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コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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421.  大海原を行く渡り鳥 宍戸錠が、出演してないんです。出てたら出てたで、勘違いキザ男ぶりが何とも変なんですけれども、いないと寂しい、というか、彼の演技が作品にユーモラスな雰囲気を醸し出していたんですが(ただし、どこまで狙った効果なのかは不明)。今回滝信次が現れたのは、異国情緒あふれる(?)長崎、今回の彼の好敵手も、宍戸錠の代わりに、アヤシゲな中国人が登場。こういう間違った中国人像、どこか懐かしいですな。セリフ回しも北京語ならぬ、ゼンジー北京語。これであと、両袖突き合わして手を入れてたら完璧です。でまあ、とりあえず冒頭、地元民が暴漢に襲われているのを、たまたま通りかかった滝信次が助けに入り、彼がいきなり銃を持ち出しても誰も驚かず「助けてくれてありがとう」という、例によって例のごとくの展開な訳ですが、宍戸錠がいないことと関係あるのかないのか、滝と悪党どもとの抗争ばかり描かれて、やや単調。一応、銃撃戦なんぞでもって、盛り上げたりはするんですが。浅丘ルリ子も「え?いたの?」という感じのまま、映画が終わってしまいます。宍戸錠、やっぱり必要な人材ですね。出てらら出てたで変なんですけど。[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-03 16:06:08)

422.  赤い夕陽の渡り鳥 例によって素晴らしいロケーションの中を馬に乗って行く小林旭、例によって宍戸錠との遭遇があり、例によって地上げ屋みたいな連中に困らされている人々がおり。背景はとにかく絶景、やっぱり渡り鳥シリーズ最高。と言いたいところですが、小林旭演じるところの主人公・滝伸次、冒頭の子供を救出する場面での大ジャンプはカッコよかったものの、イマイチ見せ場が少ない。誰かが危機に陥るたびに都合よく馬に乗って助けに現れるのが、何だか判で押したような感じがして、もう少し変化をつけられないものかと。その分、宍戸錠が頑張る(オーバーアクションな演技は観てて若干疲れるけど)。無精ヒゲ生やしてると、気味が悪いほど宍戸開に似てますな。さらに盛り上げるのは、殺し屋のジミー。これ以上無いくらいに殺し屋っぽいイデタチをしておりますが、仕事に差し支えないのでしょうか。という訳で、やや盛り上がりに欠ける(笑)のですが、それでも何でも、とにかくロケが素晴らしいのです。これだけ風光明媚だと、崖を転落する自動車の姿も映えて、実に見事、「中に乗っていた主人公がなぜ無事だったか」なんてこともまるで気になりません(笑)。さあ、景色を楽しみましょう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-11-26 22:56:52)

423.  新選組始末記 新選組を題材にした映画ですが、今の視点からすれば、これは「ブラック企業モノ」と呼んでもよいでしょう。近藤勇にあこがれて新選組に入隊した山崎蒸だが、いざ入ってみれば彼の理想とはかけ離れた実態。その体たらくに呆れているのはまだ序の口、気がつきゃイザコザの詰め腹切らされ、文字通りあわや切腹、という身に。しかし、本人は武士としてのヤル気マンマン、近藤新局長も何だかかばってくれるしで、「ズルズルと」池田屋騒動での大活躍になだれ込む。これは今の言い方では、ブラック企業に加担しちゃうブラック社員という奴でしょう。しかし、そう言っちゃうのは単なる「レッテル張り」、何とも味気ない。ブラック社員にも生き様があり、悲しく見送る女がいちゃったりもする訳ですな。というようなオハナシ(と言ってよいのか)を、三隅監督が鋭い演出で描いておりますが、後半、ちょっとまとまり切らなかったかな、と。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-10-12 17:41:17)

424.  沓掛時次郎(1961) 任侠モノとも思えぬ雷蔵の異常なサワヤカさが、目に眩しい……。池広一夫監督というと、マチャアキが孫悟空やってたテレビドラマ『西遊記』の、とりわけヘンテコな内容の回を演出していたとの印象が強いのですが(この偏った印象もどうかと思うけど)、本作ではどうしてこうも無難路線に走ってしまったのか。何しろこの雷蔵時次郎さん、いいヒト過ぎて、というより、「いいヒト」であるかのように作られ過ぎてて、ワケがわからない。まあ、この作品、お茶漬けのようにサラサラと楽しめれば、それでよいのかな、とも。志村喬が出てきて、杉村春子が出てきて、まるで黒澤映画と小津映画の片鱗を大映作品で味わえちゃった、みたいなちょっとしたお得感(?)はあるかも。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-15 12:42:41)

425.  怒りの用心棒 ガーフィールド大統領暗殺事件を題材にしたマカロニ・ウェスタン、なのですが、題材となっている暗殺事件が、どう見てもコレ、ケネディ大統領暗殺事件やんか(製作のほんの数年前)、というのが売りの作品であります。そういう意味では、いまさらこんな中途ハンパな作品を観なくとも、『JFK』を観れば充分ではないのか、と言われそうですが、いやいやいや。こちらにはこちらの味わいが。何しろ、実に強烈なカメラワークです。「どう撮れば面白いか」を考えるのは大事なことですが、本作、考え過ぎてしまったのでしょうね(正直、横顔ドアップがいかにも暑苦しい)。で、内容はというと、前半は、ジュリアーノ・ジェンマ演じる主人公が、大統領を暗殺者の手から守ることができるか否かに眼目があるのですが、本作の場合、大統領が暗殺されなければオハナシにならないので、とりあえず暗殺されます。で、後半は敵の一味に闘いを挑む、ジェンマ、と来る。正義のためでもあるし、殺害された父の復讐でもあるし、大統領暗殺犯としてデッチ上げられた友人オズワルド(という名前じゃないけれど)の復讐でもある。そこにさらに、亡き大統領の側近の暗躍も絡んできたりして、大いに盛り上げたいところではあるのですが、これがイマイチ。主人公が妙チキリンなルールで決闘を挑むのが、マカロニらしいと言えばマカロニらしいのかも知れないけれど、どうも取ってつけたような感じ。やや社会派的なテーマの本作にそういう要素が合わないのかというと、決してそんな事は無いはずなんだけど、どうもテンポが悪いんですかねえ。ラストの対決も拍子抜けだしなあ。でもラストシーンは素晴らしい。意地を張っていた男たちが、あくまでそれぞれ自分の信じる道を歩いて行くんだけれど、一瞬、歩み寄る。うーむ。何が問題かわかった気がする。本作、ジェンマそもそもミスキャストなのではないだろうか(ひとりだけ不真面目な奴が混じってるように見えてしまうのです)。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-08-07 00:06:01)

426.  なにはなくとも全員集合!! むかし年末年始のテレビでよくドリフの映画を放送してて、子供心に、「ドリフって、テレビでは面白いのにどうして映画ではこうもつまんないんだろう」とか思ってた訳です(『正義だ味方だ~』みたいにバカ笑いしたものもありますが)。大抵は途中で観るのをやめちゃったっけか。で、このたびBSで(しかもゴールデンの枠で)ドリフ映画を放送するってんで、こういう映画、今観たらどうなんだろう、と。はい、この映画は観たことなかったです、かつ、子供の頃の自分だったらやっぱり途中で観るのやめちゃったと思います、ドリフ、脇役だもんね。桃屋のオジサン出てるけど(笑)。あまりドタバタの要素も無いし。でも逆に言えば、「ドリフ映画」という縛り抜きで、これはこれで活きのいいコメディ作品として楽しませてくれます(まあ、タバコの取り合いをする長廻しのあたりなどは、コントを意識したサービスかも知れませんが)。鉄道職員とバス会社の対立を超えて愛を実らせる若い二人……って、コレ、元ネタは「ロミオとジュリエット」じゃないですか。志ん朝師匠と中尾ミエですけど(笑)。若いドリフが脇を固めて盛り上げる。それにしても、(ドリフのコントと“映画”との相性が良いかどうかはともかく)高木ブーだけは、テレビよりも、ちゃんと役割を振ってもらえる映画の方が、若干、活き活きしている(ように見える)のでした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-06-09 08:22:25)

427.  忍者秘帖 梟の城 原作は言わずと知れた、司馬遼太郎の直木賞受賞作。これ、“歴史モノ”というよりも“伝奇モノ”と呼びたくなる色合いがあって、何やらもっともらしく歴史上のお馴染みの人物名を織り交ぜつつ、内容的にはやや荒唐無稽とも言える超人的でハードな忍者アクションが展開され、なかなかにアヤシゲな面白さに満ちた作品なのですが(だと個人的に思っているのですが)。で、特にアヤシゲな感じを受けるのが例の“石川五右衛門”のくだり、一瞬ズッコケそうになるけれども、それでも司馬遼太郎が敢えてこのエピソードを入れたのは、歴史の裏で人知れず暗躍し人知れず去って行った名もなき忍者が、ここで突然、その名を知らぬ者無き“石川五右衛門”という名前に置き換わる、というインパクトを狙ったのか。それとも単なる悪乗りか(笑)。さてではこの映画ですが。「忍者秘帖」と銘打っただけのことはあり、また尺も短いため、歴史モノの要素は削ぎ落して(秀吉の人物像も正直、影が薄い)、忍者アクションに特化しています。一瞬とは言えワイヤーアクションまで登場し、妖怪映画みたいです。対決、死闘の描かれ方は、原作のもつ緊迫感に負けず劣らず、なかなかにトンがった演出でアピールしてきますが・・・・・・その結果、バタバタした印象ばかりが残ってしまうことにもなるのですが。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-15 22:39:59)

428.  妖星ゴラス これぞ“センス・オブ・ワンダー(笑)”。この映画をどうにかして褒めようというヒトのために存在してくれているような言葉ですね、これは。まさに、なんでもアリアリ、まるで、企画段階で行ったブレイン・ストーミングのメモをそのまんま映画にしちゃったかのような、闇鍋ワールド。あの「隼号」って、宇宙船じゃなくてどう見ても潜水艦ですね。宇宙飛行士っていうより、兵隊さんですね。そういう要素も入れたかったんですね。怪獣も一匹お願いします。大災害もちょっぴりお願いします。等々等々。気合いの入ったセットに気合いの入った特撮、その割に、何だか底が思いっきり抜けてしまっているような作品です。ちょいと残念なのは……「盛り込み過ぎ」の自覚があるのか、映画を何とか段取り良く進めようとして、その結果、せっかくのハチャメチャな内容の割には意外に整然とした、理屈っぽい印象を受けてしまうところなんですけれども……。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-17 08:34:19)

429.  太陽が知っている これは確かに、まさしくひと夏の「プール」を舞台にした映画。肌も露わな、官能と隣り合わせの開放的な世界(普段着で露出があまりに多いとドキリとするもんだけど、水着さえ着ていれば、誰しも肌の露出を厭わない)。そのプール付きの別荘において、男女4人が織りなすサスペンス、ってのが本作な訳でして、愛し合う男女と、そこに闖入し二人の関係を微妙に狂わせるオッサンとその娘の存在。プールで展開される、アヤシゲな男女関係の駆け引き、ライバル同士の火花、そして事件……。ただ、もうひとつツカミどころが無いと言いますか、焦燥感や緊張感みたいなものが感じられなくて。そもそも中心軸たるアラン・ドロンとロミー・シュナイダーの関係が、結婚前の男女というより、不倫関係にしか見えない(この異常な仲の良さは、不倫でしかあり得ないよね、ははは…)。という、もともと危うい印象のある二人のところに、いまいちインパクトの薄いオッサンが闖入してきても、だからどうなのよ、という感じ。娘の方もさほど挑発的な印象もなく。なんだか、アラン・ドロン演じる主人公の一人相撲ですなあ。後半、刑事がもうひと押し頑張ってくれると、また別の方向で盛り上がったのだけど。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-21 08:18:24)

430.  コレクター(1965) いい雰囲気なんですけどね~、「監禁される家」の周りののどかさはかえって不気味であるし、背景に流れる音楽(3拍子系)のユーモラスさも印象的。今の映画であれば「犯人は変質者なんだから家の中も荒んでいて…」と家の中の光景はオドロオドロしく描くところかもしれないけど(そして実際、「ゴミ屋敷に平気で住んでいる神経」ほどオソロしいものは無いんだけど)、そこまで描かなかったのは“まだそんなエゲツナイ映画が作られうる時代ではなかった”という限界であるのかも知れないし、また一方では「そういうアプローチもあるよなあ」と思わせる部分でもあります。犯人は「幼稚」で「変」ではあるけれど「異常者」では無い。うん、そこまでは良いんだけど……あとはそこにどういうメリハリを持ち込むか。その路線だけで引っ張り続けるのは、やっぱり、弱いのでは。誘拐した者とされた者との関係が、確かにその場その場において緊張感は孕んでいても、物語の推進力にはなりきれず、停滞してしまう。犯人がドアを開けっ放しで出ていくシーン、ドアから入ったままの光によって、開けっ放しであることが我々にも示されるのだけど、あえてワンカットで表現するのが効果的とも限らないでしょう(開いたドアを「発見する」という驚きが、そこにあるか?)。実際、この「ドア開けっ放しワンカット描写」は映画の中で2度出てきて、どうも誘導的、手続き的に感じられちゃう。はたまた、囚われの女性が犯人に追いつめられると背景に蝶の標本が並んでいる、というシーン。犯人に捕まり殺された蝶たちの運命と、女性の運命とが重なり、「ついに殺されるのか!」という場面なんだけど…これも物語に必ずしも貢献せず、「ちょっと面白いメタファーでしょ」的に単発で終わっちゃう。と言う訳で本作、節度をもって描かれたスリラー映画で、それなりにコワくもあるんだけど、いささか上品に落ち着き過ぎではないか、もっと強引でもいいやんか、という気がしちゃうんですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-22 07:32:18)(良:1票)

431.  御用金 御用金の略奪を企む鯖井藩の陰謀と、それに立ち向かう浪人。と聞けばいかにも面白そうなんですけれども。ストーリー面では、それぞれの思惑を持ったさまざまなキャラクターが登場したり、アクション面では血しぶき飛び散る殺陣が展開されたり、と、そう聞くとこれまた面白そうなんですけれども。なのに、いまひとつ、乗り切れなくって。まず映画の雰囲気が妙に陰鬱なのもあるんだけど、登場するさまざまな登場人物たちの思惑、ってのが意外に活きてない。浅丘ルリ子(江戸時代の顔には見えない。ホステスにしか見えない)なんかも、事件の発端から絡んでいる重要な役割だったはずなのに、何だか「ストーリーの都合上、主人公を手助けする協力者が必要なので、登場させてみました」みたいな存在に思えてきちゃうし。映像も確かに凝ってる部分はあるんだけど、まさにそれが「部分」であって、単発的に「ここはこう撮ってみちゃったりしよう」的に、なんだかその場の思いつきの範囲内で「凝って」るようにも思えて、気持ちよく流れていかない。こういう映像から連想するのって、準備にあまり時間のかけられない“テレビ”の映像、ってことになっちゃうんですけれども……(実際、フジテレビ映画だったりする)。いや、面白くない訳ではないんですけどね。その面白さが、この程度でいいのか、と。ところでラストの丹波vs仲代の対決は……こりゃ一体何の儀式なのでしょうか(笑)。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-06-07 22:55:59)

432.  反逆児(1961) 徳川家康の息子にして織田信長の娘婿、切腹により若くして命を絶った悲劇の武将・信康を主人公にした時代劇。名前も「信」「康」なんて、実に憶えやすく、憶えやすいだけに存在感が薄く、(真実がどうだったかは知りませんけど)どっちかっていうと、信長の冷血横暴ぶりの一例として、歴史の脇役みたいにしか名前の上がらないヒトのような気がするのですが(日本史における、ローゼンクランツとギルデンスターンみたいな存在ですな)。それだけに、彼をどういうカラーで描くのかが注目されるところですが、残念ながらやっぱりこの映画の中でも特徴が薄い。妙な呪術にハマる妖怪のような母親など、ソレっぽい人々をソレっぽく配置して、東映時代劇らしくそれなりに豪華に仕上げて。手堅くはあっても、特色がもうひとつ感じられず、ただそんな「ソレっぽさ」で押し切られても、ピンとこないんですな。そんなボケボケのまま“同意”を求めてないで欲しい。。。むしろ、もっと明確に“理不尽”でなきゃいけないのではなかろうか。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-04-29 08:06:36)

433.  裸の島(1960) 《ネタバレ》 こういう映画が当時外国で評価されてしまったというのは、要するにこれが極東のナントカいう国の“真実”の姿だと思われちゃったのかな、と。映画の中で描かれる「貧しさ」というものは、とかく意味を持って受け止められやすい。ホントはこんな夫婦いないんですけどね、とか言いながら上映しても同じくらいの評価を受けたのかな、と。我々も馴染みの薄い国の映画を観る時には、何でもかんでも真に受け過ぎぬように気をつけましょう。むしろこの映画、今の目で見ると、「この生活、何年やってるんだろう。奥さんまだまだ華奢だけど」とか思っちゃうのだけどダメですかねえ。きっとこの二人、ホントの夫婦じゃなくて、男は妻子持ち、女は元OLで、不倫関係、都会から逃げてきてこの島でひっそり慣れない生活をしているんだろう、とか想像しちゃダメですかねえ。罪滅ぼしに孤児二人を引き取って暮らすも後悔の日々、今や食事中も会話が無い(=やっぱりセリフ無しで家族を描く、という手法自体に無理があるんだよ)。重い水の桶を運ぶ妻。観てて「コケるなよコケるなよ」と念じてしまうのは、ひとつには大変な作業であることがヒシヒシと感じられるから。またひとつには「ここで水をひっくり返すなんて演出、はっきり言ってベタだよね」と思っちゃうから。念じた甲斐もなく、水をひっくり返してしまい、駆け寄る夫に大して今度は、「暴力だけはふるうなよ」と念じるのだけど、理由はふたつ、上に書いたのと同じです、ハイ。で、念じた甲斐もなく、あーあビンタしちゃったよ。この生活何年やってて、どのくらいの頻度でこういう事件が起こるのか。起こるべくして起きた失敗だと思うのだけど、いちいち立腹して、いちいちビンタするのか。ベタな演出で描かれる「部分」は、なかなか「全体」へと繋がらないもんです。麦をまく⇒麦踏みをする⇒収穫、という一直線の描写も安直で、多層性を欠き、かえってこの島の暮らし全体が見えない。ホントの生活ってのはそんな因果関係の明確なもんじゃなくて、いろいろ仕込んで、いろいろ苦労があって、それらを乗り切った先にようやくささやかな幸せがある、そういうもんじゃないですかねえ。とか思っちゃうんですけど。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-13 14:56:44)(良:1票)

434.  夜霧よ今夜も有難う この映画、ジャンルとしては“ポリティカル・サスペンス・アクション映画”な訳ですが、そこにあのマッタリとした主題歌「よぎり~よ~ぎり~~」ですから、まあ、観てて眩暈も起こそうというもんです。主演の裕次郎、すでに私の世代に馴染みのある丸々とした顔に近付いてきていて、要するに「裕次郎って、こう見えても昔は男前だったらしいぜ」という顔になってきてます。で、この裕次郎フェイスが、映画の要所要所においてアップで挿入される。これが結構キツイので、油断すると笑ってしまう。油断禁物。でまあ、とにもかくにも“ポリティカル・サスペンス・アクション映画”、裕次郎の表の顔はバーのマスターだけども、実は裏では困っている人たちの密航を手助けしている。しかし、ある外国政治家の密出国に関わろうとしたことから、危機が迫ってくる。しかもそこに、裕次郎の元フィアンセであるリリー松岡ルリ子との再ロマンスも絡んできて・・・という訳で、溝が出来た2人の間が縮まっていくところが見どころ。最初は2人の姿を別カットで、それも遠目に描いていたカメラが、徐々に2人の距離を近づけてゆき、ついに打ち解け合った時、またカメラが引いていく、しっとりとした演出。実にまどろっこしい(笑)。ベタな映画を楽しみたい方には、お勧めです。あとちょっと気になったこと、二谷英明が自室でタイプを打っているシーンで、窓から景色が、どう見ても書割にしか見えなくて(しかし“空気遠近法”が活用されている)、まあそれはいいのだけど、その書割の絵にシワが寄っているように見えるのが、これはもう気になって仕方が無いのです。見間違いだったらゴメンよ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-09-11 08:53:02)

435.  若親分兇状旅 シリーズを追うごとに、「任侠モノ」「海軍魂」とかいうテイストが薄れ(いやもともと薄かったけど、もはや完全に形骸化)、単なる“いいひと”になってしまっていた若親分。今作では、ヤクザ者らしい一面を見せたり、海軍時代のシゴキにまつわる暗い過去が明かされたりと、一応、原点回帰(別に原点なんて無いケド)を見せておりますが・・・そのおかげで作品に深みが加わったかと言えば、やはりまあ、こういう尺の短いアクション映画では、消化不良は否めません。中身が無かった前作までに比べると、どうも野暮ったい印象、なんですよね。海軍時代の友人の自殺の謎を追う若親分、って言えば面白そうですが、真相なんて呼ぶほどの真相も無し(見え透いてて、およそ予想する余地も無い)。こういう作品を、ここではとりあえず無難に「意欲作」と呼んでおきます。  それにしても、都はるみ、キツイなあ。ブサイクすぎて気の毒になってきちゃう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-05-18 23:18:45)

436.  若親分乗り込む 《ネタバレ》 憲兵と供託し悪事の限りを尽くす郷田組に対し、ついに若親分の怒りに火がつく。という、なんだか芸が無いというか、工夫が無いというか、まあ、単純に楽しめる映画にはなっていますかね。若親分が敵地に乗り込むクライマックスの殺陣は、思い切ったロングショットに「おや」と一瞬思うのだけど、このロングがいささかしつこくないですかね。雷蔵に任せておけば、あとは撮るだけ、みたいな。しかも最後は「エライ人に言いつけてやる」という決着のつけ方。娯楽映画にしてはすっきりしないラスト。ちょっとヤな感じ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-07-31 21:30:42)

437.  雪之丞変化(1963) こういうコトも本当は「言わない約束」なんでしょうけど、例によって例のごとく“実験的過ぎるとかえって「前衛」にはなりえない”という感じ。ああ、はいはい、市川監督一生懸命ヤッテますね、とむしろ納得しちゃう自分がいる。どっちかというと「皆で一生懸命、長谷川一夫オジサンをヨイショしている光景」自体が、最もアヴァンギャルドを感じちゃったりして、ちょっと気が重くなる(笑)。しかしラストの鴈治郎との対決は結構盛り上がりますね。雪之丞の影は、コッポラの『ドラキュラ』あるいはカゲマンにおけるシャドーマンのように、実像と乖離し、雪之丞の恨みを代弁する、その不気味さ。一方の鴈治郎の影は、実像に背後からにじり寄り、彼が壁に追いつめられたことを強調する、その不気味さ。なかなかゾクリとするものがありました。[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-05-24 23:14:31)

438.  駿河遊侠伝 度胸がらす 《ネタバレ》 “刑事コロンボ”って、こんなワルそうな顔してたのか、声からは想像もつかんわい、ってな印象のみが強い映画ですが(笑)。勝新演じる次郎長親分、いよいよ貫禄もついて、しかしその分、あまり活躍しないというか、何と言うか。多分、短い尺の映画に、詰め込み過ぎですね。きっぷのいい妻の姿が描かれ、凶弾に倒れる親分が描かれ、そんで妻の急死が描かれ、ちゃっかり再婚してデレデレする親分が描かれ、そんでしかもそこに、子分どもの活躍も描かれる、とくれば、なんとも慌ただしい訳で。ドラマチックに盛り上がるにはいささか性急な展開。その一方でクライマックスはチトあっさりし過ぎか。一応、まだ物語は続きそうな感じですが、そのいかにも「本作は、シリーズ全○作の中の、第△作です、あくまで“ツナギ”です」みたいなテキトーさが、平凡な印象を強めます。でも、これで、オシマイ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-05-09 17:21:43)

439.  レーサー 『栄光のル・マン』が「レースを描くのにドラマは要らねえ」というスタンスで、映画としては欠陥品かも知れないけれどある種の人々のハートをガッチリ掴むのには成功した、記憶に残り映画史に残る作品であったわけですが(中身が無い、バランスが悪い。しかしだからこそ、観る者各自が、何でも投影することができる)。これに対し、この『レーサー』は、「レースの映画を撮りたいんだけど、何かドラマを入れておかないと映画にならないよね」というスタンス、本当に描きたいのはレースだけなので、ドラマの方はイマイチやる気が感じられずいささか中途半端、記憶にも映画史にも残りにくい作品になってしまいました。前半、ポール・ニューマン演じるレーサーが、恋人とラブラブしつつも、レースのことが頭から離れないのですが、この気持ちは観ている我々も同じであって、「観たいのは、中年男女のイチャイチャじゃなくて、レースシーンなんだよ~」と、気もそぞろ、だったりしちゃうのです。後半、とってつけたように恋人の息子との交流を展開されても、なんだかな~。しかし、レースシーンは、なかなか見事でありました。それだけに、またドラマ(もどき)に引き戻されるラストは、やっぱり少々クドく感じるのでした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-02-08 12:43:08)

440.  処女の泉 《ネタバレ》 ある悲惨な事件の顛末と人々の姿を、短尺の中に見事に纏め上げた、ホントに素晴らしい構成力の映画、だと思います。しかしそう思う一方で------中勘助の「犬」を読んだ時の感想に近いのですが------“こんな重いテーマを、そんな終わらせ方で、納得できるかよ~”という気持ちになるのもまた事実。いや、「犬」よりもずっと強い違和感があるのは、この作品の、ギリシャ悲劇のごとき形式性。登場人物が類型的で、取り上げられる事件も極端で、そのあげくにこのオチじゃあ、悪い意味で「絶妙過ぎ」。構成力うんぬん以前に、方程式のごとき骨組みが透けて見えて、どうしても気になっちゃう。最後の“泉”ってのは、何のメタファーなんですかね、目から鱗のウマイ解釈を誰か教えてくれたら、私もこの映画に惚れこんじゃうかもしれませんが。私の感想は、「要するに、このどーしようもない事件に対して、カミサマは泣いておられるっちゅうことね」。はい、ご愁傷様。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-16 08:17:05)

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