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プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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461.  セントラル・インテリジェンス 《ネタバレ》 凸凹刑事コンビの、相棒との丁々発止のやりとりが楽しいバディ・ムービー。そりゃハリウッドはこの分野のノウハウを山ほど蓄積してますから手慣れたもんで、今作のD・ジョンソンとK・ハートもノッちゃってます。実になめらか。 だけどまあバディもののひな型をきっちりなぞっているものの、そこから大きく広げてくれることはなく話は凡庸そのもの。CIAは単なるにぎやかしの役割であることはすぐ分かるので緊張も無いですし。 イジメの問題も織り込んでいる以上はあのいじめっ子にもっと制裁を加えてもいいような気もするな。20年経っても意地の悪さは直らない。そこんとこが今作で一番おっかないな、と思いました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-07-09 23:01:41)(良:2票) 《改行有》

462.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 パリの列車テロを防いだ米国人の実話と知って観ても(わたしは知らずに観たので尚のこと)、あまり面白くはないですね。事件そのものについては当時大いに感嘆し3人のアメリカ人に興味も抱きましたけど、映画にするとなると2時間弱の長尺、事件そのものは数十分の出来事であるし、どうしたって個人の「それまでの人生」を描かなきゃならない。 だけど一個人の人生なんてそんな見どころいっぱいなわけないですもん。さしものイーストウッドも描くこと無くてヨーロッパ観光シーンが長くなっちゃってる。知らない人たちの生い立ちと観光旅行に付き合わされてやや辟易しました。 3人が本人というのもサプライズ企画ではあるけど、よく考えてみれば裏目だったかも。プロの俳優ってやっぱり引きのオーラがあるんですよ。同監督の実話ものを見ても、トム・ハンクスやブラッドリー・クーパー、ポール・ウォルター・ハウザーなどは演じた役の人間性をこちらに伝えてくる力があるのです。ある意味本人が動くのよりも。 今作を観てて終盤に「これってあの事件の実話かな」と気づくまで彼ら3人に特に興味を覚えず退屈したのは、脚本のせいだけではないのかも。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-07-07 23:23:32)《改行有》

463.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 コンピュータオタクの高校生が思いがけず軍のプログラムにアクセスできちゃって起こる大騒動。ありそうでなさそう、いやでもこの時代ならけっこうあるんじゃないか、と思わせる絶妙脚本ですね。なんせ自軍のコンピュータ画面の方を相手国の人間の言い分より信を置く。「ソ連の言うことなんか信じられるか」・・いかにも冷戦下の状況を反映していて妙にリアルです。 モニター画面の画はコンピュータが作った単なるシミュレーション。なのに緊迫するお偉いさんたち。同時進行でソ連側では「アメリカが勝手にパニクって言いがかりつけてきた」と思ったろうな。米国各空軍基地ではイキナリ将軍から直電かかってきて「なんだなんだ」と慌てただろうし、と想像するのも楽しい。いやAIがさらに進んだ現代では笑いごとではないか。 ‟フェリス”まんまのマシュー・ブロデリックが小賢しい顔つきで今作もハマッてますし、マシューのハラハラ脱出劇や高速で情報分析するコンピュータを見守るしかできない緊張感漲るクライマックスは見ごたえあり。さすがベテラン監督の手腕が光ります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-05 23:52:34)《改行有》

464.  コンスタンティン 《ネタバレ》 美しき霊媒師K・リーヴスの冥界バトル絵巻。もうとにかくキアヌを堪能するための映画です。タバコを吸うキアヌ、金の十字銃を構えるキアヌ、片膝ついて霊会と通じるキアヌ。彼の脚長小顔という8頭身スタイル、地獄の王もご執心の端正な美貌が画面の隅々まで映えまくりです。年をとっても器量が落ちない、ほんとキレイな男です。 毎度のことながら一本調子の表情も今作の「死にかけつつ悪魔祓いを余儀なくされる男」にハマっており、演技力の乏しさもカバーできております。 あと一息でフィンチャークラスのダークな美術も良いです。キリスト教義の解釈をすごく自由に広げたストーリーも意外なオチを見せてくれました。 勝手なコトをやってくれた息子や部下を大ボスらがシメたわけですが、神に怒られて翼をもがれたガブリエルが複雑な性格で笑いを誘います。本物かと思うほど人外の雰囲気を出すT・スウィントンとルシファー役のP・ストーメアが巧い。主人公よりも。でもこの映画といえば絶対的にキアヌ・リーヴスなのです。スターというのはそういうものなのよね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-04 23:10:44)《改行有》

465.  フリック・ストーリー 《ネタバレ》 70年代の映画の良いところが全部詰まってる一本。生活感と建築美の合わさったパリの小路がくすんだ色味に沈み、その中に置かれた演者らの陰影深い佇まい。80年バブルに入って一掃されてしまうこれらの情感が隅々まで漂っていて、陶然とします。 男たちが渋いもんね。モスグリーンのトレンチを着たアラン・ドロンはヘビー・スモーカー。官僚的な上司に意見しつつ参考人らには硬軟取り混ぜて証言を引き出す、絵になる男。やっぱりかっこいいなー。ところがジャン・ルイ・トランティニヤンの露出が多くなるにつれ、さしものドロンが食われてゆくのです。 ジャン・ルイ・トランティニヤン!「男と女」での印象薄とは打って変わって、映画史に残る冷酷な殺人者ぶりでした。 薄青の瞳は常に座っていて、一切躊躇せず引き金を引き、出過ぎた小娘は横っ面を張り倒す。彼とドロンがついに邂逅する食堂のクライマックスの緊張感ときたら。何度もトランティニヤンの目線をカメラが捉えるんですよね。考えが読めないその瞳に、バレたのかしら?と冷や冷やさせられる名場面です。 この頃の映画は煙草が本当に粋な小道具として機能しているなあ、と強く思わされる作品でもあります。格好良い俳優は皆タバコを手にしていた。火を点ける仕草も口にくわえた姿も素敵に超がつくほどで、彼らのタバコの吸い方は世の男性諸氏のお手本だったのですけどねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-03 22:29:10)《改行有》

466.  スリーデイズ オリジナルに後付けの展開をちょこちょこプラスして尺を水増ししたかのような。より丁寧な描写になったと感じるか逆にダレるなあと思うかはその人次第。わたしはあんまり上手くないリメイクだなあと思いましたが。人物の感情表現がオリジナル版の方が細やかだったと思うのです。ちょっとの差ですけど。妻を想う気持ち、息子に会えない切なさなどはヴァンサン・ランドンとダイアン・クルーガーの方がぐっと伝わった印象があります。先に観たからかもしれませんが。 ほかの方も言及されてるように、えん罪かもと思いつく刑事の描写は蛇足ですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-01 00:43:45)(良:1票) 《改行有》

467.  名探偵ピカチュウ 観ている間何度叫んだかわからない。「可愛いー!」と。まさかいい年して小動物の可愛さに身悶えさせられるとは。日本での公開前から話題になっていた‟しわしわ顔”にはノックアウトされてしまった。手で涙をごしごししての、あの顔なんだよ。あああ~悶死寸前。 手に伝わりそうなふかふか感。体温の温かさも感じそうなリアルな厚み。ポケモン実写化と聞いて大方が抱いた危惧を完全に払拭してみせた映像技術とスタッフのポケモン愛に、大いに敬意を払いたいと思います。 その昔の「キャベツ畑人形」に始まって、アメリカのぬいぐるみセンスにはズレしか感じて来なかったのですが(そばかすが多いとか)まさか「カワイイ」カルチャーの国の民がUSA仕立てのピカチュウに心奪われるとは。いや可愛いなあ。しわしわ顔のぬいぐるみ欲しいなあ。 あ、お話ですか。ビル・ナイと謙さんがいたような気がするな。そして普通に面白かったんじゃないかな。[地上波(吹替)] 7点(2020-06-29 23:29:38)(笑:1票) 《改行有》

468.  ホテル・ニューハンプシャー 《ネタバレ》 ほんと、何映画と紹介していいのか甚だ悩むへんてこな本作品、初めて鑑賞したのははるか昔。あの頃は若さゆえ、作品の意味を探すことも放棄したけどこの度再トライ。そしてやっぱり分かんなかった。 「開いた窓は見過ごして(飛び降りぬよう)」「前を向いて生きる」。テーマとしては優秀だしたしかにこの家族全員前向きではあるんですけどね。とにかく降りかかるトラブルの数々がシャレにならない、もちろんコメディにもしづらい深刻な案件ばかり。なのに全然重たくならないの。むしろコミカルな描写もあるのね近親相姦の場面だったりするのに。 分かんないなあ。視力を失ったり末娘が自死したり、それひとつで映画一本になりそうな大変な出来事を「どうやって」乗り越えるのか、心の説明が一切無いんだもん。名女優J・フォスターすらこの脚本では役の掘り下げが難しかったのではないかな。つん、と上を向いた強気一点張りの演技で押すのみ。 鑑賞中、唯一心躍ったのは我が愛しのナスターシャ・キンスキーの輝ける美貌。もう途中からは彼女を画面に見つけることにのみ集中しましたね。変な熊の着ぐるみさせられて、でもモサモサの胴体部分すら気にならなくなるほどの麗しいご尊顔。なのにどうして世界一の美女を「不細工な女」の役に充てるの?そういや冒頭も熊だった。熊って何。ああわからないこの映画。[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-06-27 23:12:31)《改行有》

469.  若き勇者たち 《ネタバレ》 対共産圏の戦いに突然放り込まれた高校生たち。ゲリラ戦描写からはミリタリーアクション映画にも思えるし、同時に青春劇でもあります。 でもどちらの観点から見てもちょっと物足りないかな。戦争ものとして見るなら戦いの全容が分かりづらい。アメリカ政府はどういう状況になっているの?いや、それはいいんだ これは高校生たちの極限の生き方がテーマなんだから、と思い直して観てもP・スウェイジ&チャーリー・シーン兄弟と女子二人以外は見分けもつかないくらいのキャラ弱だったりで、人間ドラマとしての掘りが今一つ浅い。 終盤に向けてどんどん状況がシビアになってゆき、予想を上回るハードな幕切れとなりました。彼らの人となりにもうちょっと時間を取って描写してくれれば、もっと突き刺さるお話になったのになあと惜しい印象です。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-24 22:45:32)《改行有》

470.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 映画作品だけれど能の世界のようでもあり、独特の雰囲気は原典シェイクスピアの舞台劇と通底するものがあるのかな。いつもより大きな芝居の三船敏郎に、それこそ面を被っているような山田五十鈴。 心の奥底にあるモノを「言葉」にして表されると、人は絡めとられてしまうものなのですね。“物の怪”の予言にすっかり支配された鷲津と三木。正常な思考を持っていたのは三木の息子のみ。曰く「自分から進んで予言通りに事を行い、予言が当たったと思っている」。しかし息子の金言も親父には届かず、馬一頭逃げ帰ってきたことで三木親子の凶事が判るシーンは簡潔ながらも「ああやはり?」とぞくっとしました。 確かに無くはなかった権力への野望。それを唆す化け物は、森で出会わずとも身近なところに妻という形でいたのです。鷲津はツイてなかった。 初めこそ凛々しい武者顔だった三船が憑かれたように形相を変えてゆく姿が酷く、印象的です。 本家シェイクスピアの舞台劇は観ていないけど黒澤の蜘蛛巣城は観た、ということで単位をもらえそうな気がしますよね。見事な黒澤版マクベスでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-23 23:19:40)(良:1票) 《改行有》

471.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 激震級の経済破綻、リーマン・ショックが何故起こったのか、その数年前からの金融界の動きを複数の投資家らの「読み」を交えながら解説してくれる本作、勉強になりました。 住宅市場の健全性を疑う‟先見性”を持った人たちは存在していて、それがすでに賢すぎて凄いんだけど同時に自分の読みを信じて大量の空売りをかける、その度胸の強さにもまた小心者の私は驚嘆した次第です。 恐ろしいのは、破滅が来ることを判っていたのはごく少数の人だけだったこと。大銀行も大手マスコミも彼らの訴えを相手にしない。だって格付けがAAAなんだもの。住宅債権が超優良物件なのは常識なんだから。クリスチャン・ベールが取引成立のあとメガバンクの連中に大笑いされていたように。 経済市場ってなんだか生き物のようで不気味にも感じましたねえ。ビビるのは債務不履行が明らかになったのに債権が値上がりする現象が起きたこと。まるで心臓が止まったのに血流が流れ続けているようではありませんか。なにこの生き物。さすがにクリスチャン・ベールもスティーブ・カレルも意味分かんなくて取り乱してましたね。もちろんその後予想以上の大破綻は発生するのですが。最終的にベールの会社の利益率が+411%だって(!!) 我々が暮らす資本主義社会の暴走した結果が2008年のこの事件。人類の英知をもってして、この繰り返しは是非とも避けたいものです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-18 23:21:23)《改行有》

472.  アンダー・ザ・シルバーレイク 《ネタバレ》 うわあ・・まさかの不条理モノ。正直訳わかんなくて参った。リンチだって得意分野じゃないのに。宣伝でてっきりサスペンスかと思った私は被害者。 巷間評価が真っ二つのようで。謎解きが好きな人には向いてるのかもです。基本私は鑑賞者を置いてきぼりにするタイプの作品は好きじゃないので本作を観ても喜びを感じません。 過去のポップカルチャーが積みあがった上にある現代の空洞ぶりを寓話的に描いているのかね?うーんやっぱりどうでもいいや。 まだD・リンチの作品ならば画が蠱惑的なので心惹かれる部分もあります。しかしこの作品はおっさんの糞便を映したりA・ガーフィールドにマスかかせたり、彼のガールフレンドも住居もそこはかとなく不潔感が漂い、不快です。この監督とはセンス合わないや。今後気を付けよう。[CS・衛星(字幕)] 2点(2020-06-17 23:05:27)(良:1票) 《改行有》

473.  アイアン・ジャイアント 《ネタバレ》 「なりたい自分になる」自我の成長物語ですね。人間の子どもじゃなくて巨大ロボットの話なんだなこれが。どこが製造したのかは不明だけど、攻撃能力の高さからして彼(?)は「兵器」として作られたと思われるのですが、本人は「殺戮者」でなく「スーパーマン」になりたい、と思っている。身体はデカくて強いけど心は平和主義。子どもにはそう育ってほしい、とのアメリカ人の希望がストレートに込められたお話でした。 日本のアニメで育った目で見ますと、展開の面白さやストーリーの深みはいいとしても絵柄に抵抗はやっぱりありますね。特に人間の表情はそんな顔する?と感じること多々でした。文化の違いなんでしょうが・・、モーレツに安彦良和氏の画が恋しくなりました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-15 22:57:24)(良:1票) 《改行有》

474.  ビリディアナ 《ネタバレ》 つまりこの監督が脚フェチでキリスト教嫌い、ということがよくわかる映画ですね。 敬虔なシスタービリディアナが修道院から一般社会へ出た途端に遭う不条理な暴力の数々。叔父のセクハラに始まり、施しをした乞食らには恩をあだで返される始末。強姦についてはいずれも「未遂」に終わってるのだけど、貞操観念が岩より硬いシスターである彼女にとってはPTSDものの大ショックでありましょう。「なんて日だ!」と叫びたくなったのでは。そしてとうとう彼女は神の教えに拠って立つ世界を捨て、世俗へと降りてくるのでした。 なんかねえ、観ててキツかったですね。乞食らの乱痴気騒ぎは胸が悪くなるほどの嫌悪感が湧きます。人間の汚い部分をこれでもかと晒して神のしもべを凌辱するルイス・ブニュエル。こりゃ教会激怒、上映禁止にもなりますわ。これが神社の巫女さんだと考えてごらんなさいよ。「怒られろ」と思うでしょ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-14 23:40:53)(良:1票) 《改行有》

475.  タクシー運転手 約束は海を越えて 《ネタバレ》 韓国映画の印象と言えば(個人的に)サスペンスものなんかはグロがきつくて辟易することも多いです。でも本作のような社会派作品も多々ある裾野の広さとか、しっかり娯楽作品として仕上げる力量の大きさには感嘆します。 光州事件を扱った本作は民衆弾圧への怒りが太い柱となって作品を貫いており、その描写のリアルなことはあまりの凄惨さに言葉を失うほどでした。建物も人々の暮らしぶりもちょっと前の懐かしい日本の風景とそっくりなのに、決定的に我々に経験が無いことは軍が市民に実弾を発砲してくるという恐怖。衝撃でした。 なんたってソン・ガンホが良いですよ。彼の出ない韓国映画を観ることの方が少ないくらいですが、この人の顔は味があるというかホントに良くて、「市井の一市民」を演らせると天下一品。彼の演じるタクシー運転手はソウルのいわゆるノンポリな一般市民。当初は学生デモを見て「高い授業料払ってるんだから勉強しとけや」と苦々しく思っていたのが、事件の只中に巻き込まれることになって自国で起きている事実を知る。中盤で面倒ごとから逃げるか、自分の中の正義に従うかハンドルを握りながら葛藤する数秒間のソン・ガンホの表情に注目です。このシーンがこの作品の訴えたいテーマ全てです。名優というのはそんなわずかな時間でも人の心に訴える仕事ができるものなのですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-14 00:02:37)(良:1票) 《改行有》

476.  フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 《ネタバレ》 フロリダのディズニーワールドの近隣に暮らすムーニーは6才の女の子。パープル色の大きなアパートの一室にママと二人暮らし。いろんな棟に友だちがいる。引っ越していってしまう子も多いけど、また新しい友だちが越してくる。管理人のおじさんはいつも小言が多いけど良い人で好き。毎日友だちと遊びに行くんだ。近所にはイタズラし放題の空き家があったり、本物の牛が放牧されてたり冒険がいっぱい。近くの大人に頼めば、アイスも手に入る。友だちみんなで一個を分けっこだけど。友だちのママが食べ物をくれるし週に一度は赤い車がパンを持ってきてくれる。ママのことは大好き。若くて髪の色がキレイなママ。 。。ムーニーは幸せだ。だってまだ6才だから。6才の目から見るフロリダは陽の降り注ぐ中にパステルカラーの建物の並ぶファンタジックな街。でも私たちは知っている。ムーニーの無邪気な日々、それはぎりぎりの綱渡りの生活の上にあることを。ムーニーたちの家はアパートじゃなくモーテルで、住んではいけないのだけどボビーが黙認してくれているのだということを。住処も、食料も他者の温情で繋いでいるということを。そしてヘイリーもムーニーも教育が足りていないということも。 ムーニーは勘の鋭い子。ついに6才の幸せな時が終わることを大人のうそ笑顔の裏に見抜いて、友と逃げ出す。逃げる先はシンデレラ城。夢の世界の本丸だもの、ここを目指せば幸福の中に居続けることができそうだものね・・。 映画はここでエンディング。しかし我々はまた容易に想像がつく。ムーニー、無理なんだよ。そこはお金のある人にしか夢を見せてくれない。なんてことだろう。欺瞞の夢世界は6才の子の望みを打ち砕く。 そもそも、ヘイリーたちのような生活困窮者らを生んだのが、ディズニーワールドのフロリダ建設計画「フロリダプロジェクト」。土地や賃料が高騰し、まともな住居の保証料を払えなくなった人々が発生したのだとか。 貧困のすぐそばで永遠の夢の国を謳うディズニーランド。このグロテスクなこと。 真正面から問題提起するという形でなく、最弱者である子どもの目線が交じることでこの社会問題の残酷さがよりはっきりあぶり出されています。 ブルックリン・キンバリー・プリンスの天才的な演技、W・デフォーの情感溢れる存在が心に残ります。強烈な一撃のような作品ですが、これがアメリカの「現在」なのですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-09 21:06:26)(良:1票) 《改行有》

477.  K-19 《ネタバレ》 非ロシア人であるハリウッド二大スターを使って旧ソ連海軍を描くとは難しい仕事だったと思います。しかし、言語こそ英語ですけど原潜内部のリアリティ溢れる造りはもとより、乗組員と政治士官との立場の差異など社会主義国ならではの政治事情もストーリーで説明できており、メイド・イン・ハリウッドということを気にさせない立派な作りです。画がちゃんと重くて渋い、ザ・共産圏の香りがします。 原潜内部で起きた異変の原因は、党が強いた突貫工事による整備不良や、正規品も間に合わない現場のとりあえず間に合わせた不完全な仕上がりによることは明らかです。K-19、この艦はドックから出たての処女就役なんですよね。この年1961年。1年目からこんな有様の潜水艦をソ連はその後老朽艦になるまで使い回し、冷戦終結後に明らかになった数字ではのち29年間で23件もの同様の原潜事故が起きていたと書物で読みました。 劇中非業の死を遂げた乗組員や艦長らの慟哭、非人道的な安全対策の不備がこの物語の後30年も繰り返されたとは旧ソ連という国家の非人間的なことに改めて衝撃を覚えます。 この映画の伝える恐怖は身体が震えるほどのリアル描写で、恐慌状態に陥ったP・サースガードが泣き叫ぶほどにこちらの気分も悪くなりました。 序盤まではリーアム・ニーソンとハリソン・フォードという主役クラスをどう両立させるのか、バランスの難しさを危惧しましたが杞憂に終わりました。特にH・フォードの新艦長がどういう立ち位置になるのか、とても興味深い出だしでした。ハリソンといえば、いつでも「正」側にいるイメージがついているスターですから‟無能艦長”の役回りで終わるとも思えなかったですし。 そう、もちろんボストリコフ艦長はこの就航が無理なミッションであることを分かっているのでした。しかしひとたび任に就けば艦内のトップとして職務全うにベストを尽くす。「訓練好きのコネ艦長」などではないのです。 副館長のリーアム・ニーソンはハマリ役で安定感抜群でした。部下に対しては温情型の彼が、しかしクーデターを許さず厳しい態度に出たことで原潜内の秩序維持の必須なことを思い知らされます。危険で特殊な環境下では組織のタガが緩む行為は許されない。たとえ意見は対立してもハリソンは艦長なのです。 ベテラン俳優二人の見事な組織人ぶりがドラマの重厚感をより引き立てました。どっと疲れるけれど、観るべき映画と思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-08 23:45:59)《改行有》

478.  モリーズ・ゲーム 《ネタバレ》 オリンピック代表候補からカジノの経営者へ転身、てもうそれだけで異色も異色。そりゃ出版業界もハリウッドも飛びつくわけで。運動能力だけでなく、モリー・ブルームは文武両道をモットーとする父親の教育のもと、ハーバードクラスのスコアを有する才媛てのも凄い。そんな賭場の女経営者にマスコミがつけた名称は“ポーカー・プリンセス”。だけどこの作品の話の肝は、モリーが賭け事運営から連想されるような冷酷非情な守銭奴ではなく客が身を持ち崩すのを心配し、かつ彼らのプライバシーを守る為に膨大な利益をも棒に振ってしまうという倫理観の強い人間であるということ。 あっぱれなまでの彼女の資質を、しかし脚本は今一つ上手く描けていないと感じます。最後のほんの数分(それも台詞で)でモリーが自分のアイデンティティを主張するに留めているだけでは、観ているこっちはなんで自ら有罪を主張するのか、すっと理解というわけにはいきません。 ジェシカ・チャステインは健闘していますが、そもそもストーリーが‟起こったこと”を追うのにいっぱいいっぱいな感があり、イメージの重なる「女神の見えざる手」にはだいぶ及ばない印象です。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-07 23:34:02)《改行有》

479.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 二作目以降長らく続いてきた「ゴジラ=怪獣映画」の流れを断って、初作品の哲学に立ち戻った21世紀版ゴジラであります。現代社会に破壊神が降り立ったら、のシチュエーションのもと描かれるのは主に人間ドラマ。今作では指揮トップに立つ役人や政治家の右往左往がメインで、硬直した組織の縛りっぷりであるとか、首相の暴走発言による混乱とか、やたら長い役職名とか現日本国民である我々は肌でデジャブを感じるリアリティである。前半のどたばたっぷりはとても面白い。私はくどくど会議が展開中の中盤までの方が好きである。 邦画の常として、主人公クラスは人気先行のタレントをおいて脇をベテランで固めるパターンにはもう慣れてはいる。本作もしかり。長谷川のおぼつかなさを支える柄本明であったり、特に巨災対チームの面々がそれはもう素晴らしい芝居っぷりで心躍らせて観ていたのだが、突然冬のオホーツク海並みの冷や水を浴びせられるのだった石原さとみに。米国政府のブレーンというよりイキった日本人にしか見えない。この人が口を開くたび下を向いてしまった。つらくて。未曾有の有事に際しているのに毎日髪をきっちり縦ロールにしてくる人材は大統領にはなれないと思う。ヒラリー・クリントンだって国務長官時代は髪なんかにかまっていられなかったと言っていた。 とはいえゴジラの造型は素敵でした。ゴジラサイドに立つ人間がいなかったことが残念でしたが。あ、そして生活に根ざした圧倒的な恐怖感という意味ではやはり一作目には及ばないような。映像が綺麗でシステマティックだからでしょうか。[映画館(邦画)] 7点(2020-06-05 11:06:28)(良:4票) 《改行有》

480.  砂漠の流れ者 《ネタバレ》 まさか「暴力監督」サム・ペキンパーにこんなトボケた一作があるとは思いもしませんでした。なにしろペキンパー作ということで中盤くらいまでずっと、いつケーブル・ホーグが血の雨を降らせるのかと待ってましたよ。あれ、でもこのオッサン復讐だなんだと口にしててもさして怨念の熱量は高くなく、標的の一人にはなんかぐだぐだと情にほだされ(というか復讐が面倒になったみたい)、せっかく築いた自分の事業もくれてやる始末。おい。 惚れた女に再会したと思ったらあっけなく天に召されて、その最期すらどこかへらへらとお気楽で。なんとまあ。好きなことやってぽっくり死ぬ、これもペキンパー流の「漢の美学」なのかも。 ホーグの死の元になったのが次の時代の主役であるクルマだ、というのもね。彼らの時代の終焉を告げる象徴にも見えます。道なき荒野を馬と共に往き、自由に生き方を選べた時代はケーブル・ホーグと共に終わりを迎えました。 生も死も自己責任で、その分生命力も強くスケベ心も隠さず、「おっかなくない」本作のペキンパーの男たちはとりわけ魅力的でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-03 23:34:42)(良:1票) 《改行有》

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