みんなのシネマレビュー
たいほうさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 210
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011
投稿日付順1234567891011
変更日付順1234567891011

21.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 硫黄島は位置がマリアナ諸島と東京の中間にあり,たまたま飛行場に適当な平地があったために戦略上の重要地点となったものです。ガダルカナルにしてもキスカにしても防衛も増援もできない地域では当時の日本軍でも転進と言う名の撤退をさせていますが,西中佐の言にあるようにこの島を海に沈めることができないならば守るしか選択の余地はなかったのです。栗林中将の作戦はできるだけ長い間守備を続けるための戦術で,それが増援の艦隊が存在しなくて,数少ない航空機も本土防空のために撤収すると言う状況ではどうせ死ぬなら華々しく散りたいとの誘惑を抑えての任務遂行に徹したことは賞賛されるべきものがあります。通常軍隊では兵力の半数が無力化されると組織的活動は不可能として全滅として扱われるのですが,文字通り最後の一人までが死守する例は世界の戦史の中でもラストサムライでオルドリンが勝元に説明したギリシャ時代のテルモピュライ,アラモの砦などと並び称されるもので,さだまさしの防人の歌にはむしろこのほうが相応しいとも思えますが,日本では反戦が表に出ないと映画にできないような雰囲気が続いていたので映画化できなかったのでしょう。これは戦艦大和の出撃みたいな無意味な戦闘ではなく,たまたま任務を負った人達が困難な中でその義務を果たす状況を題材にして丁寧に描いています。もちろん戦争が非情で残酷なものであることは自明ですがそれを映画と言う形で残すことも必要なことです。題名にあるこの出されずに(だから多分検閲も受けていずに)砂に埋められた手紙は実在していたのでしょうか?[映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 15:37:20)(良:2票)

22.  仔鹿物語(1946) 《ネタバレ》 これは多分最初に観た映画だったと思います。戦後に輸入された映画としては珍しい新作で,多くの外国映画は戦前から戦中のが多かった時代です。この当時は戦後の混乱がやっと少し収まってきた時期で,それでも東京とかの大都市では戦災孤児などがいくらでも見かけられ,地方都市でやっとまともな生活が始まっていました。家庭などで空き地で野菜を作った食料の足しにしたり油断していると盗まれるなどあって当時の日本人には自給生活ができる開拓民はむしろ羨むべき光景でもあったので,命の恩人の子供である子鹿でもあの状況では射殺するのが理性ある行動として受け止められていたはずです。子供の唯一の親友であった病弱の子が鹿の集団の行動の知識があって,尻尾の色での合図から子鹿には「フラッグ」の名前がいいと言い残して死んだことからその子鹿は親友の身代わりとして子供には離れがたいものだったことが判るし,それでも大人の理性としては殺すしかない(きっと肉は食用にだと思うけれど,そこまで記憶にないし,多分描かれてなかった)と判りきった筋なのですが,自然の美しさも背景にあり,鹿の成長が何度も試みて柵を飛び越すシーンで観客に成功を期待する複雑な感情を持たせるところも良くできています。でも,毒蛇ばかりでなくもっと危険な動物もいるだろう森に駆け込んだ少年の捜索とか省略されていたように記憶しています。いまさらビデオを借りても当時と状況が違うから共感は沸かないかもしれません。[映画館(字幕)] 8点(2006-07-14 21:00:08)(良:1票)

23.  禁断の惑星 この時代の宇宙船ってアダムスキが撮影したと主張したUFOの形を踏襲したものが多いですね。「宇宙戦争」がむしろ例外で、この映画以外でも「地球の静止する日」とか「宇宙水爆戦」とかどれもノッペリした円盤形で、「インディペンデンスデイ」のものみたいにごちゃごちゃしていません。最近のでは「マーズアタック」がパロディですからこの古典的な意匠を採用しています。撮影したと主張するからには意匠権などは主張できなかったのでしょうね。万事を記録するシステムが大きな移動する装置で放電するところとか、クラークの小説「太陽系最後の日」での描写にもあるけれど、当時は電子技術は真空管が支えていて、半導体時代の到来が予測さえされていなかったことが背景にあります。女性の立場や地位についても、それから10年ちょっとで変わっているのですからそれを考えるとこのSF映画は結構しっかりやっていると言えます。[映画館(字幕)] 8点(2005-08-25 01:21:11)(良:1票)

24.  トロイ ザ・ウォーズ〈TVM〉 《ネタバレ》 他のトロイ戦争ものと違うのは、画の題材に取り上げられていた羊飼いパリスの審判から二人の運命的出逢いが始まるところです。そしてヘレンの姉であるアガメムノン夫人が重要な役割を持たされています。トロイの王女カサンドラの狂気的予言、出撃間際の風向きの異変から成り行き上愛娘を自分の手で犠牲にしなければならなかったアガメムノンはその征服欲やヘレンへの邪恋とかはあってもそれほどの悪党と言うわけでもなく、弟のメネラウスは優しい人間として描かれ、だから連れ戻された後のスパルタでの平穏な世界が暗示されています。アキレスの切れかたはもうちょっと丁寧に表現されていればもっと楽しめたでしょう。スペクタクル性よりも登場人物のほうに重きを置いた佳作です。[DVD(字幕)] 8点(2005-06-24 12:03:55)

25.  オズの魔法使 《ネタバレ》 あらすじは知っていたのだけれど、いかにも夢の中と言うカラーの場面の印象が強くて最初のほうの場面をよく覚えていなかったので最後の場面になって連れの3人が農夫のデフォルメされたキャラクタであることに気づかされた。しかし、当時の使用人の立場がどのようなものかの知識がないので、この3人の卑屈に思えるような態度がゲイの象徴として扱われているとの話にはすぐに承服はできない。まあ、あの意地悪な地主は竜巻で死んだことは童話としても残酷だけれど、それを笑のネタにして子供に見せてもいいのだろうか?[DVD(字幕)] 8点(2005-04-30 00:56:33)

26.  まごころを君に 《ネタバレ》 公開時に劇場で観てから30年くらいしてビデオで観ました。原作はその10年前にSFマガジンに抄訳があって、だいぶ後で傑作集とかで出たのを読んだのですが、映画の題名がメロドラマっぽくなっていて少し変な感じがしました。原題のチャーリーは主人公の愛称と同時に「頭の弱い男」の意味をかけてあるので変えたのでしょう。しかし、この映画の最後のほうでの自分が元の世界に戻ることを知った時の恐怖(アルジャーノンはそれに耐え切れずに死んでしまうのですが)は高齢化やアルツハイマー病などによる認識障害とかを知った人々すべてが直面する問題ですから決して他人事ではありません。8点(2005-01-09 21:06:45)

27.  存在の耐えられない軽さ 《ネタバレ》 主人公の女性に対する押さえ難い好奇心と愛情の交錯が純朴な彼女には最後まで絶対に理解できないとしても無理はないけれど、その良き理解者でもある女性画家の絡みは奇麗で嫌味がないところがいいです。この映画はワルシャワ条約軍の侵入から丁度20年経た自由化直後に製作された(だからカレル橋とかでのロケもしてる)のですがやはり20年は長かったし、実際に投獄されなくても主人公達のように事実上社会から抹殺された多数の人々にとっては救いはなかったに等しいと思います。彼女の唯一の冒険が当局の巧妙に仕掛けた罠ではないかと元大使から教えられて絶望的な気持ちになるところなどに当時の状況がうまく説明されています。結末は唐突だけれど、まあ幸せな状況での悲劇として愛犬みたいな安楽死とかでないところで救われています。題名の「耐え難くい軽い」存在は、体制の中で軽く抹殺されてしまう全ての人々なのでしょう。8点(2005-01-06 00:40:46)

28.  ハスラー 《ネタバレ》 女子学生との出会いと彼女の自殺による突然の別れが男の人生を変えると言ういわばありがちなストーリーですが、観たときにはやはり衝撃的でした。彼女の遺書がノートにペンでではなく、如何にも女性らしい方法(それが女子学生という当時で言えばインテリのらしからぬ)によってこそそれだけのインパクトが与えられたのでしょう。最後の勝負の前に「何故勝てなかったかやっと判った、根性が欠けていたのだ。俺はやっと根性ができた。サラが命を賭けて教えてくれた。俺に賭けろ、俺は負けんぞ。」(字幕じゃなかったけれどきっと「Guts」だと思う)のセリフには痺れます。ハスラーは映画の公開時にはB-58爆撃機の名称としてしか知られてなかったけれど、その後に外人監督が「ハッスル」とか言ったのが元でスポーツ新聞用語として流行ったけれど、メンタルにスマートに稼ぐやつと言うような意味なのでしょう。8点(2004-12-30 23:49:13)

29.  80日間世界一周 この映画でゴールデングラブ賞を獲得したパスパルトゥ役のカンティンフラスが何故クレジットされていないのでしょうか?主役を喰ってしまうような活躍で、しかも今度のリメーク版みたいなあざとさがないところが楽しいものにしています。製作者のマイケルトッドはこの直後に飛行機事故で亡くなった(で、エリザベス・テーラーの結婚運もここまで)のでこれが遺作になりました。8点(2004-11-23 18:45:20)

30.  トロイのヘレン 《ネタバレ》 改めて衛星放送で観たけれど少し短くなっていたようです。最初の大掛かりな攻城機械を用いての戦闘とか戦車上での戦闘とか少し時代考証が変に見えるところはあるけれども随分丁寧な作りです。パリスの扱いは「トロイ」よりはずっと好意的だしロッサナ・ポデスタの王妃も役にはまっています。アトレウス家に兄弟が山賊と言うオデッセウスとかアキレスに張り合うアイアースとか老将ネストールとかのギリシャ側人物も、プリアモス家の全員も丁寧に描かれています。主役が恋人同士の二人でその分ヘクトールが割をくっているのは仕方ないでしょう。結末が王子達は総て戦死、カサンドラはレイプされヘレンは連れ戻されると言う救いのない結果になるのは確かイタリア軍が全面協力していた状況からも過度の商業主義にはできなかったのだと思います。テレビではちょい役のB.Bの場面を出しすぎです。 8点(2004-10-14 08:44:47)《改行有》

31.  侍(1965) 《ネタバレ》 歴史上有名な幕末万延元年における桜田門外での井伊大老暗殺事件を題材にした「侍ニッポン」の物語です。この話は江戸の浪人で剣術の腕を見込まれて討幕派から誘われる新納鶴千代が実は井伊大老の落胤であるとの設定で、何度も映画の題材になったものですが、それまでのものが最後に実の父と知って現場に駆けつけ大老を庇って殺されると言うものだったのに対して、最後に大老の首を挙げたのが実は鶴千代で、子が実の親を殺すと言う衝撃的事件から歴史に封印されたと言う筋書きになっています(侍ニッポンの歌詞と違い裏切り者とはなっていない)。三船が少し若侍にしてはひね過ぎていますがモノクロでの凄惨な殺し合いの場面は岡本喜八の傑作と言えます。8点(2004-09-24 01:17:28)

32.  遥かなる戦場 《ネタバレ》 クリミア戦争を舞台としたバラクラバの戦いは、英国の詩人テニソンの詩によって美化されて、以前にもエロール・フリン主演で映画化されましたが、この映画は史実にかなり忠実に作られています。ウェリントン亡き後の有能な指揮官を欠く英国陸軍と、死にかけ老人の司令官に率いられた仏軍の連合軍、英軍中での植民地軍生え抜きの有能な将校と貴族の無能将軍の対比はかなり戯画的ですが笑えぬ実態でした。当時の国際情勢のアニメーション(熊に乱暴される七面鳥をライオンとブルドッグが懲らしめる)なども判りやすいです。ロシアの援軍の反撃で砦の大砲を奪われるのを高地から見たラグラン大将は幕僚の乗馬の名手ノラン大尉に奪回の命令書を託します。しかし崖を駆け下りた大尉が騎兵の将軍に指し示す先には敵も大砲も見えません。この誤解から生じた軽騎兵の突撃シーンの撮影では余りに多くの馬が傷ついたために以後この種の映画を製作することは困難になったそうです。将軍の責任の擦り合いの中で馬の屍骸が風に吹き流されるシーンは「影武者」の最後で真似されています。8点(2004-09-22 21:49:43)

33.  未知への飛行 《ネタバレ》 この映画と「博士の...」の類似性が言われていますが、実際に原作の「フェイル・セイフ」はその前に出版されていた「Red Alert」との構成の類似性(時間単位で進行する形式の構成から相互の都市破壊の提案まで)のために、映画化の際に訴訟問題が発生して意図的な真似との裁定からコロンビア社が映画化権を獲得することになったのです。その結果この映画のほうは日本での商業上映はなかったはずです。最初に見たのは米国のホテルでのケーブルテレビでした。内容では、この原作のほうは「博士の...」と違って(グローバルな指揮システムやヴィンディケータと称する超音速爆撃機など当時の未来戦の場面を想定した)ハイテクスリラーなのですが映画ではシリアス過ぎたので恐らく軍関係の協力とか得られずに爆撃機の姿も僅かな機影だけで戦闘シーンも皆無です。(多分チープなテレビドラマのセットでの作成でしょう)しかしそれで緊迫感を盛り上げているのは立派です。この映画にちらりと登場する巨大な表示装置にリアルタイムで文字が表示されるシステム(アイコノラマ)は現在の液晶での投影システムとか見慣れたひとには当たり前に思えますが1950年代の終わりに米軍が物凄く金をかけて実用化したものです。(それまでは背後から人手で(もちろん逆に文字を書く特技のひとが)書いていたのです。この原作と映画に登場したホットラインはキューバ危機を契機に実用化(テレタイプ方式でしたが)されました。改めて観直しましたが、原作(米国ではベストセラー、当時朝日ジャーナルに抄録が出て河出書房から出版)に馬鹿みたいに忠実で、そのために人物がパターン化され過ぎて実在感が乏しいのは仕方ないでしょう。原作に無い最終段階で編隊指令の妻を連れてきて説得を試みさせるシーンですが、冒頭の基地での会話にあるように昔の爆撃機と異なりクルーに家族意識を持たせないシステムなので機長が心をぐらつかせても副操縦士が「謀略です」とラジオのスイッチを切ってしまう訓練された非情さが示されます。また防御用僚機への後方を追い払えの命令で意図的に高度を上げて姿をさらしての囮戦術(多分マニュアル化されていた)にも非情さが現われています。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2004-09-18 14:51:35)(良:1票)

34.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか この映画の原作者はビーター・ジョージと言う英国空軍の退役軍人で、Red Alertの題名で発表した本(後にTwo hours to the doom:邦題「破滅への2時間」で早川書房で出たけれど、多分絶版になっている)ですが、ここではもちろんDr.Strangeloveは登場しないし、投下した水爆は不発(原爆のみ爆発)で核戦争は回避されることになっています。この怪しげなドイツ人に似たのは「フェイル・セイフ」の原作に登場する亡命ユダヤ人のグロートシール博士で、当時ハーマン・カーンを始めとする多くのドイツ系、ユダヤ系のテクノクラートが米国の政治・軍事に大きな地位を占めてきていたのを戯画化したもののようです。これも呼び出し暗号のPOE(Peace on Earth)をPurity of essense(下品ですが)にしたのと同じキューブリックの悪ふざけです。オープニングの空中給油がいかにも何かを連想させるようになっているのも笑えます。Ghost riders in the skyは米国では結構ポピュラーなカントリー・ウェスタンのようですが、この映画のイメージしか浮かんでこないようになってしまいました。 8点(2004-02-18 01:22:13)(良:1票) 《改行有》

35.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 観終ってから気付いたのですが、これってヴォルテールの「キャンディード」が下敷きになっているのじゃないかと思いました。(バーンスタインのオペラはまた違った筋書きのようです)「人間万事塞翁が馬」じゃないけれど、最初の旅立ちでの親子強盗との遭遇で全ての筋書きが狂ってしまって、それでもまあ、成るように成っていくところが面白いです。日本とは馬とか道路とか事情の違いがあったとしても、西欧の若者ってあの時代にもそんなに積極的に行動していたのでしょうか?8点(2004-01-29 08:15:45)

36.  メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 メリーポピンズって魔女のお話なんですね。西洋では子供を怖がらせる魔女を子供の味方に設定した原作が立派です。サウンドオブミュージックのはみ出し修道女も、その系列になるのだろうけど、こちらはどこまでがフィクションかは知らないけれど実話。石炭の暖房で汚れた空と、それを支える煙突掃除人(頭の上で仕事をしているけれど卑しい仕事と蔑視され、タールによる癌とかのリスクの高い仕事)、石畳の上で鳩の餌を売る孤独な老婆。そして主人公の父親は階級社会の最上位に属する銀行員で、それが子供の言葉から(ボストンの茶事件)以来の取り付け騒ぎにと言う英国の事情を知らないとわかり難いギャグになっています。その両極端の銀行の老頭取?と煙突掃除人がヴァン・ダイクの2役と言うところが念が入っている。8点(2004-01-12 22:52:13)

37.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 今日見てきました。平日の初回なのに満席状態。同じ条件で10%に満たなかった「キル・ビル」とは大違いです。確かに神風連の乱などが下敷きになっての刀・槍。弓での近代軍隊との対戦(でも甲冑はやりすぎ)で、それも政府軍の挑発(これは西南戦争か)によって意地を見せずにはいられない、已む無き戦闘ですから筋は通っています。オルグレンはビッグホーンの生き残りとの設定になっているけれど、その報復としての先住民部族の虐殺に荷担したことで酒びたりで武器商人のマネキンを勤めていたのが明治政府に雇われて徴兵の訓練係に日本に来たことになっている。オルグレンの説明の中でテルモピュライのスパルタ軍の話が出てくるけれど、これとかアラモとかでの戦士の義務は上からの指示でなく自発的なもので、それを自分の義務と課すのが戦士で、命令だから(尤も最後の一兵までなんてのは日本軍だけのお題目で、兵士は責任範囲を果たせば降伏しようと逃げようとお構いなしがグローバルスタンダード)ではないと言うところに共感を持つのは洋の東西を問わないのだと思います。最後に勝元がテルモピュライの結果を聞くと、「勿論全滅した」との答が返ってきて、それで勝元は自分の役割を明確に悟ったのでしょう。「タイムライン」とかでも示されると思うけれど、弓は火縄銃はもちろん近代銃に比べてもそんなに効果は見劣りしないようです。もちろん絶え間ない訓練があっての話です。でもオルグレンがガトリング銃が使用されるのを知りながら、煙玉とかの準備をしなかったのは納得できない(機関銃は弾着が見えると効果が上がるのだから)けれど、そこまで自軍は保たないと考えていたのでしょうか?釈放されてそのまま村に戻るのはいかにも納得できないところで、冒頭のような僧形で放浪の果てに戻るようならまだよかったのにと思いました。8点(2004-01-08 00:25:37)(良:2票)

38.  ソルジャー・ブルー 《ネタバレ》 縛られた先住民少女の後姿のポスターが象徴している、歴史から発掘した戦争告発映画です。先住民を公平に暑かった映画としては、これ以前では「シャイアン(の秋)」と言うのがあった位ですが、最初に先住民に包囲された騎兵隊が降伏を容れられずに全滅したと言う背景があるとしても、それの報復としての先住民居留地への急襲と相手の戦士を全滅させた後に兵士全体によるレイプと虐殺が発生したと言う史実を当時明らかになってきたベトナムのソンミ村事件と対比させて描いたものです。いわば狂言まわしの役割を負うことになった最初の事件の唯一の生き残りとなった少年兵が次の事件の止め役になりながら、それ故に恐らく軍法会議送りとなる運命を告発しているのは米国映画人の良心とも言える映画でした。先に「魚が出てきた日」で何故か端役で登場したキャンデス・バーゲン(当時抜群の美少女スターだと思いました)がかなり良い演技をしています。8点(2003-12-31 23:57:17)

39.  ブルー・マックス 《ネタバレ》 当時の戦闘機乗りは騎兵に代わる戦場の花形で、貴族子弟しかなれないものとされていました。塹壕を掘りながら空を見上げていたジョージ・ペパードが、何とかその社会に潜りこんで、やがては憧れのリヒトホーエン(赤い三翼機)に近づくために撃墜数を稼ぐことに専念し、それが嵩じてたまたま機銃の故障時に友人パイロットの撃墜した数を友人と操縦技術の競争を仕掛けて事故死した友人の分を加えて、ついにブルーマックス勲章まで達したのだけれど、上官夫人の浮気に誘われて、(上位になるウルスラ・アンドレスの演技も凄いのですが)睦言でその事実を告白したのが夫に伝わり、新型単翼機の試験飛行をする羽目に。この上官夫人の態度における女心の移りやすさと、やがて崩壊するドイツ貴族社会での夫との関係など戦闘場面以外にも見どころのある映画です。8点(2003-12-28 12:55:21)

40.  ケイン号の叛乱 《ネタバレ》 当初は端正で規律正しいと見えていた艦長(ハンフリー・ボガード)の異常さは観客には判るけれど、それが軍法会議では危険はその場にいる経験者しか証明できないこと、そして戦闘状況での抗命や叛乱は最高で死刑ですから艦長の異常さを暴く以外に途はなかったのは仕方ないことでしょう。しかし、米軍も大戦下で経験と技能が要求される海軍・空軍の現場指揮官は絶対的に不足していたので燃え尽きるまで使われても本人から言い出せない事情があったのだと思います。プライドや待遇の問題だけで、安全で家族と暮らせる陸上勤務を避ける理由にはならないでしょう。(「頭上の敵機」とかもこの問題がテーマになっています)だから無罪になったのは喜ぶべきことだけれど、シェリーなど飲んでいられるかと立ち去る同僚は自分の未来を予感したのだと思います。日本軍でも同じような問題は起きていたのでしょうけれど、会社と同様に庇い合いと闇に葬る体質からこんな映画や小説にはならないみたいです。8点(2003-11-15 00:58:40)

000.00%
110.48%
210.48%
331.43%
452.38%
52210.48%
66229.52%
77033.33%
83516.67%
994.29%
1020.95%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS