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プロフィール
コメント数 1199
性別 男性
ホームページ ないっす!!!
年齢 60歳
自己紹介 客観的に分析したようなもっともらしいレビューって、実はちょっと地頭よければ誰でも書けちゃうわけで、結局ありきたりな物になりがちです。
別に映画評論家でもない1個人としては、個人の感性や主観、あるいは体験を元にしたその人しか書けないレビューの方がよほど価値があるように思うのです。
もちろんそれが、事実誤認やヘイトレベルの差別や偏見に寄って立つものであれば問題ですが、しかしその人しか書けないレビューというのは必ずあるわけで、そういう個人的な感覚や体験を元にした主観的なレビューは、いかにももっともらしいありがちなレビューよりよほど価値があるし読んでて面白いんじゃないかと思う今日この頃。(でも自己陶酔溢れるポエムみたいなのは…)
好きな言葉は「恋」 です。

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541.  スリーデイズ 《ネタバレ》 昨日、エリスリ映画スリザーのレビューを書いたので、今日はもう一つのエリスリ映画であるスリーデイズのレビューを書くことにします。 ちなみにエリスリ映画とはエリザベスバンクスが主演女優をつとめタイトルがスリで始まる映画の…すみません、もう言いません。 さて、このスリーデイズ、2008年のフランス映画のリメイクだそうですが、なるほど実際に映画を観るとそれも納得してしまいます。 ハリウッド映画であればかなりの尺を占めるであろう脱獄してからの尺がえらく短いのです。 話の尺の多くを脱獄に至るまでの準備に割き実際に脱獄したあとはわりとあっという間に映画が終わってしまう、これはハリウッド映画では普通はない構成ではないでしょうか。 ハリウッド映画であれば、脱獄後は貴重なアクションシーンチャンスですから、ここで陳腐なカーチェイスなどいれて盛り上げようとするところですが、それがない。 このあたり、映画の元がフランス映画なんだなぁ、と納得できるところです。(とはいえ私オリジナルは未見なので実は全然見当違いの事を言ってる可能性はあります) さて、その脱獄後についてですが、私がとても気になったシーンがあります。 世の中のいろいろな映画の中には「いくらなんでもその時間にその展開は無理じゃね?」と思えるものがいくつかあり、たとえば「エルム街の悪夢」の中でわずか10分で素人の女の子が高度なトラップを家中に仕掛けるシーンなんかがそうなんですが、この映画にも時間的に疑問があるシーンがあります。 それは息子を動物園に迎えに行くのをいったん断念するシーンです。 35分以内に市外に抜けなくてはいけない、でも動物園に息子を迎えにいかなくちゃ、あぁでももう34分経った…という苦悩の中で主人公が結局ハンドルを他に向けてしまうシーン。 その後、妻と口論になり、絶望した妻は走行中の車から外に出ようとドアを開けそこに大型トラックが!あわや大事故になるかもという状況の中で車はスピンしてなんとか止まり、ほうほうのていで車を出た夫婦はここで脱獄後初めて落ち着いてそっと手をさわり頭を冷やす事になるのです。 そしてしばらく頭を冷やした夫婦は、やっぱり家族でいなくちゃという事であらためて車で動物園に向かい、動物園の中で誕生パーティをしている息子を探し出して預けていた奥さんに丁寧にお礼を言って車を出し…そこで時計を見ると54分経過。 34分だったのが54分になってるわけですから20分。 なんとその大騒ぎがすべて20分以内に収まってるのです。 いやそれだけの大騒ぎが20分でおさまるなら最初から息子むかえに行ってりゃ2,3分でいけただろ、てか2,3分で子供探せて引き取れる動物園ってどんだけ小さいんだよ、と。 このシーンにはかなり疑問が残るわけです。 実際、脱出後のシーンについては、料金所や検問をギリギリ通り抜けてから一歩遅れてそこに連絡が届くというご都合主義的シーンの連続で、いくらなんでも都合よすぎるだろ…としらけてしまうのはこの映画のかなりの弱点。 そのしらけ具合を救ってくれるのが、ほとんど登場しない主人公のお父さんのイケメンっぷり。 間抜けな息子が丸見えにしてしまったベネズエラ行のチケットを見つけても黙ってたり、刑事に聴かれても「いや息子とはほとんど話さないから知らないね」と突っぱねる、そして独りの時に世界地図でベネズエラの場所をそっと探す、と。 無口なお父さんのイケメンな行動がこの映画の清涼剤になっているのです。 あと気になるのはラスト間際の刑事がボタンを探すシーン、あれ必要でしょうか? ショーシャンクじゃないですが、この映画でもすでに冤罪を晴らすのはほぼ不可能な状況になってるわけで、あそこで改めて無罪の証拠が無くなるのを描く意味がわかりません。 あのシーンを入れるのであれば、そのあとさらに別のシーンが必要で、たとえば「別件で逮捕された真犯人が、何か本件にかかわる事をしゃべってしまう」なんて思わせぶりなシーンを入れて再度観客に期待をもたせたりしてこそ生きるわけで。そうでないならあのシーン自体が不要、全くの蛇足だと思います。 と、まぁ長くなりしかもまとまっていませんが、要するにいろいろアラが多いこの映画、しかしとりあえず家族で逃げ出せてよかったね…という事で6点差し上げたいと思います。[地上波(吹替)] 6点(2017-07-06 01:40:52)(良:2票) 《改行有》

542.  スリザー 《ネタバレ》 非常にオーソドックスでよくできた(あくまでこの手の映画としてよくできた)悪趣味B級コメディホラー映画。 この映画、スリザーに寄生されるグラントグラントさんが映画中ずっとひどい扱いでなかなか可哀そうです。 若くきれいな嫁をもらったもんだから「財産目当て」「不似合いな夫婦」とまわりに陰口をたたかれ、実際、嫁にはずっと夫婦生活を断られ続けて…そんなグラントグラントさんですが嫁への愛は本物です。 嫁にセックスを断られてふてくされて欲求不満で飲みにいった先で会う若い女に誘われても、嫁への想いがあるからちゃんと断るのです。 あそこは、不倫しても誰にも文句言われないとこだよグラントさん。 何しろ嫁には長期でエッチ拒否されてるんだから、あそこで不倫してもしょうがない。 なのにきっちり誘いを断るグラントさん。なんて純愛派なんでしょう。 あぁそれなのにそれなのにスリザーに寄生されてあんな事になってしまいました。 そして最後も嫁への愛が裏目に出るっていうね… 言ってみればこの映画、グラントグラントさんの純愛物語だったといえなくもありません。 あと、通常この手の映画のタイトル、モンスター名は、人類が勝手につけた名前であるのが普通なのですが、この映画は違います。 何しろ臨死体験(ちょっと違う)した娘が読んだ記憶の中にあった本人の名前ですからね。 この手の映画では非常にめずらしく、この「スリザー」というのは本人が自称している名前なのです。 (だからどうした、って話ではありますが)[地上波(吹替)] 7点(2017-07-05 00:41:16)(良:1票) 《改行有》

543.  メアリと魔女の花 7月1日、イイノホールにて試写会で鑑賞。 公開前なのでネタバレなしでレビューを書きます。 手垢つきまくりで食傷感バリバリの「魔女とホウキwith魔法学校」モノをイマドキわざわざ製作する以上、この映画なりの素敵なサムシングが当然あってしかるべき、なわけですが…実際観てみると残念ながらそんな事は全然ありませんでした。 まぁそれは監督をはじめとする製作スタッフを見れば事前に想像できるわけで「丁寧には作られてるけど、ただ丁寧なだけの凡庸な魔女アニメ」なんだろうな…と観る前に僕は予想して試写会に出かけたのです。 しかし実際に試写会で映画を観てみると、残念ながらその予想ははずれていました。悪い方にです。 凡庸なのは予想通りなのですが、丁寧に、という点すら疑問だらけだったのです。 この手の映画で最重要であるキャラ設定自体がかなり雑なため個々のキャラの行動原理に説得力がない上にストーリーはいきあたりばったりで説明不足。 これでは観客はのれません。映画に共感できません。子供だましという言葉がありますが子供でもいろいろ疑問に思うレベル。 実際試写会での観客の反応もかなり悪く、例えば映画中に客を笑わせようとする小さなギャグシーンがいくつかあり、大概の映画試写会であればそこで観客から笑い声がおこるのですが、この映画では観客から一切笑い声がおきません。 「水を打ったように静か」という表現がぴったりで、最初から最後まで観客から声があがる事はない非常に静かな試写会でした。 映画が終わった後にも、面白い映画を観たとき特有の興奮したザワザワ感は全くありませんでした。 この観客の反応こそがこの映画の出来を端的に表していると思います。 まぁそれでも、難しい事を言わなければ最低限は観られる(テレビで十分程度とはいえ)アニメにはなっているのですが、しかし話はそれで済みません。 この映画は「劇場アニメ映画」です。 観客に交通費含めれば2000円以上の支出を要求して観てもらう映画なのです。 さて、偶然にも、この映画が公開される2017年に「リトルウイッチアカデミア」というテレビアニメ(全25話)が放送されていました。 タイトルからわかる通り「魔女とホウキwith魔法学校」モノです。 手垢のつきまくったテーマのアニメがまさか同じ年に2つもあるなんて!です。 しかしこの「メアリと魔女の花」と似たようなテーマを扱う「リトルウィッチアカデミア」は、その内容的に「メアリと魔女の花」よりはるかに質のいいアニメだったのです。 キャラクターは立っているし、ストーリー展開にも工夫が見られ、いくつもの伏線とその回収で驚きを与えてくれ、何よりクライマックスに向けての盛り上げ方は丁寧に作られたジャパニメーションらしい素晴らしいものでした。 もちろん、テレビアニメである以上、予算やスケジュールの関係で細かいクオリティにおいては「メアリと魔女の花」より落ちます。 いろいろ制約のあるテレビアニメである以上、それは仕方がない事です。 しかし、そこで表現されたお話としての面白さは、明らかに、そう明らかにはっきりくっきり「メアリと魔女の花」を上回るものでした。 「メアリと魔女の花」は観客にわざわざ劇場まで足を運んでもらい2000円以上のお金を払ってもらう劇場アニメ映画です。 それが「無料で家で視聴可能な」テレビアニメに対しはるかに見劣るものになっているというのは、そしてそれを平気でスクリーンにかけてしまう製作サイドの姿勢に、私は大きな疑問を感じずにはいられません。 (そもそも「リトルウィッチアカデミア」自体、2017年前期のテレビアニメの中でみてもせいぜい4番手5番手評価のアニメにすぎず、特別な傑作ではないわけで、それと比べてすら大きく落ちる劇場アニメってなんなのよ…という話です) 少なくとも私は、このような劇場アニメが観客にもてはやされるようでは、日本のアニメは終わってると本気で思います。 (幸い、試写会の観客の反応を見る限りこの先大きな話題にはならないと思いますが) という事で、純粋な映画の出来に関してはこのサイトで5点程度の映画だと思いますが、以上のような事情により減点して0点…はさすがに可哀そうなので僕としては(気分で)2点にしておきたいと思います。[試写会(邦画)] 2点(2017-07-03 22:56:15)(良:1票) 《改行有》

544.  M:i:III 《ネタバレ》 普通のシリーズ物は、シリーズ中に監督が変わっても監督の色を出しつつ映画自体の雰囲気はある程度共通にするようなもんだけど、この劇場版スパイ大作戦は全然そんな事はない。 1作目のデパルマ、2作目のジョンウー、そしてこの作品のJJエイブラムスと毎回監督が変わりその都度、全然違う映画になってしまっている。 1作目は有名作品の映画化という事で渋く堅実なスパイ映画、2作目では一転して安っぽく勘違いしたスタイリッシュさ(自称)を前面に出したゴミ映画、そしてこの3作目はJJエイブラムらしいわかりやすいハリウッド的娯楽映画に。 で、どれが一番この映画らしいかといえば、やっぱり本作だと思う。 そもそも21世紀の時代にいまさら勘違いした肉体派スパイ映画をやる時点で、シリアスに作ってもしょうがないわけで娯楽映画に徹するのがやはり正解。 一方で2作目のようにストーリーなんかないも同然のような作りにされてしまうと逆にスパイ映画としての必然性を失ってしまうわけで。 過去の2作を踏まえて娯楽映画としての絶妙なバランスで作られてる本作は、ここまでのMIシリーズでは最高だと言ってほぼ間違いないと思う。 という事で、このシリーズはこの3作目までを評価する分にはこの作品が最高なわけだけど、この後、この作品の監督陣が製作に回りそして監督がピクサー監督に代わった次回作ではさらなる高みを目指す事になるのである。(いや、高みってのは違うか) アニメ監督が実写撮って面白いってのは、この後のシンゴジラの庵野の先駆けともいえる…ってそれは4作目のレビューで書くことです>自分[DVD(字幕)] 7点(2017-06-27 09:38:52)《改行有》

545.  キンキーブーツ 《ネタバレ》 イギリスの片田舎ノーサンプトンを舞台にした映画なわけですが、あら不思議、見ているとまるで邦画か日本のテレビドラマを見てるような既視感があります。 なんででしょうね? 例えばまだ前半、ローラが男性従業員からの小イジメでトイレにこもるシーン、従業員がトイレの外で聞き耳を立てるシーンですが、これがもうめっちゃくちゃ邦画でありそうな空気感。 映画全編そんな印象で…というか一度そう思ってしまうと、もう「邦画っぽい」という印象が自分の頭から離れず最後までその印象のまま観てしまいました。 ぶっちゃけキャストと場所をそのまま日本に変えて同じ演出でも全然違和感ないんじゃね?と思ってしまう不思議な映画でした。 ストーリー構成もお約束をきっちり抑えながら小波乱を乗り越えていく定番のストーリーで、驚くようなシーンは全くないかわりに「ここでこうなるだろう」と観客が期待するシーンでは必ずそうなる、という観客的に極めて安心感がある映画。 まぁ逆に言えば、観ている側が驚くような展開や感動がまったくない完全予定調和の中で進行していくストーリーは「そこそこ面白い」以上の映画をこの映画に与える事を困難にしていて、実際このサイトでの点数を見ても7点8点が大量にいる代わりに9点以上はほとんどいない…というわかりやすい点数分布になっていて、この点数分布を見るだけでどんな映画なのかがわかる、そんな映画になっています。 よく言えば、安心して観る事ができるそこそこハートフルな小品であり、悪く言えば「そこそこ面白いけど、まぁ別に観なくてもいいような映画」だったりします。[地上波(字幕)] 6点(2017-06-26 23:34:13)《改行有》

546.  シャッフル(2007) 《ネタバレ》 なんなんでしょうか、映画のあらすじとか設定だけを聞いていればわりと面白そうなのに、最後まで観てもずっといまいちなままの非常に残念な映画です。 そもそも映画として何がしたかったのかがわからないのが致命的で、最後まで映画を観ても結局何のために1週間がシャッフルされてたのか、なぜループから脱出したのか等々ぜんぜんわかりません。 サスペンスなの?SFなの?ミステリ??なんなのこれ?哲学的に何か語りたかったの? とにかく映画の方向性が絶望的なまでに行方不明で迷い道くねくねです。 必然的に劇中いろいろな伏線が出てきたりするわけですが、少し深く考えると、なぜなの?、とか。矛盾あるんじゃね?とか思えてしまう事もしばしば。 しかしそれも「まぁこの程度の映画だから別にどうでもいいか」と流してしまうわけで、映画を最後まで観てもまぁこの程度の映画だから細かい事はどうでもいいか…としか思えなくなってしまいます。 全体的に残念なこの映画に一つだけいい点があるとすれば、こういう複雑な構成の映画はシナリオをきちんと練り上げてから撮らないと大けがをするという事をこれから映画を撮る人に教えてくれる反面教師として非常にいいサンプルになれる事でしょうか。 どんなものにも取柄はあるものですね。[地上波(吹替)] 5点(2017-06-06 23:12:36)《改行有》

547.  ロード・トゥ・パーディション ※ネタバレなしです※ 映画を観るときに大事なもの、気にする事のひとつに作家性というものがあります。 独自の映像表現や独特のセリフまわしなど作家性といってもその意味はいろいろですが、そういう色が濃い人の作品ほど観客の好き嫌いが出やすいものなのも確かです。 (作家性の薄い監督などはときに「職業監督」なんて呼ばれる事もありますが、しかし「職業監督」もそれはある意味立派な作家性だと思います) さてこの映画監督のサムメンデス、僕の大好きなミーナ・スヴァーリの魅力をアメリカンビューティで爆発させてくれた事で大好きな監督なのですが(そういう理由?)、ミーナスヴァーリの魅力を爆発させる以外にも、やや暗めのトーンの話づくりや美しい画面作りなどの特徴も一応もっている監督です。 もちろんそれらはミーナスヴァーリの魅力を爆発させる事と比べると些細な事ではあるのですが、このロードトゥパーティションは、その些細な監督の作家性が思いっきり押し出されている映画だと思うのです。 (何しろミーナスヴァーリが出てないのでそっちを押し出すしかないわけですが) さて、映画監督の作家性というのは初期のものほど、洗練されていない分だけ、あるいは世間の中でもまれていない分だけ、より作家性が出ているように感じます。 例えば昨年話題の新海誠、「君の名は」でずいぶんメジャーな感じの映画を撮ったわけですが、しかし作家性という面だけで見ると初期の「秒速5センチメートル」あたりのほうがはるかに監督独自の色が全面に出ていると思います。それと比べれば「君の名は」はなんて一般的な映画になっている事か。 (誤解のないように書いておきますが、秒速5センチメートルは個人的にとてもつまらない映画で、君の名ははとても面白い映画だと思います。映画の面白さと作家性は別の話です) と新海誠を引き合いに出しましたが(というか脱線してますが)、何が言いたいかというと、このサムメンデスという監督の色は、初期の「アメリカンビューティ」と本作「ロードトゥパーディション」に一番よく表れていると思うのです。 何しろこの次の「ジャーヘッド」は彼の作家性を出しづらい作品でしたし(そうは言ってもサムメンデス感は結構ありましたが…そうですねなんかたるくてだらだらしたところとかw)、007あたりも作品の本質的にやっぱちょっと違うわけで、サムメンデスという監督の作品の魅力を味わうには初期2作を観るにつきるのではないでしょうか。 なんか話があっちこっちいってしまい、よくわからなくてすみませんw[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-21 10:35:43)《改行有》

548.  ロング・キス・グッドナイト この映画は2015年以前に観た人と2016年以後に観た人でおそらくその印象が大きく異なる事でしょう。 2015年以前にこの映画を観た人の感想は「強い女が暴れるよくあるアクション映画の一つ」 しかし2016年以降に見た人の印象は違います。 「平野ノラじゃん!」 この映画のジーナデイビス、髪型から顔立ちから、もろ平野ノラなのです。 あまりにそっくりすぎて映画の内容が頭にはいってきません。 困ったことに中盤のアクションシーンの衣装、これがいけません。 バブル期のような赤いジャケット…もう完璧に平野ノラのコスプレです。 さらに平野ノラ度をアップさせてどうする? しかし、そこから映画は急展開、彼女の髪型も化粧も変わり、いきなり映画から平野ノラがいなくなるのです。 まさに平野ノラロス、映画を観ている途中でのこの急激な展開。 観客はついていけずただただとまどうばかりです。 しかしご安心、ラストシーンで彼女は再び平野ノラに戻ります。 安心安心。 平野ノラロスの観客の心も癒される、まさにこれこそが真のハッピーエンドなのです。[地上波(吹替)] 6点(2017-03-09 23:46:25)《改行有》

549.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 初見のときは、わりとありがちなファミリー向けファンタジーアドベンチャー程度に思っていたわけですが(あと、うわぁディックヴァンダイクが出てるじゃん!ってのは思った)、今回(ひまだったので)再見したら、あら不思議、意外とちゃんとした面白い映画じゃないですか。 2回目の方が面白く感じるっていうのも妙なものですが…まぁそんな状態なので、自分にしてはめずらしく?この映画が面白い理由が自分でもよくわかりません。 でもなんか面白いんですよね。しかも最後はなかなかハッピーな高揚感につつまれちゃうっていう。 2も今観たら面白いんですかね、俄然気になってきました、アメリアエアハート。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-04 00:03:17)(良:1票) 《改行有》

550.  シークレット ウインドウ スティ-ブンキング原作の映画のレビューを書くたびに「僕はスティーブンキングのフアンで小説はあらかた読んでます」的な事を書いてるわけですが、このキングという作家、知名度のわりに日本でまともにこの人の小説を読んだことがある人はほとんどいなかったりします。 モダンホラーの第一人者、と言われていて、なんとなく「単に怖いホラー小説」を書くと思ってる人も多いと思うんです。 でもキングの小説っていうのは、基本的に執拗な人間描写によるなんとなく漠然とした不安感の積み上げによるものが多く、実はわかりやすいホラーってそれほど多くないのです。とにかく人間描写が多いので、ちょっとホラー要素を減らせばスタンバイミーやショーシャンクのようなヒューマンドラマにもなったりするわけです。あれらは、単に普段のキングの小説からちょっとホラー要素を減らしただけのものであって、基本的なキングのスタイルで書かれたものに違いはなくそういう意味ではごくありふれたキングの小説の一つです。 さてこのシークレットウィンドウは、キングの中編の中でもわりとありきたり…ぶっちゃけ凡庸なもので、別に傑作ではないのですが、そのキングのカラーがよく出た小説になっています。 で、それをわりと忠実に映画化すると、こんな感じになるかな、っていうのがこの映画。 原作の雰囲気なんかはわりと出ていると思います。 ただいかんせん、原作小説がこんな感じなので映画もこんな感じにしかならないっていう、わりかし地味な映画になってしまっています。 オチや展開も大方の予想通りでしょうが、これは原作読んでても予想通りなので別に映画のせいではありません。 このわりと凡庸なキング的中編をそこそこ忠実に映画化するとこうなるしかなかったっていう、それだけの話です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-03-02 11:18:09)《改行有》

551.  パーフェクト・ストレンジャー(2007) 《ネタバレ》 ミステリ小説業界には、「語り部が犯人」「探偵が犯人」という小説は一定数存在しています。 しかしその数は決して多くありません。 なぜなら読者をある程度納得させる形でそれを読ませる事が非常にむつかしいからです。 アイディアとしては面白いわけで、ついやりたくなるタイプなのですが、しかし一方で、実は主人公が犯人であった事を読者を納得させる形で明らかにするのは非常にむつかしいため、なかなかその手の小説は存在しないのです。 で、映画の世界では、個人的な印象では小説よりはるかにその手の映画は多いように感じています。 まぁその手の映画はだいたいB級映画なんですが、しかし「冷静に考えればこの主人公2人が犯人なんじゃないの?」的な印象を与えてくれるようになっていたり、それが明らかになったあとに映画として攻守入れ替わって1波乱ある、なんて感じで作られている映画が多いんですが、この映画、わりかし最後にいきなり唐突なネタばれをかましてくれます。 作る側として、予期させずにそれをやりたい気持ちもわからないでもないですが、しかしそれをやっちゃぁダメでしょう。 まぁそんな映画です。[地上波(吹替)] 5点(2017-03-02 11:10:03)《改行有》

552.  アウトブレイク 《ネタバレ》 テレ東の午後ローでやってたので久しぶりに観ました。 この手の「ウイルス感染物」はたくさんあるわけですが、しかし当時世間にエボラブーム?を巻き起こした話題作。 むしろ類似品をたくさん観た、今あらためて観る事で面白さを再確認できます。 この映画を観ると類似品の類は、「まじめすぎてつまらない」「やりすぎてつまらない」のどっちかに分類される事に気づきます。 この映画は「エンターテインメント」としてそのあたりのバランスがちょうどいいんですね。 まぁ猿が都合よく見つかるのは話の進行的にアレですけど、真面目なパンデミック映画だと決してあんなヘリのおっかけこシーンなんかないわけで、でも映画を観てる側としてあれくらい派手めに映画を進行してくれないとさすがにつまんないわけです。 昔見たときはそんなに思わなかったのですが、この映画、真面目に作ろうとしている部分がありつつも、映画的に楽しませようとするシーンがきっちり盛り込まれていて、そこがこの映画をきちんとしたエンタテインメントにしてくれているんだと思います。[DVD(字幕)] 7点(2017-03-02 11:03:16)《改行有》

553.  THE GREY 凍える太陽 《ネタバレ》 狼と人間の極限バトルみたいなのを期待してみると、なかなか裏切られる素敵な映画です。 致命的な欠点として、極寒で全員がもこもこに服を着てフードをかぶっているうえに画面が暗く、しかも常時雪が降っていて全員がおっさんなんていう状況のために、最初に7人?くらいしかいないのに、主人公と常に文句を言ってるよくいる反骨キャラ以外のおっさんの区別がつきません。 残り5人だか4人くらいになってくると一人を描く時間も長くなりエピソードも多少増えるのでやっとこわかるようになるんですが、その時点でもう何人も死んでます。この人達の存在意義ってなんなんでしょう。まさに「無駄死に」です。 まぁ基本的には極限の状況の中一人ずつ死んでいくよくある映画なんですが、この映画の場合は英雄的な自己犠牲でかっこよく死んだりするわけではなく、状況の中で一人ずつがただ無力に死んでいくだけです。 この映画の中の狼は、大自然の力を象徴した死刑執行人みたいな位置づけで、もはや人間がまともにバトルする対象でもありません。 これアクション映画的なものを期待したらだめで、生きる希望を失って自殺しようとしてた男が、極限状況の中で逆に生きる気力を起こし最後は勇敢に神の誓いの象徴的な狼のボスと戦って死ぬまでを描いた、なんだろう?ある意味哲学的宗教的人間ドラマみたいな映画なのですが、おそらくこの映画を観る多くの人は、そんな映画を観たかったんじゃないと思います。 こんな全編鬱々として地味で圧迫感のある映画を観たかったんじゃないと思います。 この映画の悲劇はそのミスマッチにあるんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-03-02 10:50:22)《改行有》

554.  96時間 《ネタバレ》 映画全体の尺を考えると、実際に娘がさらわれるまでが異常に長く感じます。 初見のときは「え、必要なのはわかるけど前半こんなに引っ張って尺は大丈夫か?」と心配になりましたが、でも大丈夫。 なにしろ96時間しか猶予がありませんから、お父さんは休むことなく情け容赦なく駆け回ってあっという間に事件解決。 その情け容赦なさは、観ていてちょっと引いてしまうほどで、相手が悪党とは言え殺して殺して殺しまくります。 世のお父さんの娘への愛情ってのは、実際のところかなり複雑でかなり無限大なもの。 世のお父さんっていうのは、だいたい、自分が娘にとっての永遠の特別な恋人でありたい、こっそり(あるいは隠すことなく)そう願ってるわけですが、そのお父さんの気持ちが全編にあふれかえっているある意味とても気持ち悪い映画でもあり、特殊なシチュエーションの元にそのお父さんの気持ちを見事なまでに描き切っている変態映画です。 だけどまぁ徹頭徹尾それを貫いている分、観ていて面白いのも確かなのです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-02 10:39:11)《改行有》

555.  アジャストメント 系で言えば「天国から来たチャンピオン」と同じジャンルの映画ですが、なぜかSFサスペンスと宣伝されるこの映画。 他のサイトではもっと高い点数の映画(例えばIMDBだと7.0)なんですが、なぜかみんシネでの平均点は低いですよね。 しかしそれは多分「ジャンルのミスマッチ」による要素が大きく「天国から来たチャンピオン」のような「運命の恋愛ファンタジー」系映画を好きな層が観れば大きく評価をあげる映画なんじゃないかと思います。 ところでエミリーブラントって誰かに似てる…と前から思っていたのですが、昨日アマプラで観てるとき急に気づきました。そう、藍井エイルですよ! 結構似てると思うんですが笑どうでしょう? あと諸事情あって、字幕スーパーで映画を観た直後に再度午後ローの吹き替えで観てしまうという事故を起こしてしまったんですが、結果それでいろいろわかった事があります。 このサイズだと午後ローは本編ノーカットなんだなとか、字幕の方が情報量が少ないんですが、例外的に字幕の方が文字量が多いときもあるんだな、とか。後者については「セリフであれば沈黙の間」で表現するようなものを字幕では表現できないので説明の文言が足されてるようなときとかですね。 偶然連続で観る事でいろいろ勉強になりました、はい。[インターネット(字幕)] 8点(2017-02-06 21:28:35)(良:1票) 《改行有》

556.  マジェスティック(1974) 《ネタバレ》 スイカをダメにする方法として銃で撃つってのがもうなんだか頭が悪すぎる。 普通、まとめて火を放つでしょ。 水分が多いから油をかけても燃やし尽くすのは大変だけど、でも燃えてない部分も熱でダメになるから全滅にできる。 楽しくスイカを銃撃してないで君たちはもっと頭をつかいなさい![地上波(吹替)] 5点(2017-01-20 22:16:02)《改行有》

557.  燃えよドラゴン 実に35年ぶりくらいに再見しました。 今見ても意外と面白いものですね。てかブルースリー、こりゃ当時人気出るよな、と今さらながら思いました。 このサイトでも年寄りの方に位置する私はリアルなブルースリー世代なわけですが、しかし当時ブルースリーには全くハマらなかった人なのです。 彼の映画は典型的な彼のためにある映画であり、彼がいるからこそ成立する映画。 ブルースリーを観るための映画なのです。 そういう意味では例えば「ラブライブThe School Idol Movie」なんかと同じファン映画だとも言えます。 (多分好きな人は「そんなのといっしょにするな!」と言いたいでしょうが、内容があまり無くフアンでないと楽しめないという意味では私にはどちらも同じようなものに思えます) フアンでない人が点をつけるとあまり高くないのは、そういうジャンルの映画としてしょうがないところではないでしょうか。 とはいえ、当時まったく彼に興味がなかった私が今見ると「あぁこれ当時ハマった人がいるのわかる気がする」と思うのですから、人間、年をとるとやっぱ変わるものなんですね、うんうん。[地上波(吹替)] 6点(2017-01-19 10:38:24)(良:1票) 《改行有》

558.  オーバードライヴ(2013) 登録だけされていてレビューが一つもない映画ってどういう事なの… まぁそれはさておき、「ドウェイン・ジョンソン主演、麻薬カルテル絡みのクライムサスペンス」と聞くと、頭の悪そうな派手なアクション映画を想像するわけですが、実際は非常に地味でまじめに作られた巻き込まれ型囮捜査物。 堅実な作りで決してつまらない映画ではないけれど、あまりにまじめな作りすぎて残念ながら面白味に欠けてしまっているのが非常に残念。 映画のストーリーのもう一つの柱として「親子愛家族愛」があるわけだけど、そちらの方についてもぶっちゃけ「うーん」って感じで特に感情移入できる要素もなく。 もうちょっと映画としての派手さ、見せ場が欲しいとそう思わせる映画でした。 このサイトの基準で、まさに 「可も不可もなくってとこ。 損も得もしてないっすね。 ビデオでも良い感じ。」 なので5点ですね。[地上波(吹替)] 5点(2017-01-18 15:57:52)《改行有》

559.  レッド・サン 《ネタバレ》 監督テレンスヤング、音楽モーリスジャール、出演がチャールスブロンソン、三船敏郎、アランドロン。侍が出てくる西部劇…なのに欧州製作。 …という設定だけ聞くと「どういう事?」と混乱してしまうとんでも映画。 今回テレ東で放送されていたので35年ぶりくらいにみました。 そもそもなぜこんなとんでも映画ができたかというと、三船からの持ち込み企画がハリウッドでは映画化されず欧州に持っていったら映画化してもらえる事になった。といういきさつがあるからで、ネットのレビューなどで「なぜこんな糞映画に三船が…」なんて感想も読むけれど、そもそもこれ三船からの持ち込み企画だから彼が出ているのは当たり前なのです。 監督の起用も他にペキンパーなどの候補がいる中、三船がテレンスヤングを選んだそうなのですが、ペキンパーだったらどんな感じだったのか非常に興味深いですね。 で、映画の内容ですが、前半はまぁわりといいんです。敵対する2人が共通の敵を追ううちに…というオーソドックスなバディ物ですから。 しかし中盤、何の関係もないコマンチが出てからがいけません。なぜコマンチだした? クライマックスはなぜか(何の関係もない)コマンチとの混沌としたバトルに突入し、もはや元の確執もあやふやに。 コマンチが敵とか冒頭の展開となんの関係もないし必然性もなく、シナリオは迷走していくのです。 この後半のgdgdぶりは本当にひどくて、前半のよさをすっかり台無しにしてしまっています。 まぁそれでも、それなりに観られたので駄作一歩手前で踏みとどまってはいるのですが、後半、謎のコマンチさえいなければもうちょっと面白かったのに…とそれが非常に残念でなりません。[地上波(吹替)] 6点(2017-01-14 11:42:54)《改行有》

560.  フィフス・エレメント 《ネタバレ》 世界を滅ぼす邪悪な力と世界を守る5つのエレメント…と設定とあらすじを書くと厨二病感満載で失笑しかないようなレベルなんですが、リュックベッソンがこの話を考えたのは実際に16歳のとき。マジで厨二ネタなんですよ。 その話をずっと映画化したかった彼がその製作費を作り出すためにやっつけで造ったレオンが傑作として評価され、本命であるこっちの評価は散々なんですから、世の中面白いものです。 ミラジョボは枕営業でこの役をゲットしたんだよなぁとか、ゲイリーオールドマンの役どころがレオンのときとそっくりだとか、JPゴルチエのデザインはゴルチエ感満載すぎて笑えてしまうとか、まぁこの映画についてはいろいろ思うところがあるわけですが、それでもなんでも、少年の頃からずっとこの映画を撮りたかったという夢をやり切った感満載でやりきった事、それ自体を評価したいと思います。[地上波(吹替)] 6点(2017-01-12 02:19:44)《改行有》

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