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2661.  あばれ大名 他の大名たちが太閤殿下への恩義も忘れて家康にペコペコする中、ふん1万石なんぞ返上してやるわい、と家康の前で大見栄をきってみせる、前田慶次郎。しかしその影では思わぬ陰謀が。慶次郎あやうし! ってな訳で、あばれ大名:市川右太衛門が、それなりに大あばれして八面六臂の大活躍、というオハナシですが。主人公のやんちゃなキャラとはウラハラに、右太衛門ひとりやたら貫禄あり過ぎ(あばれ大名というよりメタボ大名)、というのが正直な印象で、でもやっぱりヒーローというものはこうでなくては!とも思うのであります。大体、あの形相で、「イヤだイヤだ」と反抗期みたいな大人げ無いことばかり言ってるのが、観てて何となく羨ましくすらなるではありませんか。それにしても、時代劇の登場人物ってのは、何かっつうと高笑いしますなあ。でも、その高笑いだけで何となく我々を納得させるものがあるのです。「実はカクカクシカジカだったのでござる」「それは知らなんだ、失礼つかまつった」「いやこちらこそ」みたいなセリフの代わりに、とりあえず高笑いする。いやあ、いいじゃないですか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-07 11:20:49)

2662.  あるいは裏切りという名の犬 はじめに断っておきますが、この映画、皮肉とかじゃなくて、本気でとっても面白いと思いますよ~。この点だけ強調しておいて、あとは好きなこと書いちゃいます。何といってもこの、連続ドラマで半年くらいかけてやるような、かなり大河チックな物語を、よくこの長さに収めました。って、明らかに収まってませんねえ、やや無理が。前半の強盗団との対決から、後半は思わぬ展開、ってか、おいおいここまでが前置きかよ、このペースで進めて本当に映画が終わるのか?と心配になってしまいました。私も、家庭用ビデオカメラで子供を撮る時には、新しいビデオテープをおろした時には大胆にどうでもいい光景をバンバン撮ってしまうのですが、テープの残りが少なくなってくると、だんだん撮り方がセコくなってコマ切れのシーンばかりになってしまいます。この映画もそんな感じです(だいぶ違うけど)。ムヤミに長い映画にも閉口しますが、本作に関しては、せめて3時間くらいの作品として、観てみたいですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-06 11:46:30)(笑:2票)

2663.  荒野の七人 『七人の侍』とどっちの方がいい映画かって? そんなん知るかいボケ。両方好きなんじゃいボケ。いや取り乱してスミマセン。そりゃまあ、ワタシもかつては「チャンバラ映画のリメイクなんだってさ~」と警戒して、この映画を観るのを避けてた頃もありましたけど。後に本作を初めて観たときにも、ヘンに『七人の侍』の設定を引きずってるよなあ、とか、その割に変えてほしくなかったところはアレコレと変わっちゃってるよなあ、とか、色々ボヤいてた時期もありましたが。でも、そんなこと、もういいんです。やっぱり、どちらも、とにかく面白いのです。同じ元ネタで、一方は堂々たる時代劇、一方は堂々たる西部劇として、別の世界が構築され切っているという、不思議と言えば不思議、当たり前と言えば当たり前な、映画というものの持つ可能性に、感動してしまう。敢えて両者の比較を一言だけ言わせてもらうならば、『侍』に欠けていて『荒野』が持っているものと言えば、“悪役が持つ魅力”というヤツでしょうか。でも、そういう違いって、生まれるべくして生まれたもの、ですよね。映画は生き物なのだから。こうやって、映画の歴史全体が、まるでひとつの長大な音楽作品のように、ときに変奏を奏でたり、ときに突然の転調を引き起こしながら、流れていくのだなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-06 11:17:10)

2664.  クローバーフィールド/HAKAISHA 「いずれ、こういう映画が作られるだろう」と思ってた人って、結構いたんじゃないですかねえ。しかし、いざ出来上がってみたこの作品、意外に重いモノを我々に突き付けているような気もします。『ブレアウィッチ~』等の偽ドキュメンタリ、あるいはインチキ・スナッフフィルム、こういったモノが、「手っとり早く、ホンモノらしく見せる」という事を目的としていたのに対し、本作は大前提として、誰の目にも明らかなフィクション(怪獣映画)。また「カメラが激しくブレる」というのは、かつて、動物が人を襲うパニック映画でよく見られました。肝心のショックシーンで、カメラが激しくブレて何が何やら判らなくなるんだけど、ま、ハッキリ言って明らかにゴマカシな訳で、もしカメラが止まってたら、あまりにショボい映像で更にワケワカラン映像になってしまう。一方本作はと言うと、大体、本作のようにCGでモンスターを表現する作品では普通、CGで何でも描けちゃうのだから、カメラをブレさせてゴマカす必要など無い訳です(本作のCGのクオリティを見ても明らか)。後、ついでに言えば「ビデオの消し残りシーンの挿入」なんてのも、ちょっとした思いつきには違いないんだけど、製作者の計略ぶりというものを感じてしまう。では一体、この映画、何をしようとしているのか。それは、“セットがあり俳優がいて、その外側にカメラとスタッフ(と我々)がいる”という従来の映画の形自体を否定しようとしているのでは。「カメラワークが見事だよね」「カットの繋ぎが上手いよね」「主演の誰それの演技が見ものだぜ」等々の、いわばお約束的・楽屋話的な評価を拒絶する。カメラは映画の場の“外側”にいて場を“捉える”モノ、ではなく、本作では、カメラは場の“内側”に“居る”モノ。映画のあり方に対する告発。当然、「通常」の映画の歴史が積み上げてきたモノの重みたるや、計り知れないんだけど、だからこそ、この映画の、「従来への安住」に対する告発、いわば「映画のHAKAISHA」としての側面、というものにも、非常な重みを感じてしまうのです。勿論、こういう作品が、この先何本も作られても仕方が無い(同じノリの続編が出来たら、多分、私は怒る)んだけど、本作に対して、映画の本流が、これからどういう回答を出してくるか、という点には、大いに関心があります。まあ「無視する」ってのも、間違い無くひとつの手には違いないんですけども。[DVD(字幕)] 9点(2009-06-03 23:18:41)(良:2票)

2665.  アゲイン/明日への誓い 勿論、あまり面白くは無いんですけどね。ただこの映画、何がすごいって、マーク、ホー、キットの3人が登場しておりしかもマークはチョウ・ユンファが演っているんだけど、果たしてコレ、1作目と関係のあるオハナシ(過去編)なのか、それとも関係の無いパラレルワールドのオハナシなのか、という、ある種どうでもいいコトが最大の謎になってしまっている点(製作者の意図はともかく、観ている側としては、この点に最大の叙述トリック的魅力を感じてしまうのです、へへへ)。おなじみのテーマ曲はかかるし、監督はツイ・ハークに代われども「ジョン・ウー映画って確かこんな感じじゃなかったっけ」みたいなシーンもあるし(だいぶ違う気もするが)。うん、こういうタイプのミステリは斬新で良いと思う。製作者の意図は知らんけど(笑)。ラストは戦車まで登場させるも、戦車の活躍不足で盛り上がりはいまひとつ、しかし角川映画をホウフツとさせる終わり方が、ダサくて良い。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-31 10:09:28)

2666.  若親分出獄 そっちが渡世の挨拶ならこっちは海軍式の挨拶だぜ。雷蔵若親分の怒りが、文字通りバクハツする、シリーズ第2作。冒頭、釈放間近の若親分が獄中で暴漢に襲われるあたり、いかにも前作の続きっぽい始まり方なのに、いざ出獄してみたら、新興勢力の台頭によって全く勢力図が塗りかえられていました、という、実はかなり前作無視の展開です。これは良いこと。しかしこの若親分、ずっと海軍にいてある日突然2代目を襲名し、その後はずっと獄中にいた癖に、何でこんなに子分に慕われているのだろう? ま、クールで二枚目でめっぽう強いから、ということで納得しておきましょう。今回のは、暴虐をホシイママにする中新門組との争いを軸に、親分古巣の海軍の危機にまで話は及び、さらには、ほとんど法治国家とは思えないドンパチも展開、とオハナシもヒートアップ。その一方で若親分、今作ではますますイイヒトになってしまっており、いささか貫禄に欠ける気もいたします。ところで、派手にドンパチを繰り広げるクライマックス、背景には高架線やら電車の架線やらが写っていて、どうも大正というよりは昭和の風景に見えちゃうのですが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-30 07:57:20)

2667.  チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 ごめんなさい、この映画、何だか苦手なのです・・・。殺人だの、飢えだの、しまいにゃ仲間を殺して食おうだの、という前半のかなり過激なブラックさと、これに対して、パン&フォークのダンスを披露するチャップリンの澄ました顔との、あまりのギャップ。この顔を見ていると、「やっぱりこのオヤジ、相当の悪人だよなあ」と思えて仕方がない(笑)。しかも結局は金持ちになり美人ちゃんもゲットするという展開(これって要するに、苦労した末に成功した自分の自慢話か?)。 チャップリンというヒトが、私生活でいろいろと問題をかかえていたことと、彼の作品とは、切り離して考えるべきなのでしょうが、何となくこの映画からは、何か悪人ぶりが直接漂ってくるようで、だからきっと苦手、なのです、ハイ。でも好きなシーンもある。この映画、靴を食べるシーンが有名ですが、ワタシは、「靴を皿に盛ろうとしたら、皿が汚れていたので、皿を袖で拭く」という、あの無意味な細かさが好きです(わざわざ皿を清潔にするような食いモノではないよね)。あと、チャップリンが酒場で人ごみの中にいるシーン、音楽とともに人々がダンスを始めて一人取り残される彼の後姿が、とても印象的。多分、この映画、苦手ではあっても、嫌いではない、そう、気になる映画であることは間違いないのかも。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-24 12:23:29)

2668.  黒いオルフェ ギリシャ神話とリオのカーニバル、という、いかにも食い合わせの悪そうな2つの世界を見事に融合した、まさに地球規模の一本。スケールでかいぜ。問答無用、唖然としつつも、渦巻く熱狂にとにかく渦巻かれてみるべし。全編、ハイテンションのダンスが繰り広げられ、役者の演技までハイテンション。しかし、確かにギリシャ神話の運命論的な糸によって映画が貫かれています。カーニバルという非日常の舞台設定(いやまあ、このヒトたち、日常的に踊ってそうな気もするけど)が、現実と非現実の境を曖昧にしており、絶妙。跳梁する死神は、祭りの中のマスクマンとして、うまく映画舞台に溶け込んでおり、なまじホントの死神よりも恐怖感を引き起こします。そして、この極彩色の世界を捉えたカラー映像が、これまた見事。この映画の斬新さは、間違いなく時代を超越しています。この映画、50年前の作品と言われるより、今年の新作と言われた方が、私は信じるかもしれません。それにしても、“祭り”という非日常の世界、それは日本にもまだまだたくさんあるわけで、日本の“祭り”からだって、いくらでも素晴らしい映画が生まれる、はず。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-05-24 11:55:53)

2669.  若親分 ケリは俺がつける。今公開されれば、市川雷蔵が理想の上司像ナンバーワンになること間違いなし、度胸、判断力、行動力、すべてピカイチで、しかも容姿端麗、とくるのだから、まさに完全無欠の若親分。問題点があるとすれば、何でも自分でやり過ぎるところですかね、成田三樹夫にも少しは仕事させてあげてくださいな。焼け跡における、ハルオ・ミナミのナニワブシ・パフォーマンスも、ベリー・ファンタスティックでした。これぞ大映(笑)。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-24 11:09:42)

2670.  アイス・エイジ 何度、子供に見せようとしても、食いつきが悪くて悪くて。洞窟のシーンにだけは食いついてたけど(このシーンだけ、「コレ、おもしろいね~」とか言ってたけど)、基本的にはサッパリ。そりゃそうだなあ、おとうさんが観ててもちっとも面白くないもんなあ。で、とりあえず一点だけ言わせてもらうと、最後に再会した子供を抱き上げるシーンで、フーセンでも抱き上げるみたいに、何の重さも表現できてないのが、まさに無味乾燥なるCG。つまらんと言うより、寂しかったよ。子供ってのは、そりゃキログラムで言ったら軽いかしらんが、このシーンでは、そういうのとは違った意味での重みってのが、あるでしょうよ。そういうのを表現して欲しいのよ。[CS・衛星(吹替)] 4点(2009-05-19 23:07:04)

2671.  キー・ラーゴ 嵐の夜に、ギャングに立てこもられたホテル、というシチュエーションが、はっきり言って、ソソります、じゅるじゅる。舞台劇が元になっているそうですが(観れば明らか)、映画作品として見事に再構築されています。客の集う昼のホテルと、営業時間外の夜のホテルの対比。しかもその夜のホテルたるや、中はギャング、外は嵐と、そりゃもう大変。それを挟むように、映画の冒頭と終盤ではホテルの外が舞台となるんだけど、そこでも、のどかな海辺の光景と、船上の対決の緊張感が好対照。伏線も効いていて、なかなか秀逸なサスペンス。だと思ったんですけど、ダメすか?(もっと点数高いかと思ってた)[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-17 15:28:23)

2672.  大日本人 《ネタバレ》 「“太”日本人」が成長して「“大”日本人」になるオハナシですね。。。それはともかく、こういう作品を「斬新」とか言われると、かえって誰しも、ムキになって前例を挙げたくなるもんだけど(インタビュー形式ってのは、『トレイル・オブ・ザ・ピンクパンサー』を思い出しちゃうし、おバカキャラを高度な特撮で表現するのは何と言っても『ゴーストバスターズ』が抜群のインパクト。等々。皆様の方がさらに適切な前例を挙げてくださることでしょう)、何よりもヤバいなーと思えてしまうのは、テレビ番組でやっているコントをそのまま映画に持ち込んでしまってることでして・・・これって要するに、「“テレビ番組”というレベルの低いものを、高尚な“映画”に持ち込む、という非常識なコトをやってみました、ホラ、インパクトあるでしょ」ってこと?みたいに受け取られる面があり、これではまさに、テレビタレントとしては自滅的、ということになってしまう。しかしその危険をおかしてまでも作られた本作はやっぱり、テレビの側からの強いメッセージ、いわば挑戦状、ということになるのかも。なぜなら、この映画を貫いているのは、ワタシも含めある世代が熱中した、テレビの(あくまでテレビの)特撮ヒーロー番組への憧れ、だから。そして、ヒーローになれずただのオジサンになってしまった現実への諦念、いわば現実の日常に対する“苦笑い”だから。オッサンがオッサンの姿のまま巨大化して怪獣と戦う、というこの映画は、昔、子供の頃にやってたヒーローごっこ、怪獣ごっこの、大掛りな再現であって、また同時に、あの頃子供たちの間に働いていた力学は、オトナ社会においてもその隅々にまで蔓延しているんだよな~、ということを改めて考えさせられる作品、でもあったかと。[DVD(邦画)] 7点(2009-05-17 10:56:44)(良:1票)

2673.  スケアクロウ 「成功した映画」かどうかはともかく、ワタシにとっては「好きな映画」であるという、ただその一点。物語だけを取り出してみれば、実は結構、作り物めいたクサイお話なんだけども、2人のクセモノ俳優による自由で気ままな(に見える)やりとりが、違和感を感じさせず、これぞまさに映画の勝利、だと思う。映画冒頭にて、まるでどこか地の底から湧いてきたように登場する、どこの馬の骨とも知れぬ2人の風来坊、最後まで馬の骨に過ぎない2人であるけれども、映画を通じて、我々も彼らにある種の友情を感じずにはいられない。この映画の主人公2人とは、人生の主役(ハックマン)と人生の脇役(パチーノ)であって、この物語は結局、「脇役が最後に主役にさせられてしまった瞬間の悲劇」を描いたものだと思っている。それにしても何と暖かく描かれた悲劇であることか。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-05-16 12:00:36)(良:1票)

2674.  88ミニッツ 《ネタバレ》 いやー面白かった。というわけで、ネタバレな事は書きたくないのですが、未見の方にはやっぱりヒントになってしまうかもしれないので、ネタバレ表示しておきます。内容:主人公が、オマエの命はあと88分、と脅される。それだけ。でもオモロイ。主人公がやたらケータイ電話を使うシーンが多く、ケータイキャリアのCMみたいなんですけれども、このケータイってのが、主人公にとって「外部」との接点なんですね。で、「外部」ってのは、主人公の協力者であったりもすれば、犯人であったりもするわけで、そこには、モヤモヤとした事件の謎そのものであったりする。話が進み、主人公がケータイを使えば使うほど、主人公の存在が、孤立した「点」と化し、モヤモヤは一層、霧深く主人公を包み込む。そこに犯人のカウントダウンが加わることで、焦燥感は高まるばかり。主人公をあざ笑うかのように、完璧なまでに主人公を取り囲む謎。その超越的な謎に、ふと、「この先に解決はあるのか? そもそも、これはミステリなのか、それともアンチミステリなのか?」という疑問が心をよぎる。この疑問が湧いた時点で、すでにこの作品は「メタ」、なんですね。ここまで謎を深めてしまうと、オチとしては、「無理はあるけど合理的なもの」か、「無理が無い以前に、理解できないもの」か、のどちらか(笑)ということになるのでしょうが、ハイ、はたしてどちらでしょう。本作では、その一方のオチを、リミッタいっぱいまで振り切る形で、これ見よがし、確信犯的に示してくれます。この時点で、一本取られたぜ、という気になるのですが。さらに続くのは明らかに蛇足ともいうべき、ケータイによる一連のやりとり。これまたイヤミな程の確信犯的アンチテーゼ。ここに見事に“メタミステリ”が完結し、二本目を取られた気分になるのでした。[DVD(字幕)] 8点(2009-05-15 00:19:48)

2675.  眠れる森の美女(1959) これ、私が小さいとき、ウチにレコード付きの紙芝居があってさあ。悪役の魔法使いの顔がメチャメチャ怖くてビビりまくってたのよね。レコードの甲高い声のセリフも、まるで昨日のことのように思い出されます、「糸車の針に指を刺されて、し~ぬ~の~じゃ~(全く意味不明の殺害方法で、怖かった)」「何、とうとう現れたか。私の呪いを見せてやる時がきたよ。あの王の慌てふためく姿を早く見たいものじゃ(あー何だかスラスラ思い出せてしまう。しかも書いてるうちにまた怖くなってきたりして)」等々。あれって、当時の吹き替えそのままだったのしょうか?残念ながら今観ると、だいぶ違っておりました(今回観たのが初めてではないハズなのですが、吹き替えについては思い出せず)。紙芝居の静止画で見ていたらあれほど怖かったあの魔法使いの顔、実際にアニメで動いているところを観ると、意外に怖くなかったりするのですが、何といっても、この登場人物たちの「動き」の見事さ。ホントに圧倒されます。入念に描きこまれたこれまた素晴らしい背景画にも、なかなか目をやる暇が無いほどです。そして、前半の遊び心の多いシーンの数々から、一転、モーレツなスピード感のある怒涛のクライマックスへ、という展開もこれまたお見事。そもそも、フィリップ王子まで捕えられてしまう理不尽さが良いですね(紙芝居見てた頃にも理不尽に感じて怖かった)。魔法使いの住み家の、ゴテゴテとした悪趣味な装飾も好い感じ(こんなトコに、住みたいか?)。「このテの悪役は、途中まではメチャ強いのに、変身したら最後、必ずヤラレテしまう」というセオリー(?)にも忠実。ただしフィリップ王子は何だか、イケ好かない。ありゃーどう見てもアメリカ人の顔でっせ。あと、オーロラ姫も、「16歳」には見えませんぜ。まあいいけど。[DVD(吹替)] 9点(2009-05-10 22:44:51)

2676.  男たちの挽歌II おかしーなー、とてもツマラン映画だという印象を持ってたんだけど、なぜだろう、オモロイやんか。以前に観たときに比べると、私も、人間に幅が出来てきたのか、あるいは節操が無くなってきたのか。さて本作ですが、前作のラストで銃弾の雨を浴びたマークが、実はその衝撃でニューヨークの中華料理屋へワープしてしまったという設定(「違う」という人がいるかも知れない。製作者すらも「違う」というかも知れない。でも事実である)。だもんで今回もまた、前作の3人が揃い踏み。しかし物語は、前作のあのモーレツなまでの無邪気さは影を潜め(そりゃそうだなあ。前作みたいなのをもう一本見せられたら、さすがの私も怒っちゃう)、もー少しだけ複雑なオハナシで、ホー&キット兄弟の物語、中華屋ケンちゃんの物語、そしてルンの物語が、交錯する・・・と言っても、あんまし噛み合っておらず、しっくりこない。前作のヒットを受けての「やっつけ仕事」みたいな感じで、やっぱり十分に練られてないよなー、と。しかしその影には、「嫌がるモノを無理やり食わせる」という、一貫した隠れテーマが(どんなテーマだよ)。そしてラストの銃撃戦。最初に観たときには、むしろ滑稽に見えてしまって、「とりあえずスローモーション使えばいいってもんじゃないだろー」と思ってしまったんだけど、いや実は、コレ、スゴいんだ。スプラッター映画です。ゾンビ映画です。何でもアリ、です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-10 09:21:34)

2677.  生きる 元ネタはゲーテの『ファウスト』なんだろうけど、日本を舞台にした現代劇として、確かにうまくアレンジされている・・・しかし「うまくアレンジ」と言いつつも、何か釈然としないものが。いや、私が『ファウスト』を深く理解しているとか、真髄をつかめているとか言う気はさらさら無いんだけど、少なくとも「多分、この方向に、これより“上”は無いんだろう」という感触(あるいは、畏れ)くらいは持っている訳で。これを“換骨奪胎”という言い方で納得してばかりもいられない。多分、本作の「作りこみ過ぎ」あるいは「語り過ぎ」の面に、引っかかるものがあるのだろうか。この映画の、ウマさとクドさ。確かによく出来ていると大いに感心させられはするのだけど、そして目を引く印象的なシーンも多いのだけど、全体を通したときに、一番印象に残ってしまうのは、“作為”に他ならない。「必要性」と「十分性」のバランスが、前者に傾いてしまったときの、危うさ。そしてもうひとつ。これらの事と、本作のテーマの重さとの間の不釣り合いが、気になってしまうのだ。私もそこそこ歳くってきて、それなりに人の生死にも関わる機会があり、それも思わぬ形で関わってしまうものなのです、これがホントに。だから、だから。いややっぱり、この映画は、とても良くできた映画、ということで、いいのかもしれない。ただ、私は『生きる』ではなく『死ぬ』として、この映画を観てしまう。いっそ、中盤の歓楽シーンが延々と続いた揚句、何の前触れもなく主人公が死んでしまう、そんな映画を観たいのかも、知れない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-09 12:16:23)(良:2票)

2678.  男たちの挽歌 初めて観たのは高校の時に深夜放送を録画したやつだっけ。そりゃびっくりしたもんですよ。ほとんどあきれ返る位、見事に、ツボにハマる映画というか、ツボにハメ込んだ映画というか。まー、はっきり言って不自然なくらいにオモシロい映画な訳です。当時の、今以上に曇った眼で観ても、その不自然さが際立ってた訳です。とにかく身近にいた姉に「すげーすげー」と報告したら、基本的に私とは価値観を殆ど共有しない姉も、コレを観てやっぱり同じようにのけぞっている訳です。とにかく凄いインパクト、だった訳です。ホー役のティ・ロン、名前を知らなかったもんで、その涼しげな髪型から勝手に「主人公の志村けんが・・・」と、姉とはそれで話が通じたもんです(あれから時が流れ、本物の志村けんの頭はさらに著しく後退したが、考えようによっては、時間が経った割に後退が遅い気もして、いささかアノ頭には疑惑を感じないでもない。でも、そこまで無理に何にでも疑惑を感じる必要もないだろう。って、どうでもいいっての)。一方のチョウ・ユンファ、当時、雑誌に載ってる写真でしか見たことなかったので、「このヒト、どこがカッコいいんだよ」とか思ってたんだけど、初めて映画で“動くユンファ”を見て、「・・・めっちゃカッコええ」とシビれた思い出も(今の目で見ると、こちらは「劇団ひとり」に似てる気もしますナ)。本作、改めて観ると、こりゃかなり低予算なんだろうなーと。カメラに詳しい方がいたら教えていただきたいのですが、どうしてカメラが切り替わるたびに動きがおかしくなるんでしょうか。クオリティが文句無しに高い映画とは到底言えないのかも知れませんけど、当時の香港娯楽映画界のかなりキツイ枠内で、これだけのコトをやり遂げたというのは、やっぱり凄い。「要するにオモシロけりゃいいんだろ」と、まるで嫌がらせのようにオモシロくしたストーリーだけではなく、ジョン・ウーの“飛翔願望(?)”が表れたアクションシーン、鮮烈な銃撃戦、それがまさに本作の魅力ですね。印象的なスローモーション。ブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスの代表作に『ブラジル風バッハ』ってのがあるけど、本作はさしずめ『中華風ペキンパー』ってところか(←何だか美味しそうな名前・・・)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-05-05 18:45:18)

2679.  魔人ドラキュラ ゴシック・ホラーという言葉がまさにドンピシャリ。ショック描写は無いけれど、雰囲気がいい、何ともいい。正直言えば、映画がもうすこし長ければ、というか、「謎の船が漂着~疫病が蔓延」というドラキュラがやってくるくだりがちゃんと描かれなかったのが、何とも惜しいのだけど、無いものねだりはやめましょう。何といっても、ドワイト・フライ。このヒト、あぶない。ドラキュラが魔人なら、こちらは変人。ある意味、涙を誘うものがあり(ははは)、このあたりも、歴史的作品ならではの感慨、でしょうか。さらに、ベラ・ルゴシは・・・ごめん、オカマっぽいかな。[DVD(字幕)] 8点(2009-05-04 22:22:10)

2680.  虎の尾を踏む男達 さてここでも、「映画はなぜ、おなじみ“勧進帳”をわざわざ取り上げるのか」という問題が(しかもこんな苦しい時代にわざわざ作った映画だよ)。もしも映画という芸術が「特定の“文脈”の中で捉えられるべきものではない」「独立し完結したものとして鑑賞されるべき」というならば・・・ならば、なぜ、「○○○を映画化!!」みたいな安直なコトをするのか。映画はまず外部との連関を拒絶する努力を徹底して行うべきではないのか(って、勿論、してる作品はしてるんだろうけどね、えへへ)。“音楽”という芸術は、20世紀に、血の滲むような努力、ってか、試行錯誤をとめどなく繰り返してきたぜ。で、それは、きっと、失敗だったのかもしれないけど・・・。すみません、これ以上書いても結論なんぞ到底結論なんて出ない。別に不満があるわけでもない。今のところ何となくぼんやり考える、だけ。で、とりあえず、本作の話。いや、実はここでも、本作がそのヒントになるのかも。最近よく聞く“○○○の完全映像化!”とかいうのとは、まったく異なって、ここでは、パロディとしての味わい。特にエノケンという狂言回しの存在が、本作をひとつの新しい作品へと導いており、こういう映画に触れると、何となく、「原作があり、そして、映画がある」という、すでにアタリマエになってしまっている図式に、改めて「ああ、なるほど、そういうことか」と納得できてしまったりするのです。それにしても。後半の、スタジオ感バリバリの雰囲気、音響とかにも十分に気を使っていない(使えていない)感じがするのですが。でも、その不自由さが、(妙な所に)綿密なクロサワ映画に加えられたことで、一期一会の絶妙な味わいを醸し出した、という気も。また、せめて最後にもう一度、屋外シーンを見せて欲しいなあ、と思っていたら、これもしっかりと、とっておきの「空」を背景にラストシーンを見せてくれて、うれしくなっちゃうのでした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-04 21:52:47)

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