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1. RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語
まあ直球ばっかりの、ケレン味のない、徹頭徹尾まっとうな作りに、むしろ感心した。中井貴一も、本仮屋ユイカも、こんな真面目一本槍な映画にこそふさわしい。とはいえ、悪く言えば、平均的邦画ど真ん中の、オーソドックスすぎる作りは、若さも革新もなく、変に老成してしまっていると言えなくもない。撮影も、なぜこのように、従来どおりの薄暗いローキーに終始するのだろう? とにかく作りが古くさい。なのに、そこを上回って感じ入るものがあったので、7点いれておきます。[DVD(邦画)] 7点(2011-10-23 00:23:33)
2. 冷血(1967)
《ネタバレ》 今の時代では、日本でもこんな話がよくあるありふれた事件になってしまった。これは40年も前の映画なのだけれども、もとになった事件にしろ原作にしろ、今から思うと時代の先例だったのだろうか。人が人を恨みもなく殺すにいたる過程、逃亡過程、そして処刑の末路まで、じっくりと描いていて見ごたえがあった。こんな映画こそ一例として子供たちに見せておくのがいい。ただ、もっとうまくやれ、というメッセージにとるかもしれないが......。乾いていながら妙につやと深みのある白黒映像が秀逸だったのと、ひょっとして黒澤明『天国と地獄』の佐藤勝を参考にしたかと思わせるようなクインシー・ジョーンズの音楽が結構でした。[DVD(字幕)] 8点(2007-04-23 05:12:24)
3. レディ・ジョーカー
《ネタバレ》 映画を観て、よくわからなかったので、さっそく原作を買って読んだ。それからもう一度観た。なるほど、切れるところはばっさり切り、詰めるところは詰め、はしょりにはしょって2時間におさめてある。これは脚本家の技といってよく、そうとう練り上げた苦労がうかがわれた。そのうえ映画的効果も加味してある(たとえば、ワゴン車張り込みのシーンの雨天、カップルを襲う際の馬の仮面、置き去りにされたレディに与える笛・クリスマスケーキなど......)。ただ、社長の孫娘をより悲劇のヒロインに仕立てる意図なのか、そもそもの事件の発端を「わたしが駆け落ちしようと言ったから」と別の形で押し出してあるのは、かえって恋人の事故死の原因を弱くし、あいまいにしてしまって、いただけない。また、四人が犯行にいたる過程と、最後のあたりの超スピードのはしょりすぎは否めず、全体にもう少しじっくり描いて、最低3時間50分ぐらいはかけてほしかった。演出と撮影はしっかりしていたし、役者陣では社長と副社長の長塚京三・岸部一徳のほか、とくにヨウちゃんの加藤晴彦と半田の吉川晃司がはまっていたように思う。とにかく、もしディレクターズカットの完全版があるなら、再公開してみてもらいたいものだ。原作は文句なく凄いのだから。[DVD(邦画)] 7点(2006-06-28 01:35:54)
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