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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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41.  アナザーラウンド 《ネタバレ》 中年の危機に直面した男性教諭4人がかつての輝きを取り戻そうと、 ほろ酔い状態を保てば最良のパフォーマンスが発揮できるという実験に生真面目に挑む可笑しさが滲み出る。 当然ながら酒の量が増え、結果的に家庭や職場に不和を及ぼす事態に陥る。 監督もそれは分かっていたはずで、論理的な実験と言いながら逃げているだけだった男4人の陰影を生々しく映す。 未来溢れる若者と対比して、多くのものを失った経験を持つ男たちはその喪失感と己の弱さに向き合う。 もう失点を取り返せないかもしれない、それも引っ括めて、己の人生も他者も肯定していく。 マッツ・ミケルセンのキレのあるダンスが、人生の眩しさと翳り、喜びと悲苦を全身で表現する。 本作を避けては通れない、象徴すると言っても良いエンディング。 ディカプリオがハリウッドリメイク権を獲得したが、彼のダンスを再現できるのだろうか?[インターネット(字幕)] 6点(2023-02-23 22:31:25)《改行有》

42.  別れる決心 《ネタバレ》 殺人事件でしか結ばれない刑事と被疑者が愛の迷路に溺れ、破綻していく。 過激な性描写と暴力描写を封印したパク・チャヌク監督の優雅な語り口とトリッキーな映像手法で、 純情なパク・ヘイルと何を考えているか分からないタン・ウェイの恋の駆け引きを盛り上げる。 殺人事件がきっかけとは言え、彼女が彼に惹かれたのは本心であり、 妻がおり離婚されると分かっていても彼女がいなければ生きている気がしない刑事が彼女の"共犯者"になっていく。 でも、事件を解決させないといけない。 「愛してる」と言ったら、終わり。 ラストでタイトルの『別れる決心』が重く響いている。 全てを失った刑事は彼女を求め、これからも"霧の中"をさまよい続けるのか。 ウォン・カーウァイの『花様年華』に近い余韻と肌触りで何度も咀嚼したい作品だと思った。[映画館(字幕)] 8点(2023-02-17 23:58:32)《改行有》

43.  映画大好きポンポさん 《ネタバレ》 なぜ映画を見るのか? ①暇潰しのエンタメとして? ②粗探しを見つけるための根暗な趣味? ③映画の中にいる自分に投影して、指針として何かを掴むため? ただ、誰もがずっと椅子に座ってはいられない。 映画尺というものがあり、2時間が集中できるタイムリミット。 狂言回しのポンポさんだと90分が限界らしく、 登場人物の人生を描くのであればその時間内で、見せたくても切らなきゃならないときもあるのだ。 本作の"編集"を司るのが、監督に抜擢された主人公のジーン・フィニ。 社会不適合者で映画でしか自分の居場所がない男。 彼をはじめ全員基本的に善人で、話がご都合主義にポンポン進んでいくが、意識的に暗い影を忌避しているようにも見える。 彼とは正反対のアランですら社会的に成功している銀行マンでありながら、自分には何もないと思っており、 じゃあ、真の意味で何者にもなれなかった、何も持ってない人の立場がないだろ。 主要人物ほどデフォルメされて、キラキラしていることからしてもまさに"夢と狂気の世界"しか映されていない。 フィクションと言えばそれまでだが、これも意図的であることは明白。 カットされたシーンには主要人物のドス黒い本性や映画界の闇が映されているのだろうか… そう思うと、編集は何のためにあるのかという本質が見えてくる。 原作を読んだら、メタ的な意味で新しい発見があるかもしれないが、 自分には本作ならではの新しい発見がなかった。 何かを創っている人なら何となく分かるものばかり。 ①と③なら良かったのに、②になってしまったよ…[地上波(邦画)] 5点(2023-02-10 19:38:25)《改行有》

44.  リコリス・ピザ 《ネタバレ》 題名の『リコリス・ピザ』とは1970年代に南カリフォルニアに実在したレコード店の名前であり、 LPレコードを意味するスラングだという。 1973年のあのときにフィーチャーした一曲一曲の世界観が、15歳少年と25歳女性の恋物語を形作っていく。 近づいたり、すれ違ったり、寄り道したり、想いをなかなか告げられずに…と初々しい。 初主演ながらアラナ・ハイムとクーパー・ホフマンが自然体で体現してみせる。 決して美人ではないのに従順ではないエネルギッシュさを宿すヒロインに少年が惚れないわけがない。 そんな口達者で度胸もあり背伸びしていて幼さを残す少年役のホフマンに名優であった亡き父親の面影を見た。 初期作『ブギーナイツ』と『マグノリア』の軽快さはそのままに肩肘を張らず気楽に見られる、 ポール・トーマス・アンダーソンの演出は円熟味を増している。 彼は二人を未来も分からぬ航海に前に向けて送り出す。 二人は手を繋ぎ、走って、走って、走り続ける。 そのショットが最高に美しく多幸感に満ちていた。[インターネット(字幕)] 7点(2023-01-28 20:09:54)《改行有》

45.  FLEE フリー 《ネタバレ》 出演者の安全と匿名性を確保するためにアニメーションにする手法は、 アリ・フォルマン監督の『戦場でワルツを』を思い出す(参考にしていたらしい)。 双方ともアニメでワンクッション置くことで、"虚構"が入り混じり、私小説を読んでいるような感覚になる。 カクカクな動きもまた、不確かな記憶という映像の中で想像の余地が広がっていく。 難民を扱った映画は数多くあるが、本作では同性愛者という二重の苦悩を抱えている点である。 国によっては"存在しない"扱いになっており、自分らしく生きられることがどれだけ尊いことか、 先進国で生まれ育った人にはなかなか実感できない。 家族と再会後にゲイと告白し、長兄がゲイクラブに連れて行ったエピソードが印象深い。 ソ連崩壊直後の難民としての生活、そして彼らに対する扱い方は現代の日本でもそこまで変わらない気がする。 もちろん弱者の味方のフリをしてシノギとする団体がいて、不信感として向けられていることは否定できない。 綺麗事だけでは人を助けられない、余裕がない国ほど反動で排他的になるのは仕方ないにしても、 日本もアフガンやウクライナになったらどうするか想像力を巡らしたい。 一般人が国を守るために武器を持って戦うみたいなこと、イザとなったら何もできないから同じ難民になるだけかと。[インターネット(字幕)] 7点(2023-01-21 21:24:39)《改行有》

46.  漁港の肉子ちゃん 《ネタバレ》 公開時、キャッチコピーで炎上していたが気持ちは分かる。 吉本興業と明石家さんまが関わっているだけあり、どこか偽善的でキャスティングにきな臭さは感じなくはない。 とはいえ意外にも違和感がなく、STUDIO 4℃制作なので世界観のクオリティの高さは折り紙付き。 フレンチトーストやミスジステーキ丼といった料理のディテールに本気が感じられる。 かなり重くなりそうなエピソードもコッテコテの三枚目の肉子のお陰で緩和されていた。 娘の出生の秘密についてはかなり早い段階で分かってしまうし、もう少し意外性は欲しかった。 お互いの想いを打ち明けた血の繋がらない母娘は、これからもこの漁村で終の棲家として、 前を向いて生きていくだろうと思わせる温かな人間模様。 笑いも悲しみも一緒くたに包み込んだ、ザ・人情喜劇と言ったところ。[地上波(邦画)] 6点(2023-01-06 23:54:58)《改行有》

47.  バルド、偽りの記録と一握りの真実 バルドとはチベット仏教用語で"中陰"。 「死から転生までの間の魂の浮遊期間」のことを指すという。 アメリカで成功したジャーナリスト兼映像作家のメキシコ人監督が、 祖国に戻っても居場所のない疎外感、メキシコ人としての帰属意識とアイデンティティの揺らぎ、 家族とのわだかまりを描いている辺り、イニャリトゥの半自伝的作品であることは確か。 問題はそのシンプルなストーリーを物凄く難解に(いやストーリーの繋がりすら放棄している)、 現実と空想とメタ演出が曖昧のまま、何の方向性も決まらずに単調でダラダラ描いているだけだった。 これがテレビ司会者の主人公の作品に対する批評と重なる。 要は中身がない。 拝金主義のアメリカに対する風刺やメキシコの抑圧された歴史を盛り込んでも、 知ったところで何の感慨もなかった。 オスカーを4個も取って、「本当の俺はこうではない」とモヤモヤした部分はあったのだろう。 ネットフリックスだからこそ好きなように撮られたそうだが、受け入れられるかは別の話。 (事実、ヴェネチア映画祭で初公開時不評だったようで、劇場公開時に結構削ったらしい)。 金をかけた同人映画の域でしかなく、イニャリトゥのワースト。[インターネット(字幕)] 3点(2023-01-02 23:49:43)《改行有》

48.  雨を告げる漂流団地 《ネタバレ》 ノスタルジーとジュブナイルとサバイバル。 情緒不安定で話を拗らせるヒロインから逆算して描いたような脚本なので、 人によってはかなりフラストレーションが溜まる。 また、いろんな要素と伏線を詰め込みながらも収束しないまま右往左往に展開し、 120分の上映時間が活かされていない気がする。 終盤の展開なんてヒロインが余計なことをしなければ終わった話だし、 建築物の擬人化である・のっぽが結局何をしたいのか分からなかった。 時代と共に朽ちていくことを受け入れているのに、実は過去に囚われており、 一人逝くのを決心できないまま、6人を身勝手に巻き込んでいるように見えた。 主人公組はともかく4人は完全に巻き込み事故でしょ… 盛り上がるためだけに存在している補欠みたいな感じ。 過去と思い出の場所に別れを告げて、子供たちが成長する話には弱いし、 設定とメインキャラ(ヒロイン除く)は魅力的なだけに、 話はつまらなくはないが、大量の混在した要素を整理していれば佳作にはできただろうに。 キャラデザの良さと世界観にマッチした主題歌・挿入歌に+1点です。[インターネット(邦画)] 5点(2023-01-02 00:28:04)《改行有》

49.  アテナ 《ネタバレ》 スラムのアテナ団地で移民の少年が警察に殴殺されたことをきっかけに一部の住民が暴徒化。 被害者の兄にあたる、ギャングの長男(中立側)、機動隊の次男(体制側)、暴徒を束ねる三男(反体制側)の すれ違いの果ての悲劇を描くネットフリックス映画。 『レ・ミゼラブル』(2019年)を手掛けたラジ・リが製作・脚本に関わったことだけあり、 そのクライマックスを一本の映画にした感じだ。 どう撮ったのかと驚嘆する警察署襲撃から団地にバリケードを構えるまでの冒頭の11分の長回しに引き込まれるが、 それ以降のドラマ自体は薄く、話が一本調子で誰にも共感できないのである。 不安と憎悪がSNSによって増幅され、客観的に物事を見れなくなって、「まあ、そりゃそうなるよね」な分かり切った展開。 扇動によって得しているのがいったい誰なのかが最後に明かされる。 これがフランスの現実だとは真に受けないが、 僅かなトラブルでも誰もが彼らのように怪物になりえる可能性があるということ。 映像表現としては一級(監督は社会派映画の巨匠コスタ=ガヴラスの息子とのこと)。 冒頭のシーンで+1点がやっとだろう。[インターネット(字幕)] 5点(2022-12-24 21:46:30)(良:1票) 《改行有》

50.  ギレルモ・デル・トロのピノッキオ 《ネタバレ》 原典とディズニーアニメへのリスペクトを散りばめつつ、ギレルモ・デル・トロなりの解釈を加えた、 "ピノッキオの冒険"というよりは"ピノッキオの数奇な人生"に近い。 戦争と死が身近にあったムッソリーニ政権下のイタリアで、 ピノッキオは時代に翻弄されながら権力と運命に屈せず、自分の意思で試練に立ち向かう。 しかも彼は死んでも待機時間と称して、時間が経てば何度も生き返ることができる。 つまるところ、限りある生を持った人間とは違い、永遠の命を持つことの意味を彼は知ることになる。 我々が知っているピノッキオは最後は人間になるが、本作では木の人形の少年のままだ。 ハッピーエンドになっても、いつかは死という永遠の別れが訪れ、ピノッキオ一人が残される。 冒険を通じて、様々な通過儀礼を経験した彼は新たな旅に出て、その先の物語をどのように紡いだのだろうか。 寂しげで儚い終わり方であり、逆説的に言えば、 ピノッキオではない人間はたった一度の生を如何に生きるかを問われていると言える。 国家に言われるがまま、少年兵として散っていくのか? ストップモーションによる表現力もさることながら、隅まで行き届く美術を堪能。 とは言え、友情を育んだ市長の息子の消息が不明のままで、 終盤の興行師との"再会"が偶然すぎたりと、脚本的にもう少し何とか出来たと思うが。 ユアン・マクレガーによる主題歌は必聴。 すごい歌唱力だ。[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-10 02:02:50)《改行有》

51.  劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 《ネタバレ》 このアニメに関する知識はテレビ版の総集編と外伝を見た程度。 劇場版だけ見ると消化不良になるのは確実なので、最低でもテレビ放映分は抑える必要がある。 ヴァイオレットが行方不明になった恩人のギルベルトを探すエピソード。 余命いくばくもない少年の代筆を引き受けるエピソード。 50年間、誕生日に亡き母から手紙が届いた少女の孫娘が、ヴァイオレットの足跡を訪ねるエピソード。 3つのエピソードが同時進行で展開していき、 先の見える顛末を細かい描写の積み重ねで感動に導く巧さは流石といったところ。 特に死の直前の少年と友人のくだりは確実に止めを刺しに行くレベルに達している。 とは言え、その3つのエピソードが単独同然で終わり、一つに収束するにはあまりにも弱すぎる。 結局、どれをクライマックスにしたいの?という気持ちになる。 単純にヴァイオレットとギルベルトの話だけで良いのでは? 離れた想いを届ける手段が手っ取り早い電話に代わっていき、手紙は時代の流れで廃れていく。 それでも文字が、文体が人の心を震わせるのが手紙の魅力だろう。 多くの人の想いを届けたヴァイオレットは、ギルベルトへの想いが成就し、最後は"人形"から"人間"になれた。 そのシーンが素晴らしかっただけに、複雑な構成は要らないと思った。[地上波(邦画)] 6点(2022-11-26 00:26:17)《改行有》

52.  キャメラを止めるな! 《ネタバレ》 ミシェル・アザナヴィシウス監督はかつて007のパロディ映画を撮ったり、 サイレント映画へのオマージュ『アーティスト』でアカデミー賞を受賞するなど、 映画についての映画を描いてきたのに、リメイク版ではそれが上手く活かされていない。 思うに保守的で思い切りの良さに欠けている、オリジナリティがなかったことが露呈されている。 オリジナルを見ている人は仕掛けを知っているわけで、 「日本でヒットしたゾンビ映画(劇中劇)のリメイクを撮る」というコンセプトの中で新しい仕掛けを期待していたはず。 やっていることはオリジナルの設定と物語をなぞっているだけで、リメイク版で変更・追加した部分が空回りしていた。 これが作品のテンポと切れ味を鈍くしている。 家族ドラマとしても希薄だ。 仏実写版『シティーハンター』のスタッフだったら、オリジナルを尊重しつつも革新さを出せたかと思うと残念。 いっそのこと、韓国リメイクやハリウッドリメイクも作って、 シリーズに登場してきた俳優たちが一堂に会する展開くらいは欲しい。[インターネット(字幕)] 4点(2022-11-12 22:15:29)《改行有》

53.  るろうに剣心 最終章 The Beginning 《ネタバレ》 最後まで雑に終わったThe Finalと比べると、別の映画みたいにテイストが真逆でしっとりとした印象を受ける。 殺人マシーンだった剣心と仇を愛してしまった巴が人間性を取り戻す過程は良いものの、 無駄な台詞が多い、勿体ぶった描き方で2時間強は長すぎた。 最後まで回想(倒幕まで)に絞った構成、巴役は好演だっただけに、 シリーズ全体に言えることだが、なぜ無駄な贅肉をつけすぎてしまうのか。 改めて一作目は不満はあれど、それなりにブレークスルーしてたんだな。[地上波(邦画)] 5点(2022-10-22 10:58:47)《改行有》

54.  るろうに剣心 最終章 The Final 《ネタバレ》 一本調子だった伝説の最期編と比べればアクションは頑張っていると思うが、 相変わらずストーリーとキャラの描き方が雑すぎる、そして「もっと削れたよね?」と展開引き延ばしすぎ。 原作でも突っ込まれていた薫のフェイク死体のくだりは要らないし、 原作の人誅編には登場しなかった宗次郎が唐突にサービス出演(その過程を描くべきでは)、 下敷きになってそのまま退場した蒼紫をはじめ、レギュラー陣のエンディングはほぼ触れられず。 最後まで消化不良のまま終わってしまった。[インターネット(邦画)] 4点(2022-10-22 10:39:37)《改行有》

55.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 メインの歌が素晴らしいが故に危うく誤魔化されるところだった。 『サマーウォーズ』が2000年代のネット社会を総括した作品なら、 本作は2010年代のネット社会を総括した作品だけど焼き直し感は否めず。 なぜリアルで歌が歌えないのか、"U"世界の竜に惹かれるのかが説明不足で、 リアル恋愛事情、ネット自警団、ドメスティックバイオレンスといろんな要素を詰め込みすぎて、 それぞれが上手く機能していない、場面重視の細田守ならではの悪癖が際立つ結果に。 "U"に登録してすぐに注目の歌姫なんて出来すぎで、ここでストーリーが破綻しているというか。 虐待受けているのに簡単にネット環境使えるとか、すず一人で東京に行かせるのもありえない。 力技で無理矢理世界観に引き込むので余計タチが悪い。 誰も脚本について異論を挟めない状態なのかな… 奥寺佐渡子カムバックとしか言いようがない。 前作の『未来のミライ』に比べれば、スタジオ地図は本作で何とか首の皮一枚でつながった状態だ。 次回作も地上波で待つ形になるでしょう。[地上波(邦画)] 5点(2022-09-24 00:17:30)《改行有》

56.  MEMORIA メモリア 頭内爆発音症候群に罹った監督の実体験を元にしているという。 固定カメラによる常軌を逸した長回し撮影に、眠気と共にハッとさせられる"音"の数々が挿入され、 夢か現か彷徨い歩く超自然的な感覚と同化する。 本作を撮ったのは、かつてカンヌで最高賞を受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン。 母国タイでの制作環境の改善のなさから海外に拠点を移した初の外国語映画だ。 『ブンミおじさんの森』で撃沈した自分にとって、久々の監督作視聴となったが、 やはり既存の映画文法から外れた対極的な作りであるため、 本当にそういう風に割り切らないといけない。 お酒を飲んで、照明も外界の環境音もシャットアウトした視聴環境で、 人間をダメにするソファに埋もれながら見ることをおススメする。 無意識に委ね、何度も反芻して初めて、本作が傑作だという結論に辿り着くのかもしれない。 (再視聴次第では評価が変動する可能性あり)。[インターネット(字幕)] 5点(2022-09-02 23:59:39)《改行有》

57.  ベルファスト 《ネタバレ》 『ROMA/ローマ』に影響を受けているのか、モノクロで監督の半自伝であることも共通している。 ただ、『ROMA/ローマ』のような灰汁の強さはなく、事情をよく知らない少年の目線で描かれているので、 複雑な社会情勢を調べなければならないという敷居の高さもない。 むしろサッカーに興じ、少女との淡い初恋、万引きを唆されたりと、 緊急事態が日常になっている中で懸命に生きる少年とその家族を活写しているところに重点を置いている。 ただ、劇中劇だけパートカラーで、劇伴もここぞと効果的に挿入される、その演出にあざとさを感じてしまう。 わざわざモノクロで描かないといけない理由が全く感じられなかった。 芸術性の高い作りが少年の溌溂とした物語とチクハグで合ってない。 これが作品の没入感を割いているように感じた。 短い出演時間ながらも最後をかっさらうジュディ・デンチは流石と言ったところ。[インターネット(字幕)] 5点(2022-08-13 22:15:47)《改行有》

58.  映画 ゆるキャン△ 《ネタバレ》 変化と不変、終わりと始まり。 いつもの緩やかな世界と付かず離れずの友人関係はそのままに、一抹の寂しさをまとっている。 大人になったからこそできるものがあれば、それ相応にしがらみも責任も伴う。 紆余曲折しながらキャンプ場を完成させていくプロジェクトX的な筋書きに、 アウトドアものならではのディテールが積み重ねられ、趣味への向き合い方の一つの答えかもしれない。 テレビアニメ未見でも話についていけるが、知っていれば分かる感慨深いシーンが数多く散りばめられていた。 彼女たちは10年後も、家庭を持っても、これからもきっと変わらないのだろう。[映画館(邦画)] 7点(2022-08-05 23:46:55)《改行有》

59.  クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 《ネタバレ》 ミステリーとしては意外と本格的で、爪のミスリードは上手い。 面子と建前で雁字搦めの学歴社会への風刺と、効率ばかりに追求した結果、逆にAIに支配されてしまうシニカルさを提示しながら、 欠点も無駄なことも挫折も人格を形作る重大な要素として、焼きそばパン争奪マラソンに収束していく綺麗な終わり方。 青春の対象年齢を自分自身で決めていないか。 初期作品を彷彿とさせながらも、変に過剰になりすぎず、どの世代にも楽しめるという意味では佳品だろう。 自分にはそこまで刺さらず、あまり記憶に残らない方だが。[地上波(邦画)] 6点(2022-05-18 14:41:25)《改行有》

60.  シン・ウルトラマン 初代ウルトラマンの精神を引き継ぎつつ現代に再構築したという意味で『シン・ゴジラ』と同様のコンセプト。 前半はなかなか面白いものの後半から徐々に失速。 庵野秀明の作風がウルトラマンと合ってないのか、はたまた監督を務めた樋口の演出が庵野の個性と合ってないのか。 次々と出てくる怪獣や異星人のエピソードに一貫性がほとんどなく、TVシリーズのように小分けで見せられている印象を受けた。 つまり、一本のストーリーとしては弱い。 スケジュールの関係で監督を兼任できなかったようで、実現していれば違っていたかもしれない。[映画館(邦画)] 6点(2022-05-15 22:16:48)(良:1票) 《改行有》

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