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261.  大怪獣ガメラ 《ネタバレ》 昭和ガメラをしっかり観たこと無くて、ガメラが敵の怪獣の背中を木琴代わりに叩いて『強いぞガメラ』を演奏していた記憶が薄っすらあるだけ(どの作品か不明)…記念すべき第一作ということで観たけど、最初はガメラも人類の敵だったんだねぇ。 オープニングからもったいぶらずにガメラがしっかり映ってて、どんな顔してるか良く観えるわ。バストアップはなかなか迫力あるんだけど、引きの画で観ると、思いのほか甲羅が薄いのね。なんか胴体がペタンとしててアタマがデッカイ印象。目の電球と火炎放射器が入ってるからなのかな? 登場する航空機は拘りを感じさせる。アメリカ軍のF-102(またマニアックな…)は木型から造ったっぽいし、アラスカ基地(?)のF-104は基地から離陸するだけでなく、隅っこに滑走路に向かってタキシングする機体を再現するなんて芸が細かい。ガメラが飛行しながら空港を破壊するシーンは、想像以上の大爆発。飛び散る火の粉が飛行機に引火する表現はなかなか…飛行機愛溢れる作品です。 銀座に現れるガメラ。天井が壊れたビルの中を逃げ惑う人々に容赦なく火炎吹きかけるガメラが怖い。一番感心したのはTowaビルを襲うシーンで、窓の中に逃げる人が見える。影絵の応用だって解ったけど、こんなアイデアよく思いついたものだわ。 Zプランの巨大なカプセルの本来の使い道が気になって仕方ない。“人類の手に負えないから火星に放り出してしまえ”って結末もエゴ丸出しでブッ飛んでる。 アトランティス大陸とガメラの伝説とか、後の平成ガメラって、昭和ガメラの適当な初期設定を上手にフォローした名作だったんだなって、改めて思った。 人間なんてお構いなしにちどり丸や銀座を破壊する中で、なぜか俊夫くんを助けたガメラの謎。平成ガメラ3の助けられた子供のシーンは、ここに掛かってたんだろうな。子供の思い込みをあっさり捨て流したガメラ3に対し、“ガメラはチビの生まれ変わり”“ガメラはいいヤツ”って思い込みで突っ走るクソガキ俊ちゃんに焦点を当てたのが本作で、この子がすんげぇウザったい。 怪獣が出てきたのに灯台に登る。時間稼ぎのガソリン電車に勝手に乗る。伊豆の大島行きの船に密航する。周りの大人の寛容さも含めて、どうして誰もこのガキをビンタしないんだろう?と疑問ばかりが膨らんだ。 俊夫の切れ長の目、特徴があるなぁって思ったら、この前観た“高校生ブルース”の昇じゃないか! このクソガキがわずか5年であんなクソガキになるなんて。子供の教育って大事だわ…[インターネット(邦画)] 4点(2023-01-14 18:39:29)《改行有》

262.  高校生ブルース 《ネタバレ》 オープニングの4バカ(あ、ウルトラマンタロウの人だ!)、女子の生理日チェックに、もっとヌードや性行為が売りの、ロマンポルノ的な映画かと思っていたけど、大人に成りかけの子供が妊娠してしまうという、当事者の悩みと苦しみが丁寧に描かれていて、エロスよりそっちに関心が向かってしまい、観終わって心がズシンと重くなる内容でした。 スラッとしてスタイルと姿勢が良く、顔立ちが整っていて、今の目で観ても美しい関根恵子。当時15歳にしては大人びて観える。 彼女の表情が演技演技していなくて、例えば昇に妊娠を告げる不安げな表情。佐伯のオジサマに嫌悪感を示す表情。とてもデビュー作は思えない。 興味本位で美子と関係を持って、妊娠を告げられて動揺する昇の台詞。責任を背負いたくない感じがよく出ている。 それでもスラックスにネクタイで、妊娠の本を読んだり産婦人科に行ったりと、子供なりに何とかしようともがき苦しむ姿が生々しい。堕胎費用を工面しようと、美子にも家族にも内緒でバイトするところなんか、自分が撒いた種、美子の妊娠を無かった事にする努力がリアル。内田喜郎がこれまた見事に演じていた。賢そうで内気っぽく、イザって時に頼りなさげなところが、イケメン五十嵐とまるで違う。でも目に力があるなぁ。窓際から美子を見る姿に、昇が何を思っているのか手に取る様に解る。 クライマックスの体育倉庫の衝撃。本当に、痛いんじゃないか?これ、演技なのか?関根恵子、演技でこんな表情出来るのか?デビュー作で。若干15歳で。 昇の苦しそうな表情から、徐々に遠慮が無くなる負の感情も伝わってくる。自分が撒いた種なのに、まるで逆恨みのように。延々と続く苦しみの表現に思わず目を伏せたくなってしまうが、目が離せない。映像の力が凄い。 硫酸。いつも笑っている少女。微笑ましいカップル。そして今の自分。「~これから始まるのよ…」オープニング同様、堂々と胸を張って歩く美子が美しい。[インターネット(邦画)] 8点(2023-01-12 23:00:31)《改行有》

263.  最強のふたり 《ネタバレ》 “Intouchables”『触れ合わない人たち』かもしれない。“Untouchable”のフランス語です。 翼くんと岬くんなんかを連想しそうな邦題は、『2人の間の不可侵な友情』を表しているんだと思います。ただもしかしたら、『接点が無く会う筈のない2人が出会った結果、こんな事になるんだよ』って意味のタイトルかもしれません。 疾走する高級車とパトカーのチェイス。命の危機って感じの深刻なOPから、もうすっかり騙されてしまった。 全身麻痺の大金持ち相手に、どう付き合うかを考えたら、やっぱり私も辞めていく側の介護士みたくなるだろうな。フィリップはもともと障害を持っている人じゃないから、その部分に対する必要以上な気遣いとか、もう沢山って感じだったんだろう。かといって何かが出来る身体でもないので、不満を持ちつつその生き方を受け入れていた。障害者になってから、自分の行動を自分で決められないイラつきを介護士にぶつけていたところ、ドリスが現れて、立場お構いなしにメチャクチャいじられて、ズケズケと物を言われる。 健常者の頃は当たり前だった他人との距離が、ドリスの登場で取り戻せたんだろう。足に熱湯掛けたり、マリファナ薦めたり、オペラで爆笑したり、髭剃る時ヒットラーにしたり、笑っちゃいけないことに笑ってしまう。 エレノアに障害を隠した写真を送ったフィリップに感じる人間臭さ。あれだけの大金持ちならフラれる可能性こそ少なく思うけど。『彼女は車いすの自分を見て同情するんじゃないか?』という不安が湧いたんだろう、もともと障害を持っている人じゃないフィリップらしい不安。この恋の行方がハッピーな方に進んだのも良かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-10 23:20:49)《改行有》

264.  フル・モンティ 《ネタバレ》 “The Full Monty”『フルチン』…キャー(笑) 世間でよく言われる『スッポンポン』訳でも良いんだけど、アタマにTheが付いてるし、せっかくだからコッチ選びます。 フラッシュダンスを観てたら、どうしてもこの映画をまた観たくなりました。メインのダンスが吹き替えなことでなく、溶接の火花にツッコミ入れるなんてWhat a feeling!! そんなわけで大好きな映画の一つです。失業して追い詰められた男たちが、なりふり構わず大金を手に入れるためにストリップショーを開く。素人の中年男たちのストリップだし、公開当時はキワモノ作品の一つって思ってたけど、やたらと周りの評判いいのね。で、薦められるがまま観たらハマってしまいました。 ウォーターボーイズや少林サッカーなど、こういう、素人が集まって努力して、挫折ありトラブルあり、笑いあり涙ありで、最後に本番でドカンと爆発する映画の、もしかしたら元祖にして、完成形にも思います。…イギリスと日本って同じ島国だし、感性似てるのかな? 映画同様、失業率の高かった斜陽国家イギリスが、クール・ブリタニアと称して音楽やファッションを新しい産業として世界に発信する中で、イギリスの現状を自虐的に観せる、ある意味開き直りとも言えるこの映画もまた、世界に“COOL!”と受け入れられたのかもしれない。 この映画の一番の魅力は、ある意味失業以上に悩みを抱える、愛すべき登場人物たち。 子供に会えなくなる。ストリップに通う妻。浪費癖の妻。高齢の母の介護。名前がホースなのに小さい。ジェラルドがすぐ勃ってしまう悩みを、勃たなくなったデイブに相談するシーンは、相談する方も聞く方も、どっちも辛かったろう。 腹にラップを巻いてチョコバーを食べるデイブ。この時の音楽がロッキーのトレーニングの曲っぽいのもたまらない。同性愛に目覚めたロンパーとガイを横目に「あいつらゲイを極めちまった」には毎回笑わされる。悩んでても辛くても、前向きな彼らに何度笑わされ、何度勇気づけられたことか。 ハリウッドの大作ばかり好んで観ていた当時の私に、貴重な一石を投じてくれた作品です。[ビデオ(字幕)] 10点(2023-01-10 21:17:09)《改行有》

265.  フラッシュダンス 《ネタバレ》 “Flashdance”『(見た目が派手な)カッコいいダンス』…とかだろうか?“What a feeling”『サイコー!』だし“” 今回始めて観たんだけど、これだけ有名な映画だと、後発作品に美味しいところをパクられまくって、せっかくのオリジナル見所がスカスカになってる恐れがあるんだけど、この映画は充分に楽しめたな。 あの有名なイスに掛けて水ザバー!のシーン、近くに座ってるおっさんが、水掛かったことに驚いてるのが面白かった。モービーズ、自由度の高いわ。 モービーズでアレックスはプロダンサーを、親友ジェニーはプロスケーターを、友人リッチーはコメディアンを目指してる。すぐ近所にヌードを売りにするザンジバーがあって、栄光と挫折の構図がとてもわかり易く描かれているのも良い。何にでも忖度する今の時代だと、ジェニーはあの後主旨転換して前向きにザンジバーで働くって話になってそう。そうなるとアレックスも何にも言えないんだよな。方向性は違うけど、それぞれが目指すべき目標があるから、そこを目指してガムシャラに頑張っている若者が輝いてるんだよ。 社長のニックと付き合って、ポルシェに乗って高級レストランに行っても、養成学校のオーディションは実力で行きたいアレックスの気持ち、歳を取るとゴチャ混ぜになるけど、その線引の大切さって、あるよねきっと。 ジェニファー・ビールスって凄く華のある女優さんだなぁって思った。写真で見ても素敵だけど、動くとここまで可愛いんだ。肩からずり落ちるシャツの着こなし。…『色の風』って書いてあるのかな?シャツ下でモゾモゾやってブラだけ取るのなんて、タマラナイでしょう。“Maniac”掛けて黙々と踊るシーンがもう格好良いのなんの(…吹き替え?知らないそんなの)。 95分という尺もちょうどいい。モービーズ仕込みの“新しいものを取り入れる姿勢”で、オーディションで派手なブレイクダンスするのもイイ。ダンスのフィニッシュ観せないのも、審査結果を観せないのも、なんかイイ。コレがイイ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-01-10 00:13:57)《改行有》

266.  アバター(2009) 《ネタバレ》 “Avatar”サンスクリット語の『化身』がモトで、仮想空間の自分の分身を意味する。アバター使うSNSってAmebaだったっけ? 公開当時は本格的な3D映画が世の中に出だしたばかりで、キャメロン監督だし期待値も高かったけど、あの真っ青な宇宙人にどこまで感情移入できるか不安も大きかった。ナヴィのモチーフは猫科っぽい。豹だろうか?う~ん… 青い人というとインドのシヴァ神を連想するけど、アバターの語源から、意外な繋がりがあったんだね。 地球人サイドで物語が進んで行く中で、今の技術から運用方法が想像出来る未来兵器の数々。スペースシャトルやヘリコプターの未来版とともに、世界観的に違和感なく運用される二足歩行ロボット。キャメロンは相変わらず近未来ミリタリーものとして観せ方が上手いなぁ。巨大なタイヤに刺さった槍が、地球人側から観るから不安感を掻き立てる。 未知の惑星。パンドラの植物、動物、そしてナヴィ。地球と異なるパンドラの生態系を、徐々に体を慣らすように観せる手法も上手い。ハレルヤ・マウンテンで『ほえぇ~!』と驚いてる頃には、ナヴィの見た目の特殊さなんてもう慣れっこになっていて、人間同様に喜怒哀楽を表す彼ら。特に両親からジェイクの教育を言いつけられたネイティリの不満声。言葉の意味はわからんけど、感情が手に取る様に伝わって面白い。もうナヴィに親近感を感じている。これも3Dという、映画の世界に入り込む感覚が、よりそう感じさせるんだろうか? 最後の全面戦争の派手さ。後から思うと地球人として複雑だけど、果敢に戦うジェイク達を応援してしまう。エイワが力を貸した時のカタルシスも大きい。あの一戦で手を引く地球人じゃないのは想像付くけど、ひとまずの結果にホッとする。 『一人が死に、一人が再スタート』兄の代役として、車いすのジェイクが自分の足で走り回るのは、テクノロジーの進化、将来像に夢を見られる時代だったように思う。そして高度に発達した世界での、肉体の必要性について考えさせられるエンディングに繋がる。 そうそう、これが人生初の3D映画体験。鋭利なトゲとかがわざとらしく目の前に迫ったり、爆発の破片が飛んできたりってのを想像したけど、もっと奥行きや世界観の広がりに3Dを使ってて、CGバリバリの映像なのに、作り物の嘘くささは感じなかったな。ただメガネ無しの映像に比べて、少し暗かった気がする。濃度の薄いサングラスを掛けて観ている感じ。あと高かったな。2,800円とかした気がする。 凄い映像の映画だったけど、『ダンスウィズ…』や『ラスト・サムライ』と展開が似ていて、まさかこの映画の続編が、こんなに年数経ってから創られるとは思わなかったわ。[3D(字幕)] 8点(2023-01-09 22:50:44)《改行有》

267.  アバター:ウェイ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 “The Way of Water”『水の(世界で生きる)習わし』。前作が森を舞台にしたのに対し、海を前面に押し出してきた本作。 体験型アトラクションとしてとても解り易い住み分けですね。ストーリーより映像美重視な作品とはいえ、前作より30分も長い3時間超えの上映時間を飽きさせない手腕はさすが。 前作から10年以上、“あれからジェイクたちに何があったか?”を駆け足で伝えていく中で、ネイティリとの実の子と養子養女。5人も出てくる。もし序盤のまま森が舞台だと、みんな青くて細くて、じっくり観ないとどれが誰だか??ってなりそうだけど、外観上違いのあるメトカイナ族の中にサリー一家を放り込むことで、きちんと(かろうじて?)区別は出来るようになっている。 ただ顔と名前が一致するまでちょっと大変なのと、パンドラ世界の固有名詞がポンポン出てくるので、直前に前作を観ておくと理解はスムーズだったと後悔。 ストーリーは、南北戦争の映画を観ていると既視感多いかもしれません。戦争に巻き込まれた大家族の宿命も。 本作は最初から続編を考えての作品の為か、全力を出し切った感が薄いです。キャメロンはターミネーターにしてもT2にしても、一つの作品に全力を出し切る姿勢が大好きでした。過去のどの作品も“彼らの戦いは今後も続くけど、映画で描くのはここまでおしまい”って感じがしっかりしていたのに、本作は“まだ続きますよ”感がありありで、こう観せられると『続編作りの神様でも、普通な終わり方するんだな』って思ってしまいました。 本作のヒロイン・キリが、まさかのシガニー・ウィーバーってことに最後のクレジットまで気が付かなくて。動く城の映画で感じた声の違和感が全く無かったのが、さすがのクオリティ。キリがシガニー本人なら、彼女の出生の秘密や不思議な力の理由も、モヤモヤっと解る気がしてきたぞ?そんな事より、この映画のモーションは、演者自身の動きから取り込んでいるんだろうか?だとしたら凄いなシガニー。 ひと作品の中で、同じような“捕まって逃げて”を何回も繰り返すから、さすがに『また捕まるのかい』って思った。そう言えばキャメロン映画の多くに“捕まって逃げて”が出てくるっけな。でも本作ほど何回も似たような展開がってのは、初めてだった。 『息子には息子』サリー一家の中で唯一純血のナヴィ・ネイティリの、スパイダーへの行いが、私の中でも未消化。あれで終わったのか、今後掘り下げるのか?う~ん、交われない存在って事なのかなぁ。 アトラクション映画として、今回4DXの字幕版で視聴。SWのEP9以上に映像と座席の動きに一体感が感じられました。浮遊感が素晴らしく、大佐のビデオメッセージのシーンでは宇宙酔いしそうに(※長時間じゃないので心配無用)。さすが家庭ではなく劇場で観るために作られた映画らしいなって思いました。 登場人物がナヴィばかりなのに英語のセリフが多いのは、字幕に気を取られるのを防ぐためだろう。そう考えると吹替版が一番適してるのかも? 映像に合わせて背中を叩かれるような衝撃が伝わるんだけど、3時間超えとなると首がじんわりと痛い。水しぶき同様、衝撃OFF機能が欲しかった。肩こり持ちの人はIMAX版のほうが良いのかな? そうそう、直前までIMAX版と迷ったせいで、うっかりREALD・3Dメガネをまた買ってしまった。これで5本になりました。欲しい人居れば…[3D(字幕)] 7点(2023-01-02 11:38:17)《改行有》

268.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生 《ネタバレ》 “The Curious Case of Benjamin Button”まずバトン姓は日本語読みだとボタンなのね。『ジムボタンの冒険』のボタン。なので『ベンジャミン・ボタンの興味深い事案』とかってなるのかな?OPのボタンいっぱいのモザイクとか、出生の秘密、戦争で富を成したバトン家とか、親から引き継いだベンジャミンのライフワーク(?)だったりとか、ボタンは重要アイテムなのに、この映画とボタンの関係なんて重要視して観て無かったなぁ。 老人として生まれ、年々若返っていくなんて設定、とても面白いじゃないですか。ただ期待したような若年化現象の映画じゃなく、正直、あれれれ?と戸惑ったのは事実。何だろう?一つ一つのエピソードは興味深いんだけど、それらを年々若返っていく男の視点で描く意図を、私は理解出来なかったのかも? 逆回転する時計が象徴するように、人生は時間に縛られていて、ちょっとしたイタズラでその後の人生が大きく変化します。デイジーがバレエを辞めた理由の交通事故なんかがそうで、誰かが何かタイミングをズラせば、あの事故は起きなかった。またあのタイミングで起こるべくして起こった。って言えるかもしれません。時は戻せないし起きたことはやり直せない。 若返っていくベンジャミンと年老いていくデイジー。この2人が同年代になるタイミングで結ばれるんだけど、ここもやはり、偶然にして必然のタイミングということでしょう。80年という長い人生で、ほんの数年、あのタイミングしか無いんだから。 この映画がデイジーとの恋愛のタイミングを描きたかったとすれば、他の部分が同じくらい興味深くて、何が言いたいのかが、ボヤケてしまった印象です。 コートのボタンが取れたときとか、予備があれば良いけど、お店には全く同じボタンなんて見つからないから、仕方なく似たようなのを買ってきて付けた経験って、ありませんか?無くしたボタンが変わったカタチなら尚さら変えが効かなくて困ってしまう。自分の人生に関わった人は、失ったら他に掛け替えの無い存在。まるでコートのボタンのように。 『人生はチョコレートの箱のようなもの』ってフレーズが有名な映画があるけど、日本人には人生とチョコレートの箱って謎掛け言われても、正直ピンと来ない気がする。この映画が『人生はコートのボタンのようなもの』だとしたら、日本人にはピンとこなくても、この映画はもっともっとボタンの印象付けが大事だったんじゃないかな。バトンて邦題付けた人。[映画館(字幕)] 5点(2022-12-31 11:22:27)《改行有》

269.  グレムリン 《ネタバレ》 “Gremlins”=機械の中で悪さをする小悪魔。イギリス空軍が発祥らしいので歴史は浅く、当時の人面犬やトイレの花子さんみたいな存在だったのかも。ギズモの可愛さとグレムリンの不気味さが程よくて、テンポの良さとバカバカしさもあり、ちょっと背伸びした子供には丁度いい怖さがあって、『3G対決』の学校人気では一番好評だったように思います。 今改めて観ると、こんなにグロかったっけ?ってなりました。ある意味ヒロインのケート以上に活躍するお母さん。ミキサーに電子レンジと、子供の頃は素直に『おぉ!ナイスアイデア』って思ってたけど、アレに生き物を入れたらどんな死に方するのか?って好奇心を満たすのが目的だろうか?なんて、怖い想像をしてしまった。 そしてケートのお父さんの死の真相。もしかしたらこの映画で一番怖いのが、この話かもしれない。小さな町であんな死に方をしたら、結構町中に広まってそうだけど、何にせよケート可哀相。 ストライプの最後。ネチッこくジワジワと死んでいく様子を丁寧に表現。ほとんど骨になって倒れる時の、白くなった目玉がプルンッ!って踊るところが当時の技術力の高さかな。 グレムリンがみんなで白雪姫観ながら合唱してるのが可愛い。その後のスクリーンに写ったビリー達を襲ってくるシーンも上手い。アレだけの騒動で犠牲者がディーグル婦人(悪人)だけってのも、後味悪くしない工夫かも。 パブでグレムリンの接待をして以降、フィービー・ケイツの頬が赤いんだけど、どうやらバイクで遊んでて転倒した際に出来たものらしい。しかしグレムリン、ビールとか飲んでたけど、増殖しないのかな? 最後ギズモが古物商の老人に連れて行かれるシーンが、凄くクリスマスっぽくて好き。[地上波(吹替)] 6点(2022-12-29 23:26:52)《改行有》

270.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 《ネタバレ》 “The NightMare Before Christmas”『クリスマス前の悪夢』なんだけど、サンタやクリスマスのイメージを定着させた “The Night Before Christmas”『クリスマスのまえのばん』って詩がタイトルのベースにあるのね。 さて、今年のクリスマス映画に選んだ1本目がこちらなんだけど、ハロウィンとクリスマスの中間に観ても良さそう。 これね、私が初めて買ったDVDだったと思う。当時は映画をあまり観なくなっていた時期だったと思うけど、なんかこういうのをDVDで持ってるのがオシャレな気がして。そんな薄っぺらい理由で買いました。 モーションアニメの技術が素晴らしく、ジャックやサリーの表情が可愛いのが凄い。この当時のアメリカのアニメキャラって、ディフォルメが足りないせいか、日本のアニメキャラと比べて可愛らしさが不足していたように思いました。そこにきてジャックの表情の豊かなこと。シンプルな顔なのに喜怒哀楽の表現が上手い。ただガイコツだから瞳がないし、人間の表情とは別種、動物や怪物の一種としての表情付けな気も…。(あくまで個人の感性です) でも大きな瞳のサリーの可愛さは驚きでした。'50年代のディズニーアニメから、'90年代の美女と野獣やアラジンまで、そんなに進化していないヒロイン像が、このサリーの登場で劇的に進化しました。進化と言うか日本のアニメみたいな可愛さを備えてきました。 セルアニメとモーションアニメの違いはあれど、後にディズニー作品の主流になるCGアニメの、表情豊かで可愛いキャラの源流は、目が大きくてクリクリ動く、このサリーだったんじゃないでしょうか?(あくまで個人の想像です) サリーの服の下に身体があるのが技術的に凄い。ジャックはきっと服の下に身体は無いぞ。何度も観ていると服の下の胸元や太ももにセクシーさを感じてしまう。子供向けディズニー作品なのに。 そして表現は抑えているけど、サリーを束縛する博士との関係のなんか怪しいトコ。ブギーの気をそらすのに脚を使う時のブギーの足の撫で方。絶対狙ってるなって。(あくまで個人の妄想です) DVD買った当時は、ミュージカルあまり観てなかったのもあって、そんなに好きな作品じゃなかったんですが、何度も観る度に味わい深く感じられるようになってきましたね。最近は3人組の乗るバスタブの動きにハマってます。[DVD(字幕)] 6点(2022-12-28 00:54:53)《改行有》

271.  ヒッチャー(1985) 《ネタバレ》 “The Hitcher”『監視者』…何だと?いや確かに“Hitchhiker”じゃあないんだよなぁ。でもあの登場する時のタイミングの良さとか、先々を呼んでの行動とか、監視者と言えば、そうかもなぁ?なんて思うところ。 ま、Hitci(引っ掛ける)のスラングからの“ヒッチハイクする人”で落ち着きそう。 はじめて観たのは昼のロードショーだったと思うけど、まぁ~ま怖いこと怖いこと。最初のワーゲンの犠牲者にせよ、次の子連れの家族にせよ、直接的な殺害シーンは見せないし、死体も出ない(滴る血だけ)。それなのに怖い。 ホントに死んでたのか?嘘だろ?なんて疑いつつ、このジョン・ライダーという男なら犠牲者をサクッと殺しただろうな。って思わせる説得力。ルトガー・ハウアーの醸し出す空気なんだろう。ルトガーってバラエティ番組とか出なさそうだもん。 この映画で多くの人にトラウマ級のショックを与えたのがナッシュの最後でしょう。田舎町の平凡なウェイトレス。バスでの偶然の再会。警官に殺されかけたジムを助ける。当時の映画ヒロインの王道展開とも言えます。 それなのに、あんな残酷な最後を迎えるところに、この映画の狂気を感じます。映画の常識が通じない狂気。 ナッシュの死でこの映画はバッドエンディングを迎えます。ライダーを殺すチャンスを活かせず、万に一つかもだけどナッシュを救うチャンスも活かせず。 ゲームならあのシーンで終了だけど、映画は続きます。その後のジムの積極的な復讐劇を観ても、今さら感が付きまといます。それはジム自身の胸中にもずっと、つきまとうんでしょう。あのザラザラした後味の悪さが、この映画の一番の魅力かもしれません。[地上波(吹替)] 7点(2022-12-27 23:29:03)(良:1票) 《改行有》

272.  言の葉の庭 《ネタバレ》 水面にちょんちょんと葉っぱを点けるカエデの葉。ゴツゴツしたアスファルトに染み込みきらない水たまり。『アニメーションでこんな事も表現できてしまうんだぜ!』って言葉が聞こえて来そう。 映像の美しさもここまで来ると、市販目的ではないモーターショーのコンセプトカーのようだ。 27歳の女教師ユキノ。この年齢を出してしまったのは、短い上映時間で少年の告白に“越えられない壁”を感じさせるよう、無理やり用意した感じがしてしまった。23歳とかだったらタカオの若々しい言葉の勢いで押し負かせそうだし。 バイトして時々授業をサボる15歳の少年、しかも自分の学校の生徒と、教師になって5年ほどの社会人とで恋愛を描く事自体、ちょっと無理な感じがしてしまう。タカオをせいぜい2年生に、ユキノを年齢不詳(裏設定で実は27歳。はアリだと思う)に出来なかったものだろうか? 授業をサボってる制服の少年の隣で、その高校を欠勤している教師が金麦を飲む光景。公の場で未成年者に素足を触らせる女の光景。あの庭園のベンチが2人にとって異世界だったとして、ユキノの脇の甘さ、隙のある女感が出ていた。それはタカオに対してではなく世間に対して。ここに少年が素足を触るドキドキはあっても、誰かに見られるかも?のドキドキが乗っかってないのが、残念というか…イジメというある意味世間体に押し潰されて辞める人なのに。 伊藤先生というのは妻帯者だろうか?遊んだ女を体良く追い出す為の優しい言葉。そんな男でも他に相談する相手がいないユキノ。 タカオの告白を大人らしく受け流した後に、裸足で追いかけて転んで抱きついて泣き出して。綺麗なんだけど、ソコまでしか描かないのはズルくないか?綺麗な所までしか描かず、その後2人で部屋に戻ったのか、泣きやんでお別れしたのか。2人で散歩に行ったのか。 そんなのどうでもいいでしょ?と言われればその通りなんだけど、なんか「そのコンセプトカーの売りの電動ドアが壊れたら、どうやって出入りするの?」の回答が出ない程度のもどかしさを感じた。もっと言うと、創った人でさえ答えを用意してないであろう所に、新海さんの短編映画の癖を感じてしまった。 そうは言っても、万人受けする市販車もきちんと作れるんだから、すごい才能を持った人だわ。[地上波(邦画)] 5点(2022-12-18 22:32:00)《改行有》

273.  秒速5センチメートル 《ネタバレ》 桜花抄。凄く良かった。明里の手紙、携帯のない時代のイラスト(絵文字)入りの手紙の暖かさ。行ったことのない土地に会いに行く勇気。いつも乗る電車と違う路線の不安感。雪で遅れて、約束の時間は過ぎて、手紙は飛ばされて…アクシデントに砕けそうになる心。動かない電車。あぁ、こんな経験ないけど、伝わる。イイ。 一方で小学生で二人きりでマックとか、都会の子はあるのかな。私の時代ではあり得ないな。そんなお金ないし。 明里の家に泊まるでなく納屋で“潮騒”するのは、ちょっとリアリティが無い気がするけど、初めて好きな子と迎える朝の空気は感じられた。イイ。 手紙のことを言えなかった貴樹と、手紙を渡せなかった明里。ファーストキスで終わる恋。イイねぇ。 、 コスモナウト。別な話か?オムニバスなのか?と思いきや男の子が貴樹。なんかちょっと、影のある二枚目っぽく格好良くなってるし。 なんでココだけ女の子側が主人公なんだろう?サーフィンに打ち込む女子高生って、鹿児島(というか種子島)ではよくある話なのかな。急に漫画のヒロイン。 携帯の時代になってるけど、メール出さないのね。メアドの交換をする前に明里との手紙は終わってたのね。 、 秒速5センチメートル。真ん中すっ飛ばしてここに来て良かったと思う。終わった恋愛を引きずって出せないメールを携帯に打ち込む男(コスモナウト)と、思い出は宝箱にしてしまい込んで前に進んでる女。この男女の違い。踏切ですれ違って、貴樹だけ留まってるのが男女の差を感じられて、山崎まさよしの歌とのシンクロもあって、すんごくイイ。 、 貴樹がいつもずっと明里に引きずられていたかというと、決してそうでもなく、ふと貴樹が明里を思ってる時を繋げた感じがした。 本が好きな子が中学でサッカーをして、高校では弓道してる一貫性の無さ。人から見たら飽きっぽく、続かないのが貴樹なんだろう。 でも私も転校多かったから、解るよ。その続け方がわからない不器用さ。思いを伝えられない繊細さ。そしてコスモナウトの唐突さ。 こんな時代になっちゃったけど、親しい人との年賀状って続けたほうが良いねって、唐突に思った。[地上波(邦画)] 5点(2022-12-18 00:36:22)《改行有》

274.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 - The Untouchables - “触れることが出来ない存在”。メディアが付けたエリオット・ネスの特別捜査班の呼び名。 映画としてまとめ方がとても上手い。これだけボリューム感のある内容なのに、上映時間はキッチリ120分に収めるところが凄い。この映画を素晴らしい完成度にさせたのは、テンポの良さと思い切りの良い嘘。 ネスやカポネに興味を持って、ちょっと調べれば映画と違う事実がボロボロ出てくるんだけど、それが全然、この映画のマイナスになってないのね。 本当は11人いたというメンバーを4人に絞って、それぞれに個性と魅力を持たせている。史実に沿ったらあんなドラマチックな採用シーンは無いハズ。 たまたま報告に来たウォレスにショットガンを渡して郵便局に入っていくシーンなんて鳥肌モノ。この扉を破ったらもう後には引けないぞ!のドキドキ感。ネスの妻たちを避難させた後の、4人が揃って小走りするときのワクワク感が半端ない。モリコーネの音楽がまた盛り上げてくれる。 カナダ国境の銃撃戦なんて、ぜったい馬に乗る必然性がない(カナダ警察はともかくアンタッチャブルズは車だろう)のに、なぜか納得して観ている自分。 4人の観せ方が上手いから、犠牲が出た時のネスのショックと喪失感に共感出来る。ベテランのコネリーとスミスはもちろん、ガルシアの存在感が光ってた。 カポネの登場シーンは少ない。それでもバットのシーン一つで恐怖を植え付ける上手さ。このシーンがあるから、初登場時の顔そり→出血の恐怖感も活きてくる。顔そりのシーン、朝食のシーンと、カポネこそがまさに“触れられない存在”として描かれる。銃撃戦多めのこの映画だけど、最後は史実通り裁判で決着。登場時との対比で群衆にモミクチャにされる“触れられない存在”だったカポネ。ここんとこの観せかたも、上手いよなぁ。 劇中、犯罪の実行犯はカポネでなく、少女もメンバーもニッティに殺される。だからこそ最後、正義とは無縁の感情で、それもネス自身の手で決着を迎えることにもカタルシス大。 馴染みの新聞記者が「禁酒法が廃止されるそうですが?」と伝えるタイミング。カポネが有罪になって、ネスが捜査本部を後にするあのタイミングで、こんなスクープが伝えられるなんて絶対嘘なんだけど、映画として入れるべき嘘って、こういうのだよね。 史実を忠実再現するのもいいけど、映画として、エンタメとしてこの表現方法が正解。これが“楽しむための映画”の醍醐味だろう。[映画館(字幕)] 10点(2022-12-17 23:35:31)《改行有》

275.  シックス・センス 《ネタバレ》 - The Sixth Sense - “第六の感覚”SixじゃなくSixthだったんだ。 この映画の面白いところは、『死者が見える(自称)』というコール少年を、如何にしてカウンセリングで救済するか。 マルコムは小児カウンセラーとして名声を得ていたところに、彼が救済できていなかった少年ビンセントの凶行で、振り出しに戻るどころか夫婦関係までこじれたマイナスから始まる、言わばやり直しの物語。 マルコムがカウンセラーとして名声を得るということは、相当の数のケースを診てきたんだろう。多くの症例は解決しても、患者とはそこまでな関係。ビンセントもたくさん診てきた中のひとり。彼が侵入した時、10年経っていたとは言え、パッと名前が出てこないところは、そんな表現だろう。 映画を観る側はマルコムの目を通じて、コール少年をビンセントと重ねて観るわけだ。何故ビンセントを救えなかったか、どうするのが正解だったのか。彼らの目線に立って、彼らが見ているものを信じること。死者が見える(自称)のを見えなくするのが解決ではなく、その先に何があるのか?を見て、死者の訴え(自称)を一緒に解決することが正解だった。 ビンセントとは築けなかった信頼関係を、コールと築くことが出来たマルコム。“病気を根絶するのではなく、病気と長く付き合う”のと同様に、解消するのではなく緩和から始める治療もある。「少女の死の記録が出てきて、実は殺人事件だったなんて、偶然にしても不思議なこともあるものだ」で、締めくくっても全然成立する。カウンセリングの報告書としても、映画としても充分に。 コール少年の問題は解決。ビンセントの失敗に縛られたマルコムの一年の苦悩も解決。さぁアンナとの夫婦関係の再構築と、ようやくやり直せたその一歩先に、実は・・・があったから、映画館で観た人は驚いた。私もしっかり驚いた。 エンディングばかりが評価されがちだけど、ソコが全ての映画ではなく、何回観ても楽しめてしまうのは、先に書いた通り。そして“やり直しの物語”にも関わらず、そこから再構築ではなく結末に繋がること。ここでもしマルコムの新たな苦悩が始まるバッドエンドだったら、ちょっと世にも奇妙なナントカみたく、安っぽくてガッカリだったと思うけど、結末の後味の良さがまた秀逸。とても美しかった。 私がそうだけど、この結末を予想できなかった人って、たぶん常識的な生き方を選ぶ人に多い気がします。きっと学校や社会で身についた常識に誘導されて、あの結末をハナから除外してるんですね。みりんみりんみりん…鼻の長い動物は?10回クイズの醍醐味は引っ掛からないことではなく、豪快に引っかかってワハハって笑うところにあります。引っ掛かる引っ掛からないが頭の良し悪しではなく、その瞬間を体験した同士の共時性とか、そっちの方だと思います。 なんかココでレビューを締めると、私までエンディングが全ての映画扱いしてそうなんで… 劇場で観た時、コールが辛そうな顔してブリーフ姿でトイレに駆け込むシーンで、私の右隣りの女の子たちツボったらしく「ブワハッ!」って吹き出して。 そしたら左隣のおばさまが『ウルサイわよ!』って感じに凄い顔して私を睨んだのね、いや私はこの子達の仲間じゃないし。右の子たちは『クックック』って笑い堪えてるし、左のおばさまは10秒近く無関係の私を睨みつけてるし…あの時はヒヤッとしたわ。[映画館(字幕)] 9点(2022-12-17 20:13:43)《改行有》

276.  あいつと私(1961) 《ネタバレ》 ヤー!!ヒッップ ヒッップ ヒップラー♪初めて観たときは、あのオープニング曲にズッコケそうになったけど、2回め観ると意外と癖になるね。歌はともかくイントロの高揚感は今の時代に聞いても素晴らしい。 '60年辺りの大学生のドラマなんだけど、まるでアメリカの学園コメディのようなノリ。会話のテンポの良さが、どことなくシン・ウルトラマンの会話に近い感じがした。そういや、けい子の一人語りはまるでエヴァの赤木リツコみたい。 セックス、赤線、ザーメンと、オブラートに包むことなく日常会話で出てくる性表現にビックリする。当時の若者、こんなだったのかな?『処女と童貞のままで 九月にまたこの丘の上であいましょう』…ってなにそれ。温泉マークがラブホテルの意味だったなんて、勉強になりました。 そしてパワフル。友達の結婚式に出て、安保闘争に参加して、レイプされた女友達を介抱して、次の日はデーゲーム野球観戦。早朝に3人並んで瓶牛乳ガブガブ飲むとこ大好き。軽井沢の別荘からママに呼ばれての食事も、みんな食べる食べる。日本が裕福になった時代なんだな。 この映画の主役は芦川いづみ。彼女と裕次郎の、嵐の中のキスシーンはとても綺麗。ここのシーン、三郎の過去を聞いてけい子が飛び出してズブ濡れになるんだけど、ここ三郎をプールに突き落としてズブ濡れにしたのと対になってるんだろう。お互いの家の食事も。けい子が三郎宅に泊まる時の、モトコ・桜井のものと思われるブカブカのネグリジェ姿が可愛い。これも三郎がけい子の父のブカブカの服を借りたのの対になってる。ついでに三郎は女装したんだから、けい子の男装も観たかった。 思春期の三郎に性の相手を与えたのはママ。そのせいで恋愛感情が歪んでも、ママを恨むどころかママが好きな三郎。 そんな三郎を不潔と言い、強引にキスされても、翌朝には車と別荘があるから友達を続けるというけい子。 家にまで愛人を呼び込むモトコ・桜井。嫌気が差して荷物まとめて出て行こうとするけど、結局出ていかないパパ。 彼らと、安保反対と叫びつつ、朝鮮特需の恩恵を受けて平和で贅沢な暮らしはしっかり謳歌する、当時の日本の大学生が重なってしまう。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-12-10 00:06:50)《改行有》

277.  アンブレイカブル 《ネタバレ》 - Unbreakable - “壊せない”。ある意味ネタバレ?自己紹介?なタイトルなんだけど、他に“(暗号が)解読できない”。って意味もあるそう。なんかコッチだと、シャマラン監督から観客への挑戦状にも思える。 確かに前作の完成度を考えると、ちょっとランクダウン感はあったけど、私にとって“まぁ楽しめたシャマラン作品”だったので、こちらでの点数に驚いてしまった。こんなに低いの?レディ・イン・ザ・ウォーターより下??まじか… 序盤の鉄道のゆらゆらしたカメラは印象深いし、事故後もう一人の生存者の、白いシャツに血がジワ~~っと滲むシーン。「数分後にはあなた一人になるでしょう」はショッキングだった。ベンチプレスで重りを追加する度にジョセフが後ろに下がっていくのも可愛い。デビッドが『これ俺、内緒な』ってジョセフに新聞見せるシーンも静かで良かった。当時のアメコミヒーローと言えばバットマンはお洒落にリメイクされ、X-MENは新時代のヒーロー物をCGでド派手に。そんな時代、リアル路線に傾倒したアメコミヒーローもアリだと思った。 シックスセンスの大ヒットで、シャマラン映画は予想外の結末を期待するものだってレッテルを貼られてしまったように思う。そんな期待に正面からガチンコ勝負を挑んだのが本作かもしれない。上に書いたタイトルにしても、『真実を知る覚悟はあるか?』ってキャッチコピーにしても、劇中のイライジャの母の台詞「この話、最後に驚くのよ」にしても。 シャマラン監督、この映画の結末にだいぶ自信があったんだろう。前作同様に観客が「あぁ、やられた!」って思うだろうと。でも多くの評価は「前作ほどじゃないね」って感じ?私は「なるほど~」って感じだったかな。イライジャの秘密は予想外で、不満はなかったけど、それよりデビッドが超人的能力を身に着けた、理由?キッカケ?が知りたかったんだけど…って、肩透かし感はあったかも。 前作を楽しんだ人が、同様の刺激、驚きの結末を期待して観に来ている以上、ハードルが上がりすぎたんじゃないかなぁ?もしシックスセンスよりコッチが先に公開されていたら、もう少し評価は変わっていたかも? それか公開時は監督名を伏せておいて、映画の最後の最後に『実はシャマラン監督作品でしたー』とかって。そうなるともうネタ映画か。[映画館(字幕)] 6点(2022-12-08 22:56:30)《改行有》

278.  哀愁 《ネタバレ》 - Waterloo Bridge - “ウォータールー橋”ナポレオンの『ワーテルローの戦い』から名付けられた橋なんだそうな。なるほど。 印象的な白いビリケンさんのお守り。1908年辺りに特許が~とあるから、マイラも流行りものとして一つ持ってたのかも。 ロイを好きにならなかったら、彼女はバレリーナとして、花形にはなれなくとも、淡々と生きていたかもしれない。 劇団を解雇され、娼婦に身を落としながらも懸命に生きてきたマイラ。ロイとの再会が無ければ、死を選ぶこともなかっただろう。 幸せを掴もうとしたが為の悲劇。マイラがあまりに純粋だからこその悲劇。彼女に人並みのしたたかさがあれば。 マイラに一目惚れし、大佐との食事を断ってまでバレエ劇場に足を運んだロイ。 戦地への赴任延期の日を、マイラとの結婚に使う、ある意味強引で、自分の感情に真っ直ぐな性格なんだろう。 家柄の良さからか、戦時中に職を失った女性がどのように生きていたのか想像もしない辺り、ロイもまた純粋だった。 キティ。純粋な2人を結びつけたいと、マイラと一緒に(というかトバッチリに近いカタチで)劇団を解雇され、彼女を見捨てること無く、黙って娼婦に身を落としたキティが素晴らしすぎる。 ある意味虫が良すぎるマイラ提案の玉の輿作戦。見方によってはキティを蔑ろにする行為なのに、快く送り出す優しさも素晴らしすぎる。 ロイがマイラを探して訪ねてきた時も、ストレートな物言いをせずに黙々と案内するところも素晴らしすぎる。 キティとマイラが初登場する時、「空襲警報だわ」って、マイラの前にグイッと割って入って言うところ含め、この映画の影の主役は二人を結びつけるために活躍したキティ。白いビリケンさんをロイに渡して以降、白いキティが常にマイラを守ってた。あまりに素晴らしすぎるキティ。[DVD(字幕)] 7点(2022-12-04 18:51:07)(良:1票) 《改行有》

279.  エイリアン 《ネタバレ》 - Alien - この映画では“異星人”。外国の人を差別的に“ガイジン”って呼ぶニュアンスが近い気がする。 H・R・ギーガーデザインの、一度見たら忘れられないエイリアンの造形。幼少期から「あの映画は怖い」と言われ続けていたせいか、ビビリの私の初視聴はエイリアン2より後のことになった。 昔のSFの宇宙船内と言えば、銀色のピチピチの宇宙スーツを着た人。電球がチカチカした謎の電子演算器。だけどイスとか操縦桿だけは今の時代でもありそうな仕様…みたいな印象だった。 マザーはSFらしく電球チカチカだったけど、クルーは今の時代とそう変わらないラフな服装で、船内には蛍光灯の明かり。コンピューターとキーボードが使われてて、マグカップや水飲み鳥といった小物類は、当時の現代そのままなのが、逆に新しく観えた。'80年代に多く創られた“近未来モノ”の走りだったと思う。 彼らの服装や生活環境が現代と変わらないことで、未来の宇宙船クルーたちに、現代人を超越した特殊能力が無いことと、エイリアンの造形の異形さ、宇宙生物の生態、果ては白い血を流す人造人間アッシュの衝撃を際立たせることに成功していたと思う。 ブレットとダラスは消息不明(血の一滴も残さずに)になり、パーカーとランバートは殺害されて、遺体も観えるところに放置。この違いは何だろう?? 元々スペースジョッキーと呼ばれる大型宇宙人に寄生していたであろうエイリアン。地球人に初めて寄生し、ブレットとダラスから構造や弱点を研究もしくは吸収したのかな?って。人間の言葉なんかも理解して、生き残りのクルーが宇宙船を爆破して脱出することも解ってたんだろう。 人体構造なんかは充分に研究出来たから、もう興味のないパーカーたちは殺して、雑に放置したのかも。時間もないの解ってて。 でも性別の違うランバートは研究しないの?って思うけど、もうこの時にはもう一人の雌、リプレーに目を付けていたんじゃないかな。 映画見る前後に、ダラスとリプレーは恋人だった。とかって設定?を、何かで見たような気がしたんだ。なので、エイリアンの中のダラスの記憶で、リプレーは殺すつもりはなく(もちろん猫のジョーンズは無害な生き物なのも知ってた)、彼女とともに爆発する宇宙船を脱出する魂胆だったんだろう。 …なんて。ディレクターズ・カット版があるって知らなかったな。オリジナルを観て思ったことね。 性器を連想させるエイリアンのデザイン。アッシュが平凡パンチ丸めてリプレーの口に突っ込むの。意味が解らないけどエロティックだった。シガニー・ウィーバーのパンツ小っさ。フェイスハガーの死骸を、危険だからと持ち帰るのに反対されたアッシュの「だけどゾンビじゃあるまいし」って台詞。一年前にゾンビが大ヒットしたから入れたんだろう。 当時は宇宙を舞台にしたホラー映画として創られたんだろうけど、ホラーの枠を超えたSF映画の金字塔ですね。[ビデオ(字幕)] 8点(2022-12-04 17:14:16)《改行有》

280.  グリーンブック 《ネタバレ》 - Green Book(=The Negro Motorist Green Book) -  “グリーンによる黒人ドライバーのための旅行ガイドブック”。著者が黒人の作家ビクター・グリーンさんなので、グリーンブック。 黒人への人種差別がまだまだ色濃い時代に、白人運転手が黒人ピアニストを乗せてアメリカ南部を移動する。考えただけでもとても興味深いロードムービーで、アカデミー作品賞受賞の快挙含め、ドライビング・ミス・デイジーやレインマンが思い浮かぶ。 「ワオ!ケンタッキー州でケンタッキーフライドチキン!!」子供のように興奮するトニーにすっかりやられてしまった。あのチキンの大きさ。なんと食べごたえの有りそうな姿。こないだ買ったセットのやつは、一番大きいのでも私の握りこぶしより小さかったぞ。私の学生時代と比べても絶対小型化してる。 あぁでも食べたくなるなるケンタッキー。初めての人にも食べやすいドラムから渡すの、トニーの優しさだよね。ドンが美味しそうに食べて、キールも勧められて…チキン食べる時のベストな流れだよね。骨の処理で距離が縮まって、その後の「(紙コップ)拾いなさい」で見事に落ちてる。素晴らしい。ただ当時、空き缶でさえポイ捨てが日常茶飯事だった(であろう)時代に、紙コップごときで車戻すか?というと、さすがに創作だろうなとは思う。 楽しく観終わって、映画界やドンの遺族から批判的な意見が出ていたことを知り、ちょっと複雑な気持ちになった。映画としてとても面白く、まとまりも良く、テーマも伝わり、ドクター・シャーリーにとても興味も持てて、当時の黒人差別に理不尽さを、充分に感じとれたからだ。 “映画ではあのように表現していたけど、本来はこうだった”なら批判も解るけど、“本来はあぁではなかった。と思う”だけでは、良い物語を潰すことは出来ても、創ることは出来ない。あの時代に紙コップを拾うのを、有り得ないと批判するのではなく、映画としてのデフォルメとして楽しく観て、映画が伝えたい何かを少しでも吸収できたら、それは良い映画と出会えた。って言えるんじゃないだろうか。 最終公演の決断から、オレンジバードで楽しそうにスタインウェイ“じゃない”ピアノを弾くドンに嬉しくなった。帰り道の警官。トニーの家と、テンションどんどん上がってハッピーに終わるこの映画が、私は大好きだぁ![CS・衛星(字幕)] 9点(2022-11-27 22:06:08)(良:1票) 《改行有》

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