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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  女の子ものがたり 《ネタバレ》 少女版スタンドバイミーということで観てみた。なるほど、物を書く仕事に就いた人が昔の友情を振り返る→友人は死んでいる→ああいう友達はできないだろうという流れは全く同じ。友情が「不幸」という似た境遇の絆で結ばれているのも同じか?だったらスタンドバイミーでいいじゃない、と言いたいとこだけど、私はこっちのほうが好きだ。自分に女の子時代があったからというのもあるが、作中の女の子たちの、自分たちのわかりやすい不幸やわかりきった生き方を笑い飛ばす強さが何とも潔い、哀しいけれど。西原センセの作品というのにあまり馴染みはないのだが、底辺の暮らしを知っているというのは物書きにとって強味だと思った。脱却しようにも光を見出せず、主人公以外の二人のように生きてしまうしかない、圧倒的多数の女の子たちに色んな道を示すという意味で、彼女にはこれからも描き続けて欲しいものだ。ところで、某ドラマ以来、大後寿々花ちゃんは私の気になる女優さんであるが、彼女の凛とした雰囲気が成長過程で全く損なわれることなく、むしろより一層研ぎ澄まされていくことにいたく感動した。[DVD(邦画)] 7点(2010-06-13 23:13:07)

22.  ロルナの祈り 《ネタバレ》 ダルデンヌ兄弟の映画は何となく観るのだが、お恥ずかしい話、ストーリーやらキャラクターについては全体的にうろ覚えである。共通して社会のどちらかというと下層部に生きる人の話で、ネガティブな面が描かれているのだが、あまり押し付けがましさがなく淡々としているといった感じで、それぞれの作品の印象が似通っているからかもしれない。この作品についても、兄弟らしく、描かれる内容はダークながらも全体的に上品。インパクトといえば全て中盤のロルナの心境の変化に集約されるだろう。かなり疎ましく感じていた(と思われる)相手に対し、あそこでどうしてああなるのか、一瞬理解できなかったが、安っぽい表現をすれば好きと嫌いは紙一重、愛するのも憎むのもエネルギーがいることで、そのエネルギーのベクトルが変わるだけの話だと思えば、そういうものかなという気もする。ジャンルとしてはラブストーリーなんだろうが、だとすればひねくれているし、事実だけみると、かなりの悲恋話である。だがラストは絶望じゃなく、どちらかというと希望が見出せそうですらあるのは不思議だ。私はこういったところに兄弟の作り手としての温かみを感じる。とはいえやはり、私のなかでは他の作品同様、残念ながら埋没してしまいそうである。このでしゃばらない感じがむしろ、ダルデンヌ兄弟作品の味なのかもしれないが。[DVD(字幕)] 7点(2010-03-18 01:21:33)

23.  ラースと、その彼女 要するにダッチワイフの話という点で本作は「空気人形」と似ている。しかし、心を持った空気人形が、「心なんか持ったら面倒だ」と言われるのに対し、本作は心がないはずのビアンカが、さも心を持っているかのように周囲から生かされているという話で、全く正反対である。不思議なことに、人形が動き出すという設定上、ファンタジー要素は前者のほうが強いはずなのに、本作のほうがよりファンタジックである。多分、現実ならば、この映画の登場人物たちのようにラースを温かく見守る人は皆無で、どちらかといえば、大多数の人間がラースを気味悪がるはずだと思うから。そういう意味では、「空気人形」の登場人物たちのドライさが私にとっては現実的で、ラースの周囲の温かい人たちは何だか出来すぎた感じがした。だが、虚構ゆえに、と切り捨てたくない気持ちがあるのも確かだ。「ビアンカの存在は我々の勇気を試した」という神父の台詞があったが、そのまま私自身にも投げかけられたような気がしている。[DVD(字幕)] 7点(2010-03-08 20:19:05)

24.  おとうと(2009) アンパンが喋るとか未来からネコ型ロボットがやってくるとかいった国民的アニメの設定に「そんなバカな」とつっこむ人は誰もいない。単にフィクションというのとは違う意味合いで、この世に起こりえない「非現実」の話だからだ。この映画も同様に、山田洋次の世界という、現代日本に似た異世界の、全くの非現実の話だと思うことにしてみると違和感なく観れる。時代錯誤という単純な話では済まされないほど独特すぎるキャラクターたちの言い回しや行動は、現代の日本では絶対にお目にかかれないだろうが、それでも深い味わいがある。いかにも人情物らしく、脇役たちが生き生きしているのも良い。特にレオ&笹野ペア。二人のいかにも下町の人間らしい陽気さ・お節介さが微笑ましい。ただやはり、蒼井優や加瀬亮など良い意味で「普通さ」が売りの若手の役者陣は、観ていてこそばゆいくらい演じにくそうではあった。でもまあ、それもご愛嬌だ(逆に吉永さんはマッチしている。ご本人が浮世離れしているからだろう)。最後に鶴瓶について。「ディア・ドクター」も良かったが、今回も素晴らしい。彼はおそらく監督に愛されるのだろう。(多分)本人の人柄がそのまま生きた役を貰って、ありのままで楽しく演じている。だから観ている者も楽しくなる。ストーリーはありきたりだし、オチも何となく分かっていたが、それでも最後はホロリとくる。山田洋次の愛する、寅さん的なステレオタイプな人情の世界は、やはり日本映画には必要だと痛感した。自分で言っててなんだが、これが現代日本の話として観られないことがちょっと哀しい気もする。[映画館(邦画)] 7点(2010-02-28 23:48:04)(良:1票)

25.  さよならみどりちゃん 《ネタバレ》 この映画の(映画に限らず小説でも漫画でもサブカル臭の漂う作品には結構ありがちなんだけど)、ルックスその他諸々、それなりに恵まれた人間の恵まれているなりの悩みやらセンチメンタルやらそういったものを描き出し、「わたしせつないの」(あえてひらがな)って言いたいだけのストーリーには正直虫唾が走る。愛されないなんてぶーぶー言う以前に、そもそも、文字通り水も滴るいい男・西島秀俊の、知性とだらしなさが漂う美しい顔に、あるいは程よく中年くささもある色っぽい身体に、一生のうちで一瞬たりとも触れることができない女が世の中の圧倒的多数だと思うぞ(そしてその圧倒的多数のうちの一人、男日照りが続くこの私には、主人公の感傷が最早不幸自慢に思える。哀)。一体どの層が共感するのか。っていうかこの映画に共感できる人とは仲良くなれそうもないな、自分は。いかにも遊び人なユタカに近づいて、案の定深みにはまって自暴自棄になり、自分を慕う男の子と軽く寝てみるとかいうヒロイズムも何か気持ち悪いし。でも、いるんだろうな、こういう人たちって。一握りのドラマッチックな人間は、こうやって何もかもがスタイリッシュな恋をするんだろうな。その挙句失恋したって何となく慰められて前向きに生きられるきっかけもたくさんあるんだろうな。そしてまたそれなりにいい相手と出会うんだろうな。それで恋愛中はウン○もしなけりゃ、オ○ラもしないんだろうな。…とまあ、一回どおり僻んでみて、結論としては好きな作品では絶対無い。だが、映画としてはなかなかのもんです。原作未読だが、この手のサブカル漫画の空気感みたいなものは描けているはずだし、ミニシアター系邦画特有の映像の透明感みたいなものも描けていると思う。あと特に評価できるのは、主人公に、昔から美人でちやほやされ続けているようなオーラの女優ではなく、「中学のときイケてない」女子だった感のある、どことなく垢抜けない星野真里を起用したことかな。[DVD(邦画)] 7点(2009-12-10 22:09:27)

26.  コドモのコドモ 《ネタバレ》 幼い少女が出産するというストーリーの映像作品がここ数年で何作か世に出て、物議を醸した。でもよくよく考えたら、作品中でもばあちゃんが言ってたが、産むことができる身体だから赤ちゃんができるってことなんだし、自然の摂理に反しているわけではない。子どもが出産するというテーマの問題点は、私が思いつく限り2つある。1つは赤ちゃんを育てるということは経済力や躾の面で子どもには難しいということと、そしてもう1つは―こちらの方が大きいと思うが―妊娠や出産以前の過程で、そもそも子どもがセックスするというのがタブーであるということだろう。前に他のレビュアーさんが書いてらっしゃる、セックスの意味も分かっていない子どもがセックスするということが暴力であるという意見はもっともだ。ただ、この手の作品の意味は、無論、幼い子どものセックス礼賛ではない。汲み取るべきは、「よかったね~」と笑い合っている周囲の理解ある仲間や家族という奇麗事ではなく、批判的な第三者というリアルの部分であると私は思う。また本作の、幸せそうな「今」だけ切り取り、あまり未来を感じさせないラストシーンはどこか名作映画「卒業」に似たものを感じる。これからもずっと幸せなんて約束はない。世の理みたいなものに背いて選んだ道は、間違いなく厳しい。それでも生まれてしまったものは仕方ない。たとえ産みたいという感情は一時的なものでも、結果は永遠についてまわる。ともかく子どもだろうが大人だろうが、命を作り出すという行為はいろんな意味でとーっても重い。そういうことを、不安も感動もひっくるめて、感じられればいいのではないか(そしてそれが似たテーマの「JUNO」よりは断然感じられる本作)。ただまあ個人的には、ハルナの大きなお腹にばあちゃん以外の大人がいつまでも気づかないというのが、子どもにしか見えない赤ちゃんの存在…的なファンタジー設定ゆえにかと思っていたから、本当に産んじゃうのには驚いた。「自分の子どものことは何でも分かる」と豪語する母親がずっと気づかないという設定はやっぱりどうしても無理がある。そこに何らかの意味を持たせたかったのは承知の上でも。[DVD(邦画)] 7点(2009-12-07 21:35:46)(良:1票)

27.  ジャーマン+雨 野嵜好美といえば山下敦弘監督の秘蔵っ子という印象だ。それだけに(?)、よしこのような、憎たらしいがある意味魅力的な破天荒キャラがぴったりくる稀有な女優さんである。その彼女を主演に据えた横浜監督のセンスとガッツ、それだけでも私のなかでは結構高評価な本作だが、私が特に素晴らしいと思ったのは作中キャラクターである。登場人物に誰一人真っ当な人間がいないながらも、舞台が辺鄙な田舎町だから特に、こういう奴いそうだよね的な共感を呼ぶ。同じ変人系映画でも、ケラや三木聡作品のように「こんなやつおらへんやろ~」と思わずつっこんでしまうようなぶっ飛びタイプではなく、横浜監督が好むのは山下タッチのリアリズムである。愛を持って「ヒト」をよく見ている、そんなイメージ。それから、ストーリーについて。一見ポップだが、本質としては前のレビュアーさんがおっしゃるとおり、結構暗い。「ウルトラミラクル~」もそうだったので横浜監督の好みなのかもしれないが、積極的な前向きさはなく、どちらかというと諦念を抱き、どう開き直るかが主眼であるように思える。それで下手なメッセージ映画よりも、何だか逆に励まされるのは私だけではないと思う。映画の規模を考えたら限界があるとはいえ、人々にもっと観られていい映画。ただ、もう少し分かりやすくてもよかったんじゃないかと思う場面は多々あった。ドイツ人とよしこは性関係を持ったのかな?私は勝手にそう解釈しちゃったけど…。[DVD(字幕)] 7点(2009-12-05 14:53:50)

28.  スカイ・クロラ The Sky Crawlers 《ネタバレ》 私が今ここに存在しているということ自体の苦しみ。「永遠」への恐怖。私は随分昔に気づいてしまった。私たち人間はみな、逃れることのできない仕組の中に生きていることを。私たちもまたキルドレである。終わりなく戦い続け、苦悶し続ける存在だ。ようやく忘れかけていたことをまた思い出させられた。観たくなかった。[DVD(邦画)] 7点(2009-10-20 18:16:29)(笑:1票)

29.  ブラインドネス 《ネタバレ》 設定そのものには色々と筋の通らないところがあるのだが、突然わけのわからない極限状況におかれたとき人がどうなってしまうのかという心理的な面は上手く描けていると思う。右も左も分からない不安定な世界だからこそ、日頃は社会性という名の被服に隠された肉欲、性欲、支配欲が丸裸になり、(各々の共通認識では)全員が盲人という等しく不自由な状態にあっても、何らかの条件で自然にカーストができあがる。おぞましいシーンの連続で非常に不愉快だが、このようなテーマであるからにはそのあたりの描写は避けて通れまい。そんなもんは観てるこっちも覚悟の上だ。ただ、どれほど苛酷な思いを味わっても、恵みの雨に打たれたとき、視力が回復したとき、傍にいる仲間との友情を確かめ合ったとき、人は笑っていられる。乗り越えていけるのだ。この、人間の精神の強さや美しさが大事なところなのだと思う。また銃と視力という、集団内で圧倒的に強い武器を持った二人の運命が、己の欲のために使うか、他人を助けるために使うのかによって、明暗分かれたのも良かった。性悪説も性善説もなく、人は王になるべきか聖母になるべきか、その都度選択するのだろう。非常に訓示的であり、理屈っぽさも感じるところだが、純粋に心に残る作品だった。ただ欲をいえば、もう少し目の見えない演技を徹底してほしかったかな…一番重要な設定のはずなのに、時々完全に忘れていることがあった。[DVD(字幕)] 7点(2009-10-18 14:16:05)(良:1票)

30.  プール(2009) 《ネタバレ》 ミニシアター系邦画にありがちな、消化不良なままぶつっと切れる感じのエンディング。もたいさんは死んでしまうのか、さよと青年の間に特別な感情は生まれないのか、小林聡美はタイにとどまるのか、少年の行く末はどうなるのか…台詞は少なく、登場人物たちのバックグラウンドはいまいちよくわからないまま、勿論先のこともほぼわからないまま映画終了。もう少し処理のしようもあっただろうにと思わなくもない。しかし、付け足しの如く説明的な結末だったらそれはそれで違和感が残っただろう。この映画は、映画そのものが「旅」なんだと思う。きれいだとか美味しいとかめいっぱい感じ、刹那の幸せや感動を味わい、あとは思い出が残るだけ。変わろうとか変えようとか、そんな意気込みを持って旅することも勿論あるにはあるのかもしれないが、タイという国にはこの映画のようなとりとめのない旅がぴったりなんだろう。はっきりと形に残るわけでもないが、さよの旅はさよ自身、それから 彼女が係わった人々それぞれの心に何らかの後味を残す。そしてみんな、それぞれの場所で生きていく。それだけでいいと思う。けちをつけるところはいくらでもあるが、帰国して振り返れば、なんとも素敵な「旅」だった。[映画館(邦画)] 7点(2009-09-30 19:04:11)

31.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 2001年の映画にしてはどこか古めかしく、それでいて鮮やかで、いつまでも心に残るであろう一作。謎解きは謎解きで楽しみだが、不可思議な世界を不可思議なまま捉えていても魅力的なストーリー。哀しくて、儚い。ところで、とにかくナオミ・ワッツが褒めそやされる本作だが、私は妖艶なローラ・ハリングにやられた。美人女優とはかくあるべきという、気品と色気が漂い、圧倒される。こんな人なら、訳ありで怪しくても助けてしまうし、こんな人に捨てられたら、私もきっと暴走してしまうだろう(ちなみにノンケですが。笑)。女性同士のラブシーンでこんなにうっとりしてしまったのは初めて。[DVD(字幕)] 7点(2009-08-17 20:50:45)

32.  みんな誰かの愛しい人 《ネタバレ》 作家先生の周囲にいる人々のお話だが、なかでも特にロリータに共感できるか、できないか、観客のこの映画の印象はここで決まるのではないかと思った。ロリータのいじけっぷりは人によっては不快に感じるだろう。実際私も「この人痛い!」と思ったが…どこか自分に似ているから、こんなに痛く感じるんだろう。彼女の人物描写は、モテないうえに、唯一自分を認めてくれる存在であるはずの父親にすらぞんざいに扱われ、周囲の人間には偉大な父親に近づく手段として利用され…と三重苦以上の不幸を背負っている女のメンタリティーとしては非常にリアル。誰だってああなるわ。でも歌っているロリータはそれなりに美しく、その姿に私もはっとなり、セバスチャンと同様、ロリータに惚れ直した(しかも、そこもやっぱり見てない親父。芸術家というのはどこか自分本位で、側近の人を傷つけながら自己を高めるというイメージがあるが、まさにそのイメージのとおり。がっかり)。結末は、ロリータに感情移入しているぶん、何となく嬉しい。確かに大きく事態が好転するわけでもなく、ラストは静かなものだが、急変せずにじわじわと変化していく人間関係や、小さな言葉のすれ違いなど、物語が現実感を損なわず作られている点、私は好きだ。ただ、やはりちょっと地味で、あまり残らない作品かもしれないと思い、この点数。[DVD(字幕)] 7点(2009-08-01 03:10:22)

33.  ゴーン・ベイビー・ゴーン 《ネタバレ》 この映画が投げかける問いに明確な答えはない。ある人は主人公に共感し、ある人は主人公を否定するだろう。しかしながら、どちらかの行動を選ぶと言いながら、どちらの心情も理解できる人が殆どだろう。物語の結末の時点での娘の視点に立てば、どちらも正解とは言い切れないからだ。現実にはこういうことが往々にしてある。だから、どう思おうと、その人なりの価値観だということで、否定はできないと私は思う。アフレックもそういうつもりで、あえて結末をすっきりさせなかったに違いない(ちなみに私は、主人公の熱い考えには反対だ。私なら誘拐犯を見逃したかもしれない。しかし、かといって意見の相違で恋人が去ってしまうのも酷な気がした)。ただ、この映画を観て、何の感想も抱かなかったという人がもしいるとしたら、私はそちらのほうが問題だと思う。本作の主人公のように、人の一生を左右するような重大な選択を迫られる状況というのは、裁判員制度が導入された現在、私たちにとってもはや他人事ではないからだ。裁判員に選ばれたとき、我々は場合によっては人の生死まで判断せねばならなくなる。答えのない問題に取り組むのは、できれば避けたい大きな試練だが、それを放棄してしまうのは、最終的に判断を間違ってしまうよりも罪なことだ。実際、裁判員が自分なりの根拠を持たないで、適当に一票を投じてしまうようなことが起こるのは怖い。何らかの大きな選択をするなら、そこに必ず信念や自論は必要だと思う。主人公もそれがあればこそ、多少の後悔はあっても、孤独な少女の現実を受け入れられるのだろうから。…そんなことを真剣に考えさせられた作品。話は変わるが、ベン・アフレックといえば私のなかではケヴィン・スミスなわけですが(笑)、ケヴィンの作品ではアホっぽい姿をよく見るぶん、この作品で彼の別な一面が見えてある意味良かった。あんたはいい男だ!!ちと惚れた。[DVD(字幕)] 7点(2009-07-14 02:40:44)(良:2票)

34.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 残念なことに最近、自称「映画通」が自分を語るためのツールとして映画を扱っている現状を目の当たりにすることが多い。だけど本当は、内容にかかわらず、映画をつくりたい、観たいっていう根本的な要求は実はものすごくシンプルなんだなと実感。手作りの映画を今から上映しようというときの、薄明かりに浮かぶみんなのワクワクした表情が胸にぐっときた。店中のビデオがダメになるというのは、物語の展開上必要なのでしょうが、このシーンはあまりに勿体なくて、別の意味で感情が揺さぶられるという。でも実際、ビデオって本当にもろい。だから扱いづらいというんじゃなく、大切にしたいものなのです。簡単に廃棄する最近のレンタルチェーンは大馬鹿者。彼らこそこの映画を観て欲しいものだ。[DVD(字幕)] 7点(2009-07-13 19:36:07)(良:1票)

35.  ハチミツとクローバー 《ネタバレ》 鑑賞自体はだいぶ前だけど、評価がしょっぱい感じなので思わず投稿。私は好きです。原作も読んでいないし、そもそもこういう甘酸っぱい系のラブストーリーなんざまるで興味はないんだけど、「興味ない」っていうのも私にとってはポーズでしかないのかな、と悔しいけれど認めてしまった作品。はぐ森田竹本の三角関係は正直共感しにくく、そんなでもないんですが(笑)、個人的にあゆ→真山のエピソードは、これだけでご飯三杯いける感じです。あんなに美人でいい女のあゆが、ストーカー真山に一途に恋し、報われないもどかしさ。そこでお互いが「身体だけでも…」って流れで爛れた関係になっちゃうのが現実ってやつなのかもしれないけども、この二人もこのまま煎じ詰めればそうなっちゃうのかもしれないけども、その生臭さに到達する以前の、片思いが片思いらしくある一瞬のイノセンスといいますか…たとえば真山があゆをおんぶする場面で、急接近してしまった片思いの人の背中で思わず「真山、好き」と涙ながらに呟く乙女の姿のせつなさ、苦しさの美しいことといったら!!そして礼を言うしかない真山。一度でも恋したことがある(orされたことある)人なら多分ノスタルジーを伴いつつ共感できるこのシーン、かなりときめきますわ。観るときいつも画面の前で口開けてます。このワンシーンに片思いの全てが詰め込まれていると私は見るのです。。…と、何だか熱くなってしまったけど、まあ恋愛云々抜きにしても、個人的に芸術系の大学に憧れがあったので、その生活が垣間見えるところが良いなあと。ファッションも凝っていて、見ていて飽きないし。でも全く同じ脚本・監督でキャスティングが違っていたらこの点数はないかな。ラストあたりの蒼井優のあの笑顔は、神がかりです。女の私でも「惚れてまうやろ!」と叫ぶレベル。作品としてどうなんだと問われると確かに完成度は高くないのかもしれませんが、見所は大いにあり。中古で特典つきDVDを購入した私ですが、まったく損したとは思いません(中古だからか?)。コメンタリーの伊勢谷さんの激しい俺様っぷり(たぶん他の役者さんちょっと引いていると思われる…)が作中の森田と被り、なかなか笑える点もオススメです。[DVD(邦画)] 7点(2009-07-10 02:22:58)(良:2票)

36.  インスタント沼 《ネタバレ》 独特すぎる世界観、常連キャスト、はまらない人はお呼びでないという、いつもの徹底的にぶっとんだ三木作品。麻生久美子の口をとんがらせたような喋りは正直そんなに好きじゃなかったが、あまりにあっけらかんと分かりやすい「ハッピーエンド」が、今まさに人生に行き詰まっている、中盤のハナメ以上にやばすぎる「ジリ貧」状態の私にはとても愉快・痛快だった。元気をもらえた。こんくらいめちゃくちゃでも、楽しければいいのです!(注・面白いというのとは私の場合ちょっと違いまして…ツボの問題)個人的にパンクの加瀬亮さんにはもっと暴れて欲しかったなあ。[映画館(邦画)] 7点(2009-07-03 17:35:51)

37.  ウルトラミラクルラブストーリー 《ネタバレ》 どのように観たらいいのか、私には分からなかった。テロップが欲しいくらい、方言台詞もなかなか聞き取れないし、ストーリーもかなり破天荒。まさにウルトラミラクルなラブストーリーとしか説明しようのない作品。ただ、松山ケンイチってこういう変り種ながら根がまっすぐという役をやらせると最高にいいんだよなあ、と「セクシーボイスアンドロボ」で彼を好きになった私は思う。キャベツ畑に埋まるシーンだけでも観る価値あり。私事ながら、上映後、松ケンファンと思しき女子集団が映画館前で戸惑いの感想(ネタバレ含)を口々に述べていたといういわゆるKYな場面が同時に思い出されるのがとっても哀しい。[映画館(邦画)] 7点(2009-06-27 21:15:26)

38.  恋愛睡眠のすすめ 試写会で観ました。 途中退席の客はちらほらいたものの、私は好きです。万人受けするかと言われたら、そうでもないでしょうが。個人的にファンタジーはあまり好きではないのですが、夢なら何が起こっても不思議ではないし、このように現実に即したファンタジーはありだと思います。 みんなが大好きな睡眠、そして夢。夢の面白さを体感できる、ポップな作品でした。 それからつくづく感じたのですが、フランス語?って綺麗ですねー。 [映画館(字幕)] 7点(2007-07-23 18:02:33)《改行有》

39.  おくりびと 《ネタバレ》 純粋にいい映画だ、とは思う。わけあり女の余貴美子、実は「おくりびと」だった笹野高史、社長、吉行和子、役としては死人だったが峰岸徹、そしてなんといっても主演のモックン(所作の一つ一つが美しい)、みんな、実にいい。そんななか、完成度を下げたのは妻・広末涼子だ。いや、広末涼子のせいではないのかもしれない。素人の私には、彼女の演技が悪かったのか、それとも脚本がまずかったのか判断ができない。ただ、いずれにせよ、妻がこの映画において大きなマイナス要素なのは間違いない。この映画の流れで、妻の心境の変化がなぜ起こったのか、どのように変化したのか、よく分からないのだ、あまりに唐突で。なんとなくは理解できる。だが、筋書きをなぞったうえの理解でしかない。物分りのいい貞淑な妻のはずなのに夫の仕事を知るやいなや豹変し、夫を「汚らわしい」とまで口走った彼女が、夫の仕事ぶりに感動してすぐに見直しました、ってあまりにも簡単すぎるではないか。広末演じる妻はこの映画において、「死」というものを異常に忌避する点で、多くの観客に一番近い(ある意味ではごく普通の)、存在のはずである。その妻を適当に心変わりさせてお茶を濁して、客から共感を得るというのは無理な話だろう。実際、私もそうぐっとは来なかった。妻との物語をそこまで見せる気がないのなら、もっと描くべきことはあっただろうし、見せたかったのなら全然足りなかった(尺の問題ではなく)。とはいえ、様々な人の死に様々な思いが交錯する、日本的な「死の風景」が美しく描かれていたこと、冒頭にも挙げた俳優陣の演技など、個人的に好きな部分も多い作品である。だからこそ、自分のなかのマイナス箇所がとても勿体無く感じる。[DVD(邦画)] 6点(2010-07-16 21:03:46)(良:1票)

40.  春の日のクマは好きですか? 嫌いではない。ペドゥナが可愛いし、全体的にポップで、ところどころ笑えて、さらっと楽しめる。ストーリーも何か健気で好ましい。ただ、(他の方も指摘されているみたいですが…)盛り上がり部分で突然鳴り響く大音量のバラードがなんかいちいち安っぽい。おいおい、月9じゃないんだからさ。韓国の作品というのはあまり馴染みがないのだけど、全体的にこうなのでしょうか?こういった作品そのものの価値を貶めかねない派手なBGMが、カウリスマキ作品よろしく、逆に笑うポイントだと捉えていいなら疑問もないけど、どうもそういう意図は感じられないし。素材はいいのに調味料間違えたような、言いようのないもどかしさ、歯痒さを感じる映画。ペドゥナのキュートさに救われています。本当、この人はいい女優だ。[DVD(字幕)] 6点(2009-11-15 14:41:59)

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