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プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  七人の侍 《ネタバレ》 子どもの頃大好きだったTVアニメ『ガンバの冒険』と同じプロット。当然本作が元ネタです。導入部で早くも胸が熱くなりました。弱きを助ける好漢7人の英雄譚に期待を膨らませました。ところがどうも様子がおかしい。農民たちは野伏せりの襲撃に怯える無力な羊ではなかったからです。菊千代が言うように、狡猾で、強か者だった。野伏せりが狼なら、7人も狼。そして農民たちもまた狼でした。お上によって飼いならされているだけ。勧善懲悪の娯楽活劇ではなく、農民と野伏せりの生存権を賭けたリアルな戦争と捉えるのが正しい見方だと感じます。例えば何故侍たちが農民に加勢したのか。農民たちの必死さと勘兵衛の人柄にほだされたのは事実。でもそれだけじゃない。武士は戦いが本分。剣を振る機会があれば振るいたい。それが証拠に久蔵は益の無い立会いでも刀を抜いている。外科医が技術維持のためにオペを望むように。あるいはスポーツカーのオーナーが愛車を乗り回したいように。利害が一致したから侍たちは農民の話に乗ったのです。戦の有様にもリアリティを感じました。農民VS野伏せりの戦が、国同士の合戦と違うのは大将が居ないこと。野伏せりは1匹狼が徒党を組んでいる状態。いくら戦いの玄人でも、個々の力はタカが知れている。素人でも団結をすれば玄人を凌ぎます。ましてや潰し合いともなれば、頭数がモノを言う。地の利もある。あとは竹槍を突く勇気があるかどうか。この戦の性質を見抜いていた勘兵衛の作戦勝ちでした。農民たちは十分な勝算のもと、勝つべくして勝った。日常を取り戻し、農作業に勤しむ農民たちの生き生きとした姿を前に、勘兵衛の胸に去来したものは何だったか。飼いならされていたのは農民だけか。いや侍たちとて同じこと。生きる糧を得る術を奪われている彼らの方が、より事態は深刻かもしれない。勘兵衛の最後の台詞「今度もまた負け戦であったな」は、実の無い生き方を強いられている武士全てに向けられていると感じました。もし、自分があの村の百姓だったらどう決断したか。米と女を差し出し命乞いをしたか、土地を捨て逃げ出したか、はたまた彼らと同じように戦ったか。平和を望むなら刀を抜いてはいけない。そう私たちは教えられてきました。その考え方は間違ってはいないと思う。でも刀を捨てるのが正しいのだろうか。農民たちを観て何も感じなかったらウソだと思う。日本人は全員この映画を観るべきです。[DVD(邦画)] 10点(2011-01-04 21:26:13)(良:2票)

22.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 おばあちゃんは電話を使って関係機関に働きかけ、被害拡大を食い止めました。夏希のピンチにはネットを通じ全世界から救いの手が差し伸べられた。通信手段こそ違えど、人と人との繋がりが力を生むことに変わりはありません。一人では不可能な事でも、大勢が集まれは成し遂げられる。瞬時に全世界と情報を共有できる現代は、それだけ莫大な力を生む環境が整っていると言えます。しかし“情報”そのものが力を持っている訳ではありません。情報はただの記号。「助けて欲しい」という記号も、相手の心に届かなければ意味がありません。記号に意味を与えるのも、実行力を伴わせるのも人間です。おばあちゃんの「あんたなら出来るよ」という励ましの言葉に、夏希たちの必死な姿に、人々が動かされたのは何故か。其処には人の心を動かす“確かなもの”が在ったのだと思います。人脈であり、人柄であり、熱意であり、花札の強さであり。「夏希が美人だからだよ」という軽口も、あながち間違ってはいません。全てひっくるめて人間力。祈るだけではダメ。想いをかたちに変える力が必要なのです。おばあちゃんの人脈は、おばあちゃん一人の手柄ではなく陣内家が膨大な労力を費やして培ってきたもの。夏希が勝負の舞台に立てたのも親族の総力の結晶。大きな事を成し遂げるには多くの助力が必要で、多くの助力を得るためには、それ相当の実力が要るということ。時代や場所が変わっても、その原理原則は変わらない。このテーマは全ての人に通じます。胸を打たれました。ちなみに一番気に入ったシーンは、夏希の吉祥天でも、キング・カズマのバトルでもありません。おばあちゃんが主人公と花札をして笑った場面でした。あの素敵な笑顔。おばあちゃんが慕われている理由がすっと理解できました。実は細田アニメの凄いところはココじゃないかと思うのです。物語に命を吹き込むのはキャラクター。線が細くクセの無い作画は、一見すると迫力に欠ける印象を受けますが、とんでもない。デフォルメされた崩れた顔、ただじっと見つめる瞳、どの表情からもその人物の気持ちが伝わってきました。このセンスと技術は高く評価されて然るべきと考えます。『時をかける少女』の次ですから相当なプレッシャーがあったことでしょう。にもかかわらずこんな素晴らしい作品を創り出すとは。心から敬意を表します。次作は劇場まで足を運ぶことを約束します。次も傑作よ「こいこい!」[DVD(邦画)] 10点(2010-11-24 18:12:05)(良:1票)

23.  告白(2010) 最後の場面。生徒Aと対峙した森口先生の表情が、頭から消えません。押し殺してきた幾つもの想いが、今まさにこの瞬間、渾然一体となって発露した。壮絶な心情はある種の美しさを伴い、観客の心を打ち抜きます。先生が口にした最後の言葉が本作の全てだと思う。これほど重い軽口を聞いたことがありません。たった一言の皮肉に、どれほどの意味が込められているのか。その真意を量れるかどうかで、本作の評価は変わると思う。[映画館(邦画)] 10点(2010-06-24 19:54:02)(良:2票)

24.  百万円と苦虫女 《ネタバレ》 揉め事は嫌い。自己主張はしません。まるで“菜っ葉のように”笑う鈴子。彼女のような人を見かけませんか?“彼女はワタシだ”自分はそう感じる一人です。四十近いオッサンが、二十歳そこそこの娘に共感するというのも照れくさいですけどね。2人の心が通じ合ったとき嬉しかったこと!恥ずかしながら泣きました。いい男を掴まえたなと。絶対に幸せになれよと。ですからダメ男の顔を見せた亮平に憤りました。大事な娘を弄んだ奴は許さない!完全に父親の心境です。結局勘違いだった訳ですが、あれは亮平が悪い。彼の心の弱さが引き起こした誤解です。彼女を引き止めて断られるのを恐れたのか。あるいは彼女の生き方を変える責任に慄いたのか。いずれにしても、怖れるのは真剣である証。奴は信用していいです(苦笑)。結末について。亮平は確かに鈴子を見つけました。恋物語として、ハッピーエンドの条件を満たしています。ここで映画が終わっている事に意味がある。2人がやり直せるかどうかよりも、鈴子が失恋の痛みを乗り越え、自分の足で立って生きて行く決意をしたことが重要なのです。今までの彼女はずっと逃げてばかりでした。でも周りに振り回されてばかりでは、幸せは掴めない。旅を通じて彼女は学びました。いじめっ子から逃げない弟の方が、ずっと強いことを知りました。彼女の人生の主語が“周囲の人たち”から“自分”に変わったのだと思います。この世は理不尽でいっぱい。人生はままならない。だから強く生きていこう。やっぱり弱ったときは腹ごしらえ。したたかな女は美しい。デビュー作『モル』や脚本を手がけた『さくらん』でもそうでしたが、監督の描く女性は、みんな痛みを乗り越え強く生きています。耐え忍ぶだけじゃない。ちゃんと行動する。言いたい事は言う。とても魅力的だと思います。そんなタナダ的ヒロイン像を蒼井優は見事に体言していました。本作は間違いなく彼女の代表作。稀代の大女優になるであろう蒼井優の、今のきらめきを感じ取ってください。[CS・衛星(邦画)] 10点(2009-07-11 21:26:09)(良:1票)

25.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 自分も御多分に洩れず『ショーン・オブ・ザ・デッド』が好きで本作を鑑賞したクチ。まず驚いたのが、サイモン・ペッグのキャラクター設定。あのしょぼくれショーンがスーパーエリートなんて!オープニングは『男はつらいよ』さながらの夢オチと疑いませんでした。でも本作のサイモンは正真正銘の堅物役。それがキッチリはまっているからお見事です。生真面目エンジェルとイイ加減なダニーの組み合わせが絶妙。次第にほぐれていくエンジェルの心。実は学習能力があるダニー。2人の関係が微笑ましくて羨ましくて。補い合い、成長し合う、理想のコンビだと思いました。『ショーン~』でみられた特徴的な連続カット割は本作でも健在。少々過多とは思いましたが、テンポよく物語のリズムを刻みます。賞賛したいのは計算され尽した脚本!丁寧に張られた伏線が、次々と回収されていく様に感心することしきり。劇中の歌詞も気が利いている。まるで有機的なパスワークでゴールを決めるサッカーのような美しさ。さすが英国。ホームランでどっかんどっかん笑いを取るアメリカンコメディとは一味違います。イチイチ下らなく、無闇にグロくて、やたらと大げさ。ラストの銃撃戦のバカバカしくも爽快なことといったらない。お婆さんの顔面を蹴り倒してスッキリする映画が何処にある?特定の作品というより、ポリスムービーやサスペンスホラー全般への愛に溢れたパロディ満載。顔が緩みっ放しでした。よもや傑作『ショーン・オブ・ザ・デッド』を超えるとは。観終えた瞬間また最初から観たくなるのは、パブで愉しむラガーと同じ。どうぞ思う存分酔い痴れてください。酔うほどに良さが分る映画です。ただ、パブ『ホット・ファズ』のおつまみ(もちろん豚皮!)は、結構グロ味がキツイので、苦手な方は鼻を、いや目をつぶってね。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-23 18:21:02)(良:2票)

26.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 難解な映画は勝手に解釈して楽しむのが自分の流儀。でも本作の場合は、どうしても監督の考えが知りたくなりました。今までの宮崎監督作品とは趣向が違うから。ワケが解らなかった。でも魅力的な映画でした。「5歳児が直感的に分かる映画」。探し当てた監督のインタビューを聞いて納得しました。“そういうつもり”なら、“こういう映画”になる。無数のチビポニョは命の源。その移り行く姿の神々しさ。「世界に穴が開いた」等の説明放棄にも合点がいく。どれも理屈ではなく感覚の方が理解し易い。ちなみに個人的に印象に残ったのは、ポニョのしたたかさです。一途なヒロイン像は宮崎アニメのオハコですが、ポニョの強さは際立っています。母親を探して涙する宗介のもとへ歩み寄るポニョ。その佇まいにハッとする。宗介は大人びていますが子供。(注:親を呼び捨てにしているのも在る意味幼稚さの表れ。)ポニョは幼く見えても大人です。2人は立っている場所が違う。女性の持って生まれた強さに男は到底敵わない。これも理屈ではありませんね。ただし監督が言うように、5歳児が本作を直感で理解できるとは思えません。結局は監督の経験則からくる思い込みじゃないかと思う。振り返ってみれば『ハウルの動く城』もそんな作品でした。大衆の支持を得る映画製作は、公約数を見つけるのと同じ。かつての宮崎駿は最大公約数を見つける達人でした。でも本作も含め、近年の作品は其処に意識が向いているとは思えない。タレント声優の起用にしてもそうです。でも、でも、でも、それでいい。本作を観終えてそう思いました。おさかなの波を駆けるポニョ。その極上の躍動感。これが宮崎アニメの真骨頂です。このワクワクを味わえる幸せを噛み締めました。これは大人も子供も関係ありません。やっぱり宮崎駿は天才アニメーターでした。本作が引退作でも自分は納得して拍手を送れます。むしろ、そう願う自分がいる。それほど「楽しむ余白の多い映画」だと思いました。『カリオストロの城』が在る頂とは、別の頂に在る作品。自分は死ぬまで本作で楽しめるでしょう。かつて『未来少年コナン』に心を奪われた元5歳児の感想でした。[映画館(邦画)] 10点(2008-12-08 18:36:47)(良:2票)

27.  転々 《ネタバレ》 三木監督の笑いは、少々自分には過度だったりします。結構グロかったり、頻度が過多だったり。物語のテイストはユルくても意外と疲れます。でも本作は違った。相変わらずユルいのだけれど、ちょっと質が異なるような。序盤は戸惑いがちだった今までの作品と比べて、冒頭からとても心地良く観られました。作品全体が本当の散歩のような空気感。リラックスしているので小ネタがバンバンはまるのです。クスッ・ニヤッ・爆笑の連続でした。三木作品の中で一番笑いました。肝心の物語はどうか。最初から明確に提示されていたとはいえ、あまりにもあっけない結末。エンドロールを眺めながら、物足りなさを感じました。起承転結の結が抜けている。句読点の句点が打たれていないような。エンドロール後、ワンカットでもオダギリの表情が写されていたら納得したと思います。彼がまた歩き出してくれたら、スッキリ出来た気がする。でも最後に映されたのはお馬鹿トリオのどうでもいいお話。ゴム臭いのは最初から分かってますって。ここに来てこのスカシ。でもこれこそが三木聡イズム。本作はいわばファンタジーです。主人公が過ごしたこの数日間は夢と何ら変わらない。こんなに都合の良いことは現実にはありません。福原が去って目覚まし時計が鳴りました。さてどうしますか?これから彼は“今”を生きるのか。それとも小泉の元で夢の続きを見るのか。主人公がどんな道を進むのかヒントさえ出ないまま終わる。なんて不親切なんでしょう。でも人生はそんなもの。夢を見るのは自由だけど、時間は無限ではありませんよ。何処へ向かうかは自分で決めてね。誰にも当てはまる痛烈な真実を突きつけてきます。本作のテイストには相応しくない“福原は人殺し”という設定もそのために在ると思えば納得です。彼に、私たち観客に、「逃げる」選択肢を与えないため。転々とお散歩。楽しいね。でもいつか終わる時がくる。だからなるべく笑って歩きたい。[DVD(邦画)] 10点(2008-11-14 19:11:18)(良:4票)

28.  ガチ☆ボーイ 《ネタバレ》 人生に意味や価値を求めるのが人間という生き物だと思います。ある者は仕事に、又ある人は趣味や恋愛、家庭の中に、自分の生き甲斐を見つけます。何かを成して、何かを得るという作業の繰り返し。日々積み重ねていく経験と記憶が生きてきた証であり、それが土台となって成長がある。主人公の記憶障害は、彼からこれら希望を奪い去りました。どんなに努力しても何も残らない。これ以上の成長は望めない。その事実を突きつけられた彼の胸中たるや、察するに余りあります。目を覚ます度に絶望するでしょう。しかしその苦悩は、彼だけのものではありません。“無に帰す”恐怖は、永遠に生きられない人間全てに課せられている。ある日突然訪れる理不尽な死。その真理の前で、なお私たちが平気でいられるのは、普段はその事を忘れていられるから。明日死ぬと分かっていて、今日頑張れる人はそうはいないと思う。でもそれは間違いだということを、主人公は教えてくれました。自分の頭は忘れてしまっても、自分の体は覚えている。自分の記憶には残らなくても、他人の記憶には残る。それがどんなに嬉しいことか。どんなに勇気づけられることか。自分では分からなくても、気付かなくても、あるいは自分が居なくなっても、自分の行為は無駄にならない。強く人生を肯定された気がします。生きる意味、生きる価値、そして生きてきた証がマリリン仮面のファイトには詰まっていました。あんなに泣けるアンクルホールドは見たことがありません。あんなに熱い逆水平も。ドロップキックには心を打ち抜かれました。そして五十嵐の笑顔。心から笑うために、人は努力を惜しんではいけないのだと思いました。自分は映画ファンである前にプロレスバカです。それも10代後半から20代の青春時代をプロレス観戦に捧げてきた。自分が愛してきたプロレスの本質が本作には間違いなく在りました。心から「ありがとう」を言わせてください。[映画館(邦画)] 10点(2008-03-17 17:53:58)(良:5票)

29.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 絶対に行かないと誓ったエイリアンの棲む惑星に、再び赴くことを決めた主人公。一生悪夢に悩まされ続けるより、対峙して打ち負かす道を選びます。エイリアンの殲滅を自身の目で確かめたかったのだと思う。でも普通は出来ないこと。一度死の淵を見た者が取れる選択ではありません。リプリーの芯の強さが伺える。絶望の地で待っていたのは、少女レベッカとの運命の出会いでした。リプリーが地球に残してきた娘と同じ年頃。今は亡き我が子の姿を、彼女に重ねていたであろうことは想像に難くありません。だから最後の最後までリプリーは諦めない。母とはそういうもの。クイーンエイリアンにも同じような事が言えます。一人の女と一匹のメスの最終決戦は、もはやエイリアンVS人間の概念では捉えられない。子を奪われ怒り狂う母と、子を守るため死力を尽くす母との決闘です。痛く、切なく、そして強い母の性が見えます。全てを終えたリプリーに抱きつくレベッカ。「ママ」の一言に涙しました。クイーンも恐怖の対象ではなく、哀れだと思えました。劇場公開版も十分面白いですが、完全版は格別の出来。ヒューマンドラマの色を濃くしています。1作目と併せて鑑賞しましたが、4時間超の大河ドラマを観ているようでした。掛け値なしに面白かった!伏線の張り方も丁寧でそつが無く、前作を十分踏まえた見事な脚本。キャラクター造形も魅力的ですし、文句の付けようがありません。楽勝で10点です。[DVD(字幕)] 10点(2008-01-12 02:12:22)(良:1票)

30.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 設定はマイナス要素に溢れています。ダメダメな家族で全然イケてない。でも世界を包む空気は寒々しくありません。まずそれがいい。軽やかでほんのり暖かい音楽と共に物語は綴られていきます。構図も“はっ”とするほど美しい。そして何より人の描き方が素晴らしかった。端役に至るまで“こんな人いる”と思えました。画面の中の世界は、自分が生きている世界と同じ。だから大きなフリ幅で、心を揺さ振られたのだと思います。時に自身を顧みて嫌悪し、自嘲しました。同情し共感しました。各人に感情移入し、気付くとこ自分も家族の一員になっていました。大いに笑い、くしゃくしゃになって泣きました。クライマックスは娘のステージ。ストリップまがいの珍妙なダンス。それをみて大笑い。「ああ、じいさんとの奇妙なレッスンはこういうことだったのか!」と。でも同時に胸が痛くて苦しくて。お父さんの口癖を借りるなら、この家族は“負け犬”だらけです。彼らのダンスはみっともない。でも美しかった。心に響きました。“娘を守りたい。”その気持ちが強く伝わってきました。もっとも、彼らの行為が許されるとは思いません。コンテストを無茶苦茶にした罪はある。例えそれがクソみたいなコンテストでも。しかし理屈ではなく共感してしまう。「お前たちに、うちの娘を値踏みされてたまるか!」「このダンスの何が悪い!」逆ギレもいいところです。でもそこには愛がありました。巷に溢れるまがい物ではない本物が。客観的判断も価値基準も必要としない。見返りも無い。ただ全てを肯定する。「お前を愛している」「お前を誇りに思っている」そう言わなければならない時があります。しかもオリーブはまだ子供。家族が守らなくてどうする。家族が与えなくてどうする。一番大切なものに、この家族は気付いたのだと思います。愛されることは、自信に繋がります。戦う勇気と力に変わる。オリーブは、そういう生き方が出来る人間になってくれると信じます。じいさんは言っていました。負け犬は、負けることを怖れてチャレンジしなかった者のことだと。自己啓発プログラムでいう“勝利”と違う“勝ち”がある。負けがない、勝ちがある。この家族が敗者だなんて、自分には思えない。[DVD(字幕)] 10点(2007-09-21 18:19:30)(良:6票)

31.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 僅か100分足らずの尺ながら、物語は充実しています。かといって忙しない印象もありません。動を際立たせる静。緊張を和らげる粋な笑い。その脚本、演出の巧みさには舌を巻きます。登場人物も魅力的。脇役も際立っていますが、やはり主演の三船に尽きます。身分は素浪人。名は椿三十郎。偽名です。“ヒーローは名を名乗らない(名乗ってはいけない)”という大前提が、きちんと守られています。『月光仮面』と同じ。それは見返りを求めないという宣言です。「義を見てせざるは勇なきなり」よりも「君子危うきに近寄らず」が主流な昨今、やはりヒーローはこうでなくては!と思います。おまけに頭もキレます。しかし欠点もある。粗野な振る舞い、独断専行。奥方には「抜き身」と評されます。彼の人物像を見事に言い表している。そんな主人公が、奥方の人柄にほだされたのが本作の肝。奥方は世間知らずです。でも計算がない。飾り無い無垢な言葉だから、世俗にまみれた主人公の心に響いたのでしょう。「人を殺してはいけません。」「本当によい刀は鞘に納まっているものです。」しかし事態は甘くありません。殺生は避けたいが避けられない。奥方の言葉と現実との間で、主人公の心は揺れ動きます。その葛藤は言葉と態度に表れます。だから彼に深く感情移入できる。最後の決闘。もはや何の益もありません。でも武士であるが故に立ち会わざるを得ない。勝利の余韻よりも虚しさが勝ります。「お見事!」と言われて一喝する椿の姿が心に残ります。紛うことなき娯楽時代劇の傑作。思い入れの要素を差し引いても、10点は動きません。[DVD(邦画)] 10点(2007-08-01 18:06:03)(良:3票)

32.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 タイムリープの方法を理解した真琴が、初めて意識してそれを使ったシーン。前転ゴロゴロ。言い訳は「転んだ」。で、カラオケ10時間連続熱唱。このアホさ加減に思わず噴きました。そして同時に心を掴まれたのが分かりました。予想通り、それからはもう可笑しくて、切なくて。オッサンの自分が真琴に感情移入しまくりでした。さて物語の解釈について。いつものように勝手に想像(創造)させてもらいます。(当然の事実だったらゴメンナサイ。また誤読の場合もご容赦ください。)ハッキリしているのは、千昭が未来人だということ。そして未来は荒廃していること。彼が現代に来た理由は1枚の絵を観るためだと言う。そこで疑問。何故彼は絵の存在を知っていたのか。千昭は言っています。絵の存在が確認されているのは、「この時代、この場所、この季節だけ」だと。現時点で歴史的価値の無い絵が、これから有名になることは有り得ません。“しょうしつ”は消失ではなく焼失。彼が絵の存在を知るには、その絵を知る人(思い入れのある人)から伝え聞く以外に方法がありません。別れの場面、千昭は真琴に何故あんな注意をしたのでしょう。まるでこの先、彼女が飛び出して事故に遭うのを知っているかのような。それに何故キスをしなかったのか?ラブストーリーなら別れのキスは欠かせない。「未来で待ってる」とはどういうこと?この全ての疑問を満足させる答えは一つ。それは“千昭は真琴の血縁”。それも相当に近いはず。真琴あるいは芳山和子の子供か孫と推測します。母(祖母)の昔話で聞いた絵。それは“かつての世界の終わり”に描かれた希望の光。どうしても観たくて千昭はタイムリープしてきた。現代社会の終焉もそう遠い先の話ではないことになります。「未来で待ってる」は、「将来俺を誕生させて欲しい」ということ。そして今観られなかった絵を、未来で俺に見せてくれという意味。真琴は答えます。「すぐ行く。走って行く」と。彼女は知っている。誰よりも信じられる。未来は変えられることを。彼女はこれから起こる悲劇を、ただ待っている女の子ではありません。自分で行動するはずです。世界を変えるために。千昭との約束を守るために。“待ってられない未来がある。”そう、未来は誰もがすぐ手の届くところにある。(2008.7.19一部内容修正)[地上波(邦画)] 10点(2007-07-24 17:50:02)(良:8票)

33.  バッドサンタ 《ネタバレ》 “昔はワルかったけど、今は更生したんです。偉いでしょ”的な元不良の美談は大嫌い。グレなかった人の方が100倍偉いから。本作にも、そういうニュアンスが無いとは言いません。ただ主人公の場合は、ワルというよりダメ人間。子供もいじめられっ子。ダメな人間の成長には、心を動かされてしまいます。それはもう理屈じゃなくて。どうしようもなく好きなのです。それだけでなく、あらゆる要素が自分のツボにはまりました。まずキャラクター。主人公、相棒、死にかけ(失礼)ばあちゃん、そして悪徳セキュリティ。性格だけでなく、ルックス的にも濃いキャラが揃っています。中でもピカイチだったのがデブの子供。その登場シーンのインパクトたるや絶大。規格外の体格に鼻水、透き通った瞳。パンチ風天然パーマ。チョコバーを持っていなかったのが不思議なくらい、典型的な白人デブ児童キャラです。でも、そこいらの子役とは格が違う。もう一目ぼれ状態でした。脚本もちょっと凄い。というかヒドイ(笑)。仮にも“サンタ”がタイトルに入っている作品とは思えない下品さです。ファッ○棒ですよ。○ァック棒!普段の生活では、まず出てこない単語ですもん。子供の「ア、ハーン」連発にクスクス。1%刻みの分け前交渉に爆笑。ばあちゃんのサンド攻撃には降参しました。そしてメインとなる主人公と子供の交流。彼らの境遇に同情はしません。結局ダメなのは自身に責任がある。ただ、一人で立ち直れというのも酷な話です。人の手を借りればいい。そういう人との出会いは大切です。主人公と子供は、互いに助け合ったのだと思います。それはクリスマスのプレゼント交換のようなもの。木彫りのピクルス(このセンス最高!)に、血染めのゾウのぬいぐるみ(結果的に紫っぽい!)。金銭的な価値はゼロでも、生きる力や勇気に変わるものがある。もうウルウルでした。ハッピーエンドというより甘々の結末。主人公があれで死んでないなんてウソみたい。でもクリスマスの奇跡に感謝します。あの天然パーマ君に謹んで10点を捧げます。[CS・衛星(字幕)] 10点(2007-06-12 18:35:37)(良:1票)

34.  がんばれ!ベアーズ 《ネタバレ》 “目は口ほどに物を言う”。監督に「勝ちたくないのか」と問われた時のベアーズの子供たちの顔。彼らは何も言いません。でも目は雄弁に物語っています。“勝つことよりも大切なことがある”。それは監督や大人たちが忘れてしまった“誇りを持つこと”の大切さ。大人が住むのは、勝つことが全ての社会。過程よりも結果が優先される世界。それは動かざる現実です。いずれこの子たちもそこへ足を踏み入れなければなりません。そういう意味では、子供たちの主張も、ベアーズの監督の選択もキレイごとかもしれません。でも強く心を動かされるのは何故でしょう。物語はヤンキースの勝利で幕を閉じました。現実はそう甘くありません。でも子供たちは胸を張っています。勝って失うものもあれば、負けて得るものもある。それはキレイごとでも負け惜しみでもない、真実だと思うのです。「ベアーズ」での体験を通じて、子供たちは成長しました。友情を知ること、信頼を知ること、負ける悔しさを知ること。どれも本気の中でしか手に入れることが出来ない宝物です。そして誰よりも多くのものを得たのが、他ならぬ監督自身だった気がします。彼はプライドを取り戻しました。誇りを持つのには勇気が要ります。きっと彼は、彼自身の人生と向き合う勇気も持てたはずです。『がんばれ!ベアーズ』は子供のための物語。そしてそれ以上に、子供の心を忘れてしまった大人に向けた物語だと思うのです。[CS・衛星(字幕)] 10点(2007-05-14 17:56:37)(良:1票)

35.  MIND GAME マインド・ゲーム(2004) 《ネタバレ》 多数挿入される心象風景。それは記憶の断片であり、刷り込まれてきたイメージの産物。頭の中に蓄積されたデータを具現化する作業は、ことのほか危ういもの。ゆえに幻想的。そして魅惑的です。でも現実に起きている事象とは明確に区別できるので、幻想的であっても幻惑はされません。ただしそれも最初のうち。物語が進むにつれて、虚実の境は徐々に曖昧になっていきます。いや正確には、どうでもよくなるのです。現実と非現実を分けることが、意味を成さなくなります。一方主題は、その姿をどんどん顕にしていきました。この手の作品にありがちな、“結局何が言いたいのか分からない”とはならないのも素晴らしい。いくら表現が魅惑的でも、テーマが伝わらなければ意味がありません。イマジネーションのコラージュ、テンションの高低を存分に活かした演出は、本作のテーマ“生きることとは何ぞや”を、より深く、強く、観客の心へ届けることに成功していると思います。とりわけアクションの疾走感は極上で、娯楽作品としても一級品でした。マイナス要素になりがちな今田耕司ら素人声優陣についても、本作の場合はベストキャスティング。テーマが気恥ずかしいくらいベタなので、声優の演技が過ぎると説教臭くなる恐れがありました。“上手くないほうがいい”ということもあるのですね。アイデ自体は目新しくないかもしれません。しかし鑑賞中、鑑賞後に覚えた心の高揚は、本作が傑作であることを如実に物語っていました。実写に勝るアニメーションの優位性を十二分に発揮した本作。自分には10点以外の点数を付ける理由が見当たりません。[CS・衛星(邦画)] 10点(2007-03-14 18:36:22)(良:1票)

36.  シムソンズ 少なからず本作をなめていました。「カーリング娘」こと「チーム青森」人気にあやかったブーム便乗作品であると。美少女を主役に配し、彼女ら目当ての男性客を見込んだ作品であると。事実、そういう側面を持った作品だとは思います。しかしだからといって、作品の質が低いと決め付けるのは大きな間違いだと知りました。何といっても4人娘が素晴らしい!正直彼女たちが役者として上手いのかどうかは分かりません。でもハツラツとしています。表情も豊か。嫌味がありません。大泉洋をはじめ、脇を固める役者陣もみな味がある。ストーリーに意外性はありませんが、丁寧にドラマをつくっている印象。4人がちゃんと悩んで、自ら答えを出していきます。カーリングの描写も然り。地道な努力をしっかり見せること。スポーツ作品で一番大切なことが守られていました(最近、これが欠けている作品がホントに多い)。カーリングに対する愛情、地元北海道に対する敬意も感じます。作品に気負いがなく自然体。だから爽やか。元気が出ます。大いに笑えて素直に泣ける、上質なスポーツ青春ムービーでした。これから何度も観ることになるでしょう。本作に携わった全ての人に感謝したい、握手してまわりたい、そんな作品でした。[DVD(邦画)] 10点(2006-12-04 17:52:22)(良:4票)

37.  パーフェクト・ワールド 《ネタバレ》 ブッチとフィリップ、2人の関係変化をストックホルム症候群としてではなく理解できたことが、本作を好きになれた一番の理由です。逃亡犯と人質。そして相棒。気づくとまるで親子のような関係に。“父親”を心の奥で求める者同士の束の間の擬似親子体験。フィリップはブッチに父親像を重ね、ブッチは自分の理想とする父親象を無意識のうちに演じ、自らの欲求(父にこうして欲しかった)という思いを満たしているように感じられました。ラストは確かに悲しいですが、ブッチもこんな結末をどこかで予想していたような気がします。少なくとも人生の終わりに、フィリップという最高の相棒であり息子と出合えたことは彼にとって何より大切な出来事であったと思います。本作のタイトルは『パーフェクトワールド』完璧な世界。しかし描かれるのは殺人、強盗、脱獄。州警察とFBIの縄張り争い。子供に行為の最中を覗かれる世界です。きわめて不完全な世界。作中でも語られるように『パーフェクトワールド』は存在しません。少なくとも私達が生きる世界は、不十分で、欠点だらけで、不幸が溢れる世界です。なら、死後の世界は『パーフェクトワールド』といえるのではないでしょうか。作品冒頭で示される世界。まるで昼寝をしているかのように穏やかな顔のブッチ。彼のいる世界です。苦しみも恐怖も悩みもない“無”の世界。これこそ完璧な世界。しかし、コーラを飲むことも、ハロウィンを楽しむことも、2人でタイムマシンに乗って旅することも出来ない世界です。逆説的なタイトルにより、一層私達が生きる世界が不完全であることを認識させられます。でもその不完全な世界が愛おしい。『パーフェクトワールド』は誰もがいつか行く世界。なら急がなくてもいい。そこへ行くまでのしばらくの間、この不完全な世界を愛したい、そう思いました。[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-09-23 02:17:56)(良:3票)

38.  嫌われ松子の一生 どこか他人事のように感じてもおかしくないほど、壮絶なお話です。しかし本作で描かれている、“人から愛されたい”“他人に自分を理解してもらいたい”という想いは、人が持つ切なる願いです。ですから自分自身の物語として、本作は強く心に迫ってきます。この作品を目の当たりにすると、人生を“素晴らしい”とか“つまらない”あるいは“正しい”とか“間違っている”と言うことが、無意味なことだと気付かされます。もちろん喜びは多く、悲しみは少ない方がいいに決まっています。でもそれだけのこと。生きること自体の尊さを痛感しました。この悲惨な物語をどう観客と向き合わせるか。それが本作の課題だったと思います。ガレッジセール・ゴリの存在も大きかったですが、やはりミュージカルの要素、そしてCGとアニメの彩りが、直接的な痛ましさを和らげていたように思います。しかしその一方、明るい音楽や色彩により、強く哀しみや切なさといった情感をかきたてられもしました。矛盾しているようですが、これは自分が抱いた率直な感想です。鑑賞後は喜怒哀楽のどれでもない、言葉では表現できないような感情に襲われました。道に飛び出して大声で叫びたいような、でも心の内に秘めておきたいような。自分でも理解しきれない涙が溢れて溢れて仕方ありませんでした。この不幸な物語を、映画館で、それもおそらく日本で一番この作品を観るのにふさわしいと思われる映画館のひとつ、新宿歌舞伎町の映画館で観られたことは、自分にとって本当に幸せなことだったと思います。[映画館(邦画)] 10点(2006-07-18 18:36:58)(良:5票)

39.  ペーパー・ムーン 詐欺師の男が、母を亡くした少女を彼女の親戚の家まで送り届けるロードムービーです。この作品、何といっても子役のテイタム・オニールに尽きます。表情、仕草、声質、すべてが魅力的で、作品に輝きを与えています。もちろん、実父ライアン・オニールとのマッチングも絶妙で、2人のいる場面ひとつひとつが画になります。2人の掛け合いとメリハリのあるエピソードで終始楽しく観られます。詐欺のテクニックも見ていて勉強になりました(笑)。ハートウォーミングではありますが、甘ったるくなく、凛とした味わいの作品です。(最後に2人が抱き合ったりしないところが良い!)ペーパームーンというタイトルの付け方も実に見事。ちなみに自分も92小菊さんと同じように、物語中でも2人は血がつながっていると思いました。何よりあごの形がそっくりですし(笑)。親ゆずりの才能も感じます。もっとも鳶が鷹を生んだってところでしょうが。[DVD(字幕)] 10点(2006-06-05 18:21:00)(良:2票)

40.  セントラル・ステーション 《ネタバレ》 駅で代書屋を営むドーラ。ある事情から、母親を亡くした少年ジョズエを遥か遠方に住む父親のもとへ連れて行くことになります。ブラジルの社会や生活を感じられる心温まるロードムービーです。(以下ネタバレです)投函を依頼された手紙を破り捨てるドーラは善人とは言えません。しかし、手紙を棚へしまい込むところに良心の呵責が見て取れます。成り行きとはいえ、ジョズエと旅したことも同様です。代書屋として他人の人生を垣間見るうちに、また父との関係、孤独な生活の中で擦れてしまったであろうドーラの心。ジョズエとの旅で徐々に癒されていきます。旅の途中、今までなら捨てていた手紙を投函する場面や、ずっと自分の為の(言い訳としての)嘘ばかりついていたドーラが、ジョズエを思いやってつく嘘に心の変化が現れています。ラストで明らかになる事実、二つ並んだ手紙に、人生の機微を感じずにはいられません。ラストで記念写真を覗く2人の姿に自然と涙が溢れてきます。たまたま交差しただけのドーラとジョズエの人生。しかしそれは数多くの人生が行き交う「セントラルステーション」が生んだ小さな奇跡だったのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-05-11 17:54:18)(良:2票)

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