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プロフィール |
コメント数 |
73 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
映画をいっぱい観るようになったのは、大学生になってから。 映画を創作できること自体とてもすごいことだと思うので、 なるべく誠意のあるレビューを書こうと思っています。 好きな映画のレビューだけ書こうと思っていたのですが、 ちょっと個性が埋没してしまいそうなので、おいおい酷評も 入れちゃおう。
☆好きな監督☆
黒澤 明 山中貞雄 溝口健二 エルンスト・ルビッチ フランク・キャプラ ビリー・ワイルダー アルフレッド・ヒッチコック ミロス・フォアマン チャン・イーモウ |
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1. ロープ
全編を通してワンロールをノーカットで回し続けるという、様式がまず最初にありきの作品ですが、「試み」として非常に面白く、とても好きな作品です。二人組の青年が友人を殺害するという事件は実話からヒントを得ており、結末はかなり早い段階で解るような設定で、ドラマとしては彼等が立てた計画が崩れていく過程のみを追うシンプルなもの。片面空きのセットが一つで、まさに舞台劇の様相を呈していますが、ワンロールをワンカットで撮るなら、この設定しかないでしょう。映画を映画たらしめるモンタージュも放棄して、唯一、キャメラのフレームワークのみで観客の視点を誘導して行き、嘘をついたり隠し事をしている時の「あの気持ち」をいっしょに体験させようとします。カットを割ればもう少しさり気ない視点の誘導が出来たと思いますが、ここ観て!あそこ観て!という、ちょっと押し付けがましい感じがするのはやむを得ません。そもそも、この映画では最初からカットを入れないという決まりで創っているのですから、自ずと限界があるのは明らかでしょう。この場合の「試み」は、すなわち「実験」というよりも、ちょっとした「遊び」ととらえても差し支えないような気がします。大胆な「試み」がもたらした制約は、他にもいろいろな歪みを生んでいるのですが、そうした犠牲云々よりも、いつの間にか、このワンロールワンカットという「遊び」を一緒になって楽しんでしまっている自分に気付きました。9点(2004-01-25 22:10:46)(良:2票)
2. ローマの休日
《ネタバレ》 人間の業を描く重厚な作品が得意なウイリアムワイラーにしては、異色の作品と言えるのではないでしょうか。フランクキャプラの『或る夜の出来事』を連想させるストーリーですが、この作品も当初はキャプラが監督をするルートも存在していたとのこと。なるほど、系譜から言えば、キャプラの作品群にあった方が自然でしょう。「何も言わないで」と言うオードリーヘップバーン、目に涙を溜めながらも微笑むグレゴリーペック。「ままならぬのが人生」と言い、お互いの立場を尊重し合う配慮。キャプラが監督をしていたらどうであったかはともかく、随所に見られるこうした「抑制」が、絶望的でない切なさとともに、安心感を与え、多くの観客を納得させる結末を演出しています。「ローマです。この地での思い出を忘れないでしょう。」。最後の最後で全編を支配してきた「抑制」の中から懸命に出てきた、この台詞の爽快感はやはり特筆ものでしょう。この作品がこれほどまでに人気がある国は日本だけだそうですが、どちらかと言うと「抑制」された物語の方が日本人の遺伝子に響くのでしょうか。この作品を神聖化するつもりはないのですが、観終わった後のいつまでも残る余韻は、まぎれもなく傑作の証だと思います。9点(2004-01-12 12:52:33)(良:1票)
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