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プロフィール
コメント数 1959
性別 男性
年齢 49歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  アバウト・ライフ 幸せの選択肢 《ネタバレ》 仲の良かった友人たちが次々結婚し焦りが隠せない結婚適齢期の女の子ミシェル。彼女のことが普通に好きなのにいまいち結婚に踏み切れない優柔不断な彼氏アレン。些細なことから大げんかになってしまった2人は、もはや別れるかこの先永遠に一緒になるかの瀬戸際に追い込まれていた。事態を打開するためにミシェルとアレンは、お互いの親たちを招き食事会を開くことに。だが、彼らはまだ知らない。偶然の積み重ねによって2人の両親は互いの妻と夫とそれぞれ不倫関係にあることを――。何も知らないままミシェルの家に集った二組の家族は、そんな驚きの事実にただただ呆然とするばかり。果たして子供たちの結婚の行方は?リチャード・ギアをはじめ豪華キャストを揃えて描かれるのは、そんな2組の家族の恋と人生の行方を軽妙に描いたロマンティックコメディでした。正直、自分の苦手な分野の作品なのですが、もはやレジェンド級のそんな名優たちの豪華共演と言うことで今回鑑賞。結果は…、やぱ自分は観んでも良かったかな……。あたし(オレ)たち、いったい誰と一緒になったら幸せになれるの?という、どーでもいい人たちのどーでもいいお話がひたすら最後まで続いて自分はゲンナリ。お互いの妻や夫と不倫関係にある両親が一堂に会するというこの作品の肝となる設定も、それをどーゆーふうに説得力を持たせるんだろうと思ったら、たまたま映画館にいた人がそーだったとかたまたま口説いた女性がその人でしたというテキトーぶり。さすがにこれはあかんのちゃいまっか。普通に考えたらけっこうドロドロになりそうなお話なのに最後、みんな元さやに収まって楽しい結婚式を披くことができましたとさという取ってつけたようなハッピーエンドを迎えた日にゃ自分は全員に殺意さえ芽生えそうになったぞ(笑)。まぁベテラン4人の肩の力が抜けた飄々とした演技――真面目な不思議系おばさんダイアン・キートン、女癖の悪そうな無責任男前おじさんリチャード・ギア、自分の人生後悔してばかりの小心者おじさんウィリアム・H・メイシー、そして性格のひん曲がった性悪おばさんをのびのびと演じたスーザン・サランドンとどれも各々のキャラを活かしたもので、そこは楽しかったですけどね。要は、「この映画、まったく自分の好みではなかった」ということで。[DVD(字幕)] 4点(2025-03-05 13:00:16)

22.  アクアマン/失われた王国 《ネタバレ》 曲がったことが大嫌い、悪い奴は地の果てどころか海の底まで追い詰めるアトランティスの海のヒーロー、アクアマンが帰ってきた!!今回彼が戦うのは、何千年も昔に南極の奥深くに封印された失われた王国の悪の帝王。だが、そのためにはかつて自分が牢獄へとぶち込んだ弟の協力が必要だった。なんとか脱獄に成功させた弟とともに、アクアマンは海の底から火山島まで世界を股にかけて駆け巡るのだが……。稀代のエンターテイナー、ジェームズ・ワンが再びメガホンをとったということで、今回鑑賞。前作同様、驚異のビジュアルエフェクトは素晴らしかった!!様々な海の生き物たちが和気藹々と暮らす海底都市の映像を見てるだけで、僕はもうワクワクが止まらなかったんですけど。そこから一転、巨大なバッタの群れに追い掛けられる南の島のシーンもサイコーでした。脳みそ筋肉なアクアマンと常に冷静沈着な弟くんとの正反対なバディっぷりもなかなか楽しい。まぁ内容なんてほぼナシですけどね。あまりに荒唐無稽ですけど、これはこーゆー予定調和なお話とお金のかかった映像を楽しむためのものだと割り切って観れば全然大丈夫。さすがに何千年も海底に隠れてきたアトランティス人が最後、もういいやと姿を現し国連に加盟しますと宣言しちゃったときは、余りにバカバカし過ぎて思わず失笑しちゃいましたけど。あと、あのでっかいタコ君が大好きだった自分としては、彼の活躍をもう少し見たかったかな。結論。最後まで頭空っぽで観ていられる良質のエンタメ映画でした。7点![DVD(字幕)] 7点(2025-02-28 10:27:05)

23.  ダム・マネー ウォール街を狙え! 《ネタバレ》 新たに誕生した小さなウィルスが世界中で猛威を振るっていた2021年、株式市場でも史上類をみない大きな事件が起こっていた。それは「ゲームストップ株騒動」。世界中にロックダウンが宣告され多くの小売業が苦境に立たされる中、ゲームソフトの販売や買取を主な業務とするこの会社の株が市場の注目を集めていた。何故なら〝空売り〟を主な収益源とするウォール街の大手ヘッジファンドがこのもはや潰れかけの会社を新たなターゲットに選んだからだ。金融工学という高度な手法を駆使する彼らは、これまでこの先確実に値下がりするだろう株に目をつけては莫大な利益を上げていた。株が値下がりすればするほど利益が増すという彼らの巧妙な手口は、まさにハゲタカ・ファンドと呼ぶにふさわしい汚いものだった。「俺たちの思い出が今、ウォール街の金持ちたちに食い物にされている!」――。ネット上でいち早くそう告発する投資系ユーチューバー、キティ。彼の呼びかけに賛同した、かつてゲームストップに足しげく通っていたいわゆるオタクたちは、ゲームストップの株価を少しでも上げようと皆で買い始めるのだった。すると、かつて投資ファンドのせいで人生をめちゃくちゃにされた人々や富裕層の横暴に我慢ならない一般庶民も賛同。確実に値下がりすると思われていたゲームストップ株は徐々に上昇しはじめる。当初は〝ダム・マネー(愚かな投資)〟だと高を括っていた投資ファンドも徐々に焦りの色を見せ始め…。果たして勝負の行方は?実話を基に、莫大な資金力を有する大手ヘッジファンドと彼らに草の根運動で抵抗した一般投資家たちのバトルをコミカルに描いた経済ドラマ。恥ずかしながらこのゲームストップ株騒動というものを今回初めて知ったのだが、こんなまるで漫画のような出来事が数年前に起こっていたなんてなかなかに衝撃的だった。金こそが全て、庶民の生活などなんとも思っていないまさにハゲタカのような大手ヘッジファンドに無謀な戦いを挑み、何度も挫けそうになりながらも最後はみんなで力を合わせて……なんてまさに王道少年漫画の経済版のようではないか。いやはや、なんという痛快なお話なのだろう。リーマンショック以来、強欲の名をほしいままにしてきたウォール街の富裕層にずっと我慢がならなかった自分としては、まさに溜飲が下がる思いだ。ただ、1本の映画としてみれば、そこまでカタルシスを得られなかったのが残念。事実を描くことに拘り過ぎたのか、もう少しフィクションとして面白く見せる工夫をしてほしかった。潰れかけのゲームショップを救うオタクたちという魅力的な題材をもう少しフューチャーすべきだったのでは。とても興味深い内容だっただけに、惜しい。[DVD(字幕)] 6点(2025-02-26 11:02:45)

24.  ボーはおそれている 《ネタバレ》 近年まれにみる駄作。アリ・アスター、あんた、どーしちゃったの?と本人に直接言いたいくらい、独り善がりな映像とさして深くも面白くもないお話が3時間もひたすら垂れ流されるというもはや拷問のような映画でした。全裸のおっさんが路上でチ〇コ振り回しながら暴れてるシーンで観るの止めときゃよかったよー。[DVD(字幕)] 2点(2025-02-26 09:53:22)

25.  DUNE デューン/砂の惑星 PART2 《ネタバレ》 不毛な砂漠に覆われた砂の惑星デューンを舞台に、強大な力を有する帝国に反旗を翻したある一人の青年の戦いを壮大なスケールで描いたスペースオペラ第二弾。監督は前作に引き続き、我が道をゆく雄大な演出が持ち味のドゥニ・ヴィルヌ―ヴ。この人の、退屈紙一重の重厚な演出は相変わらず独走状態ですねぇ~~。前作同様、自分は開始10分で激しい眠気と戦いながらの鑑賞となってしまいました。今や名作として名高いハードSFな原作をここまでリアルに映像化してくれただけで率直に嬉しい!!という人の気持ちも分かるけど、自分は正直、しんどかったかな……。砂漠を舞台にしてるから当然なのでしょうけれど、ずっと同じような画が続くので、自分は途中でもっと早く展開してくれ~~ともはや切実な思いで眺めておりました。だって普通の映画なら30分くらいで終わるだろう、砂漠の民に救世主として認めてもらうための砂虫試練シーンにたっぷり1時間もかけてますもん。あと、自分は原作未読なので分からないんですが、ストーリーにも「?」な部分がちらほら。特に後半、しょせん地方の小競り合いでしかない戦争に皇帝自らが出向いてくるものなの?あの禿げたマツコ・デラックスみたいな男爵は結局何がしたかったの?あと、ティモシー・シャラメ君(相変わらずカッコいい!!)もあんな簡単に皇位継承宣言しちゃって、それを周りが簡単に受け入れちゃうってどーなの?とか。まぁとんでもなくお金を掛けたであろうキレイな映像と我が道をゆく独自の世界観は確かに凄かったので、完結編となる次作に期待ってことで。とはいえこの監督のことだから、これまで以上に〝眠い人はどうぞご自由に寝てください路線〟を極めてきちゃいそうですけど(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2025-02-25 08:19:38)

26.  カンダハル 突破せよ 《ネタバレ》 世界各国の危険な地で人知れず諜報活動に従事する特殊工作員トム・ハリス。常に命の危険と隣り合わせの難しい仕事を成功させてきた彼の今回の任務は、反米国家イランの核開発施設を爆破すること。秘密警察に目を付けられながらも何とか成功させたトムは、久しぶりの休暇を得るため、空港へと向かうのだった。ところが搭乗直前になって彼に新たな任務がくだされる。まだ疲労は癒えてなかったが、トムはそのまま政情不安に揺れるアフガニスタンへと向かうことに。だが、入国早々、彼は懇意にしていたジャーナリストの内部告発によって全世界にその正体が明らかにされてしまうのだった――。復讐に燃えるイランの精鋭部隊、機密情報を狙うパキスタンの諜報当局、権力掌握を目論む反米武装組織タリバン、そして人の命などなんとも思っていない地元の軍閥たちが彼の行方を追い始める。なんとしてでも脱出を図りたいトムは現地でたまたま雇った通訳の男とともに遠く離れたカンダハルを目指すのだった。30時間後に離陸するという英国軍の飛行機に乗り込むために……。実際にCIAで働いていたという職員が脚本を執筆しただけあって、この全編を覆うひりつくようなリアリティには圧倒されました。常に砂塵が舞う現地でのアクションシーンはまるで本物の軍隊やテロリストの映像を見ているかのような緊迫感で見応え充分。男臭い役をやらせたら右に出る者がいないジェラルド・バトラーと過去の出来事から軍閥組織に激しい怒りを燃やす現地通訳とのバディっぷりもベタながらなかなか良かった。ただその半面、ひたすら同じような画が延々と続くため、途中で飽きてきちゃうのが本作の弱点。彼を追う幾つもの組織がみな同じような髭もじゃの男たちばかりで誰が誰だか分からなくなるのもマイナスポイント。この敵の皆さんがただ主人公の命を狙ってるか拉致したいかだけなのに、そのせいでお話が無駄にややこしくなってしまっている。これなら別に敵組織はイランの精鋭部隊だけで良かったのでは。あと、これは本作の最大の問題点。途中、夜の砂漠を舞台にしたアクションシーンになるのですが、画面が暗すぎてほとんど何してるか分からんかったんですけど!!ほぼほぼ真っ暗過ぎて、テレビの電源が落ちちゃったのかと思ったぞ!監督や撮影をしたスタッフは、もはやプロとしてどーなのかと思うくらい。自分はもう観るの止めようかとさえ思っちゃいました。この全編を貫くひりひりとした緊張感は良かっただけに、そんな初歩的なところでつまずくなんて残念としか言いようがない。[DVD(字幕)] 5点(2025-02-19 08:20:45)

27.  NOCEBO ノセボ 《ネタバレ》 世界的なアパレルメーカーで子供服のデザインを担当するクリスティーン。ファッションショーの準備やフィリピンの現地工場の視察など、毎日世界を忙しく飛び回る彼女は、愛する夫と可愛い盛りの一人娘にも恵まれ、公私ともに充実した毎日を送っていた。そんな彼女をある日、悲劇が襲う。仕事の最中、酷い皮膚病におかされたダニだらけの犬が目の前に現れ、なんと彼女にダニを巻き散らしてきたのだ。有り得ない事態に悲鳴を上げるクリスティーン。だが、それは彼女の幻覚だった。以来クリスティーンは、原因不明の痙攣や麻痺、そして記憶障害や幻覚などに悩まされることになる。果たして原因は何なのか――。そんな折、頼んだ覚えもないのに、自分に住み込みで雇われたという乳母ダイアナが訪ねてくる。不審に思いながらもダイアナを迎え入れるクリスティーンだったが、彼女が作る手料理は思いのほか美味しく、掃除も丁寧で子供の世話も行き届いていた。なにより、フィリピンにルーツを持つというダイアナの民間療法はクリスティーンの原因不明の病を和らげてくれる効果があった。徐々に信頼を寄せてゆくクリスティーン。だが、それ以来彼女の周りで不審な出来事が多発してゆき……。監督は、前作『ビバリウム』で強烈な印象を残してくれたロルカン・フィネガン。相変わらずこの人は、人をいや~~~な気持ちにさせるのが巧いですねぇ(誉め言葉!)。冒頭、主人公のもとを訪れる皮膚病で全身爛れちゃってる犬のシーンから掴みはバッチリ。あんなきちゃない犬がブルブルしておっきなダニを巻き散らした日にゃ、画面のこちら側にいるはずの自分も思わず防御姿勢とっちゃったよ(笑)。そこからはもう最後までただ淡々と、生理的嫌悪感が半端ないエピソードがキレイな映像でひたすら綴られてゆきます。夜寝てたらでっかいダニが足元から這い上がってきたり、一緒にダンスしてた子供たちの顔がいつの間にかできものだらけで爛れちゃってたり、口の中から粘液にまみれた小鳥が出てきたり……。神経質でヒステリー爆発な母親をリアルに演じたエヴァ・グリーンがまさに嵌まり役で、終始悪寒&冷や汗がヤバかった。でも、なのに惹き付けられるのはこの監督のセンスの良さがなせる技なんでしょう。この気持ち悪さがクセになって、後半は逆に心地良くなってる自分がいました(ドM?笑)。んで最後も強烈なバッドエンド。まさかエヴァ・グリーンがあんなことになっちゃうとは……。まぁ肝心の事の真相が容易に読めるうえに、物語の肝となる乳母の動機がちょっと弱いかなという弱点は目につくものの、人の神経を逆なでするようなこの独自の世界観は充分堪能できました。[DVD(字幕)] 7点(2025-02-19 07:11:44)

28.  オペレーション・フォーチュン 《ネタバレ》 英国諜報部の凄腕エージェント、フォーチュンとその仲間たちの世界を股にかけた大活躍をゴージャス&エレガントに描いたスパイ・アクション。人気俳優ジェイソン・ステイサムが主演、肩の凝らないエンタメ映画を幾つも撮ってきたガイ・リッチーが監督を務めたという本作、観る前から予想した通りの超王道作品でしたね、これ。良く言えば最後まで安心して楽しめる娯楽大作、悪く言えば新味のないいつものような内容のマンネリ映画。確かに何も考えずに最後までぼちぼち楽しめましたけど、さすがにこれまでと同じようなストーリー&アクションシーンが多すぎて僕は後者の印象の方が強いかな~~。この作品ならではという目新しい部分が一つくらい欲しかったところ。とは言え、ジェイソン・ステイサムのアクションは相変わらずキレが良かったし、天才ハッカー美女をはじめ仲間たちも華があって魅力的だったし、ヒュー・グラントとジョシュ・ハートネットのまるで漫才のような掛け合いも楽しかったしで、そこら辺はまあまあ楽しめました。結論。良くも悪くも3日で記憶から消え去りそうな薄味エンタメ映画でございました。[DVD(字幕)] 6点(2025-02-07 08:56:37)

29.  ウォンカとチョコレート工場のはじまり 《ネタバレ》 あの摩訶不思議なチョコレート工場の支配人ウィリー・ウォンカが帰ってきた!!カラフルでマジカルでとっても美味しそうなお菓子に苦みの効いた一片の毒を盛り込むあの天才ショコラティエに待望の続編登場、と言ってもこれは彼がまだ工場を造る前、駆け出しの若手職人だったころのお話。ロアルド・ダールの有名な児童文学を原作に天才映像作家ティム・バートンが創り上げた名作『チャーリーとチョコレート工場』が大好きだった自分としては、やはり外せないなと今回鑑賞。とはいえ、実は自分、そんなに期待してはいなかったんですよ、正直。だって監督が僕が大嫌いな『パディントン』を撮ったポール・キングだったから。あの毒にも薬にもならない、ただただ家族で安心して楽しめるほのぼのファンタジーに、「子供は親のゆうことをよく聞くように」みたいな説教臭いメッセージを織り込む作風がすんごく嫌いでした。ティム・バートン版のような、いけ好かない子供はチョコの海に溺れさせたりまん丸に膨らませたり焼却炉に放り込んだりしてた毒の塊のようなブラック・ユーモアはどこへやら。本作も『パディントン』と同じく家族で安心して楽しめるほのぼのファンタジーに仕上がっておりました。でも……、超一流のメンバーをそろえて制作されたであろう本作、ここまで徹底的にエンタメに徹して創られるとちょっと圧倒されますわ~。イントロを聴いただけでワクワクが止まらない音楽に一糸乱れぬダンスアクター、細部まで徹底的にこだわって造られた独自の世界観、そしてウォンカをはじめとする魅力的なキャラクターたち……。今回もやはりそこまで好きにはなれなかったけど、ここまでエンタメ映画としての底力を見せつけられると素直に脱帽です。悔しいけど、この監督の実力はやぱ確かなんでしょうね~。うん、負けました!7点!![DVD(字幕)] 7点(2025-02-05 11:50:30)

30.  僕らの世界が交わるまで 《ネタバレ》 彼の名は、ジギー・キャッツ。毎週末、自身の動画チャンネルで生配信を行い、投げ銭で小銭を稼ぐのが生きがいの普通の高校生だ。アコースティックギターを手に自分の率直な想いを歌い上げる彼の動画は世界中に2万人のフォロアーを持ち、遠く離れた中国にもファンがいる。もはや自分はいっぱしのスターなんじゃないか。学校では地味な存在で特に人気者でもないけど、待ちわびているだろうファンのために今夜も彼は狭い自室から世界に向けて歌声を披露している――。DV被害から逃れた女性や子供のためのシェルターを運営する彼の母エヴリンは、そんな息子に呆れながらも社会的弱者の為に忙しい毎日を過ごしている。夫や家族からの暴力に傷ついた人々を救うという崇高な目的に日々忙殺される彼女の楽しみは、大学教授の夫が提供してくれる安定した家でそこそこ豪華なディナーとワインをたしなむこと――。お互い充実した人生を満喫していると信じ込んでいるそんな親子だったが、最近何か物足りないものを感じているのも事実だった。こんなに頑張ってるのに、なんか社会は自分を過小評価してるんじゃないのか。そんな思いに捉われた2人は、ある日偶然知り合った自分とは全く価値観の違う人を振り向かせようと暴走してゆく……。人気俳優ジェシー・アイゼンバーグが初監督を務めたという本作は、そんな意識高い系親子をコミカルに見つめた青春ドラマでした。やりたいことは分かるし役者陣のナチュラルな演技も好感持てるしポップな世界観も楽しいしでけっして悪くはないんですけど、僕はいまいち嵌まれなかったですね、これ。理由を考えてみるに、この親子があまりに自己中過ぎてそこまで感情移入できなかったのが主な原因かな。「こーゆーよくいる承認欲求強めの人、周りから見たらバカみたいだけど、なんか憎めなくてほっとけないよね」とはならなくて、「ここまで自意識過剰だとさすがに鬱陶しすぎて、自分の周りにいたら真っ先に距離取りたいわ~」となっちゃいました。特に後半、息子が同級生の詩に曲をつけた歌を勝手に動画配信に使って、「僕のフォロワーに評判良かったよ」って自慢気に言ってきた時はさすがにキレそうになったわ。シェルターの貧しい青年に自分の理想の息子像を無理やり押し付けようとする母親もかなり胸糞悪いし(演じたジュリアン・ムーアが上手すぎてもう!笑)。ラストの尻切れトンボ感も大いにマイナス。全体的な雰囲気やポップな音楽などはけっこう良かったので、次作に期待ってことで。[DVD(字幕)] 5点(2025-02-05 10:54:06)

31.  ロスト・フライト 《ネタバレ》 それはいつものように平凡なフライトになるはずだった――。シンガポール発東京行きのLCC航空の旅客機。新年を明日に控えた大晦日の夜、14人の乗客を乗せたその機体はいつものように空港を出発する。このフライトを終えたら休暇を取り久しぶりに娘と会う予定のトランス機長のもと、当初は順調に航路を進んでいた。たがフィリピン上空に達したところで予期せぬハプニングに見舞われるのだった。激しい嵐に巻き込まれた機体が運悪く落雷に遭い、なんとすべての電源が落ちてしまったのだ。トランス機長の咄嗟の判断で何とか胴体着陸に成功した飛行機。だが、そこは政府の力も遠く及ばない反政府ゲリラが支配するジャングルの真っ只中だった。飛行機は電源が落ちてしまって飛ぶことは出来ない。このままここに留まっていれば、身代金目的のゲリラに捕まり命の危険にさらされることは明らか。責任を感じたトランス機長は、偶然同機で護送中だった犯罪者で元軍人の男とともに、助けを求めて険しいジャングルをゆくのだったが……。嵐に遭いジャングルへと不時着してしまった航空機の機長やCA、そして乗客たちの決死の脱出劇をノンストップで描いたサバイバル・アクション。主演を務めるのは、男臭い演技には定評のあるジェラルド・バトラー。もうお話をちょっと聞いただけでどんな内容なのかほとんど分かるような超ベタなお話なのですが、エンタメ映画としてのポイントはそれなりに押さえられており、自分はそこそこ楽しめました。当初は順調と思われていたフライトが一転、今にも墜落する危機的状況に陥ってしまう機内の緊張感とか、それなりに良かったですし。その後、見ているだけで汗が滲んできそうなジャングルを舞台に繰り広げられる、凶悪なゲリラとの攻防もリアリティがあってそれなりに見応え充分。乗客の為に男気をみせるジェラルド・バトラーさんもそれなりに華があって、最後まで見ていられます。まぁあまりにもベタすぎて驚きや感動などは一切ありませんが、暇つぶしで観る分にはそれなりに楽しめるんじゃないでしょうか。って、感想の枕詞に全部〝それなり〟がついちゃうのが本作のレベルを端的に表してますね。それなりに楽しめるそれなりの映画でございました。[DVD(字幕)] 6点(2025-01-31 12:17:13)

32.  ドミノ(2023) 《ネタバレ》 見たものは何も信じるな――。娘を目の前で誘拐され懸命な捜査にも関わらず未だ行方不明という事実に苦しむ刑事ローク。長年のカウンセリング治療の甲斐もあって、今回現場へと復帰することになった彼はさっそく強盗計画のタレコミがあった銀行へと向かう。久々にタッグを組む相棒とともに現場へと到着したロークだったが、何故か拭いきれない違和感を覚え始めるのだった。初めて訪れた現場なのに何度も来たかのような既視感、何者かに操られているような言動を繰り返す警官や行員、何もかもを知っているような目で自分を追ってくる謎の男、そして貸金庫の中には何故か行方不明となった娘の写真が保管されていた。果たしてこれはどういうことなのか。情報をタレ込んだというタロット占い師とともに娘の行方を追う彼はやがて、巨大な陰謀へと巻き込まれてゆく……。エンタメ映画界を牽引するヒットメイカー、ロバート・ロドリゲス監督が新たに挑んだのは、そんな観るものを深いラビリンスへと誘うかのような挑戦的アクション作品でございました。初っ端から理屈も状況設定もどんどんすっ飛ばして文字通りノンストップで進んでゆく、彼の円熟味を増したストーリーテリングには素直に脱帽。何が本当で何が嘘なのか、観客に考える隙も与えないまま躍動的に語られるストーリー、スタイリッシュで迫力満点のアクション、やがて明かされる驚愕の真実にただただ圧倒されるばかり。まぁ内容的には『インセプション』以来散々つくられてきた、夢と現実が曖昧となる超現実世界のお話で新味はないのですが、演出のキレの良さに自分は普通に楽しんで観ることが出来ました。特に謎が明かされる中盤の展開は、予想の範囲内とは言え、やはりワクワクしちゃいますね。途中、『インセプション』とまったく同じシーンが出てきたときはさすがに笑っちゃいましたが。惜しいのは、肝心のことの真相が明らかとなるクライマックス。さすがに大風呂敷を広げ過ぎたのか、うまく畳むことが出来てません。なんか分かったような分からないような感じで、いまいち納得感が得られなかったです。ここらへん、もう少し頑張ってほしかったかな。とはいえ、90分と尺も短いし、映像も迫力あったし、役者陣もみな華があったしで、僕はぼちぼち楽しめました。[DVD(字幕)] 6点(2025-01-29 11:39:37)

33.  ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 《ネタバレ》 街の郊外に佇む、潰れて荒れ果ててしまったとあるピザ店。人々から忘れられ今や酔っ払いや不良、浮浪者ぐらいしか訪れることのないこの寂れた店にはとある秘密があった。かつて子供たちから大人気だった店のマスコットキャラクターのぬいぐるみたちに何故か命が宿り、夜な夜な何も知らない侵入者たちを血祭りにあげるのだ――。幼い頃に弟が目の前で行方不明となったトラウマに苦しむ青年マイク。両親もなくし職にもあぶれてしまった彼は、まだ幼い妹を養うためになんとか自分でもできる仕事を見つけだす。それはこのピザ店をふとどきな侵入者から守るという夜間警備員。もう潰れてしまったピザ屋を守るなんて何の意味があるのか。そう思いながらも生活の為に夜になると店へと向かうマイク。だが、彼はすぐに気づくのだった。本当の脅威は侵入者ではなく、店の中にいるカワイイぬいぐるみたちだということを。人気ゲームを基に、孤独な青年と命を宿した殺人着ぐるみたちとの血みどろバトルをノンストップで描いたホラー。原作となったゲームのことは何も知らないのですが、同じゲームを基にニコラス・ケイジ主演で映画化した『ウィリーズ・ワンダーランド』がかなりぶっ飛んだ快作だったので、その流れでこちらも鑑賞。いやー、『ウィリーズ~』と比べると面白さでは雲泥の差でしたね、これ。ぶっちゃけて言うととにかくつまんなかったです!潰れてしまったピザ店で殺人着ぐるみたちと戦う警備員(掃除人?)という設定は一緒なのに、こちらは暗いだけでさして面白くもない人間ドラマをけっこう分厚めに放り込んでくるものだから、設定のバカバカしさとのギャップが半端ない。人間関係もそこそこ複雑だし、時系列も無駄にいじくっちゃってるし、意味不明な夢のシーンがしつこく繰り返されるしで、そちらに意識がいっちゃって肝心の着ぐるみとのバトルが全然楽しめなかったんですけどー。何もしゃべらないニコラス・ケイジがひたすら掃除してその合間に殺人着ぐるみたちと戦い時間になったらピンボールマシンで休憩するという、もはや清々しいくらい中身がないのにあれだけ面白かった『ウィリーズ・ワンダーランド』の素晴らしさに改めて畏敬の念を抱いた次第です、はい。[DVD(字幕)] 3点(2025-01-29 10:40:24)

34.  イノセンツ 《ネタバレ》 とある地方都市に建てられた集合住宅を舞台に、そこに住む不思議な力を持った4人の子供たちのバトルを濃厚に描いたサイキック・スリラー。日本のSF漫画界のレジェンド、大友克洋の名作『童夢』からインスパイアされたということで今回鑑賞。てか、インスパイアどころかこれてまんま『童夢』じゃないですか。さすがにここまでおんなじだと原作なり原案なりでクレジット入れとかんとダメでしょー。自分は、『AKIRA』が全盛期だったころにその流れで『童夢』も読んだんですが、その緻密な画の力に圧倒されてかなり衝撃的で今でも思い出深い一作。観ながら、「あぁ、こんなんやったわ、懐かしい~」とはなったものの、残念ながら作品としての完成度は雲泥の差でした。とにかくテンポが悪いし、魅力的な登場人物もいないし、画も小汚いし、最後までダラダラダラダラ……。これで人間ドラマがしっかりしていれば良かったんですが、そちらもさして深みもないし、猫殺したり親が子供を刺し殺したりとただ胸糞悪いだけのシーンが延々続くし……。身も蓋もない言い方をすると、つまんない映画でした。取り敢えず、久々に『童夢』を読みたくなりました。[DVD(字幕)] 4点(2025-01-29 09:44:12)

35.  DOGMAN ドッグマン(2023) 《ネタバレ》 不幸な者のいるところ、あまねく神は犬を遣わされる――。ある夜、冷たい雨が降り注ぐ大都会の片隅で、謎の男が警察に逮捕される。派手なメイクを施し、頭にはゴージャスなかつら、何故かボロボロになったドレスを身に纏った彼は、全身傷だらけの酷い状態だった。そして、彼が運転するトラックの荷台には十数頭にもおよぶたくさんの犬が乗せられていた。明らかに異常な事態。果たして彼は何者なのか?真相を探るため、警察はすぐさま優秀な精神科医デッカーを呼ぶことに。そうして始まった彼とデッカーとの二人きりのカウンセリング。ダグラスと名乗る彼は、煙草を吸いながらこれまでの自身の半生を語り始める。それは、にわかには信じがたい血と暴力に満ちた壮絶な生い立ちと何よりも深い彼と犬たちとの絆だった……。社会から疎外され孤独に生きてきたある一人の男と犬たちとの壮絶なドラマを濃厚に描いたピカレスク・ロマン。監督は、軽いノリのエンタメ映画を量産するリュック・ベッソン。これってアレですよね、数年前にその反社会的な内容にもかかわらず大ヒットし社会現象にもなった問題作『ジョーカー』のドッグブリーダー版ですよね。暗い部屋の一室で主人公が、派手な衣装を身に纏いながら奇抜なメイクをするシーンなんてまんまじゃん。ここまでおんなじ雰囲気&世界観だとさすがに二番煎じ感が拭えない。んで、本作の感想なのですが正直僕はさっぱり嵌まれませんでした。『ジョーカー』と比べて、良くも悪くも軽いんですよね、内容が。主人公が犬小屋に閉じ込められて育った幼い頃のシーンとか、確かにあまりに壮絶なんですけど、その後助けられてからは普通に施設で暮らして恋なんかしちゃってるし。んで、その後フラれて職も失い犬たちと暮らし始める青年期も、なんか知らん間に犬たちが人間の言葉を解するくらい優秀になっちゃってるし。自分を見捨てた社会に復讐するかのように、ほとんど虐待に近いくらいの勢いで犬たちを調教するシーンとかがあればもっと僕の心に響いたと思うんですけど……。自分を裏切り疎外しどん底へと突き落とした社会を心底憎むあまり、奇矯なメイクと怪しげなスーツを身に纏うことで悪のカリスマへと変貌する、あの『ジョーカー』の主人公が宿していた圧倒的な凄みと比べるとあまりに軽い。こればかりは好みの問題なのかもしれませんね。[DVD(字幕)] 4点(2025-01-24 10:48:54)

36.  モアナと伝説の海 《ネタバレ》 自然豊かな南の島で暮らす、平凡な女の子モアナ。魚やココナッツなど豊富な食べ物に恵まれ、襲ってくる敵もいない、自然災害などもほとんど起きないこの平和な島で平穏に暮らしていた彼女たちの村をある日悲劇が襲う。なんと海の女神の心が何者かによって奪われ、そのせいでほとんど食べ物が採れなくなってしまったのだ――。村の首長の娘であるモアナは将来、村人たちを率いてゆく義務がある。島に残されていた伝説の船を見つけだしたモアナは、父親の反対を押し切り、広大な大海原へと旅に出るのだった。不思議な海の力に導かれるように激しい海流を越えた彼女は、なんにでも姿を変えられる半神マウイと出会い、ともに女神の心を返すために旅を続けてゆくのだが……。エンタメ映画界を牽引するディズニーが新たに挑んだのは、そんな南の島を舞台に描かれる一人の少女の波乱万丈冒険活劇でした。さすがハリウッドのトップを独走するディズニーだけあって映像と音楽は素晴らしかったです!特に、宝石のようにキラキラと輝くような海の描写は見ているだけでワクワクしちゃいますね。あの有名な歌のシーン(♪空と海が出逢うところーが~)は普通に鳥肌立つくらいのクオリティで思わず拍手!!何気に、マウイの身体のタトゥーが自由に動き回るとこも好きでした。ただ……、肝心のお話の方は……、とっても微妙(笑)。王道っちゃ王道で最初は集中して観てたんですけど、後半はさすがにベタすぎてなんかもうどうでもよくなっちゃいました。相棒のマウイが最後凄くいい奴みたいな感じで描かれてましたけど、「そもそもこいつが女神の心取らんかったら良かったんじゃね?」とか思ったり。このマウイというキャラにいまいち魅力を感じなかったのも嵌まれなかった要因の一つ。もう少し魅力的なキャラがあと2、3人くらい欲しかったかな。と言う訳で、僕が好きだった『リメンバーミー』や『インサイドヘッド』などと比べるといま一歩な感じの作品でございました。あと、あのおつむが弱いというレベルを通り越して、食欲以外の感情がないもはやゾンビのような存在のニワトリが普通に怖かったんですけど(笑)。[DVD(吹替)] 6点(2025-01-22 10:46:42)

37.  オッペンハイマー 《ネタバレ》 オッペンハイマー。それは原爆と言う悪魔の兵器を創り出し、全ての戦争の形を一変させた科学者の名前。彼は、このまま日本と本土決戦に突入したら双方に膨大な戦死者を出したであろう第二次大戦を早期に集結させた稀代の英雄なのか、それとも何十万にも及ぶ何も知らない無辜の民を一瞬にして焼き殺した残虐な殺人鬼なのか――。本作は、そんな天才物理学者の知られざる半生を淡々と見つめた伝記映画だ。監督は同じく天才の名をほしいままにするハリウッドの寵児、クリストファー・ノーラン。3時間にも及ぶ地味で難解な内容なのにもかかわらず、同時期に公開された『バービー』とともに大ヒットを記録し、同時に評論家からの評価も高く、同年のアカデミー作品賞をはじめ主要部門を独占、だがその極めてセンシティブな内容から長い間日本公開がなされなかったいわくつきの本作を今回鑑賞してみた。なるほど、原爆をテーマとした映画にも関わらず広島長崎の被爆直後の惨状を一切描かななかったことに批判が出るのも分かる。だが、監督はそれは本作のテーマではないと敢えて描かなかったのだろう。それは、ユダヤ人であるオッペンハイマーが原爆制作の初期動機となったナチスによるユダヤ人虐殺という重要な事実も同じように敢えて描かなかったことにも表れている。この物語で重要なのは、科学と政治との切っても切れない関係を極めて冷徹に見つめたところにある。オッペンハイマー、彼は本当にただ優秀な一科学者なのだ。自分が作り出したものが世界をどのように変えてしまうのかなどと言う倫理的責任は、彼の科学的探究心の前では無に等しかった。ただただ彼は、これまでこの世界になかったものを自分の優秀な知性と類い稀なる努力とによって作り出したかっただけなのだろう。その結果、何十万人にも及ぶ無実の民が殺され、人々はいつ世界の終わりが訪れるのかという不安を抱えながら生きざるを得なくなった。彼が戦後、どれだけそのことを後悔しようともその事実は変わらない。だが、そんな科学者の存在が人間を進化させてきたのも事実。問題は、その力を政治家――およびその政治家を生み出した社会がどのように使うかなのだ。だからといって彼にまったく罪がないと言えるか。これはそんな人間の歴史を大きく変えながらも、自らもまた歴史の大きな流れに翻弄された一科学者の苦悩を深く見つめた物語なのだ。自らの才能と類い稀なる努力、そして作品に命を吹き込む俳優陣や多くの優秀なスタッフ、利益を得るために自らに投資してくれた出資者、その他多くの利害関係者に支えられながらこれまで幾多の傑作を生みだしてきたクリストファー・ノーラン監督の思いが、このオッペンハイマーと言う孤独な科学者に託されているような気がしてならない。自分の人生を懸けた最初の核実験が成功するのかしないのかを固唾を呑んで見守る彼の姿など、まるで公開初日を迎えた映画監督のようではないか。何もないところから一から作品を生み出し、その結果、多くの観客から毀誉褒貶の声を受けようとも、それでも自らの才能で映画の世界を変えてきた監督の新たなる傑作の誕生を素直に喜びたいと思う。[DVD(字幕)] 8点(2025-01-08 07:49:58)(良:2票)

38.  デ・ヴィル家への招待状 《ネタバレ》 芸術家を目指しニューヨークで孤独に生きる若い女性イヴィー。唯一の肉親であった母親を病気で亡くしてから、彼女は天涯孤独の身となってしまった。そんな中、DNA鑑定を実施しあなたの知らない親戚を探し出してくれるというサイトを見つけたイヴィー。興味を惹かれた彼女は、自分のDNAを提出し調べてもらうことに。結果は、海を越えたイギリスに遠い親戚がいるというものだった。思わず連絡を取ってみると、なんといきなり明日行われるという結婚式に招待されてしまう。怪しいものを感じながらもイヴィーはさっそくイギリスへと向かうのだった――。辿り着いた先は、森の奥深くに幽玄と佇む豪邸だった。百年以上も前に建てられたというこの歴史ある建物に住むのは、何代も続く由緒ある貴族デ・ヴィル家。自分は高貴な血を受け継ぐ上流階級の一員だったのだ。何十人もの親戚たちに歓待され、執事や使用人にまるでお姫様のように扱われ、すっかり有頂天になるイヴィー。だが、肝心の新郎新婦だけは何処にも見当たらない。いつしか彼女は、親戚のみなが自分を物欲しそうな目で見つめてくることに気づく……。都会で鬱屈した日々を送っていた平凡な女性がある日招かれた上流社会、そこで体験する恐怖の一夜を濃厚に描いたゴシックホラー。とにかくこの細部にまで拘ったであろう、創り込まれた世界観は大変グッド。メインホールや廊下、階段に置かれたいかにも歴史を感じさせる家具調度品、手摺や窓枠に施された精巧な彫刻、各部屋に繋がる電気のない時代に作られたであろう呼び鈴……。まぁ新味はないですけど、このおどろおどろしい雰囲気はなかなか好みでした。そこに集うデ・ヴィル家の面々もみな、怪しさ爆発でちゃんとそれぞれにキャラ立ちしてるのも良かったですね。ただ、肝心のお話の方は恐ろしく普通。ぶっちゃけて言うと『トワイライト』シリーズ系のいわゆる女性向けヴァンパイアもの。とにかく最初から最後まで何処かで見たようなシーンのてんこ盛りで驚きというものが一切ない。いつも胸元はだけた白いワイシャツを着こなし、ジゴロのように主人公を口説いてくる当主の男も笑っちゃうくらいベタだし。生成AIに「吸血鬼もの映画の脚本を書いて」とお願いしたら5分で完成しそうな超ベタベタな内容でございました。さすがにもうちょっと一捻りというか、この作品ならではという新しい部分が欲しかったですね。あと、全体的に画面が暗くて見辛い点も大いにマイナス。せっかくここまで美術を頑張ってるのにすごく勿体ないです。とは言え、最後までそこそこ楽しんで観られたのは確か。暇潰しで観る分には充分及第点だったんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2024-11-15 09:34:31)

39.  シック・オブ・マイセルフ 《ネタバレ》 芸術家を目指し、都会で長い下積み生活を送る若い女性シグマ。だが思うような結果が残せず、いまだカフェでバイトしながらただぼんやりと毎日をやり過ごしていた。周りを見れば友達誰もがみんな楽しそうで、SNSでは充実した毎日を送る人がそんな自分を見せびらかしている。同棲している同じく芸術家である彼氏も、近々個展を開くことが決定している。自分だけ、どうしてこんなにも上手くいかないんだろう――。そんな思いに捉われた彼女はある日ネットで、副作用から皮膚に強い疾患が起こるという違法薬物を目にするのだった。原因不明の皮膚病を発症したもののそれでも困難に負けず活動する若手アーティスト。そんな自分をSNSで発信すれば、自分はもっと注目を集めるかもしれない。そう直感したシグマは、誰にも内緒でその違法薬物を手に入れ、密かに服用し始めるのだった……。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、いやはや、なんとも人をイヤ~~~な気持ちにさせる映画でしたね、これ。映像はすごくキレイで洗練されていてクラシカルな音楽も品が良いのに、語られるエピソードはどれも不快感マックスなものばかり。そのギャップが人をなんとも言えない気持ちにさせる。なんなんですか、この感じ(笑)。色んなとこからモノを盗んできてそれを勝手に作品にして芸術だと言い張る彼氏も意味不明だし、犬に噛まれた人を助けた時の返り血を浴びたままバスに乗って帰る主人公も訳わかんない。人から注目集めるためだけに顔中できものだらけになった主人公が嬉々としてネットに画像をアップしまくり、後で反応を確かめてうっとりするとかシュール過ぎて…。この監督、そうやって人を不快にさせながらも何故か人を惹き付ける絶妙なラインの画作り、お話作りがすごく上手い。彼女と専属契約する障碍者専門のモデル事務所の社長が、あえて雇った目の見えない秘書をこき使うシーンなんて、そーゆーことに最近やたらうるさいポリコレ信者を爽快にぶっ飛ばしてます(笑)。んで後半、いよいよ顔面が崩壊し、もはや周りがドン引きしてるのにそれでもまだ認めてもらいたいと嘘を重ねる主人公。アホやなと思いながらも、どこかちょっと気持ちが分かるように描いてるのも良いセンスしてる。そんな中、主人公が夢見る理想の自分をときどき妄想で描くのも、このイヤ~~な感じをますます増幅してますね。この監督、性格悪すぎだわ。でも、このキレイな映像と胸糞なお話のギャップがクセになって、最後はもはや心地良くなってる自分がいました。監督はこの後、同じく胸糞映画界の俊英アリ・アスターに見出され、ニコラス・ケイジ主演でハリウッドデビューを果たしたとのこと。今度はどこまで嫌な気持ちにさせてくれるやら。胸糞映画界の新たなる才能の出現を素直に喜びたいと思います。[DVD(字幕)] 8点(2024-11-12 11:12:16)

40.  レンフィールド 《ネタバレ》 彼の名は、ロバート・モンタギュー・レンフィールド。パワハラ・モラハラ当たり前のとんでもないモンスター上司に苦しめられる今どきの若者だ。上司からくだされる無理難題に日々心をすり減らしながら、それでも辞めることが出来ないでいる。何故なら、彼の上司は、かの有名な吸血鬼ドラキュラだからだ――。百年近く前、ドラキュラに半ば強制的に悪魔の血を飲まされ、永遠の命と引き換えに絶対服従の誓いを立てさせられたレンフィールド。以来彼は、食料となる善良な人間たちをさらってきてはドラキュラのために献上してきた。今夜も彼は、更なる獲物を求めて夜の街をを駆けずり回っている。「こんな生活もう嫌だ!」。我慢の限界に達したレンフィールドは、一大決心して召使を辞める決意をするのだった。当然、ドラキュラはそんな彼を容易に解放するわけもなく……。今も様々な分野に影響を与え続けている怪奇小説の古典『吸血鬼ドラキュラ』、その中に登場する召使レンフィールドを主人公にしたホラー・コメディ。今回ドラキュラを演じるのは、もはやB級映画界の帝王の名をほしいままにする名優(怪優?)ニコラス・ケイジ。ちゅーわけで完全なるB級なんですけど、良い感じに力の抜けた感がけっこう面白かった。なんといっても、横柄で自己チューで部下に無理難題を押し付けるとんでもないパワハラ上司なのに、何処か憎めないドラキュラを演じたニコケイがまさに嵌まり役!吸血鬼ハンターとの闘いで痛手を負った彼が、「力を取り戻すためにもっと善良な者の血を!バスいっぱいのチアガールの血があればすぐに私は復活できる!」とか言い出した時は思わず笑っちゃったよ。「出来るか!」とふて腐れながら飲み屋にやって来たレンフィールドの前に、何故かチアガールたちがバスいっぱい乗り込んできた時は、バカバカしすぎてもう爆笑。そんなご主人様に振り回されるニコラス・ホルトのヘタレ具合も負けず劣らず嵌まり役でナイスでした。切られたお腹からはらわた振り乱しながら街のチンピラたちとバトルするシーンは、適度なグロさとキレのいいアクションで終始テンション上がりまくり。特に中盤、アパートでの血みどろグチャグチャバトルは、これぞB級って感じのはちゃめちゃっぷりで思わず拍手!敵の両手を引き抜いて振り回して武器にするとか、どんな発想やねん(笑)。いやー、良いですね~、このくだらなさ。唯一の難点は、ヒロインを演じた小太りのアジア系女優が若干ミスキャストなとこかな。最後のオチもベタながら爽快感抜群!いや~~、大変楽しい90分を過ごさせていただきました。7点![DVD(字幕)] 7点(2024-11-12 10:12:32)(良:1票)

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