みんなのシネマレビュー |
|
661. サスペリアPART2 ミステリーとしてはありがちだけど、監督特有の演出センスが随所に光る佳作。特にカーテンの裏から突如現われるカラクリ人形の不気味さとインパクトは最高。マジで気味悪い。何で犯人がいちいちあんな人形を持ってきたのかは不明だけど、怖いからまあいいや(笑)。にしても、主人公のピアニストとは思えない、怖いもの知らずな行動力が凄すぎ。6点(2004-06-01 16:31:58) 662. マトリックス レボリューションズ 個人的にシリーズの中では一番完成度が高いと思う。アクションも前二作に比べると多少は洗練されてきていて、やっと「良い意味での派手さやカッコ良さ」を表現し得るレベルにはなったと思う。ただ相変わらずワイヤーによる「必然性の無いアクションの不自然さ」は残ったままだし、肉弾アクションとしての迫力やスピード感もイマイチ(ネオ達の腰の入っていないカンフーや、見た目の奇抜さだけに捕らわれているワイヤーアクションの表現等)。ここまで出来ているのに、あと一歩センスやこだわりに欠けている。ストーリーも相変わらず「陳腐」としか言い様が無い。内容が難解に思えるのは、単にストーリーテリングのヘタさと説明不足から来るもので、決してストーリーが高尚だったり、斬新だからではあるまい。登場人物がカッコつけて思わせぶりで抽象的な事しか言わないのも原因のひとつ。また使われる単語のセンスの無さも痛い。ネオが「救世主」というのもよく分からないし、「預言者」の存在も意味不明。ラストも結局ガチンコ勝負に負けて、そのまま盛り下がったまま終了。これだけ引っ張っといてカタルシスが無いのはあんまりだろう。鑑賞後、研究書や何やらで勉強したいほど魅力的でも奥深い作品でもない。しかし、監督の妄想や想像を、最先端のCG技術や特撮でここまで映像として具現化した事は高く評価したい。次からはもう少しストーリーが洗練されることを願って、この点数で。4点(2004-06-01 16:25:29) 663. ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド 最終版 ああ、これって脚本家が勝手にラストを変更したんですか。牧師の狂信的な独白を聞かせることで、より人間ドラマを際立たせたいと思ったんでしょうが、完全に蛇足になってしまったという感じですね。やはりゾンビ騒動がきちんと終息してはいけないでしょう。5点(2004-05-30 22:19:45) 664. デストラップ/死の罠 《ネタバレ》 うーん、期待ハズレ。序盤のどんでん返し以外、どんでん返しと呼べるような展開が無い。いくら遺産や保険金目当てとは言え、作家活動に金銭面でも協力的で理解もある妻を殺す必要があったのか不明だし、青年脚本家のリスクを無視した行動も無理がある。霊媒師が絡んでくる必然性も感じない。まあ時代を考えればこんなもんかな~、とも思えるけど、にしても物足りない内容。4点(2004-05-28 18:51:56) 665. 天国と地獄 これをリアルタイムで見ていたら、もっと評価は高かったと思うけど、今見るとさすがに普通。内容的にも高度経済成長期における資本主義社会に対する警鐘なのか、主役の偽善性と犯人の独善性を含めた人間の不可解な深層心理に対する洞察なのか、どちらにしてもあまり深い含蓄は受け取れなかった。ラストで犯人が「自分がどんなに不幸だったか」みたいな事を得々と述べるけど、医学生というエリートが何を言ってんの?という感じ。十分勝ち組だと思うけどなあ。何があったかは知らんけど、そんな人に訳の分からない自己弁護的な泣き言を言われても、こっちは感情移入は出来ませんよ。しかも捕まってからだから余計にたちが悪い。完全に逆恨みでしょう。まるで自分ひとりがこの世の不幸をすべて背負っているかのような勘違い野郎としか思えない。まあそこら辺が、「誰でも加害者にも被害者にもなり得る」という現代的犯罪の開幕を看破した上での意図的な人物設定なのかも知れないが。 誘拐ミステリーとしてはきちんと纏まっているものの、これも今見ると「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」レベルで、取り立てて特筆するような部分も無い。むしろ犯人の計算高さの割に、何をしでかすか分からない麻薬中毒患者を仲間にしたり、盗難車を普通に乗り捨てたり(完全犯罪を目指すなら、海に沈めるか、燃やすかすると思うけど)、子供を目隠しせずに連れ回したり、そのまま生きて帰したりと、妙に杜撰な部分が多いのが気になる。登場人物の妙に大げさな演技や、ラスト30分辺りのダラダラ感もマイナス。6点(2004-05-26 11:13:57)(良:1票) 666. ソルジャー(1998) アクションもストーリーも実にありがちで中途半端。展開の何もかもが予想の範囲で、見ていて退屈。基本的に発想が二十年は古い。セットなどもディテールに対するがんばりは見えるが、それ以上に安っぽさが目につく。あと、私はあまり俳優に対するこだわりはないし、詳しくもないが、はっきり言って、この作品の主役にはまったく魅力を感じなかった。色彩に乏しい地味な世界観に加え、地味な展開に地味な顔立ちの主人公がミスキャスト。あまり潤沢に金がかけられない割に、変にメジャー映画路線を目指したため、返って安っぽさだけが目立ってしまったような印象。もう少し、とんがった部分が欲しい。3点(2004-05-24 07:37:24) 667. 催眠 何ですか、これ?原作は未読ですが、たぶん原作はもっときちんとしているのでしょう。そう願いたい。それにしても、この映画のしょぼさはかなりのモノ。ホラーにもミステリーにもサスペンスにもなってない。設定だけで突っ走って、広げた風呂敷を畳まずテキトーに終わり。催眠術やサブリミナル効果で「不特定多数」の人間のトラウマを喚起させて自殺させるという設定に無理がある。特に刑事の子供時代の出来事なんて自殺するようなことか?別に友達を見殺しにした訳でもあるまいし、あんな程度のことがトラウマになるか~?多重人格の描き方もそんまんまで、作品として何がやりたいのか散漫な印象。菅野美穂以外の出演者の演技もダイコンで見てられない。特殊メイクの出来も演出もすべてが安っぽい。で、犯人って誰でしたっけ?管野美穂のホラー女優としての可能性に期待してこの点で。3点(2004-05-22 08:13:42) 668. ギャラクシー・クエスト 娯楽映画の見本のような作品。全体的に非常にテンポが良く、最後まであっと言う間。「誤解と勘違いで話が進んでいく」という共通点で、個人的には「エンジェル伝説」を思い出した(漫画ですが傑作なので、未読の人はお奨め!)。感動を押し付けることが目的化したような作品とは違い、各キャラのコンプレックスが、誤解によって祭り上げられながらも宇宙人を助けていく過程で、自分の自信を取り戻す自然な動機になっている。その描き方が秀逸。また作品内映画が現実化するというB級映画の体で撮る事によって、本来なら最初の頃のクルー達と同じような冷めた目でしか見られなかったはずの着ぐるみの敵宇宙人も、「本物の宇宙人」であるという前提で受け入れることが出来てしまう。ラストも「ご都合主義的に転送装置で何事も無かったように地球に戻ってハッピーエンド」と言うようなマネはせず、そのまま大気圏からイベント会場に突入していくという痛快な終わり方!見ている観客の視点ではイベントの一環として映りながら、実は命がけの戦いが行われているという部分にも色々な含蓄が受け取れる。時間が短めで無駄なシーンが少ない編集の仕方も上手い。たいした意味も無くダラダラと二時間枠を超え、観客を飽きさせたり疲れさせたりしてしまう最近の「本末転倒大作映画」に見習ってもらいたい。 PS.この作品を見た後、元ネタとされる「サボテンブラザーズ」を見ました。基本構成はほとんど同じでしたが、単なるパクリに終わらず、より人間描写に深みを持たせたり、娯楽映画としてテンポが良い点で、オリジナルよりも高い完成度に仕上げた事を評価します。8点(2004-05-22 08:09:36)(良:1票) 669. マイノリティ・リポート さすがに金も手間も掛かっている。でも、それだけ。中途半端な未来世界に加え、プロットは大雑把なミステリー。予知を逆手に取るという発想は面白いが、おかげで完全にタイムパラドックスに陥ってる。全体的には無難にまとまっているが、アクション、謎解き、世界観、どれをとっても中途半端であることは否めない。あ、でも唯一、予知を活かして追っ手を撒くところは「ジョジョの奇妙な冒険」のキングクリムゾンみたいで面白かった(笑)。4点(2004-05-19 14:16:43) 670. VERSUS/ヴァーサス 何ですか、これは?ギャグなんですか?評価の高いアクションも、そんなに特筆するような出来とは思えません。既にこの手のアクションシーンは、どの映画を見てもパターン化されていて、まるでコピー品のように個性を感じません。またセンスを感じないのは、こうした同じようなアクションシーンを長々と繰り返していることです。超人同士の戦いは、スパイスとして、たまに見るから凄いと感じるのであって、何度も見せるようなものじゃないんです。ジェットコースターに何度も乗せられるようなものです。ストーリーに至っては、荒唐無稽、と言う評価以外の言葉を持ちません。真面目さとおふざけのバランスが悪く、どっちつかずで中途半端。陳腐なプロットに加え、説明不足な展開。出演者のヘタクソな演技と棒読みな台詞回し。ヘタクソな特殊メイクetc.etc.。結局、まともな撮り方や演出が出来ないから、奇を衒ったスタイルに逃げているとしか思えません。1点(2004-05-19 13:58:39)(良:2票) 671. 完全犯罪クラブ なんかチャチな内容だな~。ぜんぜん完全犯罪じゃないし、やっていることが犯人側も警察側も低レベル過ぎる。各キャラクターの掘り下げも中途半端で、魅力的な登場人物がひとりもいない。犯人側のゲーム感覚や、自分の罪に対する覚悟の無さ等、ある意味リアルではあるが、映画にして面白いかどうかは別問題。犯人は当初から分かっているので犯人当ての醍醐味も無いし、途中の謎解きにも工夫が無く単調。おまけに人物にも魅力が無いという、まるで見所が無い駄作の見本のような作品。作家養成学校での駄作の資料代わりにはなる。2点(2004-05-19 13:57:25) 672. 富江 tomie 何でこんなにつまらない話がシリーズ化するのかなあ?そっちの方がホラー。おまけにタイトルの区別がつきにくく、最初に間違えて「リプレイ」を見て呆れ果て、レンタル95円セールで借りるものが無かったので、改めてこれを借りたら、やっぱり駄作だった。せっかく「リング」や「呪怨」などで、邦画ホラーに期待が出来るようになったのに、センスの無い人間が作ると、原作がどんなに面白くても、結局、駄作に堕してしまうという見本かな。原作未読だけどさ。とにかく、ホラーとして中途半端。この一言に尽きる。富江が生き返ってくるからって、だから何なの?特に悪いことをするでもないし、バイトすることも出来るんだから、いいじゃん別に。それより、もっと過去の謎やエピソードと絡めて、本当に生き返っているのか、それとも誰かの悪しき思惑があるのかというミステリー仕立ての展開にした方が、はるかに面白くなるはずなのに、何の工夫も必然性も無く、「生き返ってま~す」じゃあ、あんまりだろ。それこそ「だから?」で終わっちゃう。オレなんか、「リプレイ」でも思ったけど、殺した女が生き返ってくれたら、「助かった~。殺人犯にならずに済んだ、ラッキー!」と思うけど。PS.夜中に見終わってテレビにしたら、「最終章」がやってました。富江三昧。もういいです。お腹いっぱい。2点(2004-05-16 23:03:09) 673. ファウスト(1994) 怖い。あの操り人形の不気味さは凄すぎる。命を持っちゃってます。現実と非現実の境界が曖昧な、まさに白昼夢の世界に眩暈すら覚える。撮影中、色々と事故やトラブルがあったというのを聞いてさらにゾっとした。8点(2004-05-16 07:49:20) 674. ブレードランナー あの独特な世界観と終末観が、その後の映画に多大な影響を与えたというのも頷ける。深いテーマ性を持つヘビーな内容にも関わらず、決して独りよがりにならないバランス感覚と観客の目を意識したエンターティメント性を備えている。ラストは素直に感動。まさに「アンドロイド」の悲しみ。原題は秀逸だよな~。10点(2004-05-16 07:34:07) 675. サウンド・オブ・ミュージック 優しさに溢れた作品。子供達も可愛い。ただ、そこまで傑作かなあ?個人的にミュージカルはどうしても肌に合わないです(だったら見るなと言われそうですが)。いちいち踊りのたびにドラマが中断し、各場面が長くなるので、全体的に冗長に感じてしまう。その割にラストがあっさりし過ぎで物足りない。あの場面でこそ、生きる喜びを歌と踊りで表現するべきなんじゃないの?一番、喜びを表すにふさわしいシーンなのに何で踊らないの?恋人からもただ逃げていくだけ。やはり現実の前に歌や踊りは無力なんですね。5点(2004-05-16 07:31:11) 676. 名探偵コナン 迷宮の十字路 デジタル処理による演出部分とセルアニメの融合にはセンスを感じます。あくまで「演出のためのデジタル化」であり、主客転倒していないことに安心。これ以上、CGメインにならないで欲しい。シナリオはいつものパターンで、ほとんどミステリー部分はオマケ程度だけど、「名探偵コナン」というジャンル(?)としてならそれなりに楽しめます。基本的にはファンのための作品であり、それ以上でも以下でも無いです。とにかく、多少無理のある謎解き要素やご都合主義を含めつつも、何年も話を続けられるという点は評価したいです。まあ二度は見れないですけどね。4点(2004-05-16 07:27:40) 677. 黄泉がえり 作品として最初から「黄泉がえり」という現象が感動させるために目的化してしまっている地点で、個人的にはシラけます。基本的に「死者が蘇る」という設定は、もうそれだけである程度ドラマティックになってしまうんです。しかも死を相対化する事で、「生きる事の意味や価値」を見出すというストーリー展開になるに決まっているし、おまけにそんな状況がずっと続くわけがなく、「いずれは再び別れの時が来る」→「感動」という展開になるのが読めてしまうんですよ。そこは分かりきっているんですから、いちいち言葉で説明しちゃいけないし、終わり際もダラダラとしてはダメなんです。実際、ひとりひとりの設定はあざといし、ライブのシーンも無駄に長いし、去り際もベラベラとしゃべり過ぎ。ラストは余韻を残すくらいで調度いいんです。演出全般が下手。4点(2004-05-16 07:20:35) 678. JAWS/ジョーズ 小学生の頃はやっぱりドキドキしながら見てました。さすがに今見ると普通ですが、それでも、最後まで飽きずに見れる作りのウマさはさすが。鮫も最後以外ほとんど姿を見せないのに(見せないからこそ?)、これだけ緊張感を持続させることがすごい。演出の妙味。7点(2004-05-14 10:21:06) 679. カリスマ 「CURE」で衝撃を受けたので、この作品も期待していたのですが、少々難解過ぎて、「商品」というよりは、「作品」といった趣になっているのが残念。黒沢監督は、ホラーやサスペンスを撮らせたら日本で一番センスがあると思いますが、エンターティメントを意識するのが恥ずかしいのか、どうしても小難しい哲学的勘考と共に「何となく不気味な雰囲気」を提起するだけに終始して、解釈を曖昧にしてまうクセがあるのが欠点だと思います。それは特にこの映画で顕著です。解釈に足るだけの暗喩には満ちてはいるものの、それを拾い上げて再構成するには、作品全体にイマイチ魅力が足りないように思いました。まあ自分なりの解釈としては、「自己保存のために他者を犠牲にすることは正当化されるのか、否か」というところでしょうか。根底に多分監督なりの「戦争批判」と、それに対してどうにも出来ないニヒリズムのような感覚があるのだと思います。6点(2004-05-08 17:45:00) 680. レザボア・ドッグス うーん、これは評価に困る作品ですね。いかにもタランティーノらしいと言えばそうなんですが、個人的にはイマイチです。「仲間割れによる人間性の露呈」と言っても、これを余計な付け合せの無い「単純化の妙」と呼ぶには、あまりにも展開が平凡過ぎるように感じます。こうした「下手ウマ的演出」を味と取るかどうかで評価は変わりそうです。序盤のレストランでのシーンも、個々人のキャラクター性を印象付けるため、「ひとつのテーマに対して会話(時にケンカ)をさせる」、というパターンはよくありますし、むしろ登場人物が多い程やりやすい手法です。またその会話自体、下ネタ絡みが多く、あまり秀逸とも思えません。その後、刑事が撃たれてからの展開が妙に間延びするのも頂けません。中盤で「刑事の潜入捜査」であることをバラしつつ回想シーンを挿むというのも、「誰が裏切り者か?」というラストのインパクトを弱めてしまう事になりますし、テンポの悪さにも繋がっています。この手の脚本なら、「フェイク」の方が映画としての完成度は高いと思います。4点(2004-05-04 15:28:21)(良:1票)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS