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プロフィール
コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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541.  レオン/完全版 なかなか面白いことは間違いないんだけど、なんかイマイチだ。 追加された部分がものすごく蛇足で、かなり不完全になっちゃった感じがする。マチルダがティーンズ向け雑誌やアニメで覚えた恋愛表現を優しく受け流すレオンを表現したかったのは分かるけど、マチルダの性格造形が雑で素直に観るのが辛い。 レオンの過去をしゃべらせるトリガーが、マチルダが性交渉をせがむこと、というのもいかん。倫理性を大きく損なう犯罪を絡めると簡単に脚本にエッジが効くのは分かるけど、それを嫌って入れなかった保険の場面じゃないのかこれは。なぜ入れたんだろう。 少年的な表情と体の動きで当惑するレオンにセックスをせがむと、過去の人への愛を語り始める。これもレオンのキャラ造形を揺らがせてしまっているように思う。よく言えば幅が出た、だろうか。でも、トニーのほんの少しの台詞から、過去を想像させた方が良かったはず。レオンの涙ながらの吐露も想像を具体的、確定的にさせてしまう効果になってしまっているようでもったいなかった。 マチルダの性格を極端にしてしまった結果、あの演技をかわいいと思えないという人もいるんじゃないだろうか。とはいえ、それほど考えさせる映画ではないので、素直に見入れば良いことかもしれない。劇場版の方が高品質というだけ。 完全版じゃない方を最初に見ておいて、もっと世界観に浸りたいっていう感じで使うと良いなと思った。 ファンなら気にならないし、ありがたくもあるんだけど入れずにすんだ場面をなぜ入れたんだか分からない。もうちょっと何とかならなかったのか。[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2010-01-02 04:58:11)(良:1票) 《改行有》

542.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 《ネタバレ》 ちくしょう、面白いんだよなぁこれ。2でちょっと閉塞感を与えてどういう風に、行ったり来たりするのかな、と思わせて、ここに来て西部劇!すいません痺れました。 西部劇か、西部劇。しかも未来なし。うわぁつまんないわけがない。音楽もそれっぽくて笑っちゃうし、設定のインチキ臭さがまた西部劇っぽいんだよなぁ。いろんな事が良い具合に混じり合って良い感じに相乗効果を発している。 時間を行ったり来たりする要素を捨てたおかげで、一つの設定に没入できる。よくこんな決定をしたなと思う。当時アメリカで西部劇ブームだったんだと思うけど、それにしたってこんな風に、ブームのなかの一つで終わらないきちんとした固まりとして残っていることにはグッとくる物がある。 過去からドクがやってくる時、未来はマーティが望んだ世界に一直線に繋がっていた。その瞬間、オッッシャー!だ。2でさんざんどの未来に繋がってるかは確実ではないと、頭にすり込まれているからこそ活きる。この未来を真っ直ぐ疑わないエンディングは最高に気持ち良い。これで良し。異論は脳内シャットオフ。 テロリストとつきあいがあるドクのキャラとか、あれだけメチャクチャに転げ落ちた2の世界とか、そういうのと直につなぐと大変だったから方向転換したんじゃないか?そういうことを言う脳内もう一人の自分は脳内シャットダウン。良いじゃん、2より3の方が普通に面白いんだ。面白い方が強いじゃんかさ。[映画館(字幕)] 8点(2009-12-31 13:24:44)《改行有》

543.  クリムゾン・タイド 《ネタバレ》 傑作。潜水艦ものでコレに勝つには、戦闘描写を押し出すしかないと思わせるほど緻密。正直、演技の細かさにはうんざりするほどだ。 ジーン・ハックマンが、いい人だか悪い人だかよく分からない演技をするときは、ヤバい。その場面は異空間になり、こっちが悪いことをしたような気持ちになりドキドキしてしまう。そこにいい人に決まってるデンゼル・ワシントンを持ってくるんだからすれ違いは決定的になるに決まってる。そこを囲む脇役陣の手堅さときたら、配役が悪魔的に巧い。 95年当時の世界の不安定さときたら、今考えると病的妄想的な世界観が現実を包んでいて、それを払拭する情勢確認手段の少なさはちょっとスリル満点だ。それが日常だった。そこにきて、ロシアのクーデターという設定。当時ならあり得すぎる、ゴルバチョフが武力行使による拘束をされてしまう世界だからだ。 こうした空間の中で、権限委譲の不備を突いた事件が起きてしまうが、その処理のあまりの巧さにはぐうの音も出ない。ハンターと同調すれば密室の中の組織が崩壊してしまうことを誰よりも知る艦長と、ラムジーが副長に同調して必ずしもそこにいる全員が同調できないことを理解できないハンターのパワーバランスがすばらしい。 ラムジーが越権行為をすることで、解任され確認までの時間を作った訳だが、誤算は敵艦の攻撃だった。これにより部下を謀反に引きずり込んでしまうことになる。その苦悩の表現も秀逸だ。暗号を知るミサイル発射将校のウェップスに銃口を向けたが、これが開けさせるためではなく命令に従わせるためだった。彼を部下を救う上官にすることで謀反人になることから救った。同調した部下達の心理とは違うところに真意があった。 中止命令では、様々に反応する部下に複雑な内心を見せる。最後、ハンターは、委員会の聴取でラムジーの越権は、自作自演であったと知るわけだ。謀反が起こったと言うことがオフレコになって、クルーが不問に付され誰かが犠牲になるに違いない自分の聴取が行われなかった。 もちろんそう解釈をしない見方もアリだろうが、いかにも何でこんなことになったのかという表情をするハックマンを見ると、その方が面白い。ラムジーを悪役として据えるのも痛快だが、単純にそうしないところに妙がある。[映画館(字幕)] 9点(2009-12-31 12:53:20)(良:1票) 《改行有》

544.  彼女と彼女の猫 《ネタバレ》 おまけで入っていたのでラッキーと言えばそうかも。 背景が綺麗だ。が、猫がああだとがっかりする。猫をみせないでどおする。と、猫好き的な文句を言ってみる。人も含めて骨格はきちんとしてるのに、顔が描けないのかなこの人は。もったいない。 内容は詩だから、読み手が陶酔できることが第一義なんだろうと思う。言葉を並べるのが巧い。この人が書けば画と繋がるとききっと、無作為にフレーズを選んでもその並べ方であの独特の雰囲気を出すことができるのかもしれない。 ぼうっと見ていたためか、彼女が電話を切った後の言葉は途中から意味がちんぷんかんぷんになって、ふっと終わってしまった。それでも何か、切ないようなやるせないような気分が残るのは、上手。[DVD(邦画)] 5点(2009-12-31 12:46:37)《改行有》

545.  デトロイト・メタル・シティ 《ネタバレ》 なんだこれオモシロっ! 漫画の方はだいぶ以前に読んでいます。映像化されるだけの映画は嫌いなんですが、こいつは映像化されるだけ以上のものではないような気もするんですが、だがそれが良い。 爆笑しました。 主人公の気持ち悪さがただごとではなく、それだけでもおもしろいんですよ。 あと信者のみなさん達、相当おもしろいですね。 なんて言うか、こういうコメディだと再現度を楽しみにいくっていうのはアリですよアリ。 もう全然知らない人がそこら中でつっこみまくってるんですよね、 「クラウザーさん走りすぎだよ」「オイオイいやな予感するぞ」「猟奇的だな」「(カジヒデキ)ご本人登場だな」「長寿かよ!」「カミュさんそれだけ?!」「マツケンキモ!」「マツケンカワイイィ!」などなどほぼ満席で所々みんなが普通につっこんでます。 で、客のつっこみに爆笑する別の客、なんか日本の映画館じゃない! しかも明かりがつくまで誰も立たない!なんか凄い体験をしたような気がしてなりません(笑) が、性質上賞味期限が切れた後に家で見るのは厳しいような気がする。[映画館(邦画)] 7点(2009-12-31 03:36:31)《改行有》

546.  ほしのこえ 《ネタバレ》 一人で作った・・・?すんんごいな、この人。 声優とかどうしたんだろいったい。その辺はよく分からないけどそういう人脈もきっとすんごい。 なぜか人型とか、エヴァンゲリオンみたいな生き物っぽい敵とか、とりあえず知ってるもので骨組みを作っていて、さらに男女関係の妄想を乗っけていくという作りには、組み合わせの妙っていうのかな、そういう巧さがある。 この話が大きな踏み台になって、いろいろなチャンスが舞い込んだだろう。ならロボットとか、SFっぽいギミックとかの出来があんまり良くない、その辺の日常で組み直しちゃえば?ってふと思ったら、そうか、それが秒速5センチなのか。 きっともう逢えないだろうっていう宿命というか、もっと冷酷に、逢えない事になっているというか。そういう絶望っていう物がラストに上手く仕掛けられてる。そこらへんの技術が凄い。結構うやむやなのに、見てる方が勝手にいろいろ考えることで勝手に見てる方が悲しくなっちゃうんだからたいしたもんだと思う。画の使い方とかだけじゃなくて不思議な間がある。それがなんだか分からないけどなんかあるんだろう、きっと。秒速5センチでリファインされてる。 さらにもう一回くらい、同じテーマで1時間くらいの短い映画が見たい気がする。どうしようもないくらいズキュンズキュン胸を痛めてみたい。[DVD(邦画)] 6点(2009-12-31 02:38:59)《改行有》

547.  刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM> 傑作中の傑作。TVMとはいえ侮れない。テレビの倒叙ミステリー最強のコロンボ警部が私は大好きだ。 幼少の頃、これを見た瞬間ぶっ飛んだ。もう解決不能と思われる状況で誰でも分かるやり口で犯行を証明して見せたコロンボを見たあと、10秒はポカーンとした。鮮やかすぎる。コロンボが凄いドラマであるという認識の元、二枚のドガの絵を求め続けて果てしなく見続けたが、結局これを超えるコロンボにであうことができなかった。 それが不満にならず、実はうれしかったりするところがこの作品の凄いところだ。[地上波(吹替)] 9点(2009-12-31 01:41:25)《改行有》

548.  エイリアン2 《ネタバレ》 キャメロンは2本しか2を撮っていない。にもかかわらず、1がどんなスタイルでもキャメロン味にしてしまうというイメージがある。T2とエイリアン2の2本でそういうイメージを作ってしまったのだから凄い。キャメロンがキャメロン味であるという宣言をした最初の映画であり、これ以降がより高度なキャメロン味であることは全然おかしなことではない。 基本的にこの監督の映画は、出てくる人物は表面的には悩まない。設定の穴を追い込まない。特殊効果に妥協しない。この3本の柱がびくともしない。悩まない様に見える人物は、巧妙に悩みがあると言うことを明示しており、設定の穴をわかりやすく残すが、それを伏線ともトリックともつかない方法で鑑賞中に気づかせない技法が確立している。さらに特殊効果。本作でも半端ではない。金をかけただけではダメよというメッセージがズビズビ伝わってくる。 こういうことができるのはやはりアメリカだからだろうが、これだけの金が関わる仕事とは、その責任の大きさかどれくらいのものになるのだろうか。想像もつかない。だけど、この映画に登場するキャストからスタッフまで、おそらくは妥協のだの字も無かったのであろう完成度にはうんざりするほど手に汗握る。 欧米亜問わず多くの文芸作品は、はっきり言って逃げている。さも文芸作品であれば、人が悩んで人生がうまくいかなければ、困難な恋愛であれば、ハリウッド資本の特殊効果映画よりも魂が上級であるとでも言わんばかりのものを量産し続けている ところが、この映画の様に徹底的に作り込んで楽しませて、感激する様な作品はどれだけあるだろう。単に悲惨なカタログに落ち着いちゃっているのを文学青年にちやほやされてるだけのクオリティの映画がどれほど多いかを考えると、仮に文芸がアクションより上だとしても、関わっている多くの職業人が職業人として上だとは思えない。[地上波(吹替)] 9点(2009-12-29 22:49:44)(良:1票) 《改行有》

549.  バッドサンタ 面白かった・・・。 不覚にもハマりました。もうなんて言うんでしょう。このグダグダな人物描写がいいんですよ。最悪な人生を突き進む主人公と、見た目も中身もどうしようもないガキという組み合わせを、ただの成長譚にしないあたりが面白いですね。 登場人物達が成長したかどうかとか、そういうことが置いてけぼりになるようなストーリーと、ただ乱暴なだけの犯罪アクションとかいう風でないにしても、そういうエキスをちょっと振りかけてあったりするあたりに妙な緊張感を感じられて良い。その緊張感がどこから来るのか分からないうちに事件が起こって煙に巻かれてしまうんですが、そういうさじ加減が絶妙です。 全然感情移入できないんですけど、できなすぎて笑ってしまうという。そういう作りが秀逸。 いや、本当に最低な話ですよ、だがそれが良い(笑)[DVD(字幕)] 7点(2009-12-27 19:33:38)《改行有》

550.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 なかなか面白い。 前世紀ではこうしたオカルトな雰囲気というのは、いまよりも強烈に恐怖感を喚起した。簡単に、馴れ合いを通じた大量の情報交換というものが出来ない時代には、こうした題材をあつかった映画を見たあとはジワジワといつまでも恐怖感が心の中に残る。そうやって出来以上に楽しむことが出来た。 今、オーメンを初見でどれだけ楽しめるのか。と、ふと考えると、きっとまず特殊効果に突っ込んでしまったり、もっと早く始末してしまえよと展開を待ちの姿勢でみてしまうのかもしれない。見終わったあとには作品評や666の意味を調べたり映画の裏舞台を調べているうちに、情報収集の方がメインになってしまうだろう。 これだけ受け手が変わってしまうと、そのままの状態では何かとちぐはぐな感じが抜けない。それでもしっかりした画作りと、スプラッターではなくオカルトで怖がらせようという話作りには見所も多い。 閉鎖的な世界観を肯定して、オカルトに愚問を持たず、素直に怖がれればこの映画を楽しめると思う。この映画を見たのはVHSしかレンタルビデオ屋に無かった時代。この時代にオーメンを見た人が、今もう一度見直したならいろいろな発見があると思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-23 19:50:18)《改行有》

551.  赤い風船 《ネタバレ》 ものすごく良い映画だと思う。 手を離すと飛んでいってしまう風船が、自分から離れずにいつも一緒にいてくれる。それだけでも胸がいっぱいになる。意地悪だったり優しかったりする赤い風船は、友達だったり彼女未満の大事なガールフレンドみたいな存在になってずっと心に残るかもしれない。 映像のきれいさとか、風景のきれいさはもちろん、生活が垣間見られるたくさん出てくる子供のかわいらしさ小憎らしさとかには、特に隠された意味って無いように感じる。そこを排除して純粋に少年に感情移入することができるからこの映画の良さって引き立つのではないかと思う。 こういう純粋な短編に、簡単に比喩や寓意を乗せてしまうのはあまり上手ではないと思う。だから作り手がくれた世界に素直に甘えて、描写から方々に意味や結論を引き出すよりは風船に乗ってパリの上を飛んでいくという幻想を純粋に楽しむのも大いにありだと思う。[DVD(字幕)] 9点(2009-12-21 01:33:51)(良:1票) 《改行有》

552.  プレデター 《ネタバレ》 なかなか面白い。 現在、プレデターという名称がこのプレデターで固有名詞化していて、何がおそってくるのか、という点で非常に損をしている。子供の頃10ちゃんかどっかで夜放映されていたこれを見たとき、非常にラッキーだったのはテレビをつけたらすでに10分くらい経過していてその日やっていた映画がなんなのかよくわかっていないまま見続けることができたことか。 そのおかげで、この映画の最大の特徴である「誰と戦っているのかよくわからない」ことと「それなのに戦わなければ問答無用で殺される」という不条理的でミステリー的な要素を存分に味わうことができた。 この映画の面白いところは、それまでのコマンドもののアクションには無かったそういう要素を上手に取り入れたことにあると思うけど、それだけに後年の作品と比べると粗が目立つというのは仕方ないだろう。当時のパワーバランスの表現が銃器の火力表現に重点が置かれていたためか、戦術的な説得力を持たせる描写を排除している。 そこがこの時代の味わいといえばそうだが、そのせいで終盤に入るあたりからの各キャラクターの戦闘シーンがホラー映画の雑魚キャラ惨殺シーンのように、ルーチンになってしまっている。スプラッター映画の標準的なプロットを使っているためか、そこで味わいが損なわれてしまっているのが惜しい。このシークエンスでホラー映画的な圧迫感が出てしまっていて、そのストレスの量を作っている側が気にしてしまっている感が残念。 とはいえ、この時代には正体不明の敵との不条理な戦闘を提案すること自体が意外だっただろうから、それ以上に突っ込んだパワーバランスバランス描写は存在しなかっただろう。そういうわけで仲間とハイテク肉食獣との戦闘で彼らがそれぞれどのような逡巡を見せ、どのような傷を負い、それがどう筋を作るかというところは後の技術に譲ることになるのは仕方ない。 しかし、それを逆手にとって、ハイテク肉食獣に近代兵器をあきらめ頭脳戦での原始的な決闘に持ってくのは巧い。筋肉男の筋力も、最新の火器も通用しないとき、太古のブービートラップで猛獣を捕獲するっていう記号性が何とも良い。 20年以上前のアクション映画の筋書きだが、あんまり時代関係なく楽しめるのは、作り込みがしっかりしているからだろう。[地上波(吹替)] 8点(2009-12-20 21:08:42)《改行有》

553.  スナイパー/狙撃 《ネタバレ》 ヤベ、そこそこ面白かったかもしれない。 ドルフ・ラングレンものにもかかわらず、ドラマ仕立てで話が進むとは。別にスタントアクションを観たかった訳じゃなく、ぼーっと12チャンを見てたら始まった。なかなか面白いじゃん、とか思って最後まで見た的展開だった。 回想を重ねて内的な事情を説明しつつ、さらにこちらに想像させる。それによって具体的な設定などの外的な概念を隠してスピード感を出すような手法は、きれいにキャラの説明をこなしていて結構うまいかもしれない。少人数、密室、一方的な命令などでスッと折りたたまれる前半は、結構丁寧じゃないか。 ヤベエ、このまま行くとドルフ・ラングレンである意味がねえ。と、思ったらラングレンモードに突入。狙撃手と観測手という味わいがでそうなペアがここからあんまり機能しなくなる。もっとも、たいていのサスペンスだって、事件が具体的に降りかかってからも主人公の設定が活きることの方がまれだし、それほどがっかりするほどのことでもないかなとも思える。 が、狙撃をしようとするシークエンスでは結構細かい描写がされていただけに、その後あれほどの威力を持つ対物ライフルを膝をついてポーンと撃つとか言うのはがっかり。キッヅ向けだったと言うことを思い出すという結果になる。せっかくのこだわりシーンのそういうところが残念かも。 とはいえ、オチやその後の二人はどうなるかとか言う部分では納得いく。テレビで昼間やっててたまたま見たよって言う状況であれば、全く損無く見ることができる。そこそこ面白いと思う。[地上波(吹替)] 6点(2009-12-13 23:12:59)《改行有》

554.  マルコヴィッチの穴 《ネタバレ》 これはこれで、うん。 着想とか滑り出しはかなりスムースに異次元に運んでくれるんだけど、異次元に行った後。そこからが辛い。ついてけないんだ。尻すぼみにすら感じてしまう。 もうね、マルコビッチすぎんの。もうお腹いっぱい。マルコビッチ味すぎてマルコビッチ食、そんなに食えないんです。でもね、マルコビッチをこんなにいやって言うほど食えるのもこの映画だけだし、無理して食っといた。そんな気持ち。 このね、マルコビッチなとこが良い訳ですよ。マルコビッチなとこ。これがチャーリー・シーンで、友情出演のジョンだったらダメ。それはただのコメディ。そうじゃない、チャック・ノリスでもコメディ。フォレスト・ウィッテカーだと可哀想になっちゃうし、ゲイリー・オールドマンだと黒すぎる。この、マルコビッチが良いんだマルコビッチが。 しかし思う。果たしてついて行かれることでどこか考えもしなかった遠いところまで行かれるんだろか。そういうところもマルコビッチだよなあ、なんか怪優マルコビッチに失礼じゃないかって気がしてきた。 マルコビッチと連呼したかった、今は反省している。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-07 22:54:53)(笑:1票) 《改行有》

555.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 もう、ホント素直に面白い。 絶妙のバランス感は、よく言われていることではあるけれど、よく言われている以上に寝られているように感じる。冷静に、何か作業をしているときのBGVになってさえ発する重圧は、生理的にそう感じさせるほどに洗練されている。 主人公と敵の距離感だけではない。主人公と奥さんの距離感、主人公と顔もわからぬ相棒との距離感、主人公と建物の位置関係、小道具との位置関係、さらには観てる客との位置関係。これが巧妙に計算されている。すべてが同時に変わる。スゴイ。 次々と、舞台の大きさを換えていく続編だが、大きさと難易度の比率がもっとも優れているのは言うまでもなく1だ。確かに密室を大きくした方が完成に要求される難度は高まる。間違いない。が、かといってそうする必要性って実際は無い訳で、ダイハードの自己同一性をブルース・ウィリスだけでなく、密室劇であるというところに安易に置かせてしまうほどの完成度だったということか。 80年代の映画の質感と、この味わいがダイ・ハードをとんでもないところに押し上げてしまった。予備知識ゼロで観たターミネーター2を観るまで、まさかこの映画より面白いアクション映画があり得るなんて想像すらできなかったほどだ。[DVD(吹替)] 9点(2009-12-07 22:02:13)《改行有》

556.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 面白かった。良作。 はっきりと分かるのは、アメリカ人にとって戦争とは朝鮮戦争以降のことだろう。朝鮮戦争やベトナム戦争にしても、クラシックな戦争で今現在の戦争というイメージではないと思う。 そういう意味では、やはり第二次世界大戦というものはさらに古典戦争の世界で、歴史の教科書に出てくるテスト対策のような話なのかもしれない。日本人が第二次大戦中の話をみて涙し、これを風化させまいという話を一生懸命作り続けているのとは違い、アメリカでは常に変わり続ける戦争の意味を賢明に現実とすりあわせようとしているかのようだ。 アメリカ人にとって、戦争はずっと続いている(お祭り的な意味ではない)イベントの一つなのだろう。そこでは常に日本人が幻想を抱く第二次大戦中の悲劇と同種かそれ以上の苦しみが現存し、それを放置し国益や自国民の生命を損なうことすら無かったことにする、他の西欧圏諸国とは違う現実主義が横たわる。 アメリカの身勝手、のように豊かな地域のアジア圏ではねじ曲げられて良いように紹介される戦争は、常にアメリカだけではなく中東との共存を描く西欧圏全体の秩序を乱す組織的な悪の存在が根源となっている。中東だろうがアジアだろうが、ビジネスの場であり生活の場でもある、単なる地球上という場所をテロリスト的な集団(いろいろな規模を包括して)が思想と暴力で蹂躙しようとする。その集団の主張をなぜかテレビや雑誌が拾って真剣な顔でアメリカ批判をする状況は少し異様ではないだろうか。 そういった批判は少なからずアメリカ国内にもあるようだが、そんな中戦地に赴いた主人公達の任務は、戦闘と呼べない相手側の脆弱性に耐えることだった。古典戦争の世界にあった闘争はそこにはなく、はっきりと異質になった現代戦争の有様は、気持ちの悪い、国家ではない思想的な何かを相手にした、それに対する準備を強いられる毎日だけだった。 武力と恣意の危険な思想集団は今もその脆弱性や攻撃誘発性を巧みに操り、同情を引き相手方の主張をぶれさせ同化しようと奔走している。それはこの映画に具体的には描かれていないが、すでに共通認識としての下敷きとしては明らかに存在する。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-12-06 16:56:26)(良:1票) 《改行有》

557.  ジェリーフィッシュ(2007) 《ネタバレ》 面白い。人に勧められなくもない。 想像が及ばない世界の、日常的ラブストーリー的な何かだろうと、ドサッとそろえたDVDの中に埋もれていたものを忘れた頃に観る。そういう中の1本だった。 だいたいそういう映画は観てみるとラブストーリーではなかったりする。時にはドキュメンタリだったりする。この映画もラブストーリーではない。だから、この映画を観たときの、「突然クビの後ろを触られてビクッとする」ようなヤメレよ的不意打ちではなく、「夏に買っておいたガリガリ君を冬に食ったら、それが当たってた」的な心くすぐる度は非常に心地が良かった。 日常をベースとして、物語がきちっと時間軸を狂わせることなく、3組のカップルと主人公と一人の女性たちが明確な接点を持たないまま、微妙な共通の上で虚ろさに悩む。こういった設定はアメリカやヨーロッパよりも、こういう中東とかアジアとか、そういう世界のベンダの方が得意なのかもしれないな、などとも思う。 不思議な少女の役割は決して明確ではないが、それは果たして主人公にとってのセラピーになったのだろうか、そのあたりをあからさまに表現しないあたりの繊細な力業は感服してしまう。すべての登場人物が、何らかの解答を得てそれに従うけれど、それが果たしてどういう未来を生むのかな、なんてぼんやりと考えられる味わいは秀逸。 また、日常を収めた画が非常に綺麗で、DVDが液晶テレビに映し出されるときの、不快なぼやけもなぜかそういう味かもね、という独特の雰囲気になっていた。もしかしたらブルーレイ(がでているかは知らないが)で観たら全然違う空気なのかもしれないが、作者も意図していないだろうその雰囲気に没頭することができた。 なんか得したな、そういう気持ちになれた。[DVD(字幕)] 7点(2009-12-06 16:29:23)《改行有》

558.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 そこそこ面白い。 キング作品映画化大好きなワタシは、この作品、始まった瞬間「宇宙人」「妄想」「二重人格」に的を絞った。というか、普段これ以外の展開は無い。 と、言うわけで画面に現れる様々なヒントが中盤以降矢継ぎ早に出てくると、笑ってしまうのである。良い仕事してる。どう考えても妄想型の二重人格以外にはたどり着かないのに、今度は映画の方がひたすらとぼけ始める。この按配がたまらん。 キング映画の最大の醍醐味が始まると、いかにしてワタシは気づかなかったふりをするか、気づいてしまった自分との戦いが始まる。たぶん、キング映画とかキングサスペンスとかをまだ全然観たことがない小さな子供とか、キング映画を普段全く観ないそれなりに大きい子供がターゲットなんだろう。だから主役がジョニー・デップなのかもしれない。 それでも、キング映画が大好きだ。一瞬で違う話になっちゃうやっつけ感も、たまらない。良いじゃん、それで。というなんて言うか優しさみたいなのにあふれてる。 だからなのか、ショーシャンクやスタンドバイミーのようにガチな文学の方には少し距離感をおいてしまう。映画として、作品として、ストーリーとして違う人が原作なの?っていうくらいクオリティが違うのだが、こっちの何となく不完全な、ちゃんとしてないような、ずっとダラダラ観られるような、いわゆるキングな感じが好きだ。[DVD(吹替)] 6点(2009-12-06 14:50:53)《改行有》

559.  第三の男 《ネタバレ》 どう考えても傑作。っていうか考えなくても傑作か。 このスピード感、60年前だもんなぁ、なんつう技術力。100分間をめいっぱい、全力で詰め込んだプロットに大満足。白黒の映画は実はあまり好きではない。ほんとに小さいころにみた第三の男があまりに難しくてゼッテェ観ねぇと、堅く心に誓ったからだ。以来中学生になって少しだけ観るようなるまでは全く観ていない。戦時中でさえフルカラー映画をボーンと作る国なのに、なんで戦後の映画が白黒なんだとことさら拒絶した。 が、大昔テレビの映画解説番組(いつ、何チャンでやってたか思い出せない)でこの映画がいかにすばらしいかを力説し始めたので、番組を中断。とうとう観るに至った。 それにしても、白黒フォーマットを使い倒して、これだけ速い脚本をボンボン追うカメラとカッコいい俳優が事件に巻き込まれればつまらないわけがない。終盤の追跡劇だけではない、講演につれてかれるシーンのあの緊迫とオチにはもう驚いて驚いて。なんていうか、この映画と同等の密度を持つ映画はあるかもしれない。けど、現代の同等の映画はこの映画の背を追っているわけで、この映画を追い越すことと言うのは本当に困難なことではないかと思う。 あまりに硬質な演出が、アホな幼稚園児に分かるはずもなく。アホな中学生が狂喜乱舞するにはあまりにもちょうど良く。昔を懐かしむアホがもう一度驚くに十分すぎる。これ以上ない完成品である。 しかし、ラストシーンのとらえ方が結構変わっていてそこに一番驚いた。オイオイオイオイなんで行っちゃうの!から、そう、それしかないでしょ。絶対それしかない。予感すらない。に変わっていた。あの後味がたまらん。[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2009-11-24 20:51:50)《改行有》

560.  テキサス・チェーンソー 《ネタバレ》 テレビで夜中にやっていたのをたまたま見たんだが、そこそこ楽しめてしまった。 この映画に関する予備知識が全くなかったので、最初実録もののように眺めていた。しかしどうやら違うらしい。というかスプラッターじゃんこれ。と思った時にはもう遅かった。要するに主人公たちが生き残るのか死ぬのか、気になって気になって仕方がない。 しっかしセオリーお構いなしで死にますね。そのくせ最後は決闘してますし。新手と定石織り交ぜてきっちり片をつけて、さらにループ。うん、面白かった。 オリジナルがあるみたいだが、そもそもホラーが苦手なので見ないかもしれない。これより怖いとするとダメかもわからない。[地上波(字幕)] 6点(2009-11-24 15:05:33)《改行有》

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