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21.  予告犯 《ネタバレ》 非常にスカッと楽しめました。完全芝居でゲイツが実は死んでなければ大拍手でしたが、そこまでは無理だったようで残念。仲間全員を(良い意味で)欺いておいて、どうやってあのビデオを撮ることができたのか? と思ってたら、ちゃんとそれもいい種明かしが後に出てきて、話作りがうまいなーと感心しました! 「あなたにはわからない」と言われた女が、どうわかる奴に変わっていくのかに大いに興味を抱いていたのですが、シンブンシ達の生い立ちや現在に至るまでを真剣に調べ始めるには、あと一押し強烈なキッカケが欲しかったなぁと思います。で、彼女の成長については、どうしても不満が残りました。「なんで助けを求めないのよ⁈」ってセリフがね、「結局あんたはわかってないじゃん」と感じてしまったのです。 そりゃ世の中悪い人ばかりじゃないけれど、助けに応じてくれる人に出会うまでに、いったいどれだけの数の裏切りや屈辱や落とし穴に耐えろっていうのか、それでも完璧に健全であり続けろというのか、わからないお前が「世の中は生きる価値がある」とか説得力ないわー。と、そこだけがどっと覚めてしまった部分でした。生活保護が必要な人だって、シブられてなかなか受けられなかったり、受けられても非難されたりナマポとバカにされたりな世の中なのに、無理な社会肯定観。ゲイツがヒョロに言った「お前が腎臓売ってまで来たかった国がこんなでごめんな」が、この映画での一番印象に残るセリフでした。物語のリアリティとして一つ大きく気になったのは、「さすがに仲間1人死んだら警察呼ばないの?」という点。違法な怪しい仕事っぽかったけど、だからって人死んでも黙ってるの? てのがねぇ。あと、欲を言えば「青酸カリだと信じ込んでるようだが実は違うんじゃね?」と思って見てしまうので、心中シーンは緊張しませんでした。魚か何かで試すような「本当に青酸カリです」と示す場面が欲しかったです。そういうわけで満点はつけられませんでしたが、ものすごく楽しめましたです![DVD(邦画)] 9点(2016-04-23 01:22:43)

22.  真夜中のゆりかご 《ネタバレ》 警察の妻、どうしょうもないバカですな。自分の可愛い子なら自己判断してないで少ない可能性にかけても救命呼べよ! それもせず「引き離さないで、離したら自殺するから」とか、救いようのないアホで自己中。母親失格、勝手に死んでくれと思いました。だいたい旦那の「後悔してない?」くらいで激おことか、まともな女じゃないし、「子供を引き離したら自殺する」とか、旦那に対して「子供が全て、あんたとの生活は無価値」と言ってるも同然。こんな基地外女が、別の子と交換されて「私の子を返せ!」と発狂しない保証ある? 発狂しなかったぜ…やっぱただの自己中女だ。死んだ我が子がヤク中の家で糞まみれで放置されても、トイレで吐いてお終いかよ! 生きてる他人の子でとりあえず自殺せず落ち着くわけね。お前の我が子への愛はそんなもんなんだな。 ヤク中夫婦の旦那、赤ん坊に死なれてそんなに騒ぐくらいなら、もう少しマシな子育てしろ。夫婦二人ともヤク中とはいえ、子供すり替えられて気付かないとか救いようがないと思ったが、奥さんは気づいたみたいでしたな。この女を警察は助けてやれよ! 赤ん坊は救ったともいえるが、ヤク中にされた女から勝手に子を奪う権利はない。警察、基地外妻に振り回されんな! 警察の妻だけは地獄に行って欲しいと思ったが、その後も他人に迷惑かけまくり。死んでも許せん自己中基地外女でした。 で…不愉快な展開を見守っていたら、警察の妻の基地外行動選択の理由に納得がいく真実が浮かび上がる! なかなかの展開でございました! というか、一緒に生活してる旦那さんは気づかないとダメじゃ〜ん! ここがご都合的で7点以上にできない。けれど「よそん家のDVも気になるけど、あなたはちゃんと自分の子を守れてる?」というテーマは良いです。 物語の終わり方は良かったです。収束の仕方次第では怒りの0点になりそうでしたが、ちゃんと締めてくれたので良かったです。[DVD(字幕)] 6点(2016-04-22 20:20:34)《改行有》

23.  ミケランジェロ・プロジェクト 《ネタバレ》 「絵なんて興味ねぇ」という人は少なくないはず。人々の日常に浸透してるのは音楽の方。それと同じように浸透してる絵があるとしたらアニメとか漫画かなという気がする。そういう人たちでも、もし戦争のドサクサの中で、大好きな漫画や映画やアニメの原画やオリジナルフィルムやデジタルデータに至る全てを消滅させようとする事件が起きようとするなら、それを命がけで阻止しようとする人の気持ちは少しは分かるのではないかと思います。どこかちょっとジーン・ケリーぽさを感じた男優さんはサイレントでモノクロの『アーティスト』で主演してた人だと途中で気づきましたが、なかなか存在感ありました。マット・デイモンとケイト・ブランシェットのエピソードが良かったです。「30年後もその芸術を守るために命を掛けた者がいることを覚えている人がいるか?」みたいな問いは、もちろん語り継がなければ消えるものだと思う。だから語り継ぐことは大切だと思うんだけど、最近「ヒトラーは極悪人」&「ユダヤ人は可哀想な被害者」という図式ばかりの刷り込みに疑問を感じていて、この映画にもその図式があることだけはちょっと…という感じでした。映画では「語り継ごう」みたいな表現はどこにもないのだけど、映画を作ったこと自体が語り継ぐ行為なのだし…。で、語り継ぐというのは、とある国では嘘八百の歴史が語り継がれて、そこ国の若者たちはその嘘を刷り込まれてるってことがあったりするわけで…そういうの考えるとねー、この映画も「本当の出来事」をベースにどんな嘘を投げ込んでるのかな? と思ってしまうのでした。[DVD(吹替)] 6点(2016-04-18 00:18:13)

24.  人生スイッチ 《ネタバレ》 『人生スイッチ』というか『怒りのスイッチ』では? 最近、ひどいことや卑怯なことをした人間が何のしっぺ返しもないまま蚊帳の外になり、災難を受けた主人公が「それでも前向きに誠実に生きる」みたいな負け犬根性全開の映画とか、ポリシーもないただの犯罪者が犯罪を成功させて終わる映画とか、殺人を犯してまでものし上がっていく主人公の映画とか、気分があまりよろしくない映画が増えているので、この映画のように酷い人間にきちんとやり返すエピソードはスッキリします。ラストの結婚式のエピソードの女性には拍手でした。これくらいきっちり落とし前つけられる女性だったら、この女性と組める男は出世できそう! やったやられたばかりにならずに、このエピソードでの締めくくり方も好感持ちました。車の喧嘩は追い越した男に何の問題もなかったわけではないので、両成敗に終わったのも納得だし、2人とも「死後にそんな誤解されるんかい」という笑えるオチでした。飲食店のおばさんだけは、真実の確認もないまま一方の言うこと鵜呑みで、とんでもない事やらかすから、あれはただのアブナイ人でしたけど、確実に犯罪の責任取らされるはずだし、スッキリしたので目をつぶります。[DVD(吹替)] 7点(2016-04-17 19:16:14)

25.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 《ネタバレ》 どれだけ酷い出来かと思っていましたが、視覚的にはさほどガッカリ感はありませんでした。しかし、ミサイルやヘリや電気を使う道具が存在していたことを、人々が知っているという設定。原作ではおそらく遮断しているはずの情報を市民が知っている。ライトはあるし、移動は馬でなく自動車。科学が遮断されている中であの立体機動装置があるという原作設定が違和感を生み「もっと発達した首筋カットマシン作れるやろ」と感じてしまう。目の前で母を食われた設定は目の前でミカサを助けられなかった設定に変更。どうにもならない状況下だったのに、主人公を責めるような眼差しと態度のミカサには魅力なし。このストーリー運びでの「世界は残酷」も説得力無し。まるで「見ているだけで助けてくれなかった」とひねているような見え方しかしない。エレンが巨人化してミカサを襲うシーンは、このストーリーだと理由が分かりやすいが、原作やアニメでの「制御不能感」のスリルはゼロ。巨人化エレンは筋肉ではなくケロイドに見せたパフパフスーツを着ている感じで興醒め甚だしい。カッコ良くなくゾンビだ。奇行種はギャグになってしまうからか出てこない。巨人たちは最初から女もいる。ということは、この映画版では男性型ばかりの巨人の中に突如現れる女型の巨人のインパクトは予定されていないと思われる。仕方がないことではあるが、全員日本人なのも、古い西洋の街並みではなくなっているのも、正直残念。巨人初登場シーンも、その後の巨人と人間の追いかけっこも、人間側がボケーとつっ立ってたり、しゃがみ込んだままだったりで緊迫感ゼロ。ミサイルに描かれた海を見て「本当にあるんだ」はおかしすぎ。空想を描いたのではなく現実を描いたとは限らないのだから。ミサイルに立つエレンは「未来少年コナンか!」だし、ミカサをつかむ巨人エレンは「キングコングか!」という感じでした。とっても薄っぺらいドラマになってしまっていて残念でした。[DVD(邦画)] 3点(2016-04-16 03:51:43)

26.  フレンチアルプスで起きたこと 《ネタバレ》 大丈夫だと思っていた計画雪崩が眼前に迫る。横で恐怖に叫ぶ息子を抱くことさえもなく、2人の幼い子供と妻を置いて1人で逃げ出した旦那さん。あららら〜…。でも雪崩は寸前で止まり皆無事。そして飄々と戻ってきて、まるで何事もなかったかのように家族と食事…沈黙の食事…。自分のとっさの行動にショックだったろうなぁ…。でも、子供が聞いてない時にでも、なるべく早く奥さんに謝ればいいのに! 結局そのままヘラーっとしてるから、人前で奥さんが暴露し始める。「事実の解釈の違い」などと言い続ける旦那に唖然。そのあたりまでは「最低の旦那やな」としか思ってませんでしたが、だんだん奥さんのやり口に、ヤーな気分が募っていく。早い段階で夫が「怒ってるんだろう?」と問うても「いいえ」なんて言いながら、段階踏まずに他人の耳に入れていく。そんなら、食事に戻ってきた時すぐに怒れよ、と思ったりするのだが、夫も妻も突然の雪崩と、そこで起きた光景に、頭がグチャグチャで感情を正常に働かすこともできなかったんだろうなぁ。追い詰められた旦那が泣き崩れた後、10メートル先も見えないような視界の悪い中の家族四人のスキーが始まる。一体、誰が何を考えているやら不穏な空気にのまれながら一面真っ白な画面をヒヤヒヤしながら見守る。ハイ、お約束通りアクシデント発生! しかし、この映画はどこへ向かっていくのか、白い画面のごとくまるで先が見えず「計画的に奥さん殺害?」「逆に奥さんから旦那への復讐が?」「それとも幼い子供2人が孤児に?」とハラハラ。その顛末を描いたら物語は終わりと思いきや、雪山を去る帰り道にまたもアクシデント! 話の構造としてはすごく運びが上手いと思いました。しかし、一回観ただけではこの映画が何を伝えたいのかはよくつかめませんでした。おそらくテーマに「家族」があるとは思うのだけど、本妻とうまくいかず若い娘と遊んでるおっさんや、不倫に何の罪悪感もなく「自分の責任は果たしている」と自信満々のおばさん(彼女だけラスト別行動)を描きながら含んでいる主張は何なのだろう? これ、『機械じかけのピアノのための未完成の戯曲』のミハルコフが撮ったらどんな感じの映画になるかなーと思ったりしました。[DVD(字幕)] 7点(2016-04-09 00:29:02)

27.  エイプリルフールズ 《ネタバレ》 楽しめました! この手のコメディに詳細なリアリティを求めようとは思わないので、突っ込みどころもオーバーなところも、ほとんど気にする事なくノリよく話に乗っていけました。「女なら誰でもできる仕事」みたいなことを言う小娘に、その現実を見せる誘拐男の男気と哀愁もいいし、チャラくて卑怯な松坂桃李にも、弱い人の気持ちを応援したい気持ちがあったり、芋ケンピに支えられてた彼女の気持ちとか、ジンときちゃうところ結構あります。千葉真一には全く興味なかったけど、下手に台詞や演技させずに自然体でどっしりそこにいるだけですごい引き立つオーラに感心。子分のチンピラもいい味してました。ツボだったのは宇宙からの迎えを待つ中学生。その嘘をネットに投じた奴が誰かわかった時も拍手もんでした。いい具合にみんなリンクして、楽しかったです。高嶋政伸も今回のキャラはいい遊び感があって兄の方がやりそうなキャラをうまく演じてたと思います。中学生に訪れる最後の最後だけ、ちょっとついていけなかった。スカッと吹っ切れて明日の現実に爽やかに対峙しようとする彼の姿が見たかった。[DVD(邦画)] 8点(2016-04-06 02:08:29)

28.  es[エス](2001) 《ネタバレ》 この映画の存在を知ってから長いことスルーしていました。パッケージやポスターにデカデカと配置された主役の顔が苦手で「この顔と2時間付き合うの、気が向かないなー」というのと、顔ではないもう一つのデザインは、頭を抱え込んで孤独にうずくまる姿のやつで「なんだかウツにさせられそう…」と感じる病的な印象。白ベースを広くあけたデザインは「『SAW』と似たような感じなのかな?」とも感じてしまっていました。あらすじを知っていても、キャッチのビジュアルの印象ってやっぱりバカにできないものですね。直感的な印象が変わってしまう。しかし、ハリウッドのリメイク版を観て、あまりに重々しく陰鬱なだけにしか思ってなかった印象が変わったので「オリジナルを観てみようかな」という気になりました。観てみたら、リメイクの何倍もおもしろくてリアル! 結果リメイク版の出来の悪さに腹を立ててしまうほどでした。僕と同じような理由でこの映画をスルーしてる人がいたら、観てみてほしいと思います。決して主役1人だけがずっと画面を占領するわけではなく、群像劇なのでいろんなキャラの絡み合いを絵的にもストーリー的にも楽しめます。人間心理の闇を描いた作品なので、もちろんスリリングな意味でです。後味スッキリというわけにはいきませんでしたが、僕にとって、強烈に印象に残る忘れられない名作となりました。ポスターやパッケージのデザインもっと工夫されてたら、もっと観る人多いんじゃないかなって、それだけが本当に残念です。ノンフィクションと言えど映画が事実をそのまま描くとは限らないことは承知の上なのですが、他の方々のレビューを拝見して「実験と承知で短期にここまで狂うか? あり得ない」的な意見も結構あるんだなーというのが印象に残りました。「それはそうかもね」と思う反面、海外ではサッカー観戦ごときで暴徒になったり人殺しちゃったりもあるわけで、靴欲しいだけで銃で射ち殺しちゃう人もいるわけで、日本の震災で誰も暴徒になったりコンビニ強盗しないことを驚きの目で見てたりするわけで、日本人の当たり前感覚が、海を越えた国ではそうならないことって、あるんじゃないかなぁ…?[DVD(字幕)] 8点(2016-04-05 18:50:13)

29.  ピエロがお前を嘲笑う 《ネタバレ》 うわ〜、まんまと騙された! ストーリーではなく売り文句に…。僕には『宣伝マンがお前を嘲笑う』て感じでした。見る前から「どんでん返し」だの「驚愕のラスト」だの、ストーリーにすごいヒネリがあるんだよと豪語する類の宣伝はハードル上げてしまって、作品の面白さを台無しにするだけのような気がする。何も知らずに観ていて「えーっ!?」と驚いたあの映画やあの映画も、見る前からそういう宣伝されてたら、面白くなくなってただろうなーと心底思わされました。僕はマジな話、画面に映らないところでザキヤマが「かーらーのぉ〜?」を連呼してる状況を想像してしまう状態で、「感動的な騙しを披露してくれるんだろ? それは、まさかこれじゃないよね?」という期待を繰り返し、結局「それがオチかい!」とガッカリでした。取り調べのおばさんが、もう一枚上手だったとか、とっ捕まったはずのカリスマハッカーが実は…というような展開でもあったら面白く思えたかも。いや、騙し系なら普通そのくらい期待しません?[DVD(字幕)] 4点(2016-04-05 16:31:48)

30.  劇場版「進撃の巨人」後編~自由の翼~ 《ネタバレ》 前編では「何故あのエピソードを省略するか〜!」という不満があったので、後編もその不満は覚悟の上で鑑賞したのですが、後編はけっこうそういう不満なく、おさえるべき見どころはシッカリ見せてくれた感じがしました。前編で「アニの格闘技について省いていいの?」と疑問に思っていた分は、TV版とは違って新たに製作された映像を後編で披露してくれました。ひとつだけほんのわずかな不満としては、森で女型の巨人に追われてエレンが「信じて」と迫られるシーンで、スプーンのエピソードを挟むという構成をなくしてしまっていたのが、ちょっぴり残念でした。けれど、アニメ13巻までのところをおよそ3分の1の尺にしてまとめなければならない条件の中で、後編はなかなかよくまとまっていると感じました。ウォール教の存在が希薄になっていますが、アニメ13巻の終わりに描かなかった部分をエンドクレジット中に描き、宗教組織の存在にインパクトを落として次作への期待をしっかりつなげてくれました。前編に比べると単なる総集編ではないプラスαを楽しめました。[DVD(邦画)] 8点(2016-04-05 02:35:36)

31.  アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! 《ネタバレ》 子供のために借りた『マーシャル博士の恐竜ランド』で、ウィル・フェレルがテレビ放送中に子供っぽいケンカをして見せたのが可笑しくて爆笑したことを思い出し「彼のコメディなら観てみようかな」とレンタルしました。ドウェイン・ジョンソンが脇を固めることは特に興味もなかったのですが、サミュエルとドウェインというコンビが冒頭をド派手に飾るという、思ってもみない出だしも良かったです。この2人を大活躍のヒーロー警官として紹介した後に、その他大勢(アザー・ガイズ)の主役2人を登場させるという見せ方は、映画のテーマを印象的にしていました。そして、サミュエルとドウェインのこの作品の去り方が、僕にはツボで大爆笑でした。主役のウィル・フェレルはこの作品でも子供っぽいノリの笑いを披露してくれました。マーク・ウォルバーグは普通の人という感じですが、ボケ役のフェレルを引き立てるツッコミ役を違和感なく演じていました。上司役のマイケル・キートンも雰囲気良かったです。この作品のマイケル・キートンが僕は一番好きかも。コメディですが、一部の金持ちがどういうコネクションで(警察を支配して)思いのままに悪さを重ねるのか、その構造を描いてもいるし、エンドクレジット中に示される様々な金の動きの統計を示しているところなんて最高に印象的。真面目に正義を貫こうとするウォルバーグのラストのナレーションは「アザー・ガイズ」のタイトルを心地良く結んでくれて好感持てる映画でした。期待せずハードル下げて観た分、これはなかなかの拾い物でした。字幕と吹き替え両方試しましたが、フェレルの味わいは吹き替えの方が楽しめます。特典には短いスピンオフがいくつかあって、今話題のトランプ氏やパリス・ヒルトンが出てきます。異常な格差拡大の一端が隠れたテーマにある中で、この2人の金持ち族をうまく引っ張り込む手腕も、本編のキャスティングとその使い方もも結構贅沢な作品でした。[DVD(吹替)] 8点(2016-04-05 00:50:04)(良:1票)

32.  劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日 どうしてぇ〜? どうしてぇ〜? どうして織田はしばかれたん? だが、その時だった! 誰かがチャイムを鳴らした。玄関のドアを開けると男が立っていた。NHKの者だと言っているが、どうやら委託を受けている別会社の人間のようだ。彼はろくに自分の身も明かさず名刺も出さずに、テレビを設置していないか、ワンセグを見れる携帯を持っていないか、車にカーナビを付けていないかなどしつこく個人的なことを質問してきた。私は特殊な交渉術を用いて撮影を試みたが、彼は「撮影はやめて下さい」と言いながら慌てたように逃げ去ってしまった。「こちら沢嶋、本部どうぞ」「はい、こちら本部」「現在NHKについて取材中なんですが、詳細お願いします」「NHKですね…この放送局は2000年代以降、度重なる不祥事が続いたため、国民の受信料不払い運動が激化した歴史があります。不偏不党ノンコマーシャルをうたい、その性質を保持する仕組みとして国民から受信料を徴収するシステムでしたが、実際には特定の企業を宣伝するかのような番組が製作されたり、当時年末恒例だった歌謡祭典番組のステージで民放局のマークを人文字で大きく描くなど、視聴者の不信感を買うことが続きました。さらには偏向報道や捏造番組などが多数流されたうえに受信料の無駄遣いや横領も発覚して、人々からの信頼を大きく失いました。」「平成のNHKは堕落していたんですね。」「その後もこの放送局の体質は改善されることなく、強引で詐欺まがいの受信契約を行ったり、ゴーストライターに作品を作らせていた作曲家を入念な調査や検証もないまま現代のベートーベンのごとく持ち上げ放送したり、必要性のない深夜アニメを無駄にたれ流しながら公共放送だと言い張って受信料を取り立てていたようです。NHKなんで…。また、出資者である国民は番組を自由に何度でも無料で視聴する機会は与えられておらず、オンデマンドでさらにお金を取り、また映画やDVDを子会社などに製作させ上映販売、出資者の国民に利益還元の恩恵はなく…あっ、沢嶋さん今すぐその場から逃げてください! ヤクザのような集金人がもうすぐそちらに来ます‼︎」「しかし、ここにはテレビはありませんが…」「沢嶋さんが身につけている通信装置は潜入した時代の放送を受信できますから受信契約を迫られてしまいます!」「でも私はNHKの放送を観ていませんから問題ないと思うのですが…」「見なくても払えと言われるんです!」「そんな乱暴な…!」「沢嶋さん、通信装置を直ちに破棄すれば契約しなくても済みますが…」「しかし、それでは本部との連絡が取れず戻れなくなって…」その時だった、チャイムが鳴った! ピンポンピンポンピンポン、ドンドンドンドン‼︎「今夜眠れないねぇ!」「本部、本部、逃げ遅れてしまいました。転送をお願いします!」「この時代のNHK取材は危険だからやめて下さいとあれほど忠告したじゃありませんか…今回は特別にNHKから国民を守る党の立花孝志さんの所へ転送します! 彼は別の特殊な交渉術を持っています」当時不況に苦しんでいた名もなき一般市民たちはこうしてNHKにお金をせびられていた…みたいなのが観たいです![インターネット(字幕)] 0点(2016-03-18 18:14:22)

33.  レフト・ビハインド 《ネタバレ》 パッケージ裏の解説読んでもイマイチ理解はできないまま、ベストセラーの映画化ということでレンタルしてみました。パニック映画なのかSFなのかオカルトものなのか、テロ映画なのかスピリチュアル系なのか…大勢が消えた真相がどこに向かうのかを楽しみました。結局、大真面目に宗教的なオチでしたが、なんだか消えた鳩がどこからも再登場しないマジックを見せられたような妙な気分でした。小説にはどの程度心情や論理の描写があるかわかりませんが、セリフや出来事のみで見せようとする映画では信心について大真面目に持って行かれても、伝わってくるものがなく、むしろ娘の弁に共感するばかり。航空機内の狭い空間の話に閉じ込めた意図も不明で、とくに航空機パニックものとしての面白みがあるわけでもない。車1台の幅で障害物を払って、飛行機を着陸させようなんて、真面目な話し可能なことなんでしょうか? 消えた人が天国に行った確証なんてあるんでしょうか? 絶対幸せなんでしょうか? もしそうなら家族にどんな意味があるんでしょうか? 変な宗教です。宗教には集団自殺もあったりしますね。2050年、環境問題で食料不足が進み飢餓による死亡者数が50万人増加するだろうなんて話があります。その50万人を「天国に行った」と言う生き残りの詭弁を想像したら寒々しくなります。こういう映画は主張や立場をハッキリ明確にして欲しいです。[DVD(吹替)] 4点(2016-03-06 12:34:20)(良:1票)

34.  ナイトクローラー 《ネタバレ》 ギレンホールのちょっと異常者っぽい雰囲気を醸す目の演技が印象的でした。このキャラの駆け引きの上手さなども引き込まれました。段々サイコに拍車がかかっていくのも面白かったです。が、こいつが行き過ぎて結局墓穴を掘るのだろうと思っていたので、オチにはポカーン…でした。劇場公開を観るつもりで見逃した作品でしたが、それで良かったと思いました。[DVD(字幕)] 6点(2016-02-28 09:14:32)

35.  チャイルド44 森に消えた子供たち 《ネタバレ》 『楽園に殺人は存在しない』という言葉を初めて知りました。どうやら資本主義を批判する意図があって「(連続)殺人は資本主義の弊害」みたいなことが言われていたらしいようで…。ところがそんな国が放つ『楽園』という言葉は「人を殺してもみんな知らないふりをしてくれる楽園」というものを作り出してしまったようで…。「なに、この超おバカで恐ろしい国は!?」と思ったのですが、これは意図的なプロパガンダかもしれないので、資本主義だの社会主義だの共産主義だのまるっきり興味のなかったことをきちんとお勉強したくなりました。ソ連がどんな世界を望み、どうして崩壊したのか、そういうこともきちんと知りたくなりました。主人公の妻が機転が利いて、「生きるための嘘」も「同意に見せかけた反論も」お上手で、しかもいざとなったらビシバシ暴れてパワフル! それが一番印象に残りました。しかし映画自体はあまり面白くはないです。そして楽園から程遠い陰鬱な世界。ろくに食べ物がないから人を殺して食う人間がいた世界で、しかもその世界は楽園ということでなければならないので、殺人は殺人じゃないことにしないといけない世界。正しいことをしようとすると簡単に殺される世界(殺人は存在しないと言うくせに)。shintaxさんのレビュー読んで原作に興味が湧いてきました。[DVD(字幕)] 5点(2016-02-24 21:55:03)

36.  死刑台のメロディ 《ネタバレ》 TSUTAYA発掘良品のおかげで観ることができました。感謝。 L・ジャフェ、L・サン=マルク 作の絵本(みたいなの)に『暴力から身をまもる本』というのがあるのですが、その中に「見たところ、そんなに暴力的に見えないが、生きていくのをさまたげるものがある(貧困、事故、病気など)」と書いてある部分があります。これを初めて読んだ時、目からウロコでした。このあたりの部分のことが、この映画のラストに力強く語られます。しかも、政治が死刑というシステムを利用して殺人という暴力を行使。冒頭から警察は制服を着た暴力組織。 1920〜1927年の出来事のようですが、観ていると今の日本を思わせる部分がけっこうあって怖くなります。もし社会的な状況にピンと来なくても、日本の映画『それでも僕はやってない』を観た人がそれを思い出すくらいの恐ろしさは理解できると思います。『それでも…』は痴漢冤罪の話で、その暴力を受けたのは一般市民という物語でしたが、日本の政治の裏側についてちょっとネットで調べると、政治に影響ある人物が痴漢冤罪で引きずり降ろされるというような話も出てきます。こちらの映画は政治的圧力として「死刑にして殺す」というもの。本当かどうかは別として、日本でも「あの死刑囚は実は冤罪で、その政治的裏背景は…」なんて噂もあったりします。この映画でロックフェラーの名が出てきたのにも「うひゃー!」と思いました。 僕は「アナーキスト(無政府主義)」というものには興味ないし、それで本当に人間社会がもっと良くなるのか疑問なので、死刑になった二人の主義にはさほど感じるものはないのですが、暴力的政治に殺されるにあたって、それでも未来に夢を託し続ける強い意思を描いた点を評価したく思いました。 アメリカの人種問題って『黒人差別』だけじゃなく、イタリア人もこんな酷い思いをしていたんだなと思いました。で、そういう人種問題のことを思うと、現在の日本に暮らす⚪︎⚪︎人たちのことも考えてしまうわけですが、そこは『宇宙人ワンさんとの遭遇』(こちらも同じイタリア産ながら人種や国家の問題へのベクトルは別方向)に見るような問題も含めて考えなきゃならないので、ホントに面倒です。 今の日本が置かれている状況を考えると、この映画を今見直す価値は大きいかと思います。たとえば人間を商材として扱う派遣の問題、それによって生じるワーキングプアと言われる人々、その一方でネットを使って詐欺まがいのことをしながら大きな不労所得をもぎ取っていく人たちがいたり、そんなあんまりな差異のなか「格差はあって当然」という理屈だけを植え付けるテレビ番組(それも日本人じゃない人々の息がかかってる)が飄々と存在していたりする事実について、考えてみるきっかけにはできるんじゃないでしょうか。 最近観た『瞳の奥の秘密』も加えて僕が考えたこと。死刑は廃止。死刑に値する重罪犯は一生「生き地獄」(殺人を抑止できる怖いリスクになるようなものを法で定める)。「生き地獄」は被害者または被害者遺族が与えても良い(どんな相手を怒らせたか、それも犯罪者のとった行動の責任)。冤罪であった場合は、誤判決に導いた者たちが一生をかけて冤罪者の幸福な生活を補償する(冤罪者のその後の人生、天国に出来るくらい目一杯)。冤罪者に自らの手で生き地獄を与えた被害者又は被害者遺族も罪に問われ冤罪者の人生を補償すると共に等価の生き地獄を受けなければならない(恨みで殺されるかも。だから復讐するなら慎重に考えて)。誤判決を下した最高責任者は冤罪者が刑を受けた期間「生き地獄」の刑、あるいは職務を継続して、その収入全てを冤罪者に支払う(自殺されたら国が冤罪者を補償)。…こんなリスク背負って他人の揉め事を裁いてくれる人いないですよね。でも人の生死や人生の質を決める責任者って、それくらいのリスク意識は持って確信の根拠をシッカリさせて責任持ってもらいたなぁ。少なくとも自らその職業を選んだ以上は! しかしこの映画や『ニューオーリンズ・トライアル』で描かれるように、証言者や陪審員の言を様々な形の暴力で変えさせる問題もあれば、幼児虐待のように言葉や記憶に正確性が欠ける者が巻き込まれるケースもあるし、痴漢冤罪などでたまにある嘘つき女や勘違い女の歪んだ暴力もあるし、証拠捏造する人間(それも警察だったり)もいるし、言葉で人が死ぬことだってあるわけだし、そもそも戦争が地球から消えてないし、暴力という問題はまだまだ今もなお複雑に課題が山積みだと思います。それに気づかせてくれた映画でした。[DVD(字幕)] 9点(2016-02-18 22:20:17)《改行有》

37.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 冒頭は非常に良かったと思います。何よりキャメロン作の「1」「2」を大事にしてるのが有難いです。カイルが転送される前にジョンが母への伝言を託すところなんて、本当に嬉しい。懐かしいシーンに新たなエレメントが加わるという展開は『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のような面白さ。ただ、やっぱりタイムトラベルものの因果関係の物語はグダグダ感を避けられず「もう飽きた」という感じ。サラを殺しゃあジョンは生まれないって、そんな追っかけっこなら、サラの親殺せや…て思ってしまう。けれど、「3」「4」で「2」のシュワちゃんさえ否定してしまったジョンに代わり、サラが幼少よりシュワちゃんに守護されてたという設定は好感もてます。だいたい大人になったジョンの機械嫌いはタチが悪いので、ジョンは今作の扱いで良し。「2」で本当は計画されながら1人2役の大変さから断念された『悪玉シュワちゃんvs善玉シュワちゃん』が今作で描かれたのも良かったです。ただ、本当にタイムトラベルの因果を巡ったグダグダは、あんまり続けても飽きるー。まだ続けるつもりなんて…。どうせならサラの親殺しに行って、それに成功してみたら、サイバーダインの運命がバタフライエフェクト的に変わっちゃったという話でも観てみたい。それとか思い切ってどこかの時点で共産主義が支配してる世界を見せるとか、イルミナティがサイバーダインを裏で仕切ってるとか、思い切った新しさを見せてくれたらいいのに。[DVD(字幕)] 6点(2016-02-18 00:59:28)

38.  回転 《ネタバレ》 公開当時、物議を醸すことにならなかったのか、当時の人々の反応を知りたくなりました。オカルト版「名探偵コナン」て感じがしました。イノセントがなんで回転てタイトルになっちゃうんだろう? 意味がわからない。無邪気な者たちという原タイトルはピッタリ不気味なのに。子供をこんな不気味に思えた映画は初めてです。どうやら子供二人には、当時の世相としてはアブノーマルで常軌を逸した性愛に飲み込まれた大人二人が取り憑いている模様で、しかも具体的に描写されないけれど子供が口にするものではないようなスンゴイ卑猥な言葉が発せられたりしているらしい。取り憑かれる以前は、生きていたその大人のすることを目の当たりにしながら生活していたらしい子供たち。男の子は脚本をどこまで理解できていたか知らないけど、あの年であの「中身大人」演技は上手い。「おやすみのキス」と無邪気を装いながらのキスも印象的に不気味。現代となっては映画そのもののつかみやテンポやノリはいまいちなんだけれど、気味悪さは充分味わえました。ラスト、デボラ・カーの責任どうなっちゃうんでしょう? そこもコワイ。デボラ・カーの独り妄想という解釈の方もいるようですが、その場合、彼女が妄想して叱責したら死んじゃったって話? デボラの殺傷能力すご過ぎ。あっ、子供をぐるぐる振り回して殺したのか? だから『回転』なのか?[DVD(字幕)] 7点(2016-02-16 00:59:14)

39.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 この映画が他の犯罪モノと大きく異なる点は、「人殺しは死刑にしろ」とか「死刑って正義なの? 冤罪だったら?」とかいったグダグダ論を全く突き抜けていて『他と取り替えようのない唯一無二の大事なものを不当に奪われた者の人生について真剣に考えたことがあるか?!』というような、ものすごく見落としてはならないのに蚊帳の外になりがちな『遺族のその後の人生の質』にシッカリと焦点を合わせているところだと思います。その価値は物凄く大きいと思います。 昔は復讐ものの映画は多かったけれど、それはわりと現実味に欠けたアクション系であることがほとんどだったし、最近は『暴力に暴力で返すなんて不毛』とか『どんな犯罪者にも一定の人権は保証されています』とか『殺しても、死んだ人はそれを望んでいないし帰って来ない』とか『過去に囚われて人生を無駄にせず、忘れて前に進みましょう』とか、一見ご立派でお行儀良く善良に見えながら、実際は物凄く冷徹としか言いようのない論理が大手を振っている感じがして窮屈に思っていました。そこに「おいおいおい、お前なに寝ぼけたこと言ってんの!」と、現代の似非人権論に物申してくれたこの作品は胸がスカッとしました。 ご都合のいい犯人捕獲劇も、空撮からスタジアムの縦横無尽なワンカットの素晴らしい出来で許せましたし、「この自白誘導、正当?」と思える場面も、この映画が描くテーマは全く別のところにあると思えば目をつぶれました。結局うまくいかなかったし、直後、もっと目を潰れない行政の歪みが描かれるし、主人公が別件で自白強要を訴えたことが、同じ理屈をもってしっぺ返しされたと考えてもいい部分。もちろん、その何百倍もロマーノは汚いし、エレベーターのシーンで容疑者が人権保護に値しないのはハッキリします。 この作品の視点は「殺したから、殺してやる」ではなく、「殺された人は怖かったでしょうね、苦しかったでしょうね。だから、殺したあなたも同じ思いを」でもなく、「掛け替えのない最愛のものを失った私のこれからの人生は虚無です。だから、あなたにも虚無の人生の苦しみを味わってもらいたい」という視点なのです。ここが、これまでの映画で見なかった新しい点。 実際アメリカの死刑現場において、薬の注入で眠りイビキをかきながら静かに死んでいく死刑囚の姿を見た被害者遺族の腑に落ちない思いなんてのも、何かで読んだことがあり「ただ殺しても等価交換じゃないよねー」という思いがありました。なので、この作品での被害者遺族が死刑に反対する意図も納得。 それで、飲み助の相棒が「犯人は顔 住所 家族 恋人 宗教 神を変えたとしても、変えられないものがある」と気づきを語るシーンは大きな意味を放ちます。『情熱(パッション)』という言葉で表されるけど、それって結局「他では取り替えのきかない大好きなもの」ということだと思います。その対象は人それぞれに違うわけで、飲み助相棒は酒場であり、主人公には上司の女性であり、犯人にはサッカーであり、被害者遺族には被害者だったということ。ここはこの映画の一本軸をシッカリ提示している部分。 そして、情熱の向け場を不当に残虐に奪われた被害者遺族と、情熱の向け場に自ら手を伸ばす勇気のない主人公が対比されます。 「怖い」のメモを彼女に見られた後「意気地なし」と言われるシーンと、あの事件当時から喪失したままのタイプライターのA一文字がドッキングするのも、表面的にはありがちでクサイものだけれど、実はものすごく意味が深いのを感じました。それは「欠けてしまってはいけないものがある」というメッセージで、それを奪われた男の存在を伴って力強く訴えかけてくれました。 この映画は「好き(情熱・パッション)」をテーマにした作品。「好き」な人を亡くした男がいて、「好き」な女性に勇気が出きらない男が事件を追い、酒「好き」な相棒が犯人の「好き」を暴き、変態野郎の「好き」方に制裁が下り、人生から「好き」を奪われた男の背中を見て、主人公が「好き」に対してきちんと向き合う決心をしたお話しです。 題名も、観終わった後には意味深く、それぞれの登場人物の瞳の奥にある秘密は、変態猟奇的「好き」や、臆病な純愛の「好き」なども含みながら、腐敗した男の人懐こそうな笑顔の奥のドス黒さや、想像の域を出ないけれど相棒の死の裏にある秘密や、ある男の「優しい嘘」があったり、「秘密を共有」する正義と解放があったり、味わい深いです。 ちょっと待って ちょっと待って お姉さーん 旦那と子供はどうなるの? と思わなくもなかったですが、簡単じゃないことは二人とも百も承知のようで、ちゃんとしっかり筋を通した選択をしていくんだと思います。[DVD(字幕)] 10点(2016-02-13 22:13:28)(良:1票) 《改行有》

40.  見えない恐怖 《ネタバレ》 『暗くなるまで待って』くらいの面白さはあるのかなと期待し過ぎました。のっけから映画のノリがなーんか変です。音楽そのものの出来はいいけれど、めっちゃくちゃ浮きまくってます。浮きまくった音楽の中で妙なオーラを放つブーツ足だけの移動映像。 家屋内での攻防が繰り広げられることを勝手に想像していたら、さっさと外に逃げ出す。で、ジプシーに妙なところに監禁されて、もうこれでは彼氏も見つけられまいと思っていたら、なんということでしょう…。安易な脚本に一気にテンション落ちました。おまけに、犯人いつの間にこっち来たんだ状態。 でも、この映画で描かれるジプシー、なんだかコワイよぉ〜。『悪魔のいけにえ』を思い出す何かがある(こっちの方が3年先)。理解しようのないヤバさみたいな妙な空気を持ってる。実際にはどんな人たちなんだろう?[DVD(字幕)] 5点(2016-02-11 21:27:18)(良:1票) 《改行有》

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