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プロフィール
コメント数 1876
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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701.  ペット・セメタリー(2019) 《ネタバレ》 そこは太古より、邪悪で禍々しい力が宿る場所――。都会の喧騒を逃れ、のどかな田舎町へと越してきたクリード家。可愛い盛りの二人の子供たち、愛する妻、そしてペットの猫と共に充実した日々を送っていた夫のルイスだったが、彼にはたった一つだけ気掛かりなことがあった。それは毎日家の前を猛スピードで通り過ぎる幾台ものトラック。不安を感じながらも新生活を始めた数日後、恐れていた事態が起こってしまう。娘のエリーが可愛がる猫がトラックに轢かれ、無残な死体となって発見されたのだ。エリーのことを思い途方に暮れる彼に、隣に暮らす老人が驚きの事実を教えてくれる。なんと森の奥深くにある神聖な〝ペットの共同墓地〟へとその死体を埋めると、次の日、何事もなかったように帰ってくるというのだ。半信半疑ながらも言われるまま、猫の死体を埋めたルイス。すると、ちゃんと次の日、猫は生きて帰ってきたのだった。だが、何処かおかしい。見た目は変わらないが、以前とは何かが違う。戸惑う彼を更なる悲劇が襲う。今度は愛する娘のエリーが、暴走トラックの犠牲となってしまったのだ。「どうして娘がこんな目に…」。嘆き悲しむ彼の脳裏に過ったのは、そのペット霊園の恐るべき力だった……。かつて何かのインタビューで、自分の書いたものの中でもっともおぞましい小説と言わしめたスティーブン・キングの初期の代表作を再映画化したという本作を今回鑑賞してみました。ちなみに僕は原作小説も映画の方も遥か昔に鑑賞済み。どちらも感想としては、愛する者の甦りという設定こそ秀逸だったものの、お話としてはどちらも普通という印象でした。なんか原作は、スティーブン・キングの悪い面が若干強めに出ちゃった感が強く、良くも悪くもサービス精神過剰なんですよね。この邪悪な力を使ってでも愛する者を甦らせたいというテーマ一本に絞れば良いものを、主人公が救えなかった患者の幽霊が何故か何度も出てきたり、妻の死んだ姉のエピソードが何度も繰り返されたりと明らかに詰め込み過ぎでした。本作も基本的にはそんな変わらず、やはり一本の映画としては散漫で引っ張りすぎな印象が否めません。中盤まで、「もうええからはよ死体を埋めに行けよー!」って何度も思っちゃったし。んでも後半、死んだ娘が生き返ってからはホラー映画のセオリーはちゃんと押さえられていたので僕はぼちぼち楽しめたかな。今回、死ぬのは長男から長女にしたのはナイスな変更だったんじゃないですかね。この子がなかなか頑張っていて、顔を歪ませながら包丁を持って襲ってくるとこはけっこう怖かった。あのたどたどしい喋り方もなんともヤな感じで大変グッド。という訳で、僕はまぁぼちぼち楽しめましたです、はい。[DVD(字幕)] 6点(2021-04-23 23:31:29)

702.  リリーのすべて 《ネタバレ》 世界で初めて性転換手術を受け、男性から女性となったリリー・エルベの生涯を描いたヒューマン・ドラマ。そんな世界初の〝女性〟を演じるのは実力派として着実に実績を残してきたエディ・レッドメイン、彼を献身的に支える妻役には人気女優アリシア・ヴィキャンデル。監督は、昔から僕とはどうにも相性の良くないトム・フーパー。確かに役者陣の繊細な演技や抑制の効いた丁寧な演出、そして20世紀初頭のヨーロッパを忠実に再現した画の美しさ等々、全体的な印象としてはなかなか好感が持てるもののやはり自分とは今回も合わなかったですね。うーん、なんだろう。この人の映画って基本善人しか出てこないんですよね。まだまだ性的マイノリティに根強い偏見が残るこの時代にここまでカミングアウトしたら、きっと物凄く苛烈な差別と偏見の嵐に遭うと思うんですけど、そんなものはほとんど描かれない。せいぜい通りすがりのナンパ男に絡まれボコられるくらい。〝彼女〟のかつての初恋の相手である画商も女だと思って口説いてきた友達も実質的に裏切られた形の妻もみんな彼の告白を聞いてすぐ親身になって応援してくれるって、正直、ホンマかいなって思うんですけど!よく言えば、あくまで人生の肯定的な面に目を向けてるんでしょうけど、それって結局キレイごとなんじゃないかってひねくれ者の自分なんかは思っちゃいますわ。終始品の良い雰囲気やキレイに纏まられた脚本など映画としての出来の良さは素直に認めますけど、自分の好みとはやはり真逆の監督なんだと再認識した次第です、はい。[DVD(字幕)] 6点(2021-03-27 00:35:17)

703.  エジソンズ・ゲーム 《ネタバレ》 発明王エジソンの知られざる一面を、彼とライバル企業との激しい経済戦争を通して描いた社会派ドラマ。偉人として名高いエジソンを演じるのは人気俳優ベネディクト・カンバーバッチ、彼と激しい対立関係にあった実業家にマイケル・シャノン。全編に漲る緊迫感はなかなかのものがあり、実力派の役者陣の熱演も相俟って興味深く観ることが出来ました。ともすれば地味になりがちな題材なのに、センスの良いカメラワークや終始緊張感を煽る音楽のおかげで最後まで飽きさせません。現代社会になくてはならない「電力」というものがいかにして生まれ、そして発展していったのか――。そこには先人たちの血の滲むような苦労と努力の結晶があったというのが知れただけでも大変意義深いものがあります。それにしてもエジソンってこんなヤな奴だったんですね。特に、ライバルを蹴落とすために電気椅子の開発へと手を染めていたというのには非常に驚きました。しかも自身のイメージを守るために匿名で……。子供のころ、何にも考えずに「エジソンは偉い人~♪そんなの~じょうしき~」なんてノー天気に歌っていた自分が恥ずかしくなりました(笑)。ただ、史実を基にしたから仕方ないのでしょうけど、ストーリー展開がかなり駆け足で若干分かりづらい部分もチラホラ。それにエジソンの発明品である電球の偉大さを表すためなのでしょうけど、前半の画面が終始暗く、かなり見辛かったのもマイナスポイント。ま、総評としてはぼちぼちってとこでした。この監督の前作が個人的にお気に入りなので、次作に期待しておきます。[DVD(字幕)] 6点(2021-02-23 00:09:07)

704.  マイ・ビューティフル・デイズ 《ネタバレ》 演劇大会へと出場するため、遠く離れた地までドライブする三人の高校生とその担当となった先生の何気ない日々を淡々と描いた青春ドラマ。まあやりたいことは分かるし、等身大の登場人物たちを優しく見つめるこのほのぼのとした世界観にも好感が持てるものの、どうしても付きまとうこの物足りない感。正直、なんてことないお話過ぎて心に残るものがいまいち感じられないんですよね、これ。もう少し、この作品ならではといった個性が欲しかったところ。ただ、高校生の一人を演じたのがまだ無名だったころのティモシー・シャラメで、彼の初々しい姿が見れたのは眼福でした。ま、そんな感じです、はい。[DVD(字幕)] 6点(2021-02-18 02:24:37)

705.  世界の涯ての鼓動 《ネタバレ》 続発する爆弾テロを阻止するため、中東のテロリストの巣窟へと潜入する英国諜報部員の男。生命の起源を追って深海への命がけの調査に身を投じる海洋生物学者の女。ひと時のバカンスで訪れたリゾート地で偶然出会った彼らは、のしかかってくる重圧から逃れるかのように惹かれ合い、そのまま一線を越えてしまうのだった。お互い行きずりの愛だと割り切っていたはずだった。だが、数日間共に濃密な時間を過ごした彼らは、やがて運命的なものを感じ始める――。のちの再会を誓い合い、その地を後にする二人。だが運命は何処までも二人に残酷だった。男はテロリストたちに捕まり長い監禁生活を余儀なくされ、何も知らない女はそんな彼からの連絡を待ちながらも暗い海の底へと身を投じてゆく。果たして、二人は世界の涯てで無事に巡り会うことが出来るのか?ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督の最新作は、そんな過酷な運命に翻弄される男女の愛を切実に綴ったラブストーリーでした。雄大な大自然を背景に描かれる、この詩的で深甚なる世界観はなかなか見応えありました。いつまで経っても変わらない人間の愚かさと、神秘的な生物の起源をシンクロさせるところもセンスの良さを感じさせます。そんな世界の涯てに追い詰められた男女の愛を濃密に描いたラブシーンも官能的で大変良かったです。特に、アリシア・ヴィキャンデルちゃんの美しさは特筆に値しますね。ただ、良くも悪くも最後まで淡々と進むため、途中で幾分か退屈に感じたのも確か。もう少しドラマティックな展開があっても良かったような気がしなくもないけど、それは好みの問題なんだろうね。僕は少し物足りなく感じてしまいました。[DVD(字幕)] 6点(2021-02-10 04:00:12)

706.  ドッグマン(2018) 《ネタバレ》 閉塞感漂う、イタリアの寂れた地方都市。そこで犬専門の美容室『ドッグマン』を細々と経営するマルチェロは、自己主張が大の苦手で頼まれたら嫌とは言えない気弱な男。それでも離婚した妻との間にできた娘との月に何度かの逢瀬だけを楽しみに、慎ましやかに生きていた。そんな彼の目下の悩み、それは小さなころからの腐れ縁である荒くれ者で街の厄介者として有名な親友シモーネとの関係だった。薬物に目がなく、気に入らないことがあるとすぐに暴力を振るい、マルチェロのことを都合のいい奴隷のようにしか見ていない彼に、それでもマルチェロは強く出ることは出来なかった。どんどんと調子に乗って暴走してゆくシモーネに、なすすべもなく引きずられてゆくマルチェロ。やがて、彼らのそんな歪な関係性は取り返しのつかない悲劇を生んでしまうのだった……。という見れば見るほど気が滅入るような暗いお話なのですが、ストーリーテリングの巧さや登場人物への深い洞察力等によって最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。まあリアル版のび太とジャイアンのお話と言ってしまえばそれまでなんですけど、とにかくこの主人公の見事なまでのヘタレ具合が凄いです。明らかにいいようにこき使われているのにそれでも嫌といえず、理不尽な理由で酷い暴力まで受けているのに最後までその荒くれ者を親友だと信じようとする、まさに負け犬の見本のような男。最初は嫌悪感しか湧いてこないのだけど、ここまで徹底されるともはや圧倒されますね。だって、親友が犯した罪を被って刑務所にまで入ったりするんですもん。もはや馬鹿を通り越してある種の聖人なんじゃないかしらとまで思っちゃいますわ。そんな彼も最後はぶち切れて暴走しちゃうんですけど、惜しいのはこのぶち切れ具合がいまいち中途半端なところ。もっと突き抜けてくれないと、そこまでカタルシスが得られず、印象に残りにくいんですよね~。と、最後の方が腰砕けちゃいましたが、この濃密で殺伐とした雰囲気は嫌いじゃない。まあボチボチってとこでした。[DVD(字幕)] 6点(2021-02-10 03:22:16)

707.  シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション 《ネタバレ》 あのもっこりヒーロー、冴羽遼が帰ってきた!!しかも遠く海を越えたフランスでまさかの実写化というのですから驚きです。ジャンプ黄金時代のドンピシャ世代としては、なんだか地雷臭プンプンでしたが今回鑑賞してみました。いやー、ここまで原作へのリスペクトがビシバシ感じられるとは往年のファンとしてとにかく嬉しい!よく見つけてきたなという原作とほとんど違和感ない役者陣のルックスも見事!まあ内容の方は完全にすっからかんでしたけど(笑)。とにかく下ネタ満載で最後までずっとお下品一直線だったのもちょっときつかったかな。シティーハンターって漫画やアニメだからあのお下品な内容でも見ていられたけど、実写にするとやはり下品さが勝っちゃうんですよね~。とは言え、エンディングでの「ゲットワイルド」が流れるタイミングは完璧!それでチャラになるくらいテンション爆上がりしちゃいましたわ。原作ファンなら一見の価値ありです。[DVD(字幕)] 6点(2021-02-01 05:39:16)

708.  マーウェン 《ネタバレ》 彼の名は、マーク・ホーガンキャンプ。豊かな想像力と細部にまで拘った唯一無二の世界観によって人気を博す人形写真家だ。第二次大戦中のベルギーの小さな村マーウェンを舞台にした、魅力的な女性ヒーローたちがナチと戦う一連のシリーズは特に人気だった。近々ニューヨークで個展を開くことも決まり順風満帆に見える彼だったが、その私生活は決して順調とは言えなかった――。そう、彼は数年前にバーで男どもに因縁を付けられ、生死を彷徨うほどの酷い暴行を受けたのだ。以来、過去の記憶もなくなり、精神の安寧のためには薬も手放せなくなるほど心に深い傷を負ってしまったマーク。郊外の一軒家で誰にも心を閉ざし独りぼっちの生活を送る彼だったが、それでも想像の中にある自分だけの世界、マーウェンに居れば幸せだった。だが、残酷な世界はそんな彼の空想の中にまで侵食してきて……。実話を基に、孤独な写真家の想像上の世界と現実との葛藤を独創的な映像で描いたヒューマン・ドラマ。監督はエンタメ映画界の名匠、ロバート・ゼメキス。冒頭から緻密に再現された、主人公が創り出した人形写真の世界観にまず圧倒されます。明らかに人形の登場人物たちがいきいきと動き喋りまくるんですから、この最新技術の粋を極めたであろう映像はさすがロバート・ゼメキスといった感じですね。悪逆非道のナチスどもと戦う五人の女性たちもそれぞれ個性豊かで、彼女たちを率いるアメリカ軍大尉のいかにもプレイボーイ然としたところも大変グッド。そんな人形たちの世界をひたすら引きこもって創造し続ける主人公の偏執的な感じなど、この残酷な世界から必死に逃れようとしていることが痛いくらいに分かり、なんとも切ない。なんとなく僕は、アウトサイダー・アート界の伝説的人物、ヘンリー・ダーガーの創り出した「ヴィヴィアン・ガールズ」を思い出しちゃいました(知らない人はレッツ検索!)。ただ残念だったのは、後半の展開。物語の焦点は、酷い暴行を行った男どもの裁判に主人公が出廷し証言するのかどうかというところになるのですが、それが空想世界内におけるナチスとの闘いといまいちリンクしきれていない。それに向かいに住む女性とのラブストーリーも正直微妙だし、彼女に付き纏うDV彼氏の扱いもなんとも中途半端。このポップでありながらどこかフェティッシュな独創的な世界観は非常に魅力的だっただけに、惜しい![DVD(字幕)] 6点(2021-01-31 00:30:38)

709.  プロジェクト・パワー 《ネタバレ》 街に蔓延する謎のドラッグ、その名も「パワー」。その薬を呑んだものは、遺伝子レベルの体内覚醒により、様々な生物の特殊能力を手に入れることが出来るのだ。ある者はカメレオンのように体表の色を自在に変え、ある者はアルマジロのように銃弾を跳ね返すほど全身を硬くさせ、またある者はタコのように身体中の関節をぐにゃぐにゃにさせる……。超絶的な力を手に入れた〝超人〟たちが街に溢れ、社会を大混乱へと陥れる中、薬の供給元である謎の組織を追って、売人の少女、市警の私服刑事、元軍人がそれぞれの方法で謎に迫ってゆく――。という、まぁいわゆるマーブルの『X‐メン』なんかでもお馴染みのミュータントものなのですが、見せ方が巧いのでけっこう惹き込まれて観ることが出来ました。肝心の薬の正体をなかなか明らかにせず、最後までちょっとずつ小出しにしてゆく脚本もけっこうよく出来ている(若干イライラするけど!笑)。それぞれの方法で謎の組織へと迫ってゆく主人公を演じた、ジェイミー・フォックスやジョセフ・ゴードン・レヴィットといった人気俳優も華があって大変グッド。特に、敵味方双方のバラエティ豊かな特殊能力をCGで再現した映像は観ているだけでわくわくしちゃいますね。後半息切れしたのか、クライマックスに近づくにつれどんどんと脚本がグダグダになっちゃったのが残念でしたけど、まあエンタメ映画としては充分及第点。気軽に観る分にはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。[インターネット(字幕)] 6点(2021-01-31 00:08:12)

710.  ジングル・ジャングル 魔法のクリスマスギフト 《ネタバレ》 弟子の裏切りによって全てを失ってしまった偏屈な玩具職人が、孫の魔法の力を借りて再起を果たすという超王道クリスマス・ファンタジー。主人公を演じるのがオスカー俳優のフォレスト・ウィテカーということで今回鑑賞してみました。なんですけど、いやー、もうこれでもかってくらいベッタベタな内容でしたね、これ。最初から最後まで先の読めるストーリーにどっかで何度も見たようなミュージカルシーンの数々、そして一切個性の感じられないステレオ・タイプな登場人物たち……。正直に言って、この手の分野の大御所であるティム・バートンの作品から一切の毒を抜いたような超絶薄っぺらい内容でした。最後に明かされる、このお話を読み聞かせるお婆ちゃんの正体はきっとアレなんだろうなぁと思ってたら、本当にそのまんまのオチで思わず苦笑しちゃいましたわ。とは言え、けっこうお金が掛かっているであろう、仕掛け絵本を模したファンタジー・シーンはさすがのクオリティだったし、ミュージカルシーンもぼちぼち楽しかったので、何も考えずに観る分にはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2021-01-15 23:13:53)

711.  レベッカ(2020) 《ネタバレ》 両親を病で亡くし、以来天涯孤独となってしまった〝私〟。生きてゆくために私が選んだ仕事は、気難し屋の大金持ち婦人の使用人だった。モンテカルロでのバカンスに連れてこられた私は、そこで偶然、上流階級で優雅な生活を送る紳士、マキシム・ド・ウィンターと出会う。結婚したばかりの妻を海の事故で亡くし未だ失意の中に生きていたというウィンターに、私は徐々に惹かれてゆくのだった。彼もまた、そんな孤独な私に心を許してくれ、いつしか私たちは結婚を誓い合うまでに。婦人と話をつけ、晴れて夫婦となることが出来た私たちはさっそくマンダレーに建つ彼の大豪邸へと移り住む。高価な家具調度品やたくさんの使用人に囲まれ、何不自由ない生活を手に入れた私。だが、次第に拭い切れない違和感を覚え始める。家のあちこちに残されたRの文字。「レベッカっていったい誰なの?」――。そう、館の至る所に残されたその痕跡は、前年に死んだ彼の元妻レベッカのものだったのだ。夫や使用人に聞いても詳しいことは何も話してくれない。まだ生きて何処かに潜んでいそうなそのレベッカの影に、私は徐々に追い詰められてゆき……。閉鎖的な上流階級へと嫁いできた若き女性が、夫の今は亡き前妻の秘密に翻弄される姿を描いたサスペンス・スリラー。同じ原作を映画化したというヒッチコックの古典的名作の方は未見。まあ何十年も前に書かれた小説の映画化だけあって非常にオーソドックスな内容なのですが、それでも細部の演出がけっこう丁寧でなかなか惹き込まれて観ることが出来ました。主人公が豪邸の中で、今は亡き元妻レベッカの痕跡を徐々に発見してゆくくだり――夫の書斎に隠してある手紙やブラシに残った金髪、愛犬が部屋の一点をずっと見続けているといったエピソードの数々は、何処かモダンホラー的でぞくっとするような怖さがあります。特に、主人公に何かとチクリとする一言を放ってくる家政婦長のいや~~~な感じは特筆ものでした。ただ、残念だったのは後半の展開。ここまで良い感じでサスペンスを煽っておきながら、後半息切れしたのか急にグダグダになっちゃったのがなんとも勿体ない。特に最後に明かされることの真相はかなり強引で、僕は到底納得できるものではなかったです。前半が良かっただけに、この後半のモヤモヤ感がなんとも惜しい!え、原作もこうなんですかね?それともこの監督の詰めが甘いだけ?確認するにはやはり、ヒッチコックのその名作と呼ばれてる方を観るしかないですね。[インターネット(字幕)] 6点(2021-01-11 01:09:09)

712.  ミッドナイト・スカイ 《ネタバレ》 2049年、突如として発生した謎の現象により、地球は急速に滅亡へと向かっていた。逃げ惑う人々はなすすべもなく犠牲となり、三週間後にはほんの一握りの人々を除き、人類はほぼ死に絶えてしまう――。北極圏の小さな天文台に取り残された年老いた科学者もまた、絶望の中に生きていた。過去の思い出だけを慰めに、酒に溺れ、孤独に死を待つだけの日々。そんなある日、彼は宇宙の彼方からとある交信を受ける。なんと何年も前に木星の衛星へと旅立った宇宙船が任務を終え、今から地球へと帰還するというのだ。「今、戻ってきても地球には何もない」。すぐさま宇宙船へとそう知らせようとする老科学者だったがこちらからの交信はまだ向こうには届かず、しかも汚染された空気はもうそこまで迫っていた。ここよりさらに北に向かったところにある観測所に行けば、何とか宇宙船へと知らせることが出来るかもしれない。老科学者は、同じく生き残った口の利けない少女とともに天文台を旅立つのだった。だが、そんな二人に自然の猛威は容赦なく襲い掛かってきて……。終末を迎えつつある絶望的な世界の中で、ただ人類の未来のためだけに苦難の旅を続ける老科学者を描いたサバイバル・SFドラマ。監督・主演を務めるのは、もはやハリウッドの重鎮となったジョージ・クルーニー。という訳で、けっこう期待して今回鑑賞してみました。なんですが、うーん、正直どうなんでしょうね、これ。世界の破滅の原因となった事件を一切描かないというのは明らかに意図したことだとは思うのです。なので本作のテーマが、この生き残った老科学者の内面描写を中心とした哲学的なものになるのは必然。ところがこの肝心の人間ドラマが一向に面白くならない。きっとSF版『老人と海』のような究極の孤独なサバイバルを描きたかったのでしょうけど、それならこの口の利けない少女の存在は明らかに邪魔。かといって、この二人の絆がテーマになるのかと思えば、それも一向に深まっていかない。これではなんとも中途半端と言わざるを得ません。少女の秘密が明らかとなる最後のオチに至っては、なんだか取って付けたようで肩透かし感が半端ありません。と、明らかに欠点ばかりが目に付く本作なのですが、それでも僕はそこまで嫌いではないんですよね、これ。けっこうお金が掛かっているであろう宇宙船内の描写はスタイリッシュで洗練されていて、対照的に吹雪が吹き荒れる地上の描写は何処までも荒々しい。この二つのシーンが交互に展開される中盤はなかなか迫力があって、画的には普通に観ていられました。それだけにもう少しストーリーを頑張って欲しかったです。惜しい![インターネット(字幕)] 6点(2021-01-06 01:32:39)(良:1票)

713.  エノーラ・ホームズの事件簿 《ネタバレ》 あの伝説の名探偵には妹がいた!その名も、エノーラ・ホームズ。どうしようもないお転婆で、世間のせまっ苦しい常識なんか大嫌い、何かというとトラブルを巻き起こすじゃじゃ馬な彼女だったが、それでも兄譲りの推理力だけは誰にも負けない自信があった。そんな彼女の母親がある日、原因不明の謎の失踪を遂げる。「ママはきっと私に何かメッセージを残しているはず!」――。ロンドンで大活躍する兄も急遽帰ってくる中、そう確信したエノーラは独自に捜査へと乗り出すのだった。果たして母親は何処に消えたのか?問題の核心はロンドンにあると突き止めた彼女は、兄の手を逃れ、大都会へと向かう汽車へと飛び乗ることに。偶然出会った、同じく家出してきた貴族の息子とともに捜査を続けたエノーラは、やがて失踪した母親の本当の目的を知ってしまう……。19世紀のロンドンを舞台に、伝説の名探偵の妹が母親の失踪事件の裏に隠された陰謀を巡って大活躍するエンタメ作品。全編を貫く、観客にとにかく徹底的に楽しんでもらおうというサービス精神には素直に好印象。主人公となるお転婆探偵エノーラ・ホームズも充分に魅力的で、彼女とタッグを組む貴族のダメ息子もなかなかのヘタレ具合なのに決めるとこはちゃんと決めるというお約束も大変グッド。仕掛け絵本や古い映画フィルムを模した細かい演出もけっこうワクワク感あります。主人公が何かというとカメラ目線で観客に語り掛けるという、ともすれば鬱陶しさが先に立つ演出も僕はそこまで気になりませんでしたし。ただ、残念だったのは、脚本がいまいち練られていないとこ。肝心の母親の行方が物語の焦点となるのかと思いきや、後半は何故か相棒の貴族の息子くんの命を狙う黒幕探しになっちゃって、どうにもちぐはぐ感が否めない。ここらへん、もうちょっと頑張って欲しかった。とは言え最後まで小気味よく楽しめる、肩の凝らないエンタメ映画としては充分及第点。暇潰しで観る分にはちょうどいいんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2020-12-29 02:01:39)(良:1票)

714.  ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey 《ネタバレ》 映画としてはポンコツだったものの、サブキャラとして登場したハーレイ・クインというビッチな女の子があまりにもキャラ立ちしていて強烈な印象を残してくれた『スーサイド・スクワッド』。そんなクソビッチな彼女をがっつり主人公にして制作された本作。今回も主演を務めるのは、当然と言えば当然のまさに嵌まり役というしかないマーゴット・ロビーということで、そこそこ期待して鑑賞してみました。率直な感想を述べさせてもらうと、ま、こんなもんじゃろって感じの出来でしたね、これ。期待を大きく上回ることもなければ、こちらのハードルを著しく下回ることもないという、まさに模範的なスピンオフ映画。脚本がかなり大雑把なとこも、これまた想定内。とは言え肝心のアクション・シーンはけっこう力が入っていて、ポップでキレもそれなりに良かったしで、最後までそこそこ楽しんで観ることが出来ました。最後、追い詰められたビッチな女たちが一致団結して、けつあご男どもをばったばったと薙ぎ倒してゆくとこはなかなか爽快感抜群でしたね。あと、個人的に残念だったのは、ハーレイ・クインのハミけつが今回ほとんど見られなかったこと。ここ、自分にとってはかなり重要ポイントなんですけどー![インターネット(字幕)] 6点(2020-12-18 21:24:44)

715.  グッド・ライ いちばん優しい嘘 《ネタバレ》 長びく内戦の影響により、難民キャンプで過酷な生活を余儀なくされていたスーダンの少年少女たち。先の見えない生活に希望を見失いかけていたある日、政府の救済処置によってアメリカへと移住することが決定する。それまでアフリカの狭いエリアしか知らなかった彼らが、いきなりボストンの大都会で暮らし始めることに――。今まで電話もスーパーマーケットもマクドナルドすら知らなかった彼らは、突然の豊かな生活に戸惑いを隠せない。それでも親切な支援者の協力により、住むところも仕事も見つけることが出来た彼らは、アメリカでの生活に少しずつ馴染んでゆく。だが、長く続いた内戦の苦しい記憶は簡単には彼らを解放してくれない。そう、彼らには自分たちの命を守るために自らを犠牲にして兵士に囚われた仲間の存在があったからだ。そんな彼らが過去を乗り越えるために吐いた〝優しい嘘〟とは?実話を基に、そんな過酷な境遇で育った少年少女たちの人生を淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。冒頭から展開される、兵士たちによって両親や兄弟を殺された彼らの苦難に満ちた半生にはただただ圧倒されるばかり。その地で平穏に生きていただけなのに、たったそれだけで銃を向けられ愛する者を殺されてしまった子供たち。人間の愚かさに、改めて戦慄させられてしまいます。それでも前を向き、ただ「生きていたい」という切実な想いだけを頼りに希望を捨てなかった彼らの姿には心揺さぶられるものがあります。ただ、肝心のアメリカに辿り着いてからの後半部分には僕は残念ながらそこまで嵌まれませんでした。実話を基にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんとも地味。事実を改竄しろとまでは言いませんが、それでももう少しドラマティックに脚色しても良かったのでは。それに主要登場人物たち誰もが紋切り方で魅力に乏しいのも残念。もう少しそれぞれのキャラクターに個性を与えて欲しかった。社会の片隅で声にならない悲鳴をあげている社会的弱者たちに寄り添って映画を創ろうという監督のその思いには好感が持てるだけに、なんとも惜しい。[DVD(字幕)] 6点(2020-12-01 02:30:52)

716.  マリッジ・ストーリー 《ネタバレ》 情熱的な恋の果てに結ばれたはずの夫婦が迎えた離婚の危機を、ほろ苦いユーモアを交えて描いたヒューマン・ドラマ。監督は僕とはどうにも相性のよくないノア・バームバックだったのだけど、アダム・ドライバー&スカーレット・ヨハンソンという今ノリにノッてる人気俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、やはり今回も僕の好みとはどうにも合わなかったですね。確かに、全編に散りばめられたユーモアはどれもセンスがあって大変良いし、ときおり見せる機智と警句に富んだセリフにもハッとさせられるし(特に、キリスト教圏の女性は常に聖母マリアと比べられるというセリフには唸らされました)、役者陣のナチュラルな演技も素晴らしいしで、完成度はむちゃくちゃ高いのは僕も認めるところなんですけども。離婚どころか一度も結婚すらしたことのない自分としては、この離婚あるあるにいまいち嵌まれなかったのも要因の一つかな。まあでも最終的には、好みの問題。僕は本作のいい観客にはなれなかったようです。[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-24 00:30:59)(良:1票)

717.  オールド・ガード 《ネタバレ》 彼らの名は、オールド・ガード――。謎の現象により、ある日突然、不死の力を宿してしまった四人の男女。以来彼らは何百年もの間、歴史の陰で人知れず人類の危機を救ってきたのだった。ナポレオンのロシア遠征、南北戦争、二度に及ぶ大規模な世界大戦、そして冷戦終結……。遥か昔に生を受け、もはや何百年生きたかすら分からないアンディをリーダーに、彼らは今日も世界の危機を人知れず阻止していた。そんなある日、四人は数世紀ぶりに新たな仲間の誕生を知る。アフガニスタンの紛争地で敵の襲撃に遭い、呆気なく命を落としたはずの若き黒人女性兵士が、そのすぐ後には何事もなかったように立ち上がったのだ。脳内映像でそのことを知った彼らは、すぐさま新たな仲間の元へと向かうのだった。そんな折、彼らの存在を知った世界的製薬会社がその不死の秘密を探ろうと動き始めていた……。アメリカのグラフィック・ノベルを原作に、歴史の陰で暗躍する孤高のダーク・ヒーローたちをスタイリッシュに描いたSFアクション。主演を務めるのは、もはや世界一カッコいい美魔女と言ってもいいシャーリーズ・セロン姉さん。徹底的に鍛え抜かれたであろう彼女のそのパーフェクトなボディが画面狭しと暴れまくるアクションシーンは、もうさすがの貫禄でそれだけでも見応え充分でした。いやー、どうやったらこのお歳でここまでの美貌とプロポーションと身体能力を維持できるのやら…。この人、もはや半分機械で出来てるんじゃないかとさえ思っちゃいますね(笑)。ただ、それに対してお話の方には僕はそこまで嵌まれませんでした。まあ突っ込みどころ満載の荒唐無稽な設定はそーゆーもんなんで全然オッケーなんですが、問題は脚本の詰めの甘さ。まず、主人公がこのセロン姉さん演じる不死たちのリーダーなのか、それとも新人のこの若い黒人女性なのか、最後までそこらへんが非常に曖昧なのでいまいちどちらにも感情移入出来ない点。やはりこの黒人女性をがっつり主人公にして、物語の冒頭は彼女が生き返るシーンから始めた方が良かったのでは。そんな戸惑う彼女に、アンディはじめ不死の軍団が現れた方がより物語に入り込めたように思うのですが。あとこのアンディが物語の終盤で不死の力を失ってしまうシーンがあるんだけど、そこも結局どうなったのか最後まであやふやなまま終わらせたのは致命的。不死の力を失ってはもはやリーダーを続けていけないと思うんですけど。映像は終始キレイだし、アクションシーンもスタイリッシュでけっこう頑張っていただけに、もう少し脚本を練って欲しかった。惜しい!![インターネット(字幕)] 6点(2020-11-09 03:09:27)(良:1票)

718.  アマンダと僕 《ネタバレ》 彼女の名は、アマンダ。何処にでも居るような7歳の平凡な女の子だ。シングルマザーの母親と二人で暮らす彼女は、叔父でその日暮らしの気儘な青年ダヴィットに助けられながら生活している。たまには厳しいこともあるけれど、それでも彼女は大好きなお母さんとこれから先もずっと幸せに暮らしていけると信じていた。そう、あの日を迎えるまでは――。イスラム系のテロリストによって引き起こされた凶悪なテロ。アマンダの母親はテロリストの凶弾に倒れ、呆気なくこの世を去ってしまうのだった。急に独りぼっちになってしまったアマンダは、突然のことに哀しむ間もなく、ダヴィットとともに暮らし始めることに。だが、失ってしまったものの重みは徐々に7歳の女の子の心にも重くのしかかってきて……。常にテロの脅威にさらされる現代のフランスを舞台に、そんな凶悪なテロによって母親を亡くした女の子の心情を淡々と綴ったヒューマン・ドラマ。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、最初は延々と続くこの女の子の日常描写に退屈さが勝り、思わず眠気に襲われそうに。でも、中盤でそんな日常の延長線上に混ざり込んでくるテロ描写にその意図が分かり、そこからは徐々に物語に惹き込まれてゆきました。何気なく自転車を走らせていたら、遠くの方から聞こえてくる救急車のサイレン音、そして公園に血だらけで横たわる被害者たち……。テロがいかに日常を破壊してしまうかが分かり、改めてこの残酷な行為に怒りを覚えます。そして7歳にして、愛する人を突然失ってしまったアマンダ。彼女の哀しみを思うとどうしようもなく切なく、そんな彼女を徐々に受け入れ、ともに一緒に生きてゆこうと決意するダヴィットの心情描写も丁寧でなかなか好感の持てるお話だったと思います。ただ、最後まであまりにも淡々としているため、どうしても一個の物語としては弱いと言わざるを得ませんでした。圧倒的な悲惨な現実に立ち向かうためには、やはりそこには優れた物語がなければならないと僕は思うのです。誤解を恐れずに言えば、これならテロの被害者を追った密着ドキュメンタリーを観た方がいいのではないか。アマンダ役を演じた女の子をはじめ役者陣のナチュラルな演技も良かったし、大切なものを失った人々に寄り添うそのスタンスにも好感が持てるものだっただけに、監督にはもっとフィクションの力で勝負してほしかった。[DVD(字幕)] 6点(2020-10-19 09:00:52)

719.  誰もがそれを知っている 《ネタバレ》 美しい田園風景が何処までも拡がる風光明媚なスペインの田舎町。親戚の結婚式に出席するため、二人の子供たちとともに久しぶりに故郷であるこの地へと帰ってきたラウラ。アルゼンチンで事業をしている夫は急用のため出席することは出来なくなったものの、ラウラは久しぶりに会う家族たちとの再会を楽しんでいた。中には、若いころに情熱的な恋に落ちたかつての恋人パコの姿もあった。そうして始まった結婚式当日。式はつつがなく終わり、皆はそのまま二次会へと雪崩れ込んでいた。だいぶ酒が廻って、盛大に盛り上がる宴席。ところがその夜、ラウラは予期せぬ事態に見舞われることになる――。15歳になったばかりの長女イレーネが何者かに誘拐され、莫大な身代金を要求するメールが携帯に届けられたのだ。突然のことにパニックへと陥るラウラ。元恋人パコの力を借りて、彼女は娘の行方を決死の思いで捜しはじめる。だが、閉鎖的な田舎町では様々な噂や憶測が飛び交い、事態はどんどんと混迷を深めてゆくのだった。果たして娘を誘拐したのは誰なのか?そんな折、ラウラが今までひた隠しにしてきた過去の秘密が明らかになり……。ある誘拐事件をきっかけに炙りだされる、とある家族の秘密を濃厚に描いたミステリー。監督は、前作でアカデミー賞の栄誉に輝くイランの俊英アスガー・ファルハディ。主演を務めるのは実生活でも夫婦である人気俳優ペネロペ・クルスとハビエル・バルデム。僕とはどうも相性のよくない監督の最新作だったのですが、この二人の共演に惹かれて今回鑑賞してみました。確かに、考え抜かれた緻密な脚本や謎が謎を呼ぶミステリアスな雰囲気、役者陣の熱のこもった演技等によって非常に完成度の高い作品に仕上がっていたことは僕も認めます。最後まで観客をぐいぐい惹き込むこの演出力の高さは相当なもの。でも、やっぱりこの監督の作風は個人的に苦手でした。この人って、とにかく登場人物同士をひたすら罵り合わせるのが好きなんですよね~。どんどんと深まる疑心暗鬼から、もう全編に渡って激しい痛罵の応酬。どんなけ喧嘩したら気が済むねん、この家族(笑)。そう言ったわけで僕は今回もやっぱり嵌まれませんでした。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。[DVD(字幕)] 6点(2020-10-17 01:08:49)

720.  フッド ザ・ビギニング(2018) 《ネタバレ》 中世イギリスの伝説的義賊、ロビンフッドの誕生秘話を現代的な解釈で描いたエンタメ・アクション。これまで何度も映画化されてきたこの有名なヒーローを今回演じるのは、『キングスメン』でのぶっ飛んだアクションが記憶に新しいタロン・エガートン。このベタな題材をあくまでスタイリッシュかつスピード感溢れる展開で魅せようという本作の意図は分かりやすくて大変グッド。一つ一つのアクションシーンは普通にキレが良くってなかなか楽しめました。まあちょっとやり過ぎな感じがするのはご愛敬ですけど。だって、冒頭の十字軍遠征のシーンなんて現代的に撮ろうとするあまり、銃が弓矢になっただけでもはや『プライベート・ライアン』の冒頭シーンにしか見えないんですもん(笑)。それに肝心のストーリーの方が大味過ぎなとこもちょっと残念。あとヒロインの女性の方が明らかにブ…失礼、個性的なルックスをしてらっしゃったのも好みが分かれるところ。でもまあエンタメ映画としては、最後までストレスなく見られるし、アクションシーンも迫力満点だしで、普通に楽しめると思いまーす![DVD(字幕)] 6点(2020-10-14 01:55:00)

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