みんなのシネマレビュー
tottokoさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101

581.  牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件(236分版) 《ネタバレ》 この映画には60年代の台湾の全てがある。市井の人々の暮らしと、政情、文化、天気までも。 クールなアングルが印象的な固定カメラと、夏の夜の匂いまで運んできそうな夜の闇。画が本当に格好いい。 何より、背景である20世紀半ばの台湾の暮らしの細部、特に日本統治の名残である日本家屋のノスタルジックなことは日本人である私の琴線をかき鳴らすこと半端なかった。この懐かしさ、祖父母の家かと思うほどにセットなどではない本物の生活感がある。低い天井、コンクリの流し台、使い込まれた机の木の黒光り具合。緑の羽根の背の低い扇風機、大きなラジオで知る合格者、型紙から縫い上げるワンピース。小物ひとつ取っても郷愁であふれる張一家の暮らしなのだった。 青春を生きる世代とその親の世代、二つを交互に描くことでその距離も浮かび上がる。本土から来て十二年も経つのに未だ生き辛い外省人の大人たちと安定しない社会に漂う漠然とした不安。徒党を組んで虚勢を張ることでアイデンティティを維持する男の子らはどの時代どの国でも見られる青春群像なんだね。 男子も女子も、見事にスクリーンの中で生きていて、これが演技であるということを途中忘れて観ていた。 役者が最後まで決まらなかったというヒロイン、魔性の少女小明。この娘がじわじわと凄い。ぱっと見絶世の美少女ではなくとも、話を追ううちに彼女の放つ毒にヤラれている自分がいた。ましてや常識的な家庭に育った我が小四にはアクが強すぎた。恋をしてはいけない娘だったのだ。清楚な佇まいとラインの綺麗な首、でも強すぎる眼の光。 彼女の薄幸な境遇を思えば、小明が「自身の心身を預けられる相手」を本能でキャッチするようになっていったのも無理からぬ気がする。私は彼女を責められないが、地域のボスまたは№2、バスケ部のエース、若い医者、司令官の息子、と指折り数えてあわわわ・・、と呆然となっちゃった。 そしてなだれ込む悲劇の夜。青春の視野狭窄と愚かさと純情が混じって暴走した末の、やり切れない結末。 この上なく苦い切なさが、もはや関係の無いラストのラジオからの合格者を告げる声と合わさっていつまでも消えなかった。 観た事を忘れない、半世紀前に生きた家族の比類の無い物語。[CS・衛星(字幕)] 10点(2019-09-05 16:39:18)《改行有》

582.  スリーメン&ベビー 《ネタバレ》 大人だけの日常に赤ん坊が突然闖入してきたら、そりゃもう振り回されることハンパないって想像難くないですよね。コメディとしてはうってつけの題材を、まあ予想通りの展開で見せていきますが、わかっちゃいるけど面白い。なかなか泣き止んでくれないのはテッパンで、おむつのサイズを間違えたり離乳食の月齢がわからなかったり、ベタなあるあるのオンパレードです。麻薬取締課のシビアな刑事も赤ちゃんを前にすると相好を崩しちゃう様とか、赤ん坊メインの作品はやっぱりハートフルに収まるのがよろしいですね。けどあの母親にはこの先山ほど不安を感じたけどね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-09-03 21:54:12)

583.  幸せなひとりぼっち 高齢化社会に突き進むわが国も他人事ではない「年寄りを地域でどう扱うか」というテーマに、福祉先進国がひとつのありかたを示してくれました。 老人が孤独にならないよう、引きこもりにならないようにしよう、というのが大方の福祉目線でしょうが主人公のじいさんはそんなの大きなお世話とばかりに偏屈でがみがみ怒り、あまつさえこの世から去ろうとする。そんなじいさんの壁をばりばり突き破って生活に引っ張り出す隣人のイラン人奥さんがとてもよろしい。とりたてて美人でも若くもなく、二人の子を抱えて裏表無くはっきり物を言う。福祉先進国であるスウェーデンにおいて、引っ込みがちの老人と関わるのが移民であるという描写が現代を反映しているなあ、と思う。 日本人は世界一空気を読む民族だから、こんな風にずかずか他人のエリアに入っていかないよなあ。となるとこの映画を参考にしようとしたら、やはり文化の違う国の人に頼らねばならないのかしら。 まあ福祉云々と難しく考える以前に、人間の生活ドラマとして面白いです。じいさんの若い頃からの変人エピソードや亡き妻の思い出、地域住民らの人柄も丁寧に描かれて共感ポイントが高いです。ボルボでもサーブでもどっちでも良いじゃないすか、と笑った。これはプライドの問題なのね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-09-01 00:13:50)《改行有》

584.  トラベラー 《ネタバレ》 イラン版「手を焼く小僧」の冒険譚。この場合はテヘランまで夜行バスの旅。大人から見ればさしてどうってことない旅程だけど、10歳の子供にとっては、旅費集めからそれはそれは大変難儀なタスクなのである。 ごく普通で非力な人間のささやかな日常の起伏を映画一本分のストーリーにして見せる、いかにもキアロスタミらしい視点。ハリウッドでは商売にならないかもだけど、これがとても面白くできている。 まーとにかくこの子の生命力の強いこと。かなりの強引さで目的を果たそうとする貪欲さ。大人に叱責されるとそこはすぐ泣いて降参、でも大事な物は手放さない。この手のガキは日本にも戦後の混乱期にはいっぱいいたんだろうなあ。生きるために最大限知恵を絞って世の中を渡るような。 ああ、この子どうするんだろうと大人の心配をしながら見守ること70分。なんともキビシイ旅の結末となりました。勉強代だな、坊主。嘘ついて人からお金を集めてはイカンのだよ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-30 00:48:53)(良:1票) 《改行有》

585.  三人の女性への招待状 《ネタバレ》 この手のサスペンスものの先駆け的な作品なのだろうから、敬意は払いたいとは思うけど・・。やっぱり古いです。舞台ならいざしらず、要らない台詞が多くてダラつく。真相がついに明らかに!と客の期待が盛り上がる場面の締まりの悪さ。クライマックスだというのにこんな平坦な演出ではなんだか肩透かしです。マギー・スミスのちゃっかり漁夫の利も、描き方軽くていかにもオマケな感じ。贈り物の砂時計はフェイクでした、というネタ要りますかね?そんなことに時間と場面を割かなくていいから、偽富豪男の企みの暴露にもっと驚きを持たせてほしい。重厚サスペンス好きとしてはどうもいろいろと不満が残りました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-08-27 23:43:33)

586.  スーパー・チューズデー ~正義を売った日~ 米国大統領予備選における全然美しくないお話。派手な仕掛けが無いので人によっては淡白に感じられるかもですが、他人の顔色を気にしいなワタシにとってはあけすけな解雇通告やら手の平返しやらがこうもばんばん飛び交うと、もうそれだけでスリリングでした。あちこちに気使いすぎて疲れちゃったよ。 選挙参謀たるもの、そんなチキンはいないとばかりに気迫のこもった顔ぶれが揃います。P・ジアマッティにP・S・ホフマンにR・ゴズリング。ホフマンの腹なみにどかんと重量級の面子。それに負けないスターの佇まいを見せるG・クルーニーもさすがです。 G・クルーニー「監督」は観る者の気分を乗せた上で引っ張ってひっくり返す、といった演出をあまりしない印象があります。オーソドックスな作りは時に淡々としすぎに感じることもあるけれど、今作は話の面白さと役者陣の巧さが活きてて彼の携わった作品ではベストかと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-24 23:45:13)《改行有》

587.  コンフィデンス 《ネタバレ》 なんかね主役の詐欺グループが好きになれなくて楽しくなかった。一言で言うと「イキがってるやつら」に見えちゃって肩入れできなかったなあ。 役者というよりホンの問題で、台詞が嫌い。 仲間が撃たれた場面にしても「テーブルを片付けろ」以降のやり取りが長いし、レイチェルに食ってかかる「赤毛はダメだ」のくだりも意味不明に時間とり過ぎ。「息を吸って10数えろ」とか往年のハードボイルドみたいなそんな会話しないよふつう。村上春樹か。 吹き替えで観ちゃったのも良くなかったな。D・ホフマンはキーキーうるさいしA・ガルシアも有り難味ないし。レイチェル・ワイズがこんなにキレイじゃなく撮られているのを見るのは初めて。 銀行のエライさんが飛び込みの若い女の話をまるっと鵜呑みにするなんて都合良すぎだし。不満ばっか残るなあ。[地上波(吹替)] 4点(2019-08-23 23:44:29)《改行有》

588.  バンガー・シスターズ 《ネタバレ》 まあ・・、この軽い映画に目くじらたてるほどのことでもないんでしょうけど。女二人の人生見直しストーリーですよね。類似のテーマで言うと例えば「テルマ&ルイーズ」と比べてなんと切実性の低いことよ。ゴールディはやりたいことやってる人生だしスーザンはセレブ生活を手に入れてて、はてこの二人の人生に人に語って共感を喚起させるだけの物語が何かあるのだろうか。 ゴールディに触発されて昔の自分を懐かしんで若作りしてはしゃぐスーザン。でもさあ今さら「本当の自分探し」って年でもないでしょうよ。グルーピーって過去も誇れるもんでもないしG・ラッシュの存在意義もちょっと不明だし。 18にもなって中2みたいな反抗期やってるサランドンの娘らにもイライラした。甘やかされてやりたい放題の青春に見えますよアナタたちは。なのに卒業スピーチが「虚飾を捨てて本当の自分で生きましょう」だって。ああ脱力。なんという恵まれっぷり。 結局のところ私にとってはG・ホーンの老けなさ、だけが見どころだったかな。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-08-15 23:53:17)《改行有》

589.  ファンタズム(1979) 《ネタバレ》 心理系オカルトかと思いきや、肉体的苦痛のスプラッタ要素もあるし、SF風味もぶっこんでるしでジャンル分け不可のごった煮ホラーですな。なかなか独特の味わいはありますが監督が思うところの「怖い画」をずらずらと並べて喜んでいる感じで、今の時代ではシュールという表現がもっとも当てはまるのでは。 序盤の墓地までは不気味な雰囲気に多いに期待したんだけど、そこからがねえ。友人の祖母が占い師やってる館では箱が現われたり消えたり(何の意味が?)、フォーク内蔵の銀球がひゅーと飛んできたり(普通に危ない)、古い写真の男がこっち見たり(誰)、なんのこっちゃ、と思います。 ラストもなあ。監督のどや顔が見えるようなまさかの夢オチ。うーん怖くない。古くても73年のエクソシストは今でもちゃんと怖いんだけどねえ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-08-13 23:25:51)《改行有》

590.  ハングリー・ラビット 導入部はとてもスリリング。仕掛けが大掛かり「ぽくて」、勿体つけた合言葉とかいかにもヤバそうな秘密結社「ぽくて」、事件の闇が「深そう」。だけどこれが意外としょぼい素人集団で、オチもおそまつ。甚だしくがっかりです。四番バッターのキャッチャーフライみたいな。 フタを開ければB級作だったわけですが、鑑賞中はそれなりに集中して観られたのはどんな駄作でもとりあえず熱演するN・ケイジの真面目効果でしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-08-12 23:45:53)(良:1票) 《改行有》

591.  エマニエル夫人 描きたいコトはひとつなので、ストーリー上の必然性がほぼ無くとも事に及ぶ女主人公。もうめちゃくちゃ。まあポルノてのはそんなもんですが。ただ、そこらの下心をカムフラージュすべく映像を美しく仕上げ、音楽にも手を抜かないフランス人てスケベ心も芸術科卒なのだなあと感心してしまう。 なかなかしょーもない歌詞にこんなに美しい旋律をつけるのですね。米を研ぎながらうっかり口ずさんでいることもありますわ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-08-08 16:22:25)《改行有》

592.  エル ELLE 《ネタバレ》 ヒロイン選出にあたって、声をかけたハリウッド女優に軒並み断られたんだって。え、イザベル以外の候補がいたの?嘘でしょう?とまず思った。だってこれ、この脚本この主人公、イザベル・ユペール一択じゃないですか。他にハマる女優なんかいないよ。イザベルのために書いたようなホンじゃないか。 イザベル・ユペール、彼女の過去作品はどれもアクの強い役で強烈に印象に残るものばかり。美人だけど屈折しててある時は病んでいたり、または暴力的だったり。今作ってそんなイザベルが演ってきた”まんま”のキャラなので、ミシェルを見てても今さら驚くこともなく、その突飛さや冷たさが「なるほど」と腑に落ちちゃったりしましたよ。レイプ犯を手玉に取るあたりなんざ、おおさすが、とすら思ったり。ミシェル、まあ並みの役者ではとうていこなせないキャラクターです。大量殺人者である父親の側杖を食った形で安寧な人生は学童期に崩壊。社会から偏見と敵意にさらされ続けてきた結果性格はキツイし嫉妬深い。あと意地も悪いしモラルも無い。 面識のない人間からゴミを浴びせられる人生を送ってきた凄絶なキャリアの持ち主であるから、レイプごときでこっぱみじんになるメンタルではないのだ。 そしてここがポイントなんだけどイザベル・ユペールに代表されるフランス女は年をとってもすんごく女度が高いのだ。細身のスーツを着こなし、黒のストッキングにハイヒール。フェロモンが尽きることが無いみたい。想いを寄せる男を覗き見しながら自慰行為。この場面が、どういう現象なのかそこはかとなく文学的な香りなのがスゴイ。うん、たしかにアメリカ女優では無理かも。そして日本人のワタシはほぼ共感度ゼロの話でありました。面白かったけど。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-06 21:57:27)(良:1票) 《改行有》

593.  ハットンガーデン・ジョブ じーさん達が”昔取った杵柄”で大暴れ的なコンセプト、近年やたら多くてモーガン・フリーマンあたりはそんな仕事ばっかり。年をとっても元気なのは良いことだ。が本作はひねたイギリス人によるイギリス映画なので、マッチョで超人的なじいさんはおらず、皆御老体に鞭打って出動してるのがリアリティ満載である。ただそこは英国人、年齢を重ねた味わい深さがハッキリ顔に出てて、人生刻んだ良い顔の役者ばかりでこれには唸った。 「仕事」である金庫破りの本番においては、これといったトラブルが用意されていない脚本である。裏切り者が出たり防犯装置がけたたましく響いて銃撃戦、とかそういう映画ではないのだった。 スリルは味わえないけど、老境に入ってのメンタルの持ちようが多いに参考になる、まあ滋味溢るる好ましい一本でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-08-06 00:08:24)《改行有》

594.  依頼人(1994) 《ネタバレ》 ちょっと大人たちにイライラして、あまり楽しくなかったな。原作はもっとサスペンスフルなのかしら。 結論から言うと目撃者である子供を守るにはFBIの証人保護プログラムに頼る、その一択しかないわけで、それって話の序盤からそう言っているのにこの小僧が無益に駄々をこねて逃げ回り、指導すべき周りの大人ここでは弁護士サランドンはなんら有用なアイデアを出さぬまま子供に振り回されている。何をやっているんだ。 この子がすぐ逃げる、そこをマフィアに狙われるという追いかけっこが必然性に乏しいシチュエーションばかりで、尺稼ぎのための演出にしか見えなくてしらける。保護房から仮病を使ってまでなぜ逃げるんだ小僧。案の定怖ーい兄ちゃんが銃持って追ってくるじゃんか。 11歳の子供と不法侵入までして死体を確認しに行く女弁護士、そのあまりのリアリティの無さにびっくり。娯楽映画だからといっても「そんなばかな」度数が高いと嫌になります。私はこの映画ちょっとイヤでした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-08-01 17:56:59)《改行有》

595.  クリード チャンプを継ぐ男 《ネタバレ》 ロッキーシリーズの新作かと間違った予想で観てしまった。これはロッキー新章でなく、主人公はドニーなのだね。ロッキーはセコンドとして脇に退いているけど、でも画面に映ったときの吸引力はさすがにスターです。年をとった武骨な優しさに渋みも加わっての存在感は、どうしても若武者を食ってしまうオーラがありました。 新世代の若きチャンプの人生を新たに織り成そうという意気込みはわかります。でも、ロッキーの若い頃と比べるのは酷でしょうが、人生=ボクシングへの熱量、画面からあふれ出る生活のリアルといった話の厚みがかの名作よりぐっと劣ります。だってさあ、ドニーはかっこいいもん。しゅっと引き締まった筋肉美、賢そうな顔つき。ガールフレンドは美人の歌姫、何不自由のない養母宅での育ち。どこにも客が共感し得るハングリー要因が見当たらんのですよ。イタリアの種馬ロッキー・バルボアの野暮ったさ、不器用さを愛したファンにはぴんと来ない造型の主人公なのでした。 ワタシがどっと落涙した場面はドニーがなんとか敗けずに試合をやり遂げたシーンではなく、ロッキーがフィラデルフィア美術館の階段をやっと登りきり「誰か階段を足したな」と冗談をとばすラスト。ああ一緒に年をとったんだなあとしみじみし、心から老ロッキーに労わりと感謝の念を覚えましたよ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-29 21:27:38)(良:1票) 《改行有》

596.  プリデスティネーション 《ネタバレ》 *ネタばれしてます。未見の方は御注意。や、あまりに予測不可な話だったので、もっと説明がほしくて「えっこれで終わり?」とエンドロールを眺めながらうろたえた。でも録画していたのを幸いに何度か観返してみるとちゃんと全部言い尽くしているんですよね。伏線もすっかり回収してて謎を残さない。 ぐるぐると還って始まりも終わりもない物語を巧みに整理できている構成力は満点です。 ちょっと物足りないのは仕組みの説明に終始していてドラマとしての広がりが無いこと。タイム・パラドックス系の他作品に見られるような、他者(両親とか殺し屋とか)が関わってきてそこから事件スタート、という展開じゃないので「ああ、そういうことだったんだ」で感想が終わっちゃう。登場人物がほぼ一人の話なのでそれも仕方ないのですが。 あとねえ、個人的に腑に落ちないのが「自分」に恋するかなあ~というところ。子供まで作るかなあ。わが身に置き換えるとどうにもキモチ悪くてちょっとそこはノレなかったです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-26 00:24:34)(笑:1票) (良:2票) 《改行有》

597.  鋼の錬金術師 私は原作の愛読者であるので、この映画への酷評をたくさん耳にしたうえで、心してハードルを下げて観賞しました。 やっぱり「漫画を実写にする」ことの難しさ、を克服できていないです。そもそも二次元の紙の上で紡がれる物語世界にはそこでのみ了とされる様式があり、読者は暗黙のうちにそれを理解して世界観を受け入れます。しかし、漫画のコマをそのまま生身の人間が絵のとおり再現しようとすると強烈な違和感が生じます。語尾を「~じゃ」で終わらせる博士や「ざます」オバサンが現実世界ではほぼお目にかからないように。そのキャラクターのエッセンスのみを生かすべく、一旦三次元向けに変換が必要かと思うのですが、それができていない。アジア人の顔に乗っかる金髪は目にうるさいだけだし、台詞回しに至ってはギザギザ吹きだしのままデカイ声を出すのみのアイドルの大根ぶりはちょっと見ていられません。 原作は全27巻に及び、土地や民族の歴史を織り込んだ深みのあるお話です。そもそも2時間に収めるのは無理なのです。映画「ハリー・ポッター」は各巻ごとの制作だし、「ロード・オブ・ザ・リング」だって三部作なのです。そこをなんとかやれと言われれば、最初と最後を無理やりくっつける、こういうやり方しかないのかもな、とも思います。脚本はむしろすごく頑張ったのでは。 ファンを納得させる出来ではないにしろ、でもこの映画わりと「まじめに」作られた感があり、キャスティングなどは原作のイメージを損なわない役者を揃えています。辛口ファンも認める松雪泰子はもとより、タッカー役に大泉洋とはナイスな起用でした。こんなにハマるとは。マスタング大佐にディーン・フジオカも私的にはアリなのですが。あの年齢で前髪ありの髪型が様になる役者が他にいるとは思えない。 それに映像技術のレベルの高さも良かったな。架空のヨーロッパぽい土地の風俗は漫画のままだし、ダーク・ファンタジーの雰囲気を損なわないようにグロテスクな怖さも綺麗めに描写していますし。アルの動きはまったく滑らかで、”そこにいる”かのように感じながら観られたのは素晴らしかった。かつて「REX」が「ジュラシック・パーク」と同時期に公開され、わが国の映像技術レベルの哀しさをひしひしと噛みしめた頃を思うと隔世の感があります。 ということで、いろいろ引いたり足したりで5点。甘いかな。[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-07-23 00:44:12)《改行有》

598.  MAMA(2013) 《ネタバレ》 お化けがついてきちゃう、というよくあるパターンに「切なさ」をプラスしたところが、凡百のホラーとはちょっと一味違います。 かつて迫害されて我が子を失ったMAMAの、まあ人違いかつ筋違いな執着母性がこのオバケの本質。凶暴な振る舞いも、わが子を守るためと思えばMAMAにも一分の理がありましょう。 叔母さんの身体を乗っ取ったのも、この世での「本体」が欲しかったのかもと考えると、あのかくかくした動きには哀れすら漂います。MAMA、ソレ上手くいってないよ・・。 全体の落ち着いた色彩やトーンはいかにもギレルモ印。才女のイメージが強かったジェシカ・チャステインが気のいいロック姐御を演っててびっくりしました。演技力の幅の広さを感じましたね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-18 20:05:27)《改行有》

599.  アナザー・カントリー 美麗な英国男子総動員ということで当時の腐女子の間で大騒ぎになってたもんです。ブリティッシュな様式美は感じ入るばかりで、わーキレイ、美しいーといったミーハー目線でしか捉えられず、舞台となる英国のその時代背景や貴族社会の特性を浅いながらも学んだのはずっと後のことでした。 時は1930年代、大陸ではファシズムが台頭し、英国では政治はまだまだ貴族が仕切るものであり、一方でケンブリッジ・ファイブと呼ばれるスパイの存在も不穏に影を落とす。特権階級の主人公らにとっては価値観が大きく揺らぐ時代だったのは間違いありません。 狭い貴族社会の中でパブリックスクールの十代ですら出世競争に神経をすり減らす美しきボーイズ。繊細で悩み多い季節をきらきらと演じた若き俳優陣の瑞々しさは普遍の青春群像と言えましょう。 ああそしてやっぱり特筆すべきはコリン・ファースの美貌。キングスマンも好きだけど、この映画に出て若い輝きを永久に残してくれたことに誰にか分からないけどとても感謝したくなるのでした。[DVD(字幕)] 6点(2019-07-15 23:57:43)《改行有》

600.  幸福の条件(1993) 《ネタバレ》 女房を一晩100万ドルでヒヒ爺に売れるか、ってミもフタもなくストレートにお下劣な発想の、それ以上でも以下でもないお話。キャストにレッドフォードとあったので、ええーアメリカの良心がエロじじいを演るの??と驚愕したんですが、あーやっぱりレッドフォードはどこまでも紳士でして、このシナリオから想像される品下れた人格ではなかったです。つまり、もうプロットが破綻しちゃってるんですよ。だって大金持ちなうえイケメンで良い人なんだよ?こんなん圧勝じゃん。レッドフォードを選ばない女がいるとは思えん。 設定崩壊の割を食ったのが若い夫の方で、セレブ紳士への劣等感から嫉妬の塊になって嫁に手を上げるわ、女房が身体を張った100万ドルを勝手に使っちまうわで、ひとつもいいとこなしのひどい役です。W・ハレルソンも良く引き受けたなあ。こんなやつにさあヨメが操を守って提案を蹴ったとしても、その後生活が困窮した折々に「あのとき100万もらっておけば」とかごちゃごちゃ言い出すんだよ。まとめますと、あり得ないうえにオチも納得いかない変な映画でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-07-15 17:49:30)《改行有》

030.15%
1120.60%
2261.30%
3693.45%
41396.95%
528214.09%
653826.89%
752326.14%
826913.44%
9944.70%
10462.30%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS