-05-31 01:01:44)
2. 檸檬のころ
豊島ミホの原作の良さがどこにも残っていない。彼女の良さって、理想と現実のギャップの中でバランスをとりかねて自滅しそうなくらいの自己嫌悪の只中で、なんとか生きていくための力を自分の中に見つけて前に進んでいこうとする、その力を、リアルな心情と情景の中に描きこんでいくところにあるのだと思う。でもこの映画は、役者の演技が薄っぺらく、思いで行動のギャップみたいなものがまるでなくて、それを即物的な会話でカバーしようとしているので、良さが何も残っていない。豊島ファンとしては存在を抹消したいような作品。[DVD(邦画)] 2点(2008-09-01 17:54:21)
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