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401.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 -Melody- “快い調べ”…ほう、なるほど。今更だけど邦題の解釈が深まる。トレイシー・ハイド演じる女の子の名前でもある。 また- S.W.A.L.K -のタイトルが付けられたこともあったそう。意味はwikiに。 学校生活や運動会の様子が実に自然で、あの年代の子供を活き活きと描いている。気軽にタバコを吸っているのに驚くけど、お国柄かな。 男の子たちは空き地の廃墟で手製爆弾に火を付けて盛り上がってるし、女の子は墓場でミック・ジャガーのポスター(“ミュリエルへ愛をこめて”ってサイン付き。本物ならとっても貴重)にキスしてる。 幼い2人のデートも、ホントただ遊ぶだけで可愛らしい。恋愛と友情は別物なのに、その区別が曖昧な年齢だから、ダニエルをメロディに取られたことに嫉妬してるトム。なんかわかるその気持。ダニエルをからかって憂さ晴らしするのは子供らしいけど、ケンカのあとすぐに謝れるのは、やっぱりトムって一歩大人。家でおじいちゃんの世話をするだけある。 性を語るにはまだ幼い男女の恋愛、お互いが好き同士で、ずっと一緒にいたい。けど好きのその先どうして良いか解らないから、いろんなものをすっ飛ばして辿り着いた結論が、結婚。 スパッと一言でいうと「お前にはまだ早い!」なんだけど、理屈をぶつけるのではなく幼いメロディに解るように話すお父さんの優しさ。「幸せになるのって何でこんなに難しいの?」社会を知らないからこそだけど、もっともな正論を言うメロディ。有名な墓場の雨宿りのシーンから続くこの場面大好き。 この映画、米英ではヒットしないで、日本で局地的に大ヒットしたとのこと。 最後の“自分たちでなんとかしようとする子供 VS 社会のルールに則って阻止しようとする大人”の構図は、日本のジュブナイル物でよく出てくる構図で『ぼくらの七日間戦争』なんかを彷彿とさせる。 社会のしがらみからどこまでも逃げていく2人が、抑圧からの開放っぽくもあり、四畳半フォークが流行ってた当時の日本で、この映画がウケる要素が詰まっていたのかなぁ。この映画の『キスシーンもない純粋な子供の恋愛映画』の一面より、そっちの面がウケたような気がしないでもない。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-07-13 10:41:33)《改行有》

402.  私の頭の中の消しゴム 《ネタバレ》 -내 머리속의 지우개(Eraser in my head)- 邦題まま。 また -A Moment to Remember- “この瞬間を忘れない” 若年性アルツハイマーって、記憶力の低下みたいなものだと思っていたけど、医者の言う『肉体的な死よりも精神的な死が先に訪れます』がガツンと効いた。・・・そうなのか。それじゃ“脳トレ”とかイワシとか、無駄な抵抗じゃないか。 創作の映画に対する『実際はもっと・・・』は付きもので、この映画はアルツハイマーのイメージを解りやすく表現出来ていたと思う。観た人に病気に対する恐怖を与え、ズンと重たい気持ちで観終わるのではなく、希望を残すカタチで、悲しいラブストーリーに特化して描いているので、多くの人に抵抗少なく受け容れられたんじゃないかな。 帰り道がわからなくなる。メモの付箋だらけの室内。不倫相手を今の恋人と錯覚。失禁。こんな悲しい描写と、「一生恋ができるぞ」みたく病気と前向きに戦うチョルスの言葉が、スジンだけでなく見ている私にも希望を与えてくれる。 記憶が蘇ったときに書いた手紙の、溢れんばかりの気持ちの込め具合に、スジンの愛情の深さが感じられる。 だけどどうしてか、登場人物みんな、極端に第一印象が悪い。スジンは不倫、チョルスは暴力。まぁ主役2人は時間を掛けて描かれるから良いとして、医者はズケズケと本人に病気を突き付けるし、師匠はチョルスの仕事に冷たく、母親は問答無用で食ってかかる。 後に印象リカバーする機会があるから、みんな根っから悪い人じゃないんだな。ってなるけど、映画が2人の恋愛に特化したためか“最後に突然良い人になってた感”を感じてしまい、コンビニのシーンに、何で?って驚いたのが先行して、スッと心に入ってこなかった。 「ゴチャゴチャ考えないで、そこは素直に泣けよ」と私自身に言い聞かせる。[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-07-13 09:14:03)《改行有》

403.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 片岡鶴太郎の演技力がとても評価されてた記憶がある。コメディアンが映画に主演して、真面目な演技をして評価されるって、当時としては珍しいことだったと思う。そんな人、北野武くらいじゃないかな?テレビで初めて観て、なるほど納得。見事に“英雄のお父さん”を演じていた。 本作が大林宣彦監督作品だって忘れてた。若者の青春映画の監督ってイメージだったから、こんな大人のメルヘンファンタジーを撮っていたことに驚いた。当時の私は知って観てたのかな。ホント忘れてた。 画面から伝わる夏の暑さ。浅草の異世界感。「暑いから脱げ」ってセリフがホント両親っぽい。もう40歳になる英雄を子ども扱い。この両親、自分たちは既に死んでいることを自覚しているけど、どういう仕組みで現世に戻ったとか、よく解ってないんだろうな。英雄と再会した喜びとか、涙とかは無く、出会いから日常生活から、スッと自然に取り入れていくところが、本当に不思議な世界を観ているような気持ちにさせてくれる。 英雄と房子がアイスのカップを取るシーン(いやこの場面も、裕福な家庭でないのにそんな物があるのが、なんか実家っぽい)。英雄も私たちもドキッとしてしまうけど、落ち着いてる房子のギャップが面白い。下手したら年下のお母さんだけど、子供の母親は何歳でも母親なんだな。 そんなお母さんが趣味でラジコンカー(本格的なのでなく子供のオモチャのヤツ)で遊んでるなんて可愛い設定、どっから思いつくんだろ?凄いよ大林監督。 すき焼き屋の別れは涙が溢れてくる。時間が来たら消えてしまうことは理解している両親。それも子供の為と受け入れているところ。両親に食べてほしい英雄と、子供に食べてほしい両親のお互いの思いやりが何とも切ない。 桂の正体。「バカな、今は空き室ですよ!」慌てる間宮と管理人に、当時はゾ~~~ッとしたわ。怖かった。その後のホラー描写はやり過ぎ感があって、なんか、今までの感動や余韻を台無しにされた感があったなぁ、やっぱり。 でも今観ると、案外悪くない結末なんだよね。身体フワーリ、ベッドグルグルー、血がドバー。は、当時の流行りだろうか、やりすぎだと思うけど、気がついたら地縛霊になってた桂は、彼女なりに、自分が原因とも知らずに、英雄の身を案じてたと解釈すると、それはそれで切ない。[地上波(邦画)] 8点(2022-07-11 00:11:44)《改行有》

404.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 -Maverick- “焼印の押されていない子牛”≒“群れに馴染めない存在”=“一匹狼” なんか久しぶりに『映画館で映画を観る醍醐味』を味わわせてくれたわ。懐かしさと新しさ。ジェットエンジンの爆音とトップガンアンセム→デンジャー・ゾーンの流れは鳥肌モノだった。本作の主役機はF/A-18スーパーホーネット。前作の時代から現在まで活躍している、ちょい古い世代の戦闘機(の子孫)。 現役バリバリの第5世代戦闘機F-35をチラッとだけ映しといて、「お前の出番じゃねぇよ」と言わんばかりに力強く空に舞い上がるF/A-18の勇姿。 60歳近いのに未だに現役パイロットで大佐止まり。コールサインのせいじゃないだろうけど、彼があの年齢まで結婚しないのも、年上で野心家のシャーロット(チャーリー)と続かなかったのも、なんか頷ける。 そしてカワサキGPZ900R(まだ持ってたの?)にまたがるマーヴェリック。懐かしい革ジャン(これもまだ持ってたの?)、背中の日/台ワッペンもバッチリでひと安心。トムは映画でしょっちゅう観てるけど、ホント久しぶりにマーヴェリックに会えた気分。 当時と変わらない彼が、現代の若者とのジェネレーション・ギャップに苦労したり、トレーニングでついて行けなくなって年齢を感じさせたりするのかと思いきや、「まだお前等の出番じゃねぇよ」と言わんばかりに、衰えを知らない体力と精神力で、若者たちを軽くあしらう様子が痛快。いい意味でヤンチャなままのマーヴェリックだったわ。M:Iシリーズのイーサンみたく若い女性パイロットに手を出さないで安心したわ。 ペニー・ベンジャミン。前作で2回ほど出た名前だけど、そうか、彼女が“司令官の御令嬢”か。グースの妻・キャロルが名前を知ってたくらいだから、カラオケでマーヴェリックを『1回目は撃墜され黒焦げ』にしたのも、きっと彼女だろう。 ジェニファー・コネリーが懐かしく、それでいて若い。前作のレビューで『懐メロが~』とか書いたけど、まさかデビッド・ボウイを懐メロ枠で聴くことになるなんてね。懐かしいねラビリンス。 デートのあとドア開けっ放しにしてピートを招き入れ、そのまま受け入れるトコなんて特に若い。あの年齢でメイク直したり照明消したりしない潔さがカッコいい。前作のチャーリーもペニーも古いポルシェ乗りなのは、なにかの縁なのかな。 中盤のブリーフィングのシーンで猫みたく耳がピン!と立った。え?ええっ?これ前フリ?絶対そうでしょ!? 達成困難なミッション。からの絶体絶命。そこから先はもう、今までとは別な映画のよう。これ以上のサービスは思い付かいゾってくらい、素晴らしいご褒美。やっぱカッコいいわ。こんなカタチで全部解決してしまう説得力。まぁ細かいことなんてどうでもいいわ。 私は何の不満も無いわ。もう全部許す。これでいい。CGとかアニメとかじゃなく、こういう映画を映画館で観たかったんだ。 「でもそれは今日じゃない」これはかつて、トップガンで熱くなってた世代へのメッセージ。 あれから36年の年齢を重ね、当時の想像とは違った現実と日々戦っている、私たち当時の若者達すべての胸に、熱く響く言葉だった。[映画館(字幕)] 10点(2022-07-10 23:12:51)《改行有》

405.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 -BONNIE AND CLYDE- “ボニーとクライド” 普通に名前を並べただけだけど、これだけで通じる辺り、ロミオとジュリエット並みに神格化されてたんだと思う。ボニー(女)が先に来ているのは、語呂の良さだろうか? 邦題の“俺たちに明日はない”は、かなり魅力的なタイトル。明日など無い。今日、いま、この瞬間を刹那的に生きた2人の生き様を見事に表現していると思う。 2人きりの犯罪者カップルだと思ったら、バロウ・ギャングというある意味身内で固めた犯罪者集団だったのは意外。 貧乏人からは金は取らないと、義賊的な活躍が神格化された原因かと思ったら、案外あっさり銀行員を撃ち殺したモンだから、これにもビックリ。ネットの時代なら盛大に手のひら返しをされてた可能性大。 新聞がメディアの中心だった時代、社会も彼らを過剰に持ち上げていたんだろう。実際の犯罪もあれば、疑わしい犯罪を彼らのせいにしたものもあったろう。 OPから斬新。無音にシャッター音(?)だけが響き、サブリミナル並みの速さで映されるモノクロ写真。フェイ・ダナウェイのセクシーな唇。見えそうで見えない裸。退屈な毎日から抜け出させてくれそうな運命的な出会い。銃を撫でる手のエロさ。突然始まる非日常。強盗してから名乗り合う2人。場違いにも思える陽気な音楽…この新しさは、当時相当ショッキングだったんじゃないかな。 ユージンを乗せてからの変な空気も面白い。本当にその日その場を楽しんでるというか、後先考えてないというか… あの有名な射殺シーンから、無音の THE END の流れ。あそこでブツリと終わるのも“俺たちに明日はない”感がとても良く出ている。 ボニーとクライドが出会ってから、死ぬまでを描いた映画、それ以上でも以下でもないと言う意味で、-BONNIE AND CLYDE-も魅力的なタイトルだと思う。 撃たれる瞬間の、お互いの表情を交互に映すカメラも良い。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-07 22:58:07)(良:1票) 《改行有》

406.  BEST GUY 《ネタバレ》 -BEST GUY- “最高の男” 航空自衛隊千歳基地の201&203飛行隊のトップパイロットに与えられる称号。 この映画が千歳を舞台としているのに気がついたのって、映画の中盤。基地以外では現地ロケしてたのかな。全然北海道感がないんだけど。最後チラッとトマムが出るくらいで、道民としては…アレレ?って思いました。 当時の若者が熱狂した『トップガン』の日本版を創ろうとしたそうだけど、制作陣は創ってる最中…アレレ?って思ったに違いない。 日本版トム・クルーズ役をゲットした織田裕二。キャリアアップを目指した結果、まさかの足踏み。むしろ黒歴史扱いに…アレレ?って思ったハズ。 海軍パイロット希望者がわんさと来た映画の日本版と聞いて、航空自衛隊も精一杯期待と支援をしただろうけど、完成作品を観て…アレレ?って思ったことでしょう。観る人も、創る人も、演じる人も、題材にされた組織も、誰一人として得しない映画って、あるものですね。 深雪にバーティゴの話を突然始めたり、自信喪失で今まで出てない元カノに会いに行ったり、関係断られたからって『じゃあコッチで』って深雪の家行ったり…キャラがブレブレの梶谷。民間人なのに基地の司令室とかブリーフィングルームとか自由に行き来出来る深雪。 特別出演:シェリー…誰? よく解らなかったんだけど、ゴクウとイマジンが戦って、「梶谷お前はキル(撃墜)された」「いやキルされてない!ベイルアウト(緊急脱出)だ!」云々…「見ろよ!俺は生きてるぞ!」って流れ。撃墜を避けるために墜落したってこと?まるでゲームで『K.O.される前にリセットボタン押しました~』って言ってるレベルに思えたんだけど。この解釈で合ってる? ゴクウはここでF-15J一機墜落させてるんでしょ?その後バーティゴで墜落したけど、ゴクウは都合二機もF-15J墜落させたってこと?貴重な国税を…トップガンを彷彿とさせる海上救助シーン。コッチは1人だけ、死者も出てないのに、なんか悲しいシーンっぽくしてるのが悲しい。 F-15Jの実機映像は文句なくカッコいい。それだけが救いなのに、盛り上がるシーンに限ってチャチな特撮。酷い。 私はこの映画と関係ないけど、自分の意志で115分間しっかり観たけど、なんか、謝って欲しい。[インターネット(邦画)] 3点(2022-07-06 21:32:07)《改行有》

407.  12モンキーズ 《ネタバレ》 -Twelve Monkeys- ・・・と言う名の過激な自然保護団体。 テリー・ギリアム作品のなかでは珍しく、エンターテインメントとして、かなりスッキリしていると思う。未来の世界とタイムスリップを扱っているので、最初観ていて??って思うような部分も、後々きちんと事情が解る創りで、私はこの監督ではこの作品が一番好きかもしれない。 ブラッド・ピット演じるジェフリーの狂人演技、ハイテンションのヤバいヤツ感が抜群に素晴らしく、また人を引き付ける魅力も感じさせる。 そして主人公のジェームズ。主人公としてマトモなハズの彼だけど、キャサリン視点で観るとマトモとは思えず、怖くて仕方ない。妄想に思える人類滅亡のシナリオが、オオカミ少年の顛末や(出来すぎ感があるけど)第一次大戦の写真で、キャサリンが信じるまでを、一歩一歩踏みしめるように追っていけるシナリオが見事。 キャサリンが未来を信じた所に、未来を妄想と思い込んだジェームズをぶつけるのも面白い。あの不気味なテープから正気を取り戻し、テンポ良く結末に向かっていく流れも秀逸。 12モンキーズの起こした事件の清々しさ。・・・そりゃ危険なのもウロウロするわけだから、手放しじゃ喜べないんだけど、今までのドロドロしたダークな雰囲気を吹き飛ばす爽快さを感じた。 ここまで観ると、結末は悲しいものになることも想像できるけど、タイム・パラドックスを信じるなら、あの場に居たジェームズ少年には、空気の美味い明るい未来が待っている。と思えるかな。 サッチモの“この素晴らしき世界”がとても印象深く耳に残る。観終わって『良い映画観たな』って思える作品。[地上波(吹替)] 8点(2022-07-06 20:41:49)《改行有》

408.  トップガン 《ネタバレ》 -TOP GUN- “アメリカ海軍戦闘機兵器学校(NFWS)”の通称。 当時大ヒット&大ブレイクしました。トム・クルーズもトム・キャットも格好良かった。音速のドッグファイトとノリの良いサウンドの組み合わせ。デンジャー・ゾーンのノリも好きだけど、トップガンアンセムの静かに盛り上がる曲も好き。どうしてサントラ盤はギターが激しいんだろう、大人しいバージョンも入れてほしかったわ。 ミサイルが同じ場所から出てたり、洋上なのに陸地が見えたり、敵機が残り1機なのに2機映ってたり、そんな事が些細に思えるほどに本物のF-14Aの美しさ。特撮じゃない空撮の迫力。世界最強の航空戦力。あの雰囲気、あの格好良さに勝るもの無し。 カラオケで告白なんて、アメリカ人があの陽気なノリでやるから、もう格好良いのなんの。マーヴェリックてかトム・クルーズが相当歌が下手なのも見事にノリでカバーしてる。最後トイレまで追い掛けていって、グースとの賭けにインチキで勝つところもオチャメ。 アイスマンって嫌な奴&あの事故ってわざと?って思ってたけど、規律を守る常識人だし、本当に不可抗力な事故だったんだろう。ロッカールームでマーヴェリックに、一旦呼吸を整えてから「・・・ミッチェル」って名前で話しかけるトコ、ホント根が優しい人って感じ。 トップガンと言えば格好良いシーンで掛かるノリノリのロックが目立つけど、面白いのは懐メロが3曲ほど出てきたとこ。 カラオケで歌ったライチャス・ブラザーズの“ふられた気持ち”はピートとチャーリーのお互いの告白に。 グースが愛する妻キャロルにピアノ弾いて歌ったのはジェリー・リー・ルイスの“火の玉ロック”。 ピートの両親が好きだった曲としてオーティス・レディングの“ドック・オブ・ベイ” ノリノリのトップガンのサントラには入ってない3曲だけど、この映画では2人の愛を懐メロで表現しているのが面白い。 ベルリンの“愛は吐息のように”この曲も今ではずいぶん懐メロだけど、ピートとチャーリーの愛のテーマであり、デートムービーとしてトップガンを観た私たちの愛のテーマにもなっていた(と思われる)。だってみんなサントラ持ってたし。クラスに1人はサントラCD持っていて、それをみんなカセットテープにダビングして聞いてましたよ当時は。私もTDKのADに入れてたっけ…あぁ懐かしい。 最後にマーリンについて書いておこうと思う。今ではネットで簡単に調べられるから、ご存じの方は飛ばしてください。 公開から暫くして、ビデオとかで観てる時、最後の甲板で突然ヌゥっと出てきて「え!?もしかしてティム・ロビンス?」って、私たちををびっくりさせてくれたのが、マーリン。公開当時は無名だったから気にもしてなかった。 彼はいつから居て、どこで何してた?実は最後、マーヴェリックのレーダー要員、つまりグースの後任を努めてました。グースの死後、トップガンでは日章ヘルメットの黒人レーダー員(サンダウン)が後任だったけど、卒業式の緊急命令の時にヴァイパーが「レーダー員が居なければ私が飛ぶ」って言ってたから、この2人のどっちかがレーダー員を努めてたと思ってた。なのにどうしてマーリン? 実はマーリンは最初のミグ遭遇時の、クーガー機のレーダー員。本来だと空母エンタープライズからはクーガー/マーリン組がトップガンに行く予定だったけど、クーガーが辞職してマーヴェリック/グース組が行くことに。マーリンはそのまま空母に残ってたんだろう。腕は良いんだろうに。 で最後の緊急命令時もたまたまエンタープライズが母艦に選ばれて、最初の編隊チームだったマーヴェリックとマーリンの2人が、お互い固定パートナーが居ないから組めた。って流れでした。最後に突然登場したと思ってたけど、最初から映ってて、けっこう喋ってたんですねぇ。[映画館(字幕)] 7点(2022-07-04 00:38:39)(良:1票) 《改行有》

409.  ポンペイ 《ネタバレ》 -Pompeii-ナポリ近郊の2.5万人規模の都市。ベスビオ山の噴火で消滅し、2千人程が亡くなった。…市民全滅ではなかったのね。 火山の噴火という自然災害に身分の異なる男女の恋愛を取り入れ、贅沢にも剣闘士のアクションまで取り入れた欲張りな作品。タイタニックとグラディエーターをいっぺんに観てるような、そんな気分になれるかもしれない。 しかしあそこまで恋愛路線に傾いてるとは思わなかった。何故か一目惚れして、何故か相思相愛になってて、何故か逃走して。あの短時間に恋敵であり親の仇が登場し、ヒロインが連れ去られたり取り返したりと忙しい。闘技場から屋敷に走って、また闘技場に戻ってと、本当に忙しい。ポンペイってディズニーランドくらいの広さなんだろうか?人口から考えて本当にそれくらいかも? 2人の恋にベスビオ山の噴火がどう関わってくるか。火山の噴火と火砕流に呑まれる街の描写は中々気合が入っている。だけど、突然噴火するだけで、火山の前フリとか登場人物との絡みが殆どないのね。劇中、溶岩が溜まっていく様子とか、頻発する地震とか、建物のひび割れとか、馬に落とされて亀裂に呑まれる人とかの“噴火の予兆”はあったけど、それを俯瞰で観察して、ポンペイの未来に危機感を感じてる登場人物が出てこない。当時の学者なんかを主要人物に入れて、予兆を体験させて「このままでは噴火するぞ、市民を逃さないと」みたいな盛り上げ方は必要だったかと。 あ、剣闘シーンはなかなか。歌いながら場面説明をする、黄金のマスクマンたちは雰囲気出てた。 オープニングの石膏で再現された遺体。あの石膏遺体がどうやって再現されたか?とか、他の映画でよく描かれる古代ローマ都市とポンペイがどう違うのか?とか、観ていて歴史の勉強になる要素は殆ど見つけられなかったのは残念。 2人の最後は、ちょっとロマンチック過ぎないかい?カッシアを守ろうとマイロがキツく抱きしめたカタチで…くらいの表現で良かったかと。[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-29 22:53:41)《改行有》

410.  テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 -THERMAE ROMAE- “ローマの公衆浴場” 顔の濃い日本人でローマ人を表現するセンスは素晴らしい。中途半端に西洋人を出すよりもずっとインパクトあるし楽しそう。 あとは肩肘張らずに、原作の面白さと阿部ちゃんのスットボケキャラの相乗効果を味わうだけ。・・・だと思ったんだけどなぁ。 漫画原作の邦画って、どうしてかダイジェスト的に話を詰め込み過ぎになりがち。 ①銭湯→②家風呂→③ショールーム。この、それぞれでドラマの30分枠を充分に埋められる面白い話を、たった35分で消化してしまう駆け足具合。シャワーの便利さ、富士山の壁絵の雄大さ。フルーツ牛乳の甘さと冷たさ。シャンプーハットの懐かしさ。果てはウォシュレットの気持ちよさ。…私たちの生活に当たり前に浸透している、日本のお風呂文化(いや水回り文化か)を見て、ルシウスが驚いて感動するところがこの作品一番の目玉だと思う。私たちには当たり前の光景が、どうして素晴らしいのかをルシウスに語らせる。そしてそれをローマに帰ったルシウスが、当時の技術で上手に再現するところも含めて“日本のお風呂文化って凄いんだな”って。 日本ローカルの愛すべきお風呂文化が、同じくお風呂が好きな古代ローマ人に喜んでもらえる嬉しさ。最近流行った『世界に誇る日本の文化』みたいな風潮のモトって、このテルマエ・ロマエかもしれない。 お爺さんたちが古代ローマに行ってしまうと、いままでの日本のお風呂文化の素晴らしさが伝わる喜びが無くなって、途端に退屈になる。 ・・・というかネタを詰め込みすぎてお腹いっぱい。上戸彩が実家に帰るあたりにはもう飽きて長さを感じてる。 原作は途中までしか知らないけど、ローマに行ったお爺さんたちが後方支援とは言え、戦争の一方に自主的に加担するのも安直だし、クライマックスにオンドルなんて、あまり馴染みのない、朝鮮半島の文化を入れてくるのも不自然。この当時のフジテレビの韓流ゴリ押しは異常。 こんな無理やりな展開入れるなら、もう銭湯からショールームまでで90分くらいの映画で良かったんじゃないか?って。 ケロリン桶の美しさを解説する全裸の阿部ちゃん(股間は上手く隠れてる)なんて、想像するだけで笑えるのに、サラッと。 ワンダーウェーブ洗浄とかBILINGUALとか、映画独自の笑い要素もあって、全部が悪いわけじゃない。 しかしエンディングのお風呂でくつろぐ登場人物たちは、私に“お風呂入りたい欲”を沸き立たせる。[地上波(邦画)] 4点(2022-06-28 22:07:49)《改行有》

411.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 -The King's Speech- 邦題まま。 立場的に逃げられず、苦手とすることをやらなければいけないのって、とっても大変。 私も人前で話すのが苦手で、仕事上大勢の前で話す時とかとっても緊張します。英国王に比べてスケールが小さいですが、乾杯の挨拶とか、出来れば、この世から無くなってほしいものです。って思ってたらコロナで宴会無くなってラッキー。 デイヴィッド王子が居るから、表舞台に立たなくて良くてラッキーと思っていたところ…な本作。 幼少期に脚や利き手を矯正されて、食事も抜かれて胃腸も弱ったアルバート王子。無理な矯正が別なカタチで歪みを生んだのかと思うと、同じ左利きとして同情してしまう。 対象的に自由を謳歌するデイヴィッド王子。立場的に彼のほうがストレスが多そうだけど、そんなの気にも掛けず、世間から白い目で見られようと、愛する人を選ぶデイヴィッド王子の生涯の方が、映画的に面白そうにも思えた。 治療の光景は独特で、歌に乗せたり汚い言葉を使ったり、ローグの原因の引き出し方、戸惑いつつも治療を投げないバーティの関係、バランスが見事。ローグが食卓で「…やりすぎちゃった」と落ち込む姿は、治す側も手探りなんだと感じさせてくれた。 最後の演説、ヒトラーの演説を観てからではスケールダウンは否めないラジオの放送だけど、却ってそこがいい。 新進気鋭の独裁者の煽り演説に流されない、威厳ある王室の姿勢をしっかり観せているように思えた。 しかし、トム・フーパー監督。私はちょい苦手なのかも。[インターネット(字幕)] 5点(2022-06-26 20:18:46)《改行有》

412.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 -The Thing- “無生物”・・・って事は、アレは生命体じゃないってことか?寄生型の・・・何か。邦題は“物体”としたんだね。遊星ってのは惑星と同じ意味みたい。 で、アレだけど、完璧な擬態を見せて人間(と言うか生物)に近づき、普通にコミュニケーションをして、おぞましい姿で寄生する。犬の変身がおぞましくて凄かった。他の犬が関心を持ちつつチラチラ見てるなか、バックリ裂けて大変身。触手をピシュンピシュンしならせる。あの不気味さはパペット技術の産物。もしブルーバック合成やストップモーション撮影だったら、きっと人形っぽくてシラケてたと思う。 明るい医務室でじっくり観えるノリスの変態。常識を逸脱した部位の使い方。炎から逃げるために首だけ脱出させるセンス。蟹のような足とカタツムリのような目。逃げて隠れずじっとして燃やされる最後も意味不明で怖い。 寄生されるとどういう感覚なんだろう?ノリスが寄生されてた時、縛られてるパーカーも既に寄生されてたと思うけど、アレどうし助けるとか協力するとかしない。助け合い、協力。その裏にある裏切り、疑心暗鬼。そういう感覚がもう生物的で、アイツら無生物とは違うのかもしれない。寄生した個体のどれかさえ生き残ればOKって考えかな。 そう考えると医務室の検査の前に、外で不気味に叫んでたベニングスは「寄生されたらこうなるよ」って、人間に嘘の情報を植え付ける役割だったのかも。 でも、ノリスもパーカーも、寄生されたことに気がついてない可能性もあるしなぁ、正体を表す直前まで人間的すぎたから… アレによる被害も大きいけど、人間による被害も同様に大きい。乗り物や無線機とかは人間のブレアが壊しているし、建物を破壊したのは人間同士の話し合いの結果。建物焼いても人間が不利になるだけなのに、ブルドーザーのような重機は動くんだからそれにガソリン積んで逃げるのも方法だったろうに、パニックで誰も疑問に思わない。アレは雪の下で何万年も生きていられるのに。 “ちょっとビビらせたら勝手に争って、勝手に自滅する”のが、アレに言わせれば、直接的にしかコミュニケーションを取れない生物、社会を形成して群れて生きる人間の、欠点であり、倒し方なのかもしれない。[ビデオ(字幕)] 8点(2022-06-25 23:09:29)(良:1票) 《改行有》

413.  トイ・ストーリー4 《ネタバレ》 やはり私も『最高の終わり方をした3の後日談を創る意味ってあるの?』って疑問もあったためか、4は劇場で観るつもりだったけどタイミング悪く観られず。1~3はそのうち円盤を買おうと思っていたけど、4は賛否両論あることを知り、どんなタイミングで観るか迷っていたところ、ネットニュースの『金ロー最悪。3の翌週4やるなんて』って記事にまんまと踊らされた。どんだけ酷いんだ?ようし、テレビで観てやるべ!って…観たんです。 今回のテーマは「子供は毎日のようにオモチャを失くす」そう、確かに。 “あげる”“壊す”“捨てる“売る”あと“あの場所で失くして、探したけど見つからなかった”そんな、最後どうなったか?を覚えているオモチャはともかく、もう一つ“どうしたか忘れた”があると思う。この4はその持ち主のもとで天寿を全うできなかった“忘れたオモチャ”のアンサーだ。 序盤の回想が、3から出なくなったボーとRCがメイン。漠然と“どっかの時点で捨てたんだな”って思っていたボーのその後が、ここでようやく解る。みんなのところへ戻そうとするウッディだけど、ボーの持ち主は妹のモリー。モリーがあげると決めたなら、ボーは貰われて行くしか無い。 ここで一瞬、ウッディも箱に入ろうとするトコ。最後に繋がる見逃しちゃ駄目なポイント。これがオモチャのウッディの自我、意志。だけどまだ自分がアンディに必要とされていることを自覚して残るウッディ。 ボニーのお気に入りになれなかったウッディ。まだ持ち主のモトにあるのに、既に忘れられつつある存在になっていて、このまま居てもきっと最後どうなったか、ボニーは覚えてないし、探しもしないだろう。 その後ボニーが大人になって、アンディと会った時「ウッディってカウボーイのオモチャ覚えてる?」とか言われて「あれ?う~ん・・・近所の子に全部あげたと思う」とかってなるかも。そんな未来が観える中、ボニーのことを思い続けるウッディが涙ぐましい。 そして最後、ボニーに必要とされないからではなく、9年前に思いとどまった事を実行したウッディ。迷うウッディの背中を押してやるバズの友情。 これでトイ・ストーリーを観た子供に「そういえばわたしの○○(オモチャの名前)、どこにいったの?」と聞かれた時「自分でどっかに捨てたんだろ」と冷たく言う以外の回答「○○もきっと、ウッディやボーのようにじぶんのかんがえで、たくましくいきているんだよ」って言える。このテーマを1~3の劇中に挟むのも難しかったろうし、単独の話として創って正解だったと思う。 トイ・ストーリーは1~3まで、公開年と劇中の時系列が一緒だったハズ。3が2010年の話で、この4も同じ2010年の話。だからカブーンの決め台詞がオバマ大統領のキャッチコピー。ちなみに9年前の回想シーンは実は2001年になる。 別に2019年のウッディたちの話でも良かったろうに、シリーズで例外的に時系列から外して創ったのは、やはり1~3が完璧と思う層(4を受け容れられない層)に配慮したように思える。そしてトイ・ストーリーは2010年で終わったシリーズを意味するんだと。4って付けてるけど、番外編でいいですよ。って。だから5は無いんじゃないかなぁ? 私は、4大丈夫だった。この出来なら劇場で観たかった。 ちなみにRCのその後、成れの果てが、スカンク・ラジコンなのかな?いやそんなウマい話無いだろう。たぶん壊れて捨てたんだろうけど。 ただフォーキーは…本作のスカンク・ラジコンみたく、オモチャなのに命のないものも居る中で、アレをオモチャとして良いのかどうか…これが例えば“お婆ちゃんが創った刺繍の人形”とかなら命も入りそうだけど。 アレだと、鉛筆さんや消しゴム君にも命があるってことになりそう。そういうので遊ぶ子供への配慮かもしれないけど、コッチの“どこまでがオモチャ?”の線引は、どうかなぁ?って思った。[地上波(吹替)] 8点(2022-06-25 12:42:10)《改行有》

414.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 ※極力ネタバレ無しで書いてみましたが、難しいですね。有りにしておきます。 リアルタイムにはザ・ウルトラマンや80の世代になるんだろうけど、子供の頃は初代からレオまでが大好きで、夕方や夏・冬休みの再放送を、何回も観ていました。ほぼ全話見ていると思う。そして私が初めて映画館で観た映画が、ウルトラマン(ハヌマーンのやつ)。何かと縁がある作品です。 オープニングのゴメスやペギラにビックリ。そうか、そこから話が繋がってるんだ。元々が30分完結の独立したショートストーリーを、1本の映画として連続性を持たせて完結させるための取捨選択。綺麗にまとまっていたと思う。 公開前から、どうしてネロンガとガボラって似た怪獣をチョイスしたんだろ?って思ってたところ、アタッチメントの件でひとりヲタ笑いしそうになったわ。似てる理由も、映画の中できちんと処理していたのは上手いな。 しかし登場人物全員の、あの理屈っぽく固っ苦しいセリフはなんだろう。みんな頭が良いからだろうか、禍特対も宇宙人も似たような難しい喋り方してて、私の周りにあんな人いないから、違和感感じたわ。子供は楽しめないだろうな。 神永が子供を助けに飛び出すのは、一般人と距離が近い科特隊なら違和感ないんだけど、対策本部で研究と指揮だけで、現場活動しない禍特対では難しそう。 1回目と2回目で容姿の変わったウルトラマン。AタイプからB・Cタイプに変わる理由としては上手いけど、このすぐ次にニセ・ウルトラマンを出したからまた容姿が変わっただけのように思えて、ニセ感が弱くなった気が…ここはもっと、目とつま先で表現してほしかったと思う。 ウルトラマンは神ではなく、特殊能力のある60mの巨人でしか無く、ゼットンには敵わないのを解っていたのに人間のために戦いを挑む姿に涙が出た。 どうしてカラータイマーが無いんだろう?って疑問は、劇中では解決せず。後で調べて、そういうマニアックなトコから設定を引っ張ってくるんだぁって感心する反面、当時の製作陣の知恵と工夫、白黒からカラーテレビに変わる時代背景を落とし込んだのが“カラータイマーのあるウルトラマン”だとも思った。カラータイマーがロボット的だという考えを織り込むなら、無機質な“光る目”も、生物的なディテールにしても良いのでは?って思ったりした。 よりオリジナル設定に寄せる訳ではなく、怪獣図鑑の後付設定“一兆度の火球”とかは入れるあたり、つまりは制作側が好きなものをブチ込んだ結果がこのシン・ウルトラマンなんだろう。 ウルトラマンは100人のファンが居たら100通りの思い入れがある作品なので、このシンがベストマッチの人もいれば、大ハズレの人もいるだろう。 庵野監督がウルトラマンが大好きなのは知っていたから、どんだけ“お約束ネタ”を仕込んでくるかと思ったけど、うん、これがもし押井監督とかだったら、絶対魚眼レンズの顔アップや、みんなで並んでカレーライスからの・・・は入れただろうなって。 もちろん期待ハズレという意味でなく、後半にかけての展開の意外さ。繋がりの上手さは楽しめました。だけどウルトラマンの王道リメイクと言うよりは、庵野秀明版・ウルトラマンの同人作品ってポジションがしっくり来るかも。 最後の方の会話は、どうしてウルトラセブンで怪獣より宇宙人が多く出ていたのか?に上手く繋げていたと思う。シン・セブン作るのかな。[映画館(邦画)] 7点(2022-06-24 16:18:53)《改行有》

415.  グッドモーニング,ベトナム 《ネタバレ》 サッチモの“この素晴らしき世界”の美しさと、最後の和やかなソフトボールシーンが、この映画を異国の人情モノに思わせてしまう。 けど、何か違う気がするぞ。監督はどういう立ち位置で、この映画を観せようとしたのか。 '80年代半ばから後半にかけて、ベトナム戦争を題材にした映画が多く制作された中の一本で、戦闘をメインとしない珍しい戦争映画。最初に観たのは14~5歳の頃で、当然ながら当時はクロンナウアのアメリカ側の視点で観ていた。30年以上経ったいま、ベトナム人のトリンやツアン側の視点で観てしまう。 トリンに一目惚れ(・・・というか白いアオザイを着た美人なら誰でも良かった)のクロンナウア。フラレたのに金で買った自転車で追い回し、英語教師の座も金で買い、適当な授業で笑いを取りながら彼女に近づく。遥か遠いベトナムの地で、割り切った楽しい思い出としてトリンで遊びたいクロンナウア。 彼の一方的でワガママな要求に、丁寧に、誠意ある断わりを続けるトリン。なんて良い人なんだろう。一族総出のデート。笑えるシーンだけど、アメリカ人に文化の違いに気が付かせたいという、強い思いが感じられる。だけどショッピングで見え見えの人気取りをするクロンナウア。物価が安いから出来るだけで、誠意の欠片もない。 自分の身の危険も考えず、バー爆破とベトコン占領地区で2度もクロンナウアの命を救ったツアンに対し、彼がベトコンだったからってガッカリ・・・まぁその気持ちはわかる。友達に裏切られたと言いつつ、クロンナウアはツアンの何を解ろうとしたのか。 学生の時は戦地に向かう兵士一人一人に笑顔を振り撒くクロンナウアの姿にジーンときたが、今思うと『いやいや、お前ら全員、素直にアメリカに帰ってくれよ』て思ってしまう。人の国で好き放題してきたアメリカ。 トリン役のチンタラー・スカパットが、日本のアイドルみたいな可愛さ。どう考えても当時のアメリカでウケる東洋人顔(ツリ目、エラ張り、鼻ぺちゃ)ではない彼女を起用したのは、バリー・レビンソン監督の大英断。[ビデオ(字幕)] 5点(2022-06-23 23:00:26)《改行有》

416.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 偶然タクシーに乗り合わせた老弁護士と意気投合した榎津。すき焼きの肉を買い、金槌と釘を買う。あぁ、この弁護士さんも殺されるんだな…って思ったらもう殺されてる!!買ってきた金槌で殴るんじゃないんかい!クローゼットに死体をそのまま押し込んで、酒を口に含んで吹きかけて、金槌で扉を打ち付ける。なんて雑な隠し方。まさにサイコパス。 榎津の正体がバレてからの、ひさ乃婆さんとの牽制バトル。お互いに殺人経験があるためか、ひさ乃の嗅覚、感の良さと理解力が静かな攻防を盛り上げる。奇妙なバランスを保って、このまま穏便に行くかと思ったところ、突然の殺人。何で2人を殺そうと思ったのかな… 榎津は寿司を3人前出前。きっと殺人後に3人前を注文している。先のすき焼き(肉を400gも買ってる。2~3人前?)といい、既に殺した人間の食事も用意する辺り間違いなくサイコパス。 交通網の発達した'60年代、全国を飛び回った実在する殺人犯の経緯をベースにしているそうな。う~ん、確かに榎津って、あっちこっちに移動して犯罪を犯してたなぁ。最近では広域移動犯は珍しくないけど、『連続殺人犯がこの街にも来ているかもしれない』って、当時は怖かったろうな。 でも映画は状況を理解するのにちょっとややこしいところがある。管轄を超えて逃げる榎津に翻弄される警察組織に、もう少しスポットを当ててくれていると、広域逃走劇として解りやすかったかもしれない。本作は榎津の足跡と家族、そして犠牲になった浅野親子に焦点を当てている。そのため後半はあさの旅館を根城にしているため、広域移動犯罪の醍醐味が薄れてしまった気がする。 最初の専売公社社員の殺人から、このタイトルの意味(なにか理由があっての復讐劇か?)がどこかに結びつくかと思ったけど、そういう訳でもなく、タイトルは新約聖書の一節『悪人に復讐して良いのは我(神)だけに許されたこと』…みたいな意味らしい。 現在(逮捕後と犯行時)と過去(戦後)がハッキリと区切られること無く描写されるのと、時代はケネディ暗殺後('63年くらい)なのに、街並みや走ってる車は現代('78年くらい)と、こんな辺りもちょっとややこしい。 榎津親子の確執がどこから発生したか。なぜ加津子は義父をそこまで愛したか。もう少し説明がほしい所も多いけど、倍賞美津子の美しい裸体には驚いた。[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-21 22:37:03)《改行有》

417.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 「お願い。ガメラを殺して」公開当時はまだ、日本の怪獣映画って子供を対象にしてるもんだと思ってたから、あの予告はショッキングだったなぁ。「倒して」じゃなく「殺して」だもの。パッパと切り替わるカメラワーク、被せ気味に入るセリフ。でも怪獣映画をこんなに格好良くして、どんな層がターゲット(本来は子供だろうけど)なんだ?って思ったっけ。 蝿がたかってリアルなギャオスの死骸。無数のガメラの骸。オープニングからかなり重たい。 そして渋谷破壊シーン。雲の上の火球の軌跡から燃え落ちるギャオス。人や建物との対比から想像される怪獣の巨大さ。甲羅がうねうね動き、生物感と兵器感が共生する禍々しいデザインのガメラ。これだけの巨体が歩けばガラスは割れるし地面は陥没するし建物は崩れる。瓦礫とともに吹き飛ぶ人。切断されるマルイをビルのガラスに映して観せるセンス。ガメラが火を吹けば人も舞い上がる。粉々に降り注ぐギャオスの肉片。 これこそ怪獣映画の疑問に対する回答。荒ぶる神と言える怪獣同士の戦いは、核爆弾にも匹敵する。人の被害なんて構ってられない。過去作では都合よく住民の避難が完了してたりしたけど、そんなの無理な話。まして無警戒の渋谷に突如現れたら… 死傷者15000人以上。生々しい死体を撮るのは避けて、そこは想像させる。たぶん今現在に至るも日本映画の中で最高品質の都市破壊映像だと思う。 そして後半のF-15との空戦。京都駅破壊も力が入っていて素晴らしい。絶望的なギャオスの大群に立ち向かう満身創痍のガメラも画になる。 1<<2<<3と特撮技術の進歩を観せた本シリーズ。マンネリになる前にピタッと幕を閉じたのは残念な気もするけど、クオリティの高い好作だと思う。 子供「ガメラが僕を助けてくれたよ」偶然自分を守ったように見えたのを、この子が都合よく解釈してるだけだと思うんだ。敢えて助ける風のシーンと、子供のセリフを入れることで、どっちでも解釈出来るようにして。だってガメラ、子供守った直後にサラリーマンの詰まったビルに火球放ってるしね。 綾奈「イリス、ごめんね、寂しかったんだね、私を探してたんだよね」これもイリスは餌の動物を捕りに行っただけで、綾奈は生体融合だかの素体としか思ってないしね。今回、意思疎通の出来ない怪獣の気持ちを、人間が自分に都合よく勝手に解釈してるだけって思えるシーンを敢えて入れている。 でも融合するのが綾奈でも朝倉(古代人の末裔)でも、ガメラは排除する対象だったんだな。綾奈がイリスを育てなくても、日本は襲われてたわけだ。 そしてイリスは人間と完全融合できなかったから、ガメラに負けた。ガメラが綾奈を助けたのも、そう観えるだけで別な理由があったのかもしれない。綾奈を殺すとイリスが完全体に進化復活するとか、実はギャオスの大群をおびき寄せるための囮とか。 浅黄はガメラを信じているけど、人間の理解なんて超えた存在だろうし。 当時の流行、エヴァっぽさが怪獣映画にも入ってた。主人公の少女が綾奈だし。ショートカットの少女が胸をはだけ、怪獣の触手が絡まり、ドロドロの体液にまみれるのは、エロい。帰国してきた浅黄がハーフなのは偶然だろうけど、でもセリフは棒のままでも表情は豊かになってたね。 長峰が缶ビール片手に仕事してるのとか、短いスカートで生足見せたりはサービスサービス。この辺、監督の趣味全開。 東西南北を守る四神獣のうち、本作は玄武と朱雀の物語。それに中央を守る麒麟を入れて、五霊って言うんだって。・・・だから長峰キリンビール飲んでたのか?このクオリティで残る二神獣(青龍と白虎)の戦いも観てみたかった。 大迫刑事の再々登場。ガメラ専門家の斉藤さんのデスクに亀の置物。渡辺裕之の自衛隊の現場隊長は3作フル出動。でも今回一番嬉しかった登場人物は、売れる前のTRICKメンバーの仲間由紀恵と生瀬勝久。[ビデオ(邦画)] 7点(2022-06-19 14:21:34)《改行有》

418.  ミザリー 《ネタバレ》 -Misery- 架空の小説の主人公。意味は“惨めさ”だって。嫌な意味だな。ミゼラブル(miserable)で“惨め”。 キング原作の映画で、原作の持ち味そのままに上手に映画化されてて、原作も映画も両方とも大ヒットした初めてのキング作品かもしれない。 アニーを演じたキャシー・ベイツ。ミザリーの一番のファンだという喜びの笑顔。豚のマネをする可愛らしさ。ライターオイルを足元に掛ける静かな怖さ。怒りをぶちまけるガチな怖さ。そんな喜怒哀楽に振り回されての投げキッスの怖さ。アニーの怖さを引き出す演出が見事。 ほとんど動けない主人公、変化の少ない舞台にも関わらず、希望と絶望、恐怖が交互に起きる展開が素晴らしい。役に立たなそうでいて、徐々に真相に近づいていく、実は凄腕の保安官。策を練って仕込んだワインが偶然こぼれてしまう絶望感。静かで手に汗握る展開、ストレスが沸々と沸く展開が続き、それらが最後の反撃にドカンと結びつく。 軟禁生活で書いたミザリーの続編が出版されるのはしたたかで良いと結末だと思う。事件が解決してからもアニーのトラウマに悩まされるのも納得。それくらいキャシー・ベイツは怖かった。 小説の方の話をチラッと。あとがきでヒヤッとさせられます。 古本屋に行く度、カバーの下に遊び心がある単行本版を探してるんだけど、見つからないんだよね。[ビデオ(字幕)] 8点(2022-06-18 18:07:00)(良:1票) 《改行有》

419.  私をスキーに連れてって 《ネタバレ》 若者文化とバブル景気。遊びと恋とフジテレビ。'87年という時代を知るにはとても良い教材映画だと思う。 フジテレビの手に掛かれば、どんなものでもお洒落になった時代。面白いコンテンツを取り上げ、盛り上げ、膨らませて流行らせる。 ゼロから創ったのではなく、ジワジワ人気が出てきたものを、いち早く察知して、他のお洒落なものとミキシングして、さも自分たちが流行を創り出したかのように見せる、当時のフジテレビの技術。F-1、バレーボール、女子アナ、バラエティ番組、トレンディ・ドラマ(※W浅野の『抱きしめたい!』から言われ出した言葉だったよね?)。 このスキーにしたって、この映画が流行らせたように観えてしまうけど、ジワジワ流行っていたものを映画にまとめた“だけ”のもの。ファッショナブルなウェア。華麗なトリック。気心の知れた仲間との週末のフワフワした遊び方の提示。それら当時の若者の求めるものを、松任谷由実の透明な音楽をミキシングして綺麗にまとめ上げる。 “まとめただけ”なんて書いたけど決して簡単な訳でない。ネットのない時代に、いわゆる“マニアたちに静かなブーム”だったものをキャッチして“若者に大流行”させるフジテレビのテクニックは、正直言って凄かった。 ホイチョイが凄かったのかは、正直分からない。フジと切り離して考えると、この集団の功績がイマイチピンと来ない。ホイチョイ3部作の残り2つ(未見)の評価を見ても、う~ん…彼らの実力ってどうだろう? ただ少なくともこの映画に関しては良い完成度。中身スッカスカと見下すことも出来るけど、スキー(&スキー場に行くこと)の面白さをしっかり伝えきれていると思うし、遊んでばかりの登場人物も、決して彼ら主人公たちだけがフワフワしている訳じゃなく、そういう時代だったんだなって思えて楽しめた。 中身の伝わらない仕事をして、夜からは遊びに全力を出す当時の若者。その金はどこから出てくるんだ?ってくらい湧き出る謎の遊興費。ヘタしたら死ぬかもしれないこと(レースとか立入禁止場所に入るとか)を遊びでやってしまう感覚。 サロットのウェアを届けるためにGT-FOURを転がす真理子とヒロコが格好良い。決して運転が上手いわけでなく、単に無茶をしてるだけに観える。けど車内の2人は談笑してるんだ。楽しいことだけ考えてた当時が懐かしく思えて、とっても好きなシーン。 荒い運転に耐えて頑張ってたGT-FOURがコケて、車体を蹴って怒る2人。お披露目に間に合わずスキー板を放り投げて残念がる泉。もっとモノを大事にしろよ!って思ってしまうけど、当時はあんな感覚だったと思う。次々に新しい良いモノを作り出せてた時代だし。モノを大事にする感覚って、松井秀喜が自分のバットを大事にするって広まった辺りから見直された感覚だったかもしれない。 恋愛映画としては、正直そんなに光るものは感じなかったけど、「バァ~ン!!」の照れくさ甘酸っぱさと、「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」ってベタだけどホンワカする告白の返事が素敵。[ビデオ(邦画)] 7点(2022-06-18 17:27:26)《改行有》

420.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 前作を観て暫くしてからだったし、ストーリーや設定なんて殆ど忘れてるなか劇場で観た。2Dで映される現実世界と、3Dで映されるコンピュータ内部の世界。視覚のメリハリがハッキリしていて、ダフト・パンクの音楽も格好良くて、アトラクション映画として中々良かったと思う。あと若々しいジェフ・ブリッジスには驚いた。 今回新旧トロンのDVDを買って、続けて観た。まぁま同じような展開だったわ。前作のオマージュも多く散りばめられてるけど、大まかな流れが 現実世界→グリッド→ゲーム→逃走→決戦 と一緒。 盛り上がるのが中盤のディスク投げ合いとライトサイクルなのも一緒。前作の終盤が盛り上がりに欠ける決戦だったからか、今回飛行機のバトルも加わったけど、3Dで観た時はともかく、家のテレビで観るぶんには、ライトサイクルほどではなかったかな。 前作の“コンピューター世界のそれっぽさ”に対し、映像技術が格段に進化してるんだけど、どうも“仮想現実の世界”にしか思えないのは残念。ライトサイクルがジャンプの後バウンドしたり、曲がる時に蛇行したり、遠心力が掛かったりするの、まさにバーチャルゲーム映像。もっとコンピューターの中の世界らしく、不自然な直角軌道を観せてほしかったわ。 結果として近年の美麗なCG映像作品と、明確な差別化が出来ていなくて、あのトロンの続編としては失敗したんじゃないかな。 当時は驚いた若いジェフ・ブリッジスだけど、今の目で観ると目元と眉があまり動かない。当時のCG映像の限界だったのか。 トロンも正義に目覚めてからの活躍が無いし、ケヴィンとクルーの魔法っぽい最後の戦いも、なんか前作の最後同様、印象に残らない。[3D(字幕)] 4点(2022-06-18 16:11:51)《改行有》

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