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プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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181.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 輪廻転生を描きながら、生きる意味を問う物語。と見せかけて、実は全然違うのかもしれません。監督の狙いは別にあるのかも。説明不足を自分勝手に脳内補完している可能性も否定できません。そういう意味では、映画の完成度は決して高くないと思います。無駄な描写が多いですし、ストーリーテーリングも上手くありません。必要以上にグロテスクですし、結末も尻切れトンボ。しかしながら、本作の訴えかける力はズバ抜けていました。画面の端々から謎の迫力が溢れていました。全ての芸術作品の使命は観客に何かを感じさせる事。その観点で本作は(私にとって)満点に違いなく、もう諸手を挙げて賞賛したいです。映画の出来の良し悪し等とは、また別次元の話。こういう映画こそ傑作と呼びたい。こんな気持ちになったのは、湯浅政明監督の『MIND GAME』、内田けんじ監督の『運命じゃない人』を観た時以来であります。[インターネット(邦画)] 10点(2022-02-21 19:16:10)(良:1票)

182.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 典型的なソリッドシチュエーションスリラーの様式ですが、主人公は事件現場には居ません。デンマーク映画『ギルティ』(2018年)と同様のスタイルです。まさに踊るの青島の名台詞『事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!』状態です。ところが、物語が進むに連れて様相は一変します。此処が事件現場に変わる。どんなにハラハラしても我が身(主人公)の安全だけは確保されていると思っていたのに。この大転換は、サスペンスギミックとして優秀であります。ただ、形式的にはご指摘のレビュワー様もおられるように『ドリフのコントのオチ』以外の何者でもありません。一定年齢以上の日本人観客の脳内には『♪チャチャラチャンチャラチャンチャンチャンチャラチャンチャンチャンチャンチャン・チャチャラチャンチャラチャンチャンチャンチャラチャンチャンチャンチャンチャン・テーテテテテー♪』の曲が響き渡った事でしょう。ドリフって偉大ですな。[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-16 19:00:02)

183.  ルームロンダリング 《ネタバレ》 資金洗浄=マネーロンダリングならぬ、事故物件洗浄=ルームロンダリング。殺人事件や自殺等が起きた賃貸物件の心理的瑕疵は、契約交渉時に告知義務があるも明確なルールはない。そこで一度誰かに貸して告知義務を果たすことで、2人目以降の賃借人に対する告知義務を消滅させるというもの。そこで主人公はルームロンダリング請負人として事故物件に住むワケです。ビジネスとして事故物件に住むという意味では、『事故物件 恐い間取り』と同じですが、本作はホラーではなくハートウォーミング・ファンタジーでした。主人公は「見える人」であり、その能力を使って成仏できない霊の呪縛を解いていくと同時に、彼女自身も成長していきます。エピソードは総じて大人しい印象で淡々と進行します。面白いとは言いませんが、悪くもありません。主人公が池田エライザさんである事は、エンドクレジットまで気づきませんでした。ぼんくらですみません。 (以下余談)心理的瑕疵の告知義務については2021年に国土交通省からガイドラインが示され「概ね3年程度」と取り決められたようです。もう今だとルームロンダリングビジネスは出来ないですね。[インターネット(邦画)] 5点(2022-02-11 12:27:49)《改行有》

184.  ウィッチ 《ネタバレ》 コミュニティから弾かれ孤立する家族。唯一の拠り所は信仰心。しかし柔軟性なく凝り固まった心は、最も大切にしなければならない家族の絆を断ち切っていく。行き着く先が悲劇なのは必然でした。王道のオカルト様式でありながら、スーパーナチュラル確定でなく、精神疾患(追い詰められた主人公が脳内で作り出した架空のお話)の可能性を感じさせるあたり作品の奥行きを感じさせます。派手さはないものの、ホラーとしては一級品です。恐ろしいのは魔女か、悪魔か、はたまた人の心か。[インターネット(吹替)] 8点(2022-02-10 22:50:19)

185.  一度も撃ってません 《ネタバレ》 「ハードボイルド」というジャンルそのものをダシに使った大人向け激渋喜劇。ブラック&ビターな人生ドラマに心地よく酔いしれました。とくに印象的だったのは妻の言葉です。『私はきちんと生きてきた。これからもちゃんと生きていきたい。だから汚さないでよ!』これは痛い。痛過ぎます。ぐうの音も出ません。主人公は確かに一度も銃を撃っていないかもしれませんが、妻を後ろから撃ち続けていたも同然なワケで。この手の裏切りは、火遊びやギャンブルの比ではない重罪と言えましょう。何人も、自分の人生が自分だけのものだと思ったらイカンのであります。また玉淀の台詞にも痺れました。『ずっと騙し続けられればそれは詐欺とは言えない』確かにそうかも。しかしそうは問屋が卸さないのが人生であります。ゴール目前にして、市川はすっ転びました。もう昨日までの平凡で幸せな日常はありません。全く別ものの明日が始まる事でしょう。でも男は黙ってやせ我慢。それがハードボイルドの流儀ってもの。タバコをふかす市川がラストカット。かつて当たり前だった路上喫煙が許されぬ世の中になりました。ハードボイルド同様、時代に取り残された男の行く末や如何に。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-07 19:06:52)(良:1票)

186.  はらはらなのか。 《ネタバレ》 以下私なりの解釈です。こんな見方もあるのか程度でお読みいただければ幸いです。 『ハラハラさせるなのか』と『はらなのか+はらなのか』。2つの意味を持つタイトルと捉えました。前者は思春期少女の危うい日常を指し、後者は主人公だけに見えるもう一人の『私』を指します。透明な私の正体は、劇中劇の設定に沿うなら『生まれてこられなかった子』であり、主人公は元々双子で生まれるはずだったのかもしれません。ベッドで膝を折り眠る2人は子宮内の再現。透明なのか最期の言葉は「せっかく生まれてきたんだからさ」でした。本作は、生まれてきた主人公と生まれてこられなかった姉妹、2人による自分探し=アイデンティティ確立までの道のりを描いた物語と解します。 自我同一性取得に必要な作業。それは親の人格を取り込み咀嚼し、自分オリジナルに作り変えること。母親を知らない主人公は、どうしても母親に会う必要がありました。それが母の立った舞台に拘った理由。公演初日、父親が観覧に来ていないだけで過呼吸になるほど取り乱したのも、自我獲得に父親の立ち合いが必須だったから。ついに出会えた母親(マリカ)が、かつての子役(リナ)に変わる点も興味深いです。自我を求め旅する子もやがて親となり我が子を導く。私たちはみな共に助けあい、己が存在理由を確認しあいながら自己を確立してゆくのだと思います。 物語は夢中夢や劇中劇の体裁を有しており、空想と現実の区別が判然としません。透明なのかは勿論のこと、常時ピエロ風メイクの俳優、演出家とリナの年の差恋愛など、不可思議な事象だらけです。中でも気になるのは、母親の舞台記録映像のリナが少女ではなく大人であること。これは主人公が13年後のリナに出会った後、彼女の中で記憶の書き換えが行われた可能性を匂わせます。つまり本作の出来事は、一般的な時系列に沿った客観カメラ(神様視点)ではなく、全て主人公の内部記憶の編集映像だったのではないかと。自我同一性を描く作品ならば、このようなアプローチも納得です。 キャスティングについて。主人公なのかを演じたのは女優・原菜乃華さん。女優名のよみがな=役名のパターン。物語序盤の彼女は幼く拙い印象で、生徒会長役の吉田凜音さんの方が輝いて見えました。しかし物語が進むにつれ、なのかの表情がぐっと良くなり魅力が増したように思います。一本の映画の中で女優が成長する様を見られて得した気分です。[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-29 16:51:50)《改行有》

187.  真・鮫島事件 劇中の時代設定がコロナ禍の映画を初めて見ました。2年もマスク生活が続けばこれがニューノーマル。登場人物がマスクをしていない新作映画の方に違和感を覚えるようになるのでしょうか。いやな世の中ですな。マスク着用が当たり前になると俳優さんも大変です。例えば本作のヒロイン武田玲奈さんのように大きな瞳で鼻筋の通った女優さんならマスク着用でも画面に映えますが、そうでないと厳しそう。微妙な感情の起伏をマスク越しに伝えるのも大変でしょうし。全体的にオーバーアクトが流行するのかもしれませんね。 タイトルに『真』が付くのは、『真・ゲッターロボ』か『シン・ゴジラ』にあやかっての事でしょうか。どちらにしても無印の『鮫島事件』映画が無いとおかしいワケで、このあたりの事情はかっぱ堰さんが補足していただいています(いつも丁寧な背景考察ありがとうございます)。物語について言及したい点は特にありません。所詮は与太話。コロナ禍でさぞ撮影大変でしたでしょうねと思うくらいです。[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-01-24 18:48:40)(良:2票) 《改行有》

188.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 ネタバレしています。ご注意ください。 幼少期から成人に至る今日まで“アメージングエイミー”としてキャラクター化され続けてきた女性。おそらくビジネスとプライベートの区別はなく、彼女はずっと何かを演じ欲しいものを手にしてきたのだと思います。歪な成長過程で、大人になっても心は幼い子供のまま。社会性や倫理観が備わっていない彼女は、今なお少女でした。だからタイトルは『ウーマン』ではなく『ガール』。子どもは非力だから我儘が許される訳で、力を持った大きな子どもの利己主義は恐怖でしかありません。これが本作で描かれる一つ目の恐怖、個人に由来する『ミクロな恐怖』です。 二つ目の恐怖、それは『マクロな恐怖』、世論であります。恣意的に世論を形成するのが容易となった現代。その世論に司法が左右されるのが常識となった国。何なら司法の手を借りずとも、気に食わぬ者への制裁が可能なシステムが構築されています。力のある人、頭の良い人が得をするのは世の道理ですが、その勝ち幅がえげつない。マスメディア、SNS。私たちは、社会は、確かに恩恵を受けていますが、その一方些細な過ちも許されない厳しい社会にもなりました。下手なオカルトよりも遥かにホラーな社会派サスペンスでありました。出来の良い映画だと思いますが、観終えてどっと疲れるタイプの映画ですので、元気ハツラツなタイミングでの鑑賞をお勧めします。[インターネット(吹替)] 8点(2022-01-22 12:35:13)(良:3票) 《改行有》

189.  哀愁しんでれら 《ネタバレ》 ネタバレしています。ご注意ください。 「母親になることと母親であることは違う」子育て失敗を自認する義母らしい、子連れ再婚の難しさと覚悟を再婚新妻に問い質す厳しい言葉です。始めは嫁いびりの一環かと思いましたが、どうやら本気で心配していたよう。それほど母親、とくに「良い母親」になるのは難しいこと。「無理なら逃げてもいいのよ」の意味だった気がします。しかし主人公にその選択肢はありませんでした。母親に捨てられた彼女は自分自身に呪いをかけていたから。「親は子どもを守らなければならない」。この強迫観念は彼女を狂わし「証拠隠滅」という究極の手段で子を守ることを選びました。証拠が消えれば事実も消える。既に筆箱や弁当事件で学習済みの解決法です。勿論そんな都合の良い魔法あるはずないのに。しかし、両親にとってあの結末はハッピーエンドに違いありません。 さて、娘は殺人を犯していたのでしょうか。全体印象や状況証拠はクロ。映画の方程式上は、最後に提供される情報が優位のためシロと判断しても良さそうですが、真相は藪の中です。おそらく父の方は盲目的にシロ、主人公は経験則からクロと認識していたのではないかと思われます。いずれにしても子はサイコパスの可能性大なので、主人公の立場であれば逃げるのが正解でしたが判断を誤りました。真実から目を背け、見たいものだけを観る。黒目のない肖像画は、あの家族の有様そのものを表しています。 多分「誰かを幸せにする」「誰かに幸せにしてもらいない」という考えが傲慢なのだと思います。ちっぽけな私たちにできるのは、自分が幸せになるために全力を尽くす事のみ。たとえ親子でもその法則は変わりません。人生は甘くない。[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-01-17 20:28:05)(良:1票) 《改行有》

190.  笛を吹く男 《ネタバレ》 『ハーメルンの笛吹き男』の韓国アレンジ版。原作の笛吹き男は犯罪者(人さらい)でしたが、本作の笛吹き男は息子を殺された被害者であり、その復讐劇の体裁となっています。そこで『復讐もの』について考えてみました。 本復讐劇の発端は、原作と同じ『契約不履行』です。笛吹き男(主人公)は鼠駆除の委託業務を履行したのに、依頼主(村長)から約束の報酬が貰えませんでした。理不尽ですが、そう珍しい話でもありません。現実的には泣き寝入りするパターンが多いでしょうか。だからこそ『ハーメルンの笛吹き男』の報復は常軌を逸しており『恐ろしい寓話』なのです。このホラーを『復讐劇』に転換するために、金銭被害以上の実害が必要だったと考えます。復讐の基本は『目には目を、歯には歯を』。被害と報復には均衡が求められます。笛吹き男の凶行(殺人及び子ども誘拐)に妥当性を与えるには、それ相当の痛みが必要でした。そこで一工夫。『戦時下』や『時代劇』という特殊カードを用いて、理不尽・蛮行がまかり通る『閉鎖された村社会』を作り上げました。これは上手いやり方です。社会秩序が保たれていない世界なら「何でもアリ」ですから。ただ個人的な好みを言えば、それでも希望なり救いなりを残して欲しかったと思います。昨今、限度を超えた激辛やデカ盛が流行っていますが、過ぎたるは及ばざるが如しとも言います。刺激過多で観客の心が麻痺していたら、ドラマの旨味(心の機微)が感じ取れず大味な印象になってしまう気がするからです。もっともこれが韓国映画の流儀であり、また魅力であることも否定しません。また同様の苦情(?)は、日本の某有名監督(〇子〇様)に常々抱いていることも申し添えます。 それにしても村長があの有名ミュージシャンに見えて仕方がなく。「青田、お前が旦那を止めろ」と何度も叫んだことは恥ずかしいので秘密にしておいてください。[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-17 20:25:44)《改行有》

191.  クワイエット・プレイス 破られた沈黙 《ネタバレ》 前作終了直後から始まる続編。しれっと数年後から始めることも出来たでしょうが、それだと前作で提示された難題「どうやって赤ちゃんを育てるの?」を誤魔化すことになるので、このアプローチには説明責任が感じられます。もっとも、そのアンサーは「赤ちゃんを育てる画期的なアイデア」ではなく「怪物のいない土地を探そう」でありました。うーん、やっぱりはぐらかされていますかね。果たして怪物不在の楽園は存在しましたが、とても安住の地とは言えない場所でした。来る者拒まずの姿勢は人道的ですが、社会秩序が失われた状況下では通用しない甘い考えです。怪物に見つかるより先に悪人に見つかってしまえば、今いる地獄より更に酷い地獄に変わるのは火を見るより明らかですから。真に恐れるべきは怪物よりも人間。この事実は数々のゾンビ映画(終末世界映画)で語られ尽くされてきた大原則であり、いくら本シリーズがリアリティ軽視の作風だとしても無視出来ない重要課題と考えます。したがって、もしさらなる続編があったとしても局地的なvs怪物より、大局的にはvs人間に比重を置かざるを得ず『ウォーキングデッド』と代わり映えしないホラーになってしまうことでしょう。それが駄目とは言いませんが、モチーフにはゾンビという絶対王者がいる以上、相当優秀な仕掛けがないとシリーズ化は厳しそうです。本作の微妙な出来がその事実を物語っている気がします。[DVD(吹替)] 6点(2022-01-03 09:58:00)

192.  魔女見習いをさがして 《ネタバレ》 『おジャ魔女どれみ』は一般教養(?)としてタイトルは知っていた程度。そんな50目前のおっさんが何故本作を観たかといえば、声優を努めた百田夏菜子さん目当て以外の何者でもありません。ももクロファンとして夏菜子さんのスイートボイスが拝聴できればそれで満足でしたが、何というか、思いの外、心の芯にヒットしてしまい、弱りました。 聞けば本作は『おジャ魔女どれみ』20周年記念作品とのこと。子どものころTVアニメ『おジャ魔女どれみ』に心奪われた若者たちが主人公のお話。彼女らは『聖地巡礼』から『ファンの絆』をきっかけに人生を切り開いていきます。この展開は、オタク全開の私にとって胸アツでした。そう、オタクが興味の対象に費やしてきた時間やお金、心の熱量は膨大なもの。然るに、そのほとんどはただの自己満足に過ぎません。生産性などありゃしない。でもそんな無駄な時間こそが、現在の自分を形づくってきた、かけがえの無いピースに違いないのです。本作のエピソードは、過去の自分を肯定してもらえたようで嬉しくて。私が今まで(そして今なお)のめり込んできた趣味たち(囲碁、深夜ラジオ、プロレス、映画鑑賞、ももクロちゃん)。何ひとつ人に誇れるような勲章や技能を身に付けたワケではないけれど、その時折に、自分の心を豊かにしてくれたのは間違いありません。それに本作の主人公たちのように、普通なら関わるはずのない方たちとの交流もありました。回り道や寄り道、道草の中にこそ『人生の宝』があるのでは。本作は『おジャ魔女』ファンだけでなく、全てのオタクに向けられた応援歌であります。[地上波(邦画)] 8点(2022-01-02 00:56:23)《改行有》

193.  すばらしき世界 《ネタバレ》 ネタバレあります。未見の方はご注意ください。 自然災害、不慮の事故など、本人に責任が及ばぬ原因で終わる人生もあれば、己が生き様の帰結として迎える必然の最期もあります。後者を選択できた者は、その結果が好ましかどうかに関わらず「幸運」に違いありません。三上の最期は唐突かつ遣り切れぬものでしたが、明らかに後者と考えます。それに見方を変えれば、これほど幸せな結末もありません。生活苦もなく、辛い闘病生活も経験せず、悲しんでくれる人がいる、泣いてくれる人がいる。これ以上何を望みましょう。彼は周りの人々に恵まれました。もしかしたら人生の前半で使わなかった運を、ここで一気に使ったのかと思うほど。もちろん、身寄りのない三上が短期間で濃密な人間関係を築けたのは、彼の人間性に魅力があったからに外なりません。広い空の下で死ねたこと。彼が迎えた人生の結末は、最善でなくとも、最良のものだった気がします。 生い立ち、セーフティネット、犯罪者の社会復帰。シリアスな周辺要素を孕みながらも、物語は一人の男の日常生活を淡々と描くスタイルです。どこで終わっても成立したでしょう。それこそ後味よく希望を抱かせるエンディングを用意することも容易でした。しかし西川監督は「けじめ」に拘った気がします。それが「人生」を描く責任。西川監督の過去作を見てもわかるように、その真摯な姿勢は一貫しています。良いところも悪いところも、好都合も不都合も、全て描く。でもその視線には人間に対する絶対的な肯定感が見てとれます。それを「愛」と呼ぶのかもしれません。だから私たちは西川監督に魅了されるのだと思います。タイトル『すばらしき世界』は幾ばくかの苦みを含みつつも、皮肉ではありません。[DVD(邦画)] 9点(2022-01-01 00:00:00)(良:1票) 《改行有》

194.  えんとつ町のプペル 《ネタバレ》 賛否両論とは聞いていましたが、観て納得しました。 スタジオ4℃制作ですからアニメーションは一級品。映像面で文句を言う人はいないでしょう。問題は中身の方です。主人公は孤独な少年。彼を取り巻く環境は、決して好ましいものではありません。そこで提示されたのは「希望」という名の体制批判でした。異端を認めぬ社会が悪い。これは「世間」や「常識」と同義であり、多数派を架空の敵に見立てて戦いを挑みます。そもそも日本人は判官びいき。少数派=弱者の味方をしたくなるのが人情ですが、これは宗教勧誘映画の典型例でもあります。このような作品ですから、アンチには格好の餌食となるでしょうし、新派にしてみれば叩かれれば叩かれるほど、より結束を強める効果を生むはずです。商売は人々の耳目を集めてナンボ。映像面の「賛」は確定ですから、むしろ内容は「否」が多いくらいの方が話題となりオイシイのかもしれません。 物語の基本構造は『スモールフット』(2018)と酷似するもので、着想自体は珍しくありませんが、ブレイクスルーしたその先を示した『スモールフット』に対して、批判のみで帰結している本作は一段劣ると感じます。[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-28 20:28:26)(良:2票) 《改行有》

195.  地獄の警備員 《ネタバレ》 いわゆる『不条理ホラー』。とはいえ、殺人鬼の思考など普通は理解できなくて当たり前。そういう意味では不条理である事が道理であるとも言えます。富士丸の狂気は不条理そのものでしたが、彼の最期は道理に適っており、不条理行動に一貫性がありません。逆に言えばそれがむしろ不条理とも言えなくもなく。何を言っているか分かりますか?自分でも何が何だか分からなくなりました。そう、この難解ぶりこそ、まさに黒澤清映画の証。ただし、私が愛する黒澤ホラーの奥行は本作からは感じ取れず、凡作との評価になります。[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-12-20 23:10:51)

196.  地獄の花園 《ネタバレ》 学園ヤンキー漫画の世界をOL社会の派閥争いに置き換えたナンセンスコメディ。いや、元ネタだってナンセンスである事に変わりはなく、突き詰めれば本職の皆さんの縄張り争いだって右に同じ(だから『アウトレイジ』はコメディと見紛う)。現代社会(法治国家)において暴力を是とする価値観は、すべからく滑稽なのだと思います。とはいえ、そんな真面目ぶった考察は本作には不要であり、「大島の雑な口紅」とか「強面ベテラン男優の卑怯なキャスティング」に注文通りバカ笑いしながら、マトリックス風(意外と見せ方が上手い)バトルアクションを素直に楽しむのが正しい鑑賞姿勢と思われます。個人的には、コーンロウ菜々緒嬢の異次元フォルムに心を奪われ(何かに似てる。そうだ。狩猟犬ボルゾイだ!)、永野芽郁様の「全員まとめて殺してやる!」に魂を射抜かれました。誰が何と言おうと傑作認定いたします。ちなみに「全員まとめて殺してやる!」はあまりに好き過ぎて、着信音に設定しました。[DVD(邦画)] 9点(2021-12-14 18:19:37)

197.  仮面病棟 《ネタバレ》 (ネタバレしています。未見の方はご注意願います) コンビニ強盗犯による病院立てこもり事件発生。病院は5階建て、病床数は(たしか)64。夜勤スタッフは院長、当番勤務医、看護師長、看護師の4名のみ。満床ですが、療養型ゆえ満足に動ける患者は少ないそう。一方、犯人は拳銃所持の単独犯で、負傷した女性人質を連れていました。さて問題。この状況で立てこもりは成立するでしょうか。勿論否です。広大な建物と大人数の人質を、たった一人で制御下に置くなど不可能です。しかもスタッフを誰一人拘束しないというユルユルぶり。この時点で、ははーんこの事件には何か裏があるなと誰でも勘づくでしょう。こんな先入観を持たれた段階でミステリーとしてはアウトです。さらに事件の真相。いわゆる『復讐』が動機でしたが、いくらなんでもそんな目に遭いますか?という話。病院の裏稼業(仮面病棟なる所以)が、あまりにお粗末過ぎて呆れました。物言わぬ人々を獲物にするからこそ成立するビジネスではないのですか。様々な設定上、ストーリー上の欠点を要約するなら『リアリティが無い』に尽きると言えましょう。もう少し上手に嘘を付いて欲しいと思いました。ただ、役者の皆さんはお上手だったと思います。高島弟さんの「悪い医者」ぶりはすっかり板に付いていますし(そもそも医者役多いですよね)、最近では連ドラ主役を張る江口のりこさんもこの手の脇悪役で本領を発揮するタイプ。そして何より永野芽郁さん。彼女は可愛いルックス以上に幼いイメージがありましたが、本作の難しい役柄をちゃんと自分のものにしていたと思います。当初違和感ありありだった茶髪や赤い口紅も、真相を知れば府に落ちます。[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-10 18:57:05)《改行有》

198.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 邦題は『Mr.ノーバディ』原題は『Nobody』。私は勝手に「誰でもない男」=「どこにでもいる普通の男」と意訳してしまい、DVDパッケージのキャプションも相まって、マイケル・ダグラス主演の『フォーリング・ダウン』みたいに一般人がブチ切れるお話だとばかり思っておりました。しかしこれが全く的外れ。タイトルは『存在しない人』が正しく、主人公は何処にでもいる普通のオジサンではなく、国家レベルの力で存在を隠蔽してしまうトンデモない素性の男でありました。劇中の台詞を借りるなら、羊の皮を被った『狼』どころではなく『オルトロス』『キマイラ』あるいは『ケルベロス』クラスの化け物だったワケであります(注:当方現在『真・女神転生Ⅴ』にドハマり中です)。まあ、とにかく強いこと。でも決してスーパーマンではありません。普通に反撃をうけて傷だらけ。彼の凄さは技術面ではなく、精神面の方。修羅場を潜った経験値がべらぼうなんでしょう。そんな主人公のキャラクターが実に魅力的で、「やりすぎ」「無茶しすぎ」「ちょっとオフザケ」な超絶バイオレンスアクションを存分に堪能することができました。音楽もサイコー!大別すると『キック・アス』とか『ザ・ハント』と同じバイオレンスアクションで、コンプライアンス無縁の代物でありますが、体に良くないものほどオイシイのが世の常であります。[ブルーレイ(吹替)] 9点(2021-12-06 22:19:58)

199.  スモールフット 《ネタバレ》 言及したいポイントは2点です。1点目は『CGアニメ技術』について。映像技術の進歩は目覚ましく、実写・アニメを問わず新作映画が公開される度に驚かされます。私は『ターミネーター2』の時点で「もうこれ以上はない」と思ったものですが、いまだCG技術は進化の歩みを止めません。実社会では本物と見分けがつかない『ディープフェイク』なる問題まで出る有様。そこで本作。実写と見紛うとは言いませんが、ところどころまるで『本物』なのです。例えばイエティの毛の質感は、ぬいぐるみのそれ。リアリティ度合は必要量を明らかに上回っており、謎の迫力を湛えています。『不気味の谷』の崖っぷちと言っても差し支えなく、これ以上リアリティを追求してしまうと、崖から落ちてしまう気がしました。これは称賛や批判というより単純な「驚き」です。 2点目は『タブーに触れた物語』のこと。こちらも心底驚きました。タブーとは絶対的な決まりごと。その是非を問うてはいけません。何かおかしいな。変だな。そんな風に思っても飲み込むのが常。圧倒的多数の支持を得ている概念に異を唱えることは、害こそあれ得は全くないからです。こんな事例、あちこちに転がっていますよね。損得勘定に敏感な大人はタブーを嫌います。それが生きる術です。しかし大人になる前の自分を振り返ってみると、もちろんそんな技術は身に付けていませんでした。だからこそ痛い目をみたワケで。大人イエティの正義に賛同すると同時に、子どもイエティの素直な欲求にも共感してしまい、どうにも胸がざわつきました。頭と心が連動しない感じ。しかも、子どもイエティの思いを大人イエティが受け止めるという驚愕の結末が待っていました。マジかと。タブーに触れただけでなく、取っ払っちゃうとは。これ、現実でも通用したりしないかな。今まで封じ込めてきた考えが頭をもたげてきて、大人の私は正直困るのです。だって、もう冒険する年齢は過ぎたはずだから。安全安心が一番に違いないのだから。恥ずかしながら、少し泣いてしまいました。これは称賛や批判というより純粋な「感動」です。[インターネット(吹替)] 10点(2021-11-17 18:21:52)(良:1票) 《改行有》

200.  嘘八百 京町ロワイヤル 《ネタバレ》 『コンフィデンスマンJP』のジャンルを骨董陶芸作品に絞り、人情噺に特化した感じ。小池と佐輔の掛け合いが面白く(贋作提供金額の値切り交渉に爆笑)、サブキャラクターの皆さんもレギュラー固定でファンには嬉しい限り。ゲストで毎回マドンナを配せば『男はつらいよ』的なシリーズ化も望める優良なフォーマットだと思います。ただし懸念材料もいくつか。まずは佐輔の処遇。前回贋作づくりから足を洗う事を誓っており、今回その約束を反故にした点をどう評価しましょうか。『人助け』『悪徳業者の成敗』が理由であれば良しとしますか。あるいは『本物を超える贋作』に価値を見出しますか。また、骨董の業界自体が狭そうなので、そう何度も似たような詐欺が通用するとも思えません。これは『コンフィデンスマンJP』の江口洋介、あるいは『一休さん』の桔梗屋さんのように敵役をレギュラー化する事で解決できるかもしれません。いずれにしても気軽に観られる貴重な『大人向け喜劇』であり、更なる続編を希望であります。[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-09 19:58:30)

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