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301.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 - OBLIVION - “ 忘却 ” 地球侵略から60年という時間が流れた2077年。ミスリードという意味でも意味深なタイトル。 荒廃した地球と宇宙人の侵略を描いたSFを下地としながら、相思相愛の夫婦と、一方的な片思い。三角関係がメインなのは面白い。 ブレードランナー辺りからの近未来サイバーパンクなゴチャメカSFが過去のものになった今、スッキリした球体コックピットの飛行機は、動きの観せ方も機内からの視界も面白かった。 2013年って、ドローン(兵器)の世の中への浸透具合って、どんなものだったろう?ジェットエンジンか何かが着いてて、何かを燃焼させて推進力を作っているのは、今のドローンとは違うけど、警告音?の不快感と威圧感が怖い。顔の真ん中の(×)印も怒ってるみたいで怖い。ジャックに直してもらって無愛想に飛び立つのも、テットが創ったものと考えたら納得。 物語の流れから「これトム・クルーズでなくウィル・スミスの映画っぽい」とは思ったけど、ウィルだとイマイチ三角関係が成立しないんだよな。やっぱ色気のあるトムでないと。 で、この結末に納得して良いのか悪いのかも解らないけど、ジュリアにしてみれば49番くんでも52番くんでも同じ…かな。かな? エンディングは3年後。その3年間にジャックとサイクスがジャックのクローンたちを一人残らずプチプチ殺してきたんだと思ってたけど…なんかイヤだな。他のはともかく、52番ヴィカはどうしてるんだろう?52番ジャックが帰ってくるのを、一人寂しく待てるんだろうか?それはそれで、切ないね。 タイトルだけど、“忘れてた”んでなく“知らなかった”が正しい気もする。テットの技術力で、記憶は作り替えてしまうとか、出来なかったものだろうか?[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-11-03 21:43:46)《改行有》

302.  失楽園 《ネタバレ》 話題作ではあったけど、もう観る前から内容が予想できて、自分には関係のない映画として、今日まで放置してました。ただ90年代後半に、ここまでエロスを前面に出した邦画も珍しかったと思う。 本サイトのワーストランキングでも好成績。不倫というタブーを題材にしているから、頭ごなしに批判されやすい面もあると思うけど、そこは映画なんだし、強盗犯や殺人犯が主役の映画同様に楽しめたら何より…なんて、少しこの映画の肩を持ってやりたい気分。 不倫の醍醐味と思われる“どのように惹かれ合って、どのように始まったか”が描かれてないのって、これ強盗や殺人なら、犯罪の瞬間を描かないのと一緒。でもたぶんココを描いてしまうと、久木と凛子に共感してしまう人が増えるから省いた? 不倫はあくまで自分勝手な欲望を満たす、動物的な自己満足として観せるためにも、この2人に共感できない創りにしたのかもしれない。 ただねぇ、結婚してから本当に人を好きになることって、あることだと思う。50歳や38歳になって、あんな情熱的なSEXするのって、凄い。 ディープキス以外に直接的な性描写を極力描かず、また観えそうで観えない、ギリギリを攻めた訳でもない撮影と編集には感心した。観ていて下品じゃないんだよ。アダルトビデオと映画の違い。犯罪の決定的瞬間映像と犯罪映画の違い。さすが女性客がターゲットだっただけはあるかも。 突然離婚に話が進み、あっさり片付く久木家。聞きわけの良すぎる娘に違和感。彼氏を両親に紹介したばかりじゃなかった?既にバレていながら仮面夫婦を演じていたから、奥さんにバレてからの居心地の悪さや修羅場もなく、以前と変わらないご主人様ポジションの久木に、ちょっとイラッとする。少なくとも娘に父親ヅラするんじゃねぇ。奥さんも暴れるとかすればいいのに。この辺あまりに淡白で大人しくって、まるで免許更新の教習映画の不倫版みたい。久木ももう少し誤魔化しや悪足掻きがあっても良かったと思う。けど、これまたスリリングにしてしまうと、不倫の2人に共感してしまうから…なのかな? 久木の妻「もうすぐ、春ですから。」晴れて2人一緒になれて、貧しいながらも再出発すればいいのに、死んじゃうんだ。そんなだから、不倫のスリルを楽しんだだけ!とか禁断の愛だから盛り上がっただけ!とか言われるんだよ、貧しくても生きなきゃ。老いても愛さなきゃ。 キツく抱き合って同時に息を引きとる。なんてロマンチックに盛り上がる2人と対象的に、淡々とした死体検案調書。 本人たちには愛でしか無いんだけど、彼らを観る社会の目からは不倫の結末でしか無い。最後のあの場面、色んな意味で笑うところでしょ。[インターネット(邦画)] 4点(2022-11-03 19:58:08)《改行有》

303.  陽のあたる場所 《ネタバレ》 - A Place in the Sun - 原題まま。タイトルから上京した青年の成長物語っぽい爽やかな映画かと思いきや、実は身分違いの三角関係を扱った映画。なのはともかく、まさかのサスペンス。この意外性にヤラれました。 今ならよくあるサスペンスですが、私が妙に惹きつけられたのは、エリザベス・テーラーの美しさだけでなく、無駄に凝ったカメラ位置と音の入れ方です。 アメリカの発展を象徴するハイウェイ。ヒッチハイクする労働者階級の男の背中。振り向けば希望に満ち溢れた爽やかイケメン。『プヒポヒー♪』ここでアンジェラのオープンカーが通り過ぎます。高嶺の花の貴婦人。自分には廃品回収のオッサンの車がお似合いだ・・・このシーンでアンジェラにフォーカスしないのが良いんです。そして後々社長宅に現れるアンジェラ『プヒポヒー♪』振り向くと高嶺の花がこんな間近に!と、オープニングから前フリが素晴らしい。 社内恋愛禁止&女子寮侵入のスリルと、状況とは不釣り合いに陽気なボサノバを掛けるセンス。'51年の映画なのに。 湖の鳥の不気味な鳴き声が女の悲鳴のようにも聞こえる。刑務所の小鳥のさえずりも、きっとジョージを苦しめたに違いない。 ジョージとアリスが乗ったボートを、わざわざ船首から海面スレスレに撮った凝りまくりの画角を、ほんの一瞬しか使わないセンスも見逃せない。 アリスの事件を伝えるラジオ越しに、ボート遊びするジョージたち。ボートそっちのけでラジオにフォーカスするカメラの低さも唸らされる。 ヴィッカース邸に検事が来た時、わざわざクレーンで2階廊下のアンジェラをゆらゆら映し、部屋に入るアンジェラを壁ブチ抜きで映し続け、鏡越しに卒倒するまでを一連(※途中1階の議論が映るからワンカットではないけど)で収める拘りっぷり。 労働者階級と上流階級。恋愛の表と裏。真面目な青年と犯罪。陽のあたる場所とは何処を指すのか。 牧師の言葉「アリスを助けるべき時に、誰のことを考えていた?」心で犯した殺人。キリスト教らしい考えだけど、たしかに。人として重たく刺さる。 囚人が掛ける言葉「天国へ行けるよ(字幕)」聞き取りにくいが『ココよりは良い場所を見付けられるよ』みたいに聞こえる。これまたキリスト教らしい考えだけど、罪を認め、罪を償ったものが逝く先こそ “陽のあたる場所” なのかもしれない。 どうでも良いことだけど、この映画のエリザベス・テーラーって、どっかで観たと思ったら、手塚治虫のメルモちゃん(大人版)だわ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-11-03 18:38:08)(良:1票) 《改行有》

304.  バケモノの子 《ネタバレ》 画はとても綺麗なんだけど、結局何を伝えたい物語かよくわからなかった。 蓮がオープニングで語られた渋天街に行くあたりは、千と千尋のよう。きっと渋天街の不思議な習慣とかが描かれて、最後は人間の世界に帰っていく…のかと思いきや、中盤でアッサリというか行ったり来たり出来てしまう。 渋天街の住人はバケモノなんだろうけど、人間+動物の組み合わせで、そして現在より少し古い、機械化されていない普通の生活をしている。熊徹の巨大化とか、一郎彦の念力とかあるけど、特段ガラパゴス的進化は感じられなかったかな。これがバケモノ?容姿が違うだけで人間と同じなんじゃ?…なんか、不謹慎だけど、見世物小屋の牛女とかを思い出してしまった。 渋天街も最初こそ個性を出そうと頑張ってたように思えたけど、結局人間界のちょい古い時代に落ち着いてたように思う。渋谷と繋がってるなら、車とかスマホ、パソコンなど便利な技術とか持ち込んでもおかしくない気がするけど、それはしない謎。 蓮の成長物語(成長はするけど)かと思えば、熊徹の勝負がクライマックスっぽく、最後の一郎彦との戦いは、2人の因縁が薄すぎて、まるでとってつけたかのような印象。 熊徹が剣になって九太と一心同体になるのって、どうだろう?蓮これからお父さんと暮らして(イライラしそう!)、楓との男女の関係も進んで(やりにくい!)、勉強もいっぱい(退屈そう!)するんでしょ?熊徹が中の人って…剣として子の中で生きるなら、猪王山の方が、闇落ちから復活した一郎彦の中で生きるストーリーの方が、きっと多分スッキリ出来ただろう。 楓もいまいち何がしたくて、なぜ蓮と一緒にいるのかもよくわからない。蓮の父親の存在も、出て行った過程や、母の死後すぐに連絡が取れなかった過程、母方の親戚に父親があれだけ嫌われる理由が、あれだけのシーンでは想像つかず。そしてイマイチ共感出来ず、どうにも消化不良。[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-31 22:13:10)《改行有》

305.  デイズ・オブ・サンダー 《ネタバレ》 - Days of Thunder - “雷鳴の日”。 トムの新作を楽しみに劇場に足を運んだ人は、コールがレース慣れしてきた所で『この後ラウディと事故るんだろ?んで、精神的にダメージ受けて、それでも恐怖を克服して、最後勝つんだろ?』って思ったでしょ?私も思った。 でもって『ヒロイン(ニコール)出てきた。彼女に誤解されて、急に「あなたが好きになったの!」とかって感情的に告白して、ロマンチックにSEXして、喧嘩して、仲直りするんだろ?』って思ったでしょ?私も思った。 あのヒット作トップガンの監督と俳優で、飛行機を車に変えて、同じ事するんだもの。内容カブりまくってんだよ。バカにされてる気分だったわ。 ただストーリーはともかく、NASCARを扱った映画として『いまアイス食ってんだ!忙しいからピット・インするな!』とか『ペースカーにぶつけろ!』とか、実話・逸話を織り交ぜながら、CGを使わないナマの迫力が味わえる作品としては、評価するべきかもしれない。 この映画の影響で、後に名作ゲーム『デイトナU.S.A.』が誕生(そういやトップガンのあと『アフターバーナー』が出来たんだっけ)したのは個人的にデカい。それより何よりメロー・イエローがまだあるんだってビックリしたっけ。 せめてトム・クルーズ以外の俳優でやっていれば、映画界にうるさい人以外は素直に楽しめたかもしれない。 でもこの映画、当時調子に乗ってた(…いや人気絶頂だった)トムが、どうしてもカーレースの映画を撮りたくて、気になる女優ニコール・キッドマンと共演したくて、トニー・スコットの迫力あるカット割りで撮ってほしくて、同じく調子に乗ってた(…いやヒットメーカーの)ブラッカイマーがお金じゃぶじゃぶ使って撮った映画。って思うと、この映画の興行的成功と作品としての失敗を心から反省したのって、トニー・スコット監督だけだったのかもしれない。[映画館(字幕)] 5点(2022-10-30 14:01:28)《改行有》

306.  大人は判ってくれない 《ネタバレ》 - Les Quarte Cents Coups - “殴打400回”凄いタイトルだけど、フランスの慣用句が由来(『思いっきりやらかす』とかって意味だと思う)だそうです。英題は- The Four Hundred Blows - 邦題と違って直訳が多い気がします。でもとても良い邦題。映画の内容を解りやすく伝えようって、作品愛が感じられます。 『大人は(子供の気持ちを)判ってくれない。』とストレートに解釈しても良いんだけど、逆説的に『子供は判ってる』という事を伝えているんでしょうね。 アントワ―ヌは母親の連れ子なのに、その母親は夫との口論の際「子供を施設に入れなさいよ」と口にする。白昼の浮気現場を見られたその晩に。大人になるまで『別にそこに居てもいい』だけの家庭。実の母親に必要とされていない子にとって、家庭にどれほどの意味があるだろうか。「実は母が…死にました」は、咄嗟の嘘だけど、彼の中で本当に母親は死んだんだろう。 そんな母にとって、家出の手紙はショックだったんだろう。きっと自分の本心を見透かされたようで。だから彼女なりの精一杯の努力をしてみる。自分のベッドに寝かせ、過去の話をしたり、作文のご褒美を用意したり、家族で映画を観に行ったり。ただやっぱり、今の夫にもそれほどの愛情もなく、子供も邪魔な存在でしかない母にとって、アントワーヌの逮捕は願ってもない事件だったろう。 母親としてちゃんと進学させるよう、努力はしたけど駄目だった。最初から用意されていた結論ありきの問題と答え。家庭じゃあの子は育てられないから、あとは鑑別所でお願いね。という免罪符。 スタートから終了までをノーカットで長~く観せる遊園地のローター(乗ってみてぇ~楽しそぉ~)が印象的。アントワーヌが回ってるんだけど、ローターの遠心力で自由の効かないアントワーヌからは、世の中のみんなが回って見えるのだ。 もう一つ長くて印象的なのが、人形劇の赤ずきんちゃん(だよね?)。面白いところで笑い、ピンチのところに驚き、逆転劇のところに歓喜する。真剣な眼差しの子どもたち。対象的に如何に金を手に入れるか考えるアントワーヌとルネ。与えられるもので喜ぶ幼い子供と、与えられないものを得るために思案する2人。 そして最後にしてこの映画のハイライト。母親が望んだ鑑別所から、自らの意思で延々と走り去るアントワーヌ。追手が居ようと居まいと走り続ける。走ることで大人が子供に与えたもの全てを振り払う。教育や娯楽、ルールや罰則、不自由から逃れるのに必要な距離と時間。辿り着いた海岸は“子供としての最後”と解釈。何故ならそこから先はもう、与えられる立場(=子供)とは言えない存在になることだから。 『さぁ、これから、どうする?』最後の表情は、誰も答えてくれない質問を問い掛けているんだと、そんな風に思えました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-29 01:48:44)《改行有》

307.  漁港の肉子ちゃん 《ネタバレ》 なかなかクセが強いオープニングに、最後まで楽しめるかなぁ…と不安になったけど、考え方の大人びた小学生と、子供みたいな親。ついでに喋る動物。現代版じゃりン子チエみたいで案外しっかり楽しめました。 バスケから始まるマリアちゃんの乱。弱いもの救済の体で自分に都合の良いように画策、失敗。それに対し、ことぶきセンターで二宮に話す喜久子の本心がリアルで、観ていてこっちまで心が痛くなりました。不器用なマリアに比べて案外器用に世渡りをしていく喜久子。近くにいる友だちが固定でないのも器用な証拠だろうか。夏祭りなんてこのメンバーで行くんだぁって、これもまたリアル。 喜久子と二宮の関係も面白くて、お互いに変顔しあったり、運動会の時メダルをキラキラさせてみせたりも、なんか、良かったなぁ。 私としては喜久子とクラスメイトの話だけでも充分に楽しめたけど、出生にまつわるエピソードと、病院で肉子に本心を打ち明けるところは結構もらい泣きしましたよ。 原作未読だけど、平屋住まいをグラスボートにしてるのかな?電気は?ガスは?冬は?時化の時は?目覚めたら床下を魚が泳いでるのはメルヘンチックな感じだけど、そういうのちょっとジブリらし過ぎかな。 トトロネタも入ってたし、出てくる飯が美味そうなの…は、良かったと思うけど。 それよりトカゲやセミが喋ったり、神社が話しかけてきたりって、そのうち意味が解るだろうと思ってたら、結局どこにも繋がって無かったみたい。 あと霊媒師とか、肉子の前世の話とか。なんかそこで軽く触れるだけなら、無理に入れなくてもって思ってしまった。何で氷川神社がエロ神社って呼ばれてるのか知りたかったわ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-10-27 01:17:38)《改行有》

308.  OK牧場の決斗 《ネタバレ》 - Gunfight at the O.K. Corral- “O.K.コラルの銃撃戦”。O.K.はアリゾナ州のオールド・キンダースリーという地名。コラルは牧場というより牛を囲っている柵の範囲。 西部劇のタイトルを5つ挙げよ。って言われたら、高い確率で名前が上がる本作。聞き覚えのあるテーマソング。まるでミュージカルのように状況説明を含む歌詞だったのが、ちょっと斬新。 相変わらず“何で有名なのかイマイチ解らないエピソード”O.K.牧場の決斗。他に西部開拓史の実話ベースで有名なエピソードって無いんだべか? う~…このエピソード観るの2度めだよ。でもピンと来ない。ヒャッフー!ってならない。例えばもしかして、アメリカ人が巌流島の戦いの映画を観てもピンと来なかったりとか、するんだろうか?そういうこと? 前に観た“荒野の決闘”の方が、登場人物の魅力が出ていたような。ドク、女たち、悪者たち。特にワイアットが魅力的に思えて、あちらの方が私向きかも。 本作はカーク・ダグラス演じるドクが魅力あるキャラクターで、ワイアットとの善悪奇妙な友情も光るんだけど、う~…他の人物はあくまで西部劇スタンダードな…ワイアット自身も特に掘り下げが感じられず。 ドクとワイアットが絡むエピソードが積み重ねられ、O.K.牧場で最後の決斗を迎える。なんて書けば盛り上がりそうだけど、主演2人以外の登場人物に思い入れが沸かないから、エピソードの一つ一つが淡々としていて、そのまま決斗の日を迎えたって印象を持ってしまった。ような。 このような映画には意外とスルメが多いかも。もう数回観れば西部劇嗜好が低い私でも、この映画の魅力を説明できるくらいには、理解できるかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-26 20:47:00)《改行有》

309.  TRICK トリック 劇場版 ラストステージ 《ネタバレ》 TVシリーズの1作目をリアルタイムで観られたのは、本当に幸運だったと思っています。金曜の深夜、さぁ寝ようか…って時にたまたま流れていた新番組。ぼんやり観ていたら目が離せなくなって…こんな夜中にこんな凄いドラマ流して良いのか?って。 TVドラマのDVDセットを買ったのは、後にも先にもTRICKとTRICK2だけ。私にとって本当に特別な作品でした。 TRICK劇場版の出来がイマイチで、金曜ナイトドラマからゴールデン帯に進出した第3シーズンで、ガッツ石まっ虫とかって悪ノリキャラが出た時点でTRICK熱が冷めて、パタッと観なくなりました。 前置きが長くなりましたが、劇場版4作目にして最後の最後との事で、自分の中でもこの作品群に決着を付ける意味で、劇場に足を運びました。 まぁ酷い出来です。第3シーズン以降の悪ノリ・テイストはそのまま。マンネリ化したドラマパート。面白くないギャグ。ノルマでもあるのか?ってくらいに、質より量と言わんばかりに、1分に1回ペースでコテコテのつまらないギャグを入れてくる。稀に初期の頃みたいな面白いギャグもあるんだけど、つまらないギャグのラッシュに埋没してしまうのが残念に思います。 ギャグとドラマのバランスが逆転しているから、奈緒子も上田や矢部に対して最初からタメ口・呼び捨て。いや基本は“さん付け”で呼ぶから、ギャグパートの“呼び捨て”が活きるんでしょ。 劇場版になるとどうしても人がどんどん死んで、重たい空気になるのは相変わらずです。ただ、そもそもこのドラマは、本物の霊能力者に殺された父の真相を追い求める奈緒子の物語。結構重いんです。菅井きんと母之泉って、視聴者に1作目エピソード1を意識させる演出が、本当に最後の作品として創ってるんだなぁって思わせます。 最後の最後で芸能界を引退した前原さん登場。やっぱTRICKは菊池でも秋葉でもなく、石原なんだと再認識。瀬田くんも出てほしかったな。大病される前の元気な野際陽子さんが観られるのも、今思うと嬉しいです。 上田次郎は、あのキャラのままで現在まで続けても、何ら違和感を感じないキャラクターですね。矢部謙三も。 だけど山田奈緒子は…仲間由紀恵も本作では34歳。マンネリドラマだけに、20歳の頃から成長してないキャラを演じ続けるのは、彼女もきっと苦しかったと思います。気になったのが南国が舞台なのに奈緒子は、昼夜問わず終始長袖&ロングスカート。単に日焼けできないのか、肌が弱いのか、自分の代表作の最後だから、頑張ってくれたんだと思います。でも最後は半袖でしたね、ひと安心。 フーディーニで始まりフーディーニで終わる。「上田さん、最後に一つ賭けをしましょう・・・そしたら、餃子と寿司を死ぬほど奢ってくれ!」死を前に上田に見せた、奈緒子の寂しそうな精一杯の笑顔。 「生まれた時から、笑ったり、冗談を言ったりすることが苦手だった…練習しても上手くいかない。」第一話で一番最初の奈緒子の自己紹介。そんな彼女の14年ぶんの笑顔に、もう涙が止まらない。そして鬼束ちひろの神曲『月光』。ギャグパートにクスリとも笑わなかった劇場の、あっちこっちからすすり泣きが…みんな照喜名みたいにTRICKが大好きな人たちなんだな。だってみんな、公開初日の最終上映に来るくらいなんだもの。 単にこの映画が終わるのではなく、14年前の金曜深夜から続いた物語が、いま終わる。 この作品でブレイクした仲間由紀恵と阿部寛は、今後も芸能界の第一線で活躍するだろうけど、山田奈緒子と上田次郎には、もう会えないんだなって。 深夜0時直前の研究室。出会った時と同じマジックを見せる奈緒子と、目に涙一杯貯めて嬉しそうに微笑む次郎。山田と上田の2人だけの“ラストステージ”。 なんと完璧なエンディングを用意してくれたんだろう。あまりの余韻に劇場が明るくなっても暫く立てませんでした。 客観的に観て中身は3~4点です。だけど14年も続いた物語の、期待を大きく上回る素晴らしいエンディングに、この点数を付けさせていただきます。[映画館(邦画)] 8点(2022-10-24 23:56:53)《改行有》

310.  霧笛が俺を呼んでいる 《ネタバレ》 面白い。なんかジャズ調の音楽がいい感じ。 カメラワークも工夫が見られて、ビルの高所の撮影では一段高いところから俳優と地面を入れてる。窓拭きのゴンドラなんて、正直そんなに狭くなくて安定感ありそうだけど、地面の車や人の動きを入れて緊張感ある画になっている。エレベーターが降りる画とか、今でこそダイ・ハードとかでよく見る画だけど、当時の邦画でこういうのって、あまり無かったんじゃないかな? 当時の懐かしいビル群を流れるように映したり、お決まりの酒場の賑わいなんかが、日本なのにとてもお洒落。 モノクロの写真と家庭崩壊の映像で、当時ペイと呼ばれていたヘロインの恐怖をこれでもかと描いている。日本でのヘロイン被害のピークは'61年とのこと。リアルに社会問題を考えた映画だったようだ。 赤木圭一郎の映画は初めて見たけど、足が長くスタイル抜群。今の目で観てもハンサムで、最後の海員制服もビシッと決まってる。この翌年に亡くなってたのか。ご存命なら日本映画界に華やかな功績を沢山残しただろうに。 相変わらず綺麗な芦川いづみは『彼氏が自殺したクラブの歌手』という役なので、明るい笑顔が観られないのは残念だけど、船乗りモノ映画のまさに“港の女”ってイメージ通り。真知子巻きがまた似合うんだ。その後の杉がロープを探しに海に潜る所で、海風でセットが乱れた風のナチュラルな髪型も素敵。 そして私が観た中で最初期の吉永小百合主演作。芦川いづみが大人の魅力を出している代わりに、年相応の若くて明るい浜崎の妹役(ただし術後のリハビリ中)で、笑顔がホントキラキラしている。浜崎の隠れ家に連れてこられて、赤木が降りた後の車で待つシーン、後頭部だけ映ってるところから、きちんと横顔をカメラに収める技。そして『どうしよう…そうだ景色を楽しんでる演技でもしてみよう』と思ったのか、やや視線を上に向けるぎこちなさが初々しくて可愛い。 そうだったのか、名作『第三の男(まだ観てない)』のリスペクト作品なんだ。 いやでも、とてもカッコいい'60年代の日本を代表する娯楽映画だと、思うんだけどなぁ。[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-23 13:42:13)《改行有》

311.  沈黙のパレード 私はドラマ版は数話しか観ていなくて、容疑者Xを観に行ったくらい。でもやっぱり福山と柴咲コウが並んでいつもの会話をしていると、同窓会的な嬉しさを感じます。公開年と同じ2022年の秋祭り(パレード)が舞台。そう考えると未だにマスクが取れてない現実とのギャップを感じるところ。映画的には長すぎに感じなくもない『キクノ・ストーリー・パレード』だけど、久しく観ていないノーマスクの全力カーニバルが懐かしくも思えたかな。 今回の主人公は草薙刑事。警察の人間として、加害者と被害者の間に立つ存在として、事件の始まりからみるみる内にやつれ果てていく姿がとても痛々しい。 被害者側に肩入れして観てしまうので、事件になることを食い止めたい気持ちでの鑑賞。意外とアッサリ。からの・・・ 可能ならばもう少しスッキリしたカタチで、15年前と4年前の真相をもう少し知りたかった気持ちが無いわけでもない。でもなぁそのシーンって絶対、後味スッキリ出来ないのは想像できる。だから、無くて正解だった。としておこう。 私のようにドラマあまり観てない人はともかく、多くのガリレオファンは、湯川先生と内海刑事の軽快な会話を楽しみたいんだと思う。そして湯川先生の閃きから無心に書かれる方程式を観たいんだと。 ドラマの時と殆ど変わらない内海刑事。それに比べて当時より少しふっくらした湯川先生。うん、この映画くらいの落ち着きを観せて良いって思えるほど、このドラマも息が長く、みんな歳を重ねたんだな。 15年も前に始まったドラマの続編が、いま、充分に満足できる内容で映画化されることは、実に喜ばしい。[映画館(邦画)] 7点(2022-10-23 00:40:45)《改行有》

312.  ダーティファイター(1978) 《ネタバレ》 - Every Which Way But Loose - 歌の歌詞からの引用のようだけど、良く解りません。 無い頭をこねくり回して “(お前にその気になって)束縛を振りほどこうとしてみたけど…” なんて。合ってんのかなぁ? 邦題は解りやすくダーティハリーに乗っかってますね。ストリートファイトを題材にした映画で、ゲームのストⅡが出た時に「あ、ダーティファイターのゲームだ」なんて思ったっけ。 基本アクション俳優のイーストウッド。ダーティハリー3でくすりと笑えるシーンはあったけど、本格的なコメディ映画に挑戦した作品って言えるかな?カントリーソングをバックに、広大なアメリカ大陸をのんびり旅する、ゆる~い展開が心地良い。根底にあるのは、惚れた女を一途に追い掛ける不器用な男の物語で、そのまんまカントリーソングの主人公をイーストウッドが演じてるイメージ。 …あくまで私のイメージだけど、カントリーって失恋とか叶わない恋とかを、カラッと爽やかに歌ってる感じ。似てるけど失恋、片思いをジメッとウジウジ歌ったのが演歌ってイメージ。 ファイロとクライドが本当に仲良く観えて、動物相手にじゃれ合って、しっかり相棒を演じられるイーストウッドって、凄い人だなって改めて感心。 ただこのファイロって人物、人のピーナッツ横取りしたり、素っ気ない女のスープに入れ歯入れたり、売られた喧嘩は必ず買って、むしろ売らなくて良い喧嘩売るくらい。呆れるくらい自分勝手。 追いかけた女との結末は意外。『そう来たかぁ』って。だってソンドラ・ロックなのに。まぁでもカントリーソングの主人公らしい結末かもしれない。 勢いで挑んだ最強の男タンク。最後なぜそうした?タンクの老いに対する同情心?自分が王者になり、追われる立場になることへの面倒臭さ? “人間の相棒”オーヴィルに、意外な活躍をするエコー。口が達者なママ。どこか憎めない暴走族から警官コンビ。それなりに魅力的な登場人物のお陰で、何とかかんとか後味さっぱり、ほんわかコメディに仕上がっている。[地上波(吹替)] 6点(2022-10-22 13:54:03)《改行有》

313.  麗しのサブリナ 《ネタバレ》 - Sabrina - 主人公の名前。 “麗しの”が付くことで、オードリー・ヘップバーン主演の名作感が増してる気がする。 クソ真面目なライナスと遊び人のデビッド。世間知らずのサブリナがキラキラしたデビッドに憧れを抱くのは仕方ないとして、花の都パリで洗練されて以降も、遊び人のデビッドに惹かれ続けるのは、ヒロインとしてどうなんだろう? デビッドも以前のサブリナは眼中になかったのに、帰ってきた途端にアプローチしまくる。この落ち着かない男のどこに魅力を感じたんだろう?と目を覚ましてこそヒロインに思う。で、目を覚まして(?)気になった男がクソ真面目なライナス。設定年齢は知らないけど、ボギーはお父さん役のジョン・ウィリアムズより年上。この不自然な年齢差に、昼下りの情事に感じた痛ましさと同様のものを感じてしまった。 ローマのアン王女はジョー以外の庶民を知らない。ティファニーのホリーは結婚の意味を知らずに結婚をした。自由に恋愛が出来るサブリナなのに、ララビー兄弟としか恋愛しちゃいけないマイ・ルールでもあったんだろうか?好き好んでデビッドを追いかけ、流れでライナスともデートするサブリナの謎行動。 ただ最後のデビッドが魅せてくれるんだよなぁ、兄想いな一面を見せるトコ、走り出すライナス(ここ、クソ真面目な年配男が走るから、画になるんだよ)。船のデッキで帽子だけ渡されるセンスも良い。ゴチャゴチャ書いたけど、素敵な話といえば素敵なんだよ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-21 22:57:16)《改行有》

314.  ザ・フライ 《ネタバレ》 チーズバーガー! - The Fly - “蝿” 当時の体液ネバネバ・ドロドロのホラーSFの代表作。私の同年代は殆ど知ってるんじゃないかなぁ?ブランドル蝿って名前。ギョロッとした目がインパクトあって、でも『台詞のある脇役』って印象のジェフ・ゴールドブラムが、いよいよ主人公として登場だ。最終形態のブランドル蝿より、生ブランドルの方がインパクトが強いと言っても過言ではない。 そしてこれまた大きな目と大きな口が印象的なジーナ・デイビスがヒロインときた。しかも初対面の怪しい科学者の家でストッキング脱いで渡す変わり者。そりゃ変な虫(スタティス)にストーカーされるわ。 95分の短さで、とてもわかり易く、無駄のないサクサク展開。メインの人物はたった3人。物語も大半が研究室。生きたヒヒが裏返る気持ち悪さと謎。謎の解明にステーキ肉を入れてみる発想。彼らと一緒に謎解きをするようでワクワクする。ホント暇つぶしに観るのに丁度良い長さだから、深夜たまたま放送してたりすると、ついつい最後まで観ちゃうんだよなぁ。 乗り物酔いするブランドルがテレポッドを開発するってのは洒落が効いてるし、最初にチラッと出てきたプロトタイプ・テレポッドも、最後3人合体の場で活躍するし、ストーカーのスタティスまでヒーローみたいに活躍してしまう。 蠅男も完成形より過程状態が怖い。早口で捲し立ててコーヒーに砂糖ガバガバ入れるトコとか、見た目普通なのに怖い。爪が剥がれて白い体液がプチュって吹き出るの怖い。でも一番怖いのはベロニカが巨大な蛆虫を生むシーン。そのクネクネする尾が糸引いてるのが怖い。クローネンバーグ監督のセンスが光る。 チーズバーガー![ビデオ(字幕)] 8点(2022-10-21 22:06:04)(良:1票) 《改行有》

315.  薄化粧 《ネタバレ》 むかーし、日曜洋画劇場か何かで、ぼんやりと観てた記憶があった。うん、当時苦手だった“濡れ場”満載の、お茶の間の空気を一変に凍てつかせる、正しくあの時代の邦画らしい邦画(と私が勝手に思っている)。 実話ベースだそうだけど、実際の事件の顛末を見付けることが出来ず比較は出来ないけれど、犯罪映画だけにその現場と経緯、そして逃走劇が描かれているけれど、それらと同じかそれ以上に繰り広げられる“濡れ場”。 まぁ脱ぐわ脱ぐわで、メインの女優さんは菅井きんさん意外みんなセクシーなシーンが、あるよ。 あと柳沢慎吾のお尻も、出るよ。 今回再視聴まで忘れていたけど、松本伊代が出てたのね、あの太もも撫で回すシーン観て「あ、この映画か!」って思い出したわ。当時は『現役のアイドルだけに、観せてもコレくらいだよな』なんて思ったっけ。 でも今回観てみて、お祭りの日に坂根に言い寄られるシーンなんて、この時代のアイドルにしちゃメッチャいい演技してるんだわ。しっかり迫力出てるの。初出演映画でコレだけ出来るなら、磨けば光ったろうに。映画女優の道には進まなかったみたい。残念だなぁ… “濡れ場”はコレでもか!ってくらい出てくるけど、坂根の人物像がイマイチ掴みきれなかった。突発的に殺したふくみを家の軒下に埋めっぱなしにした理由。仏壇と名前を書いた石を持ち歩いた理由。化粧にハマった理由(単に変装目的でもないだろうに)。 単に大金を掴んだ男が、ウェ~イってなって遊び倒して殺しちゃって、時代もあって庶民感覚鈍ったまま日雇いとして逃げ回って、たまたまイイ女に出会った。捕まった。みたいな。“濡れ場”が無ければスカスカな映画なんじゃないか? 時系列をバラバラにしているのも効果があるとは思えず。むしろ経緯を分かり難くしてしまってるように思えた。[地上波(邦画)] 5点(2022-10-19 20:24:05)《改行有》

316.  無法松の一生(1943) 《ネタバレ》 初っ端のカメラが凄いですね。2階の部屋から屋根瓦に行き、街灯ナメながらおっ母さんにフォーカス。最後腰の辺りから見上げる位置で固定。きっと子供が親を見上げる目線でしょうね。乗車拒否して喧嘩したり、芝居小屋の迷惑行為から、ブッ飛んだ主人公だなぁとは思ったけど、人の話をシッカリ聞いて、反省するところは反省できる男。徐々に松五郎が義理人情に厚く一本筋の通った魅力的な男に観えてくる。 字は読めないけど配られるビラを貰い、さぁ自分の出番だと本気の全力疾走。学生のケンカを見守るだけでなく、手まで出してしまう気の入り様。これこそ背中を見せて子供を育てる、まさに理想の父親像。ぼんぼんとの親子のようにほのぼのした関係から、成長したぼんぼんを「吉岡さん」と呼ぶことへの戸惑いなんて、この時代の映画で良くこのシーンに時間を割いたなって感心する。 クライマックスの祇園太鼓。太鼓を叩く松五郎に、路上を埋め尽くす観客、海の波しぶきに湧き上がる雲。“無法松”というタイトル通り、松五郎の生き様を表すような勢いが感じられた。そして走馬灯のように駆け巡る思い出。『あぁ、一生とある通り、太く短い生涯の幕を閉じるのだな』と感じさせるに充分な映像。最後止まる車輪と降雪で死を表現。唐突だけど見事。 検閲。そんな時代だったんだ。所々のブツ切り展開に“??”となったけど、納得。こち亀両さんのようなホロリとさせる人情話と思いきや、寅さんのような未亡人への想いを丸々切除されていたとは…これね、完全版を観ることが出来たら9~10点かも知れない。そんな嘆かわしい時代があった事に私が出来る抵抗として、8点にさせて頂きます。 ただ吉岡大尉のいきなりの死は、あの繋がりで正解というのは意外。[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-10-17 19:10:00)(良:1票) 《改行有》

317.  ツインズ 《ネタバレ》 - Twins - “双子”。Twinだと“双子の片一方”って意味になるそうです。 まだ彼を“シュワちゃん”なんて呼ぶ前の時代「あのシュワルツェネッガーがコメディに出る!」当時はかなりの衝撃でしたね。 日清カップヌードルの、車を持ち上げて歩くCM(ツインズとどっちが先だっけ?)と共に、無口なアクションスターが一気に親しみを持てる存在になりました。 シュワルツェネッガーがダニー・デビートと歩いているだけで微笑ましいこの映画、何が面白いかって言うと、特に無いんだなコレが。 元々、世間知らずの超優等生って設定だから、シュワお得意のアクションは殆ど無く、演技と言えばニコニコ笑って一言二言喋るくらい。初体験の時の何とも言えない満足げな顔がオカシイけど、数年後のコメディ慣れしたシュワなら、もっと多彩な顔芸を見せてくれただろう。 肉体派のライバルスタローンとは不仲説(当時の雑誌が勝手にでっち上げたんだろうけど)なんかもあったりして、ランボーⅢのポスター観て苦笑するシーンは、当時かなりインパクト強かった。 酒場でギター弾いてるの、もしかして?と思ったら本当にジェフ・ベックだった。 若い頃のお母さん、綺麗な人だと思ったらヘザー・グレアムだったのか。なんかちょっと得した気分。 映画の内容よりも、コメディに挑戦する姿勢が、シュワルツェネッガーって凄い人なんだと思わせてくれた一本でした。[地上波(吹替)] 5点(2022-10-17 08:51:38)《改行有》

318.  赤いハンカチ 《ネタバレ》 この時代のアクション映画にしては、単純に力技だけでなく、程よい謎解きと登場人物それぞれの感情描写もあって充分に楽しめました。 冒頭の爽やかな裕ちゃん。貧しいけれど前向きに工場で働いて、コロコロ笑う浅丘ルリ子が可愛い。自慢の御味御付のシーンとか通勤途中の目にゴミが入るシーンなんて、青春映画の一幕のようで爽やかだ。 おでん屋の親父の死を抱えての4年後。三上にしても玲子にしても影があって暗い。画的にも夜のシーンが多くて暗い。外国のハードボイルド映画のような雰囲気が出ていて、私としては好感を持てたな。ゆうちゃんが『赤いハンカチ』を唄いながら夜の街を練り歩くシーンが、やっぱ昭和の日本だなって感じさせて安心できる。夜の繁華街や石塚のイベント会場の作りが当時の賑わいを感じさせて、懐かしく思えたのもGOOD。 当時の日活アクションだしなぁ。って極力甘めに温かい目で観ていたけど、親父の逃走劇の舞台裏なんて思わず感心してしまった。でもあそこで三上が撃てなかったり、見事手足に当っていたら、石塚どうするつもりだったんだろう?[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-16 14:15:32)《改行有》

319.  イージー・ライダー 《ネタバレ》 - Easy Rider - 直訳だと“気ままなバイカー”なんだろうけど、スラングで“簡単に乗せる(ヤラせる)ヤツ”みたいな意味のよう。 物語の大半はアメリカ南部を2人が走ってるシーンとその美しく広大な風景。停めさせてもらえる宿もなく焚き火を前に語り合うシーン。意外と長いのがLSDで飛んでるシーン。 大金を手に入れたワイアットとビリ―。時計を捨てて旅立った先の初日の朝。目に入るのは枯れ木、錆びたトタン、廃屋、廃車…荒廃した文明を後目に、自由な生活、自然との共存を求めたんだろうか。 納屋の工具と食事を世話してくれたカウボーイ(農夫か)の生活を「いい暮らしだ」と認める。ここの馬に蹄鉄を付けるカウボーイと、バイクのパンクを直すライダーの対比が綺麗。 更に無秩序なヒッチハイカーのヒッピーコミューン。「彼らは何とかやり遂げるさ」と、雨の降らない荒れ地に種を蒔く彼らも否定をしないワイアット。ここでヒッチハイカーがビリーを仲間に入れない理由は何だろう? 保守的な町は長髪の彼らを受け入れない。若い女は自由を謳歌している彼らを憧れの眼差しで見る。それが気に入らないと言わんばかりに、聞こえるように悪態を吐く街の男たち。自由の国を謳うアメリカは自由を恐れて保守的な暮らしに安堵し、それを守るために平気で暴言を吐き、暴力を振るうことも厭わない。 マリファナを吸ってジョージが語る「自由に対する恐怖」こそが当時のアメリカの真理であり、この映画の伝えたいことに思える。自由を求めつつも、自由を手に入れた者を怖がる。“人間の価値は死んだ後に定まる”日々神を称えつつ、死を恐れるように。 ジョージの死後、今までの質素な食料と打って変わって高級な料理を食べて、自由恋愛でなく娼館で女を買う。マルディ・グラの祭りは、撮影でなく本当の祭り会場で撮ったんだろう。だから小さいカメラで撮ってあの画質なんだろう。そしてナチュラルなマリファナでなくケミカルなLSDでぶっ飛ぶ。 安直な解釈だけどtrip(旅)とtrip(幻覚体験)を等価値に描こうとしたから、このシーン長いのかな?なんて。 ビリーの「俺たちはやったぞ、金持ちだ!フロリダで隠居生活だ」に対しワイアットは「失敗だ」とだけ。 ここ、自由な生活と自然との共存を求めつつ、文明に安堵する自分たちに対しての「失敗」なんだと思う。 ワイアットの求めた終着点と、ビリーの描いた終着点の違い。 有名作品なので考察とかは沢山あるだろう。私にもよく解からない内容だったので、今回観て思ったイメージ通り書いてみた。[ビデオ(字幕)] 8点(2022-10-15 11:51:40)《改行有》

320.  奥さまは魔女(2005) 《ネタバレ》 - Bewitched - “魅了されて”とか“化かされて”とか。 小さい頃の夏休みの9:00台とかの子供番組枠にTVドラマ版(カラー)がよく流れてました。内容はあんまり覚えてないけど、OPのアニメーションとナレーション、笑い声、鼻をピクピクさせて魔法を掛けるのはよく覚えてる。 オリジナルは'64~'72年のドラマだそうな。33年も前の作品のリメイクだと、当時のファンとうろ覚えの人が半々いる中で、初見の人も当然居るなかで、純粋なリメイクではなく、ドラマのリメイクの映画にしたのは、かなりの冒険だったと思う。 うろ覚えの私は、当時のドラマの雰囲気(笑い声とか)を、今の時代にどのように自然に入れてくるのかを期待してしまった。残念ながらの“コレじゃない”感。 例えるなら久々のリメイクのバットマン('89)が、それこそバードマンのような内容だったら?みたいな。突然出てくるアーサーおじさんとか、最後の向かいの家の夫婦とか、モトを知ってる人だけ面白いのかなぁ?と置いてけぼり感が… 純粋に現代版のサマンサとダーリン。愛すべき登場人物たちを観たかったかなぁ。 イザベルは顔芸も良く可愛らしかったけど、ジャック(あなた、オースティン・パワーズのムスタファだったの!?)が魅力的なキャラじゃないのね。ワガママ自己中で、それが彼の地の部分に思えてしまって。最後イザベルが魔女と解った時に、驚くのはともかく「シッ!シッ!」は無いでしょう、笑えないよ。 魔法が地味なのはテレビドラマ版でもそうだったような気がするけど、フォースみたいに人の考えを変える魔法も画的に伝わりにくい。魔法の時は毎回『ピコピコピン!』みたいな効果音とか入れてほしかったけど、それやるときっと、五月蝿くなったんだろうな。 そもそもの『魔法はコレが最後』も全然活かされてないのも、どうだろう? 最後の最後にザ・ポリスのマジックが流れてちょっぴり癒やされた。[CS・衛星(字幕)] 3点(2022-10-15 08:56:20)《改行有》

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