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プロフィール
コメント数 1722
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。
※2024.2.28ニックネーム変更「ぽこた(ぺいぺい)」→「タコ太(ぺいぺい)」

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21.  メタモルフォーゼの縁側 《ネタバレ》 原作未読です。本作品のみについての感想ということで。 W主演の二人の存在感・安定感が素晴らしく、ややもすると妙にヒューマンドラマ然とした雰囲気になりそうな物語が、極めて自然でどこにでもありそうにさえ思える印象に仕上がっていますね。 冒頭の法事帰りの雪の台詞とか聞いていると、もしかしたら余命を意識した老婦人が孫のような女子高生と友情を育み幸せに去って行く、みたいな展開とか、コミケやサイン会にすれ違いで行く二人の身に何か事故が起こってしまったり、みたいな展開とか、アルアル的なベタな流れを予感してしまいハラハラしまっくっていましたが全てが杞憂。こういう安心感のある作品って意外とないような? よくよく考えれば結構突拍子もない設定ながら、この安心感に包まれた作品世界は非常に心地良いものでした。常日頃から殺伐とした作品ばかり観ている自分にとっては、一服どころか百服ぐらいの清涼感と幸福感に溢れた作品に高評価です。[インターネット(邦画)] 8点(2025-05-17 09:53:57)《改行有》

22.  いずれあなたが知る話 《ネタバレ》 一見、娘だけが生き甲斐で必死に暮らしているように見える母親。その実、娘のために疲れた体に鞭打って働き続ける暮らしには辟易している。そこに現れた見ず知らずの老女二人。娘に関わろうとする二人が鼻持ちならない。けれども、よく考えてみればあの二人に預けてしまえば娘は自分と居るより幸せに違いない。そっと覗き見ると娘は幸せそうだ。訳アリ風な老女たちも幸せそうだ。自分だって幸せだ。これでいいんじゃない? 追い詰められたシングルマザー。料金が支払えず電気を止められてしまうほどの生活困窮。ついには風俗で働くことに。夫が居た頃、それはそれで心理的DVで自分が何者か判らないような暮らしだった。一体私は何者なのか?そして突然訪れた救いの手。老女が娘を救ってくれる。そして、娘のいなくなったアパートは自分だけの空間。ろくに出来なかった掃除だって楽しい家事。風俗も指名してもらえるようになった。これで今までの暮らしからは脱出出来たんだ。 でも、世の中甘くはないですね。騙されてAVの道へ。アパートの隣人はいつの間にやら自分のストーカー。今や楽しみは老女と暮らす愛娘の幸せな姿を覗き見ることだけ。 しかし伏兵ストーカーも追い詰められていた。仕事をする気も起きず、実家に帰ることも出来ず、自分だって幸せな家族の暮らしをしたいのに恋しい靖子は彼女を食い物にする男に奪われ、可愛い綾ちゃんは老女に奪われ。そして決断してしまう。 オープニングに現実の出来事とは関係ないとのメッセージが表示されますが、老女たちによる誘拐容認とそれに続く娘の奪還シーンはともかくとして、他は如何にもありそうなお話。都会の片隅に生きる追い詰められた孤独な人間のお話。幸せになりたいのに追えば追う程幸せは逃げて行ってしまう。ある種淡々とした語り口に惹き込まれました。 ただ、ラストはどうなんでしょう?娘を取り戻すこと自体は実行犯も含めて概ね予想通りだったのですが、ちょっともみ合ってあっけなくお亡くなりとは…。そこの演出ってどうにかならないもんだったか?カメラアングルとか時折「お!」と思わせてくれるカットはあったのですが、ラストの頓死的な死に様はどうにも安直に思えて只管残念でした。最後の最後に興覚めしてしまった。[インターネット(邦画)] 5点(2025-05-14 00:32:35)《改行有》

23.  レンフィールド 《ネタバレ》 シンプルに楽しいアクション・コメディ・ホラー。元ネタのエロティシズムは抑えられつつも、ちょっとばかりスプラッター風味が強いのでお子様には向きませんが、何も考えずに楽しむにはうってつけの1本ですね。 何よりも魅力なのはダブル主演のダブルニコラスさん。流石のケイジさんはドラキュラになりきっていて風貌はあのクリストファー・リーさんを彷彿させるお姿ながら、これぞニコラス・ケイジと言わんばかりのキレっぷり。お見事です。対するホルトさんもイイ味ですね。ご主人様にはどうにも逆らえない気弱なイケメン青年ではあるものの、迷いに迷いながらも過去を悔い「善」のために尽くそうとする健気な姿はピッタリの役どころ。ダブルニコラスさんあってこその作品になってます。 レベッカ巡査を演じるオークワフィナさんもいいですね。最初の登場時には矢鱈と突っ走るアジア系熱血女性警官としてなんだか取っ付きにくい雰囲気満々なのに、物語が進んで行くうちに何だか可愛らしくさえ思えて来て、ラストには最初とはまるで別人の優しい笑顔。このキャスティングも気に入りました。 元ネタのレンフィールドとは少々、てか相当異なる立ち位置設定で、登場人物をシンプルに纏めるためかかなりのアレンジですが、そもそもが創作と思えばそれもアリかなと。元ネタ通りにしちゃったら人は増えるは尺は延びるはという状況になっちゃいますね。約90分の尺なのも本作を大いに楽しむためにはベストではないかと。矛盾点とかは一切目を瞑りましょうという気にさせてくれました。 仕事選ばないんですか?と言いたくなって久しいニコラス・ケイジさんですが、これは出演して良かったですねと言いたくなる満足の1本でした。[インターネット(字幕)] 8点(2025-05-12 10:37:43)《改行有》

24.  夢の丘 《ネタバレ》 丘に潜む魔物を描くのかと思いきや、実は人間の本性というか魔性というか恐ろしさを描いている作品かなと。 かなり短い尺ながら全編を覆う不穏な空気は、画面そのものは決して暗過ぎず(雨の降る曇天ではあるものの時間帯は昼間)、窓の外の墓地も決しておどろおどろしく描かれてなどいない中、かえって重苦しいものになっていますね。 毒殺の理由は想像するしかないし、それに繋がるのであろう夫婦関係、夫と義姉の関係も想像するしかない。本来、丘のエピソードと並行して主軸であるべき毒殺エピソードがイマイチ薄い。だからこその煙に巻かれた印象。 テーマそのものを追うよりも、この短い尺の中で醸し出されている恐さを楽しむべき作品かな?と思えました。[インターネット(邦画)] 5点(2025-05-10 13:54:30)《改行有》

25.  怪獣ヤロウ! 《ネタバレ》 怪獣映画愛、特撮映画愛に溢れた作品ですね。個人的にはピンポイントでハマりました。 冒頭から思いっきりベタな雰囲気ですし、主人公にしても市長にしても主なキャラ設定も思いっきりベタ。それでも惹かれたのは思いのほか丁寧な作り故か。観始めて少しの間は頓挫しかけたりもしましたが、少しずつ惹き込まれていきました。 ズラリと並んだ特撮小道具大道具。ノスタルジックな気分に浸らせてくれました。押し入れから引っ張り出した中学校時代のVHSのラベルが浮いているところなんかアルアルでイイ感じ。微に入り細に入りコダワリを感じますね。 着ぐるみがダメになって秘書と主人公が生身で怪獣を演じるなんて唖然です。特に主人公演じる怪獣はイイですね~。正直なところ芸人としてのぐんぴぃさんは全く知りませんでした。が、本作のキャラにはピシッとハマって実にいい味出してますね。 クライマックスあたりでは不覚にも感動さえしてしまった作品。かなり贔屓目の評価です。[インターネット(邦画)] 8点(2025-05-10 13:38:37)(良:1票) 《改行有》

26.  スイート・マイホーム 《ネタバレ》 原作未読。原作は名のある賞を受賞した作品。映画化にあたっては、かなりの味付けを施したのでしょう。 そう、言い方を変えればかなりの部分で粗が目立つと言うかツッコミし放題と言うかの作品ですね。ホラーだホラーだとミスリードしておいて、結局はホラーじゃなくて人間の狂気をベースにしたサスペンス。敢えてベースとしたのはテーマ性は弱いかな?と感じたからです。 少なくとも本作を観る限り、主人公のトラウマになっている実家における過去の出来事と、おそらくはそれに起因する兄の現状は、主人公のマイホームに纏わるストーカー的事件とは関係なく思えるから。兄が何かに怯えているからといって、主人公の家にまで類が及んでいる訳じゃ全然ないでしょう。あるとすれば、あくまでも主人公の内なる世界のお話じゃないかと。でも、だったら一連の犯人は主人公でした、みたいな展開があっても良さそうだし。 子どもの頃、弟を庇い父親に虐待を受け続けていた兄。見かねて父を殺してしまった弟。同じく夫に苦しんでいた母親は、子どもたち(自分自身も?)を守るべく遺体を処理して犯行を隠してしまった。弟の凶行と母親の隠蔽行為は兄にとってあまりに重過ぎた。だから、得体の知れない脅威を想像し引き籠ってしまった。 主人公はあまりの心理的ショックに自らの行った行為の記憶を封印してしまう。閉所で錯乱するのは封じた記憶が解き放たれるのを妨げるためでは?百歩譲れば不倫行為もその延長上にあるのかも。十分に幸せなのに更なる幸せを欲張ってしまったとか? いずれにせよ、幸せの絶頂から奈落へと突き落とされたことで狂気に陥ってしまった設計士(原作では更に別エピソードもあるようですね)の犯行は、部分的・間接的には主人公の不貞行為に起因するものかも知れませんが、あくまでも彼女の世界を守らんがための凶行に思えてならないです。同僚殺しも主人公の元愛人の自殺も主人公の兄殺しも。とりわけ兄はある意味純粋な被害者。とばっちりに近いのでは? 全編を覆う不穏な空気感。登場人物の謎めいた雰囲気。途中でそこそこ見えてしまうにしても、適度に意外性を伴う真犯人とその人物像等々、惹き付けられる部分は少なからずあります。しかし、総じて見れば今一つ纏まりに欠けるように思えてしまうところ。数多ある「?」とか「んな訳ないだろ!」的ツッコミどころをもう少し丁寧に描きつつ、実家の事件と現在の事件の整合性を見せていただければ、もっともっと楽しめたかも知れません。エンディングも残酷さ・理不尽さに走ってしまった感があり、かなり残念な作品。赤ちゃん受難エピソードが胸糞だったことはかなりの減点要素です。甘めの4点を献上します。[インターネット(邦画)] 4点(2025-05-05 00:09:21)《改行有》

27.  パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー) 《ネタバレ》 これはツボでした。一気に惹き込まれてしまった。少し前に観た「ソーセージパーティ」にも通じる面白さ。てか、アチラの方が少々激しいですが、似て非なる下品さエロさグロさ。一見セサミストリート的に見えなくもないのですが、お子様には決して見せないでください的なパペット劇です。 ストーリーとしてはキチンとしたミステリー・サスペンスですね。でも、そもそもが人間とパペットが共存しているもんだからマジには見えにくくなっている感じ。決して奇抜だとかユニークだとかではないまでも、結構正統派なストーリーです。 ただ、兎にも角にもお下品。なんせパペットだから(だからってのも変ですが)何でもあり。主人公が依頼人とイイ感じになっちゃって事務所で大発射するシーンなんて大笑いしつつも絶対実写はNGだと思い知らされ、依頼人が「氷の微笑」をパロってるシーンも本邦ではモザイク必至。でも、このシーンが重要なんです。露骨なパロディに唖然としつつも「え?もしや?」と思わせてくれる絶妙なエピソードになってました。 そして、観終えてよくよく考えればとんでもない悲劇だったりもします。真犯人の生い立ちと事件の動機が悲し過ぎますね。ただ、それでさえもパペットだから堪忍ね?とばかりにサラっと流されてしまいます。 何にも考えずに笑っても良し、じっくり考えてアメリカ社会を憂うのも良し、一粒でいろいろ味わえる佳作でした。NG集ならぬ種明かし集的なエンドロールも良かったです。原語でネイティブに理解出来ればもっと楽しめたかも。 あ、邦題はネタバレじゃん!本編観てからじゃないと解らないにせよ、これはどうなんだろ?振り返ってタイトルでまた笑わせてくれる意図だとか?[インターネット(字幕)] 8点(2025-05-04 10:04:22)《改行有》

28.  教誨師 《ネタバレ》 人の生と死。自然な生と死もあれば、社会が生み出すある意味不自然な生と死もあります。その具体が悪としての殺人であり、その結果として行われる正義としての死刑でしょう。 基本的に本作のテーマは「命」なのだと思います。死刑制度の是非に触れる部分もあるので、それもまたテーマに含まれるのでしょう。家畜とイルカの命について触れる部分では、社会制度としての死刑と人間が食料を得るために行う屠殺との対比にも触れています。ただ、作り手は明確な考え方を示してはいないように思えました。これは作品全体で終始一貫しているように思えます。 テーマに限らず、死刑囚一人ひとりは勿論のこと、教誨師も含めた登場人物に関するエピソードは断片的にしか示されません。あとは観る者が想像するだけ。この作り方が作品世界に感情移入し没入するにあたって大変有効だったと思います。勿論、出演者の優れた演技によるところも大きいとは思いますが、冒頭から完全に惹き込まれました。 実際の事件を連想させる死刑囚も登場するし、その一人には死刑が執行されます。これは相当な批判を受けることを覚悟で製作されたのでは?と作り手の本作品製作にあたっての強い意志を感じました。 ちなみに、誰に死刑が執行されるのか?という場面でのミスリード的演出、サイコなストーカーが見る被害者の幻影、教誨師の見る兄の幻影と突然倒れる卓上カレンダー等、淡々と語られる物語にエンタメ性も添えているところには好感が持てました。 ラストのグラビアの紙片に拙い文字で書き綴られた聖書の一節。心を打たれ、長く余韻に浸れる結末でした。 公式サイトにある「大杉漣、最初のプロデュース作にして最後の主演作」という言葉は感慨深いところです。[インターネット(邦画)] 8点(2025-05-03 11:33:50)《改行有》

29.  架空OL日記 《ネタバレ》 何とも居心地の良い作品。連作コントを観ているような小気味良さ。大笑いする場面はそれほど多くはないのだけれど、気付けばニヤニヤ笑い顔で観てしまっている。納得させられている自分がそこに居る感じ。流石のセンスです。 この手のホンワカした雰囲気で纏め上げた作品でも、大抵の場合(特に劇場版製作にあたって)は何かしら大きなアクシデント的なものが盛り込まれていてそこがクライマックスになっているものですが、本作の場合はそれがない。強いてあげればラストのウェディングシーンがクライマックスですが、それさえもサラリとしていて二人の「私」の出逢いのためのキッカケに過ぎないといった感じですね。エンドロールの使い方も好感。 果たして、クライマックスにおける偶発的な?出逢いは夢オチと理解するべきなのでしょうか?それともマルチバース的概念として理解すべきでしょうか?個人的には後者かなぁ。「私」が夢を見ていたとするには、イマイチ物語上の必然性に欠けているような気がしたりもします。 と言っても、まぁそんなことはあまり気にしない方が良さそうですね。散りばめられた一つひとつのエピソード。そこに込められた人間味のある空気間がたまらなく心地良い。コントを始めとする他のバカリズム作品とも共通する面白さ(興味深さ)をじっくり楽しむのが正解だと思います。あぁ面白かった。[インターネット(邦画)] 8点(2025-05-01 23:57:08)(良:1票) 《改行有》

30.  ニトラム/NITRAM 《ネタバレ》 非情に重い、あまりに重い物語。実話ベースの創作としては相当実話に沿っているようですね。再現映像的なモキュメンタリ―の一種とも受け取れます。 実際の事件について書かれたものを読んでみると主人公は軽度の知的障害ということですが、本作に描かれている限りでは軽度の知的障害を伴う発達障害、更には精神的な問題も持ち併せていると言いましょうか、穏やかで優しい面と粗暴で暴力的な面という二面性が周囲が理解し得ないタイミングで見え隠れしています。計画的に武器弾薬を揃え、身辺整理をして母と言葉を交わし、誰よりもなついてくれていた犬たちを解き放ち、凶行に向けて踏み出して行く主人公。そこには明確な意思が感じられます。最終的なスイッチとなったのは英国で起きた類似事案のTV報道のようにも思えます。ある意味衝動的だったのかも知れません。 花火の一件が示すように幼少期からある程度明らかであった彼の特性。家族と専門機関がしっかりとそれを理解して受け止め、着実に連携して見守っていれば、もしかしたら防げたのかも知れません。しかし、実際には厳し過ぎる母親、優し過ぎる父親、クラスメイト等の揶揄中傷(おそらくはイジメも)等々による影響がジワジワと積み重なり、公的機関の継続的な関与は病院のみ(描かれていないだけ?)であった上に、ヘレンのような一見優しく包容力があるようでいてある意味身勝手な支援や心を閉ざしてしまった父親の自死は、彼を決定的に追い込んだのでしょう。そこで何かが音を立てて崩れてしまった。 銃規制という対症療法的予防措置には、確かに一定の効果が期待出来るのかも知れません。しかしながら、決定的な効果が期待出来るとは言い難いことは諸外国の例が示す通り。本作における事案ではたまたま銃器が手段として使用されたのであって、同種の事件を防ぐ根本的な予防策は、この主人公のような人物への決して画一的にならない長期的な支援以外には考えられないように思えます。 いずれにしても、確かな演技と過激になり過ぎない演出、そして同じく抑え気味に物語を紡いだ脚本。見事でした。 あとひとつ、「ニトラム」という蔑称的ニックネームは幾度か登場しましたが、「マーティン」という本名は登場しなかったような?特に両親が名前で呼ぶシーンが記憶に残らなかったのですが、それもまた主人公の歪んだ成育歴を暗喩するものだったのかも知れませんね。[インターネット(字幕)] 8点(2025-05-01 18:11:39)(良:1票) 《改行有》

31.  新幹線大爆破(2025) 《ネタバレ》 元ネタ(「原作」ってなってるけどこの場合「原作」と言うのかなぁ?)は大昔に観たっきりなのでディテールはほぼ覚えていません。が、当時的にはかなり興奮して鑑賞した記憶があります。洋画でも名作・大作パニックorデザスター作品が目白押しだった70年代。邦画も負けていないぞ!という感銘を受けた記憶があります。 そして本作。ツカミは良いですね。JRさんの協力を得ているだけあって臨場感が素晴らしい。VFXも見事です。キャスティングも良いのでは?リブ-ト作とされていますが、シリーズ化向きではないにせよ普通に続編ですね。 ただ、その続編的な作りが皮肉にもアダになっている気がしないでもなし。なにしろ物語の根幹をなす部分が、直接的及び間接的に過去作のエピソードに起因するリベンジもの的に仕立てている訳ですから。 リベンジを図った爆弾犯が父親によって女子高生の悲しくも歪められた感情を利用して事件を画策したというのはどうなんでしょうか?現実的に出来るものだろうか?しかも、女子高生は以前の事件後随分経ってから生まれていて何か時系列に不自然だったりもして。爆弾犯よりちょっと年下ぐらいの方が自然でしたね。あ、それだと上手く騙さないか?まぁそれは兎も角として、いずれにしても犯行動機や犯行手段がかなり無理筋の力技感があります。この時点で、正直かなり興覚めしてしまいました。 パニック大作は、かなりの部分で非現実的なのが常道ではあります。なので、本作についても微に入り細に入り「ここが変だ」「ここがおかしい」とか言うのは野暮だとは思います。兎に角スリリングで面白ければ良い!という考え方もありだと思いますし自分でもそう思います。けれども、動機とか手段とかもう少し現実的に仕立てていただいていれば、感情移入も出来ただろうし終演時には感動も出来ただろうと思うのです。 と言う訳で、面白いには面白い、けれどイマイチ素直に楽しめなかったので6点献上に留めます。[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-30 12:21:50)(良:1票) 《改行有》

32.  フランケンシュタインの怪物の怪物 《ネタバレ》 正直言って込み入り過ぎていて判りにくく&解りにくく設定されている感じ。主演が本人役として出演していてモキュメンタリー風に進行して行く。ただし、劇中及び劇中劇に登場する人物と一人何役も演じている。主人公、主人公の父親、主人公の祖父、劇中劇の主人公の父親と彼が演じる怪物。特にメイクで明確に区別している訳でもないので、集中して観ていないと誰が誰だか判らなくなりそうです。 結局、主人公が自分の父親とは一体どんな人物でどんな仕事をして来たのかを探るうち、父親の本当の姿、父親がしたことを知ることになるといった流れなんですが、何せ判りにくいし解りにくいです。なんとなくウェス・アンダーソン風味がしないでもない演出なんですが、かなりの変化球に加え、そもそも何故フランケンシュタインの怪物なのか?更には何故怪物の怪物なのか?というところを考えてしまうと、基本的にはコメディと思われる作品がその実かなり深いところを狙ってるのかな?という疑問に繋がって来て益々意味不明に思えてしまいます。 まぁ、その時点で作り手の術中にハマってしまっているのかも知れませんね。純粋にコメディとして観賞するのが正解かも知れません。てか、そう受け止めることと致しました。[インターネット(字幕)] 4点(2025-04-29 15:04:47)《改行有》

33.  The Braid of time(原題) 《ネタバレ》 主人公部分のアニメ、これはロストスコープなのでしょうか?過去の報道映像的部分もですね。実写から作成したようなアニメと切り絵的なアニメが混在した独特の雰囲気ですね。 テーマについては、冒頭から中盤までは民族と性別についての歴史を背景にしたような語り、終盤はパナマ運河返還の歴史を背景にした語り。一貫したテーマ性は正直なところ感じられませんでした。語りが多く、それもかなり詩的と言うか哲学的と言うか、ファンタジックな映像表現とも相まって、ヒロイン(作り手?)の脳内イメージの映像化的作品に思えました。難解、と言うより少々回わりくどいような印象が残ります。 おそらく、もっと作品テーマに通じる知識や理解があれば、より感慨深く鑑賞出来たのかも知れません。私にはハードルが高かったのかも。[インターネット(字幕)] 4点(2025-04-29 14:40:37)《改行有》

34.  ナニカの断片 《ネタバレ》 「サングラス」「炊飯器」「カゼルがパインツ」の3編からなるショートムービー。そうじゃなくても8分弱の短い尺なのに更にそこに3話とは。 各エピソードの印象としては殆どショートコント。シュールと言うか不条理と言うかナンセンスと言うか、大笑いするようなネタではなくクスっとさせるネタの連続。3つ目が一番気に入ったかな?一番コント的ですが。着想は面白いと思います。 日常見逃してしまっているものの、注意深く見ていると結構アルアルな対象をそこそこデフォルメして表現している感じですね。この3話に共通している具体的なナニカがあるわけではないように思えます。てか、ないと言って良いと思います。抽象的というか概念的と言うか漠然としたナニカが共通している。じゃ、そのナニカって何?と聞かれてもそもそも共通項がないのだから答えられない。ナニカというのは、そんなモヤっとした存在であって決して生きて行く上で具体的に必要なもんじゃないような。 3つのエピソードが多いのか少ないのか?多いわけはないですね。じゃ、少ないのかどうか。もう少しあっても良かったかな?という感じです。ただ、増やせば増やすほどに更に焦点がボヤけて行ってしまうかも。そのあたりに疑問が残ると言うか、課題があると言うか、現状では未完の作品?と言った印象の残る1本でした。[インターネット(邦画)] 4点(2025-04-29 13:39:34)《改行有》

35.  iHostage 《ネタバレ》 シンプルかつストレート、実話ですから、と言われてしまえばそこまでですが、犯人は逃走する客たちを何故おとなしく見送っていたのか?人質になった男性客は何故逃げなかったのか?等々の疑問が浮かびます。犯人が死んでしまった以上、最早事件の背景も動機も何も推測するしか出来ず、作品中では推測さえしません。正直なところ、あまり微に入り細に入りではなくて中身がそれ程ない作品、言い方を変えれば解説も分析もない表面だけ追ったドキュメンタリーみたいな作品に思えてしまいました。 実話ベースということもあって、現実味のある緊迫感はあります。何だか分からないけど大変なことになっているみたいな。作り手には申し訳ないのですが、言ってしまえばそれだけ、といった印象でした。 作品のテーマは何なのか?作り手の狙いは、訴えたかったのは何なのか?緊張感があってスピーディな展開が魅力的なだけに、人質と犯人それぞれの心理描写とか、肝心な部分が少しばかりボンヤリし過ぎているのかなという残念な作品でした。[インターネット(字幕)] 4点(2025-04-29 13:18:02)《改行有》

36.  スパイク・ガールズ 《ネタバレ》 あまり笑えないコメディ。てか、個人的には全く笑えず。おネーさんたちもコーチも謎のカルト集団?も、登場人物に全く感情移入とか共感とか出来ないってのは、いくらダークコメディであってもどうなの?という感じでした。 寧ろ、主人公たちがあまりにヒド過ぎるのでカルトなんだか山賊なんだかわからないオヤジ集団(一人だけ少し若い)の方に肩入れしたくなるぐらい。 チームの面々のキャラ設定から、もしかしてお色気路線なのかな?と仄かな期待もしましたがサービスカットはほぼゼロ。否、まるでゼロ。かといって、スプラッター全開かと思いきやチョコチョコっとVFXで仕上げてる程度。コメディなのかホラーなのか何なのか?バレーボールチームが一丸となって特技を生かして悪党どもと戦う作品、ではありませんでした。最後になってバレーボール武器にするなって。何なの邦題?(同時に何なの原題?) コーチの意味不明な爆死で全滅かと思いきや一部生き残りが凶暴化して?街に戻るというエンディングにも、意外性とかはまるでなく勿論?続編に繋がるようなフリもなく、一体これは何だったのだろうという後悔の念が残る作品でした。[インターネット(字幕)] 2点(2025-04-29 11:59:26)《改行有》

37.  CLOSE/クロース(2022) 《ネタバレ》 あまりに近過ぎた二人の少年。まさにクロース。そんな二人が登り始める大人への階段。その第一歩だった中学校への入学は、二人の少年に今までになかった環境を与えることになるのですね。 二人とその家族だけで構成されていた世界から、性別・人種・趣味嗜好等々、様々な子どもたちが二人の生活を取り囲むようになる。本来はそれに適応し社会性等を身に着けて行くことで子どもたちは成長する。ところが、この二人にとってそれはあまりに重い試練だったのでしょう。 レオはある意味強かった。周囲に順応し、アイスホッケーという新たな試練を自らに課し、無意識下の世界かも知れないけれどレミだけを見ていた生活からの離脱を図る。それは当然と言えば当然のことです。しかし、レミにはまだ早過ぎた。否、それは出来ないことだったのかも知れませんね。二人の間に生まれた大きな隔たりは、レミの部屋で寝ていた時にレオがベッドから抜け出し一人で眠ろうとした時、レミがそれに憤り半ば取っ組み合いの喧嘩になった時に明らかになり始めました。休み時間に芝生で寝転ぶレオを枕にして眠ろうとしていたレミ。それを拒むレオ。その時にもレミは大きく戸惑いました。 おそらくは、レミはレオに対してレオがレミに対するものとは異なる感情を抱いていたのでしょう。これも今までは無意識下のことだった。でも、レオの気付きがレミにもある意味異なる気付きを与えてしまったようです。そして、苦しみに耐えきれずレミはレオを生かしてしまった。 一方、レオもそのことに気付いてしまった。レミの母親に「ボクがレミを突き放したから」と言うレオですが、そこには二人だけにしか解らない深い苦しみがあった、否、少なくともレミの母親には解ったのかも知れませんね。 空っぽになったレミの家を振り返るレオの目には何が映っていたのか。彼は前を向くことが出来るのか。深く考えさせられるエンディングでした。 それにしても心象風景そのもののような美しい絵。具体を言葉で語らずに演技で語る少年二人と家族たちの優れた演技。あたかもドキュメントのようなシンプルさにも関わらす雄弁に語る作品。間違いなく佳作です。 (追記) これを書くひと月前にレミの母親役のエミリー・ドゥケンヌさんは亡くなっているのですね。惜しい俳優さんを亡くしました。[インターネット(字幕)] 9点(2025-04-27 09:32:08)《改行有》

38.  市子 《ネタバレ》 重い空気に包まれたヒューマンドラマ(ラブストーリー)。無戸籍であることは社会においては存在しないに等しくなってしまいかねない。限られた条件で生きる中で、本当の幸せに辿り着くことは出来ないのか? いろいろと考えさせられる作品でした。少なくとも出生の時点では母親に最大の原因と言うか責任があったでしょう。きちんと法に則って、DV夫と対峙する強い決意を持ってあらゆる社会資源を活用して対応すれば、市子に無用な重荷を背負わせなくても済んだかもしれない。勿論、それは殆ど机上の空論で実際には難しいでしょうけれど。 子どもだった市子には主体的に困難を乗り越えることは無理だったことは間違いないでしょう。大人たちの中で流れに身を任せて生きざるを得なかった。悲し過ぎます。殆ど意味も解らず月子としても生きること。それは成長するにつれ想像を絶する苦悩を呼び起こしたに違いありません。そして、自我も確立し周囲の流れに逆らえる力が付き始めた時、月子の命を奪うという歪んだ決断をしてしまう。しかも母親はそこに迎合してしまう。ここでも母親の自分ありきの論理が市子の進むべき道を閉ざしてしまった。 家庭が無いに等しい市子は恋人に拠り所を求めようともするけれど自ら崩れて行ってしまう。更には、状況は全く異なってはいるものの再び人の命に手をかけてしまう。そして、幾度もの挫折や失望の末にやっと辿り着いた長谷川という安住の地。その3年間は、いつ失ってしまうか分からないという不安を伴いつつも人生最上の日々だったことでしょう。しかし、幸福の絶頂は即ち最悪の失望となってしまう。 もはやここまでという決意だったのか、ネット上で見つけた自殺願望の女性を呼び寄せた市子。果たして自らの死を選んだのか?それともリセットの手段として利用したのか?長谷川の愛は及ばなかったことは確か。 ひとりの人間の​アイデンティティとは何?社会のルールのおける存在意義と、本質的・普遍的な意味での存在意義。それらを対比しつつ人の生き方を問うようなテーマ性を感じた佳作でした。 ただ、本作の基本テーマのスタート地点と言える市子の幼少期から高校時代までの設定が少々雑なのは何とかならなかったものか?決してダークファンタジーでもエンタメ色の強いスリラーでもない作品と思えますので、市子が月子になりすまして就学するというトンデモ設定はいただけなかった。月子が公的支援を受けているのが決定的。100%なりすまし不可能です。ここは現実的な設定を工夫して欲しかったところです。 それと、ラストにオープニングのカットを繰り返したことはどうでしょう?冒頭見ていて何故市子がびしょ濡れなのか判りませんでした。でも、クルマが岸壁から落ちて2人死亡というニュースで観客は判るはず。物語の余韻を残すためのリピートなのか?でも少々説明的になり過ぎているように思え残念でした。 そんな不満は抱きつつも、硬派で重厚な人間ドラマとして見ごたえのある1本ではありました。[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-25 11:06:31)《改行有》

39.  電エースQ(OV) 《ネタバレ》 怪獣映画愛、特撮映画愛、昭和レトロ愛に溢れた作品ですね。それ以上でもそれ以下でもない。だから、ストーリーがどうだとか、演技がどうだとかを言ってしまうと無粋になってしまうかなと。 とは言え、ストーリーといい出演者といい相当微妙な作品であることは言わざるを得ないところです。好きな人は徹底的に好きかも。一方、嫌いな人や興味のない人は触れない方が良い世界ですね。嫌いな人や興味のない人は、多分電エースQの変身場面で耐えられなくなってしまうでしょう。 かく言う私は、歌手としてのタブレット純さんのファンとして観賞しました。変身シーンは流石に引きかけてしまいましたが、彼のMVだと思えば問題なし。そう、何らかの割り切りなしには相当厳しい鑑賞ハードルです。河崎監督作品やタブレット純さんの歌に興味のない人は、この結界を破るのは難しいことでしょう。コアなファンのみに贈られたものであろう作品でした。[インターネット(邦画)] 3点(2025-04-24 17:45:51)《改行有》

40.  MASK(2021) 《ネタバレ》 なんだか恐い。ホラーってわけじゃないのに恐い。ヤリ口が陰湿だなぁ。 ファミレスとかファストフード店のアルバイトが気に入らない客のオーダーに悪さする、みたいな話は真偽は別として昔からあるけれど、コロナ禍のタイミングでコレって恐いなぁ。 人間の浅ましさは日常の誰にでも手を出せる手段でいとも簡単に表出するということが、かなり現実味を持って表現されている作品でした。[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-24 17:34:04)《改行有》

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