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381.  トゥモローランド 《ネタバレ》 「それ以上質問を続けると、シャットダウンする。」この遊び心が最高。 つまり観客に対して間接的に、つまらぬツッコミを入れるな、と。 コカ・コーラを2本飲み干したブリット・ロバートソンがゲップする瞬間に 手前にジョージ・クルーニーを配置して、改めて奥の彼女を画面に戻すタイミングやら、 彼女がエッフェル塔展望台で当直員を昏倒させて「human!」とやるショットの縦構図やら、 暴力描写や罵り言葉を、コードギリギリを狙ってかわしていくしたたかさやら、 人物の動かし方、構図取り、対話劇がアップテンポの中で手際よく決まっている。 ひたすら彼女をアクティブに動かす演出が奏功して、キュートなヒロイン像となっている。 格闘アクションでの割すぎないカッティング、高空からの落下と着地を全身像のアクションで捉えていく運動感覚は アニメーション出身監督ならではだ。 のみならず、光の扱い、夜の闇の活かし方も『アイアン・ジャイアント』の監督だけに巧い。 ビジョンの交錯は夜と昼の中で為され、ロケットの出発の光は夜間に煌き、 中盤のジョージ・クルーニーの表情は、あえて逆光の影の中に捉えられている。 ゆえに、ブラッド・バードは実写でも十分に通用している。 (ラフィー・キャシディーとの交流も、どこか『アイアン・ジャイアント』と響きあう。)[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2015-07-03 22:44:10)《改行有》

382.  ストレイヤーズ・クロニクル 《ネタバレ》 序盤のアクションがとりあえず面白く、どう転がるか解らぬ ストーリーで何とかもたせる感じだが、 述懐シーン、気絶シーンの度に流れが淀む。 ほぼ全編が愁嘆場の釣瓶打ちみたいなもので、 特に後半は次々とこときれる登場人物達の遺言ショーの趣で、辛気臭い。 主人公の反逆も、まず台詞ではなく行動から入って欲しい。 折角の廃墟のロケーションならもっとその空間や構造を巧く使って欲しいし、 折角の(押井守風)夜の水路も不発だ。 意味不明の挿入歌もただ煩い。[映画館(邦画)] 4点(2015-06-28 16:00:54)《改行有》

383.  トイレのピエタ 《ネタバレ》 口跡の良さで女優を選ぶ、と語ったのは鈴木則文監督だが、 本作での杉咲花もその声の響きが何よりの特長で、 病院での出のショット、同じくラストでの登場もまずオフからの 彼女の甲高い声が画面に響く。 走り、泳ぎ、自転車を漕ぐ彼女の躍動的なフォーム、 病んだ男たちの泳ぐ視線とは対照的に真っ直ぐ覗き込むような眼にも力がある。 野田洋次郎とリリー・フランキーが語り合う、 白シーツ揺らめく病院屋上シーンの曇天は狙ったものか、たまたまか。 いずれにしてもそうした天候のメリハリも、杉咲とのプールシーンや田舎のシーンの晴天と風を際立たせるのだが、 ここでの野田のアップと涙のショットや、宮沢りえの台詞過剰は、 やはり甘いのではないかと思う。 リリー・フランキーの撮った動画映像も、主人公の死後にだけ見せる形にしたほうがすっきりして より効果的だったのではないか。[映画館(邦画)] 7点(2015-06-25 23:58:08)《改行有》

384.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 なぜ『2』かといえば、それが最も『駅馬車』的、即ち最も西部劇的だからだろうか。 近未来ものでありながら、狼煙としての発煙弾、砂嵐や土埃、 塩湖や奇岩や峡谷のスペクタクル、投擲と銃砲による襲撃などなど、 原初的でアナログな西部劇の風情が新鮮な魅力となっている。 (ついでにブルーの『アメリカの夜』(day for night)の魅力も加えておこう。) 原初的というなら、一台のビークルの構造をとことん使いこなし車上を動き回るアクションや、 メカニックを自壊させていくアナーキーぶりは『キートンの大列車追跡』や『マルクスの二挺拳銃』に遡ってもいい。 竿の反動を使った良きアナクロアクションなどは特に楽しい。 序盤の残念なコマ落としアクションではこの先どうなるかと不安になったが。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-06-24 23:58:09)《改行有》

385.  動くな、死ね、甦れ! 《ネタバレ》 映画の終盤近く、強盗団から逃れた少年と少女が束の間の休息をとっている。 そのままクレーンのカメラが昇っていくと、 晴天なのか曇天なのか白い空に黒々とした木の枝が映し出される。 この後、二人は機関車に乗って晴れて故郷へと向かうのだが、 その長閑で爽快なはずの空と木の図象は、白地に黒い亀裂が入っていくような、 何やら不穏で禍々しいものとしても迫ってくる。 果たしてその予兆通り、乾いた悲劇が二人を待ち受けるのだが、 それが暗示を意図したショットであるのかどうかは定かでない。 ともあれ、こうしたモノクロの優位を活かした画面造形の妙は全編に見られる。 雪や吐息・湯気・子豚の白、機関車や泥土の黒。 手持ちとロケーションを主体としながら、計算されたかのように それら白と黒が絶妙に配置されており、 さらにその中に様々なアクションと音楽性が組み込まれる様は何度みても驚異だ。[DVD(字幕)] 9点(2015-06-23 00:54:17)《改行有》

386.  愛を積むひと 《ネタバレ》 同じ北海道でも、函館などの道南地区と美瑛などの道央地区では スクリーンイメージは大きく違う。 特にこの道央が舞台となると、ただただ自然の美観と悠々自適の快適ライフばかりが アピールされて生活感覚を欠いた映画が最近は多く、この映画も例外ではないのだが その景観の魅力は端正で安定感のある撮影でよく撮れている。 物語の大筋も感傷的でウエットなものだが、柄本明のユーモアと杉咲花の快活さが 随所でうまく補っている。 吹雪の夜のシーンで、自然な流れで佐藤浩市に娘のアルバムを持ち出させる契機とする 柄本の起用法など巧みだと思う。 樋口可南子を失った後の佐藤の暮らしぶりの変化を、トイレや鏡の描写で さりげなく示す演出や、野村周平の保釈後の流れなどなど、 台詞をかなり削ぎ落としているのもいい。 のだが、それらの寡黙なシーンになるとすかさず岩代太郎の雄弁な劇伴が ご親切にお世話してくれてしまう。勘弁して欲しい。[映画館(邦画)] 6点(2015-06-21 20:17:05)《改行有》

387.  ピッチ・パーフェクト 《ネタバレ》 実質的ライバルはただの一チーム。 そもそも何チームが出場していて、どれだけの難関コンテストなのやら。 リーダー、異性、父親との確執・和解の薄っぺらいドラマも ただただ尺伸ばしにとってつけたよう。 『友情・努力・勝利』なる、漫画誌の三原則を映画に当てはめるのもなんだが、 友情も努力もない、アカペラパフォーマンスそれだけというこの映画のドラマは実に貧相だ。 その肝心のステージシーンのショット構成もただせわしない。 後ろから前から、下手なアクション映画のように目まぐるしくポジションを変えまくる。 歌唱と身体パフォーマンスの映画で、バストショットばかりというのも致命的欠陥だろう。[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2015-06-20 16:18:28)《改行有》

388.  海街diary 《ネタバレ》 高台からの眺望や、二階窓からの梅の木、花火、ちくわカレーや生しらす丼など、 対話の中に出てきた対象を続くショットで直接的に誇示するといった事をせず、 あくまでそれを見る姉妹、それを美味しそうに食する姉妹の姿を中心に ショットを構成する。 いわゆる「素晴らしい景色」、「美味しそうな料理」をどう映画表現するか、の慎ましい工夫がある。 彼女らの生い立ちはフラッシュバックの類を一切用いることなく、 あくまで今現在の言動、家屋の美術、小道具、衣装による性格付けで以て語る。 (釣竿振りは『父ありき』か。) これも、いわゆる「つらい過去」をどう映画として現前させるか、の工夫だ。 それぞれロケーションには緩急様々な勾配が施されて、豊かな画面をつくる。 花びら舞う桜並木のトンネルを抜けていく広瀬すずの官能的な表情。 こんなショットも撮るんだ、と少し驚く。[映画館(邦画)] 8点(2015-06-19 16:57:56)《改行有》

389.  チェチェンへ アレクサンドラの旅 装甲車内で静かに銃を構えるガリーナ・ヴィシネフスカヤ。 マーケットで、値段を聞く彼女を無言で睨む青年。 そのような、寡黙さの中にさりげない凄味を秘めた眼のショットの数々があって シンプルな物語にすんなり収まらない引っ掛かりを残していく。 一方では、駐屯地の宿舎で彼女に振舞われるそば粥やサラダに添えられた 花瓶の花もまた、映画に慎ましく美しい印象を付与する。 乾いた昼間シーンから一転、夜間シーンの湿った幻想性がソクーロフらしい。[DVD(字幕)] 7点(2015-06-16 00:06:12)《改行有》

390.  メイズ・ランナー 映画は暗闇の中に響く機械音で始まる。 視界の制限された舞台で、人物達がオフからの音を聞きつけることを契機に 場の状況が変化していくシーンが多い。 彼らは塀の奥から聞こえてくる音響に恐怖し、 発信音のテンポの変化を頼りに脱出口を探す。 ここでは音響が映画のサスペンスを高める要素となるわけだから、 その演出にはもっとデリカシーが欲しい。 前半に少なくとも二箇所、SEに余計なBGMを重ねて 却って音のサスペンスを損ねているところがある。 画面的には、開閉装置の映画であるから迷路のシーンにはそれだけで ある程度の奥行きと立体性は保証されるだろう。 もっとアクションの見せ方には工夫が欲しいが。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-06-14 22:22:50)《改行有》

391.  予告犯 《ネタバレ》 中盤の、路地裏から用水路へ至る追走劇などが映画ならではの ロケーションと走りのアクションで頑張っている。 生田斗真を追って水路に入ろうとする戸田恵梨香が一瞬のためらいを 見せる。その引っ掛りのショットは、別箇所の周到な台詞の伏線とも リンクしながら後の彼女の「水面」のフラッシュバックへと繋がっていくわけだが、 その彼女の生い立ちを仄めかす回想も橋と少女とランドセルの落書きのショットで示唆するという、 寡黙で簡潔な語りが実にスマートだ。 動機や説明や回想の類をどうしても必要とする物語だが、後半もさほど失速させずに2時間におさめられた のは、そうした過不足ない語りの聡明さにもよる。 投棄現場詰所の蒼い光の中、抱く・抱かれる「友達」二人のショットも 十分に説得的で感動的だ。 ネットを始めとするメディア画面も『白雪姫殺人事件』よりも 熟れてきた感じで、携帯端末画面の有効な使い方も巧い。 荒川良々の反則的な涙にも癪だがやられた。[映画館(邦画)] 7点(2015-06-07 19:46:25)《改行有》

392.  香も高きケンタッキー 《ネタバレ》 背後から父親(ヘンリー・B・ウォルソール)の目隠しをする娘(ウィンストン・ミラー)。 手と手が触れ合い、静かな沈黙の時間が流れる。 その手の感触で、それが長く別れて暮らしていた娘であることを父は悟る。 別離と再会のドラマ自体もそうだが、触れ合う指先が喚起する情緒という細部の モチーフからしても、なるほどこれはスピルバーグ『戦火の馬』のルーツだ。 離れ離れとなっていたかつての主人であることに馬(フューチャー)が気づくのも、自分に触れる手の感触によってだ。 前足の蹄を鳴らして何とか気づいてもらおうとする彼女の身振りが何ともいじらしい。 牧場を、競馬場を、自動車で混み合う街路を、疾走する馬の猛々しく美しい躍動感が 望遠や縦移動によって余すところなく捉えられていているのは勿論、 再会した母馬と娘馬が躰を寄せ合って喜び合うショットでは、 その身体表現の素朴な豊かさによって、立派に主役を張っている。 発砲の瞬間、厩舎の影から流れ出る白煙。競馬場の歓声。殴り合いの喧嘩に、乱れ飛ぶ白い皿。 音を意識させる演出やユーモアの数々によって、映画は賑やかで楽しい。 タキシードを着たJ・ファレル・マクドナルドが茶目っ気一杯の仕草で記念写真に収まり、 騎手の息子と恋仲になった娘が仲睦まじくツーショットを決める大団円は幸せ一杯で 屈託が無く、実に気持ちいい。[映画館(字幕)] 9点(2015-06-03 01:10:43)《改行有》

393.  夫婦フーフー日記 《ネタバレ》 『婚前特急』が悪くなかったので観てみたが、開始10分くらいで出たくなる ひどい映画だった。 がさつで可愛げのない永作博美のキャラクターはそれが美点に転化することはなく、 最後まで情が移ることがないのは撮影の巧拙の問題だけではない。 ハンバーガーを頬張る表情に何やら過剰に思い入れているようだが、 作り手の一部だけの自己満足のようにみえる。 はっきり云って、どうでもいい。 佐々木蔵之助に号泣芝居をさせれば、もらい泣きでも頂戴できると目論んだか。 はっきり云って、下品である。 シックス・センスがどうとか、固有名詞を羅列したボケ・ツッコミの 対話もことごとくつまらない上に、幽霊的存在の表象にもまるで工夫が みられない。 現在の二人が過去の場に立ち会うだの、時制弄りだの、 手垢のついた設定は無意味で退屈の極みである。 運動論的に云えば、看病や仕事や育児や執筆で悪戦苦闘する様を具体的に描写するのが 映画化の意義だろうに、どれもこれも中途半端で、 特に子供に関しては育児放棄の印象しかない。 移動は高速バスに揺られているだけ。 最後にとりあえず少しだけ走らせてみました、というのがまた生ぬるい。 結局、45分のテレビで済むオハナシに過ぎない。[映画館(邦画)] 2点(2015-05-31 21:30:07)《改行有》

394.  ブラックハット 『ラスト・オブ・モヒカン』のオーディオコメンタリーでマイケル・マン監督が 披露する時代考証の知識には圧倒される。 『コラテラル』のコメンタリーで雄弁に語るキャラクター設定の緻密さにもまた 感心させられる。 この作品についても、ハッキングに関する綿密で膨大なリサーチが為されたはずだろうし、 主役脇役問わず各人物の背景や生い立ちまで詳細に設定されていることだろう。 それらはこれ見よがしにひけらかされることなく、 各人なりの明確な原理と裏付け・信念が、即物的な行動のみの描写となって 画面に載せられていく。 いきなり幼少時代に遡って主役の人物背景を説明し始まった『アメリカン・スナイパー』とは 大きな違いだ。 クリス・ヘムズワースが、『ラッシュ』に続き、男の色気があっていい。 うなじや二の腕を映し出しながらタン・ウェイにいまいち官能性が薄いのが マイケル・マンたる所以か。それとも機動性・高解像度と引換えに光量不足を露呈してしまう デジタルカメラの弱みゆえか。 夜明けの航空機内、復讐に向かう二人は抱き合い、カメラと共に共振する。 ここからラストに至るまで、さらなる台詞の削ぎ落としは見事の一語。[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2015-05-29 23:54:55)《改行有》

395.  イニシエーション・ラブ 《ネタバレ》 おそらく夏頃中心の撮影だったのだろう。 俳優のスケジュールの都合もあるだろうから仕方ないにしても、 完全に落葉しているはずの時期の場面にイチョウが紅葉していたりと 冬の場面の撮影にどうしても違和感が強い。 本作の場合、月日の設定は重要な要素なのだから季節感の演出には もう少し気を遣って欲しい。仮にも恋愛ものでもあるのだから。 季語に当たるショットを後から少し撮り足すだけでも違うだろうに。 騙しの伏線張りに手一杯の作り手にそこまで望んでも仕方ないが。 映画の中盤、産婦人科から出てきた前田敦子を松田翔太が迎えるシーンに吹く 風と木漏れ日がようやく映画らしさを伝えるのだが、同時にここでようやく この映画がシネスコサイズだったことに気づかされる画面の貧しさも何ともはや。 原作由来とはいえ、往時のヒット曲垂れ流しも風俗アイテム羅列も ただたださもしく見えてしまう。[映画館(邦画)] 3点(2015-05-26 21:29:17)《改行有》

396.  龍三と七人の子分たち 《ネタバレ》 玄関先で木刀振りする藤竜也を覗き見していた子供達が一目散に画面右手の登り坂を 駆け上がっていくのを追いかけるカメラとか。 その逆に、門を出て左手に下っていく車を追いかけるカメラとか。 従来のスタイルならそういったものには無頓着にカメラを引いて固定したまま 構図を維持したはずだと思うのだが、 そうした些細ではあるが意図を量りかねるカメラの動きが多々あって少し戸惑わせる。 その屈託の無い目移りぶりが逆に作品の緩さらしきものになっているともいえるか。 競馬場でのギャグなども、『菊次郎の夏』の競輪場で繰り広げられたそれの釣瓶打ち と比べるといかにも緩い。 かと思えば、小気味良い台詞廻しとカッティングの合わせ技も随所で垣間見せ、 遊戯感覚溢れる逸脱と変転によって結果的に程よい弛緩と緊張を維持している。[映画館(邦画)] 6点(2015-05-26 00:01:37)《改行有》

397.  セッション 《ネタバレ》 奏者をコンダクトするJ・K・シモンズの顔面と手の連動ぶりは 舞踊のごとく、その静と動のメリハリは確かに視覚的快感すら催す。 その凄みとパワー故か、主人公であるマイルズ・テラー共々 クロースアップ主体のフレームサイズでバランスを取らざるを得なく なったようでもある。 様々な対話シーンも台詞やショットの間合いを極力詰めてリズムと テンポを作っているが、顔面アップ中心となるのはやはり気に掛かる。 ラストの檜舞台もそれが復讐の場ならば尚の事、晒し者にされる主人公と 聴衆達とのスケール比較をフレーミングで際立たせる等のひと工夫が欲しい。 主人公の憧れの場がこじんまりとしていては、彼の屈辱感が伝わらない。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-05-24 08:58:24)《改行有》

398.  ラン・オールナイト 《ネタバレ》 一筋縄ではいかない両儀的なキャラクター同士の取り返しのつかない対決。 遠方に雷光が走る繁華街の夜景や、黒・青・白を基調とした操車場の硬質なロケーション、 走る車窓を滲ませる夜の雨などとともに、結部を冒頭に持ってきて回想形式で語る ノワールスタイルが運命論的な憂愁を終始纏いつかせる。 逆にそうした不穏感の持続が、エド・ハリスとの対決シーン以降の顛末を 間延びさせてしまった感もあるのだが。 階段といい、煙草や鏡などの小道具の用法といい、監督は案外ワイルダー好きだろうか。 お遊びのような移動空撮、スロー弾丸などはいい加減やめて欲しいし、 細切れ編集の格闘アクションは、『セブンス・コード』の前田敦子にも負けている。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-05-23 23:42:14)《改行有》

399.  博士と彼女のセオリー 《ネタバレ》 BBC版『ホーキング』が学究的な側面に焦点を当てているのに対し、 こちらはその『ホーキング』がラストで字幕として簡潔にふれた 恋愛部分が主となっており、ジェーン側の視点が強調される。 スティーブン博士の学究のモティーフでもある逆回転も レコード盤、車輪、コーヒー、手を繋いでのダンスと様々な媒体で登場させながら ラストに集約していくわけだが 作り手は実に実に善良で、存命中の各登場人物に対するアプローチは当然ながら ひたすら八方美人である。 この気配り具合ならばモデルも当然その無難な内容に満足するだろうが、それは必ずしも 映画の良さを保障はしない。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2015-05-18 23:58:44)《改行有》

400.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 ビル群を遠景に、英語の格変化を暗唱しながら夕暮れの土手を自転車で走る有村架純を追う横移動。 こういうエモーショナルなロングショットをもっと見せて欲しい。 家の廊下の壁に大量に貼られた学習メモと、それを見つめる田中哲司。 辞書を引きつつ机にかじりついて筆記する有村の後ろ姿。 映画はヒロインらの情緒過多な表情アップに偏り気味だが、そういった顔面に頼らない ショットでもっとドラマを語れないものか。 ハイタッチやおんぶなど、スキンシップもいろいろと採り入れてはいるのだから、 ラストの手紙のやりとりといった言語的なくどいコミュニケーションも少し控えて欲しい。 ラストの新幹線は、冒頭と中盤の憧憬を語るシーンから繋がるはずだが、 これも効果的な見せ方になっていない。 父母らの芝居もまた情緒過多で、 おまけにBGMのタイミングもショットも台詞もテレビドラマなのだが、一方で その臆面の無い割り切りぶりがピュアすぎるヒロインを始めとするキャラクター像を 鮮明に形作って心地よかったりもする。[映画館(邦画)] 5点(2015-05-15 22:09:17)《改行有》

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