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641.  ターミネーター:ニュー・フェイト 《ネタバレ》 ~Dark Fate~暗黒の宿命。何故か日本ではニューフェイト(新たな宿命)になってた。順番で言えばターミネーター6にあたる作品。 制作にキャメロンが入ったってことで、期待感が高まった。 冒頭、サラ・コナー若くないか?…そしてあれは、ジョンじゃないか!エドワード・ファーロング演じる、私たちのジョン・コナーじゃないかっ!! もうね、冒頭5分、28年ぶりに本物のジョンを観られただけで1800円払った価値があったね。 ジョンが殺されたことはショックだったけど、完璧なものの続きを作るっていうのは、こういう、観る側にも痛みを伴う事なのかもしれない。 かつてエイリアン3で、キャメロンは自分が作った(私たちが)愛すべきキャラクターを3人も殺された。自分が残した希望を、別な監督に抹殺された。 他人の手によりこねくり回され、無職の空き巣や、砂鉄のラスボスにされた不遇な英雄ジョン・コナーを、本作では生みの親の手によって美しい姿のままで殺した。『どうして2で終わってくれなかったんだ?』と言わんばかりに。 劇中サラが「ジョンの写真1枚持っていない」って、新作の度に顔が変わるジョンに対するキャメロンの皮肉に思えた。Dark Fate=暗黒の宿命か… 3を彷彿とさせる骨格とリキッドメタルの敵ターミネーター。半分人で半分機械、サルベーションのマーカスを思わせるグレース。ジェニシスから加わった年とともに老ける設定のT-800。本作では過去の失敗を全否定するのではなく、過去の良いところを上手く取り入れて昇華していると思う。 新たなジョン・コナー≒ダニー。新たなスカイネット≒リージョン。次に続きそうだけど絶対次はないだろう。 輸送機でのアクションとか凄いんだけど、何が起きてるかよく解らないのが今風。可能なら市街地カーチェイスとか、年寄りにもわかるベタなアクションにしてほしかったかな。 リンダ・ハミルトンって、ターミネーター以外に大きな当たり役がないし、出演本数も多くはないんだけど、本当にすごい女優だ。あの年齢であの筋肉、あの風格。1本のシリーズで全部出しきってる、大女優。 しかし、シュワもリンダも歳をとったなぁ。 劇場で、シュワたち一行が山小屋を出る辺りから、ポツポツと席を立つ人が…映画が詰まらない訳じゃない、トイレが我慢できないんだ。 私たちファンも、歳をとったなぁ…[映画館(字幕)] 8点(2021-08-06 00:53:59)《改行有》

642.  ターミネーター4 《ネタバレ》 ~Salvation~救済(救済者)。洋題には4は付かない。 これは“ターミネーター4”と呼ぶよりは“ターミネーター・サルベーション”。 シリーズ前作で興行的&満足度的にヤラカシてしまったことを救済する意味と、登場人物を救済する者という二つの意味がありそうだ。 そしてこの作品は3の続きとしてより1の前日譚として観ると、割としっくり来た。 作中T-800が新兵器として開発されているのと、ジョンが頻繁にサラのテープレコーダーを聴いてヒントを探している辺り、サルベーションは、1さえ観ていれば(2を観ないでも)楽しめる作りになっている。 そもそもジョン・コナー役、フニャっと弱々しいニック・スタール(3)と、キリッとたくましいクリスチャン・ベール(本作)では、容姿が違いすぎるしね。 軽火器で応戦するイメージだった抵抗軍が、A-10や潜水艦を運用してたりと、かなり強力な組織なのに違和感を感じるけど…まだジョンは抵抗軍のリーダーじゃないから、初期の頃はこんな充実してたんだなぁって、思おう。 様々なターミネーター達と抵抗軍の戦いは、未来の戦争映画として迫力があり、ジョンがヘリで飛び立ってから墜落するまでの1カット風撮影とか、かなり見応えがあった。 T-800の起動は驚いた。出てくるとは思わなかったから、なんか嬉しかった。1の最初の髪型だったのも、おぉっ!て。 サルベーションは三部作だったらしいので、きっとカイルが過去に行くまでくらいの10年間を描く予定だったんだろう。スターの今後とかジョンとケイトの子とか、色々ネタはあったんだろうな。観たかった気もするけど、この1作だけでも充分かも。 タイトル話に戻るけど、まだ子供のカイルをジョンが救い、心臓にダメージを受けたジョンをマーカスが救い、マーカス自身は人生をやり直すことで過去の過ちから救われる。そんな救済者たちの物語としても成立している。[映画館(字幕)] 6点(2021-08-05 22:30:04)《改行有》

643.  ターミネーター3 《ネタバレ》 ~Rise of the Machines~マシーンの台頭。 あの完璧な満足度を与えてくれた名作の続編に、更に続編を作るのか。 どう考えても誰かが全力で止めるべきだろう。あの物語の続きを、誰が観たいと思ったんだろう。 ネットのおかげで、眉をひそめたくなる裏話、大人の事情がたくさん目に付く。知れば知るほど存在意義がわからない作品だ。 この作品の影響で、ターミネーター・シリーズは“別なアプローチの作品”や“パラレル・ワールド”“仕切り直し”“2の正当な続編”なんてものが作られ、ファンを困らせることになった。 改良型ターミネーターT-850。お笑い要素の増えてしまった登場に不安になったが、シュワちゃんから感じる安定感は流石。このT-850が未来のジョンを殺したって設定は上手だと思った。 純粋な液体金属T-1000が敵として完璧だったために、今回のT-X(骨格を液体金属でコーティング)は、前より退化してしまったように感じる。 しかもベースが女の子だから強敵感が薄く、無言でシュワと戦うさまは、まるで兄妹喧嘩。「お兄ちゃん!いい加減にしないと、怒るよ!」つい応援したくなってしまうほどだった。 多くの方のご指摘の通り、この作品最大の敗因は、ニック・スタールをジョン・コナーにしたことだろう。エドワード・ファーロングを出せない事情があったにせよ、ニックは私たちの好きなジョン・コナーじゃなかった。 3のジョンは世界を救うカリスマではなく、コソコソと日陰に生きる無職の空き巣…落ちぶれルートのストーリーで行くなら、ジョン役は本人エドワードを出さないと収まりが着かなかったと思う。顔も似てない、繊細な美しさもないニックが、只々可哀想過ぎる。 たまたま盗みに入った動物病院がかつての同級生ケイトの持ち物で、ケイトはT-Xのターゲットでジョンの未来の妻。ケイトの父親はスカイネット開発の最高責任者…狭すぎる世界観とご都合主義。 避けられない核戦争。審判の日を回避して、それこそ未来を変えて、安心して死んでいったサラが浮かばれない。 2の頃は珍しかったCG技術も向上し、滑らかで見応えのある映像は増えた。ターミネーターのダメージ表現は凄かったし、CGばかりに頼らないクレーン車のアクションも凄いなって思った。けど… こんなの、二度と見るまい。…と思っていたけど、久しぶりに見るとそこそこ面白かった。DVDの特典映像、キャンディ軍曹は新鮮。[映画館(字幕)] 4点(2021-08-04 18:08:39)《改行有》

644.  ターミネーター2 《ネタバレ》 ~JUDGMENT DAY~最後の審判の日。 一番好きな映画の続編という事で、2が公開されると知って、期待と不安の両方があったな。 期待出来たのは、引き続きキャメロン監督。更に、あのエイリアン2の監督だから、続編創りは上手いだろう。という一点。そんな期待以上に前作で『主人公が死に、サイボーグを倒したサラが、人類滅亡の嵐に向かって行く』という完璧な終わり方をしたので、続編は必要無いと考えていた。 それとキャメロンの前作『アビス』が、良い映画だけど自分的には満点の出来ではなかったので、T2も合格点、まずまずの出来で終わるんじゃないかなぁ?という不安があった。 『どんな出来でも、私が一番好きな映画を作った監督の作品。応援しなければ!』という変なテンションで、事前情報は極力入れずに向かった映画館。今は無き東宝日劇で初日に観賞… あのドン臭い女子大生のサラが、強い意志と引き締まった身体、感情むき出しの表情で登場してビックリ。この作品に賭けるリンダの気迫を感じた。サイバーダイン社でSWATから逃げる時、天井に銃を連射する姿勢の格好良さ。物陰に飛び込んだ時、足で棚を蹴る受け身の取り方。役者さんというより訓練を受けた傭兵のように美しかった。 実年齢より大人びた不良少年のジョン。だけどどこか繊細で、守ってあげたい感が母性をくすぐる。笑顔の裏に影を感じるところがカイルの子って感じで、他に考えられないくらい、ジョン・コナー少年だった。 そしてまさかターミネーターが味方になるとは。これで驚けたのも、事前情報を入れてなかった功績。テーマソングのガンズ・アンド・ローゼズに掛けたであろう、薔薇を踏み潰しての登場、華麗なウィンチェスターのスピンコック…未来の殺人サイボーグが旧式として登場し、自分より高性能な新型と戦う展開は熱いアツい。 T-1000の非常識な性能と、足止め程度に銃が効く絶妙なバランス。倒し方が解らない絶望感…よくこんな敵を思い付くものだわ。 鉄格子を抜けて拳銃がカツン。道路転げてバールの腕がカランカラン!極め付けは至近距離からマシンガンで蜂の巣!そう、こういうのが観たかった! 少年とサイボーグの交流。人を殺さないターミネーター。前作と違いちょっぴりコメディ要素が入る。メキシコでふと『これ、あのターミネーターの続編なんだよな?』って我に返りかけた瞬間、サラの真面目なナレーション『ジョンと遊ぶサイボーグ…』私の心が読めるのか!?ってビックリしたわ。見事にハードな世界観に引き戻された。 映画史に残る別れ。炎に包まれるサムズアップ。観たいものをしっかり観せてくれた映画。続編の最高傑作。 後に雑誌で見たけど、どこかの劇場ではエンドロールで拍手が起きたそうな。その場にいた人羨ましい。あぁ私もあの日あの時、拍手すれば良かったな… ~『ターミネーター2/特別編』にちょっとつづく~[映画館(字幕)] 10点(2021-08-04 01:42:37)《改行有》

645.  ターミネーター2/特別編 《ネタバレ》 ~『ターミネーター2』のつづき~…続きってほどでもなく、単なる追加。 T2はLD発売当初に買ったけど、2年ほど前に買ったDVDが特別編で…ありゃりゃ、初めて観たかも?追加シーンの幾つかは知ってたのに、観た印象がない。これだけ大好きで数十回は観た映画なのに、私の中で公開版のアレで完璧だったから、何も足したり引いたりする必要性を感じなかったんだな。だから、たぶん今まで特別編を観てなかったんだわ。 印象的な追加映像…サラが毎日見る審判の日の夢。カイルが出てきたのは嬉しいけど、これを毎日なんて、まさに悪夢ではないか。未来の公園で子供と遊ぶサラは、良い歳なのにまだバーガー屋の制服を着てる。逆に言えば、そんな夢のない未来しか描けないほど、当時のサラの精神はボロボロだったんだろう。食事中ジョンに話しかけられても放心状態だったり、ダイソンに突然出産と兵器開発の違いを語ってジョンに咎められるとか、結構病んでるのがわかる。 リッチなダイソン家…まぁ、そこを掘り下げてもだから、カットもわかる。 T-800のチップ破壊未遂…特撮技術は凄い。これをカットするキャメロン監督の思い切りの良さも凄い。 T-800の笑顔…これは面白かったけど、公開時に入れていたら、コメディの印象が強くなりすぎたかも? 壊れていくT-1000…最初パトロール警官で登場したT-1000は、中盤からヘルメットとサングラスの白バイ警官に擬態。最後の工場では上半身はパトロール警官、下半身は白バイ警官になってた。受けたダメージの影響で、パーツが欠損していくんだろうか? ここまでは公開版も一緒だけど、特別編では手足が地面や柵と同化してしまう“エラー”が再現されていた。これらのシーンは弱点の無さそうなT-1000も弱ってきてる印象を与えるのと、サラが2人になった時、足のエラーで偽物を見分けたりと、公開版に入っていても面白かったかも? 上映時間がちょっと長くなったけど、面白さは遜色ない。だけど特別編を観たら、わざわざ公開版を見る必要性がなくなる気がするから、初見はぜひ公開版を。2度目以降は特別編での鑑賞がオススメ…って、こんなネタバレ・レビューで書いても意味ないか。 特別編とは関係ないけど、1のサイバーパンクな音楽に比べ、2の音楽は重々しい。なのに最後、ガンズンのハードロックが流れる。好きなバンドだけど、映画の世界観にはいまいち馴染めてない感じがして、そこだけちょっと引っ掛かってて、LDで観てた頃は歌の前に再生止めてたわ。今では歌も含めて好きだけどね。[DVD(字幕)] 10点(2021-08-04 01:35:58)《改行有》

646.  ターミネーター 《ネタバレ》 ~The Terminator~信号回路の終端抵抗。無機質でカッコいいネーミングだ。 レンタルビデオ屋に並ぶシュワルツェネッガーのポスターたち。コマンドー、ゴリラ、近くプレデターってのもやるらしい。そして人気急上昇の彼を、一躍ヒーローに押し上げた作品こそ、このターミネーターだ。 …という認識だったが、詳しい友人の話を聞くと、このターミネーターは悪者ロボットらしい。そして主人公は別の人で、シュワと戦って死んでしまうそうな…なんかイメージと違う。 初見は日曜洋画劇場だったと思う。そんなにお金の掛かっていない映画なんだけど、とにかく衝撃だった。 主人公カイル・リース。未来からただ1人、援軍も武器もなく、無敵のサイボーグから1人の女性を守るためだけに、身一つで過去に来た男。どこか影があり、疲れ切った表情を見せつつも、絶対不利な状況でも諦めずに戦うカイルは、今までのヒーローとは違う魅力を見せてくれた。 当初はシュワの活躍に期待していたが、物語が進むうちに、カイルとサラの逃避行が成功するように、祈るような気持ちで観てしまった。皮膚が破損し、焼かれ、骨だけになっても襲ってくるターミネーター。最後自分の身を呈してサラを守るカイル。自己犠牲。こんな悲しい結末ってあるだろうか?スカッとするSFアクションを観るつもりだったのに、私には最高に悲しい恋愛映画に映った。 同姓同名殺人事件に巻き込まれ、友達まで殺され、一方的な被害者だったサラ。当然ながらカイルの突飛な話は信じられない。一番安全なハズの警察署さえ襲う殺人鬼から自分を守ってくれるカイル。信頼関係と愛情の芽生え。終盤ボロボロになったカイルを鼓舞、最後は自らターミネーターにとどめを刺す。最初ドン臭い普通の女子大生で、守られるだけの存在だったサラが、最後は銃を手に嵐が来る未来へと旅立つ。こんな絶望的な結末ってあるだろうか? …余談だけど最後サラが南米に行ったのは、唯一生き残った(ハズの)家族、イグアナのパグちゃんを安全に逃がすためだろうと推測。 ノストラダムス、マッドマックス、北斗の拳…当時小学生だった私たちにとって、数年後の世紀末に核戦争とかで地球が滅びるのは当然の出来事で、避けられない確実な未来だった(半分本当にそう思ってた)。 核戦争が起きるキッカケは諸説あったけど、米ソの対立ではなく、コンピューターが人類に対し戦争を始めるという、ターミネーターの設定はリアリティーがあった。2029年にもなれば、人間そっくりなサイボーグはもちろん、タイムマシンの一つも出来て当然だろう。って。 カイルは死に、世界は近い未来滅びる事は変えられない。だけど小さな希望(ジョン・コナー)は守りきった。 悲しい結末なのに何度も見直してしまうこの作品の魅力。何十回、何百回と観ているうちに、そのうちカイルが生還する結末(タイムパラドックスだ)にならないかな?って、気持ちで観てたこともあったな。 いつまでも大好きな映画。[地上波(吹替)] 10点(2021-07-31 23:50:43)(良:1票) 《改行有》

647.  バタリアン 《ネタバレ》 ~The Return of the Living Dead~生ける屍の再来。バタリアン=大群って邦題も見事。 でもオバンバとかタールマンとかは、今思うと蛇足。頑張ったんだろうけど… 『この映画は真実だけを書いている。そのため人物や団体も全て実名である』「ゾンビの夜って映画知ってるか?アレ本当にあったんだ」なんて、子供だったらアッサリ騙されそうな文言で始まるホラーコメディだけど、当時子供だった私はすっかり騙されたわけだ。 公開時、人気急上昇のシュワちゃんコマンドーとの同時上映で、なんとも豪華な二本立ての新聞広告を見たのを覚えている。 その一年後に金曜ロードショーで放送され、当時の同級生はほとんど観てたんじゃないかな。次の日盛り上がったことと言ったら…タールマンのモノマネするバカ多数。オバンバの声真似するバカも多数。ハーゲンタフ…地元にはハーゲンダッツがないから意味解らない奴多数。ノーカット・ノーモザイクのトラッシュの全裸踊りに度肝を抜かれたもの多数…あぁ楽しかった。 でも観てる間は怖かったな。救急隊員が多数のゾンビに襲われるとことか、オバンバの背骨がゴツゴツ動いて、透明な髄液みたいなのが滴ってるリアルさ。手足のないゾンビが走るの、障害のある役者さんだろうけど、細かく動いてビックリした。 この映画も夏の風物詩として毎年見ているけど、当時も今も楽しく観ている。 フランクの顔芸とジョークの上手さ。社長と葬儀屋の憎めないキャラ。オッサン3人がとても上手い。ゾンビを焼くよう頼まれるシーンで、アーニーが破れたズボンの裾をハサミで切るシーンの間がいい。 死後硬直の前フリのも後に活きるし、アーニーの葬儀社が“復活の家”葬儀社というのも面白い。 建物内に釘や板がたくさんあって、ゾンビから隠れるには最適の家。 フランクが脳みそを食いたい欲望に勝って、妻(指輪)に別れを告げて、自分で焼却炉に入る場面は悲しすぎる。単なるコメディでは片付けちゃいけない、ホラー映画の名シーンじゃないだろうか。 しゃべる。走る。道具も使う新しいゾンビ。これはこれで、ロメロゾンビと違うくて、逃げられなくて怖い。 結末も怖かった。ミサイル(CGっぽいけど、年代からアニメーションだろうか?)が火災を起こし、酸性雨と混ざってゾンビを増やす原因になるなんて、ホラー映画として見事なオチ。 今回気がついたんだけど、ドラム缶の煙を吸ったバートとフランク、トラッシュはゾンビになった。けどゾンビに頭を噛まれたスーサイドとスクーズはゾンビになってない。あと救急隊員も。この世界では脳みそを食われるとゾンビにはならないっぽい。[地上波(吹替)] 8点(2021-07-28 01:56:22)《改行有》

648.  ピンポン 《ネタバレ》 もう何回観たか解らないくらい。 だけど漫画もアニメもまだ観てない。きっと面白いんだろうな。でも、大好きな映画の印象を変えたくないんだよな… 毎年、暑い夏の金曜日の夜中に観る映画。私の中では花火大会やお盆の帰省なんかと同じように夏の風物詩の一つになってる。 卓球にそれぞれの自分の思いをぶつける高校生たちを観ていると、高校当時運動部でもなかったくせに、私も何かを頑張ろうと、熱くなれるのだ。 主要メンバーが生涯ベストと言っても良いくらいの演技を見せてくれる。窪塚には不釣り合いと思えるペコのオカッパ頭が妙にハマっていたし、ARATAは内向的で繊細なスマイルというキャラクターのイメージそのまま。 中村獅童の坊主&眉なしドラゴンは恐ろしいくらい威圧感と迫力があった。チャイナの相手を見下した演技と、負けそうなときの焦燥感の落差。 内股の小泉先生とガニ股のおばばの対比も良い。 アクマはペコと話す時、海王の先輩と話す時、退学後の本来の自分。努力したけど実らなかった凡人の表現がとても良く出来ていたと思う。 今年はスマイル中心に観てみた。ポンポコピーが孔に飛ばされたことを気遣う優しさがあるのに、アクマにはズバッと才能がないと言い放つ。 ペコに「なんか疲れる。卓球も人間関係も」なんて本音を言っていたスマイル。最後、一番不似合いな外回りの営業マンになったのか?(※教師なん?) ルービック・キューブを常に弄ってたけど、最後の試合前に6面完成したみたいだ。あれだけ弄くり倒してたのに、6面完成したら興味がなくなって、階段に置いていくのがスマイルという人物なんだろう。だからあれだけの才能があっても、卓球を続けなかったんだな。 スマイルがひたすら走るシーンが好き。夜になって知らない街でふと我に返るシーン。 復活したペコがタムラでひたすら汗だくになって玉を返すシーン。風間が1人ゴム縄でトレーニングするシーンも好き。 シーンにマッチした選曲も素晴らしい。映画で高揚したテンションを維持しつつ、サントラ聞きながら今年もダイエット頑張るぞってなれる。[映画館(邦画)] 9点(2021-07-28 00:11:56)《改行有》

649.  アメリカン・グラフィティ 《ネタバレ》 ~American Graffiti~アメリカの落書き。 舞台となる'62年、ルーカスは18歳で主人公たちと同じ年齢だった。当時の自分たちがどれだけ行き当りばったりで、輝かしくも前向きに、その場その時を大事に生きてきたことか。 いつまでも続く終わらない夜。異性と車のことで頭がいっぱいの若者たち。愛だのキッスだのいちいち甘ったるい歌詞のオールディーズ。ピカピカしたメッキグリル、丸みを帯びたボディのセクシーなアメ車。 単に懐古主義ではなく、未完成だけど当時のアレくらいが正解だったんじゃないだろうか?というアンサーと言うか、ハッキリと何が良い?とも言えない、まさに“落書き”と呼ぶに相応しい、素晴らしい青春映画だと思う。 精一杯背伸びしたキャロルの話題。夜中の中古車屋のセールスマンの大きな椅子。モテモテのウルフ先生とタバコ。デビーのクリクリした目。23:45の酒屋。湖の鈴虫の音色。壊れた冷蔵庫に溶けかけのアイスキャンディ。5時前のウルフマンのラジオ… そして最後に現実に引き戻される青空に浮かぶ写真とテロップ。最後の曲は'64年のオール・サマー・ロング。キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争と、暗い時代に突入していくアメリカの最後の輝かしい日々。まだまだ行く末が見えない'73年に作られた映画。 毎年夏になると観る映画の一つ。この時代(産まれてないけど)、この年代の情熱と行動力が詰まったこの映画が、夏の暑さに負けそうな私に、一度きりの夜を楽しむ活力を与えてくれるのさっ[ビデオ(字幕)] 10点(2021-07-27 22:38:25)《改行有》

650.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 ~Cloverfield~地名をモトにした映像記録の暗号名。シロツメクサ原野とか。 ジャンパーか何かを観に劇場に行き、入り口の注意書きを見て興味が湧いてしまい、予定を変更して観たのがこの映画。 【全く新しいアトラクション・タイプの映画です云々・・・】これは気になるでしょ観たくなるでしょー。 一番大きなスクリーン。ズゥンン!!!と大音響で震える館内。ワクワクして心拍数上がりまくりの中繰り広げられる若者のラブラブホームビデオ…あれ?セレブな若者のホームパーティが延々と映され、勝手にやってろと正直飽きてきた頃に・・・ 突然の揺れ、建物のヤバい音。屋上から見える遠くの火災。上空から降りかかる火球。ここからがまさにジェットコースター。ゴロリと転がる自由の女神の首。それを写メする人々。避難した商店から外に出ると廃墟になってる街。避難する人々。電気屋を襲う暴徒。街なかで発砲する軍隊。戦車までいる。 途中映像酔いに絶えられなくて、2組4人が脱落した。 同僚の甥っ子(小学生)もお婆ちゃんと見にいって、マリーナの最後のシーンで脱落したと後から聞いた。 何の説明もなく怪獣が暴れる足もとに放り出される感覚。ロブやハッドと逃げながら(何故か)ベスを助けに行く流れ。あくまで記録映像として始まり、記録映像として終わる内容。 あぁこれ、怪獣映画だったんだ。 エンドロールに流れるゴジラ映画のオマージュと言える重厚なテーマソングで、これ以上無い“体験してしまった”感に満たされた。 マリーナは助かってほしかったな。怪我をした後に初めて見せる笑顔、死の直前の蒼白の顔の美しさが印象的。 この映画は何の予備知識もなく観ることで、最大限に楽しめる作品の一つだと思う。 基本この手の映画は、一度観たら満足して再試聴は遠のくんだけど、私は大好きで、いまでも毎年、夏になると観たくなる映画。 一度観ただけでは単なる垂れ流し(風)映像に思うかもしれないけど、ちゃんと細かくカットされている。 例えば最初のアパート(あんなセレブ向け高層タワーマンションがアパートだと??)のシーン、ロブがベスの写真立てを撮るシーンや、火球が迫るロブのマンションから逃げるシーンとかでも細かくカットが入ってる。 後々、東日本大震災のニュース映像で、人が死ぬ瞬間や、撮りっぱなしの映像に遺体が映らないとかの“放送上の編集”を見て、この映像も同じ様な編集がされたんだろうなって思ったりした。 バッテリー問題、不死身のベス説、トラビスはどこにいった?。主人公たちに優しい軍隊。いろいろアラは多いけど、これはアトラクションなんだと思えば許せてしまう。 よくブレア・ウィッチ・プロジェクトと比較されると聞くけど、比較する必要も意味もない、怪獣映画の完成形だと思う。[映画館(字幕)] 9点(2021-07-17 16:24:28)《改行有》

651.  トッツィー 《ネタバレ》 ~Tootsie~(大人の女性に対し)お嬢ちゃん。くだけた言い方だけど、言い換えると女性を見下した言い方。 小さい頃、何故かこの映画を気に入っていたようで、ゴールデン洋画劇場で放送される度に観ていた記憶がある。ウィキによると初回'87ってなってるけど、もっと前に放送してなかったっけ? 当時の私には、ブッシュマンやキャノンボールと同類のコメディ映画に記憶分類されているから、不思議だ。 「トッツィーがんばれー!(役名はトッツィーではないけど、そう思ってた)」院長先生とかに迫られ、ダスティン・ホフマンが甲高い裏声でワタワタしてるだけで、当時の私には充分可笑しかったようだ。 マイケルはいわゆるオカマではなく、ノーマルな男。でも一緒には仕事をしたくないタイプの使いにくい男だ。彼は女装をして、ドロシーを演じて“待望の仕事”を手に入れる。役名エミリーを演じる女優ドロシーを演じる俳優マイケル。これはこれで、アタマが混乱しそうになる。でもここまでの演技ができるなら、最初から『扱い易い男優』の演技をしていれば、仕事もあったろうに。 ジュリーが未婚の母で、半分仕事のためにディレクターと付き合ってるとか、生々しくも当時の女性の社会進出の大変さを表していた。 サンディもなかなかオーディションに受からずだけど、そこをマイケルがすんなり合格し、認められて、社会現象になるのは、当時は“ディレクターに気に入られる女性より、ハッキリとモノを言える女性を出していこう”という意味だろうと思う。だけど本当の意味で男女の性差が無くなったら、女性であっても使いやすい人が重宝されるだろうことは、この問題の難しいところ。 ドラマの生放送パートでカミングアウトするところはスッキリして良い終わり方。だけど病院ドラマのその後とかちょっと気になる。きっとマイケルはドラマを降板させられたから、次の回で上手に軌道修正したんだろうな。そもそも当時はまだドラマをビデオで繰り返し観るような時代でもないから。 改めて観ると、マイケルとジュリーが幸せに向かうのは良いとして、ドロシーに本気で恋をしたレス、半分使い捨て扱いなサンディが可哀そうに思えた。[地上波(吹替)] 6点(2021-07-17 12:08:55)《改行有》

652.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 スタンドバイミーをグーニーズで味付けしたような“少年少女のひと夏の冒険もの”としてよく出来ている。 いじめられっ子達が何となく集まって、それはそれで楽しそうに夏休みを過ごす。下水道に入っていくのも冒険だけど、薬局から万引するのも冒険だ。湖の場面は特に良かった。あの高さから飛び込む勇気ないわ…目の前に下着姿の女の子が寝てたら、見るよなぁ。少年少女の夏だなぁ。 いじめっ子がナイフで傷付けるのは、ちょっとシャレにならないレベルだけど、そのやり過ぎ感があったために、マイクを助けるのにみんなで石で撃退する時はカタルシスがあった。 いきなりジョージーの腕を食い千切るとか、マイクの観る火事で扉が開かない悪夢とか、うわっ…て思えて期待感が高まった。 ペニーワイズやその他の怪現象は、凄いんだけど、怖いかと言われると…美麗なCGのせいかもしれないけど、生っぽさと言うか、自分もその場に居る。怖い。逃げたい!というライブ感が感じられなかった。 何というか、少年達に起きた怪奇現象を、安全な場所で、モニター越しに観ている感じが付きまとってしまった。つまり映画に入り込めなかったのか。歪んだ人物画が動いたら怖いだろうなって思うけど、CG映像で見ると怖さ半減。ペニーワイズが巨大化したり、大口を開けるシーンなど、映画に入り込めていたら、目を背けたくなるシーンだと思うけど、むしろ『へぇ~、口の奥の方こうなってるんだ…』みたく、恐怖の体験者ではなく視聴者(≒安全にじっくり観察する立場)に引き戻される。映画館の大画面で観ていたら違ったかもしれないけど… ビルとベンの間で揺れ動くベバリー。リッチーの下ネタジョーク。エディとママの関係。こっちのドラマパートを延々と観ていたかった。[DVD(字幕)] 6点(2021-07-17 11:14:01)《改行有》

653.  間違えられた男 《ネタバレ》 ~The Wrong Man~邦題そのまま。 連行されてから刑務所に入れられるまで、ほとんど流れ作業で抵抗の余地がないのが怖い。そもそも誤認逮捕だから、弁明の余地とかあると思って特に暴れたりしないだろうけど、黙ってるとこんなにも淡々とコトは進んでしまうんだな…って、ある意味感心してしまった。 何かもっとこう『弁護士を呼んでくれ!』とか「いい加減ゲロしちまいな!(バキッ」なんて展開ではなく「はい、電話は後でね」「はい次、あそこに立って」「はいこれ書いて」「はい隣の人と手錠して」みたいな、この怖さ。気の弱い私なんて、ずっと黙って従ってそう。 ミランダ警告というのをダーティハリーで学んだけど、それがまだ無い時代とは言え、突然逮捕される事を現実として受け止められず、ボーッと流されるマニーの心境が伝わる。 護送される車の中で向かいの人の靴をジーっと見てる自分…怖さと、現実味の無さと、今後の不安と、色々な気持ちが頭に浮かんでいただろうな。 気丈に振る舞っていたローズが、遂にタガが外れて笑い出す瞬間の怖さ。自分の親知らずがモトでこんな事件に巻き込まれたこと、自分のせいで貧しい暮らしなんだって思い込みから、ノイローゼになるローズ。こんなタイミングでって思うけど、こんなタイミングだからだろう。 有利とも不利とも解らない裁判。自分の人生が掛かっている裁判なのに、周りの関心の無さ。 自分がどうなろうとどうでも良い人たちによって行われる裁判って、怖いな。 裁判で勝つでもなく、真犯人がアッサリ捕まってチャンチャン。だけど、取って付けたようにローズが2年後回復したことになっているけど、些細なことがきっかけで、これだけの時間と、あらゆるものを失うという、怖い映画だった。 過去に2回も強盗をした男が、その事務所に「金を貸してほしい」なんて、ご丁寧に妻の保険証券まで持って来るだろうか? 何件も強盗を重ねた男が、保険証券の登録住所に済んでてアッサリ逮捕なんて、警察も疑問に思わないんだろうか? 7500ドルは大金(今の価値で800万円くらい!!)だけど、強盗しても保釈されるんだ。 ついでにローズの親知らず4本は300ドル≒32万円くらい。高い![CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-10 19:19:58)《改行有》

654.  バニー・レークは行方不明 《ネタバレ》 ~Bunny Lake is Missing~邦題ズバリ。 ダフネ先生は見つからない、見守りを頼んだドイツ人の料理人は辞めてしまう、目撃者はゼロ。バニーちゃん行方不明からの描写が丁寧なぶん、アンと共に不安になり、スティーブンと共に苛立ってしまう、丁寧で上手な観せ方。 園長室の異世界っぷり。マイペースなフォードお婆ちゃんといい、軽快な音楽といい、まるで別な映画、千と千尋の湯婆婆の部屋みたいだ。 アンの家も異世界になっていた。ネチネチとアンに絡んでくるホレイチョ・ウィルソンの気持ち悪さは鳥肌モノ。なぜあの家主の家を選んだか。 ジャンケット(フルーチェみたいなものだろうか?)食べながら、一見、回りくどい捜査をしているけど、ズバズバ核心をついてくるニューハウス警視。この人が主要登場人物の中で唯一(?)の一貫した良心の持ち主だと後々気がつく。 スティーブンの豹変ぶりに驚き、それを受け入れてるアンにもっと驚く。何だこの兄妹?この映画の“時代の先取り感”は何だ?モノクロだけど'65年作品だから、カラーの時代のモノクロ作品。 “初日の部屋”“人形の病院”耳に残る名前。「みんみ~~」人形の声可愛い。 バニーちゃんは4歳だから、5年前にアンがちょっと付き合ってた学校の友達が父親。って事だけど、やっぱスティーブンが怪しい。近親相姦的な…そうなると一番不幸なのはバニーちゃんか。 最初から成立しようのない“バニーちゃん=架空の友達”説。でも観ているとバニーちゃんの存在が怪しく見えるから不思議だ。一度も登場してない、都合よく写真もない。 ガラスを割ってバニーちゃんを助けに入るアン…と思いきや、保育園からバレずに誘拐したスティーブンを褒めてる。いきなり飛び込んできたアンに驚かないスティーブン。もしかしてこの事件全体が兄妹の遊び、行方不明ゲームなのか? しかし何故、アンがブランコでスティーブンの気を引いてるとき、バニーちゃんは人形を抱いて寝たふりをしたのか?そしてどうしてそれを劇中丁寧に流したのか?4歳児の気持ちになって考えてみなくては…[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-09 23:39:44)(良:1票) 《改行有》

655.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 ~The Great Dictator~偉大な独裁者。 冒頭の第一次世界大戦が結構リアル。あの威圧感ある長距離砲はセットだろうか?良く出来てるなぁ。 ヒンケル総統の、インチキ・ドイツ語によるスピーチが、いかにもそれっぽくて可笑しい。ヴィーナスや考える人の小ネタも笑える。 秘書の打つタイプライター・ネタ、コイン・ケーキ・ネタがシンプルだけどツボった。 独裁者なのに隣国の独裁者にはちょっと気を使ってるところとか、ヒンケルを憎み切れないキャラとして描いている。 だけど床屋の男とヒンケルがそっくりなことに、誰も触れないのが不思議。どう解釈すればよいんだろう? 突撃隊員によるユダヤ人への扱いは過激な暴力レベル。制作当時、ホロコースト大量虐殺の事実は世界に伝えられていなかったためらしい。 当時のドイツの社会的立場と勢いを考えると、今に例えると中国くらい強力だったんじゃないかな。 中国が香港や台湾、チベット自治区や新疆ウイグル自治区への過激な暴力を、習近平そっくりの主人公を出して、ユーモアを入れながらも真っ正面から批判できる有名人が、いま何人いるだろう? サイレント映画の王が雄弁に語る。ヒンケルでも床屋の男でもなく、コメディ映画としてのストーリーなんかそっちのけで、チャールズ・チャップリン個人が、コメディを見て笑いに来た観客にぶつける演説のパワー。 結果的にヨーロッパ戦線は第二次世界大戦になり、約7500万人の戦死者・犠牲者とともに、600万人のユダヤ人が一方的に殺された。世界が笑いごとでは済まない事態に向かっているまさにその時に、チャップリンの情熱によりこの映画が作られた事実が凄い。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-07-07 23:13:43)(良:2票) 《改行有》

656.  笑の大学 《ネタバレ》 面白かった。心から笑ったことがない人が、自分が理解できていない笑いを説明されて、それを理解して、実際自分が人を笑わせる手伝いをする(結果になる)。そこには検閲を通すためのヨイショもあるんだろうけど、向坂のダメ出しを見事に笑いに組み込む椿のセンスは、強引ながら大したものだと思えて、5日目の向坂が警官役をやらされる辺りまで、テンポも良く、作家と検閲官のお互いの距離が近づくようで、とても楽しかった。 6日目、向坂が坊主の格好している辺りから、若干クドさが出てしまったように思えた。好みの問題かもしれないけど、5日目までの距離感が一番絶妙だったような気がして、それ以上距離が縮まるのは、やりすぎなような… 向坂が上演許可を出さないために嫌がらせを告白は、それはそれとして黙って飲み込んで良いと思うんだけど、その後の椿の本音が、観ている私も聞きたくなかった。これは戦地帰りの兵隊に『人殺しは間違いだよね、あなた人殺したことある?』ってのと同じくらい、言っちゃいけないことのような。向坂がちゃんと「聞きたくなかった!!」と言ってくれてよかった。でもここまで積み上げたものがぶち壊しになり、修復は無理と思われた翌日の、赤紙。ある意味反則だけど、すべて持っていく上手な結び方。 あぁ、でも向坂に廊下で叫んでほしくなかったかな。もっと、あの部屋の中だけで、二人の中だけで認め合うような結末が相応しい関係だったように思う。 舞台版だとそういう所も含めて、完成度高いのかな?でも充分楽しめたよ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-07-06 23:46:42)《改行有》

657.  天地創造 《ネタバレ》 ~The Bible: in the Beginning ...~聖書。初めに・・・。邦題も悪くないけど、あまりにカッコイイ原題。 世界一のベストセラー『旧約聖書』の、創世記の、だいたい半分くらいまでを映像化した物語。面白いとか面白くないとかでなく、聖書という物語を、あの当時の最新鋭技術と壮大なスケールで映像化して、後世に残そうという意図があったと思われる。 原作を忠実に再現するのが目的と思われるので、新しい解釈や流行の取り入れ、オーバーリアクションなどは極力避けて、ベッタベタな内容に仕上がっていると思う。 アダムとイヴ。いかにもな美男美女を用意したものだ。リンゴを噛じる効果音がないのが良いと思う。多分あのリンゴとは、フジとか王林とか私たちが知っている林檎ではなく、神の作った神聖な実だと思う。ので、私たちの知るリンゴを噛じる音はしないんだと思った。 効果音と言えば、戦闘の剣が当たる音『カキーン』とか『ズバーッ』とか、大げさな効果音がないのも、当時なりのリアリティを追求した結果だと思う。 ノアの方舟の象やトラ、ラクダはともかく、キリンやシマウマ、陸亀はスタッフの遊び心だと思う。旧約聖書の時代に発見されていたのかなぁ?でも方舟のスケールと内部の賑やかさは面白かった。肉食獣の食料の謎。一応、説得力のある回答。 ソドムとゴモラ。アブラハムの『正しく生きるものが50人なら?45人なら?20人なら?』は、神の使いに対し謙虚ながら自分の気持を伝えていて、良いなぁ。 ロトが“処女の娘二人を差し出すから客人には手を出すな”は、価値観が違いすぎる。こんなお父さんイヤだ。振り向いてしまったお母さん怖い。何になったかと思ったら、塩の塊にされたんだ。「振り向いたら塩にするよ」って、先に言ってあげようよ。 もちろん息子を生贄に捧げるお父さんもイヤだ。アブラハムとイサクがソドムに立ち寄るんだけど、イサクが言う「子どもたちも悪いことを?」ここはスタッフの創作かどうか?なんか原爆や絨毯爆撃の跡地みたいな破壊されようで、反戦メッセージっぽく見えた。当時あそこまで徹底的に街を破壊する火力があったのって、たぶんアメリカとソ連くらいなんだよね。神の力に匹敵する火力。 イサクの件に限らず物語全体として言えるけど、神様厳しすぎる。 旧約聖書はイスラムの歴史でもある一方、登場人物にスポットを当てた物語なんだから、主人公にはいろんな困難があってこそだけど、なぜ神様が人間にそこまでさせるのか、わからない。…暇つぶしなのかなぁ?[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-29 19:24:43)《改行有》

658.  ドリームガールズ(2006) 《ネタバレ》 ~Dreamgirls~実在したポップ・グループ、ザ・スプリームスを題材とした架空のグループ名。 ロックを遡っていくと、黒人音楽が大きな影響を与えていることが解るけど、案外浅い知識しかないもので、よく知らなかったダイアナ・ロスの過去を扱ったフィクションとして、興味深く観させてもらった。 地方の黒人音楽を、白人の大手プロモーションがパクって大金を稼ぐ図式が音楽業界の闇を感じさせる。でもリスナーの多くはそんな裏事情なんて知らないから、ラジオで何度も耳にする良い歌を買ってしまうんだよな。 白人主体の音楽業界で対抗していくため、ルックスの良さと耳障りの良い声のディーナを前面に売り出そうというカーティスのやり方も理解できる。エフィとカーティス達の亀裂は起こるべくして起こったものだけど、それよりこんな中盤から突然ミュージカルになってびっくりした。エフィがクビになる時のミュージカルは歌詞と状況のシンクロ具合が絶妙で見事。 エフィがディーナとカーティスの仲を疑ってたけど『それは誤解でしょ?』って思ってたけど、数年後結婚してるのは、え??って感じ。どこか2人の関係を描いたシーンを見逃してたろうか? ザ・ドリームズのプロフィールビデオの、ミシェルの切り貼り感が良かった。 エフィの歌をドリームズがパクる。白人のやり方で黒人同士潰し合う。 独立を決意したディーナの"Listen" の観せ方が凄い。闇の中1人で歌うディーナ。徐々に明るくなるとそこが収録スタジオで、ガラスに反射したカーティスが映る。どれだけ独立を願っても事務所が権利を握っている構図を一発で表現している。回想風に秘密の証拠書類を盗むシーンと、エフィの"One Night Only"のシングルを見つける瞬間を入れる。 解散コンサートでザ・ドリーム・ガールズとして4人で歌う爽快感。カーティスも何かに気がついたようで(何で?)エフィの子の隣へ。満足度の高い大団円。エンディングの絵コンテもなんか嬉しい。 ノリノリのエディ・マーフィがまた実に良いし。ジャクソン5も出てきてお得感満載。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-27 23:51:47)《改行有》

659.  ラストエンペラー 《ネタバレ》 ~The Last Emperor~末代皇帝。300年に渡る清朝の最後の皇帝となった溥儀の生涯を描いた映画。溥儀は満州国の初代と末代の皇帝でも、あるね。 日曜洋画劇場で2週に渡って放送されたの(当然吹き替え版)以来、久々の鑑賞だったけど、まず驚いたのがみんな英語で話していること。最近は現地人は現地語で再現されることが多いから、一昔前の映画に感じられた。 セットの豪華さが凄い。西太后が崩御する部屋の豪華さ。即位式のスケール。お隣だけど異国の文化感、大陸の王朝の大きさが良く出ていた。…もっとも、映画撮影のための想像や創作の部分もかなりあるんだろうけど、ただただ装飾の美しさと様式美に圧倒される。 溥儀の皇帝として我儘と権威っぷりを観せて、実は紫禁城の中だけの皇帝だと知らされ、国内で最も力ある存在から、乳母のアーモ1人すら奪い返す力がないことを見せ付ける“一瞬にして突き落とす”観せ方が酷い。 溥儀が力(当然の権利)を示そうと、宝物庫の目録作成を指示しながら、辮髪を切る時の目ヂカラ。西洋人に劣らない貫禄と美しさのジョン・ローンだからこその名場面。カッコイイ。 これが子供向けの偉人伝だったら『紫禁城を追い出された溥儀は、天津で楽しく自由に過ごしましたとさ。』で終わりそうなもの。その後は何とも不幸の連続のような人生。ここまでで17年。ここから戦犯としてハルビン駅で自殺を図るまで25年くらい。前半に比べ後半が短い気がする。もっとも、辛い内容が多いので映画的なバランスを考えると微妙だけど。 老人になった溥儀が子供にコオロギの壺を渡すシーンが、何とも幻想的で忘れられない。[地上波(吹替)] 7点(2021-06-27 19:40:15)《改行有》

660.  ファンタスティック・プラネット 《ネタバレ》 ~La Planete sauvage~野性の惑星。ソヴァージュって野性って意味だったんだ、へえぇ~~。 「うん、大丈夫。」最初の10分くらい観ての感想。 面白いとか以前に、この独特な絵と不気味な登場人物を受け入れられるかどうかが大事。 青い肌と瞬きしない赤い目。魚の宇宙人だろうか?10分もあればこのビジュアルにも慣れる。 けどダメな人は無理すること無いし、大丈夫な人は、あと60分くらいだから観てみると良い。 瞑想が怖い。特に4人の男が並んで、体のカタチが溶け合うのがグッと来た。ベァ~~ン!!って独特の効果音、ピヨォ~~ン…ピヨォ~~ン…ペポパポ♪怖わ!!怖っっっっわ!!! 赤い目の瞳が無くなり、青くなるのも怖い。 でもこの音楽が癖になる。というかずっと聞いていられる。70年代の懐かしさが漂っていて、全く不快感がない。サントラほしい(※個人の感想です) この世界はドラーグ族の1週間が人間(オム族)の1年だそうだから、人間は年に52歳年を取るのかな?コッチで言うハムスターやネズミみたいな?リアル・ハム太郎。知能に差があって、野性のオム族はドブネズミみたいな生活をしている。 学習器が言っていたクリスタル季だろうか?ピキピキとダイヤモンドのような物質ができる。歩いていくテールを無言で見るティバ。チラチラ見返すテール『良いの?このまま行って良いの?』「・・・」足がダイヤモンド化、不安なテール『え?動けない!怖いんだけど…』「・・・」『全身が覆われてきた!怖い死んじゃう!!』「・・・(助けてやるか)ぴゆう~~ぴい~~」なんか、こういうノリ。ペットがトラップにハマるのを敢えて黙って見る感覚。理解できる気がする。 ティバのその後も気になるけど、世界観や人間の文化もきっちり作られていて、闘獣の闘いとか最後勝った方も殺すのとか、なんかリアル。性交の時に儀式をするの、ドラーグ族の頭蓋骨?ナウシカの巨神兵の化石みたい。 人間絶滅計画の、カルミンみたいな毒ガス弾を飛ばす機械の見た目と音が印象的。その後の原始的な害獣駆除兵器(ボール、掃除機、怪光線)も、非効率で残酷で不思議。 72分でこの密度。なんか癖になる。暫くしたらまた観てみよう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-25 20:09:51)(良:1票) 《改行有》

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