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41.  サマーストーリー 《ネタバレ》 映画を見て「号泣」したのって、久しぶりです。悲恋モノのストーリーはありがちなのに、なんでこんなに泣けるのか・・・。でも映画の中で、イモジェン演じるミーガンはほとんど涙を見せてないんですね。基本的に「笑顔」なんです、実に魅力的な。ま、私はイモジェン好きなんで、贔屓目なのかも知れませんが、やっぱり可愛いぃ。フランクも一応真剣だったみたいだし、でも、すれ違う所がやっぱり運命なんでしょうなぁ(すれ違ってなくても結ばれたとは思えないケド)。そして妊娠、出産で、死。あー、展開としてはサイアクのベタなんですけれども、白けずに、ここまで泣けるベタな悲恋映画はそうはないでしょう。・・・つーか、これ、むしろ若い頃見たら白けてたんだろうな。40過ぎて、愛しても愛されても「どうにもならないことってあるんだ」と身にしみていると、この映画の持つどうしようもなさに共感してしまうんじゃないかしらん。恋愛って、試練ですよねぇ、ホントに、、、(しみじみ)。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-13 22:27:19)

42.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 んーー、す、素晴らしい。既にご指摘のとおり、ちょこちょこと安易な部分もあるにはあるんですが、そんなのどーでもよいと思えるくらいに魅力ある「オトナの」映画でございました。オープニングの駅のシーンで既にウルウル来てしまった私は、やっぱり歳をとったわけですね、と納得。イレーネが美しい、とにかく美しい。こんな風に歳を重ねたいという見本みたい。それでいて若い頃も違和感なく演じている(これはベンハミンも同じだけど)のが嘆息モノ。そして、カメラワークの素晴らしさ。サッカー場のシーンはもう圧巻! 随所に光る、そして笑いを誘う絶妙な演出。こりゃー、すげぇ、、、と唸らされるばかりです。忘れられないのが死刑の是非に関するセリフのやり取り。胸に迫ります。そしてラストのドアが閉まる。・・・そう、人生って、もうどうにもならないこと、不可抗力なことってあるんですよね。「運命論は大嫌いだ!」と、その昔、放言したゴーマン野郎がいましたが、私はやっぱり「人生は不条理だ」と言える人の方がよほど信じられる。そしてこの映画にはその切なさが根っこに貫かれていて、だからこそグッと来るのですね、きっと。劇場で観てよかったとしみじみ思う。いやー、久しぶりにイイ気分でした。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-02 23:04:34)(良:1票) 《改行有》

43.  1000日のアン G・ビジョルド見たさに、イイお値段の中古VHSを買っちまいましたとさ。DVDでご覧になったのは海外版だったのでしょうか? まあ、それはどっちでも良いんだけど、この買い物はアタリでございました。『ブーリン家の姉妹』より、アンが遥かに魅力的に描かれています。ヘンリー8世もしかり。処刑直前にアンとヘンリー8世が牢の中でやり合うシーンが圧巻。ビジョルドがキラキラして見えます。処刑台へ向う前に笑顔で「私の首は細いから(苦痛はないわ、きっと)」などというビジョルドのアンは凛々しく神々しい。バートンはヘンリー8世の肖像画に実にそっくり。いや、バートンのほうがかなり品があって知的ですが。しかし、男児か女児かの決定は男の側にあると科学が解明してくれている今見ると、ヘンリー8世の言動はトンチンカンもいいとこで、犠牲になった王妃達はただただお気の毒なんだけれども、現代でも男の子を産めないでプレッシャーを感じる女性は厳然と存在するわけですね。女性達はいつになったら、こういう理不尽なプレッシャーから完全解放されるんでしょうねえ。・・・ま、本作とはあんまり関係ないことですが。それにしても、ビジョルドはやっぱり可愛かった! 40年前の若い頃といっても、その後の作品とのギャップはほとんどといっていいくらい感じない。これは、DVD化是非していただきたいものです。そうしたら、今回の出費にも懲りずにDVD買いますとも。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-09-19 18:49:52)

44.  アンナと過ごした4日間 オープニングからの展開で、一体どんなグロい展開になってしまうのやら、とビビッたけれども杞憂であった。かなり悲惨なオハナシで、全体に話も画面も暗いんだけれども、結構笑ってしまうシーンが多かった。主人公は、とにもかくにもツイてない、分かりやすく言えば鈍クサイ男。この男の描写がとにかく素晴らしい。紛れもないストーカーなんだけど、不器用そのものの情けなさが、それこそ情け容赦なく描かれていて憎めないというより可笑しさに転じている。何度もスッ転んで、その時の彼の表情なんかはその最たるもの。あらあら、と、つい手を差延べたくなるほど。こりゃ、男の悲しい(でも愛すべき)性(サガ)を笑い飛ばす作品、という見方もアリじゃない? ラストもファンタジーに貶めていないところが素晴らしい。美しい風景と、地味な音楽もgood。彼に小さな幸せが訪れて欲しいなあ、と心底思う。[DVD(字幕)] 8点(2010-09-05 22:33:30)

45.  麦の穂をゆらす風 なんだか、終始見ているのが辛かった。ケン・ローチとしては、自分がイングランドの人間であるからこそ、アイルランド目線で描くことに拘ったのだろうな、と思う(公開時、イングランドでは監督に対しかなり批判があったというが)。そして、一つの地方に焦点を当てることでより不毛性を描くことに成功しているように感じる。戦争時に、一市民、一兵士が大局を見極めているとは到底思えない。そういう、目先のことや断片的な情報に右往左往して、結果、自分たちにとっての大義が見失われて行く様が実によく描かれている。条約批准後の両者の本音の討議シーンは圧巻。どちらの言い分も共感する。けれども、もっと大きな流れは、違う所で勝手に決まって動かされて行くという、この不毛さ。弟を処刑する兄を見ていて、新撰組の山南と土方を思い浮かべてしまった・・・。別に新撰組フリークでは全くないのだけれど。結局、組織のためには規律を重んじざるを得ない。けれども、その組織自体が、大局で見れば、既に駒の一つにさえなっていないかもしれないという点で勝手に共通するものを感じてしまった。こういう、一市民たちの流した血と涙を丁寧に描ききったことに敬意を表したい。[DVD(字幕)] 8点(2010-08-29 22:37:25)

46.  刑事コロンボ/死者の身代金<TVM> コロンボシリーズにおける女性の描かれ方はちょっと偏っているとよく思うのですが、おやおやどーして、この犯人はなかなか魅力的じゃないですか! なんつっても、野心満々で、容姿端麗のキレ者ってのがイイ。男を利用しているんだけど、依存してないし媚びてない。「女はちょっとヌケてるくらいが可愛い」などと60年代に澁澤龍彦が堂々とエッセイに書いていたけれども(といいつつも澁澤好きですが)、70年代のアメリカ男児たちもそーなのかねえ、と思わざるを得なかったんだが、このレスリーは頭も良い上、チャーミングと来ていて必ずしもそうじゃないみたい。でも、こういう魅力ある女性も描けるんならなおさら、コロンボ作品に出て来る??な女性陣に対しては悪意さえ感じてしまう部分もなくはないけれど。・・・まあ、細かい所は突っ込みどころもありますが、ラストの1対1の対決もなかなか良かったし、エンディングも警部らしさが全開でナイスでした。こりゃ、シリーズ化も決定するってもんです。[CS・衛星(吹替)] 8点(2010-07-29 22:31:47)

47.  マイ・ビューティフル・ランドレット ダニエル・デイ=ルイス、ゲイ役やってます。あー、しかし彼は美しいなぁ。こんな男、私が男でも惚れるかも。おまけに男気もあるなんて。扱っているテーマ自体は割とシリアスなんだけれども、雰囲気は軽いし、結構笑えるシーンも多々。まあ、でも、やっぱり彼はマジメだよね。この役も、一見パンク野郎だけど根はマジメ。多分、彼自身もマジメ。こんな彼があのイザベル・アジャーニと付き合ってたなんて嘘みたい~、と友人と話していたんだが、友人は「彼が押し倒されたに違いない」と持論を展開し、私は妙に納得してしまった・・・。事実はどうだか全く知りません、もちろん。でも、きっと、そうなんだろうな、と本作のラブシーンを見て思っちゃった。なぜだかわかんないけど。そして、多分、あっさり彼女は彼から去って行ったに違いない。もちろん、勝手な想像。本題からまったく外れたレビューになってしまってすみません。まあ、そんなことが頭を巡りながら見た次第でした。[DVD(字幕)] 8点(2010-07-26 22:25:33)

48.  刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM> 《ネタバレ》 うーむ、これが第一作ですか。若いし、髪もキッチリしてはいるけれども、既にコロンボのキャラは確立されていたのですね。ズル賢い妖精って・・・、笑える例えだなぁ。カミさんや親戚のハナシをし、ペンを探し、葉巻に火をつけて、相手をイラつかせる。大体、腎臓の形したテーブルって、、、どんな? これが一番笑ってしまいました。それにしても、妻を殺しちゃう人でなし男なんかに何で本気でハマるかね? コロンボ作品の女性の描き方には結構不満があったんだけれど、いきなりこんなアーパー女が共犯だったのなら、なるほどね、って感じです。警部の言ったとおり「たった一つのミス」でした。権威の精神科医ともあろうお方が、そんな先行きも見通せなくて良いんでしょうか。人はイメージでモノを見ると自分で使ったテをまんまとにっくきコロンボに逆に使われ、ムカついただろうなぁ、この犯人。それにさぁ、ジョーンが手袋忘れちゃったのだって、当たり前なんだよ。アンタが出かける直前に急に渡したんだから。・・・とは言っても、ジョーン以外の要素は完全犯罪と言ってよく、この犯人はかなり頑張ったわけです。しかし、それを上回る警部のしつこさ、しぶとさ。あっという間の100分でした。[CS・衛星(吹替)] 8点(2010-07-10 00:16:26)

49.  NINE(2009) 音楽やダンスについては既に秀逸なレビューがあるので、今さら書くこともほとんどございません。一言だけいわせてもらえば、どれもまあまあなんだけど、これといってグッと来る曲はなかったってことでしょうか。・・・それより何より、私が一番感じたのは、グイドにダニエル・デイ=ルイスは明らかなミスキャストだった、ってことです(ちなみに私は彼の信奉者です、念のため)。彼のキャリアを振り返ってもそうだけれども、彼自身がそもそも仕事にも愛にも“一途男”であり、それが服着て歩いているような俳優です。翻ってグイドはというと、才能だけで喰ってきた奔放男。だらしなくても女に愛される、もう銀の匙をくわえて生まれてきた“愛されダメ男”。それっぽく彼は演じてはいたけれども、持っていないものは出せないわけで、作品の中でもやっぱりダニエル・グイドはマジメに悩んでしまっています。いい加減さとかだらしなさと対極にあるような彼をキャスティングした監督の審美眼を疑うなー。『81/2』もそもそも私にとっては催眠映画だったのだけれど、それでも、マストロヤンニのあの色気にやられる周りの女性達には共感できたし、ラストシーンは印象的で心に残ったのですが、こちらは肝心のラストがなんつーか予定調和的で、それは別に構わないんだけれど、シーンとして非常に大人しくミュージカルとしてこれってどーなんでしょ? まあ、そうはいってもこの豪華キャストと、歌うデイ=ルイスを拝めただけでもうけもの、とも正直思うわけです。やっぱり大スクリーンで見るべきですね、こういう作品は。ペネロペとニコール・キッドマンが共演ってのも、何となく「へぇ~」と思っちゃいましたが、存在感では本作ではペネロペが圧倒していました。二コールの出番が少なかったのはやや残念。いや~、とにかく贅沢の極みみたいな作品を、ガラ空きの劇場でゆったり堪能できたのは、この上なく贅沢な時間でした。どーでもいいけど、パンフのキャストインタビュー再録で「~なの」「~だわ」という語尾でまとめていたのがなーんとなく不快でありました。もうちょっと頭の悪そうでない書き方ってあるでしょうよ。ま、ホントにどうでもいいことなんですが・・・。[映画館(字幕)] 8点(2010-04-11 20:03:03)

50.  八日目 障害者モノで最後まで、まあ久々に抵抗なく見られた記念すべき2本目の映画。ジョルジュはどう贔屓目に見ても一緒にいたいと思えない人。そもそも、彼に共感も賛美も、監督は求めていないと思う。あんな彼に振り回されるアリーの視点で描かれており、むしろ見る者はアリーが彼を見捨てないことにイライラを禁じえない。でも、自分がアリーでもやっぱりあそこで土砂降りの中、ジョルジュを置き去りには出来ないんじゃないか、いやあのまま走り去るな、とか思って見ているうちに、アリーの心情に寄り添っているのがこの作品の上手いところだと思う。妻に完全な拒絶に遭い、娘にも冷たくされるシーンが効果的。『トト・ザ・ヒーロー』同様、シャンソンが散りばめられ、幻想的な映像もふんだんで美しい。ジョルジュが宙を舞うシーンは特に美しく印象的。ただ、ラストは救いがないし、結局、あの「八日目の理由」が一番あざとさを見る者に感じさせてしまっている所以だと思う。折角良い描写が続いたのに、結局はそれかい、と思わせてしまう。でもまあ、私としてはそれでも監督自身がそれを狙っていたとはあまり感じないので、結構すんなり受け入れられたのだが。イロイロあって、結果、人間らしく生きたいのであれば・・・、という意味ではあの『まぼろしの市街戦』のラストと共通するのでは。あちらはとても共感できたけれど、こっちは、なんともやり切れないものが残る。いずれにしても、なかなか良い作品だと思う。[DVD(字幕)] 8点(2010-04-06 23:12:54)

51.  風の中の恋人たち リュック役の俳優さん、どっかで見た顔だなー、と思ってたら、あの『恋人たちのポートレート』でヘレナの恋人役やっていた人だったのね~。ヘレナ、イモジェンと愛らしい女性の相手役なんて、仕事とはいえ何たる果報者!・・・それにしても、イモジェン・スタッブス、素晴らしく可愛らしいです。彼女の演じるナヌーは、ふわふわして流されがちに見えるんだけど、どっこい強い。というより、「しなやか」という表現がぴったりかな。自分の気持ちに正直で、でも、自己中でもない。若~いダニエル・デイ=ルイスが出てくるんですが、これまた見惚れるほど美しい。私がナヌーなら迷わずマックスにくっついて英国へ帰っちゃうんですが。迷い悩みながら、ナヌーは自分で人生を選択していくわけですが、ラストシーンも切ないけれども爽やかで、青春とは過ぎてから哀愁に浸るものとはいえ、オバサンが見ても十分心洗われる素敵な小品。どうも、私は英国人俳優陣に贔屓が多いなぁ。決して英国好きというわけではないんだけど。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-03-23 14:16:21)

52.  刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM> 容姿といい、言動といい、はたまた犯行の手口といい、これほどムカツク犯人はシリーズ中でも屈指のもの。たいていは「警部、やり過ぎ・・・(嘆息)」と思うんだけど、本作に限っては「やれやれぇ~~~っ!」って心の声だけでなく口から出てきそうな勢いで鑑賞。だいたい、美を評論するプロだってのに、あのネクタイのセンスの悪さはどーよ、と言いたい。ダッセー。エドナの家の家宅捜索をやらせようとしつこく交渉するあたり、そのダサさがモロに出たという感じ。犯人の家でうたたねしていたり、大家のオバチャンのおしゃべりに閉口していたり、ヌードモデルを正視できなかったりするあたり、相変わらずの警部のお茶目ぶりもgoo。バッサリ終わるエンディングも爽快。傑作と言われるのも納得の一品。[CS・衛星(吹替)] 8点(2010-02-05 10:18:21)

53.  コーマ 評価、イマイチですね・・・。ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド好きの私としては、かなりイイと思ってしまいました。これ、怖いですよ、とっても。タマネギの皮を剥ぐように、一つずつ謎が解明されていくのでじれったいと言えばじれったいのですが、スーザンの気の強さとルックスの愛らしさが相反して、恐怖感を煽られます。あのジェファーソン研究所の不気味さ。外観からその異様さが十分伝わるんだから、その内部は推して知るべし。いや、それ以上。あの「部屋」は不気味を越えて壮観でさえあります。マイケル・ダグラス、ほとんどどーでもよい感じでしたが(若い!)ラストで存在感を出していました。ビジョルドのサービスショットが結構ありまして、そういうところに70年代を感じます。でも、やっぱり彼女はカワイイし、魅力的。原作、読んでみたくなりました。しかし、一酸化炭素って恐ろしい・・・。痕跡なく昏睡させられるんだから。[DVD(字幕)] 8点(2009-12-21 16:45:14)

54.  人情紙風船 淡々とした運びだけれど、終始、無駄のない描写で、密度が濃いです。浪人の自殺という出来事ながら、ほのぼの長屋の情景で幕開けだったけれど、かなりのシビアなラストにちょっと胸が詰まる・・・。長屋の人々の何気ない日々の生活が生き生きと描かれ、本当の江戸長屋を見ている気分。個人的に新三タイプの男は好きだなぁ。群れずに、強きに屈しないところが。一方の又十郎、妻には冷ややかに見られ、元上司には蔑まれ、新三の対極にあるような哀しい男。こんな人生の哀切なんぞ紙風船のごとくなすがままに漂うのみ、市井の人々の生活は淡々と繰り返される、って感じですかね。なんとも渋い映画です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-15 14:57:11)

55.  特別な一日 これは、奥の深い作品なんだと思う。ファシズム批判は特に描かれていないのだけれど、ガブリエレがゲイであることで、しかもそのゲイが異端であるとして連行までされてしまうという現実を描くことで、体制批判以上のマイノリティ排斥への憤りを表しているのでは。ともかく、『ひまわり』では感じなかったソフィア・ローレンの美しさと色気を堪能させていただきました。同じ主婦の不倫モノなんだけど、駄作『マディソン群の橋』の肉欲先行の陶酔不倫とは違って、こちらは現実逃避のヒリヒリするような切羽詰った痛みを分かち合う。これはキツイ。前半ガブリエレの電話のシーンが印象的。もちろん屋上のシーンも。「三銃士」の本と直ってしまった電灯が、切ない。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-30 15:50:23)(良:3票)

56.  ミルドレッド 見終わってしばらくしてからジンワリ来ます。「母であること」を自ら降りて、一人の人間として、女性として生き直そうとする彼女の潔さに胸を打たれます。JJとのお別れのシーンでついつい涙腺が緩んでしまいますが(やっぱり子どもは最強)、その他は全編爽やかで微笑ましい作風もイイです。ミルドレッドの家がまた素敵で内装にも目が行ってしまいます。ジーナ・ローランズがとにかく魅力的。こんなふうに歳を重ねられるなんて彼女の実人生が透けて見えるようで感嘆します。これからの自分の人生、どうありたいかを彼女の姿に垣間見た気がします。こういう出会いがあるから映画って素晴らしい。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-30 13:55:40)

57.  刑事コロンボ/自縛の紐<TVM> 《ネタバレ》 これは余韻というか、後を引く衝撃作品でした。ラストシーンが本当に呼吸も忘れそうなくらいの緊迫度。足をデスクにわざと乗せるのを見て、もう、警部がどれだけこの犯人を嫌いかというのが痛いほど分かります。被害者は犯人によって着替えさせられたことをこれでもかとクドく強調した後、着替えているのを知っていたのはお前だけだ! とたたみかけるのは、賛否両論あるようですが私は怖いほどに秀逸だと思いました。後半で一気に犯人と対決モードになるのですが、激昂して「アンタが犯人だとあたしも思ってる」と宣言する、この滅多に見られないコロンボの計算外(多分。これも計算のうちではあってほしくない・・・)の感情の発露がコロンボファンとしてはたまらないのです。最初のカミさんとの電話のシーンで「話しててもいいよ、こっちは切るけど」の台詞を言っているコロンボの表情が良く、コロンボ夫妻は本当に仲睦まじいのだということが察せられて嬉しくなります。刑事コロンボでなく「人間コロンボ」全開の素晴らしい作品。[CS・衛星(吹替)] 8点(2009-11-27 14:48:31)

58.  バウンド(1996) ジェニファー・ティリーの甘ったるい絡みつくような喋りが実に効果的。彼女の存在(というか、喋り方と声)でこの映画は魅力2割増ってところじゃないかしらん。展開も二転三転、テンポも良く、引力大。ジーナ・ガーションは男気(と言っていいのか)溢れる気風の良い相棒ぶりで爽快。『マトリックス』より遥かに面白く出来がいいと思う。ハナからオンナを舐めている男どもが、彼女たちに見事に葬られ欺かれていく様は見ていて痛快そのもの。制約の多い中で娯楽要素も満載、映画創作の真髄を見た気がする作品。[DVD(字幕)] 8点(2009-11-25 10:58:20)

59.  エバースマイル、ニュージャージー 《ネタバレ》 乾燥したパタゴニアの風景がイイです。使命感に燃え、何かっちゅーと「cavities」を連呼するファーガスは、最後に財団に裏切られちゃった上に妻にも愛想をつかされて絶望し、抜け殻の如くへたれこんでしまうけれど、エステラによって、心身ともに「立ち上がらせ」てもらう・・・。なんかイイんだよなぁ、こういうの。そうそう、案外そうやって立ち直っちゃったりするんだよね、みたいな感じ、誰にでもあるんじゃないかしら。なんというか、すごくチャーミングな映画です。手元にそっと大切に置いておいて、ときどきそっと開けて見たくなる、そんな作品です。[DVD(字幕)] 8点(2009-11-17 15:37:48)

60.  ムッシュ・カステラの恋 この作品、2度目でようやく味わえました。1度目は「むむむ?」と思っている間に終わってしまったので、もう1度見直してみたのです。するとどうでしょう。1度目では全く笑えなかったところが面白い! それも1ヶ所や2ヶ所ではありません、あちこちで。1度目では冗漫な描写に思えたシーンの数々も、全て意味があることが分かるのです。実によく考えられた構成で、目からウロコを体感できます。俗物社長カステラ氏は、教養はなく下品かもしれないけれど、素直に人に謝ることができ、好きなものを好きと正直に言える人間的には上等な人。クララが魅かれたのも分かる気がします。本作は、噛むほどに味わいの増す「スルメ映画」です。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-17 15:14:59)

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