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年齢 43歳
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21.  スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい トニー・スコットの「ドミノ」を髣髴とさせるグリグリカメラに切り刻みまくりのカット。その徹底度は「ドミノ」程ではないが、その分流れが意外とわかりやすいし、それでもってこの映画、意外と面白い。確かに見せ場はそんなに無いし、場を見せるテクニックというか感性もそこまで際立ってないのだとは思うけれど、高級リゾートホテルで繰り広げられる上昇/降下のせめぎ合いは手に汗握るものがあった(最後にあんなオチを持ってこないで、FBIも参戦して徹底的に殺し合いをしてしまうがいい!と思っていたけれど)。下の方が言うように、女二人組は良かった。アリシア・キーズはミュージシャンだけあって、このPV的な映画に非常に向いていたと思う。ホテルの長い廊下を歩きながら歌うシーンを見たかった。で、一途なもう一方の相方がまた泣かせる。照準器を経由して送られる視線の揺れが悲しい。悲しいといえば、下のお二方と同様にベン・アフレックの悲劇。ま、あの3人組は即死すると思ったけど(笑)、劇終了後チラホラと話題になっていたのはチョットうけた。[映画館(字幕)] 7点(2007-05-21 15:08:39)(良:1票)

22.  シティ・オブ・ゴッド 映画という観点から見ると、最新の映像技術や次々に切り替わる節操のない(まあ、スタイリッシュってこと)カメラワーク等、流行に迎合している感はどうしてもある。っが、、、約100分強の時間で、瞬きが、5回ぐらいしか、できなかった。[映画館(字幕)] 7点(2007-05-21 14:56:25)

23.  ゴースト・オブ・マーズ B'zって長い間「くだらねーバンドだなー」と思っていた。あいつらの曲は全部同じく聞こえるじゃん、という感じで。ところが、倉田真由美が何かのエッセイで、同じような曲を20年近く作り続けられる彼らのモチベーションには頭が上がらない、みたいなことを書いてて妙に納得してしまった。彼らの作曲が長年の惰性によるものだとしても20年は絶対に無理なわけで。普通なら気が狂うに違いない。そういえばジャン・コクトーの言葉で「私は人々がオリジナリティにこだわることが大嫌いなだけなのである。」というのがある。オリジナリティという惰性にすがらず、何十年もB級映画を撮り続けるこの人はちょっとカッコ良すぎる。カッコ良すぎるし映画も面白い。「やれやれだぜ」みたいな感じで二人並んで歩くラストシーンは余裕で想像できるのに、その絵から漂う雰囲気は想像を超えてたね。[DVD(字幕)] 10点(2007-05-09 23:12:51)(良:1票)

24.  リアリズムの宿 映画館でこんなに笑ったのは久しぶりというか、ないかもしれない。あと、鉛色の空が印象的。つげ義春から逸脱して青春映画に変えた監督さんは見事だと思う。さてところで、カウリスマキの映画ってとても面白いのだけど、フィンランド人が見たらもっと濃い密度で楽しむことができるのだと思う。と、このように国で映画を区切るのは映画のあり方からしてナンセンスな気がするが、それでも反対にこの日本映画である「リアリズムの宿」の笑いをフィンランドの人が日本人が笑うように笑うのは不可能な気がする。私たちは助詞助動詞を自然に使いこなす(自分はそんな自信はまったくないけど)ものだが、だからといって英語の前置詞は簡単にはマスターできないように、言語にはなかなか超えられない見えない壁がある。だからこそ映画という存在があるのだが。遠くの国で小津映画が賞賛されている現実がまさにそう。そしてこういった言語の壁を埋めるのは戸田奈津子のような人たちなわけだが、フィンランドの翻訳者はこの映画をどう翻訳するのだろう。ま、どうでもいいか。言いたかったのは、日本にもカウリスマキがいたということです【追記】カウリスマキはさすがに言い過ぎたか・・・[映画館(字幕)] 7点(2007-05-08 22:38:57)(良:1票)

25.   《ネタバレ》 「台風クラブ」の三上君がやってのけた”厳密なる死”の約20年前、この映画の主人公:国分主将は合宿最終日に胴着を着た格好で自殺した。三島由紀夫の原作をかなり忠実に映画化した本作品は、原作以上に(原作もとても面白い)異様で、息苦しい。文字と映像との比較から言っているのではなく、そこに至るまでの立ち上げ方というか、例えば映画が映画として成立する境界があるとした時、最初に挙げた「台風クラブ」なんかはその境界を綱渡りしているような、そういうスリリングさを感じるのだけど、小説の「剣」は三島由紀夫の高度な技術によってそれが小説として見事に立ち上がる分、そこまででしかないとも言える。翻って映画の「剣」は、撮影や照明の技術、あるいは原作では登場しない文学部の女によるサスペンス的展開を用意する事によって映画の世界を立ち上げるが、その立ち上がった映画的な何かがちょっとただ事でない。国分の存在は純粋な剣道の訓練と等価であり、心理がない。また、彼を取り巻く人物もその無心理にとりつかれ、やがて規律的な運動だけがこの映画の要素となる。とんでもない映画を見てしまった。[映画館(邦画)] 10点(2007-05-06 00:38:22)

26.  ドリームガールズ(2006) 最初、歌唱シーンは舞台上のパフォーマンスのみであり、「ウォーク・ザ・ライン」のようなミュージシャンとその周囲の悲喜こもごもを綴る映画になるのかと思ったが、オスカーを獲ったあの熱唱女がビヨンセにリードボーカルを奪われた事に拗ねて・・・というシーンから突如通常の会話のシーンでも歌が用いられる様になる。なんだ、ミュージカル映画なんじゃん。ただ、こればかりは止めとけば良かったのに、と思う。前半の構成でやっていけばそれなりに面白いドラマとして観る事が出来ただろうが、このドラマの部分で歌の上手な方々に熱唱させておきながら撮り方はほとんどそのままという感性(脚本を映像に焼いただけ)、いやそれ以前にこの映画のミュージカル部分の拠り所は、映画史を彩ってきたミュージカル映画ではなく、今の音楽シーンで主流となっているミュージックビデオによる表現であるに違いないので、この映画には(特に後半は)映画として見るべき部分がほとんどない。ただ、アメリカ的な記号(ショービジネス、ドラッグ、映画…)が無意識的に並ぶアメリカ映画は、ダメな作品であっても最後まで退屈せずに見れてしまうのが怖い。[映画館(字幕)] 6点(2007-04-08 18:00:05)(良:1票)

27.  デジモンアドベンチャー 《ネタバレ》 20分ぐらいの短編ですがこれ、子供の頃見たら高確率でトラウマになっていたかと。DVDに収録してある劇場二本目の「僕らのウォーゲーム」にも驚かされたが、作者の衝動という意味では、おそらくデジモンとの始めての接触を扱ったこの劇場一本目の方がより危なっかしい。あんなに可愛らしかったデジモンがあっという間に成長し、敵と対峙した際にはその凶暴性を解放するというプロセスの前に無力を晒さざるを得ない兄妹。妹はその恐怖に泣きじゃくり、兄は純粋な力に対して憧れに近い感情を覚える。自分たちの力ではどうにも出来ないものを初めて認識する(してしまった)ことを契機とする、成長/喪失についての物語として非常に良くできた作品だと思う。そうそう、ラヴェルのボレロの使い方もユニーク。[DVD(邦画)] 8点(2007-03-28 13:17:35)

28.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 面白い、文句なし!全編是映画って感じの画面が冒頭の船爆破のシークエンスから途切れることなく持続され、目が離せなかった。特に冒頭の空撮は何度でも見たい。川を入れた多様なロングショットや、その川の周辺を囲うパトカーや警官の配置、というかこの冒頭に限らずこの映画全体としてとにかく(場所にしても人にしても)配置が見事だった。あの、タイムスリップ装置がある施設での人物配置なんてまさにいい例で、捨てキャラが一人もいない。特に黒人の研究員の表情やアクションの入れ方の上手さなんて凄いと思う。そして過去を写すスクリーン上には美しいクレアがいる。最初に彼女が振り返るシーンの素晴らしさは、ただ女優自身が綺麗なのではなく、それ以前に美しい遺体として登場するという前段の演出をしっかりとこなしたからこその表情でもあり、あのシーンで完全に武装解除されてしまったせいか、それ以降内容はどうでもよくなり目の前に繰り広げられる過去と現在の交錯に一喜一憂するしかなかった。ラストもそうなるだろうな、と思いつつトニー・スコットの演出の的確さはそれを新鮮なものとして画面上に投げかけるので「よかったねえええ」とアホみたいに感動するしかなく。いやー面白かった。「ドミノ」はまさに驚きの一言だったが「デジャヴ」はなんというか、トニー・スコットという監督のまとめ的な映画だろうと思う。そして何より大人の映画だろう。必見。[映画館(字幕)] 9点(2007-03-18 01:10:50)(良:1票)

29.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 父娘の命がけの逃避行は終わりを迎え、また運の良いことに、宇宙人たちも地球に棲むウイルスによって壊滅しつつある。家族とも無事に再開を果たし、爆死確実と思われた息子も我が家のドアから登場し、父との和解を果たす。トム・クルーズが演じた父親は無事に生還したのだった。ただしこの生還には家がない。まず、2番目の旦那が妻の隣にいる以上、トム・クルーズに居場所はない。となるとどこかへ戻るしかないのだが、その再帰還地点となる場所のなれの果ては、彼が撲殺したティム・ロビンスのそれかも知れない。それにもかかわらず、あのラストでスピルバーグが用意するのは残酷なまでに理想化された再会であった。死んでいればヒーローだったろう。だが、生きているうちは「前のパパ」であるしかない。「宇宙戦争」は、スピルバーグの無邪気さが歪んだ形で提示された作品とも言えるだろうが、それ以上に歪みつつある現前のアメリカについての言及という要素も多分にあるのだろう。という事なると、最初はそう思わなかったが、やはり同時多発テロ以降の作品という色合いが強い作品と言えるかもしれない。[映画館(字幕)] 9点(2007-02-23 22:11:54)(良:1票)

30.  ヴェルクマイスター・ハーモニー 《ネタバレ》 秩序の回復とか調律の不快という言葉、巨大クジラと"プリンス"、不穏な群集。かたや、世界の法則を回復せよ、カリスマという巨木、後半登場する武装した集団。後者は黒沢清の「カリスマ」だが、両者の構造は非常に似ている。発表された時期もほぼ同じ(ヴェルクマイスター:2000年、カリスマ1999年)。まあ、どっちが優れているかという比較は置いといて、「ヴェルクマイスター・ハーモニー」はアートへの志向性が強い作品ではある。実際かなりユニークな作品で、ガス・ヴァン・サントの2000年以降の変貌にも一役買っているところがある。酒場での人間プラネタリウムに始まり、クジラを乗せたトラックの不気味な登場、そして圧巻である広場の群集と焚き火。この街を支配するシステムの循環がすでに異常をきたしている事がありありと映し出され、さらにクジラと"プリンス"による外乱が、そのシステムをある一点に収束させ、やがてクライマックスの暴動へと繋がる。この手の映画はかなり好きなのだけど、なんか「トゥモロー・ワールド」っぽくて中々入り込めず・・・志の高さはこっちの方が断然上だろうが。それにしても、計算され尽くした長回しというのは画面の中に規律を(暴動でさえ)作りだすが、それは映画の主題と対を成してしまわないか。肝心の音も弱い気がした。がっ、この映画は面白い!それは間違いない。映画館で見なかった事が悔やまれる。この人の新作(なんか、いわくつきらしい)や、ヴェルクマイスターのプロトタイプ的作品で上映時間7時間オーバーの「サタンタンゴ」(米アマゾンでDVDあり。信じられん)も是非観てみたい。ちなみに、【エスねこ】さんの上記の脚色を結構真に受けて鑑賞したのでビックリしました、ある意味で(笑)[ビデオ(字幕)] 9点(2007-02-23 10:54:10)(良:2票)

31.  魂萌え! 《ネタバレ》 まさに「人生は戦場だ!」を信条に生きる事となる風吹ジュン演じる女の戦いの記録とも言える一篇。成瀬巳喜男の「あらくれ」を髣髴とさせる風吹ジュンの爆発的突発的なエモーションに打ちのめされてしまった。暗闇の映画館の中で厳しくスクリーンを見つめるクライマックスの野心に満ち溢れた眼差し(その先で写されるのは何と「ひまわり」、これはずるい!笑)を獲得するまでのプロセスをダイナミックに演出した阪本順治も見事だが、その阪本順治に「女性映画」を撮らせたプロデューサーも素晴らしい選択をしたと思う。登場する人物は皆生き生きしており、また作品の随所で吹く風が彼らの表情に厚みを与えている。傑作。だと思うけど、「トカレフ」なんかと比べると、少しまとまり過ぎた感があるかも。[映画館(邦画)] 8点(2007-02-20 11:20:27)

32.  荒野のガンマン 《ネタバレ》 色々と問題のある映画だとは思うが、この処女作ならではのタガの外れ様は圧倒的だった。冒頭の首を括る拷問とか、主人公の誤射により死んでしまう少年の登場シーンなど、インパクトの強い画面構成が印象的で、この映画自体そういうインパクトだけで繋いだような感じがする。それが作品のバランスの悪さとなるのだろうが、本能的とも言っていい求心力に何故だか惹かれてしまった。「ガルシアの首」と正反対の展開も面白い。ところで「ガルシアの首」って、見るたびに「あぁ~」って唸るしかない映画なので困る。何なんだあの映画は本当に。で、こういう映画を処女作として撮るような人間が「ガルシアの首」のような映画を撮れるんだなあ、と変に納得してしまった。あと、強盗した金で南部に軍隊を作ろうと意気込むあのおっさんの倒錯的なキャラクターは凄い。[DVD(字幕)] 9点(2007-02-14 16:43:33)

33.  神田川淫乱戦争 「ココロ、オドル」という短編を見たことがある。山中に住む遊牧民らしき人々のところに浅野忠信がやってきて、そこで争いや理解が繰り広げられるという話だ。って、書いてて全然具体性がない。それぐらいに不思議な映画だったのだが、なんか忘れられない。この棘が引っかかったまま黒沢作品はその後見てなかった。で、これ見てみたんだけどその棘はさらに奥深くに入ってしまった。え、これピンク映画でしょ?なんでゴダールなの?あの浪人生の部屋なんてモロにゴダールっぽい。それ以前に全員キャラクターがぶち壊れてる。しかし、これで不思議なのは映画としてこの淫乱戦争が完全に成り立っているということ。ピンク映画だから当然カラミもあるが、この映画には性欲を発散させるものはこれっぽっちもない。むしろ発散するのは感性といっていいかもしれない。虚構とか破綻といったものが全部味方になっているように感じた。最後の格闘シーンなんて、これが意図して作られた絵だと考えると恐ろしい。何一つ無駄なカットも無かったし、違和感のある構図もなかった。あのテンションをカメラが追いかけているにもかかわらず、である。[DVD(字幕)] 8点(2007-02-14 14:10:45)

34.  ピーター・フォークの ビッグ・トラブル カサヴェテスとは波長が合わない。というのは作品についてではなく、鑑賞機会についてである。何故かカサヴェテスの映画を借りると、その時に限って忙しく、結局見れずに返却というパターンが多い。彼の作品は総じて上映時間が長いのも原因の一つ(ちなみに、アントニオーニも何故か全然見る事ができない)。というわけで短い部類に入る「ビッグ・トラブル」をレンタルして意地で鑑賞、で、これがまたカサヴェテスの遺作でありしかも本人的には気に入っていないらしいのだが、いやいや、全然おもろいです。後半、思いっきり路線変更してるが、遺作にしてこの逸脱ぶり。しまいには最後にわけわからんパーティが・・・で、これがまた楽しくて。普通に撮ってるように見えて、全然普通でない。特に顔面のクローズアップが、なんというか、良い。うまく言えないが、要するにこの映画はビッグ・トラブル、極めて映画的なビッグ・トラブルなんだと思う。 【追記】自分で書いててなんだが、何書いてんのか意味わかんねー(笑)何だよ、映画的なビッグ・トラブルって・・・・・[DVD(字幕)] 9点(2007-02-13 20:54:54)

35.  ツィゴイネルワイゼン どこかの映画館で「ツィゴイネルワイゼン」と「陽炎座」の2本立てという魅力的な企画があって、清順を未見のままにしていた甲斐があった!ということで飛びついた。が、その日は上映開始からすでに眠かった。これはちょっと無理かな、と睡眠モードに入ろうとしたが、映像がすでに夢うつつ。しかも強烈な切り絵を連続したような不可解な繋ぎと意味不明な登場人物たちに吸い寄せられてしまい、夢を見ながらギリギリ覚醒しているような状態で4時間を過ごした。そのおかげで、いまだにどっちがどの映画なのかよくわからない。言ってみれば「ツィゴイネル座」なのだ。ここのレビューなどを見て何とか分離させようとしたがやっぱりダメ。花束から綺麗に花びらが散ったかと思えば山奥へ原田芳雄の夫妻を訪ねるシーンが出てくるし、まつげを舌でなめられたのは松田優作だったような気がするし・・・でも、これでいいような気がしてきた。だってセイジュンだし。事実、「ツィゴイネル座」は私にとって最強の幻想映画なわけで。[映画館(字幕)] 9点(2007-02-06 21:45:46)(笑:2票)

36.  緋牡丹博徒 お命戴きます 説明不能の面白さ。この映画がどうして面白いのかわからない。カッコよすぎる鶴田浩二が殺されて組の者たちが泣き伏している中、藤純子以外の照明が落ち、独白を始める。ここから先、この映画は奇妙な方向へと向かう。それまでは仁侠の世界と明治時代という背景がバランスよく進行していくのだが。この進行を一本の大きな幹とするなら、前述したシーン以降、ブワッとその幹が枝分かれする。陸軍大臣をブン投げるあたりからその枝分かれは一気に加速し、また絡みつきながら向かうべき終末であるチャンバラで再び一本の幹に収束する。こうやってダラダラ書いていっても何故面白いのかまでたどり着きそうにない。逆に言葉で説明するほど遠くなる。とりあえずわかったのは映画に思想も哲学も物語もいらないということ。映像美だって本来いらないものかもしれない。いや、ウソ。やっぱりこれらは必要なものである。ただ、私が言いたかったのは、そういうものがなくても映画を作れちゃう選ばれた人間はごく僅かに存在している/していた、ということだ。[映画館(字幕)] 9点(2007-02-06 21:44:37)

37.  気狂いピエロ ゴダールをこの映画で初めて知った。借りてみようと思った動機は変わったタイトルとジャン・ポール・ベルモンドの青塗りの顔のパッケージ。何も知らずに見たため苦労し、また驚きもした。大量の引用されたテキストをサッと流すスピード。文字はこの映画ではヴィジュアルであり、文学臭や哲学臭がしない。というか自分がそれを拒否したからかもしれない。それよりもリズムという要素が強いと思った。2人の主人公と一緒に拍をとり続ければ、海と溶け合う太陽の見え方はきっと変わると思う。[映画館(字幕)] 9点(2007-01-23 20:37:14)

38.  パリところどころ 「ヌーヴェルバーグところどころ」と言ってもいいこの映画。オムニバス形式で、パリの人間模様を色々な視点から眺めるというのが表面にあるが、その中身はやはりヌーヴェルバーグの勝利宣言めいている。時代の寵児となったゴダールを始めとして、6人の監督が短編の中でやりたいことをやりまくり、怖いもの知らずの雰囲気が作品を包む。要はどの作品も凄くトンがってる。その中で圧倒的な出来だと思ったのは、ジャン・ルーシュという人の「北駅」という作品。わずか15分程度の小品ながら人間の(男と女の)本質に迫る、ワンシーン・ワンショットで撮られたこの作品は、「10ミニッツオールダー」のヴィクトル・エリセの傑作と同様に短編という制限がまったく枷になっていないどころか、その短い時間の一秒一秒が更なる強度をもち、息苦しいほどに映画のエッセンスが詰め込まれている。こういう映画をこそ、スタイリッシュな映画というのだろう。些細な事が次第に重大な意味を持ってくるようになる過程、そしてそんな出来事すらパリでは一風景として切り取られてしまうような無常感がたまらない。ゴダール、ロメールなどの作品もそれなりに面白いが、ジャン・ルーシュのこの作品は「パリところどころ」においては別格だろう。この人、2004年に交通事故で亡くなったらしい。[DVD(字幕)] 8点(2007-01-23 20:33:35)

39.  ポセイドン(2006) ペーターゼンというとまず「Uボート」での水難が浮かぶわけで、本作は水が隙間からプシューッと噴射したり、船内の水かさがどんどん増したりと、これは本領発揮だなーと感じた。撮影も面白くて、前半は豪華客船を豪華に見せること、転覆した豪華客船の破壊状況を豪華に見せることがメインだったが、登場人物がペンライトを携帯してからは、ボディーブローのような水の攻撃を執拗に見せる。前半の見せ方は下手かなと思うが、ペーターゼンは水を得るとやっぱり生き生きする。「Uボート」の、上昇も出来ないし下降も出来ないという葛藤(心理劇)を、「上に上に!さあ行こう」という愚直なまでの上昇(脱出劇)に置き換えた「ポセイドン」は98分という理想的な上映時間であり、これに人間ドラマを入れちゃうと180分の「タイタニック」が出来上がってしまう気がする(タイタニックがドラマとして優れてるかどうか知らんけど)。「上に上に!」の精神は、もっと突き上げて欲しかったところだが、「ポセイドン」はB級精神あふれる映画となった。これは面白いです。[映画館(字幕)] 7点(2007-01-23 20:32:47)(良:1票)

40.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 無防備な状態で見たのでバカみたいに落ち込んでしまった。絶望の中にわずかな希望が見えたという方もいるが、そんな事を考える余裕もなく自分も絶望の淵に道連れにされた。強烈な引力で主観ビジョンに引き込まれた。ミュージカルなんて逆に見てられない。一番美しいと思えたのは牢獄の中、音が出ないと悲嘆にくれつつ「私のお気に入り」を懸命に歌うセルマだった。盲目のセルマにとって沈黙とはどれだけの恐怖であることか。そしてあの死刑のシーンでは自分の首にも縄を巻かれたようで・・・ああぁぁあ。冷静に考えるとセルマはもはや狂人としかいいようがない。狂人は夢の中でしか生きられないとでも言いたいのか。そこに安直なヒューマニズムという罠を仕込むこの監督はセルマ以上の狂人である。ちなみにミュージカル部分はプロモみたいで、グッとこない。本場のミュージカル映画はこの映画のビヨークの夢想以上に夢みたいなのだ。それこそ帰ってこれないぐらいに。[映画館(字幕)] 7点(2007-01-23 20:32:32)

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