みんなのシネマレビュー |
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221. 竜馬暗殺 《ネタバレ》 なんというか、いわゆる「時代劇」とは一味違う幕末を舞台にした映画作品です。原田芳雄・石橋蓮司・松田優作・桃井かおりという昭和後期の日本映画界を代表するキャスト陣、まるで劇画をそのまま実写化したかのような緊迫感、登場人物たちに白塗りでええじゃないかを踊らせるような前衛的、実験的な映像と非常に斬新に感じましたね(40年近く前の作品ではありますが)。 [ビデオ(邦画)] 7点(2013-08-18 23:25:28)《改行有》 222. 11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち 《ネタバレ》 三島由紀夫の自決前の姿を、当時の左翼運動とリンクさせながら描いていて非常に興味深い作品でした。何というか、世の為人の為を考えた行動というよりは自分の思い・美学を貫こうという幼いともいえる姿勢から来る行動という面が強いように感じて、「日本文学史に名を残す文豪」というイメージがやや崩れましたね。 国の運営に理想や目標は必要かもしれませんが、そこに美学を持ち込むことの危うさを感じましたね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-17 01:20:35)《改行有》 223. 刑事物語3 潮騒の詩 《ネタバレ》 五島列島の風景、大人の女性の魅力を見せ付ける星由里子とフレッシュながらも女優としての才能の片鱗を見せる 沢口靖子 、そしておなじみのアクション!娯楽映画に他に何が必要だろうか・・・・ まあ、それだけと言ってしまえばそれまでなんですが。 [地上波(邦画)] 6点(2013-07-24 23:21:18)《改行有》 224. かぞくのくに 《ネタバレ》 「ディア・ピョンヤン」を観た時にも思ったのですが、我々は同じ国に生きている「彼ら」を知っているようで、実はそれほど知っていない。この作品は、そのことを気づかせてくれ、そして等身大の「彼ら」を我々に伝えてくれます。キャスティングも素晴らしく、特に井浦新が演じる主人公の兄の激しい内面の葛藤を力づくで抑えこんだ静かな振る舞いは心に響くものがありました。 ヤン・ヨンヒ監督の今後の作品にも期待したいです。 [DVD(邦画)] 9点(2013-07-22 23:53:23)《改行有》 225. オレンジと太陽 《ネタバレ》 非常に衝撃的な内容でした。国家の施策によって弱き者が利用され放置された現実、そしてその事実を隠蔽し過ちを認めることを渋り、逆にその事実の追求を妨害する(もしくは妨害させるような流れを作る)権力の姿を淡々としたタッチで、しかし力強く描き出しています。 「児童移民」が最後に行われたのが70年代という事実に衝撃を受けましたね。主人公の熱意と勇気に感服しました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-06 08:45:28)《改行有》 226. ル・アーヴルの靴みがき 《ネタバレ》 なんというか、昭和の日本の人情喜劇映画を思わせるような作品で、人情味あふれる街の人々の姿やラストの桜の花等非常に日本人の心の琴線に触れる要素が満載でしたね。 しかしながら、移民問題という現代社会が抱えている非常に難しいテーマに対して、カウリスマキがこのようなアプローチで作品を作った意味として、先進国(だけではないですが)各国で不寛容で内向きな考え方が蔓延してきている厳しい現状に対する問題提起も含まれているのかなと感じる部分もあって、いろいろ考えさせられますね。 まあ、オープニングからいろいろな仕掛けが満載で、カウリスマキファンとしてはストーリー以外の面でも楽しめる作品となっています。 [DVD(吹替)] 8点(2013-06-24 00:42:25)《改行有》 227. 雨に唄えば 《ネタバレ》 心が晴れやかになる傑作ですね。数々の名曲と華麗なダンスがふんだんに使われ、まさに「ザッツエンターテイメント」といった感じです。無声からトーキーに主力が移りはじめた頃の映画界の舞台裏をコメディタッチで描いているのも興味深いですね。 [地上波(字幕)] 8点(2013-06-22 16:15:56)《改行有》 228. 最強のふたり 《ネタバレ》 お互いを尊重し、受け入れられるものは受け入れる、多少の過ちも反省の心があれば許してあげる・・・というような「寛容と受容」という理想がおとぎ話ではなく現実に起こっているという事実こそが、この映画の最大の魅力であると思います。 ただ、この2人の物語に多くの人が心を動かされたということは、逆に現実では中々起こりえないということでもあります。この作品の中でも、ところどころに移民問題が深刻な社会問題となっているフランスの実情も描かれています。 しかしながら、そういった状況の中でも共生は決して不可能ではないのだということを、ユーモアを交えながら伝えてくれるこの映画を私は評価したいです。 [DVD(吹替)] 8点(2013-06-08 00:23:56)《改行有》 229. アッシイたちの街 《ネタバレ》 日本の高度成長を支えたのは、生活のために安い賃金で真面目に寝食を惜しんで働き続けた中小企業・労働者たちであったことが良くわかる作品でした。大企業とそこから搾取され苦しむ下請企業の構図は今もまだ存在しますが、大企業であっても将来どうなるかわからない現在よりも当時はまだ情が入り込む余地があるような印象を受けました。非常にシビアで厳しい環境の中でも皆で支えあって乗り越えていこうとする登場人物たちの姿を見て、これこそが日本の強みであるとも感じましたね。 しかしまあ、キャスト陣が非常に豪華でさすが巨匠 山本薩夫監督ですね。 ZIGZAGの三木ヒロシが歌う主題歌も、まさに当時の日本ロックという感じで懐かしかったですね。 [ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-05 23:43:21)《改行有》 230. TESE 《ネタバレ》 鄭大世選手のアイデンティティの裏にある複雑な思いが赤裸々に描かれていて興味深かったですね。まあ、、彼が北朝鮮代表を選択したのは自分の思いも当然あるのでしょうが、親とか家族の影響も少なからずあるのかなと感じましたね。 [DVD(邦画)] 6点(2013-05-29 22:47:22)《改行有》 231. チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~ 《ネタバレ》 なんというか、作風はファンタジックですが内容は非常にシビアでしたね。主人公の思いも、周囲の人たちの思いも結局は自分の中で秘めたもので終わってしまい、悲しい結末を受け入れざるを得なくなってしまいましたからね・・・。 相互理解の大切さ、そして難しさを痛感させられる映画でした。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2013-05-23 00:23:34)《改行有》 232. 夫たち、妻たち 《ネタバレ》 おじさん、おばさんのための結婚論・恋愛論。普遍的なテーマなんですが、非常に勉強になります。 まあ、「過度に期待しないこと」「生き方はいろいろ」ということをしっかり認識することが大事なんでしょうね。 また、当時実際に終焉を迎えようとしていた、ウディ・アレンとミア・ファローのコンビの微妙な関係性もこの作品のリアリティを強めています[地上波(字幕)] 8点(2013-05-19 11:26:04)《改行有》 233. セカンド・ラブ 《ネタバレ》 女性が自立して生きていこうという今ではあたりまえの事が、「翔んでる女」と称されてしまうような昭和の時代のある夫婦の物語。全盛期の大原麗子の美しさや昭和後期の雰囲気、そして当時の邦画の状況を知りたい方にはオススメです。 [地上波(邦画)] 6点(2013-05-17 23:09:26)《改行有》 234. 刑事物語2 りんごの詩 《ネタバレ》 冴えない男がヒーローになったり、美女(しかもどこか影があるいい女)にもてたり、おまけに観光気分も味わえる・・・ こういう、気取りの無い、男のための娯楽映画が最近無いですよねえ・・・・。[地上波(邦画)] 7点(2013-05-16 00:07:52)《改行有》 235. 鉄コン筋クリート 《ネタバレ》 ニヒルとセンチメンタルが絶妙に配合された世界観を泥臭くもバタ臭い作画で表現するというような、松本大洋の独特な世界観を見事に映像化しています。なんというか、巧く表現できないのですが、昭和後期の雰囲気が残っていて懐かしさも感じます。 [地上波(邦画)] 8点(2013-05-12 11:58:27)《改行有》 236. イル・ディーヴォ 《ネタバレ》 スタイリッシュにそして戯画的に描かなければ、直視するのが憚られるくらい醜悪なイタリアの政治そして闇社会の姿が赤裸々に描かれています。 もう、オープニングに流れるCASSIUSの「toop toop」にあわせて映し出される事実の数々から「トホホ・・・」という感じでしたね。 全体的には、コスタ・ガブラスの『Z』を思わせるような腐敗に対する怒りをブラック・コメディの手法で伝える政治ドラマでした。 なお、アンドレオッティ元首相はこの5月6日に亡くなりました。こうして真相は永遠に闇の中に・・・・・ [DVD(字幕)] 8点(2013-05-04 16:42:58)《改行有》 237. テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 まあ、ストーリー設定とキャスティングで最後まで楽しませてくれる映画でしたね。風呂文化の素晴らしさが伝わってきますし、古代ローマの歴史にも触れられるし、「濃い顔」日本人俳優の顔芸も笑えますし、娯楽映画としてよく出来ていると思いました。 気軽にお風呂が楽しめる日本に生まれてよかったなと思わせてくれる作品です。 [地上波(邦画)] 8点(2013-04-27 00:16:55)《改行有》 238. トゥヤーの結婚 《ネタバレ》 家族が生きていくために必死にもがく主人公に、容赦なく厳しい現実が訪れる。この展開が最後まで続き、ラストも物語の結末ではなく、同様の事態が今後も続いていくことを予測させるものとなっています。 中国の急速な発展が内モンゴルの荒野の一家族にまで大きな影響を及ぼしている状況を描いており興味深く感じましたね。 冒頭の涙の意味を分かり易く明かすことなく、ラストに同じシーンを持ってきたのも、見ている我々にいろいろ考えさせる効果があり巧みさを感じましたね。個人的には、観客に見解を投げるような終わり方はあまり好きではないのですが、この作品についてはこれで良いと思います。 「なぜ自分がこのような状況に置かれなければならないのか?」というような今後の運命に不安を感じた涙なのか、生活のためとはいえ夫以外の男性(しかも多少好意を持っていた男性)と結婚することに対しての後悔の涙なのかそれとも・・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2013-04-24 00:18:12)《改行有》 239. ボスニア 《ネタバレ》 戦争、特に内戦の悲惨さ、やりきれなさを巧みに描いた傑作です。ユーモラスな描写も、あまりにもどうにもならなくて「笑うしかない」という自虐的なものであって、悲惨な状況をいっそう際立たせる効果を生み出しています。 脚本・演出が良く出来ていて、全く飽きさせることがなく映画としても良くできています(やや、ムスリム側の非道さを強調しているきらいはありますが)。 こういう作品を観ていると、「平和」というものは「みんな仲良くしましょう」とか「愛があれば・・・」とかそういう甘っちょろいだけのものではなく、人間が人間として生きていくために、それが例え虚飾に満ち溢れたものであろうとも、あらゆる手段を講じて築き上げ維持していかなければならない「仕組み」なんだなということに気づかされますね。 ちなみに、映画の中で出てくるスローガン「ボスニアを東京へ」の元ネタは、セルビアのサッカークラブ レッドスターがUEFAチャンピオンズリーグを制覇して東京で行われるトヨタカップに出場することを祝して使われたチャント(「セルビアを東京へ」)です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2013-04-21 09:33:48)《改行有》 240. ツレがうつになりまして。 《ネタバレ》 なんというか、ありそうで中々なかった「うつ病対処入門」のような映画。ただ、暖かく見守るだけでなく、現実の厳しさも描いているところも良いと思います。暗く重くなりがちなテーマではありますが、「うつ病」は決して特殊な人だけがかかるわけではなく、誰もがかかる可能性のある「こころの風邪」のようなものだというメッセージがしっかり伝わってきました。 [DVD(邦画)] 8点(2013-04-11 00:34:19)《改行有》
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