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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 213
性別 女性
ホームページ http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/
自己紹介 正直、生まれは平成じゃないです。かなり、昭和なムード。昔みた映画を思い出しながらレビューしますので、記憶がずいぶんあやふやかも。なにか変なところがあったら、http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/のほうにツッコんでおいてください。

好きな女優
 「或る夜の殿様」の山田五十鈴、「近松物語」の香川京子
好きな男優
 「お茶漬けの味」の佐分利信
好きなキャラクター
 グレムリンちゃんとマシュマロマン

☆評価基準
10点:超絶。ほとんど奇跡。
9点:傑作。かつ大好きなんだもーんッ!
8点:傑作だし、好きデス。
7点:素晴らしいです。好みの映画です。
6点:まあ、悪くないと思います。
5点:なにか気になるものはあります(~~;

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181.  セカンド・サークル 《ネタバレ》 苦悩するロシア青年のかたわらに、ゴロリと転がる父親の死体。このゴロリと転がった死体が、いわばソビエト唯物主義の象徴。宗教性を排したソビエト社会の中で、「人間の死体の処理」という日常の出来事が、とことん唯物的な役所業務として、ほとんどドリフの葬式コントみたいなドタバタをともないながら展開されていきます。大きな棺桶を家から運び出すときに、あっちの壁にぶつかり、こっちの角にぶつかりするたびに、ソビエト特有の冷たくて寒々とした音が、乾いた反響を歪ませながら鳴り響いて、でもって、部屋の隅のほうでは、あくまでも「苦悩し続ける」ロシア青年。この対比が、ドラマの滑稽さをひたすら増長させていきます。絵と音の叙情性に相反するような、露骨なくらいの叙事性。映画の美しさとは無関係な、モチーフそのものの諧謔。この映画ではじめてソクーロフの凄さに圧倒された。暗いんだか、笑えるんだか、全然わかりません。(~~;[映画館(吹替)] 9点(2004-04-24 03:54:19)(良:1票)

182.  コックと泥棒、その妻と愛人 物すごい密度で話が展開して「あっ」という間に映画が終わってしまう。圧倒的。物語の構成も明快なので、グリーナウェイの中ではわかりやすいほうだと思います。映画がマイケルナイマンの音楽と一体になってグイグイ進んで、最後のオチも、グロテスクな衝撃と、懲悪的な満足を、両方いっぺんに満たしてくれる(笑)。グリーナウェイの最高傑作。10点、9点をつける人がたくさんいるのも当然だと思う。 どうでもいいことだけど、「レストラン&トイレ」の並びを見てると、キューブリックを思い出します。『シャイニング』のホテルのシーン、それから、ピカピカなトイレの映像は『2001年』の宇宙船の中のシーンを思い出させる(ピカピカなトイレの官能的なツルツル感って、宇宙船内の近未来的な雰囲気となんか似てるから)。ちなみに、このとき、ほとんどの人が初めてナイマンの音楽に遭遇したんじゃないでしょうか。こんな密度の濃い音楽があるんだとびっくりした。 それから、(これも関係ないけど、)わたしはグリーナウェイの映画って邦題がイカしてて好きです。この映画のタイトルは長すぎてあまり好みじゃないけど、あらゆる洋画の中でいちばん好きな邦題が、『建築家の腹』。ただ直訳しただけだけど日本語に直すと妙にイカすから。 7点(2004-04-03 15:02:26)《改行有》

183.  フェイシズ(1968) これまた見たこともないような映画。「大好き」な映画とは思わないんだけど、この傑出した大胆さには10点をつける以外ありません。本当の意味で自由な大人の映画。カサヴェテスのような「自由」を追求することはわたしには怖くて出来ない。これがアメリカ人の自由なのかナ。とてつもなく強くなければ、こんな映画撮れない。こんな話も描けないし、こんな自由で大胆な映像も撮れない。ゲラゲラ笑ってバカ騒ぎをしながら互いに相手の心理を探りつづける渇いた空虚な光景は、ある意味サスペンスそのものなんだけど、こんな冷徹な世界の断面の切り方が、地球の人のものとはわたしには思えない。ほとんど近寄りがたいぐらいの突出したエネルギーが満ちあふれてます。わたしには、異様なこの映画の光景が、宇宙から来たものじゃないかとすら感じられる。 10点(2004-03-31 16:59:32)(良:2票) 《改行有》

184.  砂丘 なんでわたしはこーゆーのが好きなんだろう?とにかくバクハツするのが好き。爆破!爆破!爆破!もう永久に爆破シーンの映像だけでもいいかも(~o~)。(いま書いてて気づいたけど、わたしが「3-4×10月」が好きなのもたぶん同じ理由だわ。。)[映画館(字幕)] 7点(2004-03-31 16:56:41)

185.  冬物語 《ネタバレ》 ロメールにしては、ハリウッド・ラブストーリーみたいなハッピーエンディング。でも大好き。すごく幸せな気持ちになれる。ロメール映画としてじゃなく普通のラブストーリーとして好き。おしゃまな娘役の女の子がチョーかわいい。よく見ると、この女の子が物語の鍵を全部にぎってる。母親の感情を完璧に写し取っていて、母親が誰のことを好きで、誰のことを嫌いなのか、ちゃんと分かってる。母親を教会に連れて行くのも彼女。最後は二人の再会も演出!ラストでは母親の「うれし泣き」まで物真似。すべての奇跡を呼んだキューピッドはじつは彼女だったわけですね。ところで、この映画の物語が、ロメールにしちゃ、なんとなく「アメリカ的」な感じがするのは、恋人役の男の人がいかにもフランス人っぽいヤサ男じゃなくて、逞しくて快活なカッコいいアメリカ人みたいな男の人だから、ってのもある。じっさいこの彼は、コックの勉強をしにアメリカにも行くわけだけど。こういう男性への憧れをとおして、この映画じたいが、「アメリカ的」な明朗さに対する微かな羨望をテーマにしてる?と見るのは考え過ぎでしょうか・・ 8点(2004-03-30 16:37:35)(良:2票) 《改行有》

186.  エル・スール 心の中の「父」を想い、そして心の中にある「南」を描くことが、この映画の主題なんだろうなあ、と思っていました。『エル・スール(南へ)』という表題ですが、あえて南の風景を映像として出さないことで、南への想いを際出たせてるんだろうなあと思ってた。 でも、原作では、ちゃんと後半に「南」の話が出てくるんだそうですね。映画でも当初は「南」の部分まで撮るつもりだったそうな・・。 わたし的には、「南」を描かないことで、かえって映画の素晴らしさが増したと思う。静かな感情が持続する美しい映画。8点(2004-03-30 03:42:50)(良:1票)

187.  メルシー・ラ・ヴィ なんにも考えないで見てると楽しい!なんだか自由になれる。このむちゃくちゃな理不尽さが女心を痛快なくらい解放するんです。(でも、こういうのはジェーンカンピオンみたいな女の監督じゃダメ。やっぱり男の監督じゃないと、突き抜けられない。)[映画館(字幕)] 7点(2004-03-30 02:37:01)

188.  ストロンボリ/神の土地 これまた崇高な傑作。ロッセリーニの作品は、リアリズムと神秘性、土臭さと崇高さがなぜか一緒になってしまう。物語のどのへんが素晴らしいのか自分でもよく分かんないんだけど、とにかく火山にしがみつくバーグマンだけで、神の業を見てるような気がして感動してしまう。9点(2004-03-28 17:57:07)(良:1票)

189.  レベッカ(1940) 《ネタバレ》 ヒッチコックらしい悪ふざけやユーモア、あるいはスリルにサスペンスといった要素は少ないけれど、何といっても「美しさ」がこの作品の最大の魅力。しかもすごく耽美的です。この作品の美しさの核をなしているのは、他ならぬ「レベッカ」という一人の女性の美しさなのだけれど、その姿は決してカメラには映し出されない。それは、ダンバース夫人という侍女の心の中にしか存在しない。つまり、不可視性こそが、この作品の美をかぎりなく耽美的なものにしています。見えてしまう美ではなく、見えない美ほど限り無いものはない。同時にヒッチコックは、美しさというものが恐怖や怨念の感情ときわめて親和性の強いものであることを雄弁に物語っています。大きくゆらめくカーテンの映像は、まさにレベッカの美しさを象徴するものであり、ダンバース夫人が愛しつづけた彼女の美しさの幻想であるように見える。その異常な「美」への執着にウットリとしてしまいます。[映画館(字幕)] 9点(2004-03-27 17:34:00)

190.  グレムリン 《ネタバレ》 これまた38年ぶりの鑑賞。『E.T.』を38年ぶりに観たときほどの落胆はありませんが、やっぱり今観なおすと特撮技術がショボすぎるし、物語もだいぶくだらない。というか、かなりのカットで特撮を誤魔化してるのがミエミエ(笑)。コリー・フェルドマンの役どころが中途半端なだけでなく、序盤で登場した人物たちがまるごと放置されたまま物語が終わるのもどうかと思います。 まあ、特撮のショボさを補って余りあるほど、ワンちゃんの演技は奇跡的に素晴らしかったし、フィービーケイツも可愛かったです。クリスマスのチャイナタウンでグレムリンを買ってくるというコンセプトは悪くないと思うので、現代の技術でリメイクすれば、もうちょっとマシな映画になるかもしれません。 なお、ウィキペディアで調べてみたら、もともとグレムリンというのは英国の伝説上の妖精なのですね。今回、そのことを初めて知りました。 【以下は18年前に書いたレビュー】 可愛い!好き!わたしもクリスマスのチャイナタウンでグレムリンが欲しい。でもって、それがバケてほしい!![地上波(字幕)] 7点(2004-03-20 18:31:29)《改行有》

191.  ゴーストバスターズ(1984) マシュマロマンがビルの間からニコニコしながら歩いてくるシーンは、リアリティを幻惑させるような力がある。(大魔神のところでも同じこと書いたけど、ゴジラにはこういう映像的な錯覚を感じない。) 脚本も、キャスティングも、特殊撮影も、全体の中によくまとまってて、バランスのいい映画ですね。映画全体に満ちてるユーモアの感じもいいです。9・11のときに思い出したのは、この映画の摩天楼シーンだった。7点(2004-03-20 17:22:52)

192.  河内山宗俊 『人情紙風船』はあまりに出来過ぎてるので、あえて『河内山宗俊』を。 あまり記憶が定かじゃないけど、いちばんシビれたところは、たしか、中村翫右衛門の最後のセリフと、残した爪楊枝だったと思う。あの「爪楊枝」みたいのの映像だけで、この映画は傑作だと思いました。物語としても、『人情紙風船』よりこっちのほうが面白くて好きかなあ・・。なんか『人情紙風船』て、あらゆる意味で完璧すぎるんだもん。面白いとか面白くないとかじゃないでしょ、あれは。 それから原節子のことですが、原節子って日本映画には大柄すぎて顔もバタくさいと思うけど、この映画のときの原節子は、まだ若くて可憐な感じでいいです。とくに原節子がはじめに横顔で映し出されるシーンは、たぶん歴史的なシーンなんでしょう。  ・・気持ちは9点以上なんだけど、個人的なバランスの問題で8点にしちゃうのを許して。(T_T)8点(2004-03-20 12:57:35)(良:2票)

193.  ガルシアの首 《ネタバレ》 「俺のところにガルシアの首をもってこい。」ですよね~。カッコイイなー。男の映画!って感じですよネ。コクが深いです。全員死んでも「自滅的」という陰鬱な感じはしないです。どこまでも「破壊的」なんです!画面もドカーン!としてて。監督が大股で撮ってんだろうなあ・・みたいな。ちまちましてない。日本映画じゃこれは無理。[映画館(字幕)] 7点(2004-03-20 12:14:39)

194.  遺言 牧牛や羊の、カランカラン・・、という鈴の音だけが映画を通してずうっと鳴ってる。大地の上で、人や動物が生きて、そして死んでいく。それだけ。それだけなのにボロボロ泣ける。あまりの映画世界の静かさに、一歩まちがうと眠ってしまうけど、最後まで見た時には、深い感動が押しよせてきます。わたしが考える、ほんとうの傑作中の傑作。10点(2004-03-20 11:42:38)

195.  大魔神怒る GYAOの無料動画で視聴。すでに18年前にレビューしていたことはおろか、二度目の鑑賞だったことにすら気づかず、最後まで初めてのつもりで観てしまった(笑)。われながら凄い記憶力の無さ…。 二作目は三隅研次です。キレッキレのシャープな構図がいちいちカッコいい。お姫様の祈りと涙が大魔神を突き動かす設定は前作と同じで、やはりこの神様は「信心の有無」で善悪を見分けているのだということが明確になる。十字架ごと持ち上げられたときの藤村志保の恍惚とした表情にも説得力があります。とりわけ今回は、最後にお姫様の涙が湖に溶け込んだことで、湖の神様との精神的な一体性がより強まっている。 チャンバラの見せ場もあります。大魔神への縄攻めが裏目に出るのは前作同様のお約束だけど、火薬による爆破攻撃もなかなかの見どころだし、船の帆によじ登った敵の親分に縄が巻きついて火あぶりになる最後の演出は、いかにも三隈研次らしくてケレン味たっぷり。 細部にツッコミどころがないとは言えないけど、全体的な設定に矛盾は感じない。たんなる二番煎じではない面白さがあるし、二作目としては十分に成功しています。湖が十戒みたいに割れるのも悪くないし、前作のUFOみたいな火の玉が出てこなかったのはむしろ前進。 18年前には7点つけていたのだけど、8点に格上げ。 【以下は18年前(ビデオ鑑賞)のレビュー】 もしアメリカ人に「GodzillaとDaimajinはどっちがスゴイか」と聞かれたら、絶対、「佐々木のほうです」と答える。東宝と大映の差でもあるけど、大魔神には、時代劇的な情緒感があります。『ゴジラ』も悪くないけど、あれはどっちかっていうと「科学映画」ですよね。それに、ゴジラはデカすぎて、かえってリアリティが無い。大魔神は、目の合うくらいの高さで迫ってくるから、ほんとうにむこうから歩いてくるようなリアリティを感じる。鎌倉の大仏さまを初めて見たときのような、微妙に大きさの感覚が幻惑される感じ。これは、怪獣映画にとってとても重要なことなんだけど、ゴジラにはそれが感じられないです。日本映画は大魔神のようでなくちゃいけないです。 これはシリーズ2作目。豪快で明快な怪物映画の中に、三隅研次一流のありえない演出の妙や奇特な映像のエロティシズムが加わってて魅力的。同時に、三隅作品として見るならば、大魔神の豪快さと明快さによって、彼の奇特な映像エロスに偏りすぎていないところがちょうどいい。そんなわけで、いっぱい楽しめます。[インターネット(邦画)] 8点(2004-03-19 15:59:14)(良:1票) 《改行有》

196.  ツィゴイネルワイゼン 傑作ですね。やっぱり。くらくらするくらいの傑作。大正ロマンの美と悪趣味と叙情性の極致。清順映画はアタリハズレがあるとわたしは思うけど、これはやっぱり傑作。わたしは9点にしますけど、一般的には「日本映画の金字塔」といわれて構わない作品だと思います。もうひとつ清順映画で挙げるとすれば、ケレン味がばちっと決まってる『けんかえれじい』かな。9点(2004-03-19 15:32:39)

197.  野良犬(1949) みなさんが言ってるように、やはり皮膚感覚にうったえてくる暑苦しさと疲労の迫力がスゴイ。『野良犬』の疾走感はクロサワ現代劇の醍醐味を感じれます。そもそも、わたしはクロサワの時代劇より現代劇のほうが好きです。かろうじて時代劇で選ぶなら『隠し砦』と『蜘蛛巣城』かな。『7人の侍』とか『羅生門』とかは、正直なにが面白いのかわかりません。(『羅生門』はたしかに美しいですけど。)カラー作品なんか問題外。8点(2004-03-19 15:06:30)

198.  静かなる決闘 黒澤の中でわたしのベスト。そもそもわたしはクロサワの時代劇よりも現代劇のほうが断然、好き。話は単純だし、思いっきり勧善懲悪的なんだけど、そんなことはどうでもいい。この強引さこそ、クロサワの魅力。そして「皮膚感覚」にうったえてくる表現力の圧倒的強さ。『野良犬』の蒸し暑さも、この最初のシーンの野戦病院の砂ボコリと息苦しさも、皮膚をとおして感覚に迫ってくる。それから、クロサワ映画では、物語を強引に形づくる登場人物の顔立ちや輪郭がすごく強いです。三船敏郎の顔も、志村喬の顔も、まるで鉛筆でくっきり描いたみたいに線が強い。関係ないけど、『生きる』のときの志村喬の顔なんて、ほとんど手塚治虫のマンガみたいだったし(~~;; 。9点(2004-03-19 14:50:32)(良:1票)

199.  早春(1956) わたしの小津の中でベスト。純粋で、端正で、品があって、キレイな映画。 小津はカラーになったら、ちょっと卑猥で下品な作品をつくるようになりますよね。エロおやじの大学教授とか、うんちの話とか。小津にとって「色がつく」ということは「エロくなる」ということだったように思う。もちろん、それはそれで面白いんだけど。でも、それに対して、小津のモノクロ時代の作品は、みんな清潔だし上品です。この作品は、全作品中でも異色作と言われるけど、次の「東京暮色」ほど特異な感じはしない。そもそも浮気なんて、登場人物が口々に言ってるように、どこにでもある話です。もしも、この作品が特異だとするならば、それは小津作品の中で唯一「春」を描いているということでしょう(じっさいの物語の季節は夏のようですけど)。「秋」とか「遅い春」といったイメージが強い小津映画の中で、この作品だけが、タイトルどおり「春」そのものを瑞々しく描いてる。男の人たちにまじって自由奔放にふるまう岸恵子が可愛くて好きです。かなり開放的で大胆ではあるけど、けっして慎ましさや、爽やかさや、瑞々しさというものが損なわれていない。まあ、これがカラー作品だったら、もうちょっと下品だったのかもしれませんけども。これはモノクロ時代の最後のほうの作品ですし、モノクロの小津作品の端正さがここで完成されてるように思います。長時間の映画ですが、まるで爽やかな短編佳作のようで、長さを感じさせません。[映画館(邦画)] 9点(2004-03-19 14:17:28)《改行有》

200.  雪の断章 情熱 あのころ由貴ちゃんが好きだったから見たんだけど、いま思うと、これが相米映画の最高傑作じゃないかと思う。こんなジャンバルジャンとコゼットみたいな話が、日本のどこにも存在するわけないし、こんなストーリーもあるわけないし、そもそも時代設定もまったく不明だし、こんなものを作ろうと思った動機もまったく不明。どんな欲望があるのかぜんぜん分からない。『台風クラブ』みたいな話なら、まだ現実にもあるかもしれないけど、『雪の断章』の話だけはありえない。こんなありえない物語を、長回しのリアリズムで撮ってしまった時点で、これは異常な傑作なんじゃないかと思う。テント芝居をそのまま映画にしたようなもんだといわれればそれまでかもしれないけど、それを抜きにして考えれば、この作品世界はあまりに異常なところにいっちゃってます。[ビデオ(邦画)] 8点(2004-03-19 13:05:36)

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