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プロフィール
コメント数 293
性別
自己紹介 【好きなジャンル】
ミュージカル/恋愛/戦争/コメディ/SF/社会派・人間ドラマ
【苦手なジャンル】
格闘技/動物/トムハンクス/アレン関係

最高の映像作品だと思うのは実は映画ではなく、NHKドキュメント「映像の世紀」。

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21.  サスペリア(1977) ビデオに撮って死ぬほど繰り返して観た作品。あのドギツク悪趣味で魅惑的な色彩と冷たい音楽にハマッた小学生の私。アタマの悪い私はストーリーは忘れてしまったが,何故か「青いアイリスを回すのよ!」というセリフだけは覚えている。現在の感覚で観たら恐らくダメ映画だろう。でも私にとっては思い出の名作なので,その思い出を壊さないためにも観なおさないことにする。10点(2004-01-06 18:29:49)

22.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版 《ネタバレ》 「ゾンビ」!小学生だった私は何度この映画を観たことか。標準録画しか出来なかった当時のビデオで繰り返し観るのは苦痛だったけど,それでも何度も繰り返し観た。有名なEVのシーンはもちろん,冒頭のSWAT突入場面や無人のショッピング・モールでやりたい放題やるシーンは爽快で,特に幼い私のお気に入りだったなあ。ヘルス・エンジェルスが突入してくるシーンでは「何て余計なコトを!」と半ば本気で憤ったし,ロジャーがゾンビになってしまう場面は辛かったし苦しかった。「ゾンビ」と「サスペリア」。この二つの映画は完成度とかカルトだとかそういう問題と関係なく,私にとって基本であり名作なのである。 10点(2004-01-06 18:08:01)(良:1票)

23.  スターシップ・トゥルーパーズ バーホーベンの嫌味さが爆発。「インビジブル」でもそうだが,この人の映画は徹頭徹尾無機質で冷く,しかもアホである(そこが好きなのだが)。ハインラインの原作も素晴らしいが,キッチュでシニカルな演出で,戦争賛美派マッチョ・反戦派の双方のくだらなさを冷笑するのが実にバーホーベンらしく,原作とはまた違う味わい?の傑作となった。[映画館(字幕)] 10点(2004-01-06 13:09:06)

24.  ツィゴイネルワイゼン サラサーテのレコードをかける導入部が印象的。この映画をみてからは,映画を必ずしも「理解する」必要はないと考えるようになった。そういう意味で,自分にとっての記念碑的作品。なので満点。[地上波(字幕)] 10点(2003-12-25 15:32:04)

25.  激突!<TVM> 傑作。一発のアイディアを活かす演出は,素晴らしいとしかいいようがない。この監督の次の作品を早く見てみたい。10点(2003-12-24 18:06:18)(笑:2票) (良:1票)

26.  ブルース・ブラザース 《ネタバレ》 なんというか奇跡的傑作。もう大好き!。どのくらい好きかというと,サントラを買って聞きつぶして2枚目を買うくらい好き。だってアレサ・フランクリンでしょ,レイ・チャールズでしょ,ジェームス・ブラウンでしょ...。もう何回も観ましたけど,最初観たときの驚愕と感動は今も健在。最高のミュージカルでありコメディでありアクション映画であると思います。トンネルの中でジョン・ベルーシがサングラスを取るシーンなんて,もうカッコよすぎます。追記:またまた観直した。いや~やっぱいいなあ。特にラストシーンに至るところなんかは無理無駄!無理無駄!の連続で何度観ても本当にアホらしい。パトカーがクラッシュ山に突っ込むシーンでは突っ込む前から既に飛んでるし,SWAT隊のアホのように繰り返される「ハッ・ハッ・ハッ」という掛け声も無意味で実によろしい。ところでこの映画,これだけ銃撃・事故・攻撃?があるにもかかわらず,誰一人とて死なないし怪我しないのだ。素晴らしいではないか!しかも主役の2人は金でも名誉でも地位でもなく,ただただ孤児院を潰さないために突っ走る。全てのドタバタは神のため,孤児のためなのであ~る。それがどうしたって?どうもしないのがこの映画のいいところ。とにかく,この映画1本で並の映画の5本分くらいの価値はある!誰がなんと言ってもそれは撤回しないぞ!!10点(2003-12-24 15:47:27)(良:3票)

27.  素晴らしき哉、人生!(1946) 「素晴らしき哉,人生!」という邦題は最初どうかと思ったが,観終わったあとの今では,このタイトル以外には考えられない。この映画は希望を失ったとき,心が沈んだときに贈られる最高のクリスマスプレゼントだ。当時,F・キャプラの理想主義は相当馬鹿にされたりしたらしいが,キャプラの映画が時を越えて我々の心に訴えてくるのに対し,キャプラを笑った人間はいったい何を残せたと言うのか。「現実味がない?」それがどうした。「現実」なら映画に求めずして腐るほどあるのに,それを「子供だまし」と混同して冷笑を浴びせるのは間違っていると私は思う。60年前の観客と,今日の我々は同じである。その昔と同じくラストシーンに胸を打たれ,涙する者が居るということにも私は感動する。10点(2003-12-24 12:01:09)(良:4票)

28.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 カナダのメディア学者マクルーハンの「メディアはメッセージである」という言葉に対し,キューブリックは「メッセージがメディアである」とわかりやすく切り返した。キューブリックはこの映画を作るに際し,メッセージが映画というメディアに与える影響を強く意識していたに違いない。つまるところ,彼のメッセージとは言語化できない「主体的な体験」なのだ。それを考えれば,この映画に対して「難解だから分かりやすく」という要求をするのは,アプローチの仕方というか,"立ち位置"みたいなものが全然違っているように感じる。例えばそれは,モーツァルトの音楽に"説明"をつけ,分かりやすくして欲しいというのと同じようなものなのだから。また,「わざと難解にしている」というのも少々違っていると思う。キューブリックが「観客にわかる」ように作ろうと思えばそりゃ作れるだろうが,さきほども言ったようにそもそも「解説」できないものをあるわけだし,「解説」したとたんに失われるものもあるのではないだろうか。「解説」をしないことで生まれる「主観」や,言語化できない「体験」を「映画」で観る人に伝えたい,それがキューブリックの狙いだと私は思う。...余談。「難解」とみると突然否定的な態度になる人が身近にもいたが,はっきり言ってそういう心理は近親憎悪に近いと思う。他人が頭よさげに振舞ったって,別にどうでもいいじゃん。10点(2003-12-18 19:36:31)(笑:1票) (良:5票)

29.  地獄の黙示録 もう何回見たことか。愛してると言ってもいいくらいの映画です。 なにより映像が美しいし,音楽の使い方も素晴らしい。 深読みするのは勝手だけど,ストーリーについて言えばこれはどう見てもただ単に破綻してるだけでしょう。従って,ストーリーには関心を持たないのがこの映画を愛するコツではないかと。 10点(2003-12-17 19:56:55)(笑:1票) 《改行有》

30.  第9地区 《ネタバレ》 SF・アクション・サスペンス・ヒューマンドラマ・社会問題をすべてぶちこんで、「南アフリカの難民キャンプに収容された宇宙人」という驚異のアイディアでまとめて、娯楽として成立させてしまった手腕がすばらしい。役者もいい。さらに、UFOの造形やストーリーなども、B級感漂うありきたりのものなのにもかかわらず、全体を通してみれば、なぜだか今までにない新しいものを観た、という感じすらもする。その理由はたぶん、そういう「全部入り」映画の新味に加えて、差別をテーマにした今までの映画との違いもあるように思える。というのは、従来の映画が、実際にあった差別・真実をドキュメンタリーに提示し、だから、ややもすれば歴史的な背景を知らなければ理解できなかったりしたのに対し、この映画で描かれた「差別」(?)は、まったく想像上のできごとだから、それゆえに、「差別」というコンセプトが、シンプルかつダイレクトな形に整理されていると感じたのだ。もっといえば、「差別」というテーマは、そこまでこなれていて、ありきたりで、記号化されたものだ、ということが、同じようにありきたりなUFOやロボットやストーリーと並列に提示されることで、明らかにされた、というべきかも知れない。一応断っておくが、私は「差別なんてテーマは、ありきたりのものだからとるに足らない」などと言うつもりはない。むしろその逆である。部分の「新しさ」より、全体のそれが重要だ。「ありきたりの寄せ集め」映画でも、私たちは感動したり面白いと感じることができる、そういうことをこの映画は示した、と言いたいのだ。ところで、レビューをみると、この映画と「アバター」との共通点を指摘する方が多い。実は「アバター」をみていない私が言及するのも気が引けるけれど、まさに「部分」である3Dをメイン売りとし、差別をオーソドックスに扱う「アバター」と、どこがいいのか答えに困り、差別をマンガ的記号とする「第9地区」では、そういう点で決定的に違うもののように思えるのだが(アバターが悪いと言ってるわけじゃない。映画として異なるアプローチということ。念のため)[映画館(字幕)] 9点(2010-05-08 09:01:39)(良:1票)

31.  ぐるりのこと。 妻が好き夫が好き子供が好き母が好き父が好き兄が好き妹が好き同僚が好き絵が好き人間が好き・・・孤独の連帯があり、絶望に希望がある。ひとはひとを大切に想う。「そうしなければならない」からではなく、「好き」だから。これから何人のひとを好きになれるのだろう。カナオや翔子のようになれるだろうか。[映画館(字幕)] 9点(2009-02-15 09:54:00)

32.  ボーン・アルティメイタム ボーンは疾走する。ただひたすらに、自分のために他人のために全力で疾走する。ボーンは絶対止まらない。ボーンはいつでもそうだったし、今作もやはりそうだった。単純だけれど、作品として、この単純さを維持するのは案外むずかしいことだったのではないかと私は思う。素晴らしい。[映画館(字幕)] 9点(2007-11-24 02:14:35)

33.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 周防監督が満を持して発表した,まさに渾身の一作。痴漢という「微罪」から,日本の司法の構造的問題点に深く切り込むというアイディアも素晴らしいし,「無実の人を罰するべきでない」というテーマへの,最初から最後まで全く揺るぎのない視点も素晴らしいし,これらを支える小細工無しのてらいのない脚本と演出,芸達者な役者陣の抑えの利いた演技も素晴らしい。「娯楽性が無い」という向きもあるようだが,私はそうは思わなかった。最初の裁判官が,裁判官事務室で修習生に心得を説く場面。彼の背後の机に将棋雑誌があったのをご記憶だろうか?裁判官の人となりを表す小道具として,特に他意なくおかれていたものだろうけれど,よく考えてみれば「考えるだけ」の娯楽が将棋というものである。「もし自分が,被告/被害者/裁判官の立場ならどう行動するだろう」と自分が考え始めたのなら(そして物語に没入して2時間強を過ごしたのなら),泣いたり笑ったりのわかりやすいカタストロフィなどがなくても,「娯楽作」と言ってよいのではないだろうか?ベテラン,主役は別として,他にも最初の裁判官を演じた正名僕蔵,新人弁護士役の瀬戸朝香,取調べ刑事役の大森南朋が強く印象に残った。丁寧に作りこまれ,作り手の志も感じる傑作で,満点と行きたいところだが,民事専門弁護士の益岡 徹,マンション管理人竹中直人のシーンが不用かつ甘さと冗長さを感じたので残念ながら-1点。[映画館(邦画)] 9点(2007-03-03 03:16:31)(良:2票)

34.  ユナイテッド93 《ネタバレ》 「9・11」ではなく,「9・11以前」を描こう,監督はそう思ったのではないか。よく考えれば,「9・11」という呼び方が定着したのは,あの事件がひと段落して全貌がある程度解明されてからであって,事件が発生したあの朝は,何が起こっているのか誰にもわからなかったはずだ。当初あった「悲劇を商業化するものだ」という,この映画に対する批判は,その後一転して絶賛の嵐に変わったそうだが,当然だろう。この映画は,悲劇たる「9・11」を描いたものではないからだ。「乗客を英雄視するプロバガンダだ」という向きもあるが,この映画を正面からみたのだったら,そんなことは塵とも感じないはずだ。当然だろう。この映画は,英雄譚たる「9・11」を描いたものではないからだ。「9・11以前を描く」というウルトラCで,「9・11」のうさん臭さから逃れ,異常な混乱と暴力に飲み込まれた大量の日常と人生,という普遍的なテーマを描くことに成功した。この監督の手腕は相当なものだと思う。[映画館(字幕)] 9点(2006-08-14 02:27:40)

35.  チャーリーとチョコレート工場 非常に良かった。「オズの魔法使い」を彷彿とさせるような色の洪水と音楽,そしてストレートなメッセージが素敵。私は今までティム・バートンの世界観にはついていけないところがあって,正直言ってこの映画もどうかなと思っていたのだが,「チャーリー~」に関しては心の底から真っ当な映画だと感じた。たぶん,ウォンカワールドとバートンの感性がマッチしたことも良かったのだと思うが,それよりむしろバートンがCGになるたけ頼らず勝負したことによる部分が大きいような気がする。本来CGやら何やらは何かを表現するための技術であって,映画のつまらなさをごまかすためのモノではない。これは当たり前のことだが,様々な誘惑があるなかで当たり前であることは難しいのではないか。考えてみれば,主人公のチャーリーも,様々な誘惑があるこの世の中で,真っ当すぎるほど真っ当な少年だ(チャーリーが拾ったお金だけど,あれはウォンカあるいは神様からの贈り物だと私は信じたいw)。主題と手法の双方が真っ当である映画,単純かも知れないけれど,そんな映画を観るとやはり私は嬉しいのだ。[映画館(字幕)] 9点(2005-09-14 00:49:04)

36.  ソウ 監督ジェームズ・ワンと脚本リー・リネルの「僕達2人はこのストーリーの大ファンなんだ」という言葉。この映画はこれに尽きる。この手の映画を観ると,得てしてストーリーのアラ探しをしたり,「犯人は初めからわかってました」みたいなことを得意げに語りたくなるが,この2人の言葉はそういう下らない観客のプライドの表出を軽やかに飛び越えている。彼らの言うとおり,この映画は,観た人がこのストーリーのファンになれるかなれないか,そういう視点で評価をするのが最もふさわしい。同じように見えるかも知れないが,そこが「セブン」と大きく異なっている点だと思う。 9点(2005-03-15 21:30:29)《改行有》

37.  転校生(1982) 私が思うに「入れ替わり」というプロットが多くの人々を惹きつけるのは,それが常に「秘密」とセットになっているからだ。いやむしろ,そのような「秘密」こそが魅力の源泉で,入れ替わりは「秘密」を物語に導入する単なる手段に過ぎないといってもいい。秘密でない入れ替わりなど面白くともなんともないに違いないのだから....。そう考えれば,この映画の舞台は断じて尾道でなければならないし,季節は夏でなくてはならないし,主人公は尾美としのりと小林聡美でなければならない。きっと,このうちのどれが欠けても「秘密」の魅力は半減していただろう。いってみれば,奇跡的な結びつきの化学変化によってもたらされるきらめきと匂い,そして「秘密」の総和がこの映画なのだと私は思う。例えば想像してみて欲しい。季節が夏でなかったら...主人公が尾美と小林という新人でなかったら...舞台が尾道でなかったら...あのムッとするような,だが爽やかな生命力溢れる草いきれの懐かしい匂いを映像から感じとることができただろうか?そして,ひいてはそのような「匂い」から想起される観客個人の甘酸っぱい「秘密の体験」を,この映画の2人の「秘密」と重ねあわせてみることができたろうか?私が言うまでもないが,名作には何らかの奇跡が起こっている。この映画がこれほどまでに人を惹きつけて止まないのなら,この映画にもやはりそういった類の奇跡が起こっていたのだとはいえまいか。9点(2005-03-04 13:23:44)(良:1票)

38.  フォーン・ブース 「うまい、安い、早い」9点(2004-07-06 23:11:35)(良:1票)

39.  ゴスフォード・パーク 《ネタバレ》 「神は細部に宿る」という言葉があるが、この映画はそんなふうに始まる。アルトマンいわく、様式とはすなわちディティールだ。戦前という貴族の光が消え去らんとしている時代、そこに生きる人間達もまた「様式」の中に生きていた。この映画では執拗にディティールが語られる。猟銃、自家製マーマレード、コンストラクト・ブリッジ、ゴシップ、カネ、色・・・どいつもこいつも紋切り型で杓子定規な人間ばかりで、個々の人間性よりもそういう「形」こそが「階級」であり、ひいてはミスター○○であり、ミセス○○なのだといわんばかりに。だから観る者が登場人物の区別がつかずに混乱するのも当たり前で、それはアルトマンの狙いにハマっている証拠なのである。しかし、そこにアメリカ人(新時代の隠喩)という異物が投入されたとき、そしてカントリーハウスの主人(旧時代の隠喩)が殺されたとき、登場人物それぞれの人間性がほのかに現れ始める。ヘレン・ミレンの号泣は、そのクライマックスで、このあたりになると、誰がどうなのかがハッキリ彩られて見えてくる(少なくとも私はそうだった)。私が思うにアルトマンは階級社会の崩壊と、それにともなう人間性の解放を描きたかったのではなかろうか。この映画を観れば、アルトマンがミステリ仕立てのストーリーなど重視していないことなど誰にでもわかる。だからそれをどうこう言うのは、それこそ野暮だろう。肝心なのは「人物の書き込み」でも「殺人事件の顛末」でもなく、「ディテールの積み重ねとその崩壊」なのだから。冒頭、強い雨のシーンから始まるが、ラストは快晴であったのがそのことを暗示していると、私は思ったのだがいかがだろうか?。雨にぬれた従順なメアリは旧時代の人間のありかたであったが、ラストでスターに軽やかに別れを告げ、女主人に痛烈な一撃をくらわすメアリの姿は、「様式=ディテール」に囚われずに生きることのできる、そんな新しい時代の到来を確かに予感させるのだ。9点(2004-03-23 00:16:29)(笑:1票) (良:1票)

40.  奇跡の海 「生々しい肉体」という表現があるが,いってみればこれは「生々しい精神」の映画だと思う。「性と聖と凄と生」そして「愛と哀」が,モラルを跳び越え,目の前にナマで差し出される。ここで,不快だ,この変態監督が,と簡単に言ってしまってもいいし,実のところ私も全く同感なのだけれど,しかしいったん身を引いて,何故そんなものに惹きつけられるのだろうと自問自答してみれば,その答えを見つけるのは容易なことではないことに気が付く。ひょっとしたら私は無意識に今の世界を憎んでいて,今の価値観が出来上がる前の世界で躍動していた何ものかを望んでいるのかも知れない。そして,ラース・フォン・トリアーの映画につきまとう,何か見てはいけないものを見たようなあの嫌な感じというのは,無意識の自分をさらすことへの恐怖から,自分の意識が発した警告なのかも知れないとも思う。(しかし,こんな余計なことまで考えさせるなんてホントに嫌な奴である。というか,要するにヤツも私も同類ってことか...ガックリ。)9点(2004-02-18 17:57:09)(良:3票)

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