みんなのシネマレビュー |
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681. 容疑者Xの献身 終盤近くまでは良くできたトリックものというだけの感じだったが、ラストは人間ドラマにもなっていた。数学や物理の問題に愛が入り込むと解けなくなるというのがおもしろい。[DVD(邦画)] 6点(2013-06-01 22:03:31) 682. 河内山宗俊 「人情紙風船」「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」と見てきた山中貞雄の映画を完結。この映画もまた天才の名に恥じない名作。最初見たときは、中盤から後半にかけてフィルムが消失して飛んでいるのではと思ったのだが、実はそうではなかった。見事なまでに贅肉をそり落とし、簡潔明瞭に繋がっているのだ。その手法はもはや神の手によるものなのか。原節子のデビュー作としても知られるが、もう一人、もしやと思ったら何と加東大介(健太役)ではないか。[DVD(邦画)] 9点(2013-06-01 15:22:36) 683. かぞくのくに まさに「近くて遠い国」北朝鮮は謎が多い怖い国なのだが、私が子どもの頃は本当に「地上の楽園」と呼ばれていた。しかしこれが大嘘とわかるのはずっと後のこと、歴史を知る上でも貴重な映画だと思う。[DVD(邦画)] 7点(2013-06-01 00:39:01)(良:1票) 684. 天使の分け前 《ネタバレ》 ウイスキーの樽一つで110万ポンド(約1億5000万円)と私にとってはまったく縁のない別世界。それにウイスキー蒸留に少しでも知識があればついて行けたかもしれないが・・・。 天使の分け前とは非常にロマンティックだが、大自然が分け前についたと言えば許されようが、人間がかすめ取るのは許されるのだろうか。犯罪を社会奉仕で償うのはとても良いことだと思うけど。それにウイスキーの世界に縁のなさそうな世界で育った主人公に、鑑定の才能があったとは不自然に思う。[映画館(字幕)] 5点(2013-05-30 15:56:14)《改行有》 685. 天使の詩 兄弟でも4つも歳は違うし、父は留守がち、最愛の母は死んでしまった。本当はもっともっと甘えたい年齢なのに、幼い弟の面倒を見なければならない。アンドレアの気持ちは痛いほど伝わってくるし、いじらしい。なのに父親は長男にかまってやれない、いやかまうのだが、それは少し違う。外交官の秘書とは行き過ぎだが、実年齢より上に見ていたようだ。母の声のテープや肖像画など、涙を誘う。[映画館(字幕)] 7点(2013-05-29 22:56:58) 686. 刑事ジョン・ブック/目撃者 一面に広がる麦畑と緑の草原、この美しい風景はとても刑事が出てくるサスペンスには見えない。どこからかベートーヴェンの交響曲「田園」が聞こえてくるような気分になるくらいだ。しかしこの町から離れたところで事件が起き、小さな男の子がたまたま目撃したことにより、波紋が広がっていく。このあたりの展開がおもしろいし、あれだけ強引だった刑事ジョン・ブックの変わりようも良い。そしてまたアーミッシュと呼ばれる人たちの描き方が何ともすばらしい。いつも大活躍するハリソン・フォードだけど、こんなのもいいんじゃないだろうか。[DVD(字幕)] 8点(2013-05-29 17:55:00)(良:1票) 687. チャップリンの勇敢 チャップリンの短編はドタバタすぎるのが目につくが、これもその一つ。いくら叩いてもびくともしない大男を運良く逮捕できるのは良いが・・・。[DVD(字幕)] 5点(2013-05-28 19:25:56) 688. チャップリンのスケート スケートをスーイスイ滑るのは良いけど、仕事ぶりはハチャメチャすぎてうまく笑えない。[DVD(字幕)] 5点(2013-05-28 17:25:24) 689. チャップリンの移民 真ん中あたりの自由の女神を境にして、前半の揺れる船のシーンと後半の船を降りてからのレストランシーンに分けられる。その前半はおもしろいしよくわかるのだが、後半のレストランの払いがどうなったのかわかりにくい。それはそれとして、移民の哀愁感が漂う。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-28 15:00:28) 690. さよなら子供たち 「シンドラーのリスト」や「アンネの日記」などユダヤ人を扱った映画は数多くあれど、これはこれでまた良い。ルイ・マル監督の思いが込められたすばらしい作品だと思う。映画は途中までは学園ものかと思わせるほどの、微笑ましい日常生活が続くが、ドイツ占領軍のユダヤ人狩りは少しずつ迫ってくる。そしてひとつの密告から急展開に。 監督自身の少年時代の忘れられないできごとが基になっているため、とても説得力があるように思う。連行されるユダヤ人らを見送るラストシーンは、私自身も忘れることができない。なおピアノ演奏されるシューベルトの「楽興の時」第2番は、この映画に実によく合っていて、これまた心に深く刻まれる。[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-05-28 08:45:17)《改行有》 691. チョコレート(2001) 看守、死刑執行とくるとグリーンマイルを思い出さずにはいられないが、この映画もまたハードな内容だ。のっけのセックス・シーンもこれは何だ、見る映画をまちがえたのかと思うほど。しかし考えてみれば、役目柄とは言え、死刑執行とは大変な仕事だ。正常な神経でできるものだろうか。原題の"Monster's Ball"もそこらあたりにあるようだ。それに対して邦題のチョコレートは好物として登場してくるが、何とも味気ない。もしかしたら、黒人のチョコレート色の肌の意味もあるのかな。[DVD(字幕)] 6点(2013-05-25 20:04:50) 692. オール・アバウト・マイ・マザー 海を隔てたあちらの国ではたぶん評判の高い映画だろう。そういう気配はわかるような気がするのだが、果たして日本の文化で育った私たちにはどうだろうか。最愛の息子が死んだとはいえ、それを別れた夫(今でも軽蔑しているような男)にわざわざ伝えに行く感覚も到底理解できない。それにゲイとかエイズとか麻薬とかも嫌だし、品のない言葉はもっと嫌。この映画より舞台で演じられる「欲望という名の電車」の方がよほど好き。[DVD(字幕)] 6点(2013-05-25 06:53:03) 693. 月曜日のユカ 《ネタバレ》 私が少年の頃見た映画の中で、強烈な印象が残っているものの一つ。日活100周年と共にHDリマスターとして蘇ってきた。映画の最大の魅力は加賀まりこ、他のレビュアーの皆さんが言われる通りである。日曜日は家族サービスデー、したがって月曜日のユカとなるわけだが、月曜は男にとって仕事の日、このすれ違いが最後になって悲劇を呼ぶ。身体は許してもなぜキッスはダメだったのか、改めて思い知り感慨にふける。だけど50年近く経った今、冷静に点数を付ければやはりこの点数か。(50年前だったら満点だったかも)[映画館(邦画)] 8点(2013-05-25 06:51:38) 694. 天井桟敷の人々 だいぶん前にDVDを買ったのだけど、見るのを途中で止めていた映画。今回ようやく最後まで見た。中断していた理由は、主役女性が好きでなかったこと。映画の中では、美しいと何人もの男から言い寄られるが、私から見れば年配のおばさん、美人という概念は千差万別だからとかく言えないが、もっと若い女性が演ずるべきではないだろうか。ま、それは置いといて、パントマイムはすばらしい。前半のスリの濡れ衣シーンでの演技は拍手喝采もの。ところでまったくの余談なのだが、映画の中で使われていた曲は挿入曲としてスタッフ・キャストに書き込むことができ、皆に紹介できる。映画の中で使われていた劇(いわゆる劇中劇)も、挿入曲と同様に紹介できないものだろうか。誰々原作の何々と原作者で書いても、本来の映画の原作と間違えてしまう恐れがあるし・・・。[DVD(字幕)] 6点(2013-05-23 08:08:39) 695. ミラーを拭く男 全国のカーブミラーを拭いて回るというのだから、さぞ感動作かと思いきや、ただひたすら拭くだけ。騒いでいるのは周囲だけで、贖罪でもなければ何か信念があってやっているわけでもない。この大上段に振りかぶらず淡々としているところが実に良い。まわりの人間模様もおもしろいし、ラストの妻が付き添うところもほのぼのとして気持ちが良い。名優緒形拳がこれほど寡黙な男を演ずるのはおそらく初めてであろう。それでいて撮影時の年齢が今の私とほぼ同じということもあり、共感を覚える。[DVD(邦画)] 7点(2013-05-23 07:53:21) 696. いつも心に太陽を 初めて見たのが、私が教員を目指していた頃だったので感激は一入。日本と外国では随分違う(英米はとても自由)と感じたものだ。その後日本でも熱血先生もののドラマが流行ったが、このシドニー・ポワチエの先生は少々違う。元々エンジニアだし、下町の学校にやって来たのも適当な就職先がなかったからなのだ。それが生徒たちとふれあっていくうちに先生らしくなっていくし、生徒たちも成長していく。何といってもこの過程がいいのだ。良いと言えばルルの歌う主題歌、心に残るメロディーだった。[映画館(字幕)] 7点(2013-05-22 06:31:50) 697. マダムと女房 作家先生とおだてられれば押し売りの薬を買い、隣の家の音楽がうるさいと苦情に行けば・・・。何ともおもしろいホームドラマだ。多少台詞が聞き取りにくいが、これが日本初のトーキー映画となればそれも許されよう。チンドン屋の音楽に始まり、猫の鳴き声、赤ん坊、めざましなど音の展覧会だ。そしてラストは「狭いながらも楽しい我が家」と歌われる「私の青空」おや、絹代さんは洋服を買ってもらったんじゃなかったの?[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-21 07:17:42) 698. 白昼の決闘 殺し合いが大嫌いな私は、まさに西部劇中の西部劇というタイトルを持つこの映画を食わず嫌い(見らず嫌い)していた。だがこの映画はラブストーリー、憎んでも憎みきれない、殺しても殺したりないほどの愛に燃えた西部劇なのだ。悪役に扮したグレゴリー・ペックを見るのも初めてで驚いたが、インディアンとの混血娘に扮したジェニファー・ジョーンズも見事、この個性ある二人の白熱した演技に拍手。荒馬を乗りこなす技もすばらしい。[DVD(字幕)] 8点(2013-05-20 21:37:45)(良:1票) 699. 双頭の鷲 いくら愛する国王とうり二つと言ってもねえ・・・。古臭さだけが残る好きになれない映画だった。[DVD(字幕)] 4点(2013-05-19 21:54:17) 700. 戦争と平和(1965-1967) 美しく作り上げられたヘプバーンの「戦争と平和」に対し、こちらはより原作に忠実、よりロシア的、より壮大である。ロシア文学はロシアの手でという意気込みが感じられる。映画が製作された50年代から60年代は米ソ冷戦というか、二大強国の対立が激しく、どちらかの国が何かをなせばもう一つの国もそれ以上のものをめざすという競争も激しかった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-19 05:57:51)
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