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プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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261.  狩人の夜 《ネタバレ》 古いながら、独特の感性を持つサスペンスです。このセンスは当時としては先鋭的すぎたのでしょうか、評価が今ひとつだったというのは意外です。 幼気な子供が邪悪な大人と対決しなければならなくなる。しかも周囲の大人たちは頼りにならないというプリミティブな恐怖はサスペンスの王道と言いましょうか、作中でも名の出る「青ひげ」この名作を読んだ時の芯から震えが来るような、純然たる”怖い”という感情を思い起こさせました。 モノクロがその効果をいかんなく発揮している映像美もまた特異で、目の奥に強い印象を残します。水草のように揺れる母シュリーの髪、遠くに認める殺人鬼の黒いシルエットは絵画のよう。庭に忽然と、ぽつりとそこにいる殺人者。その存在の異様さ。 まるで暗号のように聖書の教えが作中あちこちに流れます。キリスト教の観点からの道徳を説いているのかと解釈しながら観ていたのですが、ラストでは村人たちが掌を返したようなリンチ寸前の暴動で、その寛容の無さを丸出しにしています。リリアン・ギッシュも辟易して避けて通るほどの。いやなんというか、ひとクセもふたクセもある、どこまで奥行きがあるのかわからないお話でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-20 00:19:55)《改行有》

262.  天使の分け前 《ネタバレ》 スコットランドの世相は、いろんな映画を観てきたがいつも不景気で大変だ。若者の失業率の高さ、はびこるドラッグ、天気まで悪い。実際、階級社会であるところのかの国で、社会の底の方にいるとそれはそれは這い上がることがキビシイそうだ。わが国と比べて社会構造がずっとシビアなのだと聞いたことがある。 ケン・ローチという人は、そういう苦労している階層の人々に寄り添う作品を撮る監督だが、今作はまたかなりの力技に持ち込んでいて、一種のカタルシスみたいな感興もわきます。 ”自然と無くなる”2%のウイスキーを天使の分け前とは美しいネーミング。たかが酒樽に、とてつもない額を出せる人間がいる。そんな人たちにとっては ほんのわずかの”分け前”を頂いたところで、それこそ天使の采配のうちでありましょう。頂いた”ギフト”を元手に、それぞれが健全な道をゆくことを祈る気持ちでいっぱいだ。 世話になったハリーに一瓶進呈する律儀さ、半分を”うっかり”で失ってしまう奥ゆかしさ、ケン・ローチのこんな演出が好きだ。 ロビーがこの先醸造所で働いて、障害を負わせた相手に少しでも償おうとしてくれればなあ。してほしい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-07 00:11:53)(良:1票) 《改行有》

263.  パンチドランク・ラブ 《ネタバレ》 ああなんてシュール。序盤から道に転がり出るピアノ。しかもこの楽器、最後まで引き取り手も現われず何かの事件のきっかけにもならんという不思議な存在。何を言わんとしているのか分かる方、教えてください。 7人ものモンスターシスターズに自律神経をやられちゃってるA・サンドラーのやや瞳孔開き気味の面構えと、何故その色を?と誰もが思う真っ青のスーツとか、この妙な感性がツボにはまるかがミソ。 私はとても面白かった。こういう作品は脇もシブイ。ルイス・ガスマンとP・S・ホフマンですもん、すばらしい。ガスマンがあの顔で画面中央に陣取るあの場面、なんでまた彼女がアダムを食事に誘っているとこにあの配置。思い出すだけで笑える。執念全開のアダムが散髪中のホフマンと対峙するシーンなど、馬鹿馬鹿しくも勇ましい。こんなけち臭い役を(おそらく友情で)引き受けるホフマン、人間がでかい。 さえない人生を送っている男に、母性あふれる彼女が降ってわく。なんか男性にとってはおとぎ話みたいな展開だ。破壊衝動と、マイレージがたまるプリンの山が背景のおとぎ話。シュールでキュートなこんな傑作を、この監督以外、誰に撮れようか?[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-06 00:05:40)《改行有》

264.  エイリアン2 エイリアンの一作目は私にとって別格だ。何度観たか分からない。そして二作目も好きだ。エイリアンの全体像が良く見えるから、という理由ではない。前作を上回るべく、物量作戦でいこう、という潔さが成功しているからだ。ヤツらの数もねばねばの粘着度も性質のひつこさも増している。一作目は ああどうしよう、と手に汗握りながらきょろきょろしつつ逃げる。二作目は半泣き絶叫で猛ダッシュだ。素晴らしく良くできた続編だ。 庭でせっせと雑草を取る。狭い範囲の視野からふと頭を上げて周りを見回すと、それはもうおびただしいスギナやらハコベやらに取り囲まれていることに気付く。こんな時いつも脳内でシンクロするのは、2のクライマックスにて巨大巣に入り込んだことに気がつくリプリー、あの場面。しゅんしゅんしゅんと効果音が静かーに響き、ワタシもゆっくりと首を回しておもむろに火炎放射器をぶっ放す、というわけにもいかず、またこつこつと作業を再開するわけだが。つまんないこと言ってすいません。[DVD(字幕)] 8点(2015-06-25 00:04:00)(笑:1票) 《改行有》

265.  切腹 《ネタバレ》 邦画史上まれに見る陰惨な話でなかろうか。おまけにグロテスクだ。 突如井伊家にやって来た(ように見える)津雲半四郎、彼の語りによって徐々に来訪の真相が明らかにされてゆく展開はスリリングで、のどが渇いてくるようで、近年のサスペンス・ホラーでも滅多にお目にかかれないほどの緊迫感だ。 語りのクライマックスに彼の目的が復讐であることが明かされ、さらに介錯人として指名した三人の現状が露わになった時の、老獪な家老 三国連太郎の顔色の変わるさまといい、激情を押し殺した無骨な浪人仲代の一本気の迫力といい、凄い芝居を観た。特に仲代の発声、動と静の表現を声だけでよくもあんなに。近頃の俳優さんで真似できる人がいるだろうか。 脚本も演技も演出も凄いのだが、話がどうしても好きではない。こうも非道にしなくても、と思う。 武士道の鑑を謳う井伊家、実のところは不祥事隠蔽体質の巨大組織でマズイ物件はさっさと片付けるべく、一人の浪人に鉄砲を向けるんだ。しかもラストに跡取りが幕府から褒められるというしつこき後味の悪さだ。なんて話だ。 こら井伊家、あんたんとこだってな、後年には安泰でいられないんだぞ、いばってんじゃねえと後世から遠吠えする小市民のワタシであった。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-20 00:48:20)(良:1票) 《改行有》

266.  猿の惑星 この名作を評することほどワタシにとって困難なことはない。何しろ、あの衝撃のラストの情報が先に入ってしまっていたという不遇をかこったし、初見の頃にはすでに技術が進んでいて、あのおサルさんたちの特殊メイクが目に痛かったということもある。「わあ、ヘンなの」と感じた子供時代を過ぎて最近ではドンキの宴会用コーナーのかぶり物にすら見える。つらい。 その抜きん出た発想と、信念の通った熱い脚本。色褪せることを知らない音楽。不気味なカカシのシーンは異星の得体の知れなさを心底感じさせたし、なんといってもラストの真実を明かす際のカメラ。画面に入ってくるギザギザ。 ああー、封切当時にこの驚きを味わえていたなら。サルが嫌いでなかったら。映画雑誌なんか読まなかったら。・・ともう、ハンカチでも噛みしめたくなるほどの悔しさに見舞われてしまうのだ。 68年に観ていたら10点以外考えられないだろう。今、観ての正直な採点で。[地上波(吹替)] 8点(2015-04-21 00:27:55)(良:1票) 《改行有》

267.  25年目の弦楽四重奏 《ネタバレ》 クラシック演奏家と聞くと、そのアカデミックな威光にハハー、と畏れ入ってしまうクラシックオンチなワタシである。しかし芸術畑もまた人間社会なのだなあと感じ入る一本でありました。 カルテットの一人が引退を表明したことから連鎖のように噴出する人間関係のわだかまり。それは凡庸な生活を送るワタシらとなんら変わることがないわけで、まるで同級生の熟年トラブルを聞いているようだ。 人間関係というのは微妙なバランスで保たれているもので、たとえ25年という月日を抱えてきたものでも、ちょっとしたきっかけでガラガラといってしまうのね。第二奏者の、第一奏者への屈折した思い、父と慕うチェリストの病にショックを受けるジュリエットには夫の不倫という追い討ち。その娘の秋波にまんまとやられてストイックの仮面が剥がれるダニエル。 私が思うに、若いアレックスが最も良くない。ダニエルに取り入ったのは母への当て付け気分が七割ほどと感じる。ころりといったダニエルが気の毒だ。ピーターにも「恥を知れ」ともっともな説教をされちゃったじゃないか。おじさんなのに。 メンバー間が不穏な中、一人弦を置く孤高の音楽家C・ウォーケンの静かで覚悟の伝わる演技が見事。個人的に好きなホフマンはついてない役どころで(たいていそうね)可哀相だなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-12 01:03:11)(良:1票) 《改行有》

268.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 街そのものがファンタジーとなり得る、それは世界中探してもパリほどふさわしい場所は無いと思っちゃう。なんとしっとりと美しい芸術賛歌な街であることか。都市のかたちと建造物の圧倒的な美。悔しいなあ。 そこに繰り広がる人間ドラマの配役も実に絶妙。パリの盲目的信者の作家に典型的なアメリカン娘である婚約者。その父はバリバリの共和党支持者で 知識人を鼻にかけるうっとうしい知人も登場。ヨーロピアン的な情緒とアメリカンなざっくり文化との対比がくっきり現われて面白い。 過去の偉人たちに薫陶を受けて、そのうえで現実へと戻ることを選択する結末は人生の円熟期に入ったアレンの出した結論のように思えて興味深い。 非現実のファンタジーに心を酔わせるプロットは「カイロの紫のバラ」にも似るけど、なんだか苦味ばかりが残る30年前の作に比べると 今作はずっと優しく前向きで、監督自身が円みを増したかのようで私はこちらの方が大好きだ。[DVD(字幕)] 8点(2015-03-23 00:12:03)(良:1票) 《改行有》

269.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 ある一日が繰り返される不条理、という題材は他作品(三崎亜紀氏の小説)でも触れたことがある。まさか84年にうる星のキャラですでに発表されていたとは。後年読了した小説の方はシリアスな現実感がずっしりと腹に溜まる感じだったけれど、アニメはなんといっても“うる星”なので暗くはならないのね。あたるの「それがどーしたのよ」的ないいかげん主義とラムの「毎日が幸せ」がベースになった現状では、さくらと面堂だけが真面目になってもからーっと明るい不条理だ。 画が凄い。映画の奥行きを活かした画の巧みさ。真実を知るさくらのこちらを見据えるアップ(ここ長い。びびった)、忍が入り込んだ鈴の重なる迷宮場面の陶酔感。飛行機でみるみる宇宙空間まで昇って知る、この世の(フザケた)全貌が現われるさまはまるでカメラで撮ったかのようななめらかな動き。当時のアニメとして最高の技術をふんだんに盛り込んだ画の力が、押井哲学ともいうべき難解なテーマに説得力を持たせ、かつうる星ファンをも納得させる作品にしていると思う。[DVD(邦画)] 8点(2015-02-15 23:54:47)《改行有》

270.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 ワイルダーの鮮やかな脚本が織り成す、キュートで洗練された至高の一品。こういう映画があるから、ハリウッドは世界一の映画の都なんだなあとまで思います。 各場面が次への伏線となって小気味良く展開するリズム感。J・レモンの好ましさ。けっこうみっともない役柄であるのに、この人が演じると品下れない。S・マクレーンが心ここにあらず、の横でせっせとカードの点数をつけ、彼女が早まったことをしないよう外したカミソリの刃を忘れて髭をそる。オジサンに使うには形容詞が違うかもだけど、愛らしいとも感じられる彼の魅力を最大限引き出したのも脚本の力でありましょう。 意地悪に配役された連中も、皆どことなく心底悪人ではなくて、こういうキャラ設定にもワイルダーの人間愛を感じてしまいます。心和むラストです。[ビデオ(字幕)] 8点(2014-12-30 01:18:44)《改行有》

271.  インターステラー 《ネタバレ》 うわあ、映画にはこうも圧倒的な想像力が活きる場がまだあったのだね。その壮大さ、イマジネーションの途方も無さ。所々思考がついてゆけない、という点も含めてかの“2001年宇宙の旅”に印象が似ている。とても私ごときの知能指数では考えつかないような世界観に「なんかすげえもん観た」、というのが率直なところ。 人類が新たな地点にたどり着くラストはSFにこうであってほしい、と思う幸福なものだし、TARSがチャーミングではありませんか。もはやロボットは人間型である必要が無いのだね。ユーモアを備えたプチトランスフォーマーのようなこの子が復活したのも嬉しかった。[映画館(字幕)] 8点(2014-12-25 00:00:25)《改行有》

272.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 格好の良い、二枚目な映画。演出も主人公もストイック。“必要なこと”のみを確実に仕上げてゆくプロの手腕をこれまた無駄の無い脚本で すっすっと描く。いやあーかっこいい。 やっぱり、E・フォックスに尽きます。この映画、風光明媚であるし、白のアルファロメオや銃身の細い改造銃など小物まで粋なんだけど、この男優がまた物腰に品格あって所作がキレイなんですな。隙がなく冷徹で 殺し方まで血で汚さず、すっと事が済んでしまう。物語上、男爵夫人からゲイ氏に至るまでが惚れるキャラクターでなくてはなりません。その点、E・フォックスは実に適役でありました。 重大事件を扱うに当たって、なんだか事なかれに流れがちな仏閣僚の面子や、有能さでは軍配のあがる英国捜査機関の働きぶり、ハニートラップを仕掛けるテロリスト組織など、脇のドラマもちゃんと140分に落とし込んでいて、あちこちに見ごたえがあります。「あなたたち全員を盗聴しました」の場面は笑ったなー。[DVD(字幕)] 8点(2014-11-13 00:13:15)《改行有》

273.  運命じゃない人 《ネタバレ》 うわあー、面白ーい、頭いいーっというのが、観た直後の感想。こりゃ楽しい映画です。冒頭でさ、マキちゃんが指輪を売るでしょ、「3000円だね」「えっ、それ、婚約指輪なんですけど」「・・・じゃあ3500円」のやりとり。ここで私はおおっとのけぞり、良い映画だと確信しました。掴みはOKというやつです。ヤクザも絡むけど内田コメディの極道さんたちはあくまでとぼけているので、マジ怖なこともなく安心です。 なんせ話が展開するにつれ快感ですもんね。端っこの展開図から見せられて、組み上がるにつれ えっ こことここが繋がって、こういう絵になるんだあって この巧みさ、物語を観る喜びでいっぱいになれます。お見事![DVD(邦画)] 8点(2014-11-10 00:41:37)(良:1票) 《改行有》

274.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 とても面白かった。?がいっぱいでわくわくしましたね。類似作品を観ていなかった我が幸運を思います。 この雰囲気、この映像。サスペンスの舞台に雪降るベルリンはもう最適。青みがかった病室、モノクロの写真展、そこに一点映えるJ・ジョーンズの金髪。苦虫顔のL・ニーソンに憂い顔美人のD・クルーガー、そして重鎮B・ガンツまでが揃ったら軽薄になりようがないのだけども。  新旧の老スパイ同士の対峙する場面は、ストーリー上は横線ながらこの映画の見所の一つと言っていいほどの緊迫感があります。少しずつ表情を変えてゆく二人の男のせめぎあい、静かながら龍虎相搏つといった趣。ここシビれましたねえ。 マーティンの、記憶が戻ったあとの豹変ぶりはちょっと強引だけど(元仲間にしてみればとんだ裏切りですよね)それでもたくさん楽しめたので、私的にはそこはスルーしようと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-05 23:59:57)《改行有》

275.  ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い いやー、笑った。私は女なのでバチェラーパーティに参加できる要件を満たしていないけれど、そういうのにつきものの下品さをひっくるめても面白かった。 次から次へとよくもまあこんなに考えついたもんだ、と感心する非日常な出来事がノンストップ。ほとんどスペクタクルと言っていいような怒涛の展開だけど、その内容が実にしょーもない、というアンビバレンツな面白さ。とっ散らかった案件を、全て見事につなげてエンドロールと共に流れる救いの無いデジカメショットの数々。いやあ、粋なセンスしてるじゃありませんか、この脚本。 他人の失敗談というのは面白いと相場が決まってますが、こうも大ばかで身につまされないハッピーエンドな話は、爽快感すら漂います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-10-13 23:59:46)(良:1票) 《改行有》

276.  メタルヘッド 《ネタバレ》 ヘッシャー、もうコイツの素行ときたら器物損壊、押し込み居候、身体には中学生レベルの落書きイレズミ、と100%どチンピラな奴。ニヤついた目つきで考えが読めない、というJ・G・レヴィットの名演もあって、コイツをどう評価すべきか中盤まではとても困る。 だけど、傍目にはもの凄く見えづらいけれど、ヘッシャーには極めてまっとうな部分があって、それは一家族を再生させるに足る力があるのだった。 「年寄りの言うこと」と、親父と孫はばあちゃんの言うことを完全にスルーする。彼女の話をマトモに聞いてたのはヘッシャーだけだった。下品で笑えない若者ジョークをなぞなぞにしたって、具合の悪いばあちゃんにウケるわけないだろうが。でもこれがコイツにできる精一杯の励まし。あの日約束どおり早起きして、シリアルを二人分乱暴に作って散歩の迎えに行ったのもヘッシャーだった。 棺おけを押して街中をゆく三人の姿を泣かずに観られようか。 TJと父親の心が再び立ち上がるのが分かる名場面だ。 J・G・レヴィットはもちろん、美貌が邪魔にならないように地味に脇を固めたN・ポートマンも、往年の名優P・ローリーも素晴らしい。そしてエンドロールはとてもひどい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-10-12 00:10:41)《改行有》

277.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 “映画を観る”という行為において、これまでに必要としてきた見る・聴く・考える、といった感覚のほかに、運動神経まで使わなくてはいけないという全く新しい体験をした。G・クルーニーとS・ブロックと共に宇宙に、無重力空間に投げ出されたワタシ。映画感で観てたら宇宙酔いしただろう。もの凄い映像技術だ。 圧倒されるのは、眼前に繰り広がる光景だけでなく、“常に絶体絶命”のシチュエーションによりもたらされる著しい緊迫感。ああー苦しい、息苦しい~~で90分が過ぎ、登場人物がわずか二人だけだった、ということにエンドロールでやっと気付く。はあはあ。 恐ろしくて、生き延びるのに必死で、正直サンドラの幼くして亡くなった娘さんのエピソードとか、咀嚼するような余裕はありませんでした、はい。[DVD(字幕)] 8点(2014-09-20 23:09:46)(良:1票) 《改行有》

278.  リフ・ラフ 《ネタバレ》 もうほんと、自分で言うのもナンだけど、生活が社会の底辺でさあ雇用主はバカヤローで、社会の体制そのものがくそったれで毎日生きるのに精一杯よ、と夜の飲み屋でクダ巻きながら話を聞いてもらい、似たような話を聞いてあんたも大変だねえと相槌打ちつつ、ちょっとづつ元気を取り戻す、そんな映画。 イギリスの労働者階級は色んな映画で観て来たけど、数ペニーのことで大の男がケンカするほど困窮してる。でもそんな状況をシニカルに自己観察しているようなとこがあって、完全な絶望に堕ちないタフさとユーモアがある。そこにとても魅かれる。モデルルームのトイレを無断借用し、新入りの宿無しのために不法入居ビルを探してやり、ガスも通してやる。彼女との引越しもタダで手伝ってやる。ビンボーでもちゃんと人の心は持ち合わせてるんである。ラスト、経営側への腹立ちが高じて現場へ放火する場面も良いですよ。警備員の犬に見つかるも、こいつが飼い主に噛み付く駄犬ぶりを発揮。二人をまんまと逃がすケン・ローチ、あなたは素晴らしい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-01 00:00:02)《改行有》

279.  ザ・フライ 《ネタバレ》 グロくて気色悪くて、そして哀しい。あまりといえばあまりに酷い、愛が引き裂かれるお話。 余計な枝葉を落として、時間の経過とともに科学者の異変が加速する描写に絞り、ダイナミズム溢れるストーリー展開とG・デイビスの泣き顔。色白の肌に目も鼻も唇も赤くして衝撃と混乱に耐える表情。とても美しいと思った。いくら好きでも見た目が生理的に耐え難く変容したら、自分の心にすら手の施しようが無いだろう。なにしろハエに移行するその姿のおぞましさといったら当時の映像技術に賛辞すら送りたくなるほどだ。耳がぼろん、と取れる場面は失神もの。 しまいにはポッドと融合した化け物を撃ち、崩れ落ちるジーナ。肉片と血しぶきを悲恋にまぶすとは、もうさすがクローネンバーグ。[ビデオ(字幕)] 8点(2014-08-26 00:25:50)(良:1票) 《改行有》

280.  デルス・ウザーラ 《ネタバレ》 圧倒的なシベリアの風土、この迫力、画の力。映像にこれだけの厚みと熱量をもたせて映画として完成させる、黒澤明という監督が無二の映画人であるとつくづく感じ入る。沈みゆく真っ赤な夕陽を、恐怖におののきながら見守ったのは生まれて初めての経験だ。あああんな恐ろしい太陽を見た事がない。広大な凍てつく大地にゆらゆらと沈んでゆく命の陽。夜=死へのカウントダウン、強まる風雪、不吉な枯れ草。デルスと隊長の、死闘ともいえるこの場面では息をすることすら忘れた。圧倒的だった。 デルスは森の人、自然の一部。この人物の造型に大成功していることも、作品の魅力。最初は珍獣扱いしていた隊員たちも、日が経ち、別れが近いと知ると食事すら忘れて惜別の思いに沈む。暖かく泣いて、再会を誓って別れる第一部は本当に素朴に感動した。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-09 00:39:42)《改行有》

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