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性別 男性
年齢 53歳

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201.  大巨獣ガッパ 《ネタバレ》 連れ去られた子供怪獣を追ってやってくる両親怪獣。ジュラシックパークの第2作は本作を手本にしたのでしょうか。それはさておき、わたしゃ子どもの頃からどうもこの作品が苦手で、じゃあ観なけりゃいいんだけど、妙にテレビ放送の機会が多くって。今回、幼稚園の息子に見せたらどういう反応するんだろう、という理由(だけ)で久しぶりに観ましたが、うん、キツイものはやっぱりキツイ。息子の方はというと、どんな餌をやっても受け付けない仔ガッパの姿を見て、「キューリだったら食べるんちゃう?」と意外にマトモな意見を述べていたので、それなりに楽しんでいたのかも。私が昔から苦手だったのはどの部分かというと、全部と言えばそりゃ全部なんですけれど、やっぱりあのラスト、ですねえ。怪獣のくせに、親のもとへ小走りで駆け寄る仔ガッパ。怪獣のくせに涙を流し再会を喜ぶ、目のやり場に困る愁嘆場。もう彼らは自分たちが怪獣であることを忘れ、人間と化してしまっています。その舞台となっているのも飛行場、らしいのですが、地面に滑走路なのか何なのかが申し訳程度に描かれただけ(トミカのタウンマップじゃあるまいし)、こんな何もないところに怪獣が立ってたってスケール感の欠片もなく、ますます人間臭い立ち姿。そんでもって、家族無事そろいました、さよなら~、って飛び立ってしまい、そんなもん見せられてもなあ、と。この余りにヌル過ぎるラスト、ヌル過ぎるが故に忘れえぬヒトコマであることは間違いないわい、と改めて確認した次第。[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-09-23 21:54:27)(良:1票)

202.  血と怒りの河 マカロニ風に、盗賊団の残忍な襲撃シーンから始まる本作。その後も基本的にマカロニ風味です。盗賊団のひとりでありながら、襲撃の際に襲われそうになった女性を助けるために仲間に銃を向けたアズール。彼も銃で撃たれるが、女性とその父によって命を救われる。彼らに対し徐々に心を開くアズール。しかし彼にとって盗賊団の首領は育ての親であり、さらには彼を疑う村人の冷たい視線も。この容易には心を開かず、どちらに転ぶかわからない危うさを秘めたアズールを、テレンス・スタンプが見事に演じてますが、彼のセリフが少ない分、父娘が彼の気持ちを代弁するかのように語りまくるのが、まあわかりやすくするためのサービスかも知れませんが、いささか余計。あと、「アズールはメキシコ人の首領の実の息子じゃなくってホントはアメリカ人だから正義の心を隠し持ってるんだ」ってのも、差別的だ何だと騒ぎたくはないですが、ちと感じ悪いですな。しかしわかりやすい線引きではありますが(笑)。ラストも「そりゃそうだそうこなくては」という、期待を裏切らない展開。こういうのを、懐かしいオモシロさ、と言うのでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-05-31 09:37:22)

203.  緋牡丹博徒 花札勝負 100分に満たない短さの中に、人物とエピソードをこれでもかと盛り沢山に配置していく、確かにその演出の手際の良さってのはありますね。実際、えらくオモシロいんです、が・・・ちょっと盛り込み過ぎて、ほとんどハミ出ちゃってますね(本作単独では意味をなさないような助っ人がイロイロと登場)。そういうバカバカしさと、高倉健あたりから漂ってくるシリアスさとが、どうも噛み合わないところもあり、クライマックスの殴り込みがもうひとつカタルシスに繋がらない感じも。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-09 16:37:44)

204.  大菩薩峠 完結篇(1961) 監督が森一生に交代した第3作、概ね前2作の雰囲気が維持されていて、大きな違和感はありません。今作はいよいよ完結篇、中盤は完全にお化け映画と化し、ラストはケープフィアーばりの大スペクタクルが待っております。しかしこの大映版3部作、内田吐夢の東映版からほとんど間もなく製作されておりますが、アチラが相当にイッちゃってるのに比べると、比較的おとなしい感じがするのは、千恵蔵のアクの強さに対する雷蔵の上品さ、でしょうか。結局は悪の道に染まり切れない雷蔵・竜之介、その最期において、とってつけたように息子の名前を連呼するのが、何だか弱々しい感じの否めないところ。しかしいずれにしても、この大映版も、人知を超えた超自然を感じさせるのは、確か。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-03 08:55:47)

205.  大菩薩峠 竜神の巻 《ネタバレ》 三部作の第二部は、机竜之助が天誅組と行動を共にし、争いの中で失明するくだり。第一部では登場人物たちを物語の中で配置していく面白さがあったけど、第二部となるとどうしても、主要登場人物たちの関係がある程度固定されてしまい、これによって物語もやや停滞してしまいます。第一部ですでにあり得ないような偶然のめぐり合わせを乱発してしまっているのも、第二作で息切れしてしまう一因かも。とは言え、三隅監督の目を奪うダイナミックな演出は前作に続きここでも健在。雷蔵の妖気も健在。そして前作と同じく兵馬との対決を前に映画は終わり、次回斯うご期待。何もそこまで前作に合わせなくとも。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-04-30 18:01:53)

206.  大菩薩峠(1960) 《ネタバレ》 この机竜之助を観たらもう、眠狂四郎役も市川雷蔵に回るってもんです。虚無感あふれる、魔道に堕ちた剣士。何を考えているかわからない、たぶん何も考えていない(笑)この主人公を特徴づけるのは何といっても、雷蔵の眼光ですね。この眼光の前には、登場人物たちが都合よく再会するご都合主義なんて、まるで気にならない、まさにすべてが起こりうる世界。とは言ってもこの第一部は、新撰組との絡みもあったりして比較的なじみやすい物語です。で、ラストは、兄の仇をうつべく竜之介の前に現れた兵馬との、(竹刀ではなく)今回は真剣勝負、というトッテモいいところで終わってしまい、次回斯うご期待、となる訳ですが。雷蔵演じる妖怪・机竜之介に対し、中村玉緒がこちらも負けじと見事な妖怪ぶりを発揮して、ホンモノのオバケは登場しないまでも、十分に怪奇映画テイストを味わえる、伝奇チャンバラ映画となっております。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-30 10:05:43)

207.  戦うパンチョ・ビラ メキシコ革命の英雄パンチョ・ビラの姿を、彼とともに戦うことになったアメリカ人の目を通して描くのですけれども、精悍な顔つきで何考えてるかワケがわからんビラ役のユル・ブリンナーに対し、このアメリカ人の主人公の役がロバート・ミッチャム、ヨレヨレとしたテキトーな感じがいい味出してます。そう、このヒトもたいてい、テキトーでして、メキシコ革命のドサクサまぎれに、複葉機を操り武器を売る商売、はたまた世話になったおっちゃんの娘にさっそく手を出してみたり、おいおい、大概にせえよ、と言いたくなるのですが、パンチョ・ビラはその数段上を行くテキトーさ、要するに規格外の男。このいかにも陽性のアナーキズムが、本作の楽しいところです。主人公は自慢の複葉機でビラとともに戦うことになり、空からの攻撃をさらに空撮を多用してダイナミックに捉えたアクションシーン、見応えあり(ヘリからの撮影と思うのですが、まるでクレーン撮影のように用いて、なかなかやってくれます)。善悪に単純にとらわれない自由さ、クールに自らの信条に従うチャールズ・ブロンソンの存在も光ってます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-27 22:30:59)

208.  鷲と鷹(1969) 川を挟んで睨み合う、リー・ヴァン・クリーフとウォーレン・オーツ。まさにマカロニ世界とペキンパー世界の邂逅だ。ってのは大げさですが、それでもやっぱりシビレますな。リー・ヴァン・クリーフは一匹狼的な渡し船の船頭さん。そこにウォーレン・オーツ率いるならず者軍団がやってきて、川を挟んでの対決に。前半、何が何やら説明もないまま、銃撃戦が長々と展開される活きの良さ、だもんで、映画中盤の川を挟んだ対立は(ちと距離があるもんで)まー正直あまり大きな事件は起こらないんですけれども、前半の緊張感が持続してるもんで、ワクワクする対立となってます。ただ、このまんまだと映画終わらんやんか、という心配が、ジワジワと湧いてはくるのですが(人質事件などを絡めつつも、中盤から終盤にかかってなお、膠着状態)。最後はやや性急に映画を終わらせてしまった感じですが(主人公と人妻とのエピソードの単発ぶり、いったい何だったんですかね)、川の両岸という限定された舞台でとことん繰り広げられる男と男の対決、やっぱりシビれる作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-02-28 10:28:39)

209.  切られ与三郎 中盤の、中村玉緒が出てくるあたり、さすがに端折り過ぎかとも思いますが、最後まで観ればなるほど、この結末のためには、決してこの中盤のエピソードも確かに落とせない訳で(だから、もう少し映画が長くてもよかったのでは、とも思うのですが)。クライマックスにおける、押し寄せる御用提灯の群れは、同じく伊藤大輔&宮川一夫&市川雷蔵による『弁天小僧』を思い起こさせると同時に、それに続く悲しいラストは、本作をまた一味違うものとしています。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-02-24 23:08:10)

210.  十兵衛暗殺剣 本作の倉田準二監督という方、すみません存じ上げませんでしたが、ああ、『恐竜・怪鳥の伝説』の監督さんだったのですね。なるほど、道理で(笑)。将軍家指南役の柳生十兵衛に対し、我こそは真の新陰流継承者なり、とライバル心をむき出しにし、彼を付け狙う幕屋大休。道場破りなどの嫌がらせを繰り返した挙句、竹生島での決闘を挑んでくる。どんな汚い手を使っても十兵衛を倒すべし、とばかり、現地の湖賊(琵琶湖版の海賊みたいな連中)とタッグを組んで、十兵衛を待ちかまえる。という、非常にワカリヤスイ展開なのがうれしいですね。船で湖を進む十兵衛一行に対し、水中から攻撃を仕掛ける湖賊たち。ここでは、時代劇なのにまさかまさかの水中撮影。サンダーボール作戦もびっくりですな、これは。きっとこの撮影が、『恐竜・怪鳥の伝説』でも多少は生かされた、のだかどうだか。それはともかく、敵役の幕屋を演じるは大友柳太朗、泰然とした彼と、すぐに地団太踏むような表情がすぐ顔に出てしまう近衛十四郎では、どちらが「剣豪」のイメージにふさわしいかと言えばもう聞くまでもない訳ですが、門弟や湖賊の戦いを交えて引っ張って行って、ラストの対決はそれなりに盛り上げてしまう、この勢い、大したものだと思うのですが、いかがでしょうか。ロケーションも魅力的。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-02-09 14:09:51)

211.  プロフェッショナル(1966) これは面白すぎる! 誘拐された女性の救出を、その夫から請け負った4人組。それぞれ特技を持ってるってのが、まず楽しさの基本。と言っても、特技をまともに生かしているのは、バート・ランカスターと、『バファロー大隊』のおっちゃんの約2名だけ、という気もしますけどね。4人とも、結構、イイ歳なんですが、頑張ってます。映画中盤には早くもダイナミックな救出作戦が描かれ、後半は追手からの逃亡劇が展開されます。このテンポの良さ。しかし映画はこのままスピード感を持って駆け抜けるのではなく、終盤にはちょっと意外なしっとり感。ジャック・パランス演じる敵役ラザがここで存在感を示します。ここまでの彼は、いわば強さと冷酷さそのものの存在であり、一方でクラウディア・カルディナーレにより人間的な面を間接的にほのめかされてもきたのですが、この終盤において、革命家としての彼の生き様が表され、4人のプロフェッショナルたちの生き様をもあぶりだす存在となります。娯楽色たっぷりで、後味の良い余韻を残す、楽しい作品でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-02-09 13:30:32)

212.  スタンピード “スタンピード”ってのはあくまで邦題で、一応中盤にスタンピードな場面はあって見せ場にはなっとりますが、まああくまで中盤の一場面です。原題はThe Rare Breed、なんか地味ですね、でも物語のオチには直結しています。惜しむらくは、オチだけではなく、ジェームズ・スチュアート演じる主人公の生き様にも、古き良きカウボーイとしてのRare Breedが投影されていればなお良し、だったんですが、主人公のキャラクターが少々弱いかな、とも思います。イギリスからやってきた母娘とモコモコ牛、牧場までの彼らの旅を、スチュアート演じる主人公が案内するのですが、イギリス人にイギリス牛、何かと手を焼かされます。一方、彼らを妨害し付け狙う悪漢がジャック・イーラム。先にも述べたように逃げ場のない谷を牛の大群が押し寄せてくるシーンあり、悪漢との対決あり。しかしあくまでこれは中盤まで。後半はなんだか、どんどんおとなしい展開になっていっちゃいます(これも、主人公の存在の弱さが、一因かと)。とはいえ、全体的にユーモアが横溢していて、(オチも含め)楽しい作品にはなっております。モコモコ牛がゴッド・セイブ・ザ・クイーンの口笛におとなしく従う(ヴィクトリア女王の時代でしょうから「クイーン」ですね)のが可笑しいですが、作中にもあるようにこの曲、英国国歌であると同時に、米国では「アメリカ」として知られてたのでした(C・アイヴズ作曲の『アメリカ変奏曲』も、このテーマに基づく作品でしたね)。 また本作、音楽はジョン・ウィリアムズ(名義は“ジョニー”になってます)、彼の初期の仕事ですが、気合の入ったところが楽しめます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-24 11:15:53)

213.  柳生武芸帳 剣豪乱れ雲 うわー、山形勲さんだとは、気づきませんでした、失礼しました。さて、柳生武芸帳を巡るあれやこれや、もはやどうでもいいんですけれども、アクションが楽しめるからとりあえずOK。武芸帳を狙うやくざ者3人組のうちの二人が、画面外の十兵衛と睨み合う場面。一瞬の斬り合いの後、二人の頭から血がタラーッと流れるのが、カッチョよいではないですか。直前の睨み合いなんて、刀をこちらに突きだし、まるで3D映画。さらには、忍者軍団の襲撃に、槍を振り回し戦う十四郎十兵衛。ちょっと大袈裟な立ち回りも、彼がやればまさにお見事。戦いの最中に、行方知れずだった武芸帳がアッサリ見つかり、武芸帳に手を伸ばす敵の手を、十兵衛の槍が突き刺す。手はゴム製らしく、槍で貫かれた瞬間のプルプルッとした感触がなかなかにタマラナイのですが、流血シーンと合わせ、ちょっとした残酷描写がアクセントになってます。またさらには、妙に念いりにカットを割って妙に長々と続く、馬上の追跡シーン。こういうのを見てると、アクションこそ命、ストーリーなんてもうどうでもよくなる(それに、直前のシーンが夜みたいだったのに急に昼間になったことも、どうでもよくなる)。そして宿敵との対決。多少クサイところはあっても、十四郎サマなればこそ、この貫禄。というか、剣豪とも思えぬ必死の表情や地団太踏む悔しそうな表情を見せるあたり、十四郎サマの真骨頂でありましょう(それに比べ、松方弘樹の落ち着いたこと。演技しにくかったのは、父と子の果たしてどちらであったことか)。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-01-15 23:41:02)

214.  柳生武芸帳 夜ざくら秘剣 柳生武芸帳を狙う(大したことは書かれていないらしいけど)一味に立ち向かう、柳生十兵衛。敵は目的達成のためには手段を選ばない。次々に無差別殺人の辻斬りを行い「わたしがやりました。柳生十兵衛」との落書きを残していく! そんな怪しい作戦で誰か騙されるのか? もちろんみんな騙され、無実の罪を背負わされた十兵衛の運命やいかに!? 十兵衛を演じるは、我らが近衛十四郎。このヒト、基本的には顔芸の人だと思うので、殺陣も、表情と細かいカット割りで乗り切っていきます。と言うと何だかインチキやってるみたいですが、これも立派な芸。それにクライマックスでは2本の刀をブンブン振り回す派手な大立ち回りも披露(振り回してるだけにも見えるが。斬られるよりワンテンポ早く苦しんでる敵役もいるが)、見ごたえ十分です。里見浩太朗の美青年ぶりに、山城新伍のバカ殿ぶりも、見逃せない![CS・衛星(邦画)] 6点(2014-12-26 00:26:31)

215.  沓掛時次郎 遊侠一匹 《ネタバレ》 前半は時次郎と朝吉の物語、男の滑稽な意地が悲劇へと繋がるその一方で、遊女たちの「どこ吹く風」とばかりのバイタリティが印象的。そしてこの前半の物語は、「やるのかやらねえのか」と挑発に対する時次郎の「やりたかねえよ」との言葉と、これを覆し突如爆発する怒りとともに終わります。そして後半は、時次郎とおきぬとの物語ですが、これまた、男の意地が招いた悲劇から幕を開けます。おきぬの夫を斬ってしまった時次郎、夫を斬られたおきぬ。揺れ動く二人の微妙な関係を象徴する「櫛」。ラストは、病魔と闘うおきぬと、彼女のために死地に赴く時次郎、二人の戦いが並行して描かれますが、待ち受けるであろう悲劇を予想させるに充分なここまでの展開があってこそ、このクライマックスは真に息を飲むものとなっています。悲壮感あふれる錦之助アクションを、ご堪能あれ。[CS・衛星(邦画)] 10点(2014-12-04 20:53:31)

216.  徳川家康 はい、伝記映画ですね、織田信長のね。中村錦之助演じる織田信長が桶狭間で今川義元を破るまでの物語に対し、サブストーリーとして、松平元信の苦難の幼少期(幼名:竹千代)から岡崎帰還までが描かれる、という趣向。要するにおそらくは何部作かとして徳川家康の生涯を描こうとしたのでしょうけれど、さすがにこの一作では相当に中途半端。でありながら、この一作だけでも充分に楽しめちゃうのは、やはり何と言っても、凝りに凝ったカメラワーク。ロケ撮影では何かと困難が伴うでしょうが、容赦なくカメラを振り回します。ロケで取り入れられた光景の数々も素晴らしくって、贅沢な気分を味わえます。竹千代が連れさられる場面、なんでこんな海岸の妙な場所に渡し船があるのやらよくわからないけれど、そんなことはどうでもよろしい、ドラマチックな場面にはドラマチックな光景が似合うのだから。劇中に何度か登場する“金の折り鶴”が物語の要所を締め、印象的。合戦シーンや剣を合わせる場面は決して多くありませんが、見所の多い作品です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-09 09:37:50)

217.  ダンディー少佐 アパッチ族の襲撃そのものは描かれず、死屍累々たる大虐殺の後が映しだされる映画冒頭、ここからすでに、何やらタマラナイいかがわしさが漂っております。このいかがわしさは、流血を伴う終盤の戦闘シーンなどにも見られる訳ですが。ただ、こういう残酷描写をもって、本作をワイルドバンチの前哨戦みたいに捉えることは(当然ながら)できません。何せ、映画後半、っていうのは勿論ヘストンがケガするところからですが、とにかく変です。奇妙に断片的で、迷走しちゃってます。プロデューサーの意向で作品が短縮されてしまった、というのがこのワケのわからなさの原因なのか?いやいや原因はそれだけじゃなくって、本当にコレ、「決してまとまることのない」作品として作られたんじゃなかろうか。実際、このあたりのエピソードは無い方が自然、つまりプロデューサーはもっと短縮しちゃってもよかったくらい。なのに、親切なのかイジワルなのか、本作の奇妙さを充分に堪能できるようには仕上げてくれております。正直、ペキンパーが本作で何をやりたかったのかはわからないし、ジェームズ・コバーンに何をさせたかったのかは特にわからないのですが(笑)、とにかくこの主人公のダンディー少佐以上に我を通そうとしたんじゃかなろうか。ダンディー少佐、自分では何だか大したことしてないんだけど(そしてどっちかというとオイシイところはリチャード・ハリスが持っていくんだけど)、それでも存在感がある。そして本作の存在感というのもまた、そういう種類のものかな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-28 00:09:12)

218.  ひばり捕物帖 折鶴駕篭 美空ひばりが例によって一人二役、いや正しくは「一人二役」役というべきかな、男装姿と女装姿を披露。とくればもう、唄に踊りに剣劇に、娯楽満載のお祭り映画を想像する訳ですが、そしてまたおそらくは元々、そういう企画だったんじゃないかと思われる訳ですが、、、そうは問屋が卸さない。何しろ、工藤栄一監督。美空ひばり映画なのに、唄や踊りは控えめで、後の集団抗争時代劇の萌芽がそこかしこ。クーデターを計画する由比正雪とその一味は、テロリスト集団のように描かれ、冒頭から様々な怪事件が連続して発生、これじゃなかなか落ち着いて唄ったり踊ったりしてる場合じゃない。そして、クライマックスではもう、集団抗争劇の“萌芽”どころか、まさにそのもの。我らが十四郎サマが大暴走、ひばり映画にあるまじき、悲壮感あふれる一大死闘を繰り広げちゃいます。TPOをわきまえず、ここまでやるか、十四郎サマ。と言う訳で、ひばりファンには「ちょっと、これ、違うんじゃないの~」と言われるかも知れませんが、全国の隠れ十四郎ファン(隠れる必要があるのか?)にとっては、まことにタマラない作品となっております。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-22 22:26:46)

219.  忍びの者 霧隠才蔵 『忍びの者』シリーズがリニューアルし、主人公が石川五右衛門から霧隠才蔵へとチェンジ。とは言っても主演はもちろん市川雷蔵。大阪冬の陣から夏の陣が舞台で、大砲がドカンドカンと炸裂しまくる派手な戦闘シーンが目を引きますが、あまりに豪快なので、もしかしたら旧作の流用フィルムかも知れませんが、観てるコチラも憶えちゃいないので問題ナシ(流用じゃなかったら、スミマセン)。今回の雷蔵さん、幸村家臣の他の忍者たちを演じる大映脇役オールスターズ(?)に混じり、あくまで真田十勇士のひとりという役どころ。もうちょっと活躍して欲しい気がしないでないですが、それでも見せ場はたくさん。敵にとっ捕まるやら、しまいには死んじゃう(?)やら。いずれにしても、忍術妖術の類は登場せず、あくまで、耐える者としての忍者、厳しい掟のもとに生きる(そして死んでいく)忍者の姿が本作でも描かれていて、虚無感を漂わせた娯楽作品となっています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-02 22:50:08)

220.  花笠道中 美空ひばりがひとり二役をこなすミュージカル時代劇。女役と男役の両方で登場するもんで、歌に殺陣、彼女のあらゆる魅力が詰め込まれてます。え、自分は美空ひばりのファンじゃないからパス、ですって。今ファンじゃなくっても大丈夫、観ればファンになりますから。と言いたくなるくらいの芸達者、ただし、男役がいくらサマになっていても、歩く姿はやっぱり男になり切れて無くって、こういうところがまた男装マニアの心をくすぐったりする訳ですが。一方の里見浩太郎も異常に男前。そして意外にも意外な展開(水戸黄門ではなく実は遠山の金さんだった?)もあったりして、実に楽しめる作品です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-09-13 08:22:28)

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