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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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381.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 前半は本当にすばらしかった。ビグザムを思わせるトライポッド登場のシーンはすごすぎて爪先がつりそうになりましたよ。「激突」より、スピ演出の真骨頂は目線をまったくぶらさないことにありますが、その集大成とも言える名場面。「マイノリティ・リポート」前半の追跡劇といい、流れをもったアクション演出においてスピに勝てる監督はいないでしょう。そのぶん、スポットでの破壊力に欠けるのがスピの弱点。思えばスピルバーグ、彼は娯楽映画の王者とされながらも、今まで大量破壊映画を撮ったことがないんですよね。正直、私はそんなスピにスペクタクル描写ができるのだろうかという不安があったのですが、その不安は的中してしまいました。この映画には、「宇宙戦争」に当然期待される荒唐無稽なまでにとんでもないシーンってのがないんですよ。「ロストワールド」でも、せっかくT-REXをサンディエゴに上陸させながら、都市で暴れ回らせず郊外を散歩させるだけだったスピ。意図的にやってるのかと思うほど、彼はここぞというスペクタクルシーンを見せてくれません。軍隊総攻撃など、全然描写が足りませんでしたよ。軍隊がめっためたにやられるシーンまできちんとあれば、もっと絶望感が出たと思うんですけどね。一方で地下室の場面とかはムダに長すぎ。ティム・ロビンスの役が必要だったとはどうしても思えないし。ノコノコと宇宙人が出てくる必要もありませんでしたね。「ブーン」ってお時間のチャイムが鳴ると、すごすごとトライポッドへ帰っていく宇宙人さん達。観光に来たんですか?問題のクライマックスもカタルシスなさすぎ。ウィルスで弱った宇宙人を10人程度の兵隊さんがバズーカで攻撃。「うちの町でもトライポッドを倒したんですよ」みたいな終わり方では、ねぇ。やっぱり、形勢逆転に乗じてこれでもかってくらいの地球側の大反撃が見られれば、お腹いっぱいにはなれたでしょうに。こうして考えると、「インデペンデンス・デイ」とかぶることを極端に避けてるような気がしてきますね。都市の破壊、宇宙人相手に歯が立たない軍隊&ラストの猛反撃。「宇宙戦争」と聞いて誰もが連想する見せ場が、この映画からはことごとく排除されています。意図的なまでに。まさか、これがスピにも目覚めた巨匠のエゴの結果だったら、それはちょっと残念ですね。彼には、最高の技術を持った映画少年であり続けて欲しかったんですけどね。[映画館(字幕)] 7点(2005-07-03 01:27:05)(良:1票)

382.  バットマン ビギンズ いやぁ、なんだか惜しい映画でしたね。アメコミ番長デイビッド・S・ゴイヤーの書いた脚本は非常に秀逸。ブルース・ウェインがなぜバットマンになったのかが素晴らしいドラマとして描かれており、きれいに伏線まで張っていくという丁寧なお仕事には参りました。ドラマパートがメインとなる前半では、「これは史上空前の傑作になるのでは?」と期待しましたよ。続々と登場する豪華俳優陣にも唸りっぱなし。マイケル・ケインを見れば英国人の執事が世界最高であることがよくわかるし、やっぱりリーアム・ニーソンはかっこいいです。クリスチャン・ベールも期待以上によかった。当初ブルース・ウェインをオファーされていたキアヌ・リーブスとも、こうして見ればなんだか似てるし。しかし問題は、ブルース・ウェインがバットマンになってからです。バットマンが・・・ダサイ・・・。それはデザインがティム・バートン版を超えていないのもそうですが、見せ方がうまくないんですね。ヒーローに必要なケレンとか色気が完全に欠けていて、普通のアクションになってしまってるんです。コミックヒーローのアクションが他と大きく違うのは、動きではなく画にこだわらねばならないことです。例えば「スパイダーマン」の場合、サム・ライミは実際のコミックのカットをそのままアクションの画の中に取り込んだと言います。バートン版バットマンも同様で、両者共にポーズにこだわりがありました。しかし今回のバットマンはやたらカットを細かく切っているため、もう何がなんだかわかりません。バットマンの全身像がほとんど写らないことからも、そのあたりの感覚が決定的に欠けていたことがわかります。クリストファー・ノーランは才能のある監督だとは思うのですが、コミックをやるには演出が硬すぎましたね。もっと自分のセンスに自信があり、躊躇することなく遊び心を出せる監督が必要でした。つまり悪ふざけが出来るというのが、すれすれの過剰演出が要求されるアメコミ映画の監督に必要な条件なんです。バートン、ライミともに悪ノリが得意な監督だったでしょ。あともうひとつ。ヒーローには「バットマン参上!」って感じの特徴的なテーマ曲が必要なのですが、音楽もいまいちでした。H・ジマーとJ・N・ハワードの共作だというのに、あまりよくありませんでしたね。やっぱりアメコミはダニー・エルフマンじゃないとダメなんですね。[映画館(字幕)] 6点(2005-06-24 00:50:36)(良:2票)

383.  ホステージ 《ネタバレ》 いやぁ残念、残念。ひねりのある展開はなかなかよかっただけに、もっと腕のいい監督がやってれば、それだけでサスペンスアクションの佳作になってたかもしれません。刑事の暗い過去、家族との確執、人質事件、サイコな犯人、ふたつの兄弟、親子の情愛、犯罪組織、警察同士の主導権争い・・・、描くべき要素は山ほどあったにも関わらず、そのどれも浅い部分でスルーしてしまってるのはもったいない限りです。とくに、ブルース・ウィリスの行動に迷いが感じられなかったのが致命的。事件を解決せねばならない、人質になってる子供たちを救いたい、しかしバックの組織の指示にも従わねばならない、ミスれば自分の家族が殺される。この「すべてにおいてミスが許されない」という状況では、ひとつひとつの行動をデリケートに扱うことがサスペンスにつながるにも関わらず、ブルース・ウィリスは基本的に勢いだけで行動してしまいます。これが決定的に話から緊迫感を奪い、せっかく用意された設定まで台無しにしています。犯罪組織の影も薄く(白い携帯電話も大して活用しないし・・・)、もっとブルース・ウィリスを苦しめてくれれば話のスパイスになったんですけどね。人質姉弟の命を救おうとするブルース・ウィリスに向かって、「人質の命はどうでもいいから、朝までには絶対DVDを奪って来い」くらいのことは言って欲しかったです。そして極めつけはラスト。最後はピストルで決着では、「今まで見てきたサスペンスはどうなんの?」って感じですよ。もっと頭を使いましょうよ。黒幕の正体もよくわからなかったし・・・。この監督、同じ娯楽サスペンスでも「エグゼクティブ・デシジョン」や「交渉人」を見て勉強して欲しかったですね。これだったら、ジョン・マクティアナンやアンドリュー・デイビスにでも撮らせた方が、よほどいい出来になったでしょう。[映画館(字幕)] 5点(2005-06-11 21:41:14)(良:1票)

384.  ブラザーフッド(2004) 韓国映画はなぜここまでベタベタなんでしょうね。過剰も過剰、正常なドラマとしてはすでに成立しないレベルにまで行っちゃってます。兄弟愛=過剰、兄弟の変貌ぶり=極端、ドラマを盛り上げる音楽=大袈裟。間違いなく「プライベート・ライアン」の影響を受けた本作ですが、同じく過剰な演出が感動の邪魔をするスピ演出の悪い面まで引き継いでしまったようです。その一方で、戦時下の混乱や戦場のストレス、捕虜への虐待などの脇の部分はよくできていたことが、本作のクォリティーが決して低くないことを証明しています。だからこそもったいないわけです。もっと地に足のついたドラマであれば、より感動できる映画になったでしょうに。また売りである戦闘シーンに関しても、同様のもったいなさを感じます。ハリウッドの何分の一の予算でここまでの戦闘シーンを作り上げたのは本当に立派で、「予算がないから」と適当なレベルでお茶を濁す日本映画界とのレベルの違いを見せ付けられました。技術レベル云々ではなく、韓国映画界の持つ熱意を感じましたね。しかし、戦闘シーンもドラマパート同様にしつこすぎるのが残念。兵士同士の肉弾戦が異様なまでに長いために緊張感がなくなり、しかも劇中何度も何度も出てくるんですね。実際の戦場の生死とは、もっと刹那的なものだと思います。どこからともなく飛んできた銃弾であっさりと命を落とす、そんなものではないですかね。ゴロゴロと上になったり下になったりを延々見せられるのは、本筋とあまり関係のない路上プロレスを延々3分もやってしまった「ゼイリブ」みたいでしたよ。ま、この直球勝負のしつこさが韓国映画の味といえば味なんでしょうけど、私には違和感がありますね。ま、ヨーロッパあたりの映画祭で賞を獲るような起伏のない映画にはもっと違和感を覚えるんですけどね。[DVD(吹替)] 5点(2005-06-05 18:42:29)(良:1票)

385.  キングダム・オブ・ヘブン リドリー・スコットってのは、良くも悪くも映像派ですね。まず良い点は、とにかくすべてのシーンが美しく、どのカットをとっても絵画のように綺麗。そしてあのとんでもない戦闘シーンのド迫力。確かに「ロード・オブ・ザ・リング」のヘルム峡谷戦やミナスティリス戦とかぶるわけですが、こちらの方がレベルが上ですね。CGで作ったのが丸出しの「ロード~」に対して、こちらは生身の迫力に満ちてました。2時間丸々戦闘シーンという「ブラックホーク・ダウン」を作り上げた手腕はダテじゃないのです。一方悪い点は、ストーリーテリングに明確な弱点がいくつかあることです。人間関係が複雑な割に拾い切れていない要素が多く、バリアンが亡くした妻子のことは後のストーリーにまったく影響を与えず、彼の複雑な親子関係も実にアッサリとしたものです。(「グラディエーター」もそうでしたが)主人公のロマンスに深みはなく、むしろ蛇足になってるような気もしました。「人を救うはずの宗教を巡って異教徒と殺し合う」という矛盾をテーマにしている割に登場人物たちに葛藤はなく、悪者は最後まで悪者、善人は最後まで善人でした。このテーマであれば、誰もが自分なりの大儀や正義を目指しているがゆえに戦いが起こるという話にした方がよかったと思います。と言うか、いまだに続いている宗教戦争の本質ってそれですよね。それぞれが正義だと信じているからこそ相手に対して不寛容となり、争いが起こってしまうと。しかしギーという明確な悪役を作ってしまったがために、話からその深みが奪われたように思います。これでギーも善人で、自分なりの信念を貫く人間であれば、戦争というものの本質をえぐった傑作になっていたかもしれません。それにしてもリーアム・ニーアムとジェレミー・アイアンズはかっこよすぎですね。「これぞナイト」という風格に満ちており、彼らが映ってる時には完全に画面を独占してましたよ。演技ができる俳優さんはいろいろいますけど、彼らのように風格を出せる俳優さんってのはあまりいませんね。あとどうでもいいことですけど、劇中「13ウォーリアーズ」で聞いたことのある曲が流れたので「まさかパクったんか」って気になってたんですけど、エンドロールにはちゃんと「バルハラ ジェリー・ゴールドスミス作曲」ってクレジットされてました。他の映画の音楽をまんま使うってこともあるんですね。ちょっと驚きました。[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 00:27:47)

386.  クライモリ(2003) 「悪魔のいけにえ」ミーツ「プレデター」の本作、なかなかの力作ではないでしょうか。同じような話(てか、まったく同じ話)の「テキサスチェーンソー」よりもこっちのが怖かったです。躊躇のない残酷描写、80分というタイトな上映時間、変な欲を出さずお客さんを絞り込んで作ってるのが好印象でした。この手のホラー映画にありがちな「徐々に殺されていく」という進行ではなく、余分な人物はテキパキと殺していくというスタイルが話にスピード感を与えており、またマウンテンマンの残虐性を引きたてていてよかったです。「ヒーローとヒロインが残ればいいのさ」という割り切ったその姿勢、また「窮鼠猫を噛む」な後半の展開、まさにプレデター方式ですね。しかし残念だったのはマウンテンマンの造詣。身体に対して頭が異様に小さく、いかにも「スタントマンにかぶせてます」みたいな造詣はあんまりでした。こういう鬼畜映画の場合でもやりすぎってのはあるようで、あそこまで人間離れさせる必要はなかったように思います。ジェイソン、ブギーマン、レザーフェイスなどの、あの素顔が分からないという被りものの怖さでやってくれれば、恐怖も倍増だったでしょう。顔が見えてしまうと、どうしても恐怖の底も見えてしまいますからね。しかしまぁ、「脱出」「悪魔のいけにえ」「ブレーキダウン」「Uターン」「激突」など、アメリカのド田舎ではとんでもない危険に遭わされるというのは常識なのでしょうか?[DVD(吹替)] 8点(2005-05-29 20:22:30)(良:1票)

387.  バニラ・スカイ 《ネタバレ》 そこそこ満足できたオリジナルに対して、こちらは見終わった後なんか腑に落ちませんでした。何が悪いんだろうなって考えてたんですけど、原因はトム・クルーズにあるとわかりました。この映画って結局夢オチだったわけですけど、顔面が変形してうちひしがれるまでが現実、ペネロペに優しく起こされてからが夢って区分だったでしょ。それがおかしいんですよ。だって、トム・クルーズのルックスで、大企業の社長で、誕生会にはスピルバーグまで遊びに来て、キャメロン・ディアスが恋人でって、これこそ夢じゃないですか。私としては、そこに違和感が残ったんですね。もっとも夢っぽい部分が現実だったわけですから。だいたい、自分がトム・クルーズであるって時点で男にとっては夢のようなことなんですよ。なので、現実のデビット役はフィリップ・シーモア・ホフマンとし、全編ホフマンの夢のことにすればよかったんです。モテないホフマンはある日リコール社へ行ってサイファーよろしくマトリックスにつないでもらい、自分が若くて金持ちでハンサムに生まれ変わった仮想現実の世界で生きることにするんです。しかし、ブサイクであるという自分の潜在意識が夢に違和感を覚え、完璧に設定されているはずの夢を侵食し始めます。潜在意識はトム・クルーズの顔面を醜く変形させ、そこからプログラムがどんどん狂っていくわけです。そしてラストは、夢に残れと説得するスネーク・プリスケンと、目を覚ませと赤いカプセルを飲ませようとするモーフィアスが対決。それでいいんじゃないです?って、この映画のことを考えると、次々と他の映画のことが頭をよぎるのはなぜでしょう?それだけこの映画がオリジナリティーを欠いてるってことなんでしょうか?4点(2005-01-23 00:26:35)

388.  ターミナル 《ネタバレ》 正直、微妙でした。やっぱりオチが中途半端だったのがイタかったですね。缶の秘密はどうでもよかったし、恋愛の落とし方はヘンだったし、グプタの自己犠牲はとってつけたようだったし、あれだけお堅い警備主任の突然の心変わりは不自然だったし。それぞれにじっくりとした描写が必要なシーンなのに、ほとんど説明なしで流されてるんですよ。おかげで、実に印象に残らないクライマックスになってしまったのが残念です。この後半って、実はスピルバーグ自身も手を抜いてたんじゃないの?とも思います。だって、念願のサインをもらいに行くシーンのあまりのこだわりのなさには驚きましたよ。話のすべてが収斂される重要な締めだと言うのに、タクシーでホテルに行き、本人に会い、サインをもらって、はい終わり。そんだけですからね。グプタおじさんの人生まで賭けさせた選択だったわりに、あまりに呆気なさ過ぎて参ってしまいました。それに、普通ならあそこでジャズの名曲をフルコーラスで見せるもんです。その音楽をバックに各登場人物の姿や、そこに至るまでのエピソードがフラッシュバックされ、最後には涙ぐむ主人公のアップ。それで感動を高めるもんですよ。しかし、主人公があれだけこだわったジャズの扱いはあまりにぞんざいで、スピから「はい終わりですよ」って言われてるような気がしました。そんなスピが見せたかったのって、やっぱり小ネタ満載の前半だったんでしょうね。前半は本当におもしろかったんですよ。強引に話を進めるのではなく、細かいエピソードを重ねてドラマを育むやり方って、実に好感が持てます。スピのコメディ演出の巧さには唸らされました。シリアスなわりに小ネタ満載の「マイノリティ・リポート」では「なんでこんなに悪趣味なの?」と笑うのをためらったものの(緊迫の追跡中、ロケットパックの炎でハンバーグが焼ける等)、今回の笑いはほのぼのしてて、実に気持ちが良かったですね。監視カメラVSトム・ハンクスや、グプタの曲芸などなど。この巧さが後半の感動にまでつながってれば、本当の傑作になったと思うんですけどね。5点(2005-01-17 21:20:09)(良:2票)

389.  ゴジラ FINAL WARS こりゃヒデェ映画ですね。「じゃあ、ゴジラシリーズで他に面白いのがいくつある?」と聞かれれば、「そう言われれば、映画として本当によかったのは第1作とビオランテぐらいかもなぁ」なんて答えてしまいそうですが、この映画はそんな程度の問題ではありません。怪獣映画に対するリスペクトがまったくないんですから。ゴジラシリーズの最大の魅力といえば、無邪気な破壊衝動を満たしてくれることにあります。人間って生き物は、ものが破壊される映像を見るのが大好きなんですね。そしてゴジラの前では、観客は素直にその破壊を楽しむことができるんです。実はこれってすごいことですよ。ハリウッドのディザスター映画だろうがガメラだろうが、映画における大量破壊にはそれなりの理由や辻褄合わせが必要となりますが、ゴジラに関してはそれを必要としないんですから。これこそ、ゴジラが半世紀も愛され続けた最大の理由だと思います。そこにきて「ファイナル・ウォーズ」ですが、そのことがまったくわかっていません。観客はひたすら怪獣のバトルを見たいのに、ここでは人間同士のどうでもいいアクションが主体となってるわけですよ。「ファイナル・ウォーズ」とはゴジラにとっての最終戦争ではなく、人間にとっての最終戦争のことだったようです。しかもそのアクションの出来がいいのかと言えば、日曜の朝にやってる特撮ヒーローとさほど違ったレベルではないし。そこまで等身大アクションにこだわるなら、ミュータント=仮面ライダー、X星人=バルタン星人とでもして、とんでもないやけくそバトルにでもすればよかったんですよ。そして、この映画が旧作へのリスペクトを完全に欠いていることがわかるのが、幼星ゴラスから現れるのがシーボーズ似のモンスターXであることです。火の玉から現れる宇宙怪獣、さらにゴジラをも圧倒する最強怪獣といえば、もちろんそこではキングギドラを登場させるべきでしょ。ここでゴジラとキングギドラによる因縁の最終決戦がはじまれば、「これぞファイナルウォーズじゃん」と少しは納得できたかもしれません。とりあえず登場したカイザーギドラなんてダサダサだったし、キングギドラのような美しさがないので全然ダメです。まぁこの映画の唯一の価値といえば、長年顧みられることのなかったガイガンを復権させてくれたことにあります。とりあえず、ガイガンはカッコよかったです。3点はガイガンに捧げます。3点(2004-12-28 16:29:08)

390.  エイリアンVS. プレデター 2大スターのコラボレーションはなかなかよく出来ており、破綻なくお話を進めていく辺りは、素直に「うまいなぁ」と感心しながら見ました。前半、なかなか両雄を見せなかったのも構成的には成功で、ついにあいま見えたエイリアンとプレデターの初戦には燃えに燃えましたよ。日曜洋画劇場で見まくった両雄のバトルはまさに夢の実現で、さらにエイリアンの酸性血液やプレデターのよく切れる刃物など、両シリーズでおなじみのアイテムも次々に大活躍。こういうのを撮らせるとポール・アンダーソンは天才的にうまいですね。自身がゲームおたくであるためか、この人はSFにおいてアイテムを使いこなすことがやたらうまく、これまでも数々の映画で世界のおたく達を納得させてきたのには確かな腕前があったおかげなんだと感心します。しかし、そのためか既存の世界観を飛び抜けるような爆発的な展開を準備することはなく、それが不満にもつながるわけです。なにせこれは「エイリアンVSプレデター」ですからね。それこそ「エイリアン2」と「プレデター1」を足したようなハイテンション映画を期待するもんです。両方ともかなりしつこい映画だったわけですけど、それにひきかえ「VS」はかなりアッサリとした映画だったので、なんだかちょっとガッカリでした。大興奮の初戦が終わってしまうと、あとはかなり普通に話が進んでしまい、「もう終わり?」って感じでした。あと、プレデターがかっこよくなりすぎです。第1作をはじめて見た時のプレデターの印象って、悪趣味ごくつぶし宇宙人だったんですけど、ここでは高潔な戦士になってました。シリーズでやってたみたいにヘンなポーズや雄叫びをあげなくなったし、お得意の不意打ちをあまりやらなくなってたし、劇中では「プレデター=肉食」とは呼ばれず「ハンター=狩人」と呼ばれてたし、デザインもザクⅡからハイザックくらい変わってたし。人類文明の創生に関わってたって話も、ちょいとやりすぎなような気も。シュワルツェネッガーに「なんてブサイクなやつなんだ」と言われたあの連中が人類史の親だってのは、かなりもかなり意外すぎますよ。やっぱりプレデターは理屈抜きの体育界系バカ宇宙人であり続けて欲しかったですね。だとすると、設定は「エイリアン2」みたいな血みどろの混乱にプレデターが血の匂いを嗅ぎつけ参戦、って話にしてしまった方がよかったような気がします。7点(2004-12-21 05:59:31)

391.  マッハ!!!!!!!! ヒジによる打撃の恐ろしさを全世界に知らしめた、これぞアクションの新境地。田舎の純朴なカンフー青年が都会のヤンキーを蹴散らすってのは、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、リー・リンチェイ以来の王道。トニー・ジャーよ、あなたも続くのです。7点(2004-11-27 15:50:32)(良:1票)

392.  コールド マウンテン トム・クルーズ、ブラッド・ピット、ダニエル・デイ・ルイスらが主演を希望したという注目作だっただけに、非常に上質な仕上がりになっています。しかし、骨の髄まで染み渡るような感動や興奮がなく、これまた話としてはうまくまとまっている「タイタニック」を見た時と同じ印象です。あらゆる要素が破綻なく上手にまとまっているのですが、いま1歩のところで感動を逃してるんです。アンソニー・ミンゲラという監督はストーリーを語ることについては一流ですが、その語り口が上品すぎて、エモーションは十分に伝わってこないんです。エイダとインマンは戦争がもたらすさまざまな不条理を経験するわけですから、そこでの怒りや怨念をもっと前面に押し出してくれれば、ただでさえ散漫な話でも、もっと盛り上がったはずです。たとえば、男達が戦争に行ってる間に、コールドマウンテンで悪徳保安官ばりに振舞っているティーグ一派。彼らと住民達の相克をエイダ側の物語の基軸とすれば、観客はよりエイダの境遇に同情できたはずです。そしてラストでは、帰って来たインマンとティーグの対決という図式をもっと明確にしてくれれば、クライマックスはよりエモーショナルになったことでしょう。西部劇としては「許されざる者」を越えたかもしれません。しかしミンゲラはあくまで上質なドラマ作りにこだわったようで、泥臭い対決という図式は意識的に避けているようにさえ感じました。ただ話を客観的に振り返れば、映画全体における憎まれ役は間違いなくティーグであり、彼の印象をより強烈にし、彼を基準として登場人物や展開を配置すれば、話全体のインパクトもより上がったはずです。これは非常に残念ですね。演技のレベルはおおむね良好で、とくにナタリー・ポートマンは「こんなに演技力があったの?」とビックリするほどでしたが、主演2人が水準レベルだったのが残念。主演にも関わらずジュード・ロウの存在感は薄く、ニコール・キッドマンは同様の役を演じた「遥かなる大地へ」の方が印象的でした。父親役はドナルド・サザーランドでしたが、どうやったらドナルド・サザーランドからニコール・キッドマンが生まれるんでしょう?2ショットを見るたびに気になりました。6点(2004-11-24 01:11:47)

393.  アクシデンタル・スパイ 頼むぜジャッキー、いくらなんでもこれはヒドすぎるよ。全然面白くありません。やっぱりジャッキー映画の魅力はアクションとコメディーの軽快さにあるので、これみたいなヘビーかつ複雑なお話では完全に勢いが削がれてしまって、まったく盛り上がらないんです。イチゴ味のカレーって感じですね。とにかく話が暗すぎます。ヤク中のビビアンは勝手に死ぬし、後半のジャッキーは終始マジメな顔だし。しかもクライマックスは、本筋とは全然関係のないカーチェイスって。「ハリウッドではできないアクションを」って言うわりに、バリバリのハリウッド流アクションではないですか。しかも最後の大爆発って、周囲200メートルが火の海になるんじゃありませんでしたっけ?つまり中途半端・・・。クライマックスは、やっぱり敵キャラとさしで決着つけなきゃカンフー映画じゃないでしょ。そう考えると、ジャッキーの使い方は香港よりもハリウッドの方が心得ているようです。「ハリウッドではできない」ではなく「ハリウッドがさせてくれなかった」映画なんじゃないですかね。ただし最後のオチ。あんな騙され方をしたんでは、普通は切れるでしょ。しかし笑顔で「そうだったのかぁ」は、さすがはジャッキーです。2点(2004-11-22 19:07:42)

394.  MUSA-武士- 韓国映画のたぎるような熱いドラマは、時代劇でこそ真価を発揮するようです。とにかく燃えさせられましたとも。男達がやたらカッコよすぎです。槍の猛者ヨソルのクールさはアラゴルン、隊正チン・リプの老練なシブさはガンダルフ、そしてチェ・ジョン将軍はボロミアとして見ました。ボロミアに弱い私は、やっぱりチェ・ジョン将軍にもやられてしまったのです。家柄のおかげでえらいさんなだけの彼、最初はプライドばかりのイヤミなやつで、空回りばかりしている彼ですが、追いつめられてはじめて自分の無力さや愚かさと向かい合うわけです。そしてそこから一転、彼は仲間と力を合わせ、己が憧れていた真の武士として復活するのです。これぞ男のドラマではないですか!クライマックス、獅子奮迅の活躍を見せる彼にメインテーマが被さるシーンでは、もう立ち上がりそうなくらいに興奮しましたとも。「チェ・ジョン、あんたは本物の男だ。この男の復活記念日には、とにかく斬って斬って斬りまくれ!」ってなもんですよ。しかも、演じるチュ・ジンモが木村拓哉似の男前なのです。これまたやられましたね。その他、ホビットに相当する農民キャラたちにもちゃんと個性や見せ場が与えられてるのが立派です。しかも登場人物の個性というのが、旅の過程とともに明らかになっていくんです。やっぱりこれはキャラ造詣の巧みさだと思います。典型的なハリウッド映画のように「こいつはこんなやつ、あいつはあんなやつ」と最初に個性を明かし、その上でコマのようにキャラクターを配置する方法とは根本的に違うのです。おかげで、とくにヒネリのない、先が簡単に予測できてしまうストーリーラインの弱さも全然気になりません。しかし韓国の役者は、みんないい顔してますね。目とか表情にすごく力があって、本当に男前な人達なんです。日本の役者には見られないスゴ味があるのがうらやましい限りです。そんでまた悔しいのは、韓国にはこの「MUSA」、中国には「HERO」があるのに、一方日本はハリウッドに作ってもらった「ラスト・サムライ」ですからね。日本映画界はもうちょっとシャキっとしてくれないもんでしょうか。そういえば音楽の評判がよくないようですけど、私はあの独特な響きがすごくいいと思いますよ。って思ってると、音楽を担当したのはエヴァンゲリオンの人だったんですね。どうりであんな感じだったわけです。9点(2004-11-21 23:54:46)(良:1票)

395.  オールド・ボーイ(2003) 凄まじい勢いに包まれた映画で、「韓流恐るべし!」とおののいてしまいました。正直、私は韓国映画は苦手でした。「シュリ」「シルミド」などはドラマが異様にベタで、演技がどうにも暑苦しくて、「韓国人はド演歌が好きなのね」って思ってましたから。それで本作ですけど、ここで繰り広げられる人間ドラマは前述の2作以上、愛憎渦巻く復讐劇がテーマですから。しかしこの映画の語り口は完全に成熟しており、もはやド演歌では済まされないレベルに到達しています。監禁前のしがないオ・デスが、酔っ払って警察に拘置されるシーンから映画は始まりますが、ここからしてもう釘付けでした。チェ・ミンスクの素晴らしい演技はもちろんのこと、固定されたカメラがシーンの効果をさらに高めます。この冒頭ですでにオ・デスの人となりは十分に伝わってくるし、さらにこの後彼が監禁されることを知っている私達は、こんな彼が復讐の鬼に変貌していく運命の壮絶さを感じるわけです。その後も、基本的なプロットの面白さもさることながら、巧妙な語り口に参ってしまいます。壮絶なバイオレンスと、その間に挿入される冷めたユーモアのバランス。複雑なストーリーを、それぞれの場面に合った独特な見せ方で料理するアイデアの力。それでいて、そこいらのインディーズ映画のように「見て見て」と技巧のみがひとり歩きするわけではなく、あくまで真中にいるのはストーリーであり続けるわけです。まったく恐るべしですよ。そして、チェ・ミンスクの鬼気迫る演技が炸裂するラストにはもうやられまくりです。ハリウッドリメイクの話もあるようですが、あのラストの演技をできる役者がハリウッドにいるでしょうか?若い頃のデ・ニーロ、もしくは最近のショーン・ペン級でないと無理だと思います。そんな素晴らしい映画でしたが、最後の最後が不満でした。「そういう問題じゃないだろ」って感じです。8点(2004-11-18 23:12:04)(良:1票)

396.  ショウタイム なんと、DVD版はエディ・マーフィの吹き替えが下条アトムでした。かつてはエディといえば下條アトムの声でした。「エディ・マーフィのものまねやります」と言って、下条アトムのあのしゃべり方のマネをはじめる中学生も大勢いたほどメジャーだったあの吹き替えですが、最近では旧作ですらその組み合わせを見ることが少なくなってたところです。しかし、その素晴らしい組み合わせを21世紀になって突如見ることができるとは!感動しました。エディがしゃべり出すたびに爆笑してしまいました。下条アトムのあの心の入っていない、いかにも口先だけのしゃべり方が、エディのキャラに非常にマッチしているのです。その吹き替えのおかげか、今回のエディ・マーフィにはえらい笑わせてもらいました。カメラをチラチラ見ながら臭いセリフを言うシーンのヘタさ加減なんて、「エディ、やっぱりあんたはプロだぜ」と見直しましたよ。一方、デ・ニーロの演技とは思えないイヤそうな顔もさすがで、「さすがはアクターズ・スタジオ!」と見直しました。て、あれはリアルにイヤそうでしたけど。しかしまぁ、この映画は本当にふざけて作ったとしか思えない出来なのでいいんです。ウィリアム・シャトナーが出てきて、「あんな大根役者は見たことがない」とまで言うんですから。ホント、いかにもアメリカ人なおふざけなんですよ。敵のペラペラ加減にしたって「バッドボーイズ」を遥かに上回っており、添え物にすらなっていません。だいたいあんな特殊な銃を街中で撃ちまくっては、「私が犯人です」と言ってるようなもんです。そんな感じで、真剣に見てはいけないんですよ、これは。要するに、「リーサル・ウェポン」よりも「刑事ジョー ママにお手上げ」のつもりで見るべき映画なんです。そんな気持ちで採点をすると、下条アトム効果もあって7点を付けさせていただきます。7点(2004-11-18 22:05:58)(良:3票)

397.  ソウ 《ネタバレ》 《注意!ものすごくネタバレしています。結末を言ってしまってます。未見の方は決して読まないでください。後悔しても私の責任ではありません。》これはすげぇっス!予備知識もほとんどなしで何げなく見に行ったら、これが今年最大の拾い物でした。全編に渡る張り詰めた緊迫感がすさまじく、久々に躍動しまくってるサスペンスに出会いました。サスペンス映画ってのは基本的に「静」の展開をベースにしているものですが、この映画は徹底的に「動」。画面の展開がとかアクションがという意味ではなく、この映画は話が終始動き続けてるんです。次第にベールが剥がされていくような謎解きが全編に渡るのですが、その情報量の割りに破綻を招かない絶妙なテンポ、知らず知らずのうちに張り巡らされていく伏線の数々、そして至る驚愕のラスト。やってくれますよ。映画を見てて久々に「やられた」って思いました。さらに残虐描写が話の緊迫感をフォローし、恐るべき緊迫感を生み出します。スプラッターのキツさで言えば「ハンニバル」など言うに及ばず、「テキサス・チェーンソー」をも越えていると思います。そんな素晴らしい傑作なのですが、欲を言えばもっと登場人物の葛藤を描いてほしいかったです。なにせジグソウの狙いはそこにあった上に、結局この映画はジグソウの思惑通りの結末を迎えるわけですから、やっぱりそこはきちんと落とし前つけとくべきでしょ。主人公達が犯人に怒り、そこから自分の運命に絶望し、そして己の過ちを悔いる場面もきちんと見せてくれれば、ラストがさらに意味深いものになったと思います。それにしてもラストは悲惨でしたけど。妻と娘に危険が迫っていることを知り、ついにゴードンは家族の大切さを思い知るわけです。一方、何とか危険を脱した妻はゴードンの無事を確認するために電話をするのですが、ゴードンはそれを助けを求める電話だと勘違いし、自分の足首を切断してまで脱出を図るのです。しかし、恐らくゴードンを待っていたのは死でしょう。出血多量で死んだか(ワイヤーで死んだデブは脱出時の出血多量が死因とありましたから、それが伏線に当たると考えられます)、そうでなければジグソウに殺されたか。正しいことに目覚めた主人公が、その瞬間に死を迎えるだなんて、これほど悲惨な話はありません。9点(2004-11-05 01:06:10)(良:1票)

398.  ヘルボーイ 興業成績がかなり苦戦中のヘルボーイ。私が行った回の観客は10人でした。しかもオタクっぽい人ばかりで、「デモンズに襲われたらこいつらと戦うのかよ」と一瞬不安になりました。そんな感じであまり期待感の高まらない鑑賞だったわけですけど、見て納得。これがなかなかよかったんです。個人的にはスパイダーマンよりお気に入りです。要するにX-MENとMIBを足したような話なんですけど、とにかく各キャラの個性がよく出来てるんです。かっこつけたがりで、しかも片思いに悩んでるというヘルボーイはまさに中学生。悪魔のくせに、育ての親である博士を父さんと慕ってる人情家でもあるのです。その一方で腕力を誇示したふてぶてしさも持ち合わせており、そのおかげでX-MEN達のような辛気臭さがないのがいいですね。半魚人のくせに博学なエイブはモロ文科系、暴走するヘルボーイを「あいつはああいうやつだから」と見守るナイス相棒です。「フレンチ・コネクション」で言えばラッソーみたいな感じです(見た目もロイ・シャイダーみたいだし)。そしてナチス最強を誇ったクロエネンはクールな暗殺者。刀を振り回す立ち回りのかっこよさに参ってしまいました。「スターウォーズ」で言えばダースモールのポジションで、悪の軍団には欠かせない最強のナンバー2ですね。そんな感じでこれ以上ないほど素晴らしいキャラが準備されており、「このままいけばアメコミ映画の最高傑作になるぞ」と期待も膨らみました。しかし問題は後半でした。中盤で負傷したエイブは後半の決戦には参加せず、鳴り物入りで登場した炎の少女リズは結局その能力をほとんど使わず、あれだけ強かったクロエネンはえらいアッサリと倒され、1体倒すと2体に増殖するという脅威の化け物(名前忘れた)はそこそこ個体数を増やしてるはずなのに、肝心の後半にはほとんど登場せず、ラスプーチンの罠にはまってしまったヘルボーイは意外と簡単にジレンマを乗り越えてしまいます。後半はとにかく肩透かしの連続でした。それでもクライマックスにはラスボス=神様も登場しますが、ザ・グリード似の大袈裟なルックスのこの神様も、ヘルボーイによって案外簡単に倒されてしまいます。ブレイドを見た時と同じモヤモヤを感じてしまいました。これで後半が完璧だったら10点満点もありえた映画だけに残念です。キャラがよくできてるので、できれば続編を作って欲しいですね。8点(2004-10-28 00:57:26)(笑:1票)

399.  アイ,ロボット 「アニマトリックス」の「セカンド・ルネッサンス」と同じようなお話でした。思えば監督のアレックス・プロヤス、彼は黒コートでカンフーをきめ、2丁拳銃をアクロバティックに撃ちまくるというアクションスタイルを「クロウ飛翔伝説」で発明し、偽りの世界に救世主が現れるというSF物語を「ダークシティ」で見せましたが、それらの要素は「マトリックス」に完全移植され、しかもウォシャウスキー兄弟の手柄と見るのが定説のようになっています。そんな悲劇の人プロヤスが、「マトリックス」へのあてつけとして作ったようにも思えるのがこの映画です。話どころかビジュアルも「セカンド・ルネッサンス」に似ていること、要するにこれも救世主誕生の話であること、そしていつものプロヤスらしさがないことです。プロヤスは常に斬新なビジュアルを見せてきた人なのに、これには新しさがまったくありません。「マイノリティ・リポート」みたいな未来で「猿の惑星/征服」みたいな事件が起こる映画ですからね。ロボットの扱いは「AI」みたいだったし。プロヤスってことで期待した私はちょっとガッカリでした。しかしそんなサムシングを除いて見れば、映画自体はよく出来ていると思います。見せ場を詰め込むだけの普通の大作に終わらず、後半に向けてうまく話をまとめていくなぁって感心しましたから。ゴミの島に投棄された旧ザクみたいな連中が、「人間が危ない」とか言って律儀にもウィル・スミスを助けに出てきて、しかも新型によって無惨にも破壊されるシーンなんて、「AI」に出てきた気持ち悪いだけのロボット達より数千倍感情移入できました。博士を父と慕うサニーの男気にも燃えました。どうせならこれにロボット軍団VS警官隊とか、ロボット革命軍に大型作業ロボットも加勢とか、ウィル・スミスを筆頭としたサイボーグコップスの大暴れとか、考えうるやんちゃをもっとやってくれれば盛り上がったんですけどね。 7点(2004-10-25 23:25:06)(良:2票) 《改行有》

400.  インファナル・アフェア 主演2人が男前の笑い飯みたいでした。8点(2004-10-11 03:38:29)(笑:2票)

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