みんなのシネマレビュー |
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181. パラダイス・ナウ 《ネタバレ》 百人いれば百通りの正義があり、その人の身にならなければその正義が間違っているとは安易にいえる事ではない。ただ彼らの肉親、母親は心の底では今日も息子の帰りを待っていた。それだけは、はっきりと言えるような気がしました。そして自分の中の正義を貫き通したサイードでさえ坊主になったとたんに表情をなくしたように見え、ハーレドと二人でいた時が一番幸せそうに見えたのは気のせいでしょうか。今の日本で生きていて、ましてや神への信仰心のうすい自分には想像も理解も出来ない状況の話でしたが現在の世界情勢の一端を漠然と知れたというだけでも意味がある事でした。普段テレビで報道されているニュースの奥側を少しだけ見れたような気がしました。[DVD(字幕)] 6点(2008-04-01 20:26:35) 182. ラストキング・オブ・スコットランド 独裁政治や権力の集中を招いてしまう体制の怖さがわかりました。アミンの段々と変わっていく様、壊れていく様が恐ろしかったです。[DVD(字幕)] 6点(2008-03-19 00:45:08) 183. グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 今まではベルリンの壁や東西統一についての知識といえば壁の上に乗って統一を喜んで壁を壊している人達の映像ぐらいしか知らず、その出来事によって起こる問題も統一に対する人それぞれの思いも知りませんでした。そんな一見、悲劇になってもおかしくない状況や出来事をただのそれにしなかった事も家族の絆を引き立たせる為の一つの出来事に留めた所も素晴らしかったです。また自分が確認できただけでも「甘い生活」「時計じかけのオレンジ」「2001年宇宙の旅」へのオマージュらしきものも感じられ、そういったものを探しながら観るのも一つの楽しみ方の気がしました。[DVD(字幕)] 6点(2008-03-11 21:56:52) 184. 失われた週末 《ネタバレ》 アルコール依存症の男に徹底的に焦点を当て、単純明快なつくりになっているため話に深さや重みが出ていて依存症の怖さも観ていてビシビシと伝わってきました。安易なハッピーエンドでも暗いだけのバッドエンドでもない、微かな希望を感じさせるラストがこの映画の質を高めている一つの要因のような気もしました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-27 19:47:52) 185. 大人は判ってくれない 《ネタバレ》 映画を家族三人で観に行った時のドワネルが一番幸せそうで輝いていたように見えたのは、トリュフォー自身にとってもそうだったからなのかと思いました。最後のドワネルのスクリーンに向けられた視線は世の中の全ての大人に対しての「あなたは子供の気持ちを判ろうとしていますか?」という強烈な問いかけのような気がしました。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-25 23:47:07) 186. バリー・リンドン 《ネタバレ》 音楽と映像の美しさは素晴らしいものがあり、それが美しくなればなるほど対照的に浮き出る人間ドラマの醜さや汚さ。定期的に映す遠目からの宮殿の姿で観客に自分はこの世界に住む人間ではないと思わせ、客観的な視点を保たせる。しかし、ラストに「美しい者も醜い者も今は同じ全てあの世」と出す事で結局はみんな同じ穴のムジナなんだよと突きつける。一見残酷のようにも見えますが、人間の醜悪さを形上は美しい映像や音楽で映しているあたりに、人間の酸いも甘いも知っているキューブリックだからこそ撮れる他者とは違う捻じ曲がった形の人類愛を感じとることも出来ました。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-23 09:07:04) 187. フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 微笑みデブは銃を女性のように愛しすぎてしまったため、恍惚の表情を浮かべながら肌身離さず寝ることさえ惜しんでみんなから離れて銃を守っていた。そこに軍曹が現れそれを奪おうとしたので軍曹を殺した。しかし軍曹は銃を女性の名前で呼べと日頃から命令していたので、結果的にはそれを一番忠実に体現していた微笑みデブに殺されるという皮肉とその異常性を感じました。殺しを頭に乗せ胸には平和をつけるジョーカーは中途半端な存在でどちらにもなりきれなかった。しかし最後に安楽死という自分を正当化できやすい状況でベトナム兵を殺すことでやっと、はっきりとした存在=殺人機械になれた。他にも、民間人を虐殺する兵士や死体で遊ぶ兵士。誰も彼もが戦争の中で徐々に精神に異常をきたしていてそれは特別な事ではなく必然的ともいえるような気もしました。最後にみんで歌っていたミッキーマウスもアメリカで生まれて多くの人に愛されているネズミ、そんなネズミ=ベトナム兵を殺す兵士達。結局、アメリカは戦争によって自分自身で首を絞め殺して、そんな象徴を自ら汚しているという事なのでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-20 09:59:26) 188. カプリコン・1 《ネタバレ》 荒野に現れる鳥の幻が実はヘリコプターだったり、崖の頂上に到達したらすでに追っ手が待ち構えていたりする描写からはどこまで行っても絶対に逃れることが出来ない巨大な権力を感じ絶望感を覚えました。アポロ計画陰謀論を匂わしたり、権力による事実のもみ消しなど政治的な要素が大きい作品でしたが、ラストの空中追いかけっこのアクションやコールフィールド目線での事件の真相の謎解きサスペンスはそれだけで見ごたえがあり自分にとってはそっちの方がこの作品を楽しむための重要な要素でした。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-19 13:39:15) 189. 2010年 《ネタバレ》 「2001年宇宙の旅」の続編とはいえ監督が違うこともあって雰囲気が全然違っていました。政治的な要素や人間ドラマが前作より色濃く出ていて説明セリフも増えていたので話の筋が分かりやすくなってはいました。逆にセリフが増えたのが理由からか無音での宇宙空間の映像や船外活動の時間が短くなっていて、宇宙の神秘的な部分が薄れてしまっていました。BGMの選曲の差も大きく出ていました。簡単に言えば前作では宇宙旅行を体験する事が出来たけど、今回はそれが出来なく結局はそれが全てという感じです。ただこれはこれで一本の映画として観れば結構好きです。HALの見方もだいぶ変わりましたし。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-18 22:32:21) 190. ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生 《ネタバレ》 人類の破滅への始まりが描かれているロメロのゾンビ映画の一作目。ゾンビという認識も対処法も発生の仕方も分からない所から始まる話は、これから起こり来る恐怖への幕開けを感じました。ゾンビと一緒に焼かれるベンの姿の救いのなさがとても印象的でした。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-16 23:45:32) 191. 橋の上の娘 《ネタバレ》 「お札は半分だけじゃ価値がない」とアデルが言っていた様に、ナイフ投げも投げ手だけでは意味がなく、的になる人が必要。彼女は二人が揃わないとお互いが価値をなさない存在、今まで行きずりの恋をしてきた自分が初めて出会えた「なくてはならない存在」なんだとガボールに言いたくそのあまりにも遠回しで不器用な伝え方に、彼女の奥ゆかしさとそれを言ってしまったら今までの男達のようにどこかへ言ってしまうのではないか?という不安な気持ちが表れていると感じました。ルコント作品を観るのは今作で四作目ですが、どの作品にも話の主軸に世間から見放されたもしくは外れた二人の究極なまでの強い友情や愛情がありました。ルコント自身がそんな関係にあこがれていたからなのか何か強いコンプレックスがあったのかは分かりませんが、彼自身が人との強いつながりを求めていたのは確かだと感じました。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-16 09:51:14) 192. 華氏451 《ネタバレ》 消防士の仕事が火を消すことではなく、本を燃やすこと。人や家が燃えていても消火活動はなし。そんなゆがんだ世界で、人はテレビでの情報のみを受け取りそれが正しい事だと思い込んで行動している。家にアンテナがなければ変人扱いをされ、読書は反社会的行動とされ自らで想像することすら許されない画一的で弾圧的な世界は、個人の自由や権利が無視された、全体主義社会への批判のように感じました。想像することの尊さや、自分自身の考えをもって行動することの大切さも伝わってきました。絵的にも家の中の数々の道具や消防車の出動シーン、一枚一枚燃えていく本には見事に魅せらました。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-10 10:02:03) 193. Ray/レイ 《ネタバレ》 母親は偉大ですね。今までレイチャールズの事は名前ぐらいでしか知らない状態だったので、映画を観て彼の事や黒人差別問題の勉強になりました。内容の方は上映時間の問題もあるせいか、彼の内面の変化というより、曲やエピソードをみせることに重きが置かれているように感じました。ただその事によって美化されていない客観的に描かれた彼の姿を観ることもでき、そういった意味では長所と短所を兼ね備えていた作品でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-09 23:36:16) 194. スケアクロウ 《ネタバレ》 精神的に追い詰められたときにこそ本性が表れるのだとしたら、喧嘩で強制労働を余儀なくさせられライオンとの接触を一切拒んだマックス、子供は死んていてそれは自分のせいだと責められ精神を病んだライオン。相手の本性を見た後だからこその最後に、二人はやっと互いのことを理解し認め合えたのかと思いました。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-08 23:13:56) 195. フライド・グリーン・トマト 《ネタバレ》 冷め切った夫との関係を何とか良くしようとあの手この手で努力するも中々うまくいかないエヴリン。暴力を振るう夫に悩まされるルース。男性社会に真っ向から立ち向かうイジー。エヴリンとイジーやルースの時代は違えども、三者三様にたくましく生きた三人の女性の姿は見ごたえがありました。いつの時代のどんな人間でもそれぞれの悩みや問題と戦っているんですね。その中で生まれる人間同士の絆を大切に、忘れずに生きていこうというメッセージを自分はこの映画から受け取りました。お袋の味ってわけじゃないですけど年をとっても忘れない懐かしい味“フライドグリーントマトが結ぶ人の絆”って何かいいですね。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-08 00:48:33) 196. カリートの道 《ネタバレ》 自分が情けをかけた相手に殺されるというのが何とも皮肉です。カリートの行動は筋を通しているからといって正当化されるものではないにしても、必死に過去の自分からの脱却をしようとしているその様が魅力的に見えたことは、確かです。銃撃戦も見ごたえたっぷりでした。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-03 11:01:25)(良:1票) 197. バンデットQ 《ネタバレ》 ファンタジーでありつつも、小人が盗賊だったり、ケヴィンの両親が息子よりも電化製品の方を大事にしているというちょっとしたブラックな部分も入っていて、テリーギリアムっぽさが出ていました。「夢を見ることの大切さや怖さ」を独特の世界とブラックユーモアを織り交ぜつつ教えてくれるこの監督の作品は好きなんですが、あのラストはちょっとやりすぎな感じが..最後に両親の死によって世界が救われたという見方をしないと、あまりにもケヴィンにとっても救いがないような気がしてなりません。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-02 21:52:34) 198. タンデム 《ネタバレ》 「何飲みます?」「何でもいい」「コニャック二つで」長年一緒にいたから相手の好みが当たり前のように分かり、それが必要最低限の会話ですむ何でもない日常。言葉少なくともお互いを信頼し合っている関係。愛情とか友情とかとは少し違う、言葉では何とも言い表しにくい二人の姿が素敵で憧れました。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-01 20:21:44) 199. サボテン・ブラザース 透明の騎士の扱いがひどすぎます..というわけで、歌を歌う木と透明の騎士の活躍を描くスピンオフ作品がぜひ見てみたいです。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-01 20:06:57) 200. 12モンキーズ ブルースウィルスは、何度世界を救えば報われるんだろう。[DVD(字幕)] 6点(2008-01-27 16:57:10)
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