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301.  ボビー・フィッシャーを探して 《ネタバレ》 きれいだし、上手いし、いい作品だとは思うんだけど、なんだか物足りなさも残る作品。チェスがわかるわからないではない、そこは問題ではない、けど引っかかりが残った。 ■負けられない立場に立つことの怖さ、負かすことで相手を不幸にしてしまうという悲しさ、楽しみのはずのチェスがいつの間にか義務になっていて楽しめない辛さ(ゲームとプロの狭間)、ただチェスの世界にそのためだけに生きればいいのかという問題、父親やブルースが(恐らく)自らの「あまり勝てなかった人生」の代理としてジョシュに勝たせようとしている難しさ、本作では人生でぶつかる大きな問題を「子供」という目から描き出してくれる。それは非常にいい。 ■しかし、本作ではそうした「投げられた問題」に対して決着をつけてくれない。こうしたジレンマは、すべて「ジョシュが勝てなくなること」によって引き起こされる問題である。例えば「大会で負けてもいいや」と思って公園で楽しくスピードチェスに興じるか、勝つために辛い特訓を必死にし続けるか(それでも勝てる保証はない)、等々。だが、本作では結局、ジョシュが「勝ってしまう」ことでこれらの「投げられた問題」を勝手に解消して終わらせてしまう。要するに物語としてこの問題に正面から取り組んでくれないのだ。扱おうとした問題が非常にいいものであっただけに、それをすべて肩透かしさせる展開は残念だった。[DVD(字幕)] 7点(2011-03-20 01:03:55)(良:1票) 《改行有》

302.  暗い日曜日 《ネタバレ》 音楽と画が美しいのだが、しかしそれだけでなくストーリーも練られていて素晴らしいの一言。 ■骨格は言ってしまえば三角関係なのだが、そこで描かれる心情が一人一人絶妙で、微妙な距離感と仲違い、恋心の微妙な移り変わりなどがうまく描き出されている。本来的には「一対一」であるはずの恋愛関係が微妙なバランスで揺れていく。 ■そして何と言ってもイロナが美しい。しかし彼女は相当に精神は強い(男二人は結局耐えられず死んだわけだ)。二人の男との間をとっていくのも、一歩引いてみれば相当に狡猾でやり手なわけだし、最後はきちんと復讐を成し遂げるわけだし。 ■ナチスとの絡みは、他の方も触れているが完全に「シンドラーのリスト」の裏返し。あちらでは「英雄」とされているシンドラーのポジションだが、こっちでのハンスは世間的には「ユダヤ人を逃がした良心的な将校」だが、その近くにいた人から見ればああいうあくどい振舞いになる。ハンスが他の方も書いているほど極悪なのかはなかなか微妙なところだとは思うが、人間味のある一面(最初の方の橋から飛ぶところとか)もありつつ、私腹を肥やす非道さもあるというきわどいポジションは巧く描かれていた。 ■しかしああまとめてきたのかぁ。。。もう一回冒頭からきちんと見たくなるタイプの作品。[DVD(字幕)] 7点(2011-03-18 01:22:54)(良:1票) 《改行有》

303.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 黒澤を「世界のクロサワ」に押し上げた記念碑的作品。尺も90分以下というコンパクトさ。印象としては、音の聞き取りにくさはあるものの、画は現在でも十分に勝負できるものだと思った。 ■カメラワーク、構図の取り方がうまい。そして実は細かな工夫をいろいろしている。例えば雨が見えるようにするために、あの雨には実は色が付けてある(墨を溶かしたと聞いた)とか。 ■ストーリーは、各人のエゴによって真実が「藪の中」にされていく過程が描き出される。各人が何を守りたく、そのためにどういう物語を語るかというのは、きちんと考えてみるとなかなか面白い。各人の話の中では、皆語り手が「(仕方なく)殺した」と、殺人の役は引き受けているところがまた興味深い。 ■個人的には、最後に真実らしいものを志村が語ってしまうところと、最後に希望を見出してしまうところとが若干残念。こういう流れなら最後の最後まで真相は「藪の中」にするような構図にしてほしかったし、志村が短刀を盗んだとはいえ善人、というポジションはなんか息詰まる展開をラストで抜いてしまっている。志村を最後で超悪人のようにしてしまってもいいし、そうでないなら三人の言い争いをもっと引っ張ってもいいと思った。[DVD(邦画)] 7点(2011-03-05 00:24:40)(良:1票) 《改行有》

304.  第三の男 《ネタバレ》 サスペンス・ミステリの古典と呼ばれることも多い名作。なるほど、ストーリーがそこまで複雑なわけではないが、普通に楽しめた。最近のミステリが複雑にしすぎていることを考えると、このくらいの方がシンプルでいい気もする。 ■この映画は、ハリーの埋葬で始まり、ハリーの埋葬で終わる。最初と最後がかぶって来るところは印象的。あの並木道は有名なシーン。あと観覧車、地下水道、ウェルズの影からの出現シーン等、あちこちで見かけたシーンはこれだったのか、と再発見。 ■やはり観覧車のシーンが印象的。上から粒のような人を眺めて「あれが一人消えて何になる」というのは、「人がごみのようだ」にも通ずるが、こっちは実写なだけに人間の消し去ろうと思えば簡単に消えてしまうもろさを感じる。[DVD(字幕)] 7点(2011-01-09 01:39:14)《改行有》

305.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 三時間半を超える長い尺で描き出されるユダヤ人虐殺の悲劇。だがその印象としては、本作を「ユダヤ人に起こった悲劇についてのドキュメンタリー・記録」として見るならば一級品だと思うが、「シンドラーという一人の男の物語」として見るならば失敗作だと思う。 ■ユダヤ人がどのように迫害され虐殺されていくか。本作の大半の時間は、タイトルから予想されるシンドラーという人間についてではなく、名もなきユダヤ人たちの悲劇の描写に費やされる。遊び半分で殺されていく収容所のユダヤ人たち。あの、ついさっきまでは命があったのに、撃たれた瞬間にパタッと倒れる描写は相当リアルだ。カラーの服の女の子の使い方も巧妙。シャワー室の伏線を張りながらあっち側に落とすのも憎いやり方。そしてラストの石を置いていくシーンで物語の真実さを浮き彫りにする。 ■だが、シンドラーの描き方は相当ひどい。前半で金もうけのためとしてユダヤ人を使っているのはいいのだが、そこから後半の人格者への変化のプロセスがほとんど描かれていないのはあまりに問題。それに「ユダヤ人を助けるための執念と努力のさま」が金以外の形ではほとんど描かれていないのも大きくマイナス。結局シンドラーの内心がまったく見えてこないというのでは、本作をアカデミー賞作品賞をとるような「映画」として見た場合には、高い評価は与えられない。 ■しかし最後のテロップで、戦後にシンドラーは事業も結婚も失敗したということを知ったが、運命というのは決して報われるようにできているわけではないんだなぁとつくづく思った。ユダヤ人の運命が不条理だとすれば、シンドラーの運命も相当不条理なものだろう。 ■本作が賞狙いという批判もあるようだが、賞狙いだとすればナチスによるユダヤ人虐殺をあれほどまでに描いた(それを世界に知らしめた)方であって、シンドラーの描写の方ではないと思う。というかあのような掘り下げない人物描写で賞狙いだったら驚愕せざるを得ない。[DVD(字幕)] 7点(2011-01-02 01:03:50)(良:1票) 《改行有》

306.  ミッシング(1982) 《ネタバレ》 軍事クーデターが起きているチリで失踪した夫/息子を探す物語だが、最後に再びの再会を果たしてハッピーエンドというような展開を考えているとガツンとやられる。 ■山場はラスト付近、チャーリーが死んだことを知った後の、白々しいアメリカ側とのやりとりではなかろうか。結局のところアメリカはチリ政府に処刑のGOを出し、見殺しにする。それを悪びれることもなく堂々と認めている。空港での「アメリカは許さないぞ」とのセリフもむなしく、最後のテロップで告訴却下の旨が観客には知らされる。 ■しかし、展開としては前半は時系列がなぜかねじれていて見づらく、ラストまでは別段情報が増えることもなく淡々と聞き込みを繰り返すだけという平板な展開なのはあまり頂けない。時系列をひねったのは「始まったときにはすでに終わっていた(処刑されていた)」という風にしたかったのかもしれないが、余計な演出の印象。平板なのは実話だから仕方がない面もあるが、同監督で同じく実話ベースの「Z」の緊迫感と比べても、本作の単調さは否めない。いい題材なだけに残念。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-29 23:43:14)《改行有》

307.  レスラー 《ネタバレ》 「落ち目の男」を描くという、珍しいけど外さなそうなポイントを、これまた素晴らしいチョイスでミッキー・ロークを持ってきての本作。 ■本作の一つのポイントは、落ちぶれたのが周りの冷遇のせいだけではなく、明らかに本人の責任であるものも多い(娘の約束すっぽかすと・・・)という点だろう。そのポイントが、ランディに同情するかどうかという話ではなく、純粋に「武骨でダメな男の生きざま」になっているのだろう。あまりあの生き方に憧れはしないが、盛りを過ぎると自分もこうなるのかなと思いながら見ていた。 ■さて、あまり関係なさそうだが、これを見ながら美空ひばりの復活コンサートのことを思い出していた。あれもかなり無理をした復活コンサート直後に倒れている。やはり栄光のプロは自分の生きる場所、そして死に場所を最後まで自分のステージに求めているのだろう。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-27 00:34:13)《改行有》

308.  エグザム 《ネタバレ》 ワンシチュエーションものは「CUBE」「SAW」などに追従していろいろと出てきているが、本作はかなりレベルの高い部類の属すると思う。決してグロ描写等に訴えて逃げるのではなく、徹底して知能戦を繰り広げるのは好感。 ■最初の感じは「SAW」に近いのかと思わされたが、むしろ「CUBE」に近い印象(いる人間の本性が徐々に明らかになってくる感じなど)を受けた。仕掛け自体は引っかけクイズレベルだが、それを包み隠す雰囲気がうまく、きちんと引っかかってしまった。 ■個人的には、最初に動きだした男の読み「残りのものを失格にすればよい」だと思ったのだが、違ったのね。あのタイマーはきっと何か仕掛けられる(ドラマ「ライアーゲーム」の最初の一億円争奪戦で似たようなのがあったし)とは思ったけど。 ■ただ、最後の撃つ展開は無駄な気がした。あそこで一気に非現実的技術の印象を受けてしまったし。収束はもう少しうまくやれた感じ。その辺が少し心残り。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-23 23:24:42)(良:1票) 《改行有》

309.  イントゥ・ザ・ワイルド 《ネタバレ》 恐らく多くのレビュワーの方々の感想とは逆に、見ている間はなんとなくいい感じの映画に思っていたのだが、見終わってから振り返るとコマ切れの話のつなぎ合わせ出しかなく、映画のポイントが頭に浮かんでこない、そういう感じの映画だった。 ■会っていった人々との個々のエピソードはなかなか感慨深いのだが、全体としての連結性があまり見えてこないのと、カットバックを多用して時系列にしていないことの効果が「わかりにくくなる」以外にほとんど感じられなかったのとが大きくマイナス。「なぜ旅に出ていったのか」「旅のと途中で出会った人々との交流で、彼はどう成長・変化していったのか」「荒野に一人生きることとは」という3つのそれぞれ重要なテーマをすべて混在させたまま「まあ実話なので」という感じでつないでしまい、焦点がわからなくなってしまった印象。 ■なお、彼が荒野に向かったのは自立でも成長でも、ましてや文明の超越でもない。「人工/自然」という構図自体が近代・文明の所産なのであり、ひたすら自然に向かうのはその裏返し、反転した純化思想に過ぎない。 また、彼は両親とのいびつな関係において愛を受けることが出来なかった。そのため、人と向き合い、自分をさらけ出し、互いに信じあえるような関係を築くという道ではなく、人を避け続けることで「人と向き合えない、向き合うのが怖い自分」を伏せてしまう道を選んだ。彼の生き方は充実はしていた。しかし最後、彼は「幸福を分かち合える仲間」の重要性に孤独の中でやっと気付かされた。 ■ちなみにほとんど表に出てきてないが、同一の環境で育ちながら家を飛び出していったわけではない彼の妹(映画の語り手)との対比というのは実は重要ではなかろうか。別に彼が旅に出たのは環境の必然ではない。妹のナレーションでは「繊細」という語が用いられていたが、彼は傷つきやすかったがゆえに傷つかない環境へ消え去った。他方の妹はそうした傷を甘受するだけの、よくいえば忍耐、悪くいえば鈍感さ、を持ち合わせていた。そういうことだろう。[DVD(字幕)] 7点(2010-11-03 00:47:53)(良:1票) 《改行有》

310.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 《ネタバレ》 スピルバーグ監督ということもあり、エンタメとして見ればすっきり楽しめる。ただそれ以上の深みという点で言うとそこまでは押しこめないかなー、という印象だった。 ■「実話」ということで、明らかにとんでもない展開(どこまで実話なんだろうか?)の正当化になっているのは、まあエンタメだし見逃してもいいんじゃないかな。医者になり済ますのとかはさすがにやり過ぎ感あるが。でも司法試験受かるだけの実力もあるし、陰でビデオ見ながら相当勉強しているシーンもあるから、結構努力したのかも。 ■家族とかドラマ的な側面は、やっぱりトム・ハンクスやクリストファー・ウォーケンの演技の「深み」と比べると、このころのディカプリオはまだ甘いマスクで持っていくだけで、厳しいけど「心の深み」みたいな部分はあまりうまく描かれてない(演じきれてない)印象。脚本としても逃げ回ったり好き勝手やったりするシーンが多くて、家族の差し込み方としては弱い。父親の死を聞いた後で悲しんでいるようにして飛行機から逃げるのは、目的があれであっても「父親の死を悲しんでるふりをして逃げるのに利用した」と見られても仕方がない感じだし。 ■結局、一人の人間の波乱万丈さを140分で描こうとしたので、ここのエピソードが詰め込まれすぎて単発で終わってしまった印象なのかなー、一つ一つはすごく面白いのに。とはいえ楽しめたからこの点数[DVD(字幕)] 7点(2010-09-30 00:11:12)《改行有》

311.  第十七捕虜収容所 《ネタバレ》 脱獄ものでも戦争映画でも人間ドラマでもない、微妙な立ち位置の収容所もの。一応「ミステリ×コメディ」なんだろうけど、どちらから見ても微妙さは残る。 ■コメディとしては、笑えたシーンはヒトラーのモノマネとペンキくらいか。逆にミステリーとしては解きようがない。だから前半はいきなり二人死んでいい感じの流れながら、かなりだれてる印象。 ■むしろ犯人が分かった後のサスペンス的な展開の方がいい。でもだとしたら前半思い切り短くして、早めから犯人明らかにした方がよかったかと。さらりと逃げていってしまうところも狡猾で抜け目ない。タコ殴りにしてしまったがゆえにあそこはどうしようもないわけで、殴られても殴られ損にしないというか、むしろそこまで読んでいたのかと思うぐらいでホントに抜け目がない。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-08 00:38:24)《改行有》

312.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 ブラックユーモアってゲラゲラともクスクスとも笑うものとは違う気はするけど、なんか肌に合わなかった。笑ったのはコーラのシーンぐらい。これならシリアスな「未知への飛行」の方が断然いい。 ■セラーズの三役はお見事としか言いようがない。が、この作品で一人三役である必要性ってあったのかなぁ[DVD(字幕)] 7点(2010-08-31 02:26:23)《改行有》

313.  ラ・ジュテ 《ネタバレ》 全編静止画&ナレーションで徹底してドライに作り、ワンカットだけ動画を挟み込むという画期的映画。のちに「12モンキーズ」でリメイクされている。ニコ動に英語字幕のしかなかったので仕方なくそれで鑑賞。 ■けど、画期的であるので一度見る価値はあると思うが、二度見るかと言われると多分みない。英語字幕というのもあるけど展開に追いつけないのと、なんか内容はそこまででもないのと。 ■というかしっかり見てないと普通に動画になるワンカットを見逃す。動くのってラストじゃないのね・・・[インターネット(字幕)] 7点(2010-08-30 01:17:26)《改行有》

314.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 期待したんだけど、イマイチだった。ラッセル・クロウはこんなさえない男もきちんと演じられるんだなという点は評価できるけど。 ■全体として駆け足で描き過ぎ。事実をポンポン書いていった印象で、個人的には深みに欠ける印象を受けた。あと、いわゆる「夢オチ」をやってのけるのはどうなんだろう・・・中盤で明かしてるからオチ勝負ではないのはわかるけど、なんかあれは微妙。夢オチ系統は基本的にやりたい放題出来てしまうから、よほどうまく作らないと締まらないという印象だが、本作はそこまでではなかった。 ■あと、ノーベル賞で終わりにするのもなんだかなぁという感じ。賞って所詮賞なわけで。研究者の求めるべきものは数学や科学の発展、真理の探究であって、賞の受賞じゃないし、ナッシュ当人もきっとそうだと思う。 ■細かいけど、最初の方のナッシュ均衡の例はおかしい。ナッシュ均衡だと誰も自分の選択を動かさないが、あれだと今の状態(ほどほどの女を狙う)から一番美人の女を誰かが狙うように変更するのが最適になるのでおかしい。[DVD(吹替)] 7点(2010-08-29 00:16:24)《改行有》

315.  ある殺し屋 《ネタバレ》 風貌は殺し屋のようではないが、仕事は完璧にこなしていく殺し屋、塩沢。最後にきちんと分け前を与えるところが律儀でこれもまたカッコいい。 ■しかし、前半を時間軸をあえて崩した意図がイマイチわからない。ただ混乱させるだけなのかこれは???そこら辺がスタイリッシュではあるがあんまり好かないので減点。しかし全体にいい雰囲気でコンパクトに最後まで持っていっていて、いい映画だと思う[DVD(邦画)] 7点(2010-08-10 00:30:39)《改行有》

316.  ディープエンド・オブ・オーシャン 《ネタバレ》 ■家族、そして親子のつながりとは何か。本作はそういったことを問いかけてくる。 ■母と兄はそれぞれ自分の過失で弟がいなくなってしまう。それぞれ自分を責めつつ、周りのことが見えなくなってしまう。母は周りに過剰に当たり散らす。「子供のために尽くす」ことは必要でも「子供を生きがいにする」にしてはいけない。ここら辺、ドライな(そして母を責めている)父と対比的だ。 ■そして突然息子が帰ってくる。息子は今までいた家の方が居心地がいい。当然だ。いきなり「あなたのお父さんは実はお父さんではないんですよ」などといわれて知らない家に放り込まれたら誰だって耐えられない。両親は「息子がいること」の方を目的化してしまい、まさに「子供を生きがいに」してしまう。兄は虐げられ、妹は存在すら隠される状況である。 ■しかしそれがまずいと気づいた母は息子を元の家に帰す決断を下す。しかし、弟から兄に歩み寄る。やっぱり一緒にいたいし、血の通う者同士の思いもあるのだろう。「消えちまえ」とよく言われていたことからも、元の家での生活も苦しかったことが思い起こされる。 ■しかし、兄弟の仲は回復したが、父母がこれで上手くいっていたのかはよくわからない。いまだに父は「子供を生きがいに」してしまっているかもしれない。「息子が帰ってきた」だけだとそうも捉えられる。だから安易に「ハッピーエンド」とは言い切れない。 ■そして、誘拐犯のセシルも意外と重要なのではないか。生まれた子供が死に、自分も体調を崩す。再婚だと言っていたから、夫との仲も破綻したのだろう。そんな中、子供に恵まれた母ベスを見たらどう思うか。きっとセシルはセシルで、子供を連れてくることで自分の「空白」を埋めようとしたのだろう。しかしその空白は「よそから持ってきたもの」では埋まらなかった。傷は深まるばかり。だから結局「死んだら楽になる」と自ら死を選んでしまったのだろう。[DVD(字幕)] 7点(2010-07-27 01:15:05)《改行有》

317.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 ■これから見る人は字幕を付けた方がいいかと思います。それくらい聞き取りにくい。実際どういう陰謀が起きてて、誰が誰と対立してるのかも一回見てもよくわからなかった。 ■最初は人柄のいい人だった鷲津が段々転落していく。しかし肝はあの奥さんでしょう。奥さんがそそのかして悪い方へと転がっていく。手を汚す身と、それにくっついていればいい身とでは判断も変わるのだろうか。こういう展開は他の映画にも多い。しかしああいう女は本当に怖い。。。 ■ラストの矢が降り注ぐシーンは圧巻。冷静にみるとあんなに近くにまとめて射ていながら全部そろって少し右とかではずれるというのはもはやコメディだが。[DVD(邦画)] 7点(2010-07-22 01:57:48)《改行有》

318.  ストーカー(1979) 《ネタバレ》 この映画は、徹底して「描かない」ことによってゾーンを描きだすという逆説的手法をとっている。ただ淡々と、そして部分のみを描き出すことで、観客は己の想像力で周りの空白を埋めていく。そう、それはまさにゾーンの「部屋」の構造と同じである。「部屋」は自分の無意識(本性)を表に出す部屋であるが、それは自分の想像=本性が埋めていく「周りの世界」そのものである。 最も身近でありながら究極の謎、自分の真の存在を知ることのできる「部屋」。ストーカーはそれを特権的なものと認識し、ゾーンに依存してしまう。だが作家と教授は「自分」を謎に包むことによってリアルを生きる方を選択する。真実はときに残酷であり、認めがたい。だから「部屋」は封印される。 しかし信じがたいことも起こる。最後の「奇跡」はリアルに生きるしかないわれわれに一片の希望を見せている。 しかし長い![DVD(字幕)] 7点(2010-07-11 23:40:18)《改行有》

319.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 《ネタバレ》 高評価で話題の作なので、アニメにしては珍しく借りてみてみた。泣けはしなかったけど、戦いの決意をするシーンと撃たれるシーンで鳥肌はたった。 時代考証もよくできているようだし、身分差のある恋という使われたネタながら「子供」というフィルターを通してみることによって、それをあまりにも無垢な視点から切り取ることが出来るんだなぁと思った。 ただ、ラストで撃たれるのがあまりに唐突過ぎて、この演出をするためにとってつけたような感があった。勝ち戦の帰り道にとかさすがにあれな展開だしね。それと、オトナ帝国と比較した場合、「ずるいぞ」だけですべてを表した前作に比べて今作の「逃げるな」以降は説明しすぎなのと、主体をしんちゃんシリーズでない人にしてしまっているためかもしれないが、前作のヒロシのエレベーターシーンとしんちゃんの階段駆け上がりに見れる執念の要素が、今作では今一つ見えてこなかった。 なお、前作と今作を比較してのメッセージ性については、191番のはちーご=さんのレビューが秀逸だと思うので参照していただきたい。[DVD(邦画)] 7点(2010-07-05 01:49:43)《改行有》

320.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 ■うーん、いい話なんだけどイマイチ足りないところがある感じ。その根本原因は「なぜ弱小南アチームが強くなったかがまったく描かれていないので、WCでの勝ち上がりにも思い入れが出来ない」という点にあると思う。南アが弱いということが事実に反していてもそれはいいが、でもというか、ならなおさら南アが強くなるプロセス、あるいは奇跡の勝利を収めるに値する何か、を事前に差し込んでほしかった。それが「大統領の応援」だけだというのでは拍子抜け。 ■他方、マンデラ大統領の重み、ドラマは上手く描けていたと思う。「赦し」の難しさ、それを実現させていくマンデラのすごさ、等々。みんな「一人の魂の指導者・・・」を引いてるけど、個人的には凡庸ながら「危険を冒せないものは指導者になれない」っていう台詞が好き。 ■というわけで、悪くないんだけど、スポ根に大切な「勝つ為の秘訣」が見えなかったので2点減点。いい映画だとは思うんだけどね。なんだかんだラストの勝利はぐっとくるし[映画館(字幕)] 7点(2010-06-25 02:17:32)(良:1票) 《改行有》

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