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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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401.  火山高 マンガ(コミックではなくマンガ)の再現度という意味では、「マトリックス」を遥かに凌いでいると思います。「レボリューションズ」はこれから影響を受けたのではとすら思ったほどです。登場人物のキャラ立ちもよく、「これは立派なマンガですね(もちろんいい意味で)」と感じました。ただしお話の方がもう少しなんとかならなかったもんでしょうか。はっきり言って退屈です。主人公以外のザコキャラがわいわいやってるだけで、いっこうに話が前に進んで行かないわけですよ。舞台だってずーっと火山高だけなんだから、絵面にも飽きます。やっぱり主人公の力の出し惜しみが悪かったんでしょうね。普通のドラゴンボール的少年マンガなら、圧倒的なパワーで転校も早々に番長を倒す主人公→一躍学園のトップへ→教師五人衆の登場→主人公大苦戦→番長ら旧勢力の加勢&新必殺技のお披露目で勝利として、少なくとも山場を2つは準備するはずです。でもここでは主人公が戦わないもんだから、話に芯がないままダラダラとラストまで行ってしまい、「冒頭では教師を平気でふっ飛ばしてたじゃねぇか」と見ている側はツッコミ続けるハメになるわけです。あと、主人公のポテンシャルがハッキリしないのも悪かったと思います。バトルものの少年マンガではキャラのポテンシャルってかなり重要なんですよ。こいつはだいたいこのくらいの力を持ってて、あのキャラには勝てるけどこのキャラには勝てないという序列は、ある意味マンガの命です。「天津飯よりクリリンの方が強いはずだ」とか「クーラが悟空と互角に戦えるのはおかしい」などと子供が揉めることからも、キャラのポテンシャルがいかに大事かがわかります。で、フリーザを代表としてパワーを隠してたキャラってのは、いざその力を見せると圧倒的に強いってのも少年マンガの定石です。しかしこの主人公、パワーを隠してたわりにラストのバトルでは苦戦しまくり。これが肩透かしになったんだと思います。だから前半で戦っとけばよかったのに。そうすれば後半も俄然盛り上がったんですよ。点数に関しては、これは作られたこと自体に意義のある映画だと思うので7点を献上します。7点(2004-10-11 01:00:48)(良:2票)

402.  プッシーキャッツ 映画としての出来はアレですけど、アイドル映画としては珠玉の仕上がりだと思います。「かわいい」の一言で説明のつくステキな映画でしたから。楽曲のレベルの高さもうれしかったです。毎度のことながら、ハリウッド製ミュージカルの楽曲はなぜこんなにもレベルが高いのかと思ってしまいます。そしてなによりレイチェル・リー・クック(以下クック)ですよ。まさかクックを映してるだけで90分をもたせる映画が存在するだなんて、こいつは奇跡です。正直、クックさえ映ってればよかったですもん。ノーブラでわいわいとか、サービスも結構してくれるし。まさに低年齢化した「チャーリーズ・エンジェル」でした。アイドルさんたちを邪魔しない程度のお話には、この際つっこみますまい。考えてみれば傑作「ファントム・オブ・パラダイス」と同じような話ではあったんですけどね。冒頭に登場するデジューはジューシー・フルーツだったし、クックはジェシカ・ハーパーに似てなくもないし。ま、印象は正反対の映画ですけど。しかしアメリカのわからんのは、タラ・リードがマット・デイモンの大ファンだってシーンがあったでしょ。別にマットが悪いってわけじゃありませんけど、「なんでマット?」って感じです。アメリカ人って、なぜかあのジミーちゃんを心底かっこいいと思ってるんですよね。この趣味はちょっとわからんです。同じく、クックがいまいちパっとしない理由もわかりません。あんだけかわいかったらもっと売れてもいいような気もするんですけど、意外にも大作への出演経験がないんですね。ウィノナが万引きでダメになった今、あのポジションにとって代わるのはクックしかいないでしょ。と思ってもう数年になるんですけど、ねぇ。点数に関しては、さすがに面白い映画ではなかったので7点以上は不可能。クック&楽曲に6点を献上します。6点(2004-10-08 00:11:53)(良:1票)

403.  デイ・アフター・トゥモロー ID4の巨大UFOと言い、これの凍結自由の女神と言い、エメリッヒさんの映画はいいポスターになりますね。彼の映画には常に印象的なシーンがあるんですけど、実際に見てしまうとガッカリなのは映像を動ではなく静で捉えているためでしょうか。彼はダイナミックなシーンを考えることはできても、どうにも動きに欠けるんですね。「車が流されていく」だとか「水に追いかけられる」だとか、映像が常に言葉で説明できるところに留まってるんです。演出次第ではもっとハラハラドキドキな映画にできたと思うんですけど。とは言っても、前半のディザスター特盛り祭にはやっぱり満足できましたけど。思いつく限りのことをやらかしてくれましたね。ないのは大地震と隕石くらいじゃないですか。その分、見せ場らしい見せ場のない後半がいっそうキビしかったのも確かですけど。これで後半、「氷河期移民を受け入れないラテンアメリカ政府に対し、アメリカが核で先制攻撃」なんてことになってくれればもっとステキだったんですよ。7点(2004-10-07 00:22:16)

404.  ALI アリ ウィル・スミスの映画に終わらず、マイケル・マン節全開の仕上がりだったのがうれしい限りです。実はこれ、当初はバリー・ソネンフェルドが監督する予定だったとか。でもでも男のドラマはやっぱりマイケル・マンですよ。マンって苗字の時点で男らしいじゃないですか。冒頭30分のかっこよさはもう完璧でした。記者会見でチャンピオンを挑発しまくる若きアリ。この時点でアリの人格の約7割は表現できたと私は見なします。そして試合前の緊迫感溢れる静からリングの動への転換は、まさにマンの真骨頂。チャンピオンを鮮やかに倒すファイト、そして大番狂わせに沸き上がる観衆。カットを細かく割れば勢いが出ると信じてる最近の監督はもうダメダメですね。こんな風に流れで見せるファイトこそが真のアクションなんです。冴えわたるボディブローカメラ(私の命名)、編集と音楽の完全なる一致にはエモーションを刺激されまくりです。スポーツ映画としてはこれ以上ないほど素晴らしい名シーンでした。そしてその後の展開はスポーツ映画というより伝記映画へと入っていきますが、日本人にはあまりピンと来ないのが残念でした。アリをあまり知らない私にはちょいとキツイ部分もいくつかありました。ま、日本で長嶋茂雄やアントニオ猪木の映画を作る場合、やっぱり彼ら自身やその生きた社会(まだ死んでません!)を知ってることを前提として作られるでしょうから、これは仕方のないことですけど。そんな中でもグっときたのは、レポーターのハワード・コーセルとアリの友情でした。2人は本当に信頼し合っている間柄でありながら、仕事の場では決して馴れ合わず、お互いに辛辣なことを言い合うんですね。これぞプロの姿であり、頑丈な男の友情を見せつけられましたね。「インサイダー」よりも熱かったです。やたら評価が低いようですが、私は普段のマイケル・マン作品に劣る出来だとは思いませんでした。8点(2004-10-04 00:49:47)

405.  ズーランダー 「モデルはバカ」だけがテーマという、実に素晴らしい映画です。笑いましたとも。この映画はキャラ設定がすばらしすぎます。ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンというちょっと違う顔の2人が超ナルなモデルを演じる一方で、まさしくスーパーなルックスのミラ・ジョボビッチがブっとんだビッチを演じるというこのバランス加減。そんなファッション業界のバカさ加減がもう最高です。とくにラスト、必殺の‘マグナム’が決まるシーンは大爆笑でした。ちなみにこの映画、吹き替えで見ないと笑いが3分の1以下に激減します。「日本人ではアメリカのコメディーは笑えない」というよく意見はよくあるし、私もその通りだと思いますが、吹き替えでなら声優がそのギャップをかなり埋めてくれています。やっぱり笑いは言葉が命ですよ。せっかくのネタをぶっきらぼうな字幕で読まれてしまっては、ベン・スティラーも浮かばれません。7点(2004-09-11 03:00:57)

406.  ブラッド・ワーク (注意!:激しくネタバレしてます。未見の方が読まれると必ず後悔します。自己責任で読んで下さい) 地道な捜査を重ねて行くあたり、本物のサスペンスって感じでうれしかったです。こういうの書かせるとブライアン・ヘルゲランドはうまいですね。確かにツッコミどころもいろいろあって、冒頭、あのシチュエーションで犯人が逃げおおせたのは不自然だし、銃撃した車に逃げられても何のフォローもなし。あの車、早く警察で追跡しろよ。ラストだって、イーストウッドひとりで助けに行く前に、早く警察に連絡しろよって思ったし。しかし、全体としてはなかなかに上質なサスペンスだったと思います。心臓移植された元刑事というヘンテコな設定もちゃんと活きていて、イーストウッドが発作で死にはしないかと終始ハラハラしながら見ることができました。ジェフ・ダニエルズがよくないという意見もありますが、私はよかったと思いますよ。確かに後半、キ○ガイがバレた後の演技は月並みでしたけど、気のいいごくつぶしの演技はピッタリきてました。「Mrダマー」とか「スピード」とか、相変わらず相棒役が似合いますねと思いながら見てました。そのおかげでドンデンは結構衝撃的でしたよ。イーストウッドもこの意外性を狙ってキャスティングしたんだと思います。そして最後に残る印象は「ダーティーハリー6」。そう思えば、ジェフ・ダニエルズもスコルピオに見えてきます。7点(2004-09-10 23:34:51)(良:1票)

407.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 この映画をWASP思想に絡めて批判する意見をたまに聞きますけど、それは的外れもいいところです。「指輪物語」は英国にも新たな伝説をってことで、ヨーロッパのさまざまな民間伝承や英雄物語を研究して作られた物語なので、その映画版が白人中心になるのは当たり前。桃太郎や一寸法師に日本人以外が出てこないからって、それが民族主義になりますか?魔法使いや英雄に有色人種がいないのがそんなに不満ですか?私の場合、有色人種が大活躍する「ロード・オブ・ザ・リング」を想像する方がゾっとします。黒人や黄色人種が出てきた時点で、雰囲気も情感も吹っ飛びますからね。そしてオークやウルク・ハイなどの異形の者たちが有色人種の象徴だとする考え方も、それはそれで不自然です。善の対極に悪がいるのが物語の基本だし、その悪がなぜ有色人種につながるのか?その根拠がわかりません。オークが仏教徒だったり、ウルク・ハイが漢字の読み書きができるなら、私も有色人種だと認めますけど。白人による差別という被害者意識ありきで妄想が飛躍してるように思います。これは娯楽作なんですから、もっとピュアに楽しみましょう。ちなみに私は9点をつけていますが、残りの1点は年末のSEEのためにとっておきます。本格的なレビューもSEEで行うつもりです。9点(2004-09-10 04:24:28)(良:6票)

408.  ギャング・オブ・ニューヨーク 《ネタバレ》 一度目は「つまんないなぁ」って思ったんですけど、2度目の鑑賞は楽しめました。よく作りこまれてる映画なので、2度3度見る方が絶対に楽しめるんですね。この映画はなかなかに意欲的で、ヤクザの抗争にリンクさせて激動のアメリカ史が描かれています。「ゴッドファーザー」サーガは時代とともに変わりゆくマフィアの姿を描いていましたが、ここではギャングが時代そのものとして描かれます。時代に翻弄される映画は数あれど、時代そのものを描く映画は少ないように思います。脚本の出来がよく、個人である各キャラクターの行動とアメリカ史の推移が違和感なくシンクロしています。さらにすべてのエピソードがクライマックスへ向けて収斂しており、本当によくまとまっています。クライマックス、混沌が支配する街でフツフツと堆積していた不満がついに爆発し、全市を席巻する大暴動へと発展。暴動の中でのネイティブズ(建国以来のアメリカ人)VS移民(新たなアメリカ人)の果し合いは、まさに世代交代の瞬間です。ここでのビルの死は古いアメリカ人の敗退、そして新しいアメリカ人の勝利を意味しており、それは移民が主役となって成長してゆくその後のアメリカの象徴でもあります。同時に、ここでの果し合いは政府による砲撃で中断しますが、それはギャングによる支配の終わりを意味します。それまでのNYはギャングの支配下にありました。ギャングこそが法律であり、政治家ですらギャングと共存関係にありました。しかしついに政府の力が全市に及び、彼らによる支配は終わりを迎えたのです。ネイティブズとギャングという2つの時代の終焉をこの映画は描いていたのです。そしてラストでは、ビル・ザ・ブッチャーとヴァロン神父という過去の遺物の墓標が見守る前で、NYは現在へと成長をしていきます。そしてテーマ曲「The Hands That Built America」と来るわけですから、もう震えましたね。そんな立派な映画なわけですけど、問題点は主人公のアムステルダムにあると思います。彼は状況に流されて右往左往してるだけで、どうにも行動が弱い。別にディカプリオがというわけでなく、描写自体が弱いんです。このあたりがスコセッシの限界というか、彼はキレた人とかキ○ガイとか、要するに傍若無人なまでに我が道を行く人を描かせるとピカイチなんですけど、一方で迷い悩む人間を描くのはあまり得意ではないようで。8点(2004-09-10 02:51:17)(良:1票)

409.  アンブレイカブル あまりにむごたらしい批評の数々ですが、これはスゴイ映画だと思います。史上最も丁寧に描かれた仮面ライダー第1話、「その手があったか!」とビックリ仰天でした。こんな話を思いつく人が世界でどれだけいます?そのアイデアだけでも買いですね。シャマランの映画って不思議で、テーマ自体は幼いのに、その実オトナの空気が充満してるんです。なんと言うか、ガンプラのパッケージが高級桐箱だったみたいな、メッキ部分のパーツが金箔だったみたいな。それってのは、シャマランの脚本から出るうまみだと思います。そんじょそこらのドラマ以上に人間を丁寧に描けているので、荒唐無稽な主題にも味が出るんですね。「私の体は生まれつきもろい。ならばその対極としてアンブレイカブルも存在するはずだ」というイライジャの説くアバウトかつ強引なヒーロー論も、「なるほど~」って思いながら聞きましたから。シャマランのドラマの特色は「静」にあります。一方普通の映画の描くドラマは「動」、つまり何か事件があって主人公が成長していく、主人公が何かを変えていくという話で、そこにはドラマのダイナミズムがあります。しかしシャマランのドラマはもっと地味で、彼が常に描くのは再生の物語。大筋では主人公たちに想像力の限りを尽くした大事件が起こりますが、その実、彼らの終着点は失われた関係の復元にあります。大事件を通して登場人物は自分を見つめ直し、何かを変えていこうとするのではなく、むしろあるべき姿へと帰ろうとするのです。思えば現実世界もそんなもので、そこにドラマの描くようなダイナミズム、つまり何かを変えていこうとする主体的な姿などなく、あるのは「自分に合った仕事は?」「自分に合った人間関係は?」「自分に合った生活は?」という、受動的な居心地の探求のみです。何かを目指しているようでいても、実際は自分のあるべき道を模索しているものです。そんな現実を踏まえているからこそ、シャマランの映画にはリアルな庶民が生活し、その延長としてサプライズがあるのです。9点(2004-09-08 01:40:05)(良:2票)

410.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち ブラッカイマーはキャスティングに抜群のセンスを持つ人物ですが、本作でもそのセンスが如何なく発揮されています。ブルームとナイトレイの絵に描いたような美男美女ぶりはファンタジックな時代劇にピッタリだし、一方で物語を進めるのはデップとラッシュという演技の出来る俳優二人。この意外な組み合わせが素晴らしく効果をあげています。デップ本人すら気付いていなかったであろう一面を開花させ、オスカーノミネートまでさせた手腕はなかなかのものです。。。と、本作を評価できるのはここまで。肝心の中身はまったく楽しめませんでした。「海賊」や「呪い」を扱っている割に恐怖心や威圧感を抱かせず、薄っぺらなアクションと軽いセリフが143分という長丁場に渡って繰り広げられるのみ。「悪い海賊に追われる→捕まる→脱出」という展開を何度も繰り返すのですが、悪役である海賊が怖くないためチェイスに緊迫感が伴っていません。ファミリー映画であっても悪役は怖く演出すべきなのですが(ディズニーのアニメ作品でもやっていることです)、ファミリー映画に慣れていないブラッカイマーは徹底的に刺激を抑えた安心品質に仕上げるというミスを犯し、活劇としては致命的に締まりのない出来となっています。また、味方となる海賊の描き方も不十分。主人公達の船を動かすクルー程度の扱いとなっているのですが、海賊たる者、大海原を自由に駆け巡るロマンを体現した存在でなければなりません。驚いたのは中盤のチェイスで、ここは彼ら海賊の腕の見せ所だったはずなのですが、海についてはド素人のエリザベスやウィルからの指示によって動き、万策尽きると「良い作戦はないか?」とウィルに尋ねる始末。何を考えてこんな展開にしたのかと不思議でなりません。ラストの戦いにしても、洞窟の中ではジャックとウィルが戦い、外では良い海賊vs悪い海賊の大決戦が繰り広げられるべきなのですが、本作では「俺達じゃ勝てないから」と海賊達がそそくさと帰ってしまいます。海賊をテーマにしながら、海賊がまったく描けていないのです。また「呪い」の扱いもマズく、バルボッサ達が呪いに苦しむ描写がないため、戦いの目的がボケボケとなってしまっています。そもそも、悪い海賊が不死身の力を手にしようとする物語ならともかく、不死身の海賊がその力から解放されようとする物語では、ジャックやウィルは快く協力してやればいいじゃないかと思うのですが。[ブルーレイ(字幕)] 3点(2004-09-07 18:50:36)(良:1票)

411.  ドリームキャッチャー 恐ろしいまでに不完全で、それを楽しむか怒るかは完全に各個人に丸投げされたというセルフサービス映画です。ちなみに私は楽しみましたが、嫌いになる方の意見は十分理解できます。というより、好きになる方がおかしいと思います。この映画ではスティーブン・キング作品の悪い面がドバっと出てますね。スティーブン・キング最大の特徴は、前半のネタふりがやたらうまいわりに後半の尻すぼみ加減が尋常ではないことですけど、この映画はまさにそれ。これが嫌いと言う方でも、前半の盛り上げ方のうまさは認めると思います。うまく伏線を張っていくし、アイデアがおもしろいので先読みさせないし、印象的なビジュアルがいくつもあるし。しかし、一転して後半では「本当にそんなオチでいいの?」と思わせるのがスゴイところ。「あそこまで伏線張っといて、まさかこれはないだろう」みたいなことを堂々とやってきますからね。シャマラン映画と同じと言えば同じなんですけど、一方巧妙な脚本で想像力をかきたてないのがシャマランのうまいところ。しかしキングは容赦なく想像力をかきたて、期待を膨らませるので、後半の脱力感は高級フランス料理のデザートがガリガリ君だったみたいな感じです。4人の特殊能力や宇宙人の生態など、拾い切れてない伏線も山ほどあるし。みなさんこれに怒ってるんだと思いますけど、「イット」「ランゴリアーズ」「ザ・スタンド」などを経験してしまえば、「あ、またか」程度で許せるようになります。それどころか、その破綻ぶりが楽しみにもなります。そんなわけで、お客さんを選ぶ映画ってわけですね。これだけ豪華なメンツでそれをやってくれるってのが、好き者としてはまたうれしかったりするわけですけど。7点(2004-09-07 11:19:39)(良:2票)

412.  ソラリス この映画を嫌いという人の意見はかなり理解できます。演出にメリハリがなく、面白い映画ではありません。でも私はこれが好きなんです。それもたまたま私の生理に合っただけで、世の中の9割の人には嫌われて当然の映画だと思います。編集も撮影も音楽も無機質で、理解も感動も拒むかのようなこの映画。考えてみれば、盛り上げることも、感動させることも簡単にできた題材なんです。しかしエモーショナルな展開になりそうになればブツっとカットが飛び、本当に説明が必要なシーンでセリフが消える。そう、これは行間を読ませるための映画なのです。そう考えて登場人物たちの心理に身を寄せれば、ここでは大変なドラマが展開されていることがわかるはずです。妻の死を悔い、レプリカにその再現を託す夫の悲しみ、自分がレプリカだと知った妻の絶望。言葉で語るにはあまりに陳腐な物語ですが、説明を排して見る者の解釈に委ねたことで、非常に深いドラマに昇華しています。思えばまんま「ブレードランナー」な物語に「2001年宇宙の旅」の語り口がくっつけられたこの作品。その試みは絶対に失敗はしておらず、SFファンなら嫌いにならないでって思いますね。8点(2004-09-05 16:16:38)(良:3票)

413.  レッド・ドラゴン(2002) マイケル・マン、ジョナサン・デミ、リドリー・スコットと来てブレット・ラトナーには正直「?」だったのですが、案の定作品からは深みが失われ、良くも悪くも娯楽作となっていました。この映画の悪いところは、前作にあったような怖さがなくなっていること。レクターも普通のおじさんになってたし、ダラハイドからは恐怖を感じませんでした。常識や損得を越えて何をしでかすかわからない恐怖がサイコサスペンスのキモだと思うので、その点はかなり不満。やっぱりレイフ・ファインズがサイコを演じたのが悪かったんだと思います。誰もが顔を知っていて、しかも男前の彼では、「何をしでかすか」な怖さが出ません。無名で、しかも「そりゃ盲目の人にしか愛されないだろ」ってくらいブサイクな人が演じれてば、その狂気を十分に表現できたと思います。リドリー・スコットがえらかったのはその点で、ゲイリー・オールドマンを特殊メイクでメタメタにしたのは大正解でした。一方良かった点は、娯楽作としてかなりバランスのいい映画となっていること。盛り上げるタイミングがいいし、謎解きも混乱なく無難にこなしていて、「うまくまとめていくなぁ」と感心しながら見ました。豪華キャストの配置もよくて、とくにハーベイ・カイテルは存在感抜群、画面に映るだけで文鎮のように話をしっかりと引きとめていました。単品として見れば十分に面白い映画だと思います。7点(2004-09-04 16:04:13)

414.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 勝手に不幸へと突き進んでいくバカ女。どうやって感情移入しろと言うんだ?あと、映画館でしゃべるな!1点(2004-09-04 02:15:58)(良:1票)

415.  Deep Love アユの物語 劇場版 頭の悪い映画。こういうのを恥ずかしげもなく作れる人間ってのはステキだと思います。1点(2004-09-04 02:01:06)

416.  アンダーカバー・ブラザー 雰囲気と言い、笑いと言い、「オースティン・パワーズ」の完コピでしたね。とはいえ、こちらの設定の方が数倍バカバカしいわけですけど。マイク・マイヤーズの屈折したナルシシズムが気になった「オースティン・パワーズ」に対して、こちらは素直に楽しめたし。とにかくアンダーカバー・ブラザーのキャラ設定が最高すぎです。アフロにやたらこだわるってのがいいですね。銃で撃たれても、真っ先に気にするのは命よりもアフロだし。そういう細かい部分で笑かしてくれるだなんて、やっぱりいいコメディーなんですよ。ただ残念だったのは、DVDに吹き替えがついてなかったこと。吹き替えがあればこの3倍は笑えたと思います。6点(2004-09-04 01:46:35)

417.  ハルク 正直、展開がちんたらしてて面白い映画ではありませんでした。しかしVFXは非常に素晴らしかったです。ただ技術レベルがすごいというだけでなく、細かいところにまでトンチが利いていて、実に凝った映像になってるんですね。「GODZILLA」や「スパイダーマン」と比較しても、ハルク大暴れの圧倒的なボリュームや密度にはまったく及びません。というのもこの映画、VFXにはものすごい準備期間があったんです。ユニバーサルの目玉企画として期待されていた映画版ハルクは、製作開始どころかメンバーすら決まっていない98年の段階でVFXのテストに2000万ドルを注ぎ込んでおり、映像が段違いなのは当たり前。しかしその準備期間があだとなってる場面もいくつかあって、ハルクがピョンピョン跳び跳ねるシーンは完全にやりすぎだし、ニック・ノルティが電気や水とまで融合するシーンに至っては理解不能でした。脚本レベルでも「練りすぎ」というのが私の印象です。登場人物たちの抱える苦悩はしっかり描かれているし、人物同士の関係もよく整理されていて混乱を起こしていないのはさすがで、こうして振り返って見ると「実はいい映画だったの?」などと思うのですが、ただし練りすぎたせいで、頭で理解させる部分では成功していても、アクション映画としての高揚感が決定的に欠落してるんですね。もっと素直に作ってくれれば、十分に面白い映画になったと思います。5点(2004-09-02 17:17:29)(良:1票)

418.  パーフェクト ストーム 漁師の自業自得、なんてことは思わないんですけど、やっぱりメリハリのない話のせいでかなり退屈しました。後半は荒れ狂う波とジョージ・クルーニーが叫ぶ顔ばかりでしたからね。海ばかりの画面は単調になることはわかってるんだから、本当に力を入れるべきはドラマパートだったんです。なんとしても漁師たちには助かって欲しいと思えるように仕向けるべきだったんですけど、基本的にこの映画はSFX頼み。そりゃ退屈しますよ。とはいえ、「その日、地球がゆがんだ」という大げさにも程がある宣伝コピーには燃えました。4点(2004-09-01 16:27:24)

419.  リディック 《ネタバレ》 ここでのすんごい酷評ぶりに、「ものすごいヒドイ映画なんだろうな。でも罪は憎んでも映画だけは憎むまいね」と思いながら見に行ったのですが、見終わってビックリ。ものすごく気に入ってしまいました。今年のベストにも本気で選んでしまいそうです。あの重っ苦しい世界観が私にはピッタリ来たんですね。世界観に付随する美術デザインも最高で、展開がどうのとかってよりも、ひとつひとつの場面に食い入るように見入ってしまいました。とくにネクロモンガーの神殿兼宇宙船のあの仰々しさが最高です。マザーシップから戦闘機がバラバラと分離していくシーンには大興奮。未来のくせにローテクってのも大変OK。だって惑星間を移動してる連中がローソク使ってるんですよ。そんな夢のビジュアルが2時間に渡って展開されましたから、「トリプルX2よりもワイルドスピード2よりもこれがやりたかっただなんて、ヴィン・ディーゼル、あんたは男子の鑑だ」と感謝の念でいっぱいでしたね。多くの方が指摘されてる通り、これは「砂の惑星」です。あれもほとんどの人に嫌われた映画ですから、これも相当に客を選ぶ映画ですね。ちなみに私は「ブレードランナー」より「砂の惑星」というセンスの人間です。ただし完璧に神話だった「砂の惑星」に対し、こちらのお話は「ドラゴンボールZ」。フューリア族=サイヤ人、ロード・マーシャル=フリーザ、リディック=カカロットってところです。勝手な世界観に基づいて話される冒頭ナレーションの意味不明ぶり、ヘリオス惑星、フューリア族などかっこいいんだかダサいんだかなネーミングセンス。どれも私の心を捉えました。イマムはえらい坊さんに出世し、ジャックも立派なヤンキーに成長。しかしどちらもあっけなく死ぬのがこの映画のいいところ。そしてラスト、リディックは偶然にもネクロモンガーの王位を手にしますが、普通の映画ではその権力を利用して悪の軍団を解散させるなり、悪い連中を捕まえたりするもんです。しかしリディックはちゃっかり王座に居座り、クライマックスでは銅像にまでなってました。こういう不敵な所がまたいいのです。絶対に続編はないでしょうけど、でもこの2時間でお腹いっぱいになりました。とりあえず9点をつけておきますが、DVDで見返してもアラが気にならなかった場合は、10点に昇格する可能性もあります。そんなお気に入り映画。9点(2004-08-31 22:12:42)(笑:2票) (良:2票)

420.  ドリフト(2001) 壮絶なアクションはかっこよかったのですが、編集がむちゃくちゃで訳のわからないシーンが多かったのがものすごく残念。肝心のアクションで誰が何をやってるのかがよくわからず、せっかくの素晴らしいシーンが台無しに。「もうちょいちゃんとしてくれたら~」と、ストレスの貯まる鑑賞でした。もちろんそれは「惜しい」の裏返しなわけですけど。4点(2004-08-31 04:40:10)

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