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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
21. デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 先入観から心理サスペンス的な作品を期待していた分、やや肩透かしでしたが、それでも、所々に張り巡らされた伏線は、ストーリーの進展とともに、納得と心地よい衝撃になっていき、謎解きに似た緊張感を感じた。特に、過去と現在の繋がりをカーチェイスの場面でダブらせる設定は見事で、死体で登場したクレアが助かる過程も無理なく受け入れられる。まあ、唯一納得できないのは、最後に車とともに爆発したダグが、何食わぬ顔で現れたことだ。しかも、クレアと初めて会ったようによそよそしい態度だし。[映画館(字幕)] 7点(2007-03-27 22:44:36) 22. 隠し剣 鬼の爪 山田監督が寅さんシリーズのワンパターンについて聞かれ、「でも、お気に入りのラーメン屋さんに入ったらいつもの味を出してもらわないと嫌でしょう」という事を言っていた。そういう点で、「たそがれ・・」の味は守っているんでしょう。お客には、別のメニューを頼んでいる連中もいるみたいだが。と言うわけで、なかなか良かったが、復讐に至る動機が弱いのが若干味を落としているかな。しかし、松たか子の虐待からの大救出は感動もので、身分の違いに露骨に反発することなく、受け入れた上で乗り越えようとする健気さが心地よい。[地上波(邦画)] 7点(2007-03-01 21:49:57) 23. 硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 イーストウッド監督の戦争の本質に近づこうとする良心が感じられる。ひとつは、徹底した偏らない視点だ。敵と味方、善と悪、規律と堕落といった対立軸を日米のどちらのサイドでも描き、戦争映画に不可欠であり、また、イーストウッド自身が得意としていたナショナリズムをいとも簡単に切り捨てている。色々な角度から見なければ物事の本質を見失うという真理をそのまま示しているようだ。もうひとつが、兵士として戦った人間を描いていることだ。最前線に送り込まれた兵士達をそれぞれの視点から、現在の我々と同じ感覚で捉えている。戦争という異常な状況に身を置く兵士達の精神と人生を、国家間の対立や戦略とは距離をおいて丁寧に、客観的に。60年前に硫黄島にいた多くの若者達と、今を生きる我々と、何が違っているのか。同じではないか。君たちは歴史を知っているのか、彼らを忘れていないか、という問いかけが重く心に響く傑作だ。[映画館(字幕)] 10点(2007-02-10 00:43:22)(良:1票) 24. 武士の一分 《ネタバレ》 毒に当り失明し妻を寝取られた相手と果し合いと、話の内容が非常に暗く展開するが、決して重苦しくはない。口が軽く人の良い徳平やおしゃべり叔母さんが画面を和ませる。とどめは殿様。室内や屋敷の場面がほとんどで、決闘の場面でも安上がりな設定が気になるところですが、当時の武士の意地と生き様は伝わりました。私がよく似ていると言われるキムタクの演技は自然で、剣道をやっていただけあって刀さばきもさまになっていた。すみません、嘘つきました。[映画館(邦画)] 8点(2006-12-06 00:04:48) 25. ALWAYS 三丁目の夕日 原作の漫画は昔よく読んでいたんですが、あの世界を表現したにしては子供達の部分が弱いですね。大人のノスタルジー感は目一杯あって、というかそれだけの映画になっているのが気になったところです。しかし、この歳になると、あの時代が懐かしいし、ジーンとくるエピソードもてんこ盛りだし、コントみたいな部分には苦笑いするし、満足感は残りました。東京タワーの建設中の絵は新鮮な感覚です。少なくとも子供達を主役にしていたらなあ。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-12-03 11:50:30) 26. 父親たちの星条旗 「最も大事な事ほど、言葉に出すことは難しいものだ」これは、Sキングの「スタンド・バイ・ミー」の冒頭の一部だけど、戦争体験者が戦地での出来事を話したがらないということは、そういう事なのではないかと思うのです。キングがここで言う「最も大事な事」とは、多感な時期の大事な宝物のような思い出の事を言っているのだが、人生で最も影響を受けた出来事が、言葉にするほど、現実に自分の胸の中にある感覚とはかけ離れていくような印象を持ち、感じている事を一つも表現できない苦しさは同じではないかと感じるのです。主人公の一人であるJ・ブラドリーが家族にもほとんど硫黄島での出来事を話さなかったのは、まさに、そういうことだったのだと思います。しょせんどんな言葉を使っても自分の体験を他人は理解できない。あの出来事を表現できるような言葉もない。イーストウッドの真摯な演出が冴えています。英雄を作り出し、徹底的に利用する権力者の派手な演出と、冷めた苦悩の3人の兵士のギャップ。姿の見えない日本軍と対峙し、淡々と仲間が殺されていく戦場。兵士の目線での見たままの表現。決して、押し付けの主張はなく、材料を提供し、さあ、どう思う?と我々に問いかける。戦争に善も悪もない。まして英雄などいない。彼らは国のために戦い、仲間のために死んで行っただけなのだ。[映画館(字幕)] 10点(2006-11-05 21:41:12) 27. 交渉人 真下正義 犯人のヒントや行動を基に、昔の映画や音楽などを即座に調べ、それを証拠として昔の事件や物事を説明したり解釈したりすることについてはプロフェッショナル的に仕事をしていた。さすが考証人。「勘」が大事なのか。[地上波(邦画)] 6点(2006-10-22 00:32:27) 28. 容疑者 室井慎次 そこそこ楽しめた感はありました。まあ、色々不満はありましたが、というか、映画として考えるとちょっとねえ。そこは置いといて、唯一、言っておきたいこと。何とかなんないのか、田中麗奈の演技、というか、ナレーション、というか眉毛。[地上波(邦画)] 6点(2006-10-22 00:07:45) 29. あずみ そんなに悪くないんじゃない。ていうか、何を期待したかですよ。原作がコミックですからこういう感じは予想していました。唯一、家康や清正がもっと違った形で登場すると期待したのが間違いでした。その他はなかなか面白く観れました。遊び心はプラスに作用してると思います。[地上波(邦画)] 6点(2006-10-10 20:31:41) 30. 電車男 ストーリーはけっこう面白い。当然、有り得ない話と割り切ればですが。最後が普通で間延びした印象です。全体の印象を下げていますね。とはいえ、示されている教訓はけっこう多い。勇気を出さないと良い結果は得られない。友達は大切にしよう。酔っ払いに絡まれている人は顔を見て助けよう。美人でエリートのOLも男の好みが変わっている可能性がある。[地上波(邦画)] 6点(2006-09-17 00:00:33) 31. ナショナル・トレジャー 宝探しは誰でもワクワクするものだ。ましてや一族の名誉と巨額の富と世界的名声が懸かっている。しかも悪役も必死に追ってくる。いまいちスパイス不足の感があるが、その分健全な娯楽作品に仕上がっている。米国の歴史に興味があれば楽しさ倍増。[DVD(字幕)] 7点(2006-09-12 22:16:02) 32. フライトプラン 《ネタバレ》 飛行機から人が消えるのかという謎がまず成功の最大要因かな。密室殺人と同様に、謎解きにワクワクします。そして母親の強さが良い。乗客が迷惑がるとか、乗務員の指示に従わずわがままとか、普段であればそうだが、娘の命を考えたら構っていられないのは当たり前でしょうね。必死さに無理がなく、最後のどや顔も美しい。荷物を持ったついでに文句の一つも言おうと思ったアラブのおっさんも美しさに言葉を失ったと解釈したが。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-27 22:33:22)(笑:2票) 33. 死ぬまでにしたい10のこと やられた。これは斬新なアイデアでもあり普遍的なテーマでもある。実際は死に対する恐怖が付きまとうのだろうが、それを除けば、主人公の心情は十分理解できる。家族のために何かしてやりたいと言う気持ちと、自分のやりたかったことをしてみたいという欲求。わがままは許される立場になっている。運命を受け入れる決心をし、やるべきことをやり、多くの愛を感じて充実した日々を過ごす。長く生きていれば良いというものでもないのか。そして、我が愛しのデボラ・ハリーの変わりようにもやられた。ブロンディの懐かしい思い出に+1点。でも邦題に-1点。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-14 12:21:39) 34. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月 前作のほが良かったけど、懲りないどころか、また太って、二人のエリート男性から好かれるなんて有り得ないじゃないか、と思わせるアンバランスな役に徹しているレニーには頭が下がる。そこまで太るか。プロだねえ。[DVD(字幕)] 7点(2006-08-13 21:19:24) 35. SAYURI ハリウッドの戦争ものでは、ドイツ兵やロシア兵も平気で英語をしゃべっている。日本兵ですら。日本を舞台にした作品でも、結局はアメリカの映画である。それにしては、芸者の世界をよく描いている。原作がしっかりしているからか。日本の文化であっても、庶民には遠い世界であり、同じ日本人でも、あの進駐軍と同じ目でしか見れないのかもしれない。私自身もほとんど知識がないのが正直なところではある。なるほど、こういう独特の文化があるんだな、と、中国人が演じるアメリカ映画で感心している日本人がいる。[DVD(字幕)] 9点(2006-07-18 23:06:17) 36. 8人の女たち 《ネタバレ》 面白うてやがて悲しき作品。名女優の熱演と次々に明るみになる暴露話が小気味良く、謎解きにも増して、どんな意外な話が出てくるのか興味が尽きない。善人と悪人が入れ替わり、そう来るのかよというオチが楽しい。しかし、次第に話が核心に近づくと、おじさんにとって笑えない状況が見えてくる。そして悲しい結末が訪れる。女達の身勝手な振る舞いとそれに振り回される心優しき男の苦悩がわが身に置き換わる。そう、どこの国も同じなんだ。それが男の役割と言われればそれまでなんだが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-16 14:55:36) 37. メラニーは行く! 《ネタバレ》 まず、邦題は何を言いたいのかわからない。少なくとも、メラニーは戻るか、だろう。フィアンセは帰るか?のほうがいいかも。南部の人達の心意気はよく感じられたが、フィアンセも市長である母親も、こんな仕打ちを受けるほど悪くはない。結局、最悪なのは主人公じゃないのか。ということは、邦題は「メラニーのわがままに振り回される人達」か。で、猫は何歳なんだ?[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-07-09 00:26:11) 38. エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 映画ではカッコ良く、きまっていたけど、実際はどんな人なのか興味を持った。3人の子供を育てながら、仕事に目覚めて行く課程での悪戦苦闘ぶりは、おそらく実際もそうなんだろうと想像できる。朝方に、帰りの車から電話して、3番目の娘が初めて言葉を発した様子を聞きながら涙するシーンは、ジーンときた。おそらく、こういうシングルマザーに限らず、仕事と家庭を両立させている人は、ほどんどいないのではないかと思っている。どちらかを犠牲にし、あるいは両方中途半端にしているんじゃないのかな。自分は両立させたという人も、家族など誰かの犠牲はあるはずだ。それが人生なのかもしれない。あきらめない姿勢は、成功者共通のものなのだろう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-03 22:27:46) 39. ターミナル 国際空港という場所の持つ人工的な側面と複雑な社会の接点は、我々も利用するたびに何らかの形で感じるところではあるが、ひとたびトラブルとなった場合は笑い事では済まされない。国内で生活している時の、あるいは外国にいるときの自分の立場、保護される権利、受けられるサービスなどが全て中途半端なのだ。国際社会が作り出す国境をまたいでいる状況なのだから、当然といえばそれまでなのだが、だから、色んなドラマも生まれるのだろう。常識的でない出来事も妙に納得してしまう。父親とのエピソードがジーンときたな。音楽に国境はないという事が、当たり前とはいえ、素晴らしく感じた。[DVD(字幕)] 7点(2006-04-23 13:30:11) 40. いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 たぶん泣くような作品じゃあないと思っていたのだが、やられた。一人で観てて良かった。最後のネタあかしなんかジーンときて、やっぱりそれでも会いに行くのか、愛の力は偉大だと思いつつも、同僚の女性が気になって。その後、また、新たに3人の生活が始まっていくのかなあ、などと変な事を考えてしまった。なかなか良い話ではある。[地上波(字幕)] 8点(2006-04-17 00:01:40)
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