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プロフィール
コメント数 1617
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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241.  パターソン 《ネタバレ》 いけませんねコレは。羨ましすぎるじゃないですか。平穏。ひたすらな平穏だからこそ、むしろ些細な出来事がみな愛おしく見えてゆく。この生き方には確かにひとつの真理が在る様に感じられるし、大袈裟かもしれませんが一種、人のあるべき最善の姿の様にも思われます(ちょっと大袈裟ですね)。それこそ、種々の宗教において定義される「隠者」の要素を、多分に、かつ現代的に持ち合わせている様な、とでも言いますでしょうか。 また、彼の仕事がバス運転手だというのも如何にも洒落込んでいるじゃあないですか。世の喧騒を離れて静謐に暮らしつつも、日々バスに乗っては降りていく数多の人々は必ず何かしらな葛藤を抱えて彼の傍を通り過ぎてゆく。そこから彼は確実にインスピレーションを拾い得て、自分の世界をより深化させていくのだと。 駄目ですね。人が皆この生き方を選べる訳ではないし、仮に自分はそれを選べたとして、選ぶべきなのか。人と人が欺き合い、出し抜き合う混沌の現実から逃避することは許されるのか。 精神もまた、老いるものだと思います。この映画から抗い難い魅力を感じ取れるように為ったということ自体が、自分の精神的老化を示しているように思えて仕方が無いのです。何とも複雑な気分にさせられる映画体験でしたね。[インターネット(字幕)] 8点(2020-06-14 02:39:23)(良:1票) 《改行有》

242.  ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 《ネタバレ》 教養が無いのがホントに恥なのだが、『若草物語』って原作は未読で、このグレタ・ガーウィグ版を鑑賞するにあたって大急ぎでマーヴィン・ルロイ版を鑑賞しておいたのである。今作は、その最大の特徴が時系列・エピソードの複雑な入替え、ということもあり、事前に話の内容を理解しておいたことは結果的に大正解であった。 今作、この時系列の入替えにより、ダレる部分や不自然な部分をつくることなく巧みに各エピソードをスリム化し、そして削った分更にエピソードを追加して描写の厚みを増す、という高度な構成をとっている(まあ普通につくったら単なるリメイクに為りかねない訳だし)。その結果、全体的に極めて密度が高くてハイテンポな仕上りとなっており、やや長尺ながら正に一気に駆け抜けた、といった後味が得られた。描写の厚みにしても、特にジョー・ローリー・エイミーの関係性をより複雑に表現することに成功している点が印象的であった(これには、シアーシャは毎度の素晴らしさながら、同レベルと言ってよい程にフローレンス・ピューが出色だったことが大いに寄与している)。入替え自体の効果としても、特に、過去で生還したベスが直後の現在で身罷る、といったシーンなどは中々にテクニカルだなあと思った。 全体として非常に見応えのある優れた作品なのは確かだが、あくまで個人の好みとして言わせて貰えば、一点、ちょっとキャストが「ガチ」過ぎるかなあ、と思う。シアーシャ、エマ、フローレンスはいずれも主役級で、3人の誰でも今作でジョーを立派に務められるだろう。しかし一方でメグないしエイミーのイメージにドンピシャかというと、実は3人ともそーでもない様に思う。ジョーをシアーシャにするならば、費用対効果的にメグとエイミーは他2人でなくても良かったのではないか(前述どおりフローレンスは非常に良かったのだが「妹」感的には少し微妙で、やっぱエイミーのイメージではない様に思う)。その意味では、母親がローラ・ダーンで伯母がストリープ、というのもコッテリし過ぎで胸焼けするんじゃねーかとも思ったのだが、流石にこの2人は空気を読んで脇役に徹しており、正にベテランの円熟味といった風情であった。 非常にアグレッシブかつ精密極まる作風といい、寸分の隙も無いキャスティングといい、グレタは今作、ちょっと肩に力が入り過ぎなよーにも思える。貴女の才能に議論の余地が無いことは既に全世界が知っているのだから、次回作はもっと気楽に遊んでつくっても好いかもよ?と思う。[映画館(字幕)] 8点(2020-06-13 19:54:22)(良:1票) 《改行有》

243.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 極めて少人数の編成、かつ基本的に普通の室内・車内ばかりで展開される会話劇で(数少ない屋外のシーンも人気の無いそこら辺が殆ど、という)、見るからに低予算である。その会話にしても、内容的にも文字数的にもこれもホントに何の変哲・含蓄も無いというか、何とも省エネな映画だと思う。 しかし、そんな中に慎み深くも表出される登場人物の感情の錯綜が率直に非常に面白い。出色は何と言ってもエヴァで、自分が「可愛い」ことを骨の髄まで知り尽くしているが為、自分が男に対しては絶対的に優位に立てることを完全に理解している、という謂わば「猫」。やはり本作、まずドレスの件が実に味わい深く感じられるし、あと面白かったのが4人が居並んだ映画館のシーン。「その並びなの?」しかしエディとウィリーは明らかにそのつもりなので、これは必然なのである。誰もなにも喋らないが、その頭上に垣間見える火花が出るほどの感情の錯綜がこれも面白い(エヴァは多分なんも考えてないだろうけど)。終盤はテンポが上がってかなりドタバタしているが、ここも笑えた(「予感」の話とかもとても好み)。 様々な無駄を削ぎ落すことで旨味だけを際立たせた様な、真に監督の力量が知れる映画だと思う。一級品の上質なコメディ。[DVD(字幕)] 8点(2020-06-08 00:43:10)《改行有》

244.  タッカー 《ネタバレ》 カネを儲けたい!だから良いモノを創る。至極当然ながら大事なことだと思うし、純粋にそれを夢みるタッカーは、相当に破天荒・エキセントリックかつ少しばかり胡散臭い人物ながらも、今作は彼を全力で応援しながら観れる映画になっていると思う。翻って、ただ自分たちの権力を守ることしか考えない敵方には率直に反吐が出そうな程の不快感を覚えるのだし、結局この映画、最終的にタッカーが勝利する訳では無いのが最初から分かっている(結果的には一太刀浴びせ返すとは言え)、という意味で、最後に笑うだろう敵方がのさばっている描写の感じが少し不快に過ぎる、かも知れないと思ったりする(私は正直、そこら辺りは観ていてかなりテンションが下がってしまった)。 しかし前述どおり、最後は見事に反撃が決まってそのまま終幕、という点では痛快だし、何より更に痛快なのは、トラブルも妨害もものともせず、細かいことも気にせずにひたすら無頓着に目標に向かって猪突猛進突っ走るタッカーの推進力の凄まじさである。彼同様、奥さんも子供も実にあっけらかんと暢気でポジティブ(似たもの夫婦とDNAの為せる業か)、仲間も(ランドー以外は)実に楽しそうだし、映画自体もノリの良い音楽&優れたテンポで観ていて相当に楽しかった。なにかにチャレンジしようと思ってる人には、とてもオススメな良作。[映画館(字幕)] 8点(2020-06-06 15:14:04)《改行有》

245.  別離(2011) 《ネタバレ》 2組の夫婦、計4人のうち、誰か一人でももう少し思慮深く(肝心の場面でより適切に)行動していれば、起こり得なかった悲劇だと思われる。しかし、誰もがある意味スネに瑕持つ身であるが故に(かつ誰もがそれぞれ言い分・言い訳も抱えているという複雑ぶり)、却って皆が冷静になる機会を失い、傷口を致命的に広げてしまった、という輪をかけて悲惨な話である。とは言え、感情に任せて妊婦に手荒な真似を働くようなナデルと、働きもせず身重の妻に食い扶持を稼がせていたというラジエーの旦那は、私個人としては到底許し難い(結局、私はこの話、忍耐強く敬虔なラジエーに一番感情移入して観ていたということだろう)。 メインの内容は確実に普遍的な価値を有する作品だと言えるが、で在りながら、随所に描き込まれるイラン社会の描写もまた非常に興味深い。個人的に面白かったのは、弁護士も何も出て来ずに双方が言いたいことを言いたいだけまくしたて、それを判事がジャッジするという凄まじい裁判風景である(私が判事なら、3日で発狂すると思う)。 本作のラスト、結論を出さない描写については、この話、全員が敗者だ、という点を強調したかったのではないかと感じた。それは結局、両親の離婚を止められなかった娘も含めて、である(中盤、この娘に嘘をつかせたのも、娘までをもこの地獄巡りの当事者に引きずり込むための仕掛けだった、と勘繰るのは、やや穿ち過ぎであろうか)。[インターネット(字幕)] 8点(2020-06-04 00:37:11)《改行有》

246.  娼年 《ネタバレ》 人の生業は須く、人の欲望の海の中を自らの才覚と度量で泳ぎ抜くことなのであって、だから職業に貴賤は無い筈だと信じている。所謂「究極のおもてなし」たる仕事を通じて、主人公は実にポジティブに人間というものについての理解を深めていく。その意味では、本作はわりかし単純な若者の成長物語だと思うのだが、率直にその面の出来はよく言って普通程度で、どうしても本作、その「仕事」の場面の表現の出来の良さと内容の高度さの方に意識が奪われていってしまう様に思われる(勿体ぶらずに言えば、一般映画としては異例なまでに、エロくて変態でかつ生々しいということですね)。 特に松坂桃李のその面での演技の迫真ぶりは出色で、素直に頑張った!と最大の賛辞を贈りたい。女優陣も、総じてかなり頑張っていると言えるが、120%な桃李くんに比べると、これも総じて最後の一葉の恥じらいが感じられなくもない(それが良いのかも知れないが)。とは言え、本作はエロに関しては個人的には文句の付け様など無く、素直に満点を差し上げたい。桃李くんと西岡徳馬の「タイミング」がドンピシャだったシーンなどは思わず手を叩いてしまった程である(飛びも飛んだり)。 もう一人、その道を極めた到達者の風格を漂わせる江波杏子も実に凄まじかった。奥ゆかしくも一方で何とも妖艶なその「絶頂」は、女優陣の中で一番真に迫っていたと思う。この映画が遺作というのは、ある意味実に格好好い(否、格好好過ぎる、のかも知れない)。[インターネット(字幕)] 8点(2020-06-01 23:48:10)《改行有》

247.  決断の3時10分 《ネタバレ》 カネの為に護送を買って出たダンが、仲間の死に際して下すのがひとつ目の「決断」。男には、命を投げ出しても貫き通すべきモノが確かに在るのだということ。ふたつ目の「決断」は、そんなダンを殺してはならないと思う悪党の一種の「諦め」というか。そしてそれは、ただ「借りを返した」と嘯きつつも、ダンの潔さと夫婦の愛情を直に見せつけられたことにより心に芽生えたものであろう。 その意味では、ダンの困窮ぶりと悪党の誘い掛け、頼りない飲んだくれのアレックスが相棒であったこと、嫁さんがワザワザ駅まで来ちゃうこと(私も正直「何しに来てんねん!」と思いました最初は)、等々、細かい所までわりかし良く工夫の効いたシナリオだったなあと思う。ただそれを踏まえてもやはり素晴らしいのが、見事に描き出される「男の美学」。それは彼ら2人がある意味、自分の身を捨ててまで護り抜いたモノだったのだなあと思います。このカッコ良さ、実に心地良い。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-31 15:08:43)(良:1票) 《改行有》

248.  永遠のこどもたち 《ネタバレ》 ジャンルとしてはかなりミステリーに寄せたホラーという所で、その含む「謎」が本作の怖さの源泉である。特に、屋敷に潜むことが中盤から明白なこどもたちの霊が、一体どういう存在なのか(味方なのか敵なのか)が分からない、という点に怖さが在る(敵なら敵で警戒すればいいので、どっちか分からないとゆーよりは怖くない。それが際立っていたのが、件の「だるまさんが転んだ」のシーンかと思う)。 そして実際、この哀しいお話の出発点は、そのこどもたちのどうしようもない無垢な「残忍さ」にあった、とも言える。一度狂った運命の歯車は永遠に元には戻らないかの如く、ストーリーは再び悲劇的な結末を迎えてゆく。しかし、一方でこどもたちには何らの邪心も無かったことが明らかになるラストは、悲劇であると同時に、我々にとってもラウラにとっても、そしてこどもたちにとっても、一種の救いなのだと思う。ミステリーとして真相を解明することのカタルシスを、痛い程に哀しくありながらも心洗われる美しく幻想的なラストシーンに昇華させた本作は、私からすると単なるホラーorミステリーと言うよりは、それらをどこか超えた類いの作品であった様に思われる。だから実はジャンルは何だとも言えないが、個人的にはまあ傑作かと。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-19 23:50:15)《改行有》

249.  ブラックブック 《ネタバレ》 最初の方はシリアス全開のヴァーホーヴェンとしては際立ってマジメな内容で、これはこれで全く全然悪くないと思った。それが、終盤は一転してサスペンス方面の面白さ・意外性を重視した極めてスピーディかつ濃密な目まぐるしい展開で、少ーしリアリティを欠くものの、個人的にはこっちも超面白かった(が、ここは完全に娯楽映画なんですよねえ…)。非常に穿った見方をすれば、序盤・中盤と終盤で雰囲気がだいぶ変わっている点に疑問を差し挿むことも出来ようが(マジメに撮るんだったら最後まで貫けよ、という)、個人的にはそこまで深刻に気になっている訳でもない(とは言え、全く引っかからないという訳でもない)。 監督の個性であるエロやら汚物やらも非常に効果的に使用されており、映画としても見応えが高まっているし、ファンならニンマリ出来るだろう。しかし、いくらゲテモノ好きの私でも、件の糞尿ぶちまけのシーンは流石に少しやり過ぎにも感じた(前述の、リアリティを損なっている、という意味でも)。ただ、そこも含めて脱ぎまくりの汚されまくりな主人公を演じ切ったファン・ハウテンの演技には、最大級の賛辞を贈りたい(こういう気が強すぎる女性って正直ニガテなんだけど、「ムンツェに惚れたな?」「そうよ、悪い?」のシーンの凛とした目付きにはビリビリ痺れました)。地味に、ヴァーホーヴェンでは一番素直に他人にオススメできるかも知れませんね。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-17 01:58:05)《改行有》

250.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 同じ題材の別の映画(そっちも何故かオーストラリア産だったよーな)がタルくてあまり出来が良くなかったのだが、こっちの出来は正に雲泥。映画技術としては、実話ベースながら非常に巧みな展開運びで実に見事な緊迫感が終始持続する。というか、この緊張感・切実な恐怖は通常のその系統の映画のそれを完全に超えている。こういう言い方は相応しくないかも知れないが、超一級品のスリラーだと思う(私はネットで何回か止めながら観たが、これが映画館だったら、人によっては耐えられないということもあるかも知れない)。 そういった本作の「表面的な」価値ももちろん出色であるが、一方で「中身」の方の出来も文句無しに優れている作品だと思う。テロに立ち向かい身を挺して宿泊客を守った従業員の気高さだとか、家族の愛・自己犠牲だとか、人の人たる素晴らしさもまた多く描き込まれている作品である。覚悟を決めて是非観て頂きたい。[インターネット(字幕)] 8点(2020-05-15 23:09:56)《改行有》

251.  ルトガー・ハウアー/危険な愛 《ネタバレ》 非常に汚らしいシーンや、必要以上に扇情的で直接的な(これはもはや率直に「猥褻」だと言える様な)性的描写のオンパレードには、監督2作目にしてヴァーホーヴェンの独特な個性が全開であり、この「下品さ」が彼のアイデンティティなのだということが否応なく理解できる。しかし、描かれる物語は「普遍的な」という意味で一種ありふれた愛の物語であり、それ自体は意外にも詩情的、かつどこか確実に美しさを纏っている。「下品さ」はヴァーホーヴェンの存在証明であると同時に、やはり一つの「手段」に過ぎないのだ。それが狙うところの「効果」というものを、本作では大いに体感できるだろう。この内容でアカデミー外国語映画賞ノミネートは、やはり伊達ではない。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-03 20:34:00)

252.  SPETTERS/スペッターズ 《ネタバレ》 スピルバーグは一時、ヴァーホーヴェンをスターウォーズ・エピソード6の監督に起用するようジョージ・ルーカスに本気で進言するつもりだったそうだが、本作を観て正気に戻ったらしい。本作が無かったらもしかすると、ハン・ソロがハードゲイ軍団に集団レイプされる可能性すらあったのだ。その意味では、本作は映画史における最重要作品のひとつであることに間違いが無い。 しかし、その色眼鏡を脱ぎ捨て、いつもの性描写の過激さには若気の至りと目を瞑れば、本作は間違い無く傑作の域に達している青春群像劇だと言ってよいだろう。ほろ苦いというには少し苦すぎる嫌いもあるが、友情・恋・夢・葛藤・挫折・本能の目覚め…と、本作には正に青春の全てが詰まっていると言える(前述のとおり、ややダークサイドな要素も多いけど)。一筋縄ではいかない登場人物たちも、どこか実に魅力的で、恐らくそれは迸る無軌道な若さのもたらす清涼感から来ているのだろうと思う。マイナー作だが、是非。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-03 20:20:21)《改行有》

253.  サマー・ストック 《ネタバレ》 こちらも最強の二大スター共演が楽しすぎる傑作ミュージカル。歌と踊りは正に大盤振舞い、かつクオリティもハイでグウの音も出ないが、とりわけジーン・ケリーの踊り、ジュディの歌はどちらもベスト・パフォーマンスに近く、大絶品。加えて両スターはルックス的にも全盛期な感じ。話の方も終盤がやや雑なご都合主義だが、中盤まではドタバタが相当に面白い。ミュージカルとしては一流。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-03 01:51:09)

254.  レ・ミゼラブル(2019) 《ネタバレ》 色々と中々に見応え・歯応えの有る映画だが、とにかく今作はラストに尽きる。 これは問いだ。無情なまでに切迫した問いだ。つまりこれは、これ程までに「非」善良で悪意に満ちた(そしてそれは、誰の所為であるとも言えないが、一方で絶対的な必然性のもと厳然たる事実として存在するという意味で正に絶望的な)人間性の内に、それでも希望、ポジティブな未来を見出せるかという極限的な問いかけなのだ。社会問題を広く提起する類いの作品として、このラストは率直に極めて優れていると感じた。是非、この(普通の映画では味わえないだろう)リアルで切実な鑑賞後感を体験していただければと思う。[映画館(字幕)] 8点(2020-05-03 00:27:52)《改行有》

255.  恐怖の報酬【オリジナル完全版】 《ネタバレ》 やや長めの前段部分が少々分かりにくいのが玉に瑕(カットされたのも分かる気がする)。だが(人物の背景描写としての)試み自体は良いと思う。これも含め主筋以外の部分の作り込みが中々優れてるのも(割とどうでもいい部分のアクションとかも)個人的には好印象。 で、メイン部分は元ネタを踏襲してる箇所も多いが、部分的には間違い無く進歩させていると言ってよい出来。特に素晴らしいと思うのが「(全てを飲み込み腐らせるかの様な)ジャングルの絶望感」と、具体的には豪雨・吊り橋のシーンである。ラストも個人的には結構好き(元ネタより良いとは言わない)。リメイクとしては十分に合格点だと思うし(これを凡庸な二番煎じと見るのか、リスペクトと見るのかは難しい問題だろう)、単純に、確実に楽しめる傑作スリラーかと思う。フリードキンの代表作なのは言うまでも無い。[映画館(字幕)] 8点(2020-04-29 03:29:12)《改行有》

256.  ヒストリー・オブ・バイオレンス 《ネタバレ》 家庭的な雰囲気の中に突如割り込んで来る暴力シーンの切れ味が、本作の最大の見どころであろう。その出来は率直にどれも素晴らしく、監督は流石の手腕だと思う。 より優れていると思うのは、この暴力の持つ二面性の表現というか。基本的には正義な(とまでは言わなくとも、正当防衛な)主人公の暴力は、本来人間が備える攻撃性(男なら分かる筈)を満たすという意味での痛快さと同時に、主人公の暗い過去を具現化するところの重苦しさを湛えている(更に同時に、本来人間が持つべき「暴力を嫌悪する感情」と複合しての悲痛さを含めて)。 その意味で良く出来ていたのは、息子がフォガティを射殺するシーン。ある意味「適切な」暴力を果断に行える息子には、人間としての成長・成熟を感じることと同時に、父親が最も忌むべき自身の残虐性が受け継がれているという悲劇もが描き込まれている。そんな息子から銃を取り上げ、暫く思案げにじっと見つめた末、そっと抱きしめる主人公。 本作は、家族の愛の物語なのだなあ、と。暴力と、過去からただ逃げる主人公への嫌悪を越えて、それを強く感じられたラストの余韻も素晴らしい。ヴァイオレンス映画の佳作。[DVD(字幕)] 8点(2020-04-25 11:39:43)(良:1票) 《改行有》

257.  海の沈黙 《ネタバレ》 極めて上質な文芸映画。ごくコンパクト、かつ非常にシンプルで明快な話ながら「人間性」というものをここまで見事に鮮烈に描き出すか、という傑作。物語(原作の小説)自体のハイ・クオリティを、理知的で静謐な優れた雰囲気で映像表現に結実させる演技・演出というのは、どちらも実に素晴らしい。メルヴィル、斯くの如し。必見。[インターネット(字幕)] 8点(2020-04-18 13:42:29)

258.  チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 ナレーション付版で鑑賞。冒頭、冒険家として(雪山で)出てくるのがいつもの格好のチャップリンなのが、まず笑いドコロ(個人的にはこの時点でツボ)。あと好きなのが、ロールパンにフォークの名シーン。『Mr.ビーン』の大好きなクリスマスの回で、人形を手で動かすコントを思い出した。チャップリンやアトキンソン、一流のコメディアンは、モノを使って(自分が動かなくても)面白さを同じ様に創り出す。「笑い」の根本に対する深い洞察と理解が窺える。女優もチャーミング、かつ程よく世慣れた感じがチャップリンとはアンマッチでそれも面白い。人類の宝という映画ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-04-17 00:11:39)

259.  狼の時刻 《ネタバレ》 映像が美しい。島の情景、城内の情景、暗闇に白く浮かび上がる人物像はいずれも絵画的な美しさを持ち、非実存的・非現実的な映像世界の構築に成功している。異形の者たちに取り込まれる夫と、それを見つめる妻の置かれた極めて不穏な空気は、静かに、だが着実に、観ている我々をも侵食する。中々に気味の悪い、だが決して不快なだけではない、不思議な後味が残る。傑作。[DVD(字幕)] 8点(2020-04-15 13:52:05)

260.  イースター・パレード 《ネタバレ》 ミュージカルとしては頭抜けて気に入っている作品で、4月には大体毎年観てる。史上最高の二大スター競演という豪華さも然ることながら、全編通してコミカルな描写も非常に楽しい。序盤、実はバリバリ踊れるガーランドがワザと頓珍漢なことをやって(完成度の低さを見せる完成度の高さ)アステアがアタフタするのからして実にコミカル。後半も程よく甘酸っぱいラブコメディで中々に心地好い。 しかし何と言っても本作の良さはダンスと歌の素晴らしさに在る。人類で唯一、地球の重力から解き放たれたアステアの華麗なステップは正に絶品。それについていけるガーランドはダンスの出来も上々ながら、彼女はとにかく歌がこれまた絶品(軽やかに歌い上げながらも奥行きのある歌声に聞き惚れる)。加えて、助演にアン・ミラーというこれも腕達者を起用する配役は、今観ると非常にゴージャスな上に役柄上でも適切であり、とてもグッド(中盤には十八番のタップダンスもタップリあってこれにも大満足)。ジンジャー・ロジャースに平謝りしつつ、このジャンルでは一番好き。[DVD(字幕)] 8点(2020-04-11 19:15:32)(良:1票) 《改行有》

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