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381.  幻魔大戦 《ネタバレ》 原作の壮大な設定、展開は文句なく魅力的で傑作レベル。コンセプトは信頼と愛こそが力の源であり、それこそが破壊エネルギーを倒せる唯一の力であるということ。それを一本の映画に収めるには物語を再構成する必要がある。超能力戦士が集合して幻魔と対戦するのだから、各戦士にそれなりの時間を割く必要がある。しかし本作では丈の超能力覚醒場面が長すぎてバランスが悪くなっている。各戦士の能力にさほど差はなく、ザコキャラ扱いになってしまっているのは残念。丈を中心に描くにしても、姉との関わりで、愛こそが超能力の源であることを知ることを示せば、他はもっと簡略して良いだろう。そうすればあちこちでみられる停滞感が薄まり、スピード感が生まれだろう。 ◆幻魔は宇宙のあらゆるものを破壊させる巨大な存在。それにしては幻魔の力の強大さが描けていない。最大の見せどころであるはずの最後の戦いがちゃちい。噴火する富士山で、みんなで力を合わせて「絶対零度」で終了……。そんな弱いはずがないではないか。そもそも地球人が力を合わせて何とかなる存在じゃない。そこには宇宙意識フロイやサイボーグ・ベガの仲間も加わった戦いが展開されるべきだ。つまるところ、戦闘に工夫が欲しい。 ◆そもそも幻魔の手下がいかにも小粒だし、数も少ない。もっと強そうなものを用意しないと竜頭蛇尾の印象をぬぐえない。アメリカの都市や東京が消滅するが、その見せどころのはずの「消滅」部分が背景画で処理しているだけなので、臨場感が伝わらない。明らかな「手抜き」である。それに丈以外の超能力戦士達に心の余裕がありすぎるのも問題。もっと切羽詰まった展開、表情を見せないと地球消滅の緊張感が伝わらないだろう。「レッスン1」とかは、そぐわないのでやめろ。それをするなら壮絶な修行・修練場面を用意した方がよい。 ◆石ノ森章太郎は、敬慕する姉を亡くしており、その姉をモデルとした「姉さん」が登場する。最大の理解者であった姉を失った喪失感、しかも映画を観ていて、その死に立ち会っていなかったことへの罪悪感は、その後何年も石ノ森を憔悴させ、苦しめることになる。しかし年を追うにつれて喪失感や罪悪感は薄まり、本作品では、姉は残留思念となって弟を守ってくれる崇高な存在にまで昇華されている。石ノ森にとって感慨深い作品であるのに違いない。そういう意味で、大友キャラではなく、石ノ森キャラで観たかった。 [DVD(邦画)] 6点(2011-05-09 17:23:17)《改行有》

382.  AKIRA(1988) 《ネタバレ》 原作をなぞるのではなく、映画のために再構成したのは評価できる。それでも余分な部分があり、必要以上に複雑な印象が残る。例えば、大佐のクーデター、新興宗教、根津などは不要だろう。逆に、最高幹部会、反政府革命分子等の説明不足。つまり世界観をより充実させ、鉄男と覚醒者、金田とケイに話を集中すべきだった。◆物語の核となるのは、人間の秘めた力と進化。人間内部には、アメーバーから人間へと進化させた未知の力が働いており、核兵器にも匹敵する爆発的なエネルギーを宿しているという。だが肝心なその部分の掘り下げが浅く、説明不足は否めない。ハードSFとしては成立せず、単なる超能力同志の喧嘩で終わっている印象。科学の暴走はありがちなテーマだが、この部分でも踏み込みが足りない。科学の暴走を徹底的に批判する人物をだし、対比させればよかった。 ◆鉄男が覚醒してゆく様子や抑圧された精神と苦悩は丁寧に描かれており、評価できる。欲望のままに新能力を使うとろくなことにならないということ。 ◆最大の問題点は、血と内臓の露出過多、つまりグロ。意味なく人が死ぬ事。つまり残虐描写が多く、観客を選んでしまう。興行成績不振の理由はここ。バイク疾走シーンの滑らかな動きは秀逸で、細部にわたる描きこみがあるのに残念。 【疑問点】 ①第三次世界大戦と新型核爆弾とアキラの関係が不明確。 ②標本のアキラなら何故あんなに恐れる?アキラの覚醒とその後の挿話がない。生きたアキラが登場しないのは最大の失望点。結局アキラは再生して再覚醒し大エネルギーを発するのだから、眠っているアキラでよかったはず。ここでもグロの悪い方へ向かってしまった。 ③金田は孤児で貧乏な学生なのに何故あんな最新鋭の特殊バイクを持っている? ④冒頭、金田が店を出るときCDをかけるが、聞かないのに何故? ⑤暴走族が手榴弾?やりすぎでしょ。 ⑥老人少年は何故成長がとまり、顔の老化が速いのか?声は子供だが、実年齢は40歳くらいのはず。 ⑦老人少年が逃げ出した理由は?空を飛べる能力を何故使わない。反政府勢力が彼を連れ出した意図も不明確。 ⑧ヒロインに魅力なし。不美人で、声はおばさんで、人殺し。恋愛ものとしては失格。 ⑨3人の覚醒者は自らを犠牲にしてまで金田がアキラに取り込まれるのを助けたのか?「だってあの人は関係ないもの」と説明しているが、カオリなど他の犠牲者との違いは何だったのか。[DVD(邦画)] 7点(2011-05-07 00:00:58)《改行有》

383.  刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM> 《ネタバレ》 犯人に高い知性が感じられない。いつもおどおど、いらいら。こんな犯人なら捜査はラクだ。脚本も穴が多い。 ・犯人は奥さんが死んだのを確認しない。初歩の初歩でしょうよ。それに背後から絞殺というのも解せない。 ・遺体は翌日メイドが発見したはず。重要参考人なのに全く登場しない。 ・愛人と打ち合わせをしてあるにも関わらず、前日のパーティの夜に愛人の家に密会するのは合点がいかない。電話の記録を調べられれば愛人関係がばればれ。 ・犯人は奥さんにいきなり翌日の海外旅行を持ち出すが、普通は簡単に承諾するとは思えない。もっと計画的にしなさい。 ・妻が自宅で殺されたとしたら、先ずは夫が疑われる。離婚話が出ていたのならなおさら。通り魔の仕業と思われる犯行場所を選びなさい。 ・想定の犯人の侵入口はどこから?高層マンションだよね。 ・殺人未遂事件なのに、殺人課の刑事が調べてる。 ・コロンボは犯人が旅行から家に帰ったときに無言だったのが不審と主張するが、不審とは思えない。それをいうなら一度も電話してないことを指摘すべきだろう。喧嘩していても、いつ帰るかぐらいは電話する。 ・飛行機の喧嘩によるアリバイ作りだけど、愛人が若すぎてバレバレでしょ。スチュワーデスに何歳くらいでしたかと聞けばすぐわかる。それにパスポートの写真と会わないはず。監視カメラもあると思うけど。それに奥さんは友人に旅行をとても楽しみにしていると話しているので、喧嘩別れは整合がとれない。 ・宝石や銀の燭台を大量に持ち出しているけど、入国検査でひっかかるのでは?宝石は捨てずに燭台は売ればよかった。別のものを盗品申告すればバレないのだから。 ・愛人は大部屋女優なのに高台の豪華な一軒家に住んでる。 ・俺が犯人だと名乗り出た男の取り調べに、真犯人が同席するのはどうしてもおかしい。 ・最後の告白だけど。犯人が「愛人のことを愛していた」と言ったらどうなった?コロンボがそこまで読んでたのかな。それに警察と愛人が死んだ芝居をするなんて、違法捜査でしょ。それに犯人が現地にいかなければどうしたの?ワナとしてはうまくない。警察がそんなことしちゃだめでしょ。推理で勝負すべき。 [DVD(吹替)] 6点(2011-04-16 13:20:59)《改行有》

384.  酔いどれ天使 《ネタバレ》 刑務所帰りのやくざ岡田のキャラが中途半端。怖さや凄みが感じられない。ギターを上手に弾いたりさせるからだ。悲劇を盛り上げるためには岡田を冷徹な敵役にする必要があった。 ◆舎弟の松永は岡田を殺しに行ったが、動機が釈然としない。親分が松永の縄張りを岡田のものにしたのが原因だ。だが松永の病気の体では土台やくざ稼業は無理だ。それに恨むなら親分を恨むべきだ。ここは岡田に悪逆非道の振る舞いをさせて、正義感に芽生えた松永が岡田を諭しに向かい、勢いで殺し合いになるという展開にすべきだった。それなら松永に同情できるし、収まりが良い。 ◆眞田医師のキャラは個性が強く、良くできている。酔いどれ天使を自称。正義感が強い。病気を憎み、悪を憎み、悪を作り出す環境を憎む。一方で若いころ放蕩したことへの自責の念が強く、お酒が手放せない。松永と似たもの同志だ。だから同情も反発も強い。 ◆一方松永の掘り下げが弱い。生い立ちややくざになった経緯を示すべきだろう。しんみりと過去の境遇を漏らす場面があってしかるべきだった。どうしてあんなに退廃的で、死に急ぐ生き方をするのだろう。居酒屋の女との関係も描けていない。女はどうして松永に優しくするのか。どういう関係であったのか。描きこみが足りない。松永にはっきり足を洗って、田舎に引き籠ると言わせればよかった。どうでないので、ラストシーンで悲しくならない。悲劇になりきっていない。 ◆松永と好対照の女子高生を出したのは良かった。松永の生き方が浮き彫りになる。ただあんな病院で結核が治るかどうか疑問である。レントゲンもないのだから。 ◆中途半端な内容になってしまったのは、脚本の植草圭之助とそりが合わなかったからだろう。黒沢は徹底したやくざ嫌い。一方植草はやくざに同情的で、環境が悪いのであり、本人ばかりの責任では無いと主張。植草は幼馴染で大の親友なので切ることはできなかった。やくざの愚かさ、怖さ、苦悩といったものが全く伝わらない平凡な作品になっている。 ◆感心したのは最後の殺し合いの演出。松永が飛び込む。誰もいない廊下。女が逃げ出してくる。三面鏡に移る松永の姿。恐怖にゆがむ岡田の顔のアップ。構図が次から次への決まる。音楽を廃し、時が止まったような印象を与える。黒澤監督の初めての芸術的な演出と思う。夢のシーンも超現実的で印象深い。[ビデオ(邦画)] 6点(2011-03-06 07:17:39)《改行有》

385.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 【世界観】納得できない点が多数。世界観が分りづらい。人類に生殖能力がなくなったらしいが、どうして英国以外の国は崩壊してしまったのか。作物が収穫できなくなったわけでもないのに。まさか民衆が絶望して暴動を起こしたのか。何の目的で?主人公の勤めている官庁ではネットがあるが、どうして一般社会で情報(ヒューマン・プロジェクトなど)が伝わらないのか?ケータイは無いのか?反政府組織は、政府が難民を受け入れないのに反対しているだけなのか。どうして一般市民を爆弾テロに巻き込んで殺すのか?それでいてボスであるジュリアンは、平和主義的すぎるという理由で仲間から殺される。 【不妊】人類が同時に不妊になる筈が無い。ウイルスであれ、放射能であれ、影響の及ばない地域がある。あり得ない設定にするのなら、それらしき理由を提示せよ。人類は全力を上げてその原因を追究した筈である。クローン技術はどうした? 【赤ん坊】あんな簡単に赤ん坊は産めないと思うけど。18年ぶりの赤ん坊は人類の宝物。全女性不妊の原因解析にもなるだろう。主人公ファロンは、従兄弟が政府高官という強力なバックグランドがある。実際に通行証も入手している。どうして政府に保護を求めないのか?電話一本で済む話じゃないか。危険を冒してまで、実態も知らない組織に渡す理由が無い。マスコミに知らせるという方法もある。◆反政府主義者はどうして妊娠中のキーの乗っている車を襲ったのか?ジュリアンをを殺すのならいつでもチャンスはある。そもそも彼らはどう利用しようというのか?◆赤ん坊を見て感動を露わにしていた兵士たち。どうして赤ん坊を保護しないのか。最重要任務じゃないか。感動は嘘だったのか。赤ん坊の父親は無視で良いのか。父親も人類にとって重要なのだが。 【カメラ】長回しの失敗例。俳優の横に、こうカメラマンが立って、次はこう向きを変えた、とかが分ってしまうので映画に集中できない。カメラは神の目線なのに、血糊が付くのはおかしい。 【人物】魅力的な人がいない。主人公はいつもおろおろするだけ。元妻はすぐ死ぬ。黒人娘は無愛想。全く母親らしく無い。母性が無いのだ。活躍したおばちゃんは英語がしゃべれない。興行的には失敗で、制作費も回収できなかった点もうなづける。リアルな戦闘シーンだけが見どころ。ジョンレノンに似たおじさんや、ジョンの母ジュリアンの名を何故出すの?リスペクト?[DVD(字幕)] 6点(2011-02-19 18:16:14)(良:1票) 《改行有》

386.  ペイチェック 消された記憶 《ネタバレ》 マイケルは(M)パクリの天才技術者。新3Dディスプレイもたった2か月で完成。機密保持のため開発期間の記憶は消される。そこまでする必要があるか甚だ疑問。◆Mはオールコム(O)社との3年契約の仕事を受諾。誰でも躊躇、リスクが大きく、内容も知らない。動機は金。これでは主人公に感情移入できない。◆Mは未来を見れる装置”未来ビュー”を開発。未来では、未来ビュー発明の影響で戦争が勃発し、核戦争が勃発していた。Mはウイルスで未来ビューを機能不全に。◆Mは記憶を消されるが、それなら自分宛のメッセージを密かに送っておけばよい。例えば切手に暗号化した情報(メモやアイテムの使用方法)を付加しておくとか。恋人に頼むとか。意味不明のアイテムを自分に送っても用をなさないリスクがある。◆刑事がMの煙草を吸うのは偶然。この場面をMが未来ビューで見た筈がない。未来を知ってからアイテムを用意したのだから。煙の中で特殊眼鏡を着用するが、どうしてそれに気づくのか?記憶は無いのだ。メモの数字とロトが一致するのを知るもの偶然。外部とは接触不可なのにエジソン社の鍵を入手している。◆原作ではアイテムは7つ。未来を見て、未来から物質移動させてきたものと説明だ。会社は悪く無く、開発目的は圧制に苦しむ民衆を支援するもの。Mも機械を破壊はせず、会社の経営に参画する。◆途中までアイテムを使ったサバイバル頭脳戦だったのに、アクションになり、最後は機械を爆発させるだけという単純な結末に脱力。だったら最初から爆発するように仕掛けておきなさい。流れも悪い。命がけでO社に侵入したのに、未来ビューのウイルスを除去して自分の未来を見るなんて流暢なことするな。時間が無い。またそのような危険な場所に恋人を連れてゆくな。それに記憶がないので恋人は赤の他人としか見えないはずだが。敵子分もMを追わず自分の未来見てるし。◆未来社会のはずなのにビルや車など現代社会そのもの。「マイノリティ・リポート」に較べるとB級。◆O社の見たMの未来はこうだ。MはFBIに拘束される。それはMの提出した特許(実はO社が勝手に提出)がデッカーの技術を応用したものだったから。残った記憶を調べるめに脳内を操作され脳温上昇で死亡。一方Mの見た未来は、O社で銃で撃たれるというもの。矛盾がある。◆設定は魅力的だが、内容が薄っぺらで、人類を大惨事から救ったというカタルシスを得られない。[DVD(吹替)] 6点(2011-02-19 09:09:30)

387.  三つ数えろ 《ネタバレ》 マーロウ(M)はスターンウッド(S)から依頼。古書店主のガイガー(G)が娘カルメン(K)を恐喝、用心棒リーガン(L)が消えた事。LはMの友人。Mは店を監視。店員アグネス(A)。Gは付け人ラングレン(Lu)と車に乗る。M追跡。Gの家にGだけ帰る。後に車で来たKが入る。銃声。車2台急発進。家に飛び込むとGの死体と人事不省のK。フィルムの無いカメラ。Kを連れ帰り、戻るとGの死体は消えていた。海中でKの車に運転手テーラー(T)の他殺体。TはKを愛していたという。◆Kの姉ビビアン(V)がMを訪問。Kの写真で恐喝受ける。Kに事件の記憶無し。Bは金を賭博屋マース(Ma)に借りて払うという。Vは、LはMaの妻と駆け落ちしたと言う。Mは店を監視。車を追い、家を突き止める、ブローディ(B)の名札。MはGの家へ行くとKが居た。KはG殺したのはBだと言う。Ma登場。大量の血痕を見て驚く。Gの家の大家だという。◆MはBの家を監視。Vが家に入る。訪ねるとAも居合わせた。Kが来て、銃を手に写真を返せと凄む。MはKとBの銃を取り上げる。BはMに写真を渡す。恐喝犯はBとA。VとK帰る。Mは「TがGを殺し、写真を奪った。BがTから写真を取った」と推理。Bは「警察のふりをした」と認めた。Luが訪ねて来てBを射殺。LuはG殺しの犯人がBと誤解。MはLuを捕まえGの家へ。Gの死体が戻っている。警察を呼びLuを突き出す。MはG殺しの犯人はTと推理。◆VはMに報酬を渡す。MはMaが事件に関与していると主張。Vは違うと言う。MはMaの賭場を訪ねる。彼はLと妻の居場所は白を切る。Vが賭に大勝するが、Maの部下に金を奪われそうになる。Mは助けるが、狂言と見抜く。VとMはグル。翌日VはLがメキシコで見つかったと言う。検事から圧力がかかり、謎の二人組から暴行。◆Aの婚約者ハリー(H)が情報を売りに来る。事務所に行くと先客Maの手下カニーノ(C)がいて、Hを毒殺。Aの情報はMaの妻の居場所。Mがそこへ行くがCに捕まる。Kが居て、助ける。MはCを射殺。KはL殺しは自分だと言う。MはGの家にMaを呼び出し、推理を披露。KはLを好きだったが、LがMaの妻を選んだので殺した。Maは死体を隠し、Gを使いKを恐喝。VはMaの言いなりに。MはCを玄関から飛び出させて部下に誤射殺させる。警察に連絡し、L殺しはMaと告げる。【感想】複雑すぎる。[DVD(字幕)] 7点(2011-02-16 06:24:33)(笑:1票)

388.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 【謎解き】青年マット(M)がインディ(I)に助けを求める。Mの保護者オックス(O、Iの友人)はペルーでクリスタルスカルを発見、アケトー(古代文明黄金都市)に持って行くと手紙をよこし、消息を絶った。16世紀探検家オレリャーノはアケトーを探して行方不明。スカルをアケトーに戻すとパワーを得られるという伝承がある。Mの母親はOを探しにペルーへ。しかし共に攫われ、スカルを渡さなければ殺すと脅されている。Iは手紙の古代語を読み解きペルーへ。精神病院の床にOの描いた地図を発見。オレリャーノの墓の地図だった。墓に到着し、オレリャーノの遺体とスカル発見。スカルは戻された跡があった。拉致されイリヤ・アラマカに移動。Oと会うが正気を失っていた。Oが表意文字でアケトーの場所を示す。逃走して川を下り滝を落ちて入り口を発見。出口はピラミッドの上。オベリスクを破壊すると砂が落ちて石組細工の鍵が作動。内部に侵入。ゲートにスカルをかざすと開く。世界から集めた考古資料。13の宇宙人の骸骨。パワーとは知識のことだった。スカルを戻すと合体して肉化。巨大UFOで異次元へ。 【安直な部分】アメリカングラフティ無意味。核実験場から鉛の冷蔵庫で脱出。ロズウェルパートは本筋と無関係で不要。13の骸骨が合体して肉化。ベタな巨大宇宙船登場。敵がロシアKGB。敵ボスが女で超能力者。超能力もほとんど使わない。ロープ代わりの大蛇。ターザンごっこ。車が崖から墜ちる。滝の3段落ち。無関係なのに襲ってくる原住民。彼らに対するリスペクト無し、不用意に虐殺。空輸したバイクを使わない。伏線のナイフも肩透かし。 【感想】謎解きパートは良い。適度に複雑で謎解きもあざやか。雰囲気を盛り上げている。今更のロズウェルネタやUFO落ちはいただけない。骸骨が再生するのはやり過ぎ。脇キャラに問題がある。Oもマックもマリオンも年寄り。アクションが弾けない。Oは夢遊病状態、マックは二重スパイで金に執着、マリオンは強気で魅力的だがメタボ体型。Mは行動が無鉄砲で知性的ではなく、Iの息子に見えない。敵ボスが女というのも問題。Iは女性に優しいので合わない。知力に優れた男にすべき。◆新鮮味に欠けるものの、次から次へと飛び出す冒険アドベンチャー、アクションのアイデアに脱帽。軍隊蟻がツボだった。爽快感は魔宮の伝説に匹敵。帽子や鞭の使い方は秀逸。歴史的シリーズの続編として合格。[DVD(字幕)] 9点(2011-02-15 18:53:02)《改行有》

389.  ウィロー 《ネタバレ》 【気を削がれる場面】①物語は、王が、ある赤ん坊が将来自分を殺す(王位を簒奪)という予言を受ける運命説話。映画も一人の子が生まれ悪の女王を倒すという予言で始まる。なのに、最後まで子は赤ん坊のまま。何の活躍もしない。あの子がどう特別なのか?。 ②ウィローの旅の目的は、人間に赤ん坊を返すというもの。人間に返したら、ブラウニーを支配する妖精が赤ん坊を奪って、ウィローに守護を託す。魔女に会いに行ったら、動物の姿になっている。次の旅は良い国王の国へ行くこと。到着したら誰もいない。いちいち流れが中断される。赤ん坊を拾ったウィローが、仲間と出会いながら、悪い魔女を倒す旅に出る単純な話で良い筈。 ③ウィローの最初の旅の仲間は途中で帰ってしまう。だったら最初から出さなければ良い。 ④妖精は魔法の杖を魔女ラゼルに渡して一緒に旅をしろと言う。何故自分で渡さないのか。そもそも妖精は赤ん坊を自由に連れ戻す能力がある。だから赤ん坊が危機になってもハラハラしない。 ⑤風来坊マッドマーディガンは檻の中。赤ん坊を預る条件で助けられるが、赤ん坊はすぐに奪われる。その場面は省略。マッドは赤ん坊を探しもせず、酒場で年増と不倫。最も頼りになる旅の仲間なのだから、もっとましな挿話にすべき。 ⑥マッドと悪の女王の恋が不自然。告白されただけで恋に落ち、母を裏切るだろうか。伏線として母の悪政を批判する場面が欲しかった。 ⑦悪の女王は、赤ん坊の予言は信じたが、娘が自分を裏切るという予言は信じなかった。何故か? ⑧悪の女王が、赤ん坊の魂を奪う儀式が無駄に長い。闇夜から朝になっている。儀式無しで殺しちゃだめなのなら、その理由を説明せよ。 ⑨悪が支配する世界。支配される民衆はそっちのけ。最後に民衆が蜂起すれば良かった。 【感想】退屈な話。特殊能力のある仲間が一丸となって悪を倒すのなら面白いが、みんなばらばらの方向を向いている。マッドは成り行き、娘は恋、ブラウニーは道案内、ラゼルは復讐、ウィローは赤ん坊。人食い犬や怪獣が彩りを添えて何とかもたせている。戦闘も魔法合戦も先が見え見え。ウィローが手品で敵ボスを欺くのは良かった。村での手品の伏線が効いている。サブストーリは、ウィローが魔術師見習いから一人前の魔術師に成長する話。折に触れ勇気を見せているが、大して活躍していない。最後はラゼルに魔法の本をもらってお終い。すっきりしません。[DVD(字幕)] 4点(2011-02-15 09:53:36)《改行有》

390.  地獄の黙示録 特別完全版 《ネタバレ》 【ウィラード】諜報部隊の暗殺要員。故郷では歓迎されず、妻と離婚、戦場に戻るが、戦争の偽善と欺瞞を知っており、精神を病んでいる。カーツ暗殺を命じられるが、戦争の実態とカーツを知るに従い彼に同情し、心の平衡を保てなくなってゆく。カーツの分身でもある。 【カーツ】エリート軍人で、実績も申し分ない人物。戦地で恐怖と狂気を体験し、魂を病む。ベトコンが躊躇なく子供の腕を切断するのを見て、恐怖の克服の仕方を学ぶ。倫理や道義心など捨ててしまうことだ。それに気づいたとき彼の心は自由となり、軍隊を離れ、王国の支配者となる。そこでは彼は神のように振る舞い、処刑された死体がごろごろ転がっている。生と死の境が曖昧だ。一方で苦悩が消失したわけではない。そこでウィラードに自分を殺させ、自分の物語を息子に伝えてくれることを願い、それを演出する。彼にとって自分の死も取るに足らない。魅力的ですらある。 【感想】戦争はどうして止まないか?それは戦争に美しさがあるからではないか。その命題を誠実に追求して完成させた作品。◆ウィラードが前線に到着してからわずか10分足らずで戦争の凄まじさ、悲惨さ、凶器を表現出来ている。監督の力量に脱帽。キルゴアはカーツの対極にある人物。狂気に苛まれているのは同じだが、戦争を楽しんでいる。まだ心の均衡が保たれている。奥地に進むに従い、狂気と混乱が増す。指揮官が居ない前線、もはや誰と戦っているのさえ不明な混沌。正義も大義も無意味だ。兵士たちは戦争に踏みにじられている。農園を守るフランス人は、自らの正当性を主張するが、すでに敗北は決定している。ウィラードの部下も精神を病み、次々と脱落してゆく。カーツの王国は原始的社会。神話が生きている世界だ。カーツ暗殺は、牛を捌く儀式と並行して描かれる。すなわちカールの死も神に捧げる儀式。カーツが死んで神話が完成した。それが「Apocalypse Now(現代の黙示録)」◆戦争の美しさとは何か?神と一如となる体験かもしれない。人間にその原初的な誘惑があるからこそ、戦争は潜在的に魅力的で、無くなることはないのだ。反戦のための映画ではなく、戦争が存在する根源的理由を抉り出した問題作。戦争の美しさは、導入部のナパーム弾と音楽でエレガントに表現できている。監督の狂気だろう。だが心の平衡を保つためには、時に狂気に触れてみるものいいかもしれない。[ビデオ(字幕)] 9点(2011-02-14 14:09:56)(良:2票) 《改行有》

391.  疑惑の影(1943) 《ネタバレ》 ワルツの場面から一転、乱雑な裏町の様子が映し出される。陰鬱な顔で葉巻をくわえベッドに横たわる男。床にはお金が散らばる。大家が来て、知人が訪ねて来たという。誰にも住所は教えてないのに。刑事と察した男は窓から刑事を見てつぶやく。「証拠は何も無いはずだ」掴みはOK。観客の興味を引く術を心得ている。◆娘チャーリーに共感する立場からすれば、恐怖は十分感じられる。叔父のことを敬愛するが故に疑惑を持ち、殺人犯と判明し、誰にも打ち明けられず、自分の命も狙われる。殺人犯と共に暮らす恐怖とやるせなさ。図書館に走るシーンでハラハラさえるのはさすがだ。一方犯人に共感する立場に立てば、解せない事が多い。殺人の新聞記事を不自然に隠し、疑惑を招く。証拠となる指輪を不用意にプレゼントし、取り返した後も処理しない。目が悪いとか捨てようがないという伏線が欲しい。娘殺害のための階段の細工や排気ガスの充満した車庫に閉じ込めるトリックも稚拙。最後の無計画で衝動的な殺害アクションと墓穴は平凡。それに冷静に考えれば指輪は決定的な証拠とはなりえない。娘を殺す動機が薄い。犯人の心の闇が十分に描けていないと思う。未亡人に対する悪意を吐露したり、冒頭シーンで精神的に疲弊した様子を見せるくらい。世間の荒波に揉まれたシーンや未亡人殺害シーンを省いているので、人間像が分りづらいのだ。観客に犯人と分った時点で、犯行シーンを挿入すれば良かったと思う。◆犯罪心理サスペンスにしては、展開がスマートすぎる。もう少しひつこさ、あくどさが欲しい。特に未亡人殺しの詳細が不明のままなのが不満。叔父が殺人者であることが重要で詳細の提示は不要と考えたのだろう。だが警察は叔父を追ってくる。手がかりは無いらしいが、彼が容疑者なのはどういう理由でか?写真を目撃者に見せると言っていたがどうなったか?東部で犯人と疑われた男が飛行機のプロペラに飛び込ん死んだ。それで事件解決では、あまりにもなおざりすぎる。そして突然の刑事の娘へのプロポーズ。取ってつけた恋愛パートは完全に失敗している。◆サブキャラがだれも丁寧に描かれていて賞賛に値する。二人の子供は言うまでもない。推理小説マニアで少しぼんやりした隣人などは魅力的だ。息抜きにはうってつけの存在。娘の同級生だった酒場のウエイトレスも印象的だ。彼女は娘の身近にある影の部分の象徴だ。[DVD(字幕)] 7点(2011-02-14 05:24:41)

392.  ディーバ 《ネタバレ》 物語は少し複雑。メインは郵便配達人ジュールとディーバであるシンシアの純愛。ジュールは運命のいたずらで3つの組織に追われる。買春組織の暴露テープを持っていることで警察に。同じ理由で殺し屋に。そしてレコーディングしないシンシアの録音テープを持っていることでレコード会社に。さらに複雑なのは売春組織のボスが、警察の殺人課の上司であること。このため捜査状況が殺し屋に筒抜けとなる。レコーディングテープはベトナム人少女アルバに預けて置いて無事だった。暴露テープは殺し屋に奪われそうになるが、謎の男(アルバの恋人)に助けられる。暴露テープは謎の男が殺し屋のボスに売る。後にボスはジュールを殺そうとして、謎の男に殺される。 ◆感情移入を損ねる要素がある。アルバが平気で万引きする。ジュールもそれを咎めない。ジュールがシンシアへの愛の代償として黒人娼婦を買う。ジュールは逃げ回っているだけで最後まで成長せず無力である。主人公なのだから活躍して欲しい。最初は無力でも途中からヒロイズムを発揮するか、知力でピンチを乗り切るかすべき。謎の男に助けられているばかりでは、シンシアの愛を獲得する資格は無い。要するに主人公の印象が薄いのだ。ここが最大の不満点。謎の男ばかりが目立ちすぎる。ジュールがライブを録音し服を盗むのは、幼い愛の表現として許容できる。 ◆最大の魅力はシンシアの歌だろう。実に力強い。随所にユーモアの要素もある。二人の殺し屋のキャラも立っている。何でも嫌いな殺し屋は特に印象的。ジグソーパズル、動く波の模型、壁の画、バイクなどガジェットも豊富。構図やマ撮り、彩使いなど映像がスタイリッシュ。 ◆不可解な点もある。①レコード会社の人は、テープを探してジュールの家に押し入ったが、何故テープをずたずたにしたのか。腹いせだろうか。また謎の男から違うテープを渡されるだけだが、何故確認しないのだろうか。②最後の場面、唐突に無人の舞台となる。説明が欲しい。テープが途中で止まって、また始まるが誰が操作しているのか。③謎の男は、テープを売った金をどうしたのか? ◆ミステリー要素も恋愛要素もそこそこの出来で、良くまとまっている。アクションは陳腐。普通に考えれば、ディーバが狙われてジュールが助けるのだけれど、意表を突く展開が好ましい。本筋と離れた部分で、謎の男と不思議少女の抜群の存在感が映画を稀有なものにしている。[DVD(字幕)] 7点(2011-02-13 12:04:37)(良:2票) 《改行有》

393.  殺しのドレス 《ネタバレ》 エレベータの惨殺シーンや最後のバスルームでの殺害シーンなど演出は素晴らしい。動きながらの長回し、大袈裟な音楽を流しながらのスローモーション、分割画面、耽美的な映像に凝るのは結構なことだが、もう少し脚本に凝るべきではと思う。バランスが悪いのだ。実に残念な作品と思う。◆サイコ殺人なのに被害者が一人では物足らない。最初と最後の殺人は夢である。最初のシャワー殺人は主婦の性的欲求不満の表れを示している。最後のは観客を喜ばせるお遊びにすぎない。蛇足である。◆犯人は大柄で女装した男とすぐにわかるが、これは意図的だろうか?だとしたら、その狙いは何だろうか?サスペンスでは考えられない。やはり分らないと思ってやっているのだろう。観客との間にズレがある。◆登場人物だが、主婦の不倫相手は再び姿を現さない。見ず知らずの不倫相手をベットに寝かせたままどこへ行ったのか?娼婦と一緒にいた目撃者もしかり。刑事も頼りない。娼婦を脅して、医者を探らせるのはどうかと思う。殺されていたら責任問題に。主婦の夫は義理の息子にも警察にも無視されている。こういう不自然さが目立つ。伏線が収束されていない。主婦は不倫相手が性病と知り、絶望に突き落されるが、すぐ殺される。どうでも良い挿話に何の意味があるのか。観客を驚かせる遊びと考えているのだろうか。本筋で驚かせて欲しい。結局男らしい男、父性が存在しない。いつまでも少年である監督のやりたい放題になっている。志◆美術館でのしつこく粘着質のカメラの長回し+スローモーションの意味は何?本筋と無関係で、男女の出会いの場としての意味しかない。どれだけ時間と労力使っているの?「手袋落としましたよ」「ありがとう」で済む話。それにアメリカじゃタクシーの中でヤッテもいいのか?娼婦がクリニックに潜入して捜査するにしても、色気じかけ。エロが全開すぎる。犯人の二重人格やトラウマよりも、被害者の悩みの方を深く描いてどうするのだろう。力の入れ方が間違ってはいないだろうか。それにい精神科医が性同一障害と多重人格者で殺人鬼という設定は安直で、ひねりがなさすぎる。◆犯人は客のホテルから出る娼婦を待ち伏せして追跡するが、どうやって娼婦の居場所を知ったのか?自宅を知っているのなら、自宅で襲えば良いのに。◆少年の隠し撮りだが、最後の客が出たあと、先生が出て来なかった事に気づかなかったのか?[DVD(字幕)] 6点(2011-02-13 06:44:30)

394.  赤い影 《ネタバレ》 怖くも面白くもなく、楽しめませんでした。ジョンとローラの夫婦の物語。赤い服を着た娘が、池で水死する。ジョンは教会の修復の仕事でベネチアに来ており、妻も同行。妻は盲目の霊媒師と出会い、亡き娘とのコンタクトに成功。霊の世界で元気にしていることを知り、娘の死のショックから立ち直る。霊媒師が言うには、ジョンに危険が迫っているのでベネチアから立ち去りなさいと亡き娘が警告しているとのこと。ジョンはそれを信じない。一方周囲で不思議なことが起る。赤い服の影が現れては消え、連続殺人が発生。寄宿学校の息子が怪我をして妻は帰国。ジョンは修復作業中、空中物見台から落下しそうになる。その後いない筈の妻が霊媒師と一緒にいるのを目撃。警察に依頼して探すが、結局人違いと判明。妻は戻ってくる。ジョンは警察にいた霊媒師に謝罪し、家まで送る。ジョンが帰ると霊媒師は急変し、「彼を行かせてはだめ」などと叫ぶ。そこへローラ登場。ジョンを探す。ジョンは赤い服を来た人物を発見し、追跡する。追い詰めるジョン。向き直った人物は気味悪い老婆の顔。刺殺。◆解釈。ジョンに自覚はないが、未来を見る能力があった。書斎でスライドに無い筈の血があるのを見て、娘の死を予感。その血は自らの死ともつながっていた。ではジョンを死に至らしめたものは何か?赤い服の人物の正体は?連続殺人と関係があるのか?妻の幻の意味は?何の説明もないまま物語は終る。細かいが、ジョンが赤い影追跡中、わざわざ門の鍵を閉めるシーンがある。これによって妻が追跡できなくなるのだが、どう解釈するか。無意識に妻を守ったのか、無意識に助けを遮断したのか。いずれにせよ妻は鍵を開けようと思えば開けれたわけだし、追跡の最中にわざわざ鍵をかけないだろうと揶揄する意見もある。ジョンは妻がいるのを知らなかったのだし。◆オカルトものとは知らずに観るとがっかり。霊媒師はフェイクで、牧師が連続殺人の黒幕と思っていた。演出は趣味が悪い。意味無く長いベッドシーンや水中から引き上げる死体然大音量と共にくどいフラッシュバックの大袈裟さ。登場人物をみな薄気味悪く見える。唯一良かったのはジョンが空中物見台にいるときに材木が落ちてきてぶつかるシーン。これは迫力があった。衝撃のラスト?一目で血糊と分るんですが。帰国せず、ベネチアで葬儀を上げるのも解せないなあ。[DVD(字幕)] 4点(2011-02-13 00:34:29)

395.  冷血(1967) 《ネタバレ》 1967年の米映画でモロクロは珍しい。監督にはこだわりがあるのだろう。1954年の「雨の朝巴里に死す」 ではカラーだ。深い陰影の演出が印象的。窓を打つ雨の反射を顔に受けながら、最後の告白をする場面は特に印象的。煽情的にならずに抑えた演出は好ましい。◆刑務所仲間の二人ディックとペリーが合流して被害者の家に押し入るまでを描き、次は犯行後の場面となる。殺害の場面を謎とし、クライマックに持ってくるドラマティックな構成だ。観客は悲惨な結末を知っているので、背筋が氷るような恐怖を感じるという仕掛け。意地悪で切れやすいディックと親切で常識的なペリーならディックが発砲したのだろうと思わせておいて、実際はペリーが実行犯だったという意外さもある。徹底したリアリズムで絞首刑の瞬間までも描く骨太の映画。原作がノンフィクションだ。◆二人は囚人仲間のガセネタにより犯行に至った。本人はほんの冗談で悪気は無かったのだろうが、バタフライエフェクトで、最悪の結果がもたらされた。反省しているのだろうか、それとも懸賞金をもらってほくそ笑んでいるのだろうか。運命のはかさなを感じる。◆平和に暮らしていた被害者四人の様子、二人の殺人犯の生い立ちが丁寧に描かれている。観客は十分に共感できるだろう。二人は共に悲惨な境遇で育っている。特にペリーは酷い。母にも父にも見放され、養護施設で育ち、軍隊に入り、戦争により負傷している。死ぬ直前でも父親を憎んでいるという。愛しながらだ。彼らが犯罪に染まってもおかしくない。環境が犯罪を作るのは真実だろう。だからといって彼らを擁護は出来ない。自分の撒いた種は自分で刈らなければならない。◆テーマの一つに動機無き殺人がある。彼らは最初から殺人をする気だったのか?そうではあるまい。覆面用の黒のストッキングを探していたころからも分る。被害者の父親の言動がペリーの父親がペリーを殺そうとするフラッシュバックを生んだのが悲劇につながった。極度の緊張感と疲労で彼の精神が悲鳴を上げてしまったのだ。ほんのちょっとしたキッカケが悲劇を生む恐ろしさ。ガセネタが本当だったり、黒のストッキングが買えていれば違う展開になっていた。◆救いようのない冷血な犯罪。心根は優しい二人、死刑を下すのにも冷血にならなければならない。二重の意味で悲劇だ。命の大切さを透徹な精神で描ききった稀有な作品と思う。[DVD(字幕)] 9点(2011-02-12 11:58:41)

396.  シーラ号の謎 《ネタバレ》 映画プロデューサーのクリントンは妻を轢き殺した犯人を見つけるために容疑者6人を集め、ゲームを始めた。集まったのは全員が落ち目の映画人で、ゲームの賞品の映画への参加に飛びついた。6人は、それぞれ「前科者」「ホモ」「密告者」「万引き」などと書かれたカードを受け取り、毎日停泊する港に隠された証拠を探し、誰がどのカードを持っているか当てるというもの。ゲームが最後まで進めば犯人が自ずと知れると思えた。だが二日目にしてクリントンが殺害される。犯人を推理する中で脚本家トムの妻リーがシーラを轢き逃げし、逆上してクリントンも殺したと告白。その後自殺を遂げる。事件が解決したかに見えたが、真相は別にあった。メインの犯罪だけでなく、6人の秘密もあり、クリントンのゲームの真意の真相もあり、飽きさせない。アクシデンによる犯行の変更、SHIELAの文字遊び、証拠となる煙草や凶器のアイスピック等にも無理が無い。複数の要素に逆転があり、非常に良く練られた脚本と思う。 ◆最後の謎解きがみんなの前で行わないのが惜しい。みんなが真相に驚くところにカタルシスがあるのだ。船室のインターコムで二人の会話が聞こえていたというオチは見事。 ◆結局真犯人であるトムを警察に突き出すのではなく、リーから受け継ぐ予定の遺産500万ドルで映画を製作するという”ハリウッド的解決”は面白い。真相を暴いたフィリップもクリントンを殺そうと潜水中を狙って船のエンジンをかけたのだから、説得力がある。全員が落ち目の映画人という伏線が効いている。トムは元恋人のアリスと結ばれることを願っていたが、アリスは本気ではなく不倫を楽しみたかっただけだった。クリントンがみんなを集めた真意は、妻の真犯人をつかまえることではなく、6人の秘密を暴いていじめるゲームだった。これもハリウッド的な自虐だろう。 ◆腑に落ちない点もある。休暇で地中海クルージングは分るが、大の大人が六日もかけたゲーム遊びに熱中するかということ。しかも大層なお金と手間暇がかかっている。お金持ちのやることは分らないね。それとリーがクリントンを殺した(ように見えた)シーン。逆上したとしても、あの場面である必然はなかった。フィリップが船室を点滅させてトムをおびき寄せるのはやや不自然。[DVD(字幕)] 8点(2011-02-12 07:44:39)《改行有》

397.  レイジング・ケイン 《ネタバレ》 脚本に穴がありすぎる。元凶は児童心理学者である父親だが、犯行の動機は研究材料集め。まず一人の多重人格者を作り上げ、幼児における人格形成過程を研究発表。次に大人になった彼を利用して別の赤ん坊を誘拐し、実験に使うつもりだった。その間彼は誘拐罪で捕まり、精神病院に送られ、偽装自殺している。その彼に実験を続ける理由があるだろうか?死んだ彼がどうやって研究を発表するのか。彼が児童心理に異常なまでの熱意を示す理由はなのか。何も提示されない。多重人格になったカーターがちゃんと教育を受け、医者になり、きちんと家庭を築いているのも無理がある。最後には女装した女性人格者が出てくるが、どのような人格形成過程を経て女性人格が出現するのか説明してほしいものだ。行き当たりばったりの印象が強い。◆行き当たりばったりと言えば妻の不倫もそうである。そもそも女医が瀕死の妻に付き添う患者と恋仲になるだろうか?そんな設定にした理由が分らない。もっと自然な設定で充分である。プレゼントを間違うのも、夜中にホテルに出向いてプレゼントを入れ替えるのも無理がある。夢や幻想を交えながら妻の心理を描写しているが、お門違いである。多重人格である夫(犯人)の複雑な心理をこそ描写すべきなのだ。ごく普通の妻と対比することで夫の異常さが強調されるのだ。妻の深層心理を描いても観客を混乱させるだけだ。◆観客への最大のトリックは溺死体だろう。沼で発見された女性死体は物語の流れから言えば妻である。しかしこれは最初の被害者だった。顔を見せられ恐怖の表情なので区別がつかないのだ。クロロフォルムで眠らされたことになっているが、その後妻と同じく車に入れられ沼に沈めらたのだろう。そして途中で蘇生したので、苦しんで爪に傷がついたと説明できる。それにしても妻はあの状況でどうやって助かったのか?脱出して病院や警察に行かなかったのは何故か。腑に落ちないのである。◆老嬢心理学者がカツラであるというのはうまく考えた設定だ。あれでカーターは変装して警察から脱出できた。でもどうして裸足なのか?そしていつの間に花やオレンジなどを買ったのか?◆カーターが二重人格者であることはすぐに察しが付く。半ばまで伏せておいた方がサスペンスが持続したと思う。◆階段とエレベーターを移動しながらの動く長回しや、雨の中子供が落ちるストップモーションなどは印象に残った。 [DVD(字幕)] 5点(2011-02-12 03:53:19)《改行有》

398.  絞殺魔 《ネタバレ》 【事実】1931年ボストンでデサルヴォ誕生。両親堕落、アル中、暴力、娼婦を連れてくるような悲惨な家庭環境。17歳で軍隊入り。5年間ドイツに赴任。結婚して娘(障害者)誕生。毎日5,6回性交する性欲過多。1956年9歳女子への性犯罪で軍隊除隊。1960年モデルのスカウトマンと偽り、部屋に侵入し、サイズ測量する犯罪300件。不法侵入罪で逮捕、強制猥褻としては裁かれず。11ケ月服役。妻から「あなたが真人間になるまで」と性交渉停止宣言。1962年6月から1964年1月までボストン絞殺魔事件発生。被害者11~13人、19歳~85歳。基本的に紐状のもので絞殺し蝶結び、強姦、性器露出。1964年11月別件の連続強姦事件で逮捕。被害者300人。1965年精神病院。その言動によりデサルヴォが犯人ではないかと怪しんだ同室の男が弁護士に通報。弁護士にあっさり自白。犯人しか知らない事実を知っていた。司法取引。1967年絞殺魔としては裁かれず、強姦罪で終身刑。1968年映画製作。1973年刑務所の独房で刺殺される。犯人不明。40年後最後の事件の精子DNA鑑定で無罪が確認。次の理由で犯人の可能性大。①性犯罪を繰り返す。②全事件でアリバイ無し。③犯人しか知らない事実の自白。④逮捕後事件が止む。【感想】不思議な事件だ。被害者の年齢の幅が極端に広く黒人も犠牲者。女性そのものへの憎悪があるようだ。警察のプロファイルも「母親を憎悪している若い白人男性」だった。最初の事件では部屋が物色されている。映画では二重人格説を採用。オランダの「超能力探偵」が事件に挑んだのも事実。◆物証が無いと言うが、いくつかある。先ず歯型を較べれば簡単に判定がつく。犯人の遺留品と思われる定規、箒、瓶、ドアノブなどの指紋、現場のススと靴のススの照合。◆次々起る殺人と性犯罪者を片っ端から逮捕する様子を描く前半部分。実験的なマルチ画面を多様しているが効果は薄い。画面に集中できないのだ。それでも次々起こる連続殺人には誰でも自ずと興味が湧く。犯人が判明してからは少々退屈。彼の過去に触れられていないのが不満。動機が提示されない。「人格が変わると殺人者」では誰も納得しない。その理由を示して欲しい。ジギル博士とハイド氏じゃないのだから。彼が裁かれた強姦にも触れていないのはどうしたことか。迫真の演技は良いが、密室でのカメラアングルが平凡で画面から緊迫感が伝わらない。[DVD(字幕)] 6点(2011-02-12 00:37:41)

399.  ジャガーノート 《ネタバレ》 爆弾処理のサスペンスもの、同時に進む犯人探しの捜査もあざやか。構成は合格だ。だが残念に思えるところが多い。第一に伏線が活かされていない。乗船に脱落した海軍のメンバーに変わって船員が参加するが、その後活躍しない。船員の嘘を見破った町長も、結局何の活躍もしない。浮気したことあるのと奥さんに問われるが、あの奥さんじゃ誰だって浮気したくなると思うよ。捜査員の一人の家族が船に乗っている。彼の苦悩が思いやられるが、さほどの心情も表わさず普通に心配するだけ。これらはもったいないですね。彼らをヒーローに仕立ててこそ映画は面白くなるというもの。第二に演出の問題。子供が勝手に厨房に忍び込み、子供を探しに来た給仕と共に爆発に巻き込まれる。給仕は死亡するが、子供はそれを嘆くどころか、父親にそのことを誇るような電話をする。母親も給仕に対して何とも感じていないようだ。悲劇を盛り上げる気がないのか。船長とその恋人の曖昧な恋は最後まで煮え切らないまま。美人でもない中年の恋人に辟易。爆弾が仕掛けられてあり、生きるか死ぬか、絶体絶命のピンチである。それなのに仮装パーティなど開くか?皆思いっきりつまらない顔をしているが、それなら参加しなければいい。このあたりの不用意な演出で作品に散漫な印象になっている。追い詰められた乗客の演出が必要。爆弾は二回爆発するが、被害かよくわからない。爆発で穴の開いた船を見せていないから。船長も妙に落ち着いている。爆弾のある部屋を閉鎖しておけば、全部爆発しても船は沈まないと思えてくる。爆発があっても乗客の態度に変化はない。これではだめ。徐々に盛り上げなければ。監督はパニック映画の基本がわかっていない。最後はキャラ設定。犯行手口と犯人のキャラが合致しない。刑事に船のパンフを見つけられただけで鼻血を出し、すぐに自白。動機は自分を重用しなかった政府への復讐とお金。金の回収に失敗すると、取り決めは全てキャンセルと丁寧に電話。あの方法では失敗するだろう。平凡過ぎて、複雑なトラップを仕掛けた犯人とは思えない。「スピード」の爆弾犯のような毒が欲しい。一方主人公の破天荒な言動や行動は個性的で好ましい。犯人は上司だったわけだが、両者の関係をもっと踏み込んで欲しかった。作品に重みが出る。七つのドラム缶をどうやって運んだのか?船があれだけ揺れて爆発しないのは何故?[DVD(字幕)] 7点(2011-02-11 10:42:39)(良:1票)

400.  大巨獣ガッパ 《ネタバレ》 ガッパの子は何を食べて毎日50㎝も成長するのか。何も食べないと言っていたけど。気になるのは、あの檻(研究所の施設)からどうやって出したのかということ。巨大化した子ガッパが通れる出口は無いはずである。壁を壊して出せても運ぶのはもっと大変。子ガッパは暴れず、おとなしく従ったようだね。ヘリ2機で子ガッパを輸送するとは自衛隊も捨てたものじゃない。体が帯電しているのによく作業が出来たと思う。それと鳥に帰巣本能はあっても、自分の所在地を遠隔地の仲間に知らせる能力はないだろうと思うけど。羽はあるけど、ほとんど羽ばたかないで飛行するのは凄い。熱線も吐くし、常識を超えた生物だ。 ◆母ガッパは茹ダコを加えていたが、子供にやるためだとしても、まだ子供が見つかってもいないのに、気が早すぎるではないか。茹でるのには熱線を利用したのだろうが、戦車をも簡単に溶かしてしまうほどの超高温である。まともに当てたら焦げてしまう。タコに直接当てず、周囲の水を沸騰させたのだな。芸が細かいではないか。意外と繊細なところがあるね。目は怖いけど。飛べるのに熱海に上陸したときは海からだった。きっと大ダコを採っていたんだね。 ◆子ガッパのテレパシーを受信して日本にやって来たのに、子ガッパの居場所が分らないのはどうしたことか。羽田に連れて行っても子ガッパの声を拡張機で流させなければ気づかなかった。良くわからないね。音には敏感らしいけど、石油コンビナートを踏みつけて爆発させならが移動しても音や火は全然気にしてないね。 ◆オベリスク島の住民はあの結末で良かったのだろうか。3匹のガッパを島で引き取ることになるのだが。しかも火山活動は大層活発である。地震はガッパのせいではなく、火山性地震だろう。危険すぎる。その割に火山灰などはひとつも見当たらないのは不思議だが。それに米潜水艦が助けた島民は少年だけ?他の人どうなったの。 ◆「ここは一度見たことがある。プレイメイトランドの模型にそっくりだ」という発言があったけど、単なる偶然?何故そっくりなの。 ◆プレイメイト社だけど、将来はないな。国民が真実を知ったら非難の嵐でしょう。税関を無視して未知の生物を持ち込んでいるし。記事を発表したとき問題にならなかったのが不思議。でも社長は改めて親子の愛を知ったので、得るものがあった?[地上波(邦画)] 3点(2011-02-10 06:44:20)《改行有》

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