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601.  青春の殺人者 《ネタバレ》 テーマがテーマだけに、後味が悪い作品。 基本的には息子をしばろうとする父親と、その呪縛から逃れようとする息子の対立。 いちごの回想シーンで、父親とケイコに肉体関係があったような描き方をしているが、 あれはどういうことだろうか? 無理心中を図ろうとする母親の心理がよくわかりませんでした。 相当抑圧されていたことは理解できましたが。 「もうこれで働かなくていい」が、最後の言葉、さびしいですね。 子離れできない母親だったのでしょうね。 主人公にも母親を殺す理由がないんですが。 家庭環境にさほど問題があったわけじゃなく、むしろケイコの家の方が悲惨なのですが。 その後は主人公の心の弱さが前面にでて、支離滅裂な行動のオンパレード。 自殺を図るも失敗。トラックの荷台にのって逃走。 水谷と原田の演技はよかった。 原田のみずみずしいヌードに+1点。 ヌードと血でリアリズムを出していました。 「せつない青春もの」ではなくて、「せつない犯罪もの」でした。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-04-16 18:54:29)《改行有》

602.  デッド・カーム/戦慄の航海 《ネタバレ》 キッドマン、ニール・ゼイン 金持ちの夫婦の話です。海にでて三週間ぶりに船を見る…、余裕ですなあ。 最初の空飛ぶ赤ん坊のシーンは不要でしょう。 これを入れるのなら、子供をなくしたことにより、ぎこちなくなった夫婦関係が事件を通して修復されるというサブストーリーを入れるべき。 キッドマンはまだ演技開眼してないけど、まあまあ見れました。 犬は飼い主の足をひっぱってばかりで、最後には飼い主に串刺しに! ご愁傷さまです。 漂流船はどうして無線で助けを求めなかったのか? エンジン水びたしになっても無線くらい使えるでしょ。 ニールが船を調べにいったけど、別にゼインは逃げる必要なかったのでは? 殺人したわけじゃないでしょ。していたとしても証拠はすぐに海に沈むし。 キッドマンは最初から銃を使えばいいよね。 こういう密室劇では主人公が知恵をしぼってがんばる場面がないとつまらない。 この映画では無線の場面くらいしかなかった。 ニールは、雷がマストを折って船室に閉じ込められるけど、これってどうでしょ。 かろうじて許容範囲かな。 漂着船でゼインが次々と殺人をおかしてゆくというようなシーンが挿入されていれば、 もっとはらはらどきどきしたんだけどね。 漂着船での出来事があいまいのままなのが欠点。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-08 17:43:40)《改行有》

603.  モンゴル 《ネタバレ》 チンギス・ハーンことテムジンの青少年時代の物語。 テンポよい展開で、退屈はしません。 が、力がものをいう世界で、羊や馬や花嫁を盗んだり、仇を殺したりするのが当たり前という中世の価値観になかなかついてゆけなかった。 血が飛び散る残虐場面が多すぎます。 歴史的事実として受け入れることができるけど、感動はできませんね。 テムジンが捕虜になって見世物の檻にいるのを妻が助けるのは虚構でしょうね。 9歳のときから婚約した妻との愛情物語にもなっているのですが、妻のつり目に引いてしまいました。 もっとかわいい女優さんに演じてほしかったです。 最後の大決戦の場面が途中でフェイドアウトしてしまうのは解せない。 最大の見せ場なのに…。 また見るかといわれると、特に見たくはない作品ですね。 現代とつながるものがあまりないんですね。 所詮殺し合いで、最後に勝ったものが征服者になるという世界観です。 恩人である友人とも容赦ない殺し合いをするのですから。[映画館(字幕)] 6点(2008-04-07 23:48:49)《改行有》

604.  ライラの冒険/黄金の羅針盤 《ネタバレ》 ライラは世界に一つしか残されていない羅針盤(真理計)を簡単に入手する。そして簡単に使えるようになる。特別な理由があるのだろうが、不明のまま。真理計はどんな質問にも答えてくれるという設定が安直すぎないだろうか?ダストの正体、父親は誰、母親は誰、失踪した子供達はどこにいる、敵の正体は、敵の弱点は?何でも答えがでてしまう。それじゃ、だめなのだ。主人公が知恵、愛、勇気をもって、何かをやり遂げるところにファンタジーの面白みがある。簡単に味方が増えすぎるのも問題。敵に追いかけられるとジプシャン達に助けられる。彼らはライラをずっと見張っていたという。次に魔女がやってきて、ジプシャンの王が昔の恋人なので味方になり、敵の居場所を教える。次は飛行船乗り。向こうから声をかけてきて、飛行船に乗せてやるといい、よろい熊を紹介する。羅針盤でよろいのありかを知り、教えてあげるとすぐ家来になる。童話「桃太郎」では、家来にだんごを与えて絆を深め、鬼退治という共通の目標がある。ライラにはそれが乏しい。さあこれからみんなで失踪した子供を助けにゆくぞ、という高ぶりが見当たらないのだ。子供の一人をあっさり見つけるが、敵に捕まる。なぜか氷熊の王に捧げられる。この場面は魅力的。ダイモンを欲しがる王の伏線が生きている。ライラは知恵で王を篭絡し、よろい熊は勇気と王座を取り戻す。せっかく王になったのに子分を引連れないのは残念。熊はなぜライラに氷橋を渡らせたのか?急ぐ理由はないのに。渡ったライラは待てという熊を無視して一人で敵基地に行く。意味不明だ。見つかってすぐに「切り離し」されそうになる。助けたキッドマンがつく「嘘」はなかなかのもの。謎をふくらませてくれる。偵察虫での逆襲はグッド。最後の戦いは、子供達は助かるとわかっているので興奮しません。銃、弓、槍ではなく、魔法合戦にすれば楽しめたのに。強権の恐るべき陰謀と来るべき戦争を予感させて終了。でも子供達を帰宅させないで連れて行くのは解せない。ライラが今回の冒険でどれだけ成長しただろうか?それぶんだけ観客が楽しめたはずだ。でも成長したのは熊だったね。それにしてもライラ、単独行動が多すぎる。CGは素晴らしいが、氷の世界で吐く息が白くないのでリアリティに欠ける。スタジオで演技しているのがバレバレ。[映画館(字幕)] 6点(2008-03-11 01:57:56)

605.  コースト・ガード 《ネタバレ》 監督が描きたかったのは狂気だろう。人類における最大の狂気は戦争だ。戦争という影におびえている韓国社会と軍隊に対する批判が見られる。「夜7時以降に警戒区域に侵入したものはスパイとみなして例外なく射殺する」という軍規は狂気そのものだ。識見が硬直しているのだ。 キム上等兵は軍務に忠実で、何の疑いも持たず軍規を固守する部類の人間。ある日、侵入者を発見して迷わず射殺するが、誤射と判明する。好奇心で侵入してきた民間の恋人同士の内の男性だった。一般社会では責任問題になるが、軍隊では表彰された上、休暇を貰う。キム上等兵は初めての殺人の衝撃と、誤射の悔恨で放心状態に陥る。そして、恋人に去られ、正気を失ってゆく。 一方で、恋人を目の前で殺された女ミアは衝撃のあまり、気がふれる。物語は軍隊がこの二人の狂人によって翻弄されてゆく様子を描くが、正に毒を持って毒を制するの観がある。 魚がしばしば登場するが、これは弱者たる人民を表わしているのだろう。狂女が軍隊である。狂女が水槽の魚を弄んで殺すのは、軍隊の暴発により人民が犠牲となることだ。狂女が水槽に入って水を血の色に染めるのは、軍隊が社会に悪影響を及ぼすことの比喩だ。軍隊という強大な権力に対して、人民は一方的な被害者でしかない。狂気は堕胎される必要がある。狂気は自らを滅ぼす。狂女は軍人を嘲笑いつつ、海中に姿を消す。キム上等兵は町中において、銃剣で通行人を刺す。軍隊という狂気の世界に投げ込まれた人間の成れの果だ。純粋であればある程狂気に染まりやすい。悲劇である。軍隊は狂気を孕んでいるぶん危険な存在なのだ。最終のキムの回顧場面で、ボール競技のコートに朝鮮半島の絵が浮かび、南北統一への祈願が示される。朝鮮戦争という狂気は、いまだに濃く朝鮮半島に影を落としている。 残念なのは、キム上等兵の狂気に現実味がさほど感じられないことだ。純真な人間として描かれるべきを、最初から激昂する軍人として描かれているので齟齬がある。誤射殺人と恋人に去られただけで、あのような狂気に陥るだろうか。彼の軍隊や殺人に対するこだわりやわだかまりが描かれてしかるべきだ。第二段、三段と、凄惨な出来事や体験を課す必要があるように思えた。暴力描写にも冴えが無い。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-04 04:31:48)《改行有》

606.  エベレスト 若きクライマーの挑戦<TVM> 《ネタバレ》 1982年、カナダ人初のエベレスト登頂を描いた作品。 標高などの情報は出るものの、日付や今いる場所がエベレストのどこなのか明示されないので、登山の行程の全体像が見えない。サウスコルやヒラリーステップくらい誰でも知ってるだろうと高をくくっているのだろうか。ふざけたり、いがみあったりする場面が目立つ。全体として緊張感に欠け、国の期待を担い、命がけで登山に挑戦しているように見えないのだ。実際、その時点でエベレスト登頂は珍しいものでなくなっている。カナダ人初という意外、記録的価値は少ないのだ。標高7000m辺りで素手で金属の梯子を掴んだり、笑いながら走る場面があり、首を傾げた。人物像の性格付けが通り一遍でしかないので、感動が無く、自然に対する畏怖や恐怖も伝わってこなかった。足元の氷が陥没する場面の特撮はよく出来ていたが、雪崩の場面はお粗末だった。ローリーは負傷して町に降り、医者から肋骨を三本骨折しているので登山は無理といわれるが、登山訓練中に死んだ親友の恋人に登山を懇願される。それでローリーは隊長の命令を無視して強行登山するのだが、これは展開が無茶すぎる。それに、すぐにアタック隊に合流してしまうのだから、安直すぎる。もう少し現実味のある劇にしてほしい。それやこれらが理由で、彼らが登山に成功しても感動はない。それに、四人もの死者を出したのだから、成功といえないのではないだろうか。この映画はドラマを編集したものだ。編集に問題があるのだと思う。[DVD(字幕)] 5点(2015-02-08 02:30:08)《改行有》

607.  奇跡の海 《ネタバレ》 生命の自己犠牲をも顧みず、愚直なまでに夫への愛情を貫く純粋な女の物語であり、同時に知的障害を持つ、信心狂いの女が病気の夫の妄想を信じて不幸になる物語である。社会通念からすれば非常識で非道徳的に見える行為が、実は夫の回復を願っての愛情と善意によるものだという意外性と矛盾の提示が本作の狙いだろう。女性を差別し、陋習の残る教会を批判的に描くことで、主人公ベスの正当性を強調している。しかし、どう考えても、ベスの行動は理解を越えるもので、娼婦になって誰とでも寝ることと、夫の回復とがつながるとは思えない。但し、両者を介在するのが神であるので、神を信じるものには真実となりうる。ここに難しさがある。実際、奇跡は起きた。危篤だったヤンが歩けるまでに快復したのだ。さらに、空で鐘が鳴った。この部分はヤンの妄想である、という解釈もあるだろう。悪意を持たない人の行為が全て善だということではなく、全てを相手に与えるという無償の行為が崇高であるということだ。常識的に行動することと、非常識ながら無償の愛に生きる無垢な魂と、どっちが尊いか。これは価値観に拠るだろう。ヤンは自分が性的不能なので、ベスに愛人を作って、その性交渉の顛末を話して聞かせろと懇請する。これが諸悪の根源だ。相手を思い遣っての言葉ではないだろう。ベスを死に至らしめたのはヤンだと断言していい。この人物が奇妙なのだ。脳手術をしたのに長髪のままだし、長期病気を患っているのに全然痩せず、つまり病人に見えないのだ。奇跡の快復の様子も描かれない。彼がベスの遺体を運び出し、教会の墓地での埋葬を拒否したのは、ベスを地獄に送らせないためだが、一方で、他の地に埋葬せず、遺体を石油掘削の穴に投げ込んだのはどうしてだろうか。冒涜のようにも思えるが。ベスや他の人の考えや行動は理解できても、ヤンの行動は理解を越える。不信心の彼に空の鐘が鳴って、どういう意味があるのか。ベスの魂の天国行を確信したとして、そもそもベスの死の責任はヤンにあるのだ。医者の言うように、単なる覗き見趣味の中年男なのではないか。冷静に考えると、結婚前から分かっていた夫の単身赴任が精神的に堪えられないような妻には、幸福な結婚生活は送れないのだ。それを宗教を絡めて、劇的に演出して見せている。二人は最高の夫婦であり、最悪の夫婦である。違う価値観が表裏一体であるということ。それが監督の意図だ。[DVD(字幕)] 5点(2014-11-28 04:30:34)

608.  父、帰る 《ネタバレ》 突如、12年ぶりに姿を現した父に驚くアンドレイとイワンの兄弟。母と祖母の態度から歓迎されていないことが知れる。二人とも父の顔を知らない。写真で確認すると、戸惑いながらも嬉しさを隠せない。しかし父も母も事情を一切説明しない。三人は、翌日から二日の予定で旅に出る。二人は釣りを楽しみにしていたが、父親は行先も告げない。道中、父は横柄で、命令口調なので両者の関係は険悪となる。予定が三日間伸び、修理した舟で島に渡った。父親は隠していた何かを掘りだしたが、子供はそれを知らない。父子で諍いがあり、父親は物見の搭から墜落死した。父の遺体を舟で運んで帰ると、車の中に三人が映った写真を発見する。父親の愛情に触れたと感じたが、舟が死体と共に流された。「パパ!パパ!」初めて心から「パパ」と呼べた瞬間だったが、無常にも死体は沈没する。 奇妙な味わいの映画だ。父子の断絶を描いており、父の死という悲劇で終るが、子供にとっては、最後の最後で父の愛情を確認できたという皮肉な結果となる。この解釈では、父が掘り起こしたものは「親子の愛情」を象徴するものだ。一枚の写真を示せなかった悲劇である。その前に、イワンを追いかけた場面で、初めて父親らしい行動を見せた。だが、それは子供には通じなかったようだ。服役を終えて帰った父が、島に隠匿していた盗品を掘り出すとも解釈できる。わざわざ隔絶した島の土中に隠すのだから、こちらの解釈の方が妥当だ。家族に関するものなら念入りに隠す必要はない。お金と車を持っているので、服役ではなく、単に出奔していたのかもしれない。いずれにせよ、大切なものなら、掘り出してから帰ってくればよかったのだ。妻と母から疎まれている人物なので、死なずに戻ったとしても、喧嘩の絶えない家庭になっていただろう。 父子の断絶が平行線のまま進むので見ていて苦痛だった。宝箱の中を開けずに終った感じ。子供の行動も、レストランを探しに行って三時間も戻ってこないとか、出された食事を食べないとか、舟釣りに出て四時間も遅れて帰るとか、異常行動が目立つ。子供がもっと素直であれば、肩入れして見れたのに。父親がイワンを心配して搭を登る行動は唐突に感じた。放っておけばよいではないか。イワンが最初に「飛び降りて死んでやる」と宣言していればよかった。搭の場面は、冒頭の飛び込み台から海に飛び込む場面が伏線となっている。感心した。[DVD(字幕)] 5点(2014-09-07 07:39:37)《改行有》

609.  ミニヴァー夫人 《ネタバレ》 戦争の悲劇を題材にしているが、反戦映画ではない。戦意高揚映画の範疇に属するのだろうが、正面切って戦争を扱っているにしては手ぬるい内容だ。 題材として二本の柱がある。ミニヴァー家の息子ヴィンとベルドン家の娘キャロルの結婚と薔薇の品評会である。 二人が出会って、結婚に至る経緯、ベルドン夫人という障壁、幸福な新婚生活の様子等は端的によく描けている。 しかし、最大の悲劇であるキャロルの機銃照射による死は眠るようなものであり、ヴィンの悲嘆にくれる様子や涙は映さない。 品評会で優勝したバラード駅長の死に至っては描かれることはなく、神父の口から死んだと報告されるだけだ。 ミニヴァー夫人最大の危機である逃亡ドイツ兵との遭遇も、あっけなく相手が気絶してしまうという幕切れで、緊張感が持続しない。 どこか現実味に欠け、喜劇めいてさえいる。戦時中のことゆえ、検閲を配慮してのことだろうが、これでは伝わるものが弱い。 物語がぶつ切れになっている憾みもある。 冒頭でミニヴァー夫人の買った帽子、ミニヴァー氏の買った車が後の話に活かされていない。 家政婦と、戦争が始まったとき真っ先に出征していった彼女の恋人が、その後登場しない。 ミニヴァー氏が船を避難させる作戦に参加するが、その詳細が描かれない。 仔細だが、気になることがある。薔薇の品種の名前をつけるのに、知り合いの夫人の名前をつけるものだろうか?勘違いされそうに思うが。又、キャロルが品評会にバラードの薔薇を出品させないように、ミニヴァー夫人にバラードの説得を依頼するが、これは筋違いだろう。直接バラードに伝えれば済む話だ。ろくに話もしたことない人の家に乗り込んで、厚かましい依頼がよく出来たものだ。上流者階級とはこういうものなのだろうか。品評会に出品が二つしかないというのも張り合いが無い。 脚本に一本筋が通ってない上に、戦争の本質にまるで触れようとしない“綿で包んだような”内容では感情移入のしようがない。[DVD(字幕)] 5点(2014-09-01 22:27:21)《改行有》

610.  ローマ帝国の滅亡 《ネタバレ》 ローマ帝国の崩壊が180年即位のコンモドゥス帝から始まっているという大胆な仮説には首肯しかねる。崩壊の三百年も前の皇帝に崩壊の濫觴を求めるのは無理なのではなかろうか。 史実のように謳っているが、ローマ帝国という舞台とローマ皇帝の名前を借りただけの創作である。 未婚皇女役を豊満な中年女優が演じている点で興ざめし、まともな悲恋物語として見れない。 コンモドゥスは闘剣試合に夢中で、政治には向かない暗愚な人物とされるが、闘剣場面が一度も登場しないのでどういう人物か推測しかねる。彼の心の内に狂気が宿っていたとして、その原因を少しは示唆してほしいものだ。最終場面で、突如として名乗り出た実の父を刺殺し、平和に暮らすババリアン人を虐殺させ、妹を焚刑に処すよう命じ、大衆の面前でリヴィウスと一対一の死闘を演じる。唐突感が半端ではない。コンモドゥスという人物を理解できるように描いてもらいたい。 対するリヴィウス軍指揮官だが、辺境国に対して融和政策をし、恒久平和を実現しようする先進的人物だ。しかし、その主張を元老院にするは部下まかせで、多くの戦闘場面に登場するので、その人となりと主張と行動が一致せず、ちぐはぐな印象だ。平和を主張させるなら平和的人物として描くべきだろう。少なくとも善人顔の俳優が演じてほしい。 巨大舞台装置や大群衆場面も心動かされるものがない。“見せ方”が尋常一様で、画面が迫って来ないのだ。戦闘場面も群集が騒ぐ場面も無難な仕上がりで、そこそこの迫力が出ているが、度肝を抜く演出はない。どちらも広がりがなく、閉塞感漂う印象を受ける。鑑賞後、時間を無駄にしたとも思わないが、佳い映画を観たという実感も湧かない。どの人物にも感情移入できないのはお墨付きだ。[DVD(字幕)] 5点(2014-09-01 05:29:29)《改行有》

611.  コルドロン 《ネタバレ》 大昔、冷酷で邪悪な王が捕まり、生きたまま溶けた鉄の中に投げ込まれると、王の悪霊は固まってブラック・コンドロン(黒い大釜)となった。邪悪な人間が大釜を所有すれば不死身の軍隊を自分のものとし世界の支配者になれる。ホーンドキングは長年それを探し求めていた。キングの野望を防ぐには大釜を破壊しなけれならない。 少年ターランの飼っている子豚には予知能力があった。それを知ったキングは子豚をさらう。ターランは城に乗り込み、何とか子豚を逃がすが、自分は捕まってしまう。ターランは偶然勇士の剣を得て、知り合いになった森の住人ガーギ、エロウィー姫、老楽士、妖精らの仲間と力を合せて脱走に成功する。大釜は三人の魔女が持っていた。ターロンは勇士の剣と交換する。 しかし大釜を破壊するのは不可能で、邪悪な力を封印するには命あるものが自らの意志で大釜の中に飛び込まなければならず、飛び込んだ者は二度と外に出ることはできないことを知る。誰も飛び込む勇気のないまま、彼等はキングに捕まってしまう。 キングは大釜から死者の軍隊を呼び出した。それを見たターランは大釜に飛び込もうとするが、友達を殺させないと、ガーギが飛び込む。すると軍隊は倒れ、キングは大釜に飲み込まれた。老楽士は巧みに三人の魔女と交渉して大釜からガーギを戻させた。 各人の個性と物語とが上手くかみあっていない。臆病で友達のいなかったガーギが、友達を得、友達の代わりに犠牲となって大釜に飛び込むのは秀逸で、唯一感動できる場面だ。 騎士に憧れるターロンは勇士の剣を得るが、大した活躍もせず、剣も失ってしまう。光を操る姫はターロンとの恋愛がある程度で影が薄い。老楽士は最後の魔女との交渉のときに力を発揮するだけ。子豚は途中でいなくなる。妖精はいないのに等しい。キングはあっけなく敗北する。 設定は遼遠で、登場人物も豊か、いくらでも面白くなりそうなのに凡庸な出来栄えでおわっている。主人公の冒険も成長もほとんどなく、脇役にも魅力がない。光の玉やハープ等の品目を活かしていない。最大の問題は、死んだ者を生き返らせるということを安直に行っていること。これは禁じ手だろう。子供向けだからいいだろうという安易な考えは改めた方がよい。本当に面白いものは、大人が観ても面白いものだ。[地上波(吹替)] 5点(2014-06-05 20:47:15)《改行有》

612.  1000年女王 《ネタバレ》 千年周期で太陽系を巡る遊星ラーメタル星と地球が異常接近し、地球が壊滅するという危機を描く。舞台は関東地方限定で、国連、政府、軍隊は一切登場しない。ラ人は人類より高度な文明を持ち、何万年も前から地球に千年女王を送りこんで支配してきた。 現女王は雨森始の学校の教師と天文台の秘書を兼務、一般人として暮らしているが、密かに人類救済の箱舟を準備してきた。 ラ星の指導者ラーレラは地球移住計画を密計していた。ラ星は暗黒太陽に落ち込む宿命だからだ。 最接近したときに地球に橋を架け、地球人がラ星に避難した隙に移住する計画だ。 良心に則ってそれを阻むのが女王の妹で千年盗賊のセレン。セレンは移住計画を女王に洩らし、ラ星に反旗を翻す。人類はセレン等の戦いをみて、自ら武器を取る。旧式戦闘機、戦車、投石器、弩砲等だがなぜか有効だ。女王は純粋な心を持つ始に共鳴し、何とか人類を救おうとする。女王は関東平野を刳り貫いた巨大な箱舟を浮上させるが、攻撃を受ける。そこでかつて地球愛に目覚め、ラ星に帰還しなかった千年女王の骸に祈りを捧げると、数体が復活し、ラ星に戦いを挑む。ラーレラは超能力で女王を倒すが、女王の婚約者で戦闘司令官のファラに殺される。 人類の救済と愛を描いた壮大なSFだが、感動は薄い。女王が人類をどう支配してきたのか、接近まで半年もあるのに隕石群が襲来したりする等不明な点もあった。浅慮な設定には目をつぶるとしても、人物の動きや表情がぎこちなく、感情が伝わらない。見せ場であるはずの戦闘場面も進度が悪く、美的感覚もなく、ただまだるこい。他に単調な音楽、主人公の醜男ぶりも感情移入をそぐ一因となっている。始と女王の関係が疑似母子なのが惜しい。恋愛関係であれば、もっと受け入れられただろう。それにしてもあの箱舟は巨大すぎで、元に戻す発想に苦笑した。実際問題、あれほどの高度な科学知識があれば、他の星をテラフォーミングできただろう。ラ星人の考えが間違っているとしても、同胞を皆殺しにするような展開は暗すぎるし、後味が悪い。指導者の殺害程度で納めた方が物語としての座りがよい。話を壮大にすれば感動するというものではない。設定が複雑すぎて、過不足なく描くには明らかに尺が足りない。女王やセレンの自己犠牲を描くのであれば、もっと内面に焦点を当てるべきだ。[地上波(邦画)] 5点(2014-05-28 01:45:02)《改行有》

613.  心の旅路 《ネタバレ》 腑に落ちない点が多い映画。 第一次世界大戦中、ある戦場で砲撃を受けたショックで完全な記憶喪失となった軍人がいた場合、軍服の階級章や認識票、聞き取り調査などで、遠からず所属軍隊や氏名が知れると思う。負傷して顔が変わってしまったという事もないのだから、軍隊ならすぐに該当人物を探し出せるはずだ。まして兵ではなく、将校なのだから、照会はたやすいだろう。軍としても将校が行方不明になったら、当然調査するはずである。家族からの問い合わせもあるだろう。すぐに記憶喪失の軍人にたどり着くと思う。軍人も、新聞に写真を載せて家族探しをしてもらえばよい。次に記憶喪失。自動車事故で記憶を取り戻したが、逆に記憶喪失中の三年間の記憶を失う、というのは作り事めいている。たとえそうだとして、過去を知りたいのなら、新聞者に頼んで自分探しをすればよいではないか。妻は心配してホテルと夫の向かった新聞社に問い合わせただろう。新聞社なら写真を掲載して人探しをするだろう。最もありえないのは、妻が名前を変えて男の秘書になること。失踪した夫を発見した妻が、そんな手の込んだことをするだろうか?過去を思い出して欲しければ、名乗り出るのが一番だ。家に連れて帰れば記憶を戻す助けになるだろう。記憶が戻るまでそばで待つなんて非現実的。更に、婚約者が式直前にあっさりと身を引くのも作り事めいている。輪をかけて不自然なのは、男が秘書に結婚を申し込むこと。結婚しても女は正体を明かさない。二人で暮らしていた家がそのまま残っている。13年間も借り続けているのも不自然だ。そんな金はなかったと思う。桜の枝ぶりも13年前と全く同じで、冬なのに桜が満開というのもね。結局、おかしな行動をする人たちを延々見せられたという印象。[DVD(字幕)] 5点(2013-09-14 05:59:26)(良:2票) 《改行有》

614.  オアシス 《ネタバレ》 ジョンドゥは、軽度の知的障害を持つ社会不適応者。車でひき逃げ死亡事故を起こして、2年6ヶ月の刑期を終え、出所してきたばかり。他に暴行と強姦未遂の前科がある。実はひき逃げしたのはジョンドゥの兄だが、兄がいなくなると家計が困るので、ジョンドゥが身代わり出頭したのだった。家族の犠牲となったのに家族は冷淡で、彼の出所の出迎もしないし、引越した事も教えない。つまり、面会にも行っていないのだ。それは彼が数々の問題をひき起こし、家族から愛想尽かしされていることを物語る。コンジュは、ジョンドゥの兄の起こした交通事故で死亡した被害者の娘で、脳性まひ由来の全身痙攣がある重度身体障害者だ。兄夫婦と暮らしていが、兄夫婦は環境のよい障害者住宅に引っ越してしまい、行政の調査があるときだけ彼女を呼び寄せる。彼女の世話は謝礼をもらって隣夫婦がしているが、セックスを見せつけるなど、とても親身とはいえない。ジョンドゥの不幸は自業自得の面があるが、コンジュの不幸は底なし沼のように深い。動き回る自由はなく、絶対孤独の中に棲む。コンジュにとってジョンドゥは親の仇で、とても憎いだろう。その上、押しかけてきて、強姦されかけて失神する。普通なら憎悪と嫌悪の対象でしかない。しかし、強い見捨てられ感のあるコンジュにとって、相手が誰であれ、気にかけてくれることが生き甲斐となる程嬉しいのだ。いつしか交流が始まり、逢瀬を重ね、二人は恋仲となる。はた目には美しくなく、食堂でも拒否されてしまうが、二人はさほど気にしない。もう慣れっこだ。そんな時最悪の事件が出来する。二人が初めて結ばれている最中に発見され、強姦事件にされてしまう。二人が事実を話せば済むのだが、何故か話さない、話せない。悲劇を盛り上げるための映画的方便だ。逮捕の瞬間は劇的である。コンジェはかねて壁のオアシスを描いたタペストリーに木の影が映るのが怖いと訴えていた。ジュンドゥは警察署を脱走し、影を作っている木に登り枝を切り落とす。声の出せないコンジュはラジオの音量を高くしてこれに応える。なんと切ない愛情表現だろうか。だが冷静に考えて、カーテンをすれば影は消えると思うが。愚か者の恋、恐るべしである。結局ジョンドゥの無実は証明されず、収監の憂き目に。二人は文通するが、将来は暗い。ジョンドゥは出所しても無反省で、きっと何か不始末をしでかすであろうから。[DVD(字幕)] 5点(2013-09-13 04:34:25)

615.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 人生に絶望した盲人の退役軍人がこの世の名残りの旅行を実行。先ず実家に挨拶。その後、良い服を着て、思い出のニューヨークに飛び、良いホテルに泊まり、良い食事・良い酒を堪能し、美女と寝て、人生の結末をつけるという計画だった。しかし、盲導犬代わりに連れてきたバイトの高校生の捨て身の説得により自殺を思いとどまる。高校生は学校で問題をかかえていた。そこで盲人は御礼替わりにと、高校へ乗り込み、ひと演説ぶって高校生の窮地を救う。二人の心の交流と成長を描いたヒューマンドラマだが、感動的はしなかった。盲人は終始気難しくて、他人の悪口を言い、女好きで、手前勝手な行動ばかり。特に札束にものをいわせる態度はよろしくない。高校生は自分の意見をはっきり言えず、舌足らずで、煮え切らない。観ていて退屈だった。盲人が車を運転する場面では嫌悪感を覚えた。人を巻き添えにしたらどうするのか。盲人に運転させた高校生の責任は大きいだろう。 高校生の問題が小さいので笑ってしまう。校長の車にいたずらした生徒の名を言うか、言わないか。「顔はよく見えませんでした」「知らない生徒でした」といえば済む話。なのに校長は大袈裟に、懲戒委員会にかける。それで「(知っているが)言いません」と証言する高校生を放校処分にしようとする。これは心得違い。先ず、既に三人の名前が出ているのだから、三人を追及・譴責すべき。放送しているのだから声でわかるだろうし、放送室での目撃者もいるだろう。もし放校になっても、裁判を起こせば必ず勝てる。それくらいありえない処分。 高校生は見て見ぬふりができない人間だ。だから盲人の自殺も見逃せなかった。そこに感動があるのだが、あまりに盲人を悪く描きすぎていては、あの人なら死んでも差支えないと思われ、感動は薄い。 題名の「女性の香り」の意味だが、盲人は女性を賛美しており、女性が存在するからこと世の中は素晴らしいと考えている。だから「夢」や「生きる希望」の意味があるのだろう。 疑問点。①高校に公開懲戒委員会があるのか。②泊りがけで中年盲人の面倒を見るというバイトが高校に来るとは思えない。③盲人に反省が見られず、また同じことをしでかすと思う。④盲人役の男優は終始瞳を動かさないが、不自然で盲人にはみえなかった。[DVD(字幕)] 5点(2013-09-12 06:30:23)《改行有》

616.  踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 《ネタバレ》 一風変わった事件が発生し、所轄の下っ端刑事たちが、横柄で独善的な警視庁本庁の面々の鼻をあかして事件解決、というのがお約束の筋立て。そこにカタルシス(感情浄化)があるわけだが、本作品ではその点なおざりにされ、対立や軋轢があいまいのまま終始する。多くの人物を描くのに熱心のあまり、基本を忘れてしまったようだ。以前の作品では、青島刑事の活躍が物語の中核にあるが、驚いたことに、今回ほとんど活躍しない。鋼鉄シャッターに木製杭を打ちつけ、穴を開けようとする奇妙な行動が目立つのみ。内容は、12年前に公開された劇場版第一作の続編で、何をいまさらの感がある。脚本はチグハグが目立つ。 最も疑問に感じたのは次の部分。実行犯達は新湾岸署ビルを人質ごと封鎖し、猟奇殺人犯の日向真奈美の釈放を要求した。電源をオフにすることで新湾岸署ビルの封鎖は解かれ、実行犯が確保され、事件は解決しているのに、何故青島は目の前にいる日向を確保しないのか。一緒に旧湾岸署ビルに入って、時限爆弾が炸裂、ガラスが全て割れるも何故か二人は無傷という不思議な展開。他に目についたものを上げると。 ①釈放した囚人を理由なく射殺するという安易な決定。 ②肺がんが濃厚なエックス線画像を単なる撮影ミスでしたで片づける。 ③亡くなった和久刑事の親族を安易に登場させる。 ④拳銃の管理があんないい加減な筈がない。 ⑤銀行の金庫を開錠したが何も取らなかった。バスジャックを起こして乗客から財布を集めたが結局奪わなかった。この理由がはっきりと説明されていない。 ⑥毒ガスがフェイクであったのはわかるが、スカンクやワニを登場させるのはおちゃらけが過ぎる。[DVD(邦画)] 5点(2013-09-10 21:09:49)《改行有》

617.  海外特派員 《ネタバレ》 時は第二次世界大戦直前、米国新聞記者の特派員ジョーンズは、欧州に戦争が勃発するかを探るため、和平の鍵を握るオランダの外交官ヴァン・メアへの取材を命じられる。平和団体の指導者フィッシャーがメアの歓迎パーティを開き、そこでフィッシャーの娘キャロルと知り合う。和平会議の直前、ジョーンズの目の前でメアが暗殺される。暗殺者を追って水車にたどり着くと、そこにはメアがいた。殺されたメアは替え玉だった。真相は、ドイツのスパイ組織が条約の秘密条項を聞き出そうと、メアを誘拐したのだった。この時点で見る気がだいぶ失せた。メアそっくりさんを使ったところで、死体がメアでないのは司法解剖を待つまでもなく、家族がみればすぐに判明すること。わざわざ替え玉を作って殺す理由はない。かえって証拠を残すようなものだ。風車の向きが飛行機との暗号なんて馬鹿馬鹿しいにもほどがある。スパイ組織なのだから、ちゃんと無線を使いなさい!無理に面白くするための不用意な作為が見える。その後ジョーンズはキャロルと婚約し、キャロルの父のフィッシャーが黒幕と分かるという安っぽい三流サスペンスの道をまっしぐら。ヒッチコックらしく丁寧で上品な作りで、おしゃれな会話やユーモアに溢れているが、脚本が悪いとどうにもならない。恋愛は無理やり、監禁されているメアが居場所がすぐにわかったり、捕まっても拘束されなかったり、目撃証人がいるのに警察がフィッシャーを捕まえなかったり、フィッシャーが逃亡する飛行機に簡単に同乗できたりと非常に甘い。特に監禁部屋からの「人形落ち」にはがっかりさせられた。あれぐらいのアクションができないものか。キートンを見習ってほしい。結局メアが秘密をしゃべり、戦争が勃発。すべての努力は水泡に帰す。その後もおまけがあって、飛行機が勘違いでドイツ軍艦に砲撃されてしまう。砲弾が壁を貫き乗客に当たるが減圧しないというリアリズムのなさ。海に不時着するとフィッシャーが自己犠牲で海に飛び込み、都合よく米国戦艦に救助される。緊張感や真実味はみじんも感じられない。[DVD(字幕)] 5点(2012-12-22 13:34:58)

618.  キー・ラーゴ 《ネタバレ》 これといった見所もなく、淡々と過ぎて、最後に不満の残る映画だ。舞台装置は面白い。南国フロリダの小さな島の小さなホテルに、脱獄した二人のインディアン、退役軍人フランク、戦争未亡人、ギャング一味、ボスの女、副保安官と役者が揃ったところで嵐が襲来し、密室劇となる。最も不満なのはボスに凄みがないところ。コメディアンめいた顔で、よくしゃべる。身を隠していたはずなのに、自分の正体を積極的にばらしてしまうし、偽札の取引現場も筒抜け。髭が生えてないのに髭を剃らせたりする。部下もほんわかしたムード。人質を拘束せず自由にさせているので、生か死か、という緊張感がない。隙がありすぎるのだ。嵐の中、敢えて取引を急ぐ理由が説明されないので違和感で一杯。一度の取引なのに、一週間もホテルを借り切る理由は何だろう。それもアル中の女を連れてくるとは。フランクは「私の人生は考えることとやることがいつも逆なんだ。理性が負ける」などと気取っているが、結局はギャング五人を容赦なく殺してしまう。それもボスの女がボスから盗み取った拳銃を渡してくれたおかげだ。英雄的な行為にはみえない。ボスが副保安官を射殺したが、これは副保安官から仕掛けたからだ。二人のインディアンは無実の罪で保安官に射殺される。なんとも後味が悪い。フランクに言いたいことは、戦死した部下の遺族の経営するホテルを訪れるのなら、あらかじめ電話しろということ。元少佐なら、それくらいの常識は持ち合わせていてしかるべき。ちなみに撃たれた副保安官が階下へ落ちる場面が省略されていて残念である。嵐の場面では、しなるヤシの木にピアノ線がみえて萎えた。戦争未亡人も「火の玉」になりきれずに終了。[DVD(字幕)] 5点(2012-12-11 02:52:36)

619.  ネバダ・スミス 《ネタバレ》 惨殺された両親の復讐に執念を燃やす若者が、その途次に彼を気遣ってくれる大人たちとの交流を通じて成長していき、最後には復讐や殺人の虚しさを悟るという物語。 混血にも16才にも見えない役者が主人公を演じるのには目をつぶるが、首をかしげたくなる場面が多いので高評価はできない。 冒頭、悪漢三人がマックスと会話するが、悪漢の一人が不用意に本名を名乗ってしまう。そして家を訊いたあと、何故か、マックスの馬を脅かして追い払うようなことをする。不審がられて当然の行為。マックスもすぐ家に帰ればよいものを、随分と遅れて帰宅。両親の遺体を埋葬せず、家ごと焼却するという暴挙にでる。三人はマックスの父の馬を奪っているのだから、4匹の馬の足跡を追えばよいはずだが、3匹の馬の足跡を追い、人違いをしたあげくに馬と銃を奪われる始末。未熟さゆえんである。ようやく悪漢の一人目を探したとき「首に切り傷がある」というが、画面で首のアップがなかったので観客にはわからない。銃を持っているのに、最後は何故かナイフ対決となり、刺殺して終了。悪漢の妻からも感謝される。二人目は刑務所の中にいると判明。わざと銀行強盗で捕まり、同じ刑務所へ。悪漢が脱獄に失敗して半死状態になっているのをわざわざ助けて、後に共に脱獄し、射殺するという手の込んだことをする。このとき脱獄に利用した女を見殺しにしてしまう。三人目を見つけたが、油断させるため一旦仲間に入る。馬車を襲って金塊を強奪する計画で、いざというときには裏切ると予想していたら、全員見殺になるまで見守ってから行動開始。悪漢の手足に三発命中させ、「殺す価値もない」と立ち去る。この人、あまり成長していない。子供の手本になるような行動はしない。やることは無法者と変わらない。銃を教えてもらったり、読み書きを学んだり、女性から慕われたり、親父に助けられキリスト教を知ったりと盛りだくさんの挿話があるのに生かされていない。復讐のために払った犠牲の大きさが見えてこない。マックス・サンドがお尋ね者となり、本名を隠してネバダ・スミスと名乗るようになる。それが映画タイトルだが、その意図はよくわかりません。[DVD(字幕)] 5点(2012-12-09 23:22:43)《改行有》

620.  破れ太鼓 《ネタバレ》 前近代的な家父長制度の残滓のような父親が主人公。家でも会社でも高慢不遜な態度は変わらない。根は悪人ではないが、苦労性のせいで自分の価値観を家族に押し付け、暴力を振るい、意のままに操ろうとするので、家族の不満は爆発寸前である。ひと波乱起きて、ばらばらとなった家族が再生していく物語。極めて記号的な人物描写のオンパレードで退屈だ。理想的な大団円はリアリティに欠け、軽佻浮薄な印象はぬぐえない。主人の傲慢さに耐え切れずに三ヶ月で辞めた女中が戻ってくることでも証明される。コメディとしてみても、笑える場面はわずかだ。宇野重吉が恋人役というのが一番笑えた。へたな歌を何度も聞かされて、気分がめいった。 会社の資金融資が目的で、お金持ちと結婚させられそうになった長女は、婚約破棄して、貧しい画家と恋人関係になる 父親の会社で、自分に合っていない仕事をさせられている長男は、知人との共同出資による新事業を始め、成功する。 忍耐強く夫に仕え、耐え続けてきた妻は、家を出て長男の仕事を手伝う。 父親は、資金繰りが悪化した会社が倒産し、隠退を決め込むが、苦労続きだった自らの半生を思い起こし、憤りを感じる。 長男の新事業が軌道に乗ったおかげで家族が再生されるが、事業資金は母親が出したものであり、本当の意味で長男は自立していない。長女が結婚を断ったのが原因で会社が倒産し、長男の新事業がうまくいったので父親ががそこの顧問に収まるなど、展開が短絡すぎる。あれだけ傲慢で頑迷だった父親が、すぐに悔悟、改心するわけがない。長女と妻に成長はあったが、残りの3家族は最後までどっちつかずだ。 [DVD(邦画)] 5点(2012-11-24 00:09:56)《改行有》

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