みんなのシネマレビュー |
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221. プライドと偏見 古典の原作があるようですが、女性に夢を見せるハーレクィン・ロマンス的な作りの映画です。男性とのお付き合いや結婚などで想うところアリの女性が観たら、何かヒントを得られるんじゃないでしょうか。面白いカメラワークのところもあります。でも、イギリスの田舎やら古城やら素敵な風景を使った画も、美しさの面で言うとイマイチのような気がしました。素材だけではなんともならないのですなあ。でもって割と高得点なのは…Mr.ダーシーがすごくカッコ良かったからです。良い夢見させてもらいました。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-22 01:42:36)《改行有》 222. エニグマ 《ネタバレ》 第二次大戦がテーマでも派手なドンパチはほぼ無いし、ヒロインたるケイト・ウィンスレットは体もメガネも丸々としているし、観る前の期待を裏切る地味さは否めません。しかし、劇中モールス傍受の女性兵士が言った「これって重要ですよね。」がテーマの底にあると思います。こんな地味な面も戦争の一部に違いない。暗号解読のプロセスなどは私のニブい頭では追いつけませんでしたが、サスペンスとして興味深い作品になっていると思います。終盤、主人公が急に勇敢かつ雄弁になったり、女スパイに翻弄されるヤローどもはちょっと情けないんですけど…。戦争がテーマなのにイギリスの美しい田園風景がたっぷり見られるなんて、珍しい映画ではないでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2006-01-21 16:43:56)(良:1票) 223. あらしのよるに 山羊と狼という立場には置き換えているけれど、人間でも設定できそうなドラマ。まず、ちょっと時間が長すぎたかと思いました。80分くらいで充分まとめられる内容では?だから必要ないエピソードもちらほら。なかなか深いところを突いていて良いお話だとは思うのですが、問題解決をせず、ザッとあさってのほうに流してしまった感もあります。それでも年かさが益して涙腺が緩くなった私は、子どもに観られないように素早く目頭を拭いていましたケド。あとは、サンリオキャラクターのような山羊の声が大人の男性の声そのものだったのに違和感を感じました。お芝居は悪くないんだけど…。 声優さんの持つ「声の力」って必要なんだなと再確認しました。だがしかし“漢”竹内力は手放しで褒めたいです。[映画館(字幕)] 6点(2006-01-16 00:28:17)《改行有》 224. アワーミュージック 《ネタバレ》 色遣いはとても美しいのですが、やっぱり難しいです。この点数で精一杯。ならばレビューなんぞ書かなくてもいいんだろうけれど、こんな凡人の意見があってもいいかと思って…。時間が短いのでだいたいの流れは捉えられました。映画と実録を交えた「戦」の映像を延々と流し地獄を表現した後、今まさに再生されつつあるサラエボを舞台として争いの歴史を語る物語、そして天国をイメージするラスト。人間の営みのなか、途絶えることのない争いに対するゴダールのメッセージの映画、だと思います。が、ひとつひとつの言葉やシーンの意味がスッキリ頭に入ってくることがなく(映画の中の学生も飽きていた)、やっと大きな展開があったかと思ったらラスト…。細かい疑問は書き出せば山積みになるでしょう。ただひとつ、女学生が天国に行ったことが告げられるシーンで画面いっぱいの花が映された瞬間は、映像表現の深さ、美しさに感心しました。[映画館(字幕)] 5点(2006-01-09 14:34:36)(良:1票) 225. 千年の恋 ひかる源氏物語 天海祐希、この映画のことは素早く忘れたほうがいい。な。[地上波(字幕)] 3点(2006-01-03 14:38:02)(笑:2票) 226. コーヒー&シガレッツ 画も話も小気味よく楽しい。師走に片付けものしながら見てはいけませんね、コーヒーを飲みながら登場人物に付き合う感じで観るのが正解です。監督、この映画に関しては創作の苦しみとは無縁で愉快な気持ちで作ったんじゃないでしょうか。個人的には1時間丁度くらいで切り上げて、もっと観たいな、という気持ちを残しながら終わった方がこんな洒落っ気オムニバスには向いているような気がしました。「色も温度も丁度良かったの」なんて、言ってみたいわぁ。[DVD(字幕)] 7点(2005-12-31 21:16:50)(良:1票) 227. ロバと王女 これは女の子のための映画ですね。衣装の豪華さは今まで見た映画の中ではナンバーワンです。それがまたドヌーヴに似合ってましてとっても美しい。美術の色遣いも虹色のきらめきでございました。この豪華な映像というのも映画ならではの楽しみです。たっぷり堪能させていただきました。エピローグで「子ども、母、祖母が居る限り語り継がれる話だろう」という語りがありましたが、もう仰るとおりスタンダードなお伽噺です。でも女の子はこんなのに弱いんですよね、だから語り継がれちゃうのよね。[映画館(字幕)] 7点(2005-12-31 21:03:48) 228. カンフーハッスル 《ネタバレ》 チャウ・シンチーでは連続馬鹿笑いを希望しているので、ほの暗い綺麗な映像と素敵なラストにガックリ。「サッカーはもうしない!!」って、お馬鹿は抑えるって事だったのかな…寂しい。英名ステファン・チャウには笑えた。[DVD(吹替)] 6点(2005-12-31 14:19:51) 229. 阿修羅城の瞳 舞台で観るべきだったなぁ、こりゃ。小日向文世の「つまんね!」が頭の中でずっと繰り返されていまして…。役者さんそんなに悪くなかったです。特に市川染五郎は意外と健闘していた。一番の原因は、舞台をそのまま撮影したような作りだと思います。舞台も映画もどちらも高い評価を受けている作品は沢山あると思いますが、映画は映画、舞台は舞台で場面設定もセリフももっと練って作っていると思うんですが…。りえちゃんは前髪を下ろすとすごく幼く見えて、30越えてるなんて嘘みたいですね。[DVD(字幕)] 4点(2005-12-23 02:47:10) 230. 茶の味 《ネタバレ》 最後の逆上がりで不覚にもポロリときたのでおまけ。まさか石井監督に泣かされると思わなかったな。今までどうもバイオリズムが合わなかった石井作品だったけれど、いつもと違って綺麗に静かに作ってあったのが良かったらしい。でもいつもどおりサラリと暴力が添えてあるのはやっぱり好きじゃない。風景シーンや女の子の容姿も美しすぎて反って計算を感じたが、まあ美しいのは悪いことではないし…。どうでもいい小さな会話の描写が昔懐かしい「スネークマンショー」を思い起こさせたので、個人的にジイさん役は小林克也が良かった(笑)。「三角定規の歌」はこれから時々口ずさむと思う。イロイロ書いたけれど結構楽しめた作品。[DVD(字幕)] 7点(2005-12-13 02:40:11) 231. いつか読書する日 《ネタバレ》 30年もの間、たった一人の人を想い続ける…主人公美奈子の場合はその間独身をとおし、両親もいないのに育った町でずっと暮らしながらひたすら静かに想い続けているのだ。30年という途方もない時間の中に紆余曲折が無いはずがない、という考えが私の中にあるので、何だか夢物語でも見ているような感じがした。反面羨ましいような気持ちも…。明るい坂の町の情景と脇の登場人物が魅力的で、認知症の男性のエピソードなどとても気に入ったが、いきなり現実に引き戻されるようなシーンも混ぜられていてちょっと苦みもあった。ラストまでのあの流れも呆気に取られたが、彼女にとっては30年囚われていた想いから脱した感覚があったのかな、それがあの笑顔ではないかと思う。田中裕子は格好良さと鈍臭さを一緒に表現できる稀な俳優だな、と感心した。[映画館(字幕)] 7点(2005-12-06 21:28:40)(良:1票) 232. ウィスキー 《ネタバレ》 うん、噂どおりカウリスマキの映画に似ていますね。すごく静かな流れの中で、人々の微妙な感情を丁寧に映しています。ラスト20分くらいは、こんなおっとりした映画を目を剥いて見つめてしまいました。「ウィスキー」の掛け声無しには揃わないハコボとマルタの笑顔がもどかしくて寂しい。タクシーの中のマルタの表情、マルタが抜け落ちてしまった日常でのハコボのセリフにひどく強い孤独を感じました。監督は若干30歳だそうで、間や空気で事を運ぶこんな映画をその年齢で作ってしまうとは驚きです。この先どんな作品を作っていくのだろうな、とちょっと余計な心配も…。でも良くできた映画です。7.5点のところをこの点数で…[DVD(字幕)] 7点(2005-12-01 19:38:44)(良:2票) 233. オペレッタ狸御殿 スイマセン、あまり楽しくなかったのです。邦画のいい香りがプンプンして、平幹二朗の顔が出た瞬間のたまらなくいかがわしい感じは最高だったのに。チャンちゃんは笑顔や身のこなしがとっても可憐で、この訳わからん設定の中でよく頑張っていたと思います。だからオダギリジョーにはもう100倍はじけて欲しかった。中国語で喋る彼女の受け皿になってフォローし支えてくれたら、私ももっとこの映画の空気に乗っていけたかなと思います。役者さんは彼以外はみんないかがわしくて良かった。だからお人形のような表情をもっと変幻させて活躍して欲しかったです。でも鈴木清順翁はそんなこと望んではいないのでしょう。高齢になってもこういったパッションを持ち続け、立派過ぎる絵空事を描ける力はすごいと思います。[DVD(字幕)] 5点(2005-11-24 01:59:11) 234. ブラザーズ・グリム 普通の謎解き冒険活劇。普通にファンタジックでちょっと気持ち悪く、女王もスタンダードな美しさ、ユーモアとお伽噺をスパイスになかなか楽しい映画だと思う。でも、ギリアムが普通の映画を創ってどうする?まさか、誰が監督だか忘れてしまいそうな平凡な映画を観ることになるとは思ってもみなかった。オープニングとエンディング、監督想いのJ・プライスの存在意外は本当に普通。自身のテーマである死神(今回は冒頭の魔女)の皮を剥ぎ中身の人間を見せてみたり、現実派の兄と夢世界住人の弟を対立させてみたり、いやに「現実」を持ちだしている印象があった。ギリアム自身の葛藤の現れかもしれないが、やはりギリアムには「ドン・キホーテ」のあだ名に恥じぬよう、周りから嘲笑され蔑まれても誇りを失わず、果敢に夢の悪魔たちに立ち向かっていくいかれた騎士であって欲しい。まだあの独特のイマジネーションの泉は枯れていないと信じたい。ギリアム、戦え![映画館(字幕)] 5点(2005-11-22 22:24:00) 235. 真夜中の弥次さん喜多さん 強烈な「伸るか反るか」映画ですね。それなりに面白いんだけどどうも合わなかったらしく…。弥次喜多愛し合っているふうに見えないしさ。ただ、阿部サダヲがビッカビカに光っていて素晴らしい存在感でした。原作は未読でその世界観は不明なのですが、蝮さんとかキノコ人間とか、監督が自分の好きなものをいっぱい突っ込んで作った万華鏡のようです。[DVD(字幕)] 5点(2005-11-16 19:18:20) 236. 気狂いピエロ 《ネタバレ》 「あなたは言葉で語るのね…私は感情で見つめているのに。」このセリフでハッと来た。そうだまさにこれ。綿密にプロットを組み立てて起承転結の物語を映画にするんじゃない、監督の頭の中に沸き上がったイマジネーションをただもうもれなくすかさず映像化している、それがゴダール映画のような気がした。意味なんてどうでも良い、ゴダールの感性に伸るか反るかなのだ。この作品は愛する映画とアンナ・カリーナへの狂おしいラブレター。その切なさと壮絶な美しさで全編を繋いでいるこの作品は、何度繰り返して観ても目を逸らせない名作。自分にとって映画とは何かを、そしてアンナがいなくなれば自分は塵のように吹き飛ぶ男なんだと言いたくてメガホンを取ったアルルカン。アンナの赤い衣装は監督の流した血の色のようだ。〈2005.11.15改〉[DVD(字幕)] 9点(2005-11-15 21:22:45) 237. アドルフの画集 《ネタバレ》 結局のところこの物語の芯は何なのかがよく分からない。若き日のヒトラーの姿をじっくり描いているとも思えないし、原題の「MAX」たる画商の心の機微を追っているとも思えない。長い映画は苦手なのだけれど、これに関して言えばもう少し時間を足して作り込んでも良かったと思う。でも役者たちは良かった。灰汁が強すぎて取扱注意的な風貌のN・テイラーがアドルフ・ヒトラー役とはベストマッチ。常に自信も金もない苦悩の男がぴったりだった。またそれをいつも平坦なJ・キューザックが受け皿としてうまく支えている。最後まで画描きになりたがっていたアドルフ、マックスを襲う事件、悲しい運命の螺旋とクリスマスの風景が美しいラストはなかなかの出来だったのでさらに惜しい。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-13 22:04:58) 238. H.G.ウェルズのS.F.月世界探険 《ネタバレ》 ややや、隠れた名作では???オープニングがやたらにスタイリッシュで驚きましたが、その後はレトロで楽しい夢物語でした。やっぱり何をおいてもカボール博士の酔狂ぶりですね。出色の表情群です。月世界人への博士とアーノルドの主観の違いや、悲しげに戦争を説明する博士の姿、一抹の寂しさを感じるラストにも感じ入るものがありました。古い作品だからなのかどことなく可愛らしく、「ホームメイドSF」といった感じの良作です。ちなみにハリーハウゼンの活躍はほんのご愛敬程度でした。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-04 22:34:06) 239. プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング えーーっと、J・アンドリュースが歌って踊ってまだまだ現役、綺麗です。えーーっと、小さな女の子が喜びそうなお姫様テイスト満載です。えーーーっと…褒めるところは…そんなくらいか…一作目のほうが楽しかったなァ。リモコンで開くクローゼットやパジャマパーティはお子様モードが強すぎましたし、愛だの恋だのが大きく絡んで開放的なお姫様もベタベタした感じがしました。洋なしポップコーンもちょっと勇気がいるかもなあ。[DVD(字幕)] 5点(2005-11-03 01:09:50) 240. ティム・バートンのコープスブライド 《ネタバレ》 予告編を見た段階では期待が薄かったのですが、すいませんでした、それはそれは美しい映画でした。見た目も楽しいキャラやコープスブライドのドレスなど細部にわたる美術の懲り様、物憂げで多ジャンルに渡る音楽、主人公三人の人を想う気持ちを描いた物語、どれをとっても私が大好きなバートンの持つ美的センスで充ち満ちていました。濃淡さまざまなグレーで表現された現世とポップな色彩と音楽で飾られた死後の世界、バートンの死生観が現れているようでしたね。とても優しい結末に涙しながら、やっぱりバートンの手腕は設定ゼロから立ち上げるアニメーションのような世界の方が光って見えるのかしら…と思いました。あるかどうか分からないストップモーションアニメの次回作を期待してしまう私です。バートンブラボー![映画館(吹替)] 10点(2005-11-01 23:15:51)(良:2票)
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