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361.  キリマンジャロの雪(1952) 《ネタバレ》 テクニカラーの映像は大好きで、この映画も一つ一つのショットがとても綺麗なくすみ具合と色あいを出していて、画面を見ているだけで気分が高揚してきてしまいます。 ただ、序盤の夕暮れ時のシーンの時、獣のざわめき(ロケ)と人間同士の会話(スタジオ)とのカットバックがお粗末なところがいただけない。撮影で使っているカメラが違うのは明らかで、更には、光の加減や空の青色の濃淡に全く配慮がなされていないのが凄く残念。 ストーリーに目を向けると、リアリティを欠く場面がいくつか見られ、気になる箇所があったのですが、マドリードにシンシアを探しに行った時、マドリードの街を探すのかと思いきや、行ったのは戦場で、しかもそこでシンシアを発見できてしまうという、ちょっと都合のいい展開であったり、最後の方でハリーの脚が痛み出して死んでしまうのかと思いきや、ヘレンの治療の甲斐あって、というか素人の治療で見事に回復してしまうという、これもまた強引に幕を引くような感じがあり、どうしても物語の進行や演出に難があったと言わざるを得ません。 大まかなストーリーは、ハリーの女遍歴を語るだけの単調なストーリーなのですが、一番最初に出てきたシンシアの美しさは筆舌に尽くし難く、特筆すべきは、ストーリー序盤で二人がバーで出会い、外に出て愛を語り合いながら煙草の火をつけた時、二人の顔がマッチの火によって明るく照らし出された時の一瞬の美しさ。一瞬の輝きというのが、この二人の将来を暗示するものとして描いたのでしょうか。一方で、ストーリー後半でヘレンと夜に出会ったときにも全く同じシーンが出てきますが、こちらの方は顔があまり照らされない。この違いは、出会ったときの気持ちの盛り上がり方を意図的に暗示したものなのでしょうか。 美しさを追求しシーンに意味を持たせたりと巧みな演出を見せる一方で、明らかに手を抜いてしまっているような一面も出てしまい、何とも惜しい映画です。[映画館(字幕)] 6点(2010-03-12 00:59:26)《改行有》

362.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 感動はなかったけど、話には入り込むことができ、素直に面白く感じられました。 正直のところ、アメリカ映画臭がする映画はそれだけで避けていたのですが、これはドンパチ系でもなく星条旗バンザイ系でもなさそうだったので観てみましたが、こんな“アメリカ映画”もあったかと軽く驚いた気がします。 映画には万国共通の未来永劫に通ずる普遍性が必要と考える自分にとって、アメリカ野球界の八百長事件という限られた地域の限られた時代の人にしか知られていない事を題材にしたりするところなどが減点材料になってしまいます。 映画のコンセプト的には、野球を題材にする必要は特になくて、また、スポーツである必要すらなく、要は世代を越えて永遠に愛されるもの、それは音楽だったり芸術だったり何かのコレクションとかでもいい訳です。勿論、映画でも。 映画大国アメリカで最も人気のあるスポーツがたまたま野球だった。もしくは、野球が最も盛んな国アメリカが、たまたま映画製作においても大国であったという事なのでしょうかね。 一番感動したと言われているキャッチボールのシーンですが、父親が生きているところがストーリーに出てくればラストシーンでも感動できたのかもしれませんが、ナレーションや会話の一環で語られるだけなので、出てきたときの妙な違和感があります。思い出のような無形のものを形あるものとして映像に出すことの難しさがあり、原作を映画化したときの違和感とかと同じ感覚ではないでしょうか。後光を当てるとかで、父親の表情をハッキリ出さない方が良かったのでは・・・。 このキャッチボールという動作は、言葉を用いることなく出来るコミュニケーション手段であるため、一見説明不足で不親切かもしれませんが、その分おのおのが自由な気持ちで鑑賞でき、結果として多くの人に感動を与えるのだと思います。 子供でもできるシンプルさがあり、お互いの顔を見ながらできるので、何とも絵になるコミュニケーションですね~。[映画館(字幕)] 6点(2010-02-20 11:17:00)《改行有》

363.  エル・スール 《ネタバレ》 この監督の作品は「みつばち~」とこれだけしか観てないのですが、幼少の頃の記憶とかを凄く大切にする監督なんですかね? 小さい頃の視点ってとても素直で純粋で、それだけでもう、ひとつの芸術として成り立ってしまうような感じ。 また「みつばち~」同様、周りの大人たちも子供を相手にしているだけあって、凄くシンプルで愛情溢れるような語り口なものだから、観ているこっちまで不思議と幼少の頃に戻ったかのような気持ちになってしまいます。 映画を観終えてから、自分が小さい頃、親父ってどんな存在だっただろうかと考えてみると、まぁ、息子と娘とでは父親に対して持つ感情は違うだろうけど、中学生の頃までは少なくともエストレリャのように、父親としてどう思うかの他に1人の人間としてどんな過去・恋愛遍歴を辿ってきたかとかいうことに関して興味が向いたことは一切なかったと思う。 現実の世界で実際にどこかで聞いた話だが、いきなり風呂に入って来た親父に驚いて慌てて逃げるようにして風呂から上がったその数日後に、その親父が自殺してしまったという話があるように、フランス語の授業サボれないかと聞いてきた父親に一瞬ゾッとしてしまい、独りになった父親が凄く小さくて寂しそうだったのがとても印象に残った。 最後は尻切れトンボで凄く残念。ロードムービー好きの自分としてはかなり不満な印象。しかも、自分のための旅ではなく、父親のルーツを探る旅というのが何かいい。映画のストーリーとして聞いただけで胸が高鳴りそうなテーマなだけに非常に惜しい感じがしました。 [映画館(字幕)] 6点(2009-12-25 01:20:46)《改行有》

364.  ユリシーズの瞳 《ネタバレ》 アンゲロプロスには申し訳ないですが、ストーリーの中での出来事、主人公がどんなことに出くわしたかとか、いつの時代にどこの国でどんなことが起こったかとかは、はっきり言ってどうでもいい事だと思う。 話の大筋、主人公が幻のフィルムを求めて国境を越え、戦禍をくぐり抜けながらフィルムにありつく。この程度のことが読み取れさえすれば、あとは主人公がフィルムを追い求める情熱を感じ取るのみ。 この映画は他のアンゲロプロスの作品同様、旅を描いた映画。東欧の実情を主に描いてストーリーは副次的なものにしたいのか、またはその逆なのかはわかりませんが、少なくとも自分は画面の中で起きていることを見ているだけでも十分入っていけました。 途中、夢だか回想だかのシーンが出てきますが、これが少々解り辛い。特に入り方。ワンシーンで一気に時代がジャンプすることが珍しくはないアンゲロプロスの映画の中では、何が起こっても全く不思議ではないから。 最後、幻のフィルムにありつけるわけだけど、フィルムの内容などどうでもよくなるくらいの救いようのない結末には絶望してしまいます。せめて、霧の中で音楽を奏でているシーンで締めて欲しかったと思う。[映画館(字幕)] 6点(2009-02-06 00:31:55)《改行有》

365.  輪舞(1964) 《ネタバレ》 オープニングの影絵&キャスト・スタッフ紹介は大好き。 その直後の、夜の街の街灯の光の色加減なんて、もう堪らなく好き。 終始に渡って、ただ何の脈絡もなく語り合っているだけの映画なので、ハッキリ言ってストーリー的な面白さは全くないです。 しいて見どころを挙げるとすれば、登場する女優さんたちを眺めるのと色鮮やかな画面模様くらいでしょうかね。 色使いなんかは、この時代の特徴とも言える独特の色合いが出ていて凄く好きなのですが、スコープサイズの画面を使っているだけに、ちょっと画面の構図がイマイチなシーンがいくつかあったのが残念でした。 先にレビューなされた方のコメントを拝見すると、オフュルス版のオリジナルの方が評価が高いようですが、この映画は観ての通り、ストーリーを語る映画ではなく、画面の華やかさが求められるべきであるので、これはこれで成功しているのではと思います。オリジナル版は未見なので何とも言えませんが。[映画館(字幕)] 6点(2008-10-30 01:15:43)《改行有》

366.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 晩年のヒッチコックの作品ということで観る前から全然期待していなかったのですが、DVDのメニュー画面を見ると早くも駄作オーラがプンプンと・・・。 登場人物も知らない人ばかりだし、会話も下ネタに走ってるし、観始まってから更にトーンダウン。 けど、ストーリーはよく練られていてなかなか面白いです。しかも、最後の方の家に忍び込むシーンなんて「サイコ」の終盤で感じたようなドキドキ感が味わえて、このシーンは特に良かったと思います。 自分はコメディの要素は余り感じられなくて、むしろその方が良かったような気がしました。 ちなみに他の方のレビューにある「ステーキばかり・・・」というセリフはDVDにはなかったです。[DVD(字幕)] 6点(2008-08-25 01:50:43)《改行有》

367.  眼には眼を 《ネタバレ》 「すいません。山を一つ間違えました。あなただって間違うことあるでしょ?」という台詞を聞いて、このタイトルにした理由がわかりました。 ここまで徹底した不条理劇もそうお目にかかれず、なかなか面白い。 最初は、訳もわからずイタ電かかってきたり監視されたりと、主人公と同じ気持ちで不安になったりイライラしたりしていたのが、冒頭の1人の女性が亡くなったことと結びついてから徐々に面白くなってくるという、観る側を主人公に感情移入させる演出が上手く、また、晩年のヒッチコックのような車のサイドミラーに相手の顔が映っているというサスペンスな演出も、なかなか見ていて面白い。 しかし、夜の街を歩いていると後ろから車が突っ込んできたり、物音がする方を見たら犬が生ゴミを漁っていたりとか、脅し(フェイントというべきか)が多すぎて拍子抜けしてしまうシーンが多かったのがちょっとクサイかなぁと。一連のこういうシーンを見ると、やっぱりこの監督は二流なのかなぁなどと考えてしまうんですよね~。ここが大きな減点ポイント。 執拗なまでの砂漠の放蕩シーンは最初だけは見ていて面白く感じられるのだけど、2回目以降はもうイイやという感じで、おなかいっぱいになりそう。初めて観た時は、これから先どうなるんだろうといった好奇心のようなものは確かにありましたが、恐怖感とかは特になかったです。[映画館(字幕)] 6点(2008-08-11 01:26:06)《改行有》

368.  ピカソ-天才の秘密 《ネタバレ》 「この映画は、ストーリーはあってないようなもの・・・」というレビューを過去にいくつも書いたことのあるこの自分でもこの映画にだけは馴染めませんでした。 ストーリーを語る意思がないというような映画にはよくお目にかかりますが、この映画はとにかく単調すぎる。デッサンそのものに興味がある人ならば垂涎ものの映画ですが、自分にはデッサンの過程をただひたすら繰り返すというのが決定的にだめなんです。 途中からいきなり、スコープサイズの画面になってそれに伴い劇場のカーテンも広がり、終盤への盛り上がりも出てきて、最後の絵も映画を締めるに相応しいような壮絶な(!)デッサンだったのに、ただただデッサンを繰り返すだけという余りにも単調すぎるストーリーのみが低い評価をするに至っただけです。 一番最初のインターバルでピカソが「楽しい!寝ないで朝まで描ける」と、楽しそうな表情を見せていたところが唯一の救いのポイント。もっとインターバルが多ければもっと面白く感じられたと思います。[映画館(字幕)] 6点(2008-08-10 02:32:35)《改行有》

369.  狩人の夜 《ネタバレ》 人形の中に収まる程度のお金に何でそこまで必死になってんだろうと考えてしまうと、急激につまらなくなってくる。 それに、もともとはあのお金って銀行強盗してかっぱらって来たお金でしょ。劇中でも言われてる通り“汚れたお金”のはず。それを親子の絆とか男同士の約束といったもので本質を誤魔化して見せているところがあまり好きになれないです。 子供は好きですし、どんな子供でもかわいいと思うけど、いくら父親でも、いくら将来の子供の為だとしても、悪事に加担させて騙しちゃいけないでしょ。少なくとも、映画というメディアを通じて観客に見せちゃいけないと思う。 あと、マネキンを使って水死体を撮ったのは大幅減点。リアリティーを追求するのが困難なら他にも方法があった筈。 まぁ、モノクロ映像における水面の月の光の乱反射なんかはモノクロの長所を最大限引き出しているし、野生の動物たちの息吹を感じ取れたことだし、リリアン・ギッシュも綺麗に撮られていたし・・・・・ギリギリの及第点という事で、6点。[映画館(字幕)] 6点(2008-05-29 00:42:06)《改行有》

370.  外套と短剣 《ネタバレ》 まぁ、面白くないわけではなかった。 エンターテイメント作品として、ラブロマンスをストーリー中に組み込むのは間違いではないとは思いますが、如何せん本題のストーリーが薄まりすぎな感がありました。 病院にいる女研究者を尋ね、イタリアの初老の研究者に会いに行き、娘と会わせてくれるならという条件を受けたジェスパーですが、そこからのストーリーが本来の任務とはやや離れてしまい、男女の恋愛もののストーリーにガラッと変わってしまったのは、あまり面白い展開ではないような気がします。 初めてヒロイン役のリリー・パルマーを見ましたが、最初に登場したときの男勝りな雰囲気から一転、鏡の前でブラッシングをしている頃になると、何故か不思議と女の色気が出てきてしまうところなんかは思わず感心してしまいました。 また、エンターテイナーのフリッツ・ラングらしく、やはりラストの銃撃戦や取っ組み合いのハラハラ感がとても見応えがあって、さすがだなぁと改めて感じさせられます。[映画館(字幕)] 6点(2008-05-22 01:47:36)《改行有》

371.  詩人の血 《ネタバレ》 これはアレですね。サイレントのあの有名な前衛映画の続編ですね(嘘)。 こんな映画で客入れられるのかな~とか思うのですが、逆にここまでストイックな映画も、商業映画が盛んなこの時代に観ると、何かすごく貴重な体験をしたような気になってしまいます。 ストーリーはあの前衛映画同様、あってないようなもの。美術館に行って絵画を見る感覚で、詩人ジャン・コクトーの世界に触れれば良いのではと思います。[映画館(字幕)] 6点(2008-05-11 01:10:54)《改行有》

372.  ゲームの規則 《ネタバレ》 2回目の鑑賞でやっとレビューが書ける。というのも、1回の鑑賞だけでは登場人物の名前と顔を追うだけで精一杯でしたので。ちょっと人間関係が入り組みすぎて、しかも個性が際立っている役者が少なかったというのは、2回目を観たときもやはり感じました。 この映画に主人公はいるのでしょうか。もし、いるとしたらそれはルノワール演じるオクターヴでしょう。 このストーリーのポイントは、オクターヴのクリスティーヌに対する友情のような気がします。男女間の友情って本当に難しいと思うのですが、最後に温室の中で二人の間に愛情が芽生えても、次の瞬間にはその愛情が引き裂かれてしまう・・・。皮肉というか切ないというか、何とコメントしていいのかわからないくらい、映画が終わって呆然としてしまいました。 また、狩りのシーンでは、これが特に好きなシーンなのですが、森や空の開放感や銃を撃つ人の躍動感(?)が伝わってきて、見ていて気持ちよくなると同時に、獲物が息絶える姿を映し出すという生々しさも感じたのですが、これが飛行士が死ぬくだりの伏線になっていて、密猟者の男が言った「兎のように」死んでしまったというのが、これまた皮肉というか何というか・・・。 兎に角、登場人物の複雑さもあり、2度の鑑賞で人間関係は把握できましたが、非常にコメントに詰まる映画でした。[映画館(字幕)] 6点(2008-02-16 16:23:17)《改行有》

373.  世界の心 《ネタバレ》 全体の印象としては、後半のメインである戦争シーンにリリアン・ドロシー姉妹のサブストーリーを付け加えたような感じに思えました。 戦争シーンが凄くリアルであり、主役の男優の迫真の演技も見事で、ドロシーのお転婆振りもあり、リリアンの家族愛もあり、恋愛シーンもあり・・・ということで、細部に至るまで手を抜かずに作られたという感じにも捉えられそうですが、自分としては逆に話が散漫になってしまったという印象でした。 ゲリラ戦のシーンなんかを見ると、映画のロケという感じではなく、実際の戦争、もしくは実際の訓練や演習のシーンを撮ったのではないかというくらいのリアリティがあり、村が襲撃されるシーンも、セットを組んだ建物が壊れていくという感じではなく、本物の家の本物の壁が本当に崩れ落ちてきたりして、かなり見入ってしまいました。 子役の男の子も顔が砂まみれになっても笑顔を見せるという、こちらもまた迫真の演技(笑)。 自分も、英国政府のプロパガンダ映画という事は知っていましたが、もう少し人物描写があればもっと面白い映画になっただろうと思いました。 それにしても、「世界の心」とは、これまた随分と大胆なタイトルですね~。 〔桜井麻美さんの活弁付きで鑑賞〕[映画館(吹替)] 6点(2008-02-09 12:07:43)《改行有》

374.  夜顔 《ネタバレ》 何てスローな映画なんだろう。 最初のコンサートシーンといい、場面の切り替わりで挿入される昼夜のパリの風景といい(ひとつの風景がやたらと長く映し出される)、そして、クライマックスの食事のシーンといい、そんじょそこらの映画監督じゃ絶対こんな映画作れない。 クライマックスと言うのはさすがに大袈裟かもしれませんが、二人が席について食事を始めたときの、独特の雰囲気の漂うあのワンショット。食事が始まって向かい合う二人が映し出された瞬間のあの例えようのない雰囲気は何なんだろう・・・。しかも、延々と続く長回しも実に面白い。あたかも、この場面に辿り着くために映画が進行していたかのような気がします。 ストーリーに話を移すと、この作品が提示する、前作「昼顔」での謎は以下の2つ。 ユッソンはセヴリーヌの夫に彼女の秘密を明かしたのか、明かしていないのか。 約40年前、娼館に来た東洋人が持っていた箱は一体なんだったのか。 観た方ならお分かりの通り、どちらの謎も解けないままで映画は終了するのですが、謎が解けないまま幕を閉じるのが勿論ベスト。 前作も今作も同様、映画の中で起きた謎というのは、見る人の解釈に委ねられるべきだと思うから。 では、この映画の存在意義は? あの鶏の意味は一体・・・。 こうやって謎解きに苦しんでいる我々を見て、オリヴェイラ監督は不敵な笑いを浮かべていることでしょう。 けど、ここまで、前作を知らないと物語に入れない内容も珍しいのでは、とも思います。 映像的な演出は、芸術の域に入るほどですが、ストーリー重視で映画を見る人にとってはかなり冷めた映画として映ることでしょう。 「箱に興奮する」とか言われても・・・。前作を見ても解りづらいのですから。[映画館(字幕)] 6点(2008-01-07 23:26:10)《改行有》

375.  夜霧の恋人たち 《ネタバレ》 邦題に騙された気がする。「夜霧」どころか「霧」すらもなかったし、「恋人たち」と謳っているのにラブストーリー的要素は二の次のような気がします。そのお陰で話が散漫に感じられてしまい、ほとんど物語に入っていけませんでした。 花瓶ではなく花を投げつけたり、入社試験の包装のテストなど、面白いところは他にもいくつかあったのですが、それはあくまで枝葉なこと。 けど、ラストで昔からの女友達と一緒になってエンディングを迎えられたのは良かった。ラストの朝食のシーンが愛に満ち溢れていて、これが凄くいい。こっちまで幸せな気分にさせられてしまいます。晴れた日の公園でシャンソンを背に、二人仲良く歩き始めてFINの文字。これで、終わり良ければすべて良し。このシリーズ初のハッピーエンドですね。 ★通算200レビュー★[映画館(字幕)] 6点(2007-12-16 01:16:15)《改行有》

376.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 フランス人の恋愛観はさっぱりワカラン。 唯一良かったのは、カトリーヌ役のジャンヌ・モローが適役だったことくらいか。 劇中の三角関係は、到底理解できるような状況ではないけれど、ジムとジュールはそれぞれがお互いを認め合い、両者とも相手の女性に対しても思いやりをもっていたからこそあのような共同生活を営むことが出来たわけで、美しい友情を描いた映画、とも捉えることが出来る・・・・・かな?難しいけど。 美しい笑みを浮かべた彫刻にそっくりな女性が現実に現れるというのは、いかにもトリュフォーらしくて好き。 また、終始に渡って明るいBGMが流れていたことから推測するに、実はあのラストは悲劇と捉えるべきではないのかも・・・。 やっぱりワカラン、この映画。 [映画館(字幕)] 6点(2007-11-24 23:51:19)《改行有》

377.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 はっきり言って、脚本がクドい。 台詞回しで観客を惹きつけようとする魂胆がミエミエで、その辺に嫌味を感じる。脚本も演技も小物使いも確かに良いのはわかるけど、ほどほどが一番良いと思う。ストーリーは面白いのだが、自分にとっては、ただそれだけの映画。 ソフィストケイティッドなラブコメなら、ワイルダーの師匠ルビッチの方が面白い。あくまで好みの問題だが。 こんなに酷評しちゃったら「麗しのサブリナ」のレビューを変更せねばイカンなぁ・・・。 “映画らしい映画”って何だ?!? [映画館(字幕)] 6点(2007-09-04 00:16:57)《改行有》

378.  チャップリンの消防夫 《ネタバレ》 確かに、チャップリンが壁を登るシーンは、おぉ~っスゲェ!って思った。けど、その後のエドナを担いで降りてくるシーンが、人形だってのがわかっちゃうのがおしい。人形の足がブラブラしてるんだもん。 ストーリーとは関係ないですが、チャップリンが手綱を引いて消防車ごとバックさせるシーンがありますが、馬って後ろ歩き出来ないから、このシーンはフィルムの逆回しですよね。しかも、あれってよく考えると、仮に馬を後ろ歩きさせたとしても車を後ろに進めることなんか出来ない筈だから、そういう意味で大笑いしちゃいました。あと、ちょっとその前の2頭の馬を馬房から車に繋ぐシーン(5秒くらい)も逆回しでしょう。 いつも思うけど、タンクを道に置いていったままエドナの家に向かう時とか、余計な時に限って大真面目に仕事してるんですよね~(^_^)[ビデオ(字幕)] 6点(2006-12-31 23:31:12)《改行有》

379.  肉体の悪魔(1947) 《ネタバレ》 観終わってから映画館の解説紙を見て、フランソワの人物設定が17,8歳であることに驚いた。更に読み続けると、この映画のポイントは“17,8の学生と人妻との禁断の愛”というところにあるらしく、解説文のあちこちに“マルトはフランソワの若い肌に身を寄せた”とか、“若気の至りで~”の様な言葉が見受けられる。この映画は、主役二人の歳の差に気づくことが出来るかどうかが評価の分かれ目だと思う。 自分の場合はというと、レストランのシーンでも、どう見ても同年代のカップルにしか見えず、歳の差をもっと際立たせないと自分には理解し難いストーリーだった。 最後、終戦で世の中が明るくなってきて、棺を持つ人までもがうれしそうな顔をしている中、1人だけ悲しみに包まれているフランソワがちょっと辛い。 [映画館(字幕)] 6点(2006-12-16 21:04:03)《改行有》

380.  シュザンヌの生き方 《ネタバレ》 エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第2作。 ストーリーの核は、要するに、主人公のベルトランはシュザンヌのことを内心馬鹿にしてたのだけど、実はシュザンヌにとってはギヨームとベルトランの二人っていうのはただの遊び友達にしか過ぎなかった、ということらしい。 正直のところ、最後まで観てこの主題・ストーリーにはさほど好感も共感の念も湧いてこなかった。ギヨームの、女に対する利己的な態度や、シュザンヌがギヨームの態度をすぐに許して早くもギヨームの腕の中にいるところとかも、ダメだこの女って思っちゃう。 けど、この映画のシュザンヌのように、沢山の男に好かれたいという願望をもっている女の人って結構いると思う。自分の周りに、私のことを好きでいてくれる男がいればとりあえずは安心っていう人。そういう人って周りに対しては結構愛想がよくて、本気で交際を迫られてもハッキリ断らずにはぐらかして、いつまでも自分の傍に置きたがったり(キープ君ってやつ)、シュザンヌのようにちょっとは好きっていうだけで意味もなく寝ちゃったり、奢ってあげちゃったりしてしまうんでしょうね。 そう考えると、最後のシーンで男にクリームを塗らせるシュザンヌは、あれはまさに至福のひと時なんだろうなぁと思う。[映画館(字幕)] 6点(2006-12-15 23:52:12)《改行有》

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