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プロフィール
コメント数 1617
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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721.  情婦 《ネタバレ》 史上最高レベルに「いったい何考えてんだよ」な邦題ですが要は私と同じ様に、もォ~マレーネ・ディートリッヒしか見えてなかった、というコトだとは思うのですね。今作の彼女は正に圧倒的!で、最初の登場シーンのオーラ全開なサマにせよ、件の"Damn you!"なんてワタシ最初観たときは10万ボルトか!てぐらいにシビレまくりましたし、その後証人台で涙を流すシーンの神々しい程の美しさもまた!(美しいでゆーともう一つ、変装をロートンにネタばらしして再び髪を掻き上げるシーン、カット切り替わった後の裏から見た横顔が、実はワタシ大好きなんですよね)。今作時点で56歳とは、ちょっと信じられませんです。 このとおり、彼女の演技その他のレベルはもう凄まじいのですが、本作がスゴいのは彼女と相対すべきチャールズ・ロートンとタイロン・パワーもまた負けず劣らずな高品質の演技を披露しているという極め付きの豪華さでしょう。そしてもう一つ、彼らの法廷での様子というのは全て「『演技をしている』という演技」だとゆーのも中々面白いですね(ディートリッヒとパワーは劇中の実際として、またロートンは弁護士として法廷では感情を表に出さない、という意味で)。二重構造とゆーかある意味で少しメタな、とも言えるかと思うのですが、ソコに関しても3人の演技には違和感が無いのがまず素晴らしいですし、そしてそのコトがラスト5分における「本音」の暴露大会というドンデン返しのスーパーな衝撃にまた繋がっている、とも思うのです。サスペンスとして一段上、とゆーか、実に精密に好く出来た作品だと思います。その部分のシークエンスの「あれよあれよ」なハイテンポぶりも、また他に類を見ないというレベルで最高ですし。 そのドンデン返しを爽やかに締めくくるのがこれまたエルザ・ランチェスター。彼女にしたって助演としての出来は出色で、こんなのもう完成度が高い!(参りました!)と言う他ないですよね。傑作かと。[DVD(字幕)] 9点(2021-10-22 23:14:16)《改行有》

722.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 同一の一連のエピソードを3人の異なる視点から語ってゆく…とゆーのは、確かに『羅生門』或いは(そのエピソードが本質的には男女の三角関係だという点では)『去年マリエンバートで』なんかにも構成としては酷似してると言えるでしょう。ただ、今作は上映時間の大半に渡って繰り広げられるその3つの「主張」に関して、映像的にはソコに決定的な矛盾があるワケでもなく(例えばル・グリがマルグリットに乱暴を働いたのが事実か否か、という部分とかが争点になるワケではなく)、あくまで各章で実際に観せるエピソードの取捨選択によるニュアンスの差異(と、映される映像自体の若干の物理的差異)に依って鑑賞者に与える3人の印象とゆーのが移り変わっていく、という意味での心理的サスペンスという感じではあったですかね(=ミステリー的なトリックが重厚・複雑、というよりはずっとシンプルなヤツ)。 だから同じ話を3回観せられるワケなのですが、映画自体の諸々のクオリティが非常に高度なのもあって、その部分は間延びしてるというコトもなくずっとハラハラと観入ってゆけましたね。そして、肝心なラストの決闘で誰が勝つのか(=誰が勝つ「べき」なお話なのか)という点にまたハラハラ感を残す為にか、結局3人ともに何らか「瑕」がある、とも言えなくもない様なお話で、最後まで中々にムズムズもしたのですよ。男2人はワリと単純なクズなのですケド、まあ微妙ですがマルグリットにも完全に「後ろめたさ」が無かったかとゆーと…(彼女も根本的には全く悪くないのですが、ゆーてル・グリの「主張」のある部分1割程度は真実に見えなくもない…というレベルかとは思いますが) とは言えその意味では、やはり時代的なコトもあって非常に「抑圧された女性」という存在であるマルグリットに関して一番「丸く収まる」この結末は、納得感やホッとする感の観点からは非常に無難なハッピー・エンドだったとも思います。そして重ねて、映画自体の質は歴史ものとしてもサスペンスとしても、かつ部分的に挿入される壮絶なアクション面にしても極めて高レベルだったと言って好いでしょう。普通に傑作の部類だと思いますね(流石リドリー・スコット、また次回作が観たくなってしまいますね)。[映画館(字幕)] 8点(2021-10-21 01:35:32)《改行有》

723.  グッバイ、リチャード! 《ネタバレ》 孤独ですねえ、リチャードは。今作では死を宣告された後の彼しか描かれてゆかないのですが(エキセントリックかつシャレオツに自暴自棄に陥ってますケド)、恐らく彼は(家族も含めて)あまり他人に興味が無い、という人物だったのだろうと容易に想像できるのですよね。ラストで彼は妻と娘に遂に別れを告げるのですが、二人とも実にアッサリした反応だったのが逆に印象的でした(それは心が通じ合っているから…というコトでもないよーに見えて)。少なくとも、彼に病を告白されて後はしばらく彼を救おうと奔走したダニー・ヒューストンとは、接し方がだいぶ異なる、というか、フツー家族ならもっと取り乱すなり何なりするよね?つーか。 正直途中までの私の印象は、好くある「死期を迎えて自分の人生を見つめ直す」系の映画でしかなくて、ユニークさというのがあまり無いかな、とも感じていたのですが、今作がナニを描きたかったのかはラストでだいぶ繋がりました。このニヒルさは決して悪くないと思いましたし、後から思い返せばそれを表現する・そーいう男のキャラを構築するデップの演技はかなり上質だったと思います。彼のギャラは決して安くないと思われますが、それに違わぬ流石な仕事ですね。まあまあ。[DVD(字幕)] 6点(2021-10-20 00:07:57)(良:1票) 《改行有》

724.  燃えよ剣(2020) 《ネタバレ》 映画観た後に原作小説も買っちゃいましたが、コレもそれなりにボリューミーなので、やはり映画は相当に駆け足+取捨選択を隅々まで工夫した、というコトに感じられます。その意味では駆け足は確かに駆け足でしたかね~結構満遍なく個々のシーンが急ぎ気味、という感じで、余韻を感じてマッタリできる様なシーンはほぼ皆無だったのではないでしょーか。オーラスとかは、流石に少しは間を取れば好いのに…なんて思ったりもしましたね(あんなに超速でエンドロール流し始めるとは思いませんでしたよ)。 ただ、まずはそれ故に展開運びの密度はかなり高くて、長尺ですがほぼダレずにワクワク観切ることが出来たのも確かです。そしてもう一つ、予算は相当に潤沢なよーで、個々のシーンの諸々のクオリティは総じて十分以上に高くつくり込めていたと思います。ロケーションは京都に拘ったのかと思いましたが、中々和の趣の在るセンスの好い場所を使えていて率直に素晴らしかったですね。アクション(殺陣)もまずまずでしたかね。 岡田准一と柴咲コウも好かったと思います。その他キャストも豪華なので、まあお値段以下というコトもないかと。[映画館(邦画)] 7点(2021-10-16 18:03:39)《改行有》

725.  女性上位時代 《ネタバレ》 まろやかですね~典型的なセックス・コメディ(イタリア式コメディ)ですが、冒頭に提示されるテーマからすれば思いの他とてもマイルドに仕上がっているとも思います(最近ワタシがこっそりロマンポルノばっか観てる、とゆーのが大いに影響してるという気もしますケド)。スパーク嬢はデビュー当時からすれば少し年齢を重ね(当り前)、またややふっくらしたかとも思いますが、それでも後半のシーンで晒される全身のプロポーションは中々見事なモノをキープしてましたかね。ぶっちゃけ今作、前述どおりエロもコメディもごく微笑ましいというレベルの作品だとも感じますが、スパーク嬢の平場のルックス面のつくり込みの凝り様と(出てくる度に違う衣装着て髪型も変わってる)、後はヌードシーンでもワリと躰を張りまくってる(時代を考えれば)とゆーのは今もってなお実に素晴らしい映画的アドヴァンテージになっていると思いますね(ヌードシーンは最初は手控えてると思いましたが、トランティニャンが出てきてからはなんか加速しましたね)。個人的には全然観る価値十分だったかと。オススメ。[DVD(字幕)] 7点(2021-10-16 01:59:13)

726.  タイトル、拒絶 《ネタバレ》 デリヘル店を舞台にした群像劇。全体を通してのストーリーというものも特に無くて、個々の登場人物のキャラクター(=それを表現する演技)が見所という作品かと。 主人公はいちおう伊藤沙莉ということになっているが、彼女は別に風俗嬢じゃなくて単なるパシリで、人間的にもごく真っ当な人物である(風俗の面接にスーツで来ちゃうくらいに「真っ当」)。というか、風俗嬢になろうとするも最初の客でパニクって諦めた、という意味では(真っ当だけが取り柄の)馬鹿にもなり切れない程度に救い様の無い無能、と言っても好いかも知れない。ある場面で爆発する以外は全体的にもローテンションで、正直あまり目立っている訳でもないので、彼女目当てでワザワザ観に行った期待値に対しては若干肩透かしを喰らった様な気もする(まあ、今作に関しては引立て役ということで)。 彼女に代わって熱量のある演技で映画のハイテンションな側面を形成していたのが佐津川愛美。冒頭の超ハイテンションに笑い転げる陽キャ具合からして非常に癇に障って実にグッドだったが、その後のネガティブ展開におけるアバズレ感にも全く無理というものが無く、非常にリアルかつキレ味も有る出色の出来だった。流石である。 しかし、その佐津川の更に上をいったのが恒松祐里(少し意外)。基本的にニタニタ笑っている役なのだが、その秘める闇が明らかになるに連れて笑顔に「凄み」を生じていた(心は少しも笑ってないのに口だけだらしなく嗤ってる様子の気色の悪さったら)。彼女と佐津川の対決シーンにもキレがありましたね。火を点けるつもりなど無かった女と、火が付くことを何とも思っていない女。決着が一瞬で付いたサマには、これ以上無い「一撃必殺」の何たるかを感じ取りましたよ。 別に全然悪い作品では無いと思うが、内容というものがチャンと在る訳でもないし、演技面にもそこまで斬新なアイデアが在る訳でもない(前述の二人の演技はかなり面白いケド)。ただ、特にお話の部分は全体的に状況のリアリティとゆーのを少し欠く様に感じられるとも思うのだよね。つーかそもそも風俗関係者なんてみんな頭オカシイ…てだいぶヒドい偏見な気がするんですケド。[映画館(邦画)] 6点(2021-10-16 01:54:18)(良:1票) 《改行有》

727.  ロニートとエスティ 彼女たちの選択 《ネタバレ》 メインどころはLGBT系恋愛映画、とゆーのは見た目的にもそのまんまだと言えるでしょう。ただ、そっちの方面はオーラスまでごく在りがちな「駆け落ち」ものに見えているのでして、オチも「駆け落ち」て終わりでこそないのですが「そー来たか~」程度に想像はつくものであるので、豪華Wレイチェルのセックスシーンを含め(コレもまあまあ大胆は大胆なのですケド)単純に恋愛映画として観た場合にはさほど目新しいものでもないと言って好いかも知れません(LGBT映画も最近はとみに多いですし)。 なので正直私が面白かった(興味を持って観てた)のは、登場人物のバックボーンであるユダヤ教コミュニティの描かれ方なのですね。率直に相当に「悪役」な描かれ方とゆーか、中々頭の固そうな感じ(=宗教よろしく「理屈」の通じなさそうな)に仕上がってまして、逆に観てるコッチがなんかちょっと心配になってしまいました。調べると確かに、超正統派ユダヤ教とゆーのはこーいう感じでもあるらしいとのコトで、ソコは少し勉強になりましたね(その辺、日本人ならある程度は前提知識を入れて観た方が好いかも知れません)。 ただそーは言っても個人的な感覚として、たとえ敬虔な信者であっても理性的な人間ではあるのでしょうから、今作の信者個人個人の描かれ方には少~し一面的な感じも覚えました(まあドヴィッドのキャラでバランスを取っているというコトなのかも知れませんが、重ねて、ユダヤ教コミュニティの内部にもソコに関する濃淡があるハズだ、と言いたいのです)。また、その方面を比較的ラディカルに描いて問題提起をしようとゆーのであれば、むしろオーラスはやや八方美人な感じに終わらせている、という様にも見えて、なので個人的にはこのラストは少しトーンダウンしたな、という方の見え方にも感じられましたかね。「見た目」は前述どおり恋愛ものなのですが(特に日本での感じだと)、実際のトコロは恋愛ものと社会派ドラマが(好く言って)半々くらいかなあとも思われまして、その意味ではもう少し思い切ってどっちかに寄せた方が好かったのかも知れませんですね(今作の感じならセックスシーンとか正直要らないカモ、とも)。[DVD(字幕)] 5点(2021-10-16 01:47:53)《改行有》

728.  らくごえいが 《ネタバレ》 『らくごえいが』というド直球なタイトルから、そしてオムニバスというお誂え向きな設えから、観客が(特に落語ファンが)想像するだろうモノとは些かかけ離れた内容だと言ってしまっても好いだろう。ラストに本物の落語家が「講評」を述べていくインタビューシーンが在るのだが、みな慎重に言葉を選びつつもハッキリ「落語ではない」と断じたうえで、一部は相当に微妙な表情を浮かべていたのも然もありなんとは思うのだ。ただ、やはり落語をお話としてそのまま(現代)映画の題材にするとゆーのはかなり難しいコトだとも率直に思うのだし、そもそも無理にそーしたトコロでどれだけの意味・価値があるのかという観点からも、本作の様に落語のある種の「エッセンス・コアとなる要素」あるいは「何らかの独特な設定」のみにせよソレを汲み取って活かすことをコンセプトに短編映画を撮るとゆーのは、実はそこまで悪いコトでもないかと個人的には思うのですよね。 ただ、そーは言いつつ問題は、このオムニバスが落語から取り入れているそれらの「要素」とゆーのが「コアな or 独特な」とゆーには少し的外れに思える、というコトなのですよ(だから尚更ピンと来ない…つーか)。もう一つは、やっぱ元が落語なら結局「笑い」になってない、てのは流石にダメじゃね?とゆーコトですね。この2つの観点からしても、前述のインタビューシーンで多くの落語家が明言しても居たよーに、含まれる3作品の出来は『猿後家』→『死神』→→→→→『ねずみ』の順だとゆーのは私も完全に同意見ですね。 1.ビフォーアフター(35分)※元ネタは『ねずみ』 正直、旅館の名前が「ねずみ屋」じゃなきゃ誰も落語由来だと思わんでしょーね(キャラで「左」て名前のヤツが居たりもすんだけど)。元ネタから取り入れた要素はそのまま「潰れかけの旅館が大逆転!」というお話の内容の部分、なのだケド、それこそそーいうコトじゃねーだろ!としか言い様がないのですね。どだいこのコンセプトで選んだ元ネタが「左甚五郎もの」とゆーのがもう致命的でしょ。そもそもが人情噺の系統で寄席じゃ確実に「トリ」ネタなのだし、コレをオムニバス3作品の頭に持ってくるとゆーの自体にかなり深刻なセンスの無さを感じますですよ。あまり言及すべきコトも無く、只つまんないボンクラすね(モチロン笑えもしねーし)。 2.ライフ・レート(31分)※元ネタは『死神』 「人為らざる者から異形の能力を授かる」てのがコンセプトで、コッチは見る人が見りゃあ言われなくとも『死神』が元ネタだとスグに分かるっしょ。ただ、落語の『死神』には更に元ネタがあって(アレって実はグリム童話なのですよね)、その意味ではこれもやっぱちょっとピント外れに思える、とは言いたいのです(『死神』じたい有名な噺ではありますが、落語としては相当に毛色の特殊なヤツだと思いますし)。ラストに志らくが「落語とは人の業の肯定」だという師匠の言葉を引用しますが、それはその通りで、まずはあくまで「実在し得る」レベルの可笑しな・愚かな人間の有様をポジティブに捉えて「笑おう」とゆーのが落語の本質だとは私も感じているのです。 この短編そのものとしても、オチの部分が正直イマイチなのがちょっと痛いですかね(個人的には、実は第1話同様全くハマりませんでした)。しかし、死神という「独特な」キャラのユニークさ、という意味では、コレを演じるのが安田顕だとゆーのが効きまくっていてその面のクオリティは存外に高いとも言えるのですよ。その部分で、少なくとも第1話よりは明確に上回る、とは思いますですね。 3.猿後家はつらいよ(28分)※元ネタは『猿後家』 これもラストのインタビューで林家三平が「第3話なんて全く猿後家と違うハナシじゃん!」とか言ってましたが、個人的にはコレが一番「元ネタの落語のエッセンス」を汲み取った話だと思いますね。つまり「ココロにも無いコトをベラベラ喋りまくるコト」の滑稽さを描いたコメディだ、という意味でです。その観点では、元ネタでソレをやる人物とはかなり異なる属性のキャラながら、肝心のその部分を演じる加藤貴子の「ココロにも無い」虚ろな感じは結構上質だったと思います。全体的にコメディとしても単純にそこそこ好く出来ていてまあまあ笑えるので、出来は3作では少し抜けています。今作に免じて全体の評価も1点アップしておきます。 (余談)元ネタは上方→江戸に移入されたという(実は結構よくある類の)噺なのですが、個人的にはコレに関しては上方版の方が絶対に好い!と思います。上方版は奈良見物の件の「語り」が実に心地好いのですよね(まあ演者に依るトコですが)。滑稽話ながら笑いだけでない別の価値も備えた良質な落語かと(まあ映画には活かされてませんケド)。[DVD(邦画)] 4点(2021-10-14 02:08:06)《改行有》

729.  狂ったバカンス 《ネタバレ》 カトリーヌ・スパークちゃんの出世作、というコトで、見た目的にも今作はサービス精神がごく旺盛とゆーか「挑発的」そのものですね。ド初っ端からダボダボセーター上一枚だけ(下は水着)に始まり、その次もタオル一枚巻いただけ風(下は水着)→ヘソ全開のノースリーブにギリギリローライズ→そして背中全開の着替えシーン→からの白水着全開、と正に小悪魔・罪つくりと言った風情極まりないですね(トニーノくんがコロッと参っちゃうのも分からんでもねーなと)。 しかし、その小悪魔ぶりが高じてくる後半は、トニーノくんも流石にだんだんイライラし始めて→からかい方もちょっとタチが悪くなってゆき→最終的には暴力沙汰にまでなる、そこら辺は少し(いくら自業自得とは言え)オッサン可哀そうだな、と思われる様な話ではあります(私も完全にトニーノくん側に感情移入する歳になったとゆーコトですね)。ただ、そんな中でもスパークちゃんの眼差しは(多分に小悪魔的で在りながら)どこか実に無垢で美しいモノで在り続けた、様にも見えるのですね(何故だか)。まあ、そーいう目付きを必要なだけつくり込める、とゆーコトまでを含めての「真の」小悪魔なのかも知れませんケドも。[DVD(字幕)] 7点(2021-10-14 02:00:48)《改行有》

730.  恋恋豆花 《ネタバレ》 映画というよりは旅レポ・食レポ方面にだいぶん寄った質感で、とは言えその意味の範囲内では全然悪い作品でもないかなあ、と(キョウビの状況において台湾旅行したつもりで観る分には全然使えるとも思います)。しかし、映画としての体裁的な意味合いでいちおう人間ドラマ要素が無いワケではない、そしてその部分がむしろ少し中途半端で若干興を削ぐ様な、という悩ましい感じでもあるのですね。もう一つ、その旅レポ・食レポを実際に担うのはモトーラ世理奈ちゃんなのであり、このコに対する好みとゆーのも直に作品の評価に繋がってくるのは確かだろう、とは思います(私は正直、楽しそうな彼女の様子が観たくて本作鑑賞しましたのですね=なので特に問題は無かったですが)。 ただし、旅レポ・食レポにしてもその中で相当に食レポの方にまた寄ってはいるのであって(体感80%は「食」のシーンの様な)、じゃあモトーラちゃんがその食レポ(風)が達者かとゆーと決してそーでもない、とゆーのはやや頭の痛い点だと言えるかも知れませんですね。感じたのは単純に「そもそもこのコこんなに食わねーだろ」とゆーコトなのですよ。演技?の中でも「食」とゆーのは意外と誤魔化しの効かないトコロかな、とも思います(常人でも日に2・3回は必ずやってるチョー普遍的な行為ですからね)。その意味でゆーと前述どおりやや「無理」とゆーのも垣間見えたとゆーか、少なくともいっぱい食べて(完食して)満足満足…という様なシーンも無かった…かと。結論、本作のこのコンセプト(台湾の「食」におんぶにだっこ)なら、ソレを「食べる」主役はモトーラちゃんじゃなくても好かったカモ…とも思いますかね(残念ながら)。[DVD(邦画)] 5点(2021-10-10 01:16:55)《改行有》

731.  ゴーストランドの惨劇 《ネタバレ》 叙述トリック、との触れ込みであった様に記憶しているが、その部分のクオリティは率直に中の下くらいか。これは要するに時間軸の入替え、1→2→3だったものを2→1’→3にしている、程度の簡単な工夫であり(要は、一連の襲撃シークエンスを序盤と終盤に分割したかった、というコトなだけに思える)、その点についてはやや肩透かし気味な出来かとも思う。 しかし、肝心のヴァイオレンス描写に関しては何の文句も無しに高水準。ロー・ティーンの女の子にここまでする?というレベルの暴虐非道ぶりは極めて高度な見応えを生んでおり、というかこれは一般人向けの水準を完全に凌駕している(まあ、監督には『マーターズ』という「前科」があるので、まかり間違ってなんとなく観に来てしまった方にはご愁傷様と言う他無い)。魔女とバケモノ、と称される恐るべき犯人コンビのホラーモンスター感も中々素晴らしい。ゴスロリ方面に手を伸ばした気味の悪い雰囲気も部分的にかなり上質。とにかく怖い(というか悍ましい、不快な)映像体験を所望しているなら、非常に手堅くオススメできる。[映画館(字幕)] 7点(2021-10-09 11:16:57)(良:1票) 《改行有》

732.  ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー 《ネタバレ》 戦意高揚映画とのコトで、描かれるのは古き良き「アメリカの価値観」と、正にソレを体現する様なジョージ・M・コーハンの波瀾万丈一代記なのです(一点の曇りも無いアメリカ万歳!映画すね)。ただ、彼の物語として本作を観る限り、常に家族や仲間と志を共にして歩んだ彼の人生とゆーのは確かにそういった価値観を大いに体現するものであった、とは十分に感じられるのですね(=上っ面だけのプロパガンダ映画では全くないかな、と)。才気煥発な男ではありますが、相当に頑固で我の強烈なトコロも含めて決して弱点・欠点の無い人物だというワケではないと思うのです。ソコを、家族や仲間と支え・支えられするコトでむしろ短所を長所にも変えてゆけたとゆーか、その部分は彼の奥さんが言う様に「あなたには誰かがついていないといけない」というコトだったのかな、と思いました。なんとゆーか実に微笑ましく、そして羨ましい人生だと感じますね。 特にイイな!と思ったのはその奥さんとのワンシーン。大女優フェイに自作の劇に出演してもらうためアピールしに行くのですが、奥さんに歌わせたい曲"メアリー"は彼女には渡したくない、その彼の葛藤の様子に垣間見える確かな家族想いの側面(そしてやはり芯の通った側面)と、結局そのコトをごく明るく快く受け入れる妻の「彼女は歌を取って、私は貴方を取った」という洒落た返しも含めて、私も実に心地好く爽快に観ていましたですね。加えてその後、フェイが件の歌を舞台で披露するシーンも好かったですね。奥さんを演じるジョーン・レスリーもそこそこ歌は巧いのですケド、フェイ役のアイリーン・マニングは更に一枚上手とゆーか(彼女は確実に声楽的なトレーニングを積んだプロですね)、そのコトが妻の決断の正しさ・聡明さを顕かにしているし、歌唱シーンとしてもより感動的なモノに仕上がっていると思いました。ここの流れ、スゴく好きですね。[DVD(字幕)] 8点(2021-10-09 03:00:59)《改行有》

733.  アナイアレイション -全滅領域- 《ネタバレ》 なるほど、ジャンル分けするならSFかホラーか、という作品に感じられるのは確かですが、描こうとしているSF的概念にせよそれがもたらす一種の恐怖にせよ、かなり抽象的で曖昧なモノなのですよね。その意味では、邦題がちょっとイケてないかも知れませんね。原作小説の邦題が『全滅領域』で原題が(+映画の原題も)『Annihilation』なので、映画の邦題も無難と言えば無難なのですが、繋げちゃうとなんか…もうチョイ物質的で多少チープめなSFにも見えますよね。 ただ、そーいう作品としては中々細部まで好く出来てたのではないでしょーかね。肝心なトコロが抽象的、とは言ったものの、映画の入りは結構フツーのSFに見えなくもなくて、ただそこから続いてゆくひたすら緩慢なテンポや、起承転結がイマイチ感じられないただただ不穏な展開運びが次第次第にどこか寒々しくて血の通った感じのしない異様な空気をつくり上げてゆき、ラスト、灯台付近で映像的にも異世界感を一気に炸裂させてどこか違う次元へと連れ去られる様な、とゆーのが実に爽快だったですよ。そのラスト付近の映像表現もかなりユニークで「美しい」モノだったりで、その面でのお得感もかなり高度でしたし。 確かにオーラスの「瞳」の描写はちょっとよく分かりませんでしたが(個人的には蛇足に見えます)、総合的にはかなり楽しんで観ることができました。ナタリー・ポートマンの品格も(ある種ちょっと「お高く留まった」本作には)非常に効果的だったと思いますね。[インターネット(字幕)] 8点(2021-10-09 02:59:21)《改行有》

734.  太陽の下の18才 《ネタバレ》 まあ言うて、中々おバカでごく中身の薄い映画なのは確かですよね。おバカを演じるキャラクターも次第に収束してはゆくものの、序盤は誰が誰だか分からない男どもが入れ替り立ち替り騒いでるだけ、という風で結構高度に訳ワカメです。女優も、意外にカトリーヌ・スパークが絶対的メインというコトでもなくて、代わりばんこに結構大勢(無秩序に)出てきます。その意味ではワリと期待したんですケド私、少なくとも今作のスパークちゃんには正直あまりハマりませんでしたね(やはり非常に華のある女優さんだとは思うのですが、そんなに登場シーンが多くもなくって…ですね)。 まあでも、南欧のバカンスのイイ~雰囲気とゆーのは大いに感じられてソレだけでもだいぶ心地好くはありました。日本人なんて夏休みとて長くて10日くらいで、移動も含めれば観光地に出向いて遊べるのは4,5日程度、となるとやっぱり精力的に予定を詰め込んでむしろ疲れちゃう…てな感じが多いのかなとも思うのですよ(私も確実にその部類ですし)。本来のバカンスってそーじゃなくて1日遊んだら2日ゴロゴロする、みたいな感じかと思っていて、そーいう手持ち無沙汰なノンビリ感(からの、ならナンパでもしてみっか!感)が濃厚に感じられたのがまた心地好かったかな、なんて。なんとも羨ましい社会的習俗ですよね。[DVD(字幕)] 4点(2021-10-09 02:33:04)《改行有》

735.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 今作を改めて観ても思うのはその影響力、と言いますか。この作品におけるジャック・レモンの仕事とゆーのは(まあ別に「今作の」彼に限ったコトでもないのかとも思いますが)、実にそこら中でソレを彷彿とさせるモノに出会うなあ、というコトですね。よりフィジカルな喜劇であるチャップリンを別にすれば、「笑い」を志す者がシチュエーション・コメディとして今作以上に観ておくべき作品とゆーのも他にあんまし無いのではないでしょーか(まあこれはもはや、別にお笑いの分野のクリエーターに限るべきコトでもないのかも知れませんケド)。 限り無く「普遍的」な(=時代を超える)クオリティを備える作品だと感じますが、強いて言うなら登場する男どものクズさ加減とゆーのには少しばかり時代を感じる、というトコロですかね。シェルドレイクなんて、今どき例え民間企業でもちょっともう許されないレベルのモラルの無さに思われます。まあコレとて(特に日本では)ここ最近ようやく少し向上しつつある、という部分かとも、つまりごく最近はそう思われるよーになったということなのカモ、とは思いますケドね。[DVD(字幕)] 9点(2021-10-06 20:01:57)《改行有》

736.  ミルドレッド・ピアース 《ネタバレ》 なかなかジョーン・クロフォードの(見た目の)全盛期の映画とゆーと、正直観る機会が無かったのですが、その意味では今作は比較的良いタイミングの作品で、彼女の類稀な美人ぶりが(まだ)冴え渡っている、と言っても好いのではないでしょーかね。彼女はまた今作でオスカーも獲得していますが、その凄みの有る(どちらかと言えば冷たい)美貌に違わぬ鉄の様に「強い」女を率直に言って好演しています。時代も考えればかなり特徴的なキャラだと言って好いかと思いますね。周りの男たちとゆーのが総じてだらしなさ過ぎる、とゆーのは確かなのですケド、彼女はその誰もと対等以上に立ち回り、才覚を発揮して経済的には特に男どもも顔負けに見事な振舞いを見せて…ただ、少し彼女のキャラのつくり込みに物足りなさがあったのが、その強い部分とゆーよりは弱点の方、つまり、娘を含めて何故彼女はこーまで人間関係にトラブルを抱え続けるのか、というその理由の部分ですね。なんとなく分かる様な気もしなくもないのですが、特にヴィーダが何故あーまで人格破綻者の様な有様に育ってしまったのかとゆー部分には、少なからず観ているコッチも引っかかるモノがあるとも思うので、その「ワケ」はもう少し分かり易く描かれた方が好かったと思います。そこそこビックリかつ悲劇的な結末も含めて、重厚なネガティブ人間ドラマとしては見応えは完全に十分です。良作。[DVD(字幕)] 7点(2021-10-06 19:49:27)

737.  ガラスの城の約束 《ネタバレ》 弱者に決して優しくない現代社会では、余程の「物理的」要因でもなければ「善人」或いは「自分の食い扶持を稼げる程度に勤勉な人間」である義務から解放されるコトはない。増してや「人の親」ともなれば尚更である。しかし、世の中にはそーいった要因までは備えずとも、その義務をギリギリ果たせない程度に「性格」に難が有り、そして端的には「愚かな」人々というのも確かに存在するのであって、そして更に厄介なのが、そーいう人々は善か悪かの二元論でスパッと切り分けられる様な単純な人間性を擁しているワケではコレも決してなくて、確実にそーいった種々の側面を入り混じって併せ持ち、そして善か悪かを(法的にはともかく道義的には)簡単に断じるコトなど出来ない存在であるのも確かだろうと思う。ガラスの城など机上の空論ではあるのだろうケド、その「美しい」モノをただ志向する人間とゆーのは、確かに愚かではあれど決して悪人でもない様には思える、つーか。 まずは今作、そーいう人間が親になった場合(そして「不運」にもそーいう人間を親に持ってしまった場合)に発生するネガティブな事象とゆーのがそれこそイヤ!ってホドにド初っ端から見せつけ続けられる。ので、決して居心地の好い作品というワケではないのだし、結局最終的にそーいう「親」の側に感情移入の切り口を持ってこようとしている、という意味ではかなり「危ない橋を渡ってる」作品だとも思う(とゆーか普通に、序盤~中盤の描写は現実的には虐待・ネグレクトに該当する行為だと言って間違い無いと思うのだし)。今作の論点は端的には、そーいう人間が親になることの是非、というトコロだとも思えるが、率直に言って実に微妙な間隙を突いて来ている作品だ、とは感じるのだね(個人的にはやや、この両親に対する嫌悪感が勝る人の方が多いっちゅう気もするケド)。 ただ、その善悪併せ持った親の二面性・複雑性を表現するウディ・ハレルソンの演技は、正直ここ一年位に観たモノの中でも最高レベルに素晴らしいモノでした。そしてまたブリー・ラーソンの葛藤する様子にも、私は大いに共感できたのですね(確かに自分の親は社会からは相手にされない様な人物だけれども、だからと言って子である自分が親を否定することが(法的・社会的にはともかくコレも「道義的に」)正しいのか、と)。何よりそんな中でラーソンが出した結論とゆーのは、人間関係においてはなるべく「善き」部分をより目を開いて見るようにしたいと考える私のポリシーからもやはり深く共感できるモノ・とても暖かいモノだったと思います。全編に渡って中々辛い映画でしたが、最後まで観て好かったすね。[DVD(字幕)] 8点(2021-10-06 00:39:23)《改行有》

738.  007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 《ネタバレ》 ダニエル・クレイグ版の007は、一作一作が必ずしも単発のアクション映画に留まってはおらず、シリーズを通して人間関係に強めの繋がりが在ってその中にボンドはじめ個々のキャラの人間性がより深く描き出されてゆく、そのコトに重きを置いた作風が率直に大衆に大いにウケたとも思えているので、その意味では今作がシリーズの総括としてよりその方面を重視していること、端的には過去作とリンクしたシーンが非常に多くて、なので尺もかなり長大であって、そして最後には衝撃の結末をもってシリーズの「完全な」終焉を迎えている、そのコンセプト自体には個人的には全然しっくり来たと言っても決して過言ではないです(確かに長尺ですが、だからソコはあんまし気にならなかったですね)。 ただ今作では残念ながら、そのコンセプトがもたらす弊害的側面の方がより目立っていたという様にも感じられます。まずとにかく、過去の話はどーあれ今作で始まった話とゆーのが実に薄くて味気無い、というコトなのですよね。ラスボスのサフィンにしても、ド初っ端に顔見せでチラリと出た後は本格的に出て来るのがもう中盤だいぶ深くなってからですし、そこからも彼の人物像・目的・能力のどれもよく分からないまま彼をほったらかしにお話は進むので(ある種)唐突に完全に彼の話になる終盤以降とゆーのが(それまでと比べて)非常につまらない・どーでもいい感じになってしまっていると思われたのですね。味方にしても、例えば後輩ちゃんは中々好さげなアクションキャラの風を醸しているのですが、彼女の活躍シーンは少ないし地味だしでコレもだいぶ物足りなかったですし。 だから根本的には、今作は007シリーズの新規の一作とゆーより、おそらく『スペクター』の直接的続編だという心構えで観た方が好いのかも知れません。特にボンドとマドレーヌのその後を(人間ドラマとして)観てみたかったという人が最も喜びそうな作品、とゆーのが一番的確な表現に思われます。でも一方で、前作で意味在りげに生き残されたブロフェルド(とスペクター)は今作で非常にアッサリ滅びてしまいますし、そーいう意味合いで捉えたとしても全てが巧くハマってる作品だとは到底言えません。要は、そーいうコトしたいなら最初から二部作としてチャンと考えてやらんとダメだよね、とゆーコトかと。 もう一つの大きな問題が、実質「ボンドガール」不在という物議を醸しそうな設えですかね。マネーペニーが完全にサブキャラに引いた今作では主要な女性キャラが3名登場しますが、後輩ちゃんは(よく見るとそこそこ魅力的ではありますが)ボンドの女になりそーな、というキャラづくりにはなってないですし、マドレーヌはボンドとの関係性が「恋人」とゆーよりも完全に更に深いモノになってしまってますし、もう一人、パロマちゃんは度肝を抜くホドにデーハーでセクシーな出で立ちで登場するものの完全にスポット的なソコだけの出演に留まっており、何れもボンドガールとしての役割は果たせていないのですね。まあ前述どおり今作はボンドとマドレーヌのもはや「家族的」なお話なので、ボンドガール自体が(選択的に)御役御免とゆーコトなのでしょう。が重ねて、ソコには不満を持つ観客も確実に(結構大勢)居ると思いますし、だからスポットであれパロマちゃんを無理に捻じ込んでいるとも言えるのでしょうし。てかパロマちゃん自体は見た目の完成度は相当に高かったのでその意味で単純にかなり勿体無いとも思えて、この点に関してはなんか中途半端やな~とも思いますね(チャンと入れるか全く入れないか男らしくどっちかにせいよ、と)。 結論、一番やりたかったコトの部分にはかなり賛同も出来る作品ですが、ソコとその他やるべきコト or やりたくないけどやらざるを得なかったコト(特に007シリーズとして)といった辺りの整合性がまたかなりイマイチだという作品に思えます。そもそも個人的にはこの「結末」自体、前作で終わりだったハズが無理繰り今作をつくるコトにした挙句ダニエル・クレイグに契約条件として突き付けられた、というよーなモノだったのではないかとすら見えてますのよね。諸々、ちょっと完成度が高い作品には思えないですね。[映画館(字幕)] 5点(2021-10-02 18:36:21)(良:1票) 《改行有》

739.  死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 《ネタバレ》 非常に大衆向き&娯楽向きという方面にまた少し寄ってった、てな感じの三作目ですかね。そのうえで、ちょっと霊能力バトルみたいな側面も強まっててややファンタジー気味、という意味でも、少~し対象年齢自体も下がりつつあるのかと思います(ショック描写も総じてごくごくマイルドだし)。純粋なホラー部分のアレコレもまただいぶんよくある感じのヤツで揃えちゃってますし、オチも前作・前々作にも少し通じる様な(ある種)平凡なモンだしで、私個人の感覚としてはイイとこ二作目と同等くらいの出来(=一作目にはちょっと及ばない)という評価になりますかね。 好みの問題かも知れませんが、肝心の悪魔崇拝の「儀式」の内容とゆーのがやや分かりにくいかな、とも思いました(呪いで人を操って、殺させる+その後自殺させる、を3組で計6人…てまた大仰なコト)。ただ、ソコが少しややこしいので中盤でその謎を追ってゆく部分は無難にハラハラと観てゆけますし、そもそも全体的にお話の運び方は割かし巧かったとも思えてまして、個人的にはフツーに最後までダレずに楽しく観れてましたかね。ショック描写も前述どおりマイルド(=グロさやキレは高度ではない)ですが、見せ方自体は結構また巧いので決して全然(ホラーとして)悪くもないですし、そしてこのシリーズの一番の勘所であろうウォーレン夫妻のキャラの魅力も無難にそこそこ引き出せていましたし、重ねて娯楽用ホラーとしてはごく非常に手堅い出来だと思います(後々お家で暇潰しに使う分には十二分もいいトコロだろう、と)。ただし、とにかく「怖い」ホラーが観たいのよ!とかいう場合には、他の作品の方が好いかも知れませんね。[映画館(字幕)] 6点(2021-10-02 01:59:53)《改行有》

740.  先生、私の隣に座っていただけませんか? 《ネタバレ》 実質ヒモのクセに不倫してる、とゆーのなら、相手をどーしようもなく惚れさせてる、とゆーのでないと、いわゆる恋の「駆け引き」をするんだったら分が悪すぎるでしょ、と思います(=なら素直に謝れよ、とゆーのは黒木華に完全に同意ですね)。だから前半はまだソレと言えるのかも知れませんが、肝心の後半は実は駆け引きとかではなくて(黒木華の一方的な)量刑判断+刑の執行でしかないよーに見えるのですね。しかも、ソコで主に問題となるのはソコにまだ「愛があるか」ではなく、今この人と別れたらきっとこの人はダメになってしまう…という意味での憐憫からくる情けの「程度」の問題、でしかないと。うーん…どーなのでしょう?私としては、結局前半と後半どちらが面白かったかと訊かれれば、ノータイムで前半と答えますですね(要するに前述どおり、後半は駆け引き or 勝負になってないと感じるのですよね)。どちらかと言えば少しガッカリな終い方、かとも思います(この感触とゆーのにはいわゆる「男女差」があるのかも知れませんケドね)。 ただ、他にまずは感じたこととして、黒木華自体は見た目的に極めて魅力的であった、と(なんちゅーかエラく瑞々しいのですよね~正に「震い付きたくなる様な」つーか)。そんな彼女が口数少なくも軽~く致命傷の如くに「抉って」ゆく前半の会話の駆け引きは、率直に結構面白かったですよ。そして、一見はモテ男な柄本佑も(実は全編ほぼサンドバック状態ですが)中でもコメディリリーフとしての役割に関してはそこそこ上質だった、とも思えて、なのでやっぱ彼がもう少し木っ端微塵にされるのを観たかった、と言っても好いのかも知れません(取りも直さず、彼を木っ端微塵に「詰める」黒木華も同様にまた観たかった、とゆーことカモと)。[映画館(邦画)] 5点(2021-10-02 01:22:51)《改行有》

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